JP2016003729A - 十字軸継手用ヨーク、十字軸継手 - Google Patents

十字軸継手用ヨーク、十字軸継手 Download PDF

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Abstract

【課題】 ニードルベアリングのシェルにおける応力による金属疲労を抑制し、もって十字軸を支持するニードルベアリングの耐久性向上を実現する十字軸継手を提供する。
【解決手段】 軸方向に延びるスリット26を備えた円筒状の基部23と、基部23の一方の端部から軸方向にそれぞれ延び、径方向に互いに対向して、同一方向に貫通した軸受保持孔21がそれぞれ形成された一対のアーム24、25と、を有し、一対のアーム24、25の内径側において、軸受保持孔21の周囲で、一対のアーム24、25の外径側に向かって凹んだ逃げ部30が形成されているものとする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車のステアリング装置などに用いられる十字軸継手のヨーク及び十字継手に係り、詳しくは、十字軸を支持するニードルベアリングの耐久性向上を図る技術に関する。
ラックアンドピニオン式のステアリング装置では、ステアリングホイールの操作によるステアリングシャフトの回転がインターミディエイトシャフトを介してステアリングギヤのピニオンシャフトに伝達される。ステアリングシャフトとインターミディエイトシャフトとの間、インターミディエイトシャフトとピニオンシャフトとの間にはそれぞれ所定の交角が存在するため、連結部にそれぞれ自在継手が用いられる。
ステアリング装置用の自在継手としては、カルダンジョイント、フックスジョイント等とも呼ばれる十字軸継手が一般に用いられている。十字軸継手は、一対のアームが基部から延設された2つのヨークと、両ヨークを相対角度の変化自在に連結するスパイダーと、アームの軸受保持孔に圧入されてスパイダーのトルク伝達軸とアームとの相対回転を可能に支持する軸受とを有している。
十字軸継手としては、鋼板や鋼管を素材とする溶接構造品のヨークを有するもの(例えば、特許文献1)と、鋼材を素材とする鍛造成形品のヨークを有するもの(例えば、特許文献2)とが存在する。
また、十字軸継手用の軸受としては、鋼材切削加工品のベアリングカップにニードルローラを収容したソリッド型のニードルベアリング(例えば、特許文献1)の他、鋼板プレス成形品のシェルにニードルローラを収容したシェル型のニードルベアリング(例えば、特許文献2)が存在する。なお、溶接構造品のヨークとソリッド型のニードルベアリングとを有する十字軸継手は一般にプロペラシャフトなどの重荷重用であり、ステアリング装置では鍛造成形品のヨークとシェル型のニードルベアリングとを有する十字軸継手が多く用いられている。
特開2003−65353号公報 特開2006−275086号公報
鍛造成形品のヨークとシェル型のニードルベアリングとを有する十字軸継手では、以下に述べるように、応力による金属疲労がニードルベアリングのシェルに発生することがあった。
即ち、運転者がステアリングホイールを操作すると、ステアリングシャフトに付与された操舵トルクはインターミディエイトシャフトを介してステアリングギヤに伝達される。十字軸継手において、この操舵トルクは一方のヨークのアームからスパイダーのトルク伝達軸を介して他方のヨークのアームに伝達されるが、この際に軸受保持孔に保持されたシェル内でスパイダーのトルク伝達軸が僅かに傾くことにより、ニードルローラがスパイダーの中央部側に押され、シェルの軸方向端部に形成されたカール部に突き当たる。カール部は、シェルの円筒状の部分から全周にわたって径方向内側へ湾曲している。ニードルローラがカール部に突き当たると、カール部と円筒部との境界部付近に大きな応力が生じる。
これにより、カール部と円筒部との境界付近にはステアリング操作のたびに大きな繰り返し応力が発生する。特にステアリングシャフトにアシスト力が付与されるコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置の場合、十字軸継手が伝達する操舵トルクが大きくなることから、応力による上記境界部の金属疲労が進行する。
一方、シェルにはアームの軸受保持孔に圧入されることによる応力も発生するが、この応力は軸受保持孔への嵌合部位と非嵌合部位の境界、すなわち、軸受保持孔の開口端付近で大きくなる。そのため、上記境界部が軸受保持孔の開口端の近傍に位置した場合、上記操舵トルクに起因する応力と上記圧入に起因する応力とが重畳されて上記境界部の金属疲労がより進行しやすくなる問題がある。
本発明は、ニードルベアリングのシェルにおける応力による金属疲労を抑制し、もって十字軸を支持するニードルベアリングの耐久性向上を実現する十字軸継手用ヨーク及び十字軸継手を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
