以下に説明する設備機器の管理システムは、図1に示す構成を想定する。図1に示す構成例は一例であり、構成を限定する趣旨ではない。図1に示す構成例は、給水設備31と給水設備32と排水設備33と空調設備34の4種類の設備機器を管理の対象にする。給水設備31は高置水槽方式であり、給水設備32は圧力給水方式である。この管理システムは、設備機器の回路数が100〜1000程度である中小規模の施設で利用することを想定している。この程度の規模の施設は、延床面積が1000〜10000m2程度であるオフィスビル、商業ビルなどに多く見られる。なお、以下に説明する技術は、中小規模の施設に限らず使用することが可能である。
給水設備31、32は施設全体で共用され、排水設備33および空調設備34は施設内で分散して設けられる。たとえば、給水設備31と給水設備32とは2組ずつ設けられ、排水設備33と空調設備34とは5組ずつ設けられる。管理システムは、給水設備31と給水設備32と排水設備33と空調設備34との1組に対して1台ずつの管理装置10を備える。管理装置10は、これらの設備機器の種類ごとに設けられ、管理装置10は設備機器を種類ごとに管理する。管理装置10は、有線の通信路41を通して総合管理装置20と接続される。通信路41は、複数台(図示例では14台)の管理装置10で共有されている。
ところで、図示例では、空調設備34は1組あたり複数台(図示例では7台)設けられており、個々の空調設備34は、一対一に対応した制御装置11にそれぞれ接続されている。また、制御装置11は、管理装置10と有線の通信路42を通して接続される。1組の空調設備34に対して1台の管理装置10が設けられるから、管理装置10は、通信路42を通して複数台(図示例では7台)の制御装置11と接続される。
通信路41および通信路42は、たとえば、RS485規格が用いられる。本実施形態では、通信路41および通信路42に、この規格を採用しているから、通信路41および通信路42は、2線式であって半二重で通信を行い、通信速度が最大で10Mbps程度(本実施形態では、9600bps)である。
総合管理装置20は、通信路43を通して他装置としての端末装置22と通信する。総合管理装置20と端末装置22との間では、オープン型通信プロトコルを用いた通信を行う。端末装置22は、ブラウザを搭載したコンピュータであって、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートホンなどから選択される。また、図示していないが、総合管理装置20は、インターネットのような汎用の電気通信回線を通して他装置としての端末装置と通信することが可能になっている。この端末装置は、端末装置22と同様に構成される。
上述のように、通信路43を通して総合管理装置20と通信する端末装置22、および汎用の電気通信回線を通して総合管理装置20と通信する端末装置は、他装置として総合管理装置20と通信する。他装置は、総合管理装置20に対して、管理装置10と情報の種類とを指定して情報の取得を要求する。また、総合管理装置20は、他装置から指定された情報を取得すると、取得した情報を取得を要求した他装置に返し、当該他装置が備えるディスプレイ装置に表示させる。
総合管理装置20は、通信路41を通して管理装置10と通信するほか、通信路41を通して警報表示装置12と通信する機能も有する。警報表示装置12は、管理装置10に設定されているアドレスに対応付けた警報ランプと、警報音を発生するブザーとを備えている。他装置からの要求によって総合管理装置20が取得した情報が、管理装置10において異常と認識される情報である場合には、総合管理装置20は、他装置に情報を返すだけではなく、警報表示装置12にも通知する。
警報表示装置12は、管理装置10が通信路41に送出した信号を受信することによって、警報ランプおよびブザーを動作させる。警報表示装置12は、管理装置10に対して指示を与えることはなく、管理装置10に設定されているアドレスと警報ランプとが対応付けられる。なお、管理装置10は、種々の異常を認識することが可能であって、たとえば、管理装置10が管理する設備機器に関する動作の異常のほか、総合管理装置20との間の通信に関する異常なども認識する。
管理装置10は、異常を認識したときには、該当する認識した異常の種類に関する情報を記憶し、総合管理装置20から情報の受け渡しが要求されると、該当する情報に管理装置10のアドレスを付加して通信路41に送出する。警報表示装置12は、通信路41を伝送される信号が異常に関する情報を含む場合に、異常に関する情報に付加された管理装置10のアドレスを用いて所要の警報ランプを点滅させ、同時にブザーを鳴動させる。つまり、警報表示装置12は、異常に関する提示装置として機能する。
