JP2016008552A - エンジン停止制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン停止時にいずれかの気筒がバルブオーバラップ状態で停止することを防止できるエンジン停止制御装置を提供すること。
【解決手段】点火時期が隣り合う気筒間の位相差が240°であってバルブオーバラップ期間を設けた3気筒エンジンと、クランク軸を回転させるスタータモータと、クランク角を検出するクランク角センサと、乗員によるエンジン停止指示を受け付けるIGスイッチとを備えた車両に搭載されるエンジン停止制御装置において、IGスイッチによってエンジン停止指示が受け付けられ(ステップS1でYES)、かつクランク角センサの検出結果に基づきクランク軸が停止したと判定された場合(ステップS2でYES)に、スタータモータを所定の駆動時間だけ駆動させる(ステップS3)。
【選択図】図4

Description

本発明は、エンジン停止制御装置に関し、特に、吸気バルブと排気バルブとがともに開放するバルブオーバラップ期間を設けた3気筒エンジンのエンジン停止制御装置に関する。
一般に、3気筒エンジンは、構造上、イグニッションスイッチのOFF時に、いずれかの気筒がバルブオーバラップ状態となるクランク角でクランク軸が停止しやすいという特徴を有する。これは、例えば第1気筒がバルブオーバラップ状態となったときに、膨張行程にある第3気筒によりクランク軸を正回転させようとする力と、圧縮行程にある第2気筒によりクランク軸の正回転を妨げようとする力とが釣り合うためである。
上述のように、バルブオーバラップ状態でエンジンが停止すると、排気通路内の排気ガスがバルブオーバラップ状態にある気筒を介して吸気通路側に逆流するおそれがある。こうした排気ガスの逆流は、次回のエンジン始動時において酸素不足を生じさせ、始動性を悪化させる要因となり得る。
こうした不具合を解消するには、エンジン停止時にいずれの気筒もバルブオーバラップ状態とならないクランク角でクランク軸を停止させる必要がある。従来、3気筒エンジンではないが、エンジン停止時にクランク軸を目標とするクランク角で停止させやすくしたエンジン停止制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のエンジン停止制御装置では、エンジン停止指示があった後、クランク軸が停止するまでの間に、スロットル開度およびオルタネータの発電量を制御してエンジン負荷を調節することによりクランク軸が目標のクランク角で停止する確率を高めることができる。
ここで、目標のクランク角が、エンジン停止時にいずれの気筒もバルブオーバラップ状態とならないクランク角である場合には、結果としてエンジン停止時にバルブオーバラップ状態となることを回避する確率が高くなる。
特許第3945473号公報
しかしながら、実際に発生するエンジン負荷の大きさは、エンジンの個体差、暖機状態か否かによる回転抵抗の差等に起因して大きくばらつくことがある。このため、特許文献1に記載のエンジン停止制御装置では、実際に目標のクランク角でクランク軸を停止させることは困難である。
また、特許文献1に記載のエンジン停止制御装置にあっては、クランク軸が目標のクランク角から大きくずれて停止した場合には、そのクランク軸の停止位置を修正することもできない。
このように、特許文献1に記載のエンジン停止制御装置では、目標のクランク角でクランク軸を確実に停止させることができないため、エンジン停止時にバルブオーバラップ状態となることを回避することも困難となる。
そこで、本発明は、エンジン停止時にいずれかの気筒がバルブオーバラップ状態で停止することを防止できるエンジン停止制御装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、点火時期が隣り合う気筒間の位相差が240°であって、吸気バルブと排気バルブとがともに開弁するバルブオーバラップ期間を設けた3気筒エンジンと、前記3気筒エンジンのクランク軸を回転させる電動機と、前記クランク軸のクランク角を検出するクランク角検出部と、乗員によるエンジン停止指示を受け付けるエンジン停止指示受付部と、を備えた車両に搭載されるエンジン停止制御装置において、前記エンジン停止指示受付部によって前記エンジン停止指示が受け付けられ、かつ前記クランク角検出部の検出結果に基づき前記クランク軸が停止したと判定された場合に、前記電動機を所定の駆動時間だけ駆動させることを特徴とするものである。