軸方向に延びるスリットを備えた円筒状の基部と、
前記基部の一方の端部から軸方向にそれぞれ延び、径方向に互いに対向して、同一方向に貫通した軸受保持孔がそれぞれ形成された一対のアームと、を有し、
前記一対のアームの内径側において、前記軸受保持孔の周囲で、前記軸受保持孔の中心よりも前記一対のアームの基端部寄りの部分から前記一対のアームの先端にかけて、前記一対のアームの外径側に向かって前記一対のアームの基端部側よりも凹んだ逃げ部が形成されていることを特徴とする十字軸継手用ヨークを提供する。
これにより、ニードルベアリングのシェルにおける応力による金属疲労を抑制し、もって十字軸を支持するニードルベアリングの耐久性向上を実現することができる。なお、「一対のアームの内径側」とは、一対のアームが対向する側を指し、「一対のアームの外径側」とは、その反対側を指す。また、「一対のアームの基端部」とは、一対のアームのうちヨークの基部に隣接した部分を指す。
また、好ましくは、前記逃げ部は、前記軸受保持孔の全周にわたって形成されている。これにより、軸受を周方向で均一に保持できるため、軸受の回転トルクを安定させることができる。
また、好ましくは、前記逃げ部に隣接して、前記一対のアームの内径側に突出し、軸方向に延びて前記アームを補強するリブ部を有する。これにより、アームに逃げ部を設けても、アームの必要な強度及び剛性を維持することができる。
また、本発明の好ましい態様は、前記一対のアームの外径側に突出し、軸方向に延びて前記アームを補強するリブ部を有する。これにより、更に、アーム強度及び剛性を高めることができる。
また、上記課題を解決するため、本発明は、上記十字軸継手用ヨークを備えることを特徴とする十字軸継手を提供する。
本発明によれば、ニードルベアリングのシェルにおける応力による金属疲労を抑制し、もって十字軸を支持するニードルベアリングの耐久性向上を実現する十字軸継手用ヨーク及び十字軸継手を提供することができる。
実施形態に係る十字軸継手の半裁縦断面図である。 実施形態に係るヨークの側面図である。 実施形態に係るヨークの縦断面図である。 図2、図3中のIV矢視図である。 実施形態の作用を説明する図である。 実施形態の作用を説明する図である。 第1変形例に係るヨークの縦断面図である。 図7中のVIII矢視図である。 第2変形例に係るヨークの縦断面図である。 図9中のX矢視図である。
以下、本発明をコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置の十字軸継手に適用した一実施形態およびその一部変形例としての第1変形例及び第2変形例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施形態の構成>
図1に示すように、実施形態の十字軸継手1は、互いに同じ形状をした対向する2つのヨーク2と、両ヨーク2を相対角度の変化自在に連結するスパイダー4と、各ヨーク2の軸受保持孔21に圧入されてスパイダー4のトルク伝達軸42を回転自在に支持するニードルベアリング5とを主要構成要素としている。
スパイダー4は鋼を素材とする鍛造・切削加工品であり、立方体形状の中央部41と、中央部41の外周4面のそれぞれの中央部から、それぞれその面に垂直な方向に延びる4本のトルク伝達軸42とを有している。各トルク伝達軸42の先端側の軸心部分にはピン孔43が穿孔され、このピン孔43に位置決め用の樹脂ピン60が挿入されている。
(ヨーク)
ヨーク2は、鋼から成り、図2、図3に示すように、雌セレーション22aを有するシャフト挿入孔22が穿設された円筒状の基部23と、基部23の一方の端部から相手側のヨーク2に向けて延び、基部23の径方向に対向した一対のアーム24、25とを有している。両アーム24、25には上述した軸受保持孔21が同軸に形成されている。雌セレーション22aは、ブローチ加工などによって形成することができる。
図1に示すように、一方のヨーク2のシャフト挿入孔22には、ステアリングシャフトなどの入力軸101が挿入され、他方のヨーク2のシャフト挿入孔22には、インターミディエイトシャフトなどの出力軸102が挿入される。入力軸101および出力軸102の先端には、シャフト挿入孔22の雌セレーション22aに対応する雄セレーション101a、102aと、ボルト29の軸部が係合する抜け止め溝101b、102bとが形成されている。
基部23には、図3に示すようにスリット26と、ねじ孔27が形成され、ねじ孔27に対向するスリット26を挟んで反対側の部分には、図2に示すようにボルト孔28が設けられている。入力軸101あるいは出力軸102は、ボルト29がボルト孔28から挿入され、ねじ孔27にねじ込まれることにより、基部23に締め付けられてヨーク2と一体化される。