なお、図示例では、総合管理装置20に通信路44を通して外部入出力器13が接続されている。外部入出力器13は、スイッチ、センサなどからの接点入力を与える端子と、接点出力を取り出す端子とを備える。すなわち、外部入出力器13は、総合管理装置20に接点入力を与えることが可能であり、また、総合管理装置20からの接点出力を取り出すことが可能である。したがって、外部入出力器13が接続されていると、総合管理装置20の動作に接点入力に応じた条件付けを行うことが可能になり、また、総合管理装置20の動作を他装置に通知することが可能になる。ただし、この構成は要旨ではないから説明を省略する。
総合管理装置20は、管理装置10に対して制御あるいは監視のためのコマンドを送信し、かつ管理装置10からの応答を受けるために、管理装置10に対して通信路41を通してアクセスする。総合管理装置20が管理装置10に対してアクセスする順序は後述する規則に従う。また、管理装置10は、通信路42を制御装置11と通信する場合には、制御装置11に対してアクセスする。管理装置10が制御装置11に対してアクセスする順序は、総合管理装置20が管理装置10に対してアクセスする順序と同様に後述する規則に従うことが望ましい。
なお、管理装置10の台数や種類は選択可能であり、総合管理装置20に接続される他装置も図示例に限定されない。本実施形態で説明する設備機器の管理システムは、空調設備34に関してのみ管理装置10に通信路42を介して制御装置11が接続されているが、他の設備機器について制御装置11を設ける構成を採用してもよい。たとえば、設備機器として照明設備を含む場合に、照明設備に関して制御装置11を設けることにより、階層化された通信網を形成することが望ましい。また、通信網を階層化する場合に2階層に限らず、3階層以上の階層化を行うことも可能である。
総合管理装置20は、スケジュール制御および条件制御の機能も備える。スケジュール制御は、管理装置10に与える指示の内容と指示を与える日時とを設定した制御である。スケジュール制御が選択されていると、設定された日時に設定された指示の内容が管理装置10に通知される。また、条件制御は、管理装置10が設備機器を監視することにより得られる情報に関する条件と、当該条件の成立時に与える指示の内容とを設定した制御である。条件制御が選択されていると、設備機器について監視している情報が設定された条件を満たしたときに、設定された指示の内容が管理装置10に通知される。
総合管理装置20に複数台の管理装置10が接続されている場合には、総合管理装置20は、異なる管理装置10に接続されている設備機器を連携させて動作させることが可能である。たとえば、総合管理装置20は、給水と排水とに過不足が生じない(バランスさせる)ように、給水設備32と排水設備33とに対応する管理装置10を連携させる。管理装置10を連携させる動作は、上述したスケジュール制御と条件制御とのいずれにおいても行うことが可能である。
複数の管理装置10を連携させるには、連携させる管理装置10に関する情報を共有する必要がある。そのため、総合管理装置20は、連携させる管理装置10から取得した情報を一括して格納する共有メモリ(図示せず)を備える。総合管理装置20は、管理装置10から情報を取得するたびに、共有メモリに格納した情報を更新し、共有メモリに格納された情報を用いて管理装置10を制御する。
上述した動作例では、総合管理装置20が、管理装置10を通して設備機器を制御し、管理装置10を通して設備機器の動作状態を監視している。すなわち、設備機器の管理を総合管理装置20が集中的に行っている。そのため、総合管理装置20は、異なる管理装置10に接続された設備機器を関連付けて制御することが可能になっている。
一方、設備機器は、関連付けて制御する必要がない場合、あるいは、管理装置10の範囲内で関連付けて制御すればよい場合がある。このような場合に、管理装置10は、総合管理装置20との通信を行わず、自律して設備機器を管理することが望ましい。つまり、管理装置10は、設備機器を自律的に管理することが可能であり、かつ管理装置10に総合管理装置20が接続されていれば、総合管理装置20により管理装置10を管理することが可能になる。そして、複数台の管理装置10が総合管理装置20に接続されていれば、複数台の管理装置10に接続された設備機器を連携して動作させることが可能になる。
ところで、管理装置10は、図2に示すように、設備機器に接続される要素装置(コンポーネント)が収納されたボックス102を備える。要素装置は、設備機器の動作状態に関する制御と監視との少なくとも一方を行うために用いる装置であり、給電路に設けられる装置、マンマシンインターフェイスとなる装置を含む。通常、1種類の設備機器に対して、複数種類の要素装置が必要である。ボックス102は、設備機器の種類に応じた複数の要素装置を収納する。
