JP2016004643A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】反応生成物の外部への排出を抑制するとともに、排出液から反応生成物を効率よく分離し、発電効率の低下、および、燃料電池の損傷を抑制することができる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】燃料電池システム2が、電解質層8と、電解質層8を挟んで対向配置されるアノード電極11およびカソード電極16とを備える燃料電池3と、燃料電池3に対して液体燃料を供給する燃料供給ライン30と、燃料電池3に供給された液体燃料の反応生成物および反応生成水を含む排出液を排出する燃料排出ライン31と、燃料電池3に対して空気を供給する空気供給ライン41と、燃料排出ライン31に介在され、排出液から、反応生成物の少なくとも一部を含む水分を分離するための水分離装置45と、水分離装置45により分離された水分から、反応生成物を分離するための生成物分離装置55とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体燃料と接触して発電する単位セルを複数備える燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
従来、液体燃料を使用する燃料電池システムとして、例えば、直接メタノール形燃料電池、直接ジメチルエーテル形燃料電池、ヒドラジン形燃料電池などを備えた燃料電池システムが知られている。
液体燃料形燃料電池は、水素ガスを生成するための改質器を必要としないので、システムとしての構造の簡略化が期待されている。
液体燃料形燃料電池が備えられる燃料電池システムは、通常、電解質膜、燃料側電極および酸素側電極が圧着されて得られる膜・電極接合体(MEA)を有する単位セルが複数積層されることによって形成されている燃料電池と、燃料電池に液体燃料を供給するための燃料供給手段と、燃料電池に空気を供給するための空気供給手段とを備えている。
このようなシステムでは、燃料電池のアノードに液体燃料が供給されるとともに、燃料電池のカソードに空気が供給されることによって、電気化学反応が生じ、起電力が発生する。
このような燃料電池システムとして、より具体的には、例えば、電解質層、電解質層の一方側に配置され、液体燃料としてヒドラジンなどが供給されるアノード、および、電解質層の他方側に配置され、空気が供給されるカソードを備える燃料電池と、アノードにヒドラジン類を供給する燃料給排部と、カソードに空気を供給する空気給排部とを備える燃料電池システムが、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−134981号公報
特許文献1に記載の燃料電池システムでは、電気化学反応によって、ヒドラジン(N)が消費され、起電力が発生するとともに、N(反応生成物)とHO(反応生成水)とが生じる。また、燃料であるヒドラジン(N)が副反応を惹起し、反応生成物としてアンモニア(NH)が生じ、排出液中に混入される場合がある。
このような反応生成物は、燃料電池からの排出液に含有された状態で排出され、気液分離器などによってガスとして分離され、燃料電池システムから排出される。このような場合に、例えば、アンモニアなどがガスとして外部へ排出されると、環境負荷を生じる場合がある。
また、例えば、アンモニアは水溶性であるため、ガスとして分離されず、水分に溶存された状態で、排出液中に残存する場合がある。そして、アンモニアなどの反応生成物が排出液中に混入されると、排出液中の液体燃料(未反応の液体燃料)や反応生成水を再利用する場合に、反応効率の低下や、燃料電池の損傷などを惹起する場合がある。
そこで、本発明の目的は、反応生成物の外部への排出を抑制するとともに、排出液から反応生成物を効率よく分離し、発電効率の低下、および、燃料電池の損傷を抑制することができる燃料電池システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、電解質層と、前記電解質層を挟んで対向配置される燃料側電極および酸素側電極とを備える燃料電池と、前記燃料電池に対して液体燃料を供給する燃料供給経路と、前記燃料電池に供給された液体燃料の反応生成物および反応生成水を含む排出液を排出する燃料排出経路と、前記燃料電池に対して空気を供給する空気供給経路と、前記燃料排出経路に介在され、前記排出液から、反応生成物の少なくとも一部を含む水分を分離するための水分離手段と、前記水分離手段により分離された水分から、反応生成物を分離するための生成物分離手段とを備えることを特徴としている。