図3、図4に示すように、アーム24、25の内径側と外径側とにはそれぞれ他の部分よりも凹んだ、又は、他の部分よりも低く形成された逃げ部30、31が形成されており、軸受保持孔21の周囲が周辺部表面37、38から凹んだ平坦面となっている。
両逃げ部30、31は、ヨーク2の鍛造又は鋳造において形成することができるが、鍛造又は鋳造の後、図3及び図4に二点鎖線で示すフライスカッタなどの回転切削工具105をアーム24、25の先端側から基部23側に送ることでも形成することができる。アーム24、25の先端側は、型抜きを容易にし、又は、上記切削加工を可能とするため、開放された形状となっている。内径側の逃げ部30と外径側の逃げ部31とは、略同一形状となっている。軸方向から見て逃げ部30の側方には、周辺部表面37、38を形成するリブ部32ないし35がアーム24、25の内径側又は外径側に突出している。
(ニードルベアリング)
図1に示すように、ニードルベアリング5は、鋼板プレス成形品のシェル51にニードルローラ55を収容した構成をしている。ニードルベアリング5は、スパイダー4のトルク伝達軸42に被さり、軸受保持孔21に圧入されている。
シェル51は、底部52と、底部52の周辺部から一方向に延びる円筒部53と、底部52とは反対側の円筒部53の端部で、全周にわたって径方向内側に湾曲したカール部54とを有している。シェル51は、カール部54側から、アーム24、25の外径側から内径側に向かって軸受保持孔21に圧入される。ニードルベアリング5が圧入された状態では、円筒部53とカール部54との境界51aが軸受保持孔21の内径側開口端21aから所定距離を離して内径側に位置し、底部52と円筒部53との境界51bは軸受保持孔21の外径側開口端21bよりも所定量内径側に位置している。
ニードルベアリング5は、トルク伝達軸42のピン孔43に嵌挿された樹脂ピン60にシェル51の底部52が接触することにより、圧入時の位置決めがなされている。また、トルク伝達軸42の基端には、ニードルベアリング5に塵埃などが入り込むことを防止すべく、全周にわたってカール部54を覆い、接触するリップ61aを備えたシール61が装着されている。
<実施形態の作用>
例えば、実施形態に係る十字軸継手1がステアリング装置に用いられる場合、運転者がステアリング操作を行うと、ステアリングシャフト、即ち、入力軸101が所定の操舵トルクをもって回転し、その操舵トルクが十字軸継手1を介してインターミディエイトシャフト、即ち、出力軸102に伝達される。十字継手1において、上記操舵トルクは一方のヨーク2のアーム24、25からスパイダー4のトルク伝達軸42を介して他方のヨーク2のアーム24、25に伝達される。
この際、軸受保持孔21に保持されたシェル51内でスパイダー4のトルク伝達軸42が僅かに傾くことにより、ニードルローラ55が一対のアーム24、25の内径側に押されてカール部54に突き当たる。特に、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置の場合、パワーアシストされた入力軸101から伝達される操舵トルクはラックアシスト型のパワーステアリング装置の場合よりも遙かに大きいため、ニードルローラ55はカール部54により強く突き当たる。このようにして、ニードルベアリング5のシェル51では、図5中にハッチングで示すように、円筒部53とカール部54との境界51a付近に操舵トルクによる応力が発生する。特に、図6に示すように、アーム24とトルク伝達軸42とは十字軸継手1の回転方向で荷重を受けるため、操舵トルクによる応力はヨーク2の軸方向においてニードルベアリング5の中間位置で大きくなる。
また、シェル51にはアーム24の軸受保持孔21に圧入されることによる応力も発生するが、図5中にハッチングで示すように、この応力は、圧入された部分と圧入されていない部分との境界となる軸受保持孔21の内径側開口端21a付近、及び、底部52によって他の円筒部53よりも変形しにくい境界51b付近で大きくなる。
しかしながら、本実施形態によれば、円筒部53とカール部54との境界51aが軸受保持孔21の内径側開口端21aから離れて内径側に位置しているため、操舵トルクに起因する応力と圧入に起因する応力とがニードルベアリング5の軸方向で重ならず、応力の発生位置を分散することができるため、従来の十字軸継手において問題となっていた境界51a付近の金属疲労が効果的に抑制できる。
また、逃げ部30、31の側方にそれぞれ一対のリブ部32、33、34、35が設けられているため、アーム24の十分な強度および剛性も確保することができる。
更に、シェル51の円筒部53を円周方向で均一に保持できるため、ニードルベアリング5の回転トルクを安定させることができる。
<一部変形例>
以下、図7ないし図10を参照して、上記実施形態の2つの一部変形例を説明する。両変形例ともその全体構成は実施形態と略同一であるが、アーム24、25の内径側に形成される逃げ部の形状が異なっている。