図示例の管理装置10は、要素装置として、コントローラ100、ブレーカ101A,マンマシンインターフェイス(以下、「MMI」という)101B、インターフェイス部(以下、「I/F部」という)103を備える。I/F部103は、通信路41を接続するための接続口(端子またはコネクタ)を備え、たとえばRS485に準じた規格でシリアル通信を行う。I/F部103がRS485に準じた規格でシリアル通信を行うことは必須ではないが、設備機器の制御における実績に基づいてこの規格を採用している。
設備機器の制御は、設備機器の運転および停止の制御のほか、運転中の動作状態の制御を含む場合もある。運転中の動作状態は、給水設備31、給水設備32、あるいは排水設備33については、ポンプの流量などを意味し、空調設備34については、設定温度などを意味する。また、設備機器が照明設備であれば、運転中の動作状態は、調光率、発光色などを意味する。また、設備機器の監視は、制御を指示した設備機器からの応答、設備機器の動作状態の異常の有無などを意味する。
ボックス102は、金属または合成樹脂を用いて形成されており、施設を構成する建物の壁面などに取り付けられる。ボックス102は、壁面などに固定されるボディ(図示せず)と、ボディの前面を覆う扉(図示せず)を備える。要素装置は、ボディに固定されている。
コントローラ100は、プログラムに従って動作するプロセッサを備えたデバイスを主なハードウェア要素として備える。この種のデバイスの代表はマイコン(Microcontroller)である。MMI101Bは、スイッチと表示灯とを組み合わせた構成、あるいはフラットパネルディスプレイとタッチパネルとを組み合わせた構成が採用される。たとえば、照明設備に対するMMI101Bは、点灯と消灯とを指示するスイッチと、点灯と消灯との状態を表示する表示灯とがあればよい。また、給水設備31、給水設備32、排水設備33、空調設備34に対するMMI101Bは、設備機器の動作状態を表示するフラットパネルディスプレイと、動作状態を変更するためのタッチパネルとを備えていることが望ましい。なお、要素装置は、上述した例に限らないが、具体的な構成は要旨ではないから説明を省略する。
ボックス102には、施工現場に搬入される前に要素装置が収納される。上述したように、図2に示す管理装置10のボックス102には、要素装置として、コントローラ100、ブレーカ101A、MMI101B、I/F部103が収納されている。ボックス102に収納される要素装置の個数および種類は工場出荷時に定められている。言い換えると、既製品としての管理装置10を用いて施設ごとの管理システムが構築される。
1個のボックス102に収納される要素装置の組み合わせは、設備機器の種類に応じてパッケージ化されている。つまり、設備機器が、給水設備31、給水設備32、排水設備33、空調設備34のうちのいずれであるかに応じて要素装置の種類が定められ、また、接続される設備機器の台数に応じて要素装置の台数が定められる。
ボックス102に収納される要素装置の種類および台数は、施設ごとに定められるのではなく、多くの施設で同じボックス102が共通に使用可能となるように定められることが望ましい。この場合、ボックス102に収納される要素装置の個数および種類は、種々の施設において利用されている設備機器の実績に基づいて、種々の施設で共通化できるように定められる。
つまり、管理装置10は、施設に応じてボックス102に収納する要素装置を定めるのではなく、あらかじめ標準品として数種類程度が用意されていることが望ましい。そのため、施設で使用する設備機器に適合する標準品の管理装置10を選択するだけで、当該施設における設備機器の管理が可能になる。
ところで、総合管理装置20は、施設を構成する建物のような所定の空間領域において利用される設備機器を一括して管理する。総合管理装置20が管理する空間領域は、1つの建物、複数の建物、建物内の1フロア、建物内の1室など、利用者にとって利便性がよいように適宜に設定される。
総合管理装置20は、図3に示すように、通信路41に接続される第1のI/F部201と、通信路43に接続される第2のI/F部202とを備える。総合管理装置20は、管理装置10から受け取った情報を端末装置22に提示する処理と、端末装置22からの指示を管理装置10に通知する処理とを行う総合処理部200を備える。
総合処理部200は、管理装置10から取得した設備機器に関する情報を集約して端末装置22に提示する機能と、端末装置22から指示された設備機器の動作状態に関する情報を管理装置10に通知する機能とを有する。この総合処理部200は、プログラムに従って動作するプロセッサを備えたデバイスを主なハードウェア要素として備える。この種のデバイスは、マイコンに代表される。