本発明の燃料電池システムによれば、水分離手段により水分が分離され、その分離された水分から反応生成物が生成物分離手段において分離されるため、反応生成物が外部へ排出されることを抑制することができる。
また、本発明の燃料電池システムによれば、排出液から反応生成物が分離されるため、排出液中の液体燃料や反応生成水が再利用される場合にも、反応効率の低下や、燃料電池の損傷などを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを搭載した電動車両の概略構成図である。 図2は、図1に示す燃料電池システムに搭載される水分離装置を示す概略構成図である。 図3は、図2に示す膜ユニットの径方向に沿う概略断面図である。
1.燃料電池システムの全体構成
図1において、電動車両1は、燃料電池およびバッテリを選択的に動力源とするハイブリッド車両であって、燃料電池システム2を搭載している。
燃料電池システム2は、燃料電池3と、燃料給排部4と、空気給排部5と、水回収部21と、制御部6と、動力部7とを備えている。
(1)燃料電池
燃料電池3は、液体燃料が直接供給および排出される、例えば、アニオン交換型燃料電池またはカチオン交換型燃料電池であって、電動車両1の中央下側に配置されている。
燃料電池3に供給され、また、燃料電池3から排出される液体燃料としては、例えば、ヒドラジン(例えば、無水ヒドラジンや、ヒドラジン1水和物などの水加ヒドラジンなどを含む)が用いられる。
なお、以下において、燃料電池3に供給される液体燃料を供給液、一方、燃料電池3から排出される液体燃料を排出液として、それぞれ区別する。
なお、排出液は、未反応の液体燃料の他、燃料電池3における液体燃料の反応生成物および反応生成水を含んでいる。反応生成物は、用いられる液体燃料の種類により異なる。例えば、液体燃料としてヒドラジンが用いられる場合には、窒素(N)やアンモニア(NH)などが反応生成物として排出液に含有される。
燃料電池3は、電解質層8と、電解質層8の一方側に配置されたアノード9と、電解質層8の他方側に配置されたカソード10とを有する単位セル28(燃料電池セル)が、セパレータ(図示せず)を介して複数積層されたスタック構造に形成されている。つまり、電解質層8を介してアノード9およびカソード10が対向配置されてなる単位セル28が複数積層されている。なお、図1では、積層される複数の単位セル28のうち、電動車両1の前後方向途中に配置される単位セル28だけを拡大して表わし、その他の単位セル28については簡略化して記載している。
電解質層8は、例えば、アニオン成分またはカチオン成分が移動可能な層であり、アニオン交換膜またはカチオン交換膜を用いて形成されている。
アノード9は、燃料側電極としてのアノード電極11と、アノード電極11に液体燃料(供給液)を供給するための燃料供給部材12とを有している。
アノード電極11は、電解質層8の一方面に形成されている。アノード電極11の電極材料としては、例えば、触媒が担持された多孔質担体(触媒担持多孔質担体)などが挙げられる。
燃料供給部材12は、セパレータとしても兼用され、ガス不透過性の導電性部材からなる。燃料供給部材12には、その表面から凹む葛折状の溝が形成されている。そして、燃料供給部材12は、溝の形成された表面がアノード電極11に対向接触されている。これにより、アノード電極11の一方面と燃料供給部材12の他方面(溝の形成された表面)との間には、アノード電極11全体に液体燃料(供給液)を接触させるための燃料供給路13が形成される。
燃料供給路13には、液体燃料(供給液)をアノード9内に流入させるための燃料供給口15が一端側(下側)に形成され、液体燃料(排出液)をアノード9から排出するための燃料排出口14が他端側(上側)に形成されている。
カソード10は、酸素側電極としてのカソード電極16と、カソード電極16に空気(酸素)を供給するための空気供給部材17とを有している。