本発明の第2の態様としては、前記車両は、前記3気筒エンジンの冷却水温を検出する水温検出部を備え、前記所定の駆動時間は、前記水温検出部によって検出された前記冷却水温が低いほど長い時間に設定されるのが好ましい。
このように、上記の第1の態様によれば、エンジン停止指示が受け付けられ、かつクランク軸が停止したと判定された場合に電動機を所定の駆動時間だけ駆動させるので、バルブオーバラップ期間を避けたクランク角までクランク軸を回転させて、停止させることができる。これにより、本発明に係るエンジン停止制御装置は、エンジン停止時にいずれかの気筒がバルブオーバラップ状態で停止することを防止できる。
また、本発明に係るエンジン停止制御装置は、エンジン停止時に一旦停止したクランク軸を電動機によって再度回転させるので、エンジン停止時にクランク軸が所望のクランク角で停止していない場合であってもクランク軸を所望のクランク角に停止させることができる。
上記の第2の態様によれば、エンジン停止時に駆動する電動機の駆動時間が、冷却水温が低いほど長い時間に設定される。ここで、クランク軸に対する回転抵抗は、冷却水温が低いほど大きくなる。したがって、本発明に係るエンジン停止制御装置は、冷却水温が低いほど電動機の駆動時間を長くすることで、クランク軸を確実に回転させることができる。この結果、本発明に係るエンジン停止制御装置は、エンジン停止時にバルブオーバラップ期間を避けたクランク角でクランク軸を停止させることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るエンジン停止制御装置が適用される車両の要部を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態に係るエンジンの概略構成図である。 図3は、本発明の実施の形態に係るエンジンにおける4行程を各気筒別に表した図である。 図4は、本発明の実施の形態に係るエンジンコントローラによって実行されるエンジン停止制御の処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施の形態に係る第1気筒のバルブタイミングとクランク軸トルクとの関係を示す図である。
以下、図1〜図5を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る車両100は、エンジン1と、電動機としてのスタータモータ3と、エンジンコントローラ4と、スタータモータコントローラ5とを含んで構成されている。本実施の形態におけるエンジンコントローラ4は、エンジン停止制御装置を構成する。
エンジン1は、エンジン1に搭載される気筒として第1気筒♯1、第2気筒♯2および第3気筒♯3を直列に配置した3気筒エンジンによって構成されている。図2は、エンジン1の第1気筒♯1の断面図である。
図2に示すように、エンジン1は、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上部に締結されたシリンダヘッド11と、シリンダブロック10の下部に締結されたオイルパン12とを含んで構成されている。オイルパン12には、図示しないエンジンオイルが貯留されるようになっている。
シリンダブロック10には、第1気筒♯1、第2気筒♯2および第3気筒♯3がそれぞれ形成されている。なお、図2では、第1気筒♯1のみが示されている。各気筒の構成は、同一であるため、以下においては第1気筒♯1を例に説明する。
第1気筒♯1には、この第1気筒♯1内を上下に往復動可能なピストン13が収納されている。また、第1気筒♯1の上部には、燃焼室14が設けられている。燃焼室14は、第1気筒♯1とピストン13の頂面とシリンダヘッド11の下面とによって画成された空間から構成されている。
エンジン1は、第1気筒♯1内でピストン13が往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる一連の4行程を行う、いわゆる4サイクルのガソリンエンジンである。
ピストン13は、コネクティングロッド13aを介してクランク軸15と連結している。コネクティングロッド13aは、ピストン13の往復運動をクランク軸15の回転運動に変換する。
クランク軸15は、図示しないクランクジャーナルを介してシリンダブロック10に回転可能に支持されている。また、クランク軸15の一方の端部には、スタータモータ3のピニオンギヤ3aと噛み合い可能なリングギヤ15aが取り付けられている。