上述した構成により、端末装置22は、総合管理装置20を通して設備機器の動作状態を監視することが可能になり、また、総合管理装置20を通して設備機器に動作状態を指示することが可能になる。
ところで、総合管理装置20は、管理装置10との間で情報を授受するために、管理装置10への問い合わせを行うように構成されている。すなわち、総合管理装置20は、管理装置10に対してアクセスすることによって、管理装置10に指示を与え、管理装置10から情報を受け取るように構成されている。また、管理装置10は、制御装置11に対してアクセスすることによって、制御装置11に指示を与え、制御装置11から情報を受け取るように構成されている。
ここで、端末装置22が総合管理装置20を通して管理装置10との間で情報を授受するのに要する時間について検討する。本実施形態において、通信路41、通信路42などの通信速度は高々10Mbpsである。この構成において、一例を示すと、管理装置10が通信路42を通して1組に含まれるすべての制御装置11にアクセスするために要する時間は最大で3秒程度である。また、総合管理装置20に接続可能な最大数の管理装置10が接続されている場合に、総合管理装置20がすべての管理装置10にアクセスするために要する時間は、たとえば最大で120秒程度である。
総合管理装置20が管理装置10から異常の情報を受け取ってから、総合管理装置20が警報表示装置12の警報ランプおよびブザーを動作させるまでに要する時間は最大で1秒程度である。なお、総合管理装置20と端末装置22との間の通信に要する時間は5秒以内であり、また、総合管理装置20と外部入出力器13との通信に要する時間も5秒以内に設定される。
ここで、総合管理装置20が管理装置10に対して順にポーリングを行う場合を想定する。上述した例では、総合管理装置20がすべての管理装置10にアクセスするのに要する時間は最大で120秒であるから、管理装置10で異常に関する情報が発生してから警報表示装置12が動作するまでに、120秒以上の時間を要する可能性がある。異常が検出されてから通知されるまでに、このような長い時間を要すると、異常に対する対処に遅れが生じる。
本実施形態は、異常に関する情報のような特定情報については、検出から通知までに大幅な時間遅れが生じないように、総合管理装置20が管理装置10に対してアクセスするタイミングを、情報の種類に応じて段階的に変更する構成を採用している。すなわち、管理装置10から総合管理装置20に通知される情報が複数種類に分類されている。
情報の種類は3種類以上に分類することが可能であるが、ここでは、説明を簡単にするために、管理装置10から総合管理装置20に通知する情報を2種類に分類している。一方の情報は、異常に関する情報のように検出から遅滞なく通知する必要がある特定情報であって、他方の情報は、設備機器の正常な動作時における計測値のように通知のタイミングに緊急性がない一般情報である。
総合管理装置20は、管理装置10に対してアクセスする際に、特定情報と一般情報との一方を選択して要求する。一方、管理装置10のコントローラ100は、特定情報と一般情報とを分類して管理しており、総合管理装置20から特定情報が要求されると特定情報のみを返し、一般情報が要求されると一般情報のみを返す。なお、コントローラ100は、一般情報が要求されたときに、一般情報に加えて特定情報を返すように構成されていてもよい。
管理装置10から総合管理装置20に対して、特定情報と一般情報とのどちらを通知するかは、総合管理装置20から管理装置10に対して送信されるコマンドにより指示される。すなわち、総合管理装置20は、管理装置10に対して、特定情報と一般情報とのどちらの情報を要求するかをコマンドによって指示する。なお、総合管理装置20は、管理装置10に対して設備機器の動作を指示する情報を適宜のタイミングで送信することが可能である。
総合管理装置20が管理装置10に対してアクセスする際のパケットは、固定長と可変長とのいずれでもよいが、ペイロードの最大長(最大ビット数)は制限されていることが望ましい。ペイロードの最大長は、特定情報を送信するパケットについては、1パケットで特定情報のみを伝送するのに必要なビット数に設定される。
ところで、一般情報は、設備機器に関する計測値などを含む場合があり、特定情報は、異常の発生などの情報のみであるから、多くの場合、特定情報の情報量よりも一般情報の情報量のほうが多い。このことから、一般情報を送信するパケットにおけるペイロードの最大長は、特定情報を送信するパケットにおけるペイロードの最大長よりも大きくすることが望ましい。以下では、一般情報と特定情報とが、それぞれ固定長のパケットを用いる場合を想定する。一般情報のペイロードのビット数は、たとえば、特定情報のペイロードのビット数の2倍以上に設定される。