カソード電極16は、電解質層8の他方面に形成されている。
カソード電極16の電極材料としては、例えば、アノード電極11の電極材料として例示した、触媒担持多孔質担体などが挙げられる。
空気供給部材17は、セパレータとしても兼用され、ガス不透過性の導電性部材からなる。空気供給部材17には、その表面から凹む葛折状の溝が形成されている。そして、空気供給部材17は、溝の形成された表面がカソード電極16に対向接触されている。これにより、カソード電極16の他方面と空気供給部材17の一方面(溝の形成された表面)との間には、カソード電極16全体に空気を接触させるための空気流路としての空気供給路18が形成される。
空気供給路18には、空気をカソード10内に流入させるための空気供給口19が他端側(上側)に形成され、空気をカソード10から排出するための空気排出口20が一端側(下側)に形成されている。
また、このような燃料電池3において、複数の単位セル28をそれぞれ区分する1つのセパレータは、上記燃料供給部材12および上記空気供給部材17を兼ね備える。換言すると、セパレータは、その一方側面において、燃料供給部材12として作用するとともに、他方側面において、空気供給部材17として作用する。
(2)燃料給排部
燃料給排部4は、液体燃料を貯蔵するための燃料タンク22と、燃料タンク22から燃料電池3(具体的には、アノード9の燃料供給路13)へ供給液を供給する燃料供給経路としての燃料供給ライン30と、燃料電池3(具体的には、アノード9の燃料供給路13)から排出液を排出する燃料排出経路としての燃料排出ライン31と、燃料排出ライン31から燃料供給ライン30へ排出液を輸送する還流ライン32とを備えている。
なお、燃料供給ライン30と燃料排出ライン31との間には、燃料電池3が介在されており、また、燃料排出ライン31と還流ライン32との間には、気液分離器23(後述)が介在されている。
燃料タンク22は、燃料電池3よりも後方、電動車両1の後側に配置されている。燃料タンク22には、液体燃料として、例えば、上記したヒドラジンが貯蔵されている。
燃料供給ライン30は、その上流側端部が、シール材(ガスケットなど)を介して、燃料タンク22に接続されるとともに、下流側端部が、シール材(ガスケットなど)を介して燃料電池3(具体的には、アノード9の燃料供給路13)に接続されている。
また、燃料供給ライン30の流れ方向途中には、燃料供給ポンプ33および燃料供給弁34が設けられている。
燃料供給ポンプ33としては、例えば、ロータリーポンプ、ギヤポンプなどの回転式ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプなどの往復式ポンプなど、公知の送液ポンプが用いられる。燃料供給ポンプ33は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット29(後述)からの制御信号が、燃料供給ポンプ33に入力され、コントロールユニット29(後述)が、燃料供給ポンプ33の駆動および停止を制御する。
また、燃料供給弁34は、燃料供給ライン30を開閉するための弁であって、例えば、電磁弁など、公知の開閉弁が用いられる。また、燃料供給弁34は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット29(後述)からの制御信号が、燃料供給弁34に入力され、コントロールユニット29(後述)が、燃料供給弁34の開閉を制御する。
このような燃料供給ライン30により、燃料タンク22から、液体燃料(供給液)が燃料電池3へ供給される。
燃料排出ライン31は、その上流側端部が、シール材(ガスケットなど)を介して、燃料電池3(具体的には、アノード9の燃料供給路13)に接続されるとともに、下流側端部が、シール材(ガスケットなど)を介して、気液分離器23に接続されている。
このような燃料排出ライン31により、排出液が燃料電池3から排出され、気液分離器23に輸送される。
気液分離器23は、例えば、中空の容器からなり、その下部には、気液分離器23の内外を流通させる底部流通口24が2つ形成されている。
また、気液分離器23の上部には、気液分離器23の内外を流通させる上部流通口25が1つ形成されている。