シリンダヘッド11には、点火プラグ16と、吸気ポート17と、排気ポート18とが設けられている。点火プラグ16は、燃焼室14内に電極を突出させた状態でシリンダヘッド11に配設され、図示しないイグナイタによってその点火時期が調整される。吸気ポート17には、インジェクタ19と、吸気バルブ20とが設けられている。
インジェクタ19は、図示しない燃料タンクから燃料ポンプによって圧送された燃料を吸気ポート17内に噴射する、いわゆるポート噴射式の燃料噴射弁である。なお、インジェクタ19としては、ポート噴射式に限らず、燃焼室14に燃料を直接噴射する、いわゆる直噴式の燃料噴射弁であってもよい。
吸気バルブ20は、吸気カムシャフト21に取り付けられた吸気カム21aの回転に応じて開弁または閉弁される。吸気ポート17は、吸気バルブ20が開弁されると開放され、吸気バルブ20が閉弁されると閉塞される。
一方、排気ポート18には、排気バルブ22が設けられている。排気バルブ22は、排気カムシャフト23に取り付けられた排気カム23aの回転に応じて開弁または閉弁される。排気ポート18は、排気バルブ22が開弁されると開放され、排気バルブ22が閉弁されると閉塞される。
吸気バルブ20および排気バルブ22を開弁または閉弁させる機構としては、上述のカム機構に限らず、例えば電磁石とスプリング等から構成された電磁アクチュエータにより吸気バルブ20および排気バルブ22の開弁または閉弁を行う電磁式の可変動弁機構を用いてもよい。
このように構成されたエンジン1において、第1気筒♯1、第2気筒♯2および第3気筒♯3における吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程は、図3に示す通りのタイミングで行われる。
図3に示すように、本実施の形態に係るエンジン1は、点火時期が隣り合う気筒間の位相差が240°であって、各気筒ごとに吸気バルブ20と排気バルブ22とがともに開弁するバルブオーバラップ期間が設けられている。
また、本実施の形態に係るエンジン1は、エンジン停止時にいずれか1つの気筒がバルブオーバラップ期間にあるとき、すなわちバルブオーバラップ状態であるときには、他の2つの気筒がそれぞれ膨張行程と圧縮行程となっている。
例えば、第1気筒♯1がバルブオーバラップ状態を迎える場合を想定すると、まず第3気筒♯3が膨張行程を迎え、その後に第2気筒♯2が圧縮行程を迎え、その後に第1気筒♯1がバルブオーバラップ状態となる。
このとき、バルブオーバラップ状態の第1気筒♯1では、吸気バルブ20および排気バルブ22がともに開弁しているため、燃焼室14内への空気の出入りが可能となっている。このため、第1気筒♯1では、筒内圧の変化が可能となる。したがって、第1気筒♯1は、クランク軸15を回転させようとする力を持たないこととなる。
一方、膨張行程および圧縮行程にある第2気筒♯2および第3気筒♯3は、吸気バルブ20および排気バルブ22がともに閉弁しているため、クランク軸15を回転させるための力を持つこととなる。
具体的には、膨張行程にある第3気筒♯3は、クランク軸15を正回転させようとする力を発生させ、圧縮行程にある第2気筒♯2は、クランク軸15を逆回転させようとする力を発生させる。
この場合、クランク軸15は、膨張行程にある第3気筒♯3で発生する力と圧縮行程にある第2気筒♯2で発生する力とが釣り合うことで、第1気筒♯1がバルブオーバラップ状態となったクランク角で停止することとなる。
そこで、本実施の形態では、エンジン停止時に第1気筒♯1がバルブオーバラップ状態となったクランク角でクランク軸15が停止することを回避するために、後述するエンジン停止制御を実行する。なお、エンジン停止制御は、第1気筒♯1に限らず、第2気筒♯2および第3気筒♯3がバルブオーバラップ状態となるときも同様に実行される。
図1に示すように、スタータモータ3は、運転者によりIGスイッチ41がONされてスタータスイッチ51がONされると、出力軸を回転させるとともに出力軸の慣性力によって出力軸の一端に取り付けられたピニオンギヤ3aをリングギヤ15a側に移動させる。これにより、ピニオンギヤ3aがリングギヤ15aに噛み合うこととなる。
スタータモータ3は、ピニオンギヤ3aがリングギヤ15aに噛み合うことによって出力軸の回転をリングギヤ15aに伝達し、クランク軸15を正回転させる。これにより、スタータモータ3は、エンジン1を始動させることができる。なお、本実施の形態に係るスタータモータ3は、エンジン1が通常回転する方向、すなわち正回転する方向にのみ回転力を付加可能に構成されている。