総合管理装置20は、特定情報を要求する際には、通信路41に接続されているすべての管理装置10に対して1回ずつアクセスする。すなわち、図4に示すように、総合管理装置20は、通信路41に接続されたすべての管理装置10に対して1台ずつ特定情報の返送を要求するポーリングを行い、特定情報の返送を要求した個々の管理装置10から応答を受け取る。図4では、総合管理装置20から管理装置10に対する情報の要求と、管理装置10から総合管理装置20に対する応答である情報の通知とを、まとめて双方向の矢印で示している。
図1に示した例のように、総合管理装置20に対して14台の管理装置10が接続されている場合、総合管理装置20は、特定情報の要求と特定情報の応答とを14回繰り返すことにより、すべての管理装置10から特定情報を取得する。
なお、総合管理装置20から管理装置10に対して特定情報の送信を要求するパケットと、管理装置10からの応答を返すパケットとは別であることを想定している。つまり、総合管理装置20は、特定情報を要求するパケットの送信から所定の時間内に管理装置10が送出したパケットを受信する。
ただし、総合管理装置20から管理装置10に対して送出したパケットに、返信用のタイムスロットを設け、このタイムスロットにおいて管理装置10から総合管理装置20への情報の受け渡しを行う構成を採用してもよい。この構成を採用する場合、たとえば、総合管理装置20から管理装置10に対する情報は、通信路41を構成する線間の電圧値をデジタル値に対応付けたベースバンド信号を用いて送信すればよい。一方、管理装置10から総合管理装置20に対する情報は、通信路41を通過する電流値をデジタル値に対応付けた信号を用いて送信すればよい。
特定情報のペイロードに含まれる情報量は、一般情報に比べて少ない。したがって、14台の管理装置10に1回ずつアクセスしても、すべての管理装置10から特定情報を取得するのに要する時間は、情報を区別しない場合に比較して大幅に短縮される。特定情報を取得するためのポーリングは、たとえば8秒周期で定期的に繰り返される。総合管理装置20は、管理装置10から特定情報を取得した後、取得した特定情報を警報表示装置12に通知する。
一方、総合管理装置20から管理装置10に対する一般情報の問い合わせは、すべての管理装置10に特定情報の有無を問い合わせた後、次に特定情報を問い合わせるまでの期間に行われる。つまり、管理装置10ごとに一般情報を要求し、指定した管理装置10から応答を受け取る。上述のように特定情報を取得するためのポーリングが8秒周期であり、すべての管理装置10に対して特定情報の有無を問い合わせる期間が、たとえば1秒であれば、次に特定情報の有無を問い合わせるまでの7秒間に一般情報を取得するために、総合管理装置20は管理装置10にアクセスする。
以下では、総合管理装置20が、管理装置10に一般情報を要求し、要求に対する応答を受け取って、端末装置22に引き渡すまでの期間を第1期間T1と呼ぶ。また、総合管理装置20が、すべての管理装置10に対して特定情報を要求し、要求に対する応答を受け取って警報表示装置12に通知するまでの期間を第2期間T2と呼ぶ。上述のように、8秒周期で第1期間T1と第2期間T2とが繰り返す場合、第1期間T1には約7秒、第2期間T2には約1秒が割り当てられる。
第1期間T1は、総合管理装置20が1台分の管理装置10の一般情報を収集するのに必要十分な期間として定められる。同様に、第2期間T2は、総合管理装置20がすべての管理装置10から特定情報を収集するのに必要十分な期間として定められる。
図4に示す動作を行うために、総合管理装置20の総合処理部200は、図5のように動作する。総合処理部200は、通信路41を介して接続された管理装置10のいずれかのアドレスを用いて、管理装置10に一般情報を要求するために管理装置10にアクセスする(S11)。つまり、管理装置10に送信するパケットは、一般情報の返送を要求するコマンドを含んでいる。このパケットを受け取った管理装置10は、総合管理装置20に一般情報を返送する。総合処理部200は、管理装置10から一般情報を受け取ると(S12:yes)、端末装置22に一般情報を表示させる(S13)。
総合管理装置20は、1回の第1期間T1には、1台の管理装置10にのみ一般情報を要求するパケットを送信する。ただし、総合管理装置20は、一般情報を要求するパケットを、1回の第1期間T1において、1台の管理装置10に複数回送信してもよい。たとえば、1台の管理装置10が送信する一般情報の情報量が1つのパケットで送信可能な情報量を超える場合、管理装置10は、一般情報を複数のパケットに分けて送信することが可能である。