気液分離器23は、燃料電池3よりも電動車両1の前後方向後方、かつ、電動車両1の上下方向上方において、2つの底部流通口24が、それぞれ、シール材(ガスケットなど)を介して、燃料排出ライン31および還流ライン32(後述)に接続されている。
上部流通口25には、気液分離器23で分離されたガス(気体)を排出するためのガス排出管26が接続されている。ガス排出管26は、シール材(ガスケット)を介して上部流通口25に接続されている。また、ガス排出管26の途中には、ガス排出弁27が設けられており、下流側端部が大気中に開放されている。
ガス排出弁27は、ガス排出管26を開放して気液分離器23内の圧力を開放するための弁であって、例えば、電磁弁など、公知の開閉弁が用いられる。ガス排出弁27は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット29(後述)からの制御信号がガス排出弁27に入力され、コントロールユニット29(後述)が、ガス排出弁27の開閉を制御する。
還流ライン32は、その上流側端部が、シール材(ガスケットなど)を介して、気液分離器23に接続されるとともに、下流側端部が、シール材(ガスケットなど)を介して、燃料供給ライン30の流れ方向途中、詳しくは、燃料供給ポンプ33および燃料供給弁34よりも下流側に接続されている。
また、還流ライン32の流れ方向途中には、燃料還流ポンプ35が介在されている。
燃料還流ポンプ35としては、例えば、ロータリーポンプ、ギヤポンプなどの回転式ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプなどの往復式ポンプなど、公知の送液ポンプが用いられる。燃料還流ポンプ35は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット29(後述)からの制御信号が、燃料還流ポンプ35に入力され、コントロールユニット29(後述)が、燃料還流ポンプ35の駆動および停止を制御する。
これにより、燃料排出ライン31内を輸送される排出液が、気液分離器23および還流ライン32を介して、燃料供給ライン30に輸送される。そして、燃料タンク22から輸送された液体燃料(1次供給液)と混合され、濃度調整された後、供給液(2次供給液)として、燃料電池3に戻ることにより、アノード9を循環するクローズドライン(閉流路)が形成される。
(3)空気給排部
空気給排部5は、燃料電池3(カソード10)に対して空気を供給する空気供給経路としての空気供給ライン41と、カソード10から排出される空気を外部に排出するための空気排出ライン42とを備えている。
空気供給ライン41は、その一端側(上流側)が大気中に開放され、他端側(下流側)が空気供給口19に接続されている。空気供給ライン41の途中には、空気供給ポンプ43が介在されており、また、その下流側には、空気供給弁44が設けられている。
また、空気供給ポンプ43は、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されており、コントロールユニット29(後述)からの制御信号が、空気供給ポンプ43に入力され、コントロールユニット29(後述)が、空気供給ポンプ43の駆動および停止を制御する。
空気供給弁44は、空気供給ライン41を開閉するための弁であって、例えば、電磁弁など、公知の開閉弁が用いられる。
また、空気供給弁44は、それぞれ、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されており、コントロールユニット29(後述)からの制御信号が、空気供給弁44に入力され、コントロールユニット29(後述)が、空気供給弁44の開閉を制御する。
空気排出ライン42は、その一端側(上流側)が空気排出口20に接続され、他端側(下流側)がドレンとされる。
(4)水回収部
水回収部21は、燃料電池3において液体燃料の電気化学反応(後述)によって生じる水を回収するために設備されている。
具体的には、水回収部21は、反応生成物の少なくとも一部を含む水分を排出液から分離するための水分離手段としての水分離装置45と、水分離手段により分離された水分から反応生成物を分離するための生成物分離手段としての生成物分離装置55とを備えている。