エンジンコントローラ4は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUは、RAMの一時記憶機能を利用するとともにROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。ROMには、各種制御定数や各種マップ等が予め記憶されている。
エンジンコントローラ4には、IGスイッチ41、クランク角検出部としてのクランク角センサ42および水温検出部としての水温センサ43が接続されている。IGスイッチ41は、運転者などの乗員によってON・OFF操作が可能であって、例えば運転席の近傍に配置されている。
IGスイッチ41がONされると、エンジン1の始動が可能な状態となる。IGスイッチ41がON状態であるときにスタータスイッチ51がONされると、上述した通り、エンジン1が始動される。
一方、エンジン1の運転中にIGスイッチ41がOFFされると、エンジン1の運転が停止される。このように、IGスイッチ41は、乗員によるエンジン停止指示を受け付けるエンジン停止指示受付部を構成する。
クランク角センサ42は、クランク軸15の他端に取り付けられたシグナルロータ15bの回転を検出することによって、クランク軸15のクランク角を検出する。本実施の形態では、クランク角センサ42は、IGスイッチ41がOFFされた後、所定時間の間、クランク角を検出する。
ここで、上述の所定時間は、少なくともIGスイッチ41のOFF後、慣性力によるクランク軸15の回転が停止したと判断できる程度の時間以上に設定される。水温センサ43は、エンジン1の冷却水の温度、すなわち冷却水温を検出する。
エンジンコントローラ4は、IGスイッチ41がOFFされた後、所定時間の間、クランク角センサ42から入力される検出結果に基づき、クランク軸15が停止したか否かを判定することができる。
例えば、エンジンコントローラ4は、上述の所定時間が経過するまでの間に、クランク角センサ42から入力されるクランク角に変化がなくなった場合には、クランク軸15が停止したと判定することができる。
また、エンジンコントローラ4には、点火プラグ16やインジェクタ19などの各種装置が接続されている。エンジンコントローラ4は、例えば上述のクランク角センサ42や水温センサ43の検出結果に応じて上述の各種装置を制御することによってエンジン1の運転を制御する。
また、エンジンコントローラ4には、スタータモータコントローラ5が接続されている。エンジンコントローラ4は、IGスイッチ41のON・OFFを示す信号をスタータモータコントローラ5に出力する。
例えば、エンジンコントローラ4は、IGスイッチ41のONを示す信号をスタータモータコントローラ5に出力することによって、乗員によるエンジン始動要求があったことをスタータモータコントローラ5に伝達することができる。このとき、スタータモータコントローラ5は、スタータスイッチ51がONされたことを条件にスタータモータ3を駆動してエンジン1を始動させる。
また、エンジンコントローラ4は、IGスイッチ41のOFFを示す信号をスタータモータコントローラ5に出力することによって、乗員によるエンジン停止指示を受け付けたことをスタータモータコントローラ5に伝達することができる。このとき、エンジンコントローラ4は、クランク角センサ42の検出結果に基づきクランク軸15が停止したと判定したことを示す信号を上述の信号と併せてスタータモータコントローラ5に出力する。
これにより、スタータモータコントローラ5は、スタータスイッチ51のON・OFFに関わらず、すなわちスタータスイッチ51の操作がなくとも、スタータモータ3を所定の駆動時間だけ駆動する。
換言すれば、スタータモータコントローラ5は、IGスイッチ41によってエンジン停止指示が受け付けられ、かつクランク角センサ42の検出結果に基づきクランク軸15が停止したと判定された場合に、スタータモータ3を所定の駆動時間だけ駆動する。
ここで、前述の所定の駆動時間は、上述のようにいずれかの気筒がバルブオーバラップ状態となったクランク角で停止したクランク軸15を、当該気筒のバルブオーバラップ状態が回避されるクランク角まで回転させるために必要なスタータモータ3の駆動時間であって、予め実験的に求められている。なお、スタータモータ3の駆動量は、駆動時間に比例するものとする。
次に、図4を参照して、本実施の形態に係るエンジンコントローラ4によって実行されるエンジン停止制御について説明する。このエンジン停止制御は、エンジン1の運転中、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