総合処理部200は、管理装置10に一般情報を要求し、管理装置10から一般情報を受け取って警報表示装置12に表示させた後、第2期間T2になると、特定情報を要求するために管理装置10にアクセスする(S14)。つまり、このときに総合処理部200が管理装置10に送信するパケットは、管理装置10に特定情報の返送を要求するコマンドを含んでいる。このパケットを受け取った管理装置10は、総合管理装置20に特定情報を返送する。特定情報を総合処理部200が受け取ると(S15:yes)、総合処理部200は、警報表示装置12に特定情報を送信し、特定情報の内容を警報表示装置12に表示させる(S16)。
第2期間T2が終了すると、総合処理部200は、管理装置10のアドレスを変更して(S17)、他の管理装置10にアクセスする(S11)。管理装置10にアクセスする順番は、あらかじめ定められている。たとえば、2組の給水設備31に対応する2台の管理装置10にアクセスした後、2組の給水設備32に対応する2台の管理装置10にアクセスするというように、総合管理装置20は、第1期間T1ごとに1台の管理装置10にアクセスする。
ここで、管理装置10に対するポーリングを順番に行う場合に、すべての管理装置10から情報を取得するために、たとえば120秒を要していたと仮定する。図4に示す動作を行うと、特定情報と一般情報との両方をすべての管理装置10から取得するためには120秒よりも多くの時間を要するが、この期間に、特定情報を取得する頻度は15回を超える。したがって、管理装置10が設備機器などの異常を検出したときに、総合管理装置20には遅滞なく(たとえば、8秒以内に)通知されるようになる。
なお、特定情報を優先的に扱うようにし、総合管理装置20と管理装置10との間で、特定情報を受け渡す頻度を一般情報を受け渡す頻度に比べて増やしたので、総合管理装置20がすべての一般情報を取得するのに要する時間は増加する。ただし、上述のように、一般情報は特定情報に比較すれば、時間の遅延が許容される。とくに、設備機器が正常に動作している期間に、一般情報は確認のために必要になるだけであるから、一般情報に少しの時間遅れが発生することに支障は生じない。
以上のように、総合管理装置20は、情報の種類に応じて管理装置10にアクセスする頻度を段階的に変化させ、かつ情報のうちの特定情報を要求するために、すべての管理装置10を対象として定期的にポーリングを行う。そのため、特定情報として定めた情報については、総合管理装置20から管理装置10に対して通知を要求する頻度が他の情報よりも多くなり、結果的に、総合管理装置20は、特定情報を迅速に取得することが可能になる。すなわち、特定情報は、総合管理装置20を通して利用者に迅速に通知することが可能になる。しかも、総合管理装置20は、情報の種類に応じて管理装置10にアクセスする頻度を段階的に変化させているから、該当する情報の取得を要求するまでの最大時間が調節され、結果的に、情報の種類に応じて通知に要する最大時間が調節可能になる。
ところで、上述した構成例において、総合管理装置20が管理装置10から受け取る情報を特定情報と一般情報との2種類に分類しているが、情報の種類は3種類以上に分類することが可能である。特定情報は、上述のように、第2期間T2において、総合管理装置20がすべての管理装置10にアクセスして取得する情報を意味している。したがって、情報の種類が3種類以上に分類される場合は、一般情報が2種類以上に分類されることになる。
情報の種類が3種類以上に分類される場合、各情報には、たとえば表1のように、優先順位を付与するための情報評価値が設定される。情報評価値は、正の整数値であって、値が大きいほど優先順位が高くなる。情報評価値の最大値は「5」であり、情報評価値が「5」である場合に特定情報として扱われる。情報評価値を定めたデータテーブルは、総合管理装置20に設けられた記憶部203に格納される。
総合処理部200は、情報評価値が大きいほど、総合管理装置20と管理装置10との間で情報を受け渡す頻度を高くするように構成される。情報評価値が「4」以下である情報については、総合管理装置20は、第1期間T1において、1台の管理装置10から一般情報の優先順位に応じて一部を取得することが可能になっている。そのため、第2期間T2は、上述した構成例よりも短縮することが可能になる。
たとえば、総合管理装置20は、図6に示すように、第1期間T1において、19個のパケットを1台の管理装置10に送信すると仮定する。また、優先順位が4段階に設定され、一般情報については3段階の情報評価値が設定されていると仮定する。