水分離装置45は、燃料電池3から排出される排出液から、排出液に含まれる水分(反応生成物を含む)を分離するための装置であって、燃料電池3の液体燃料出口(燃料排出口14)の近傍において、燃料排出ライン31に介在されている。
このような水分離装置45は、図2に示されるように、膜ユニット53と、膜ユニット53を収容する収容部51と、収容部51を掃気するための掃気ポンプ52とを備えている。
膜ユニット53は、図3に示されるように、ハニカムセラミック担体60と、ハニカムセラミック担体60に担持される水分離膜47とを備えている。
ハニカムセラミック担体60は、例えば、アルミナなどのセラミックからなる略円筒部材であって、その径方向内側には、略六角形の貫通孔(パス)54が、複数形成されている。
各貫通孔(パス)54は、ハニカムセラミック担体60の軸線方向を貫通する流体通路として形成されており、その周壁面は、水分離膜47により被覆されている。
水分離膜47は、排出液中に含まれる液体燃料の反応生成物や、未反応の液体燃料などを遮断する一方、反応生成水(水分)を透過させる膜であって、特に制限されないが、例えば、孔径が1nm以下の炭素膜などが挙げられる。水分離膜47の孔径は、例えば、1nm以下、好ましくは、0.5nm以下であり、通常、0.3nm以上である。
そして、このような膜ユニット53は、その長手方向が排出液の流れ方向に沿うように燃料排出ライン31に介在されている(図2参照)。これにより、膜ユニット53の貫通孔54(水分離膜47により被覆された貫通孔54)内に、排出液が通過可能とされ、水分離膜47の厚み方向一方側(貫通孔54の内側)に、排出液が接触可能とされている。また、水分離膜47の厚み方向他方側(貫通孔54の外側)には、ハニカムセラミック担体60が接触される。
図2において、収容部51は、特に制限されず、公知の密閉容器からなる。
掃気ポンプ52は、例えば、公知のエアコンプレッサーであって、コントロールユニット29(後述)に電気的に接続されている(図1の破線参照)。これにより、コントロールユニット29(後述)からの制御信号が、掃気ポンプ52に入力され、コントロールユニット29(後述)が、掃気ポンプ52の駆動および停止を制御する。
そして、詳しくは後述するが、このような掃気ポンプ52によって膜ユニット53の径方向外側に空気を通過させることにより、排出液に含有される水分を水蒸気化して、膜ユニット53の径方向内側から外側に(水分離膜47の厚み方向一方側から他方側に)水蒸気を透過させ、膜ユニット53内を通過する排出液から水分を分離することができる(浸透気化法)。また、詳しくは後述するが、このようにして分離された水分には、反応生成物の少なくとも一部が溶存されている。
生成物分離装置55は、水分離装置45により分離された水分から、反応生成物を分離するために設けられており、図1に示されるように、水分離ライン46および水貯留タンク56を備えている。
水分離ライン46は、その上流側端部が、シール材(ガスケットなど)を介して、水分離装置45(収容部51)に接続されるとともに、下流側端部が、シール材(ガスケットなど)を介して水貯留タンク56接続されている。
水貯留タンク56は、公知の容器からなり、水分離装置45により分離された水分を貯留するために設けられている。
また、水分離ライン46の流れ方向途中には、凝縮器57が介在されており、また、その下流側には、吸着装置58が設けられている。
凝縮器57は、公知の容器からなり、排出液から水蒸気として分離された水分を、凝縮し、液体化するために設けられている。
凝縮器57内は、常温常圧環境とされている。これにより、水分離装置45において水蒸気化された水分を、凝縮器57内において凝縮させることができる。
また、図示しないが、凝縮器57には、掃気ポンプ52により掃気された空気を排出するための排出ラインが接続されている。これにより、掃気ポンプ52からの空気が排出される。
吸着装置58は、凝縮器57において凝縮された水分から、反応生成物を吸着除去するために設けられており、吸着材を備える容器として形成されている。
吸着材は、水分に含まれる反応生成物の種類に応じて適宜選択されるが、例えば、ゼオライト、陰イオン交換樹脂などのイオン交換器などが挙げられる。
(5)制御部
制御部6は、コントロールユニット29を備えている。