図4に示すように、まず、エンジンコントローラ4は、IGスイッチ41がOFFされたか否かを判定する(ステップS1)。エンジンコントローラ4は、IGスイッチ41がOFFされていないと判定した場合には、エンジン停止制御処理を終了する。
これにより、エンジンコントローラ4は、例えば今回のエンジン停止が運転者の発進操作ミス等によるエンジンストールである場合には、ステップS2以降の処理を行うことなくエンジン停止制御処理を終了することができる。
一方、エンジンコントローラ4は、IGスイッチ41がOFFされたと判定した場合には、クランク角センサ42の検出結果に基づきクランク軸15が停止したか否かを判定する(ステップS2)。
エンジンコントローラ4は、クランク軸15が停止していないと判定した場合には、エンジン停止制御処理を終了する。一方、エンジンコントローラ4は、クランク軸15が停止したと判定した場合には、スタータモータコントローラ5を介してスタータモータ3を所定の駆動時間だけ駆動する(ステップS3)。
具体的には、エンジンコントローラ4は、スタータモータ3を所定の駆動時間だけ駆動するよう、当該所定の駆動時間に対応する駆動要求信号をスタータモータコントローラ5に送信する。
ここで、上述の駆動要求信号は、所定の駆動時間と同時間だけエンジンコントローラ4からスタータモータコントローラ5に送信される。したがって、スタータモータコントローラ5は、エンジンコントローラ4から駆動要求信号が送信されている間のみスタータモータ3を駆動する。これにより、スタータモータ3が所定の駆動時間だけ駆動される。
なお、スタータモータ3の駆動制御としては、上記方法以外に、例えばエンジンコントローラ4が最初の起動信号のみをスタータモータコントローラ5に送信し、スタータモータコントローラ5が起動信号を受信したことを契機に所定の駆動時間だけスタータモータ3を駆動するようにしてもよい。
クランク軸15は、ステップS3で所定の駆動時間だけスタータモータ3が駆動されることで、いずれの気筒においてもバルブオーバラップ状態が回避されたクランク角まで回転し、停止する。
次に、図5を参照して、上述のエンジン停止制御によって、バルブオーバラップ状態を回避したクランク角にクランク軸15を停止させることができる理由について説明する。
図5は、第1気筒♯1を例にクランク角で示されるバルブタイミングとクランク軸トルクとの関係を示した図である。したがって、図5中に示されるバルブリフト量は、第1気筒♯1の吸気バルブ20および排気バルブ22のバルブリフト量を示している。
本実施の形態に係るエンジン停止制御は、エンジン停止時に、図5中、第2のクランク角位置に含まれるバルブオーバラップ期間を回避したクランク角でクランク軸15を停止させようとするものである。
したがって、図5に示す例では、エンジン停止時に、クランク軸15を第3のクランク角位置や第4のクランク角位置で停止させることができれば、第1気筒♯1においてバルブオーバラップ状態が回避される。
以下、クランク軸15が図4のステップS3のスタータモータ3の駆動によって再度回転し、停止する際の作用について、ステップS2で停止したと判定されたクランク軸15が第1ないし第4のクランク角位置のそれぞれで停止した場合について場合分けして説明する。
ここで、図5に示すように、第1のクランク角位置は、膨張行程にある第3気筒♯3によってクランク軸15を正回転させようとする力が作用している範囲である。したがって、クランク軸トルクは、正トルクである。
第2のクランク角位置は、膨張行程にある第3気筒♯3と圧縮行程にある第2気筒♯2の筒内圧力が釣り合っており、エンジン1の摺動抵抗のみが作用している範囲である。エンジン1の摺動抵抗には、例えば機械的摩擦抵抗やオイル粘性等によるクランク軸15の回転抵抗等が含まれる。こうした摺動抵抗は、それほど大きな抵抗ではない。したがって、この第2のクランク角位置では、比較的容易にクランク軸15は回転可能である。
第3および第4のクランク角位置は、圧縮行程にある第2気筒♯2によってクランク軸15を逆回転させようとする力、すなわちクランク軸15の正回転を妨げる力が作用している範囲である。したがって、クランク軸トルクは、負トルクである。
まず、ステップS2で停止したと判定されたクランク軸15が第1のクランク角位置で停止した場合、クランク軸15には、ステップS3のスタータモータ3の駆動によって正トルクがさらに付加される。