図6に示す例において、総合管理装置20は、優先順位がもっとも高い一般情報を要求する通信(実線)を3回ずつまとめて4回行っている。総合管理装置20は、優先順位が2番目に高い一般情報を要求する通信(一点鎖線)を、3回の通信(実線)の前後に行っており、優先順位がもっとも低い一般情報を要求する通信(破線)を、第1期間T1の最初と最後に行っている。したがって、第1期間T1において、優先順位が高いほうから順に、12回の通信(実線)、5回の通信(一点鎖線)、2個の通信(破線)の期間が割り当てられている。ここに、1回の通信の期間は、一般情報を要求するパケットを総合管理装置20から管理装置10に送信する期間と、この要求に対して管理装置10から総合管理装置20への応答が返される期間とを含む。
図6に示す例は、一般情報を複数種類に分類する場合を想定しているが、特定情報について1台の管理装置10にアクセスする際に、情報の種類に応じてアクセスの頻度を変更してもよい。
ところで、記憶部203に格納されるデータテーブルの情報評価値は、利用者が端末装置22などを用いて設定することが可能であるが、3段階以上の優先順位を用いる場合、情報評価値が自動的に設定されることが望ましい。そのため、総合処理部200は、管理装置10との通信に関連して生じた事象を記憶部203に記録する機能を有する。
総合処理部200は、端末装置22などの他装置からの指示によって管理装置10にアクセスした回数または頻度を情報ごとに記憶部203に記憶させる機能を有する。また、総合処理部200は、管理装置10から異常に関する情報を受け取った回数または頻度を情報ごとに記憶部203に記憶する機能を有することが望ましい。さらに、総合処理部200は、記憶部203が一定期間に記憶した回数または頻度を情報評価値に変換する機能を有する。この一定期間は、たとえば、1日、1週間、1ヶ月、1年などから選択される。ただし、この期間が長いと記録する情報量が増加し、ハードウェア資源に不足が生じる可能性があるから、一定期間は、1日あるいは1週間に設定することが望ましい。
総合処理部200は、記録された回数または頻度を情報ごとに評価し、一定期間ごとの回数または頻度が増加した割合が基準値以上である場合に、該当する情報の優先順位を高めるようにデータテーブルの情報評価値を変更する。総合処理部200は、記憶部203に記録された回数または頻度が減少した割合が基準値以上である場合には、該当する情報の優先順位を下げるようにデータテーブルの情報評価値を変更してもよい。基準値は、たとえば10%などに設定しておけばよい。すなわち、総合処理部200は、1日あるいは1週間において記録された回数または頻度の増加または減少の割合が、基準値以上である場合に、該当する情報に対応する情報評価値を変更する。
表1に示したデータテーブルは、通信異常に関する情報を特定情報とし、ポンプ状態監視およびポンプ異常は、一般情報として扱うから、図4に示す動作に対応している。これに対して、図6に示す動作のように、情報に多段階の優先順位を設定する場合には、表2のように、情報の種類ごとに情報評価値を設定すればよい。
表2では、記憶部203は、メモリのアドレス順において、情報の種類を格納した領域の次の領域に、当該情報に対する情報評価値を格納している。ここに、表2に示す形式でデータを格納すると、記憶部203に格納されたデータはリンク構造になる。また、情報ごとに情報評価値が設定されるから、情報評価値は情報の種類と同じ数だけ記憶部203に設定することが必要である。
一方、情報の種類について類別を行い、類別ごとに情報評価値を設定してもよい。すなわち、表3のように、情報の種類について、たとえば「電圧」「電流」「ポンプ状態」の類別を行い、表4のように、「電圧」「電流」「ポンプ状態」の類別ごとに情報評価値を設定してもよい。
この場合、表2のように情報の種類ごとに情報評価値を設定する場合に比較すると、情報評価値の変更時に表4の内容を修正すればよく、多種類の情報について情報評価値を変更する場合に、情報評価値の変更に伴う作業量が低減される。また、表2の形式で記憶部203にデータを格納する場合には、リンク構造を採用することが望ましいが、表3、表4の形式で記憶部203にデータを格納する場合には、アレイ構造を採用することが望ましい。
情報の種類に対して情報評価値が設定されている場合、総合処理部200は、特定情報として扱う情報を、情報評価値に基づいて自動的に選択してもよい。ここでは、総合処理部200は、記憶部203に設定された情報評価値のうち上位の規定個数に対応する情報を特定情報に定める。この構成を採用すると、利用者が必要とする頻度の高い情報が特定情報として自動的に選択されることになり、管理装置10を利用する現場に適合した動作が可能になる。
いま、情報評価値が「1」から「5」の5段階で表され、記憶部203に記憶された情報の中で、情報評価値が「5」である情報が2種類、情報評価値が「4」である情報が1種類、情報評価値が「3」である情報が4種類であると仮定する。規定個数が5個である場合、総合処理部200は、特定情報として扱う情報の種類が5個以下になるように情報を選択する。したがって、上述した例では、情報評価値が「5」と「4」との情報が特定情報として選択され、特定情報としての情報の種類は合計3種類になる。