コントロールユニット29は、電動車両1における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。
制御部6では、詳しくは後述するが、例えば、燃料供給ポンプ33、燃料還流ポンプ35、掃気ポンプ52などの駆動および停止や、燃料供給弁34やガス排出弁27、空気供給弁44などの開閉などを、適宜制御する。
(6)動力部
動力部7は、燃料電池3から出力される電気エネルギーを電動車両1の駆動力として機械エネルギーに変換するためのモータ37と、モータ37に電気的に接続されるインバータ38と、モータ37による回生エネルギーを蓄電するための動力用バッテリ40と、DC/DCコンバータ36とを備えている。
モータ37は、燃料電池3よりも前方、電動車両1の前側に配置されている。モータ37としては、例えば、三相誘導電動機、三相同期電動機など、公知の三相電動機が挙げられる。
インバータ38は、モータ37と燃料電池3との間に配置されている。インバータ38は、燃料電池3で発電された直流電力を交流電力に変換する装置であって、例えば、公知のインバータ回路が組み込まれた電力変換装置が挙げられる。また、インバータ38は、配線により、燃料電池3およびモータ37にそれぞれ電気的に接続されている。
動力用バッテリ40としては、例えば、ニッケル水素電池や、リチウムイオン電池など、公知の二次電池が挙げられる。また、動力用バッテリ40は、インバータ38と燃料電池3との間の配線に接続され、これにより、燃料電池3からの電力を蓄電可能、かつ、モータ37に電力を供給可能とされている。
DC/DCコンバータ36は、動力用バッテリ40と燃料電池3との間に配置されている。DC/DCコンバータ36は、燃料電池3の出力電圧を昇降圧する機能を有し、燃料電池3の電力および動力用バッテリ40の入出力電力を調整する機能を有している。
そして、DC/DCコンバータ36は、コントロールユニット29と電気的に接続されており(図1の破線参照)、これにより、コントロールユニット29から出力される出力制御信号の入力に応じて、燃料電池3の出力(出力電圧)を制御する。
また、DC/DCコンバータ36は、配線により、燃料電池3および動力用バッテリ40にそれぞれ電気的に接続されているとともに、配線の分岐により、インバータ38に電気的に接続されている。
これにより、DC/DCコンバータ36からモータ37への電力は、インバータ38において直流電力から三相交流電力に変換され、三相交流電力としてモータ37に供給される。
2.燃料電池システムによる発電
上記した燃料電池システム2では、コントロールユニット29の制御により、燃料供給弁34が開かれ、燃料供給ポンプ33および燃料還流ポンプ35が駆動されることにより、液体燃料が、燃料供給ライン31を介してアノード9に供給される。一方、空気供給弁44が開かれ、空気供給ポンプ43が駆動されることにより、空気が空気供給ライン41を介してカソード10に供給される。なお、燃料供給弁34は、液体燃料が所定量供給された後に閉じられる。
アノード9では、液体燃料が、アノード電極11と接触しながら燃料供給路13を通過する。一方、カソード10では、空気が、カソード電極16と接触しながら空気供給路18を通過する。
そして、各電極(アノード電極11およびカソード電極16)において電気化学反応が生じ、起電力が発生する。例えば、液体燃料がヒドラジンである場合には、下記式(1)〜(3)の通りとなる。
(1) N+4OH→N+4HO+4e (アノード電極11での反応)
(2) O+2HO+4e→4OH (カソード電極16での反応)
(3) N+O→N+2HO (燃料電池3全体での反応)
このようなアノード電極11およびカソード電極16での電気化学的反応が連続的に生じることによって、燃料電池3全体として、上記式(3)で表わされる反応が生じて、燃料電池3に起電力が発生する。
そして、発生した起電力が、配線を介して、DC/DCコンバータ36に送電され、動力部7では、インバータ38およびモータ37、および/または、動力用バッテリ40に送電される。そして、モータ37では、インバータ38により三相交流電力に変換された電気エネルギーが電動車両1の車輪を駆動させる機械エネルギーに変換される。一方、動力用バッテリ40では、その電力が充電される。