このため、クランク軸15は、圧縮行程にある第2気筒♯2によって負トルクが作用し始める第3のクランク角位置まで回転して、停止する。これにより、クランク軸15は、第1気筒♯1においてバルブオーバラップ状態が回避されたクランク角で停止することとなる。
また、ステップS2で停止したと判定されたクランク軸15が第2のクランク角位置で停止した場合、クランク軸15には、上述の摺動抵抗のみが作用している。このため、クランク軸15は、ステップS3のスタータモータ3の駆動によって容易に第3のクランク角位置まで回転して、停止する。これにより、クランク軸15は、第1気筒♯1においてバルブオーバラップ状態が回避されたクランク角で停止することとなる。
また、ステップS2で停止したと判定されたクランク軸15が第3または第4のクランク角位置で停止した場合、クランク軸15には、膨張行程にある第3気筒♯3によって負トルクが作用している。
このため、クランク軸15は、上述の負トルクの作用によって、ステップS3のスタータモータ3の駆動ではほとんど正回転しない。仮にクランク軸15が正回転したとしても、その回転量はわずかである。これにより、クランク軸15は、第1気筒♯1においてバルブオーバラップ状態が回避されたクランク角で停止することとなる。
このように、本実施の形態に係るエンジン停止制御によれば、ステップS2で停止したと判定されたクランク軸15が第1ないし第4のクランク角位置のいずれの位置で停止した場合であっても、最終的にクランク軸15を第1気筒♯1においてバルブオーバラップ状態を回避したクランク角に停止させることが可能となる。なお、第2気筒♯2および第3気筒♯3においてバルブオーバラップ状態を回避する場合も同様である。
以上のように、本実施の形態に係るエンジン停止制御装置は、エンジン停止指示が受け付けられ、かつクランク軸15が停止したと判定された場合にスタータモータ3を所定の駆動時間だけ駆動させるので、バルブオーバラップ期間を避けたクランク角までクランク軸15を回転させて、停止させることができる。これにより、本実施の形態に係るエンジン停止制御装置は、エンジン停止時にいずれかの気筒がバルブオーバラップ状態で停止することを防止できる。
また、本実施の形態に係るエンジン停止制御装置は、エンジン停止時に一旦停止したクランク軸15をスタータモータ3によって再度回転させるので、エンジン停止時(ここでいう「エンジン停止時」は、図4のステップS2にてクランク軸15が停止したと判定された場合である)にクランク軸15が所望のクランク角で停止していない場合であってもクランク軸15を所望のクランク角に停止させることができる。
また、本実施の形態に係るエンジン停止制御装置は、上述のエンジン停止制御を行うにあたって、図4のステップS2で停止したと判定されたクランク軸15のクランク角をクランク角センサ42によって検出する必要がない。このため、本実施の形態に係るエンジン停止制御装置では、クランク軸15の逆回転を検出する等の特殊な機能をクランク角センサ42に付加する必要がないため、安価なクランク角センサ42を用いて上述のエンジン停止制御を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン停止制御においてクランク軸15を回転させるモータとしてスタータモータ3を用いた例について説明したが、これに限らず、例えばオルタネータにスタータモータの機能を付加したISG(Integrated Starter Generator)モータを、エンジン停止制御においてクランク軸15を回転させるモータとして用いてもよい。この場合、ISGモータは、複数のギヤや、ベルトまたはチェーン等を介してクランク軸15に常時接続されている。
また、本実施の形態においては、エンジン停止制御におけるスタータモータ3の所定の駆動時間を予め実験的に求めた固定値としたが、これに限らず、所定の駆動時間を可変としてもよい。
例えば、エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、水温センサ43によって検出された冷却水温に基づき、所定の駆動時間と冷却水温との関係を示すマップを参照することによって所定の駆動時間を設定する。この場合、所定の駆動時間は、水温センサ43によって検出された冷却水温が低いほど長い時間に設定されるのが好ましい。なお、所定の駆動時間と冷却水温との関係は、予め実験的に求められマップとしてエンジンコントローラ4あるいはスタータモータコントローラ5のROMに記憶されている。