上述した設備機器の管理システムは、複数台の管理装置10と総合管理装置20とを備える。管理装置10は、設備機器を管理する。総合管理装置20は、通信路41を通して管理装置10にアクセスすることにより、管理装置10から情報を受け取る。情報は複数種類に分類されている。総合管理装置20は、管理装置10にアクセスする頻度を情報の種類に応じて段階的に変化させ、情報のうちの特定情報については、すべての管理装置10に定期的にアクセスする。
この構成によれば、情報を複数種類に分類しており、情報のうちの特定情報は、すべての管理装置10に定期的にアクセスするから、特定情報については他の情報よりもアクセスの頻度が高くなり、結果的に特定情報を迅速に取得することが可能になる。また、総合管理装置20が管理装置10にアクセスする頻度を情報の種類に応じて段階的に変化させるから、情報の種類に応じて通知に要する最大時間の調節が可能になる。
情報の種類は、特定情報と、特定情報を除く一般情報とに分類され、特定情報は、管理装置10が認識する異常に関する情報を含むことが望ましい。
すなわち、管理装置10が認識する異常に関する情報が特定情報に含まれることによって、総合管理装置20は、異常に関する情報に対するアクセスの頻度を高め、結果的に異常に関する情報を迅速に取得することが可能になる。
総合管理装置20は、情報の種類に応じて情報評価値が設定された記憶部203と、記憶部203が記憶している情報評価値に応じて管理装置10にアクセスする頻度を情報の種類ごとに定める総合処理部200とを備えることが望ましい。
この構成によれば、総合管理装置20が管理装置10にアクセスする頻度を、情報評価値を用いて情報の種類ごとに自動的に定めることが可能になる。
総合処理部200は、他装置からの要求に応じて管理装置10から情報を取得し、かつ情報の種類ごとに他装置からの要求の回数または頻度を記憶部203に記憶させる機能を有することが望ましい。加えて、総合処理部200は、記憶部203が記憶している情報の種類ごとの要求の回数または頻度を、情報評価値に変換する機能を有することが望ましい。
この構成では、他装置から要求される回数あるいは頻度が高い情報を用いて情報評価値を求めるから、総合管理装置20から管理装置10にアクセスする頻度が、設備機器を利用する現場に適合するように定められる。
また、総合処理部200は、上述した機能に加えて、管理装置10が認識する異常に関する情報を受け取った回数または頻度を記憶部203に記憶させる機能を有することが望ましい。
この構成では、他装置から要求される回数あるいは頻度が高い情報だけではなく、管理装置10が認識する異常が発生した回数または頻度も用いて情報評価値を求めるから、異常の発生を加味して情報評価値を定めることが可能になる。
総合処理部200は、記憶部203に設定された情報評価値のうち上位の規定個数に対応する情報を特定情報に定める機能を有することが望ましい。
すなわち、特定情報として情報評価値が上位である規定個数の情報が採用されるから、アクセスの頻度を高める特定情報を自動的に設定することが可能である。しかも、情報評価値を用いて特定情報を選択するから、特定情報が適正に設定される。
以上説明したように、本実施形態における設備機器の管理方法では、設備機器を管理する複数台の管理装置10に総合管理装置20が通信路41を通してアクセスすることにより、総合管理装置20が管理装置10から情報を受け取る。情報は複数種類に分類されており、総合管理装置20は、管理装置10にアクセスする頻度を情報の種類に応じて段階的に変化させ、かつ情報のうちの特定情報については、すべての管理装置10に定期的にアクセスする。
以上説明したように、本実施形態における総合管理装置20は、総合処理部200とインターフェイス部201と記憶部203とを備える。インターフェイス部201は、設備機器を管理する複数台の管理装置10と通信路41を通して通信する。総合処理部200は、通信路41を通して管理装置10にアクセスすることにより、管理装置10から情報を受け取る。記憶部203は、情報が複数種類に分類されており、情報の種類に応じて情報評価値が設定されている。総合処理部200は、記憶部203が記憶している情報評価値に応じて管理装置10にアクセスする頻度を情報の種類に応じて段階的に変化させ、情報のうちの特定情報については、すべての管理装置10に定期的にアクセスするように構成されている。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。