また、燃料給排部4では、燃料還流ポンプ35および燃料供給ポンプ33の駆動力により、アノード9から排出される使用後および未反応の液体燃料(排出液)が、燃料排出ライン31を通過して上流側の底部流通口24から気液分離器23に流入する。気液分離器23では、水位が上部流通口25よりも下方位置に保持される液体燃料の液溜まり39が、気液分離器23の中空部分に生じるとともに、液溜まり39に含まれるガス(気体)が液溜まり39の上方空間へ分離される。その一方で、液溜まり39の一部が、下流側の底部流通口24から還流ライン32に流出する。
還流ライン32に流出する液体燃料は、燃料供給ライン30の流れ方向途中部分において、燃料タンク22から供給される液体燃料と混合された後、再び燃料供給口15から燃料供給路13に流入する。
このようにして、液体燃料が、クローズドライン(還流ライン32、燃料供給ライン30、燃料排出ライン30、気液分離器23および燃料供給路13)を循環する。なお、気液分離器23で分離された気体は、ガス排出弁27が開かれることにより、ガス排出管26を介して外部へ排出される。
3. 反応生成物の分離
上記した燃料電池システム2において、燃料電池3から排出される排出液は、未反応の液体燃料の他、燃料電池3における液体燃料の反応生成物および反応生成水を含んでいる。
反応生成物は、用いられる液体燃料の種類により異なるが、液体燃料としてヒドラジンが用いられる場合には、上記(1)〜(3)で示したように、反応生成物として窒素(N)が生じる。
また、液体燃料の種類によっては、上記式(1)〜(3)で示されない副反応(例えば、液体燃料の分解反応など)が生じ、例えば、液体燃料としてヒドラジンが用いられる場合には、ヒドラジンが分解され、反応生成物としてアンモニア(NH)が生じる場合がある。
このような反応生成物は、燃料電池3から排出液に含有された状態で排出され、上記したように気液分離器23においてガスとして分離され、燃料電池システムから排出される。このような場合、例えば、アンモニアなどがガスとして排出されると、環境負荷を生じる場合がある。
また、例えば、アンモニアなどの水溶性の反応生成物は、ガスとして分離されず、水分に溶存された状態で、排出液中に残存する場合がある。そして、アンモニアなどの反応生成物が排出液中に混入されると、排出液中の液体燃料(未反応の液体燃料)や反応生成水を再利用する場合に、反応効率の低下や、燃料電池の損傷などを惹起する場合がある。
そこで、この燃料電池システム2では、まず、燃料電池3から排出される排出液から、反応生成物(アンモニアなど)を水分とともに除去する。
具体的には、この燃料電池システム2では、燃料電池3から燃料排出ライン31に排出された排出液は、気液分離器23に供給される前に、水分離装置45に供給される。
水分離装置45では、図2に示されるように、排出液が、膜ユニット53の貫通孔54に供給されるとともに、その膜ユニット53の外側(収容部51内)が、掃気ポンプ52の駆動により掃気される。
このとき、図3に示されるように、各貫通孔54の内面には、水分離膜47が配置されている。また、厚み方向他方側(貫通孔54外側)面には、ハニカムセラミック担体60が接触されている。
そのため、排出液が貫通孔54内を通過すると、水分離膜47の厚み方向一方側(貫通孔54内側)面には、排出液が接触される。また、膜ユニット53の径方向外側(収容部51内)が掃気ポンプ52の駆動により掃気され、水蒸気圧が低下すると、排出液に含有される水分が水蒸気化され、その水蒸気が、膜ユニット53の径方向内側から外側に透過される(図3矢印参照)。
より具体的には、掃気ポンプ52の駆動により膜ユニット53の外側(収容部51)が掃気され、水蒸気圧が低下すると、膜ユニット53の径方向内側における貫通孔54aでは、その貫通孔54a内を流通する排出液から、水が水蒸気として分離され、水分離膜47およびハニカムセラミック担体60、さらに、隣接する貫通孔54bの水分離膜47を順次通過して、より径方向外側に隣接する貫通孔54b内に移動する。
また、貫通孔54bでは、その貫通孔54b内を流通する排出液から、水が水蒸気として分離され、貫通孔54aから導入する水蒸気とともに、水分離膜47およびハニカムセラミック担体60、さらに、隣接する貫通孔54cの水分離膜47を順次通過して、より径方向外側に隣接する貫通孔54c内に移動する。