第1変形例は、図7、図8に示すように、逃げ部30の側方には上記実施形態のようなリブ部が形成されておらず、また、軸受保持孔21よりも基部23側の部分からアーム24、25の先端まで逃げ部が形成されている。
第1変形例の場合、アーム24、25の内径側にリブ部が存在しないことによって、アーム24の強度及び剛性の点で上記実施形態よりも不利であるが、加工が容易であるという利点が有る。ニードル軸受のシェルの金属疲労を抑制できる点、及び、シェルの円筒部を円周方向に均一に保持することにより、ニードルベアリングの回転トルクを安定させることができる点は、上記実施形態と同様である。
第2変形例は、図9、図10に示すように、逃げ部30が、基部23側に設けられておらず、ヨーク2の軸方向で軸受保持孔21の中心と軸受保持孔21の基部23側端部との中間地点からアーム24、25の先端まで形成されている。そのため、基部23側部分においては、円筒部53とカール部54との境界51aが軸受保持孔21の内径側開口端21aにより近接した配置になる。
しかしながら、図5に示したように、操舵トルクによる応力はヨーク2の軸方向においてニードルベアリング5の中間位置で大きくなる。本第2変形例では、応力が大きくなる中間位置からアーム24、25の先端までを逃げ部30としていることから、操舵トルクに起因する応力と圧入に起因する応力との重畳によるカール部の金属疲労が最も問題となる部分においては金属疲労が抑えられる。
また、第2変形例の場合、第1変形例と同様に加工が容易となる他、第1変形例よりもアーム24の強度及び剛性の点で有利である。
以上で具体的実施形態や一部変形例の説明を終えるが、本発明の態様はこれらに限られるものではない。
例えば、上記実施形態はコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置用の十字軸継手に本発明を適用したものであるが、ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置や油圧パワーステアリング装置などに用いられる十字軸継手にも当然に適用可能であるし、ステアリング装置以外の装置に用いられる十字軸継手にも適用可能である。また、ヨークを、鋼板や鋼管を素材とする溶接構造品としてもよい。その他、十字軸継手やヨークの具体的構成や具体的形状についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 十字軸継手
2 ヨーク
4 スパイダー
5 ニードルベアリング
21 軸受保持孔
21a 内径側開口端
21b 外径側開口端
22 シャフト挿入孔
22a 雌セレーション
23 基部
24、25 アーム
26 スリット
27 ねじ孔
28 ボルト孔
29 ボルト
30 逃げ部
31 逃げ部
32 リブ部
37、38 周辺部表面
41 中央部
42 トルク伝達軸
43 ピン孔
51 シェル
51a 境界
51b 境界
52 底部
53 円筒部
54 カール部
55 ニードルローラ
60 樹脂ピン
61 シール
61a リップ
101 入力軸
101a 雄セレーション
101b 抜け止め溝
102 出力軸
102a 雄セレーション
102b 抜け止め溝
105 回転切削工具

Claims (5)

  1. 軸方向に延びるスリットを備えた円筒状の基部と、
    前記基部の一方の端部から軸方向にそれぞれ延び、径方向に互いに対向して、同一方向に貫通した軸受保持孔がそれぞれ形成された一対のアームと、を有し、
    前記一対のアームの内径側において、前記軸受保持孔の周囲で、前記軸受保持孔の中心よりも前記一対のアームの基端部寄りの部分から前記一対のアームの先端にかけて、前記一対のアームの外径側に向かって前記一対のアームの基端部側よりも凹んだ逃げ部が形成されていることを特徴とする十字軸継手用ヨーク。
  2. 前記逃げ部は、前記軸受保持孔の全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の十字軸継手用ヨーク。
  3. 前記逃げ部に隣接して、前記一対のアームの内径側に突出し、軸方向に延びて前記アームを補強するリブ部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の十字継手用ヨーク。
  4. 前記一対のアームの外径側に突出し、軸方向に延びて前記アームを補強するリブ部を有することを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の十字軸継手用ヨーク。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の十字軸継手用ヨークを備えることを特徴とする十字軸継手。
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