また、所定の駆動時間を冷却水温が低いほど長い時間に設定する他の方法としては、次の方法であってもよい。すなわち、エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、例えば暖機完了後の冷却水温を基準水温として、この基準水温時の駆動時間を基準駆動時間に設定しておく。
そして、エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、冷却水温が基準水温よりも低い場合には基準駆動時間を延長する。エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、延長された基準駆動時間を所定の駆動時間としてスタータモータ3を駆動する。
このとき、エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、所定の駆動時間だけ連続してスタータモータ3を駆動してもよいし、所定の駆動時間を延長前の基準駆動時間と延長分の時間とに分割して、スタータモータ3を複数回に分けて駆動してもよい。また、延長分の時間は、冷却水温が低いほど長い時間に設定される。
ここで、クランク軸15に対する回転抵抗、特にオイル粘性に基づく回転抵抗は、冷却水温が低いほど大きくなる。したがって、エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、冷却水温が低いほどスタータモータ3の駆動時間を長くすることで、クランク軸15を確実に回転させることができる。
これにより、エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、冷却水温が低くオイル粘性に基づく回転抵抗が大きい場合であっても、エンジン停止時にバルブオーバラップ期間を避けたクランク角までクランク軸15を確実に回転させて停止させることができる。
また、所定の駆動時間を可変とする他の方法としては、例えばクランク角センサ42の検出結果を用いて所定の駆動時間を可変とする方法であってもよい。具体的には、エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、ステップS2(図4参照)でクランク軸15が停止したと判定されたときのクランク角を計測しておく。
次いで、エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、計測したクランク角から第3のクランク角を差し引いた差分に基づきスタータモータ3の所定の駆動時間を設定する。この場合、エンジンコントローラ4またはスタータモータコントローラ5は、例えば当該差分が負の値である場合には、当該差分が大きいほど所定の駆動時間を長い時間に設定する。
上述の通り、本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 エンジン(3気筒エンジン)
3 スタータモータ(電動機)
4 エンジンコントローラ(エンジン停止制御装置)
5 スタータモータコントローラ
15 クランク軸
20 吸気バルブ
22 排気バルブ
41 IGスイッチ(エンジン停止指示受付部)
42 クランク角センサ(クランク角検出部)
43 水温センサ(水温検出部)
51 スタータスイッチ
100 車両
♯1 第1気筒(気筒)
♯2 第2気筒(気筒)
♯3 第3気筒(気筒)

Claims (2)

  1. 点火時期が隣り合う気筒間の位相差が240°であって、吸気バルブと排気バルブとがともに開弁するバルブオーバラップ期間を設けた3気筒エンジンと、前記3気筒エンジンのクランク軸を回転させる電動機と、前記クランク軸のクランク角を検出するクランク角検出部と、乗員によるエンジン停止指示を受け付けるエンジン停止指示受付部と、を備えた車両に搭載されるエンジン停止制御装置において、
    前記エンジン停止指示受付部によって前記エンジン停止指示が受け付けられ、かつ前記クランク角検出部の検出結果に基づき前記クランク軸が停止したと判定された場合に、前記電動機を所定の駆動時間だけ駆動させることを特徴とするエンジン停止制御装置。
  2. 前記車両は、前記3気筒エンジンの冷却水温を検出する水温検出部を備え、
    前記所定の駆動時間は、前記水温検出部によって検出された前記冷却水温が低いほど長い時間に設定されることを特徴とする請求項1に記載のエンジン停止制御装置。
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