さらに、貫通孔54cでは、その貫通孔54c内を流通する排出液から、水が水蒸気として分離され、貫通孔54bから導入する水蒸気とともに、水分離膜47およびハニカムセラミック担体60、さらに、隣接する貫通孔54dの水分離膜47を順次通過して、より径方向外側に隣接する貫通孔54d内に移動する。
そして、膜ユニット53の最も径方向外側における貫通孔54dでは、その内側を流通する排出液から、水が水蒸気として分離され、貫通孔54cから導入する水蒸気とともに、水分離膜47およびハニカムセラミック担体60を順次通過して、膜ユニット53の外側に移動する。
これにより、膜ユニット53の内側から外側に水分が移動し、排出液から水分が水蒸気として分離される(浸透気化法)。
このようにして水分が分離された排出液(すなわち、高濃度の液体燃料)は、図1に示すように、燃料排出ライン31を介して気液分離器23に供給され、上記したように、還流ライン32および燃料供給ライン30を介して、再び燃料電池3に供給される。
一方、分離された水分には、反応生成物(アンモニアなど)が溶存されている。そして、この燃料電池システム2では、分離された水分が、生成物分離装置55に供給される。
より具体的には、上記の方法により水蒸気として分離された水分は、まず、水分離ライン46を介して凝縮器57に供給され、凝縮されることにより、液体となる。次いで、得られた凝縮水が、吸着装置58に供給され、吸着材(ゼオライトなど)と接触される。これにより、凝縮水中に含まれる反応生成物(アンモニアなど)が、吸着除去される。その後、反応生成物(アンモニアなど)が除去された水分は、水貯留タンク56に貯留される。
なお、貯留された水は、例えば、液体燃料の希釈や、燃料電池3に供給される空気の加湿など、種々の用途において用いることができる。
4.作用効果
このような燃料電池システム2では、水分離装置45により水分が分離され、その分離された水分から反応生成物が生成物分離装置55において分離されるため、反応生成物が外部へ排出されることを抑制することができる。
また、このような燃料電池システム2では、排出液から反応生成物が分離されるため、排出液中の液体燃料や反応生成水が再利用される場合にも、反応効率の低下や、燃料電池の損傷などを抑制することができる。
なお、上記した実施形態では、水分離装置45として、水分離膜47および掃気ポンプ52を設けたが、例えば、減圧下で水分離膜47によって排出液から水を分離することもでき、また、例えば、公知の逆浸透膜などを水分離装置45として用い、排出液から水を分離することもできる。
また、上記した実施形態では、水分離膜47を略六角形状の貫通孔54を有するハニカムセラミック担体60に担持させることにより膜ユニット53を形成したが、貫通孔54の形状は、上記に限定されず、例えば、三角形、四角形、八角形などの多角形状であってもよく、また、円形状、楕円形状であってもよい。
また、ハニカムセラミック担体60を用いることなく、水分離膜47からなる中空糸を複数束ねることにより、膜ユニット53を形成することもでき、さらには、水分離膜47からなるチューブを膜ユニット53としてそのまま用いてもよい。
1 電動車両
2 燃料電池システム
3 燃料電池
8 電解質層
11 アノード電極
16 カソード電極
30 燃料供給ライン
31 燃料排出ライン
41 空気供給ライン
45 水分離装置
46 水分離ライン

Claims (1)

  1. 電解質層と、前記電解質層を挟んで対向配置される燃料側電極および酸素側電極とを備える燃料電池と、
    前記燃料電池に対して液体燃料を供給する燃料供給経路と、
    前記燃料電池に供給された液体燃料の反応生成物および反応生成水を含む排出液を排出する燃料排出経路と、
    前記燃料電池に対して空気を供給する空気供給経路と、
    前記燃料排出経路に介在され、前記排出液から、反応生成物の少なくとも一部を含む水分を分離するための水分離手段と、
    前記水分離手段により分離された水分から、反応生成物を分離するための生成物分離手段と
    を備えることを特徴とする、燃料電池システム。
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