JP2016009095A - 音響構造体、音響パネルのパネル構造、及び音響パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】形状による散乱効果を付与し、特定の周波数の散乱効果を調整ができ、デザイン的な制約を受けることのない音響構造体を提供することを課題とする。【解決手段】音響構造体100は、内部が中空とされて延びる中空管部2を備え、中空管部2の前面2aに、中空内部2dに中空管部2外からの音を導入可能な開口部2eを配置するための開口部配置面2fが形成され、開口部配置面2fに開口部2eが配置され、中空管部2の前面2aであって開口部配置面2f以外の部分に第1隆起部及び/又は第1凹部が形成され、かつ、開口部配置面2fに第2隆起部及び/又は第2凹部が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、音響構造体、音響パネルのパネル構造、及び音響パネルに係り、特に中空管部を備えて吸音や散乱等の音響効果を発揮する音響構造体、音響パネルのパネル構造、及び音響パネルに関する。
劇場ホールやオーディオルーム等の音響空間においてフラッターエコー等の音響障害を防止するために、音を散乱又は吸収するための音響部材が設置される。例えば、特許文献1には、中空部材において共鳴体の共鳴によって生じ開口部から放射される反射波と開口部に隣接する反射面で反射された反射波との位相を異ならせることにより、吸音・散乱効果を得る構成が開示されている。
特開2010−84509号公報
しかしながら、反射面が平面状である場合は、その反射面で反射される音が正反射に近い状態で反射され易く、その結果、形状による散乱効果が期待しにくいという課題がある。したがって、共鳴や音響抵抗による吸音効果を実現しつつ、反射波の指向性を制御して音の散乱効果を高めることのできる提案が望まれている。
特に、開口部近傍が平面状である従来の構成では、その開口部近傍の平面部分で音が略正反射的に反射するため、充分な音の散乱効果を得ることができなかった。また、開口部近傍の平面部分が音響部材全体のデザイン性を損なってしまうという課題もあった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、吸音効果を実現しつつ、従来よりも音の散乱効果を一層高めることにより、従来にない良好な音響効果を発揮することのできる音響構造体、音響パネルのパネル構造、及び音響パネルを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の音響構造体は、内部が中空とされて延びる中空管部を備えた音響構造体であって、中空管部の側面又は外面の一部に、中空管部外と中空内部とを連通することにより中空内部に中空管部外からの音の少なくとも一部を導入可能な音波導入部を配置するための音波導入部配置面が形成され、音波導入部配置面に音波導入部が配置され、中空管部の側面又は外面の一部であって音波導入部配置面以外の部分に第1隆起部及び/又は第1凹部が形成され、かつ、音波導入部配置面に第2隆起部及び/又は第2凹部が形成されている。
中空管部の側面又は外面の一部であって、音波導入部配置面以外の部分に第1隆起部が形成され、かつ、音波導入部配置面に第2隆起部が形成されて、第1隆起部と第2隆起部とが同じ曲率を有するか、又は、中空管部の側面又は外面の一部であって、音波導入部配置面以外の部分に第1凹部が形成され、かつ、音波導入部配置面に第2凹部が形成されて、第1凹部と第2凹部とが同じ曲率を有してもよい。
第1隆起部及び/又は第1凹部と第2隆起部及び/又は第2凹部とは、中空管部が延びる方向に沿って延びるように形成されていてもよい。
1つの中空管部に対し、音波導入部が複数配置されていてもよい。
中空管部をその延びる方向に直交する方向に沿って複数配列してもよい。
隣接する2つの中空管部の中空内部同士が、少なくとも部分的に連通していてもよい。
隣接する2つの中空管部同士の配置間隔を隣接ピッチとした場合に、複数の異なる隣接ピッチを有してもよい。
本発明の音響パネルのパネル構造は、上記の音響構造体を有する音響パネルのパネル構造であって、板状のパネル基体に1又は複数の音響構造体が配置されている。
音響構造体の中空管部に隣接するパネル基体のパネル面に、第3隆起部及び/又は第3凹部が形成されていてもよい。
音響構造体の中空管部に隣接するパネル基体のパネル面に、中空管部が延びる方向に沿って又は直交する方向に沿って溝が形成されていてもよい。
本発明の音響パネルは、上記の音響パネルのパネル構造を備えるものである。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかとなるだろう。
本発明によれば、中空管部の側面又は外面で反射された音(反射音)の反射方向を多種多様な方向とすることができる。また、中空管部の側面又は外面に音波導入部配置面が形成されており、中空内部に音を導入可能な音波導入部がその音波導入部配置面に配置されているので、この音響構造体は、音波導入部が有する音響抵抗に基づく吸音効果や中空内部での音の共鳴に基づく吸音効果を発揮することができる。つまり、この音響構造体は、高い散乱効果と吸音効果の両立を実現することができる。なお、ここで側面とは、中空管部の延長方向に沿って立設する立設面であり、中空管部の上面及び下面を除く周囲面である。外面とは、中空管部の上面及び下面を含む外側のあらゆる面を含む。
第1隆起部及び/又は第1凹部による音の散乱効果と第2隆起部及び/又は第2凹部による音の散乱効果の両方を得ることができる。それらの形状や曲率を変えれば、各々異なる散乱効果を得ることができるし、同じ形状や同じ曲率にすれば、両者で同様の効果を得ることもできる。
また、「第1隆起部及び/又は第1凹部が形成され」や「第2隆起部及び/又は第2凹部が形成され」は、いずれも「非平面形状とされ」との概念を含む。「非平面形状」としては、例えば、中空管部をその延びる方向に直交する平面で切断した場合に、その断面形状が前方に向けて膨らんだいわゆる「かまぼこ形状」、前方に向けて直線的に突き出す「三角形状」等を例示することができる。
なお、第1隆起部や第1凹部、第2隆起部や第2凹部が、中空管部と別体とされていてもよい。これらが中空管部と別体とされており、中空管部に対して着脱可能であれば、必要に応じて異なる音響効果を発揮する隆起部や凹部を交換可能とすることができる。例えば、隆起部や凹部の形状や材質の異なるものに交換することにより、吸音効果や散乱効果(散乱方向を含む。)を変化させることができ、音響構造体を設置する部屋の大きさや室内形状等に合わせて適切な音響効果を得ることができる。
音波導入部が中空管部と別体とされていてもよい。つまり中空管部には中空内部に音を導入するための開口は形成されているが、その開口にアタッチメントとしての音波導入部が着脱可能に装着されていてもよい。音波導入部が中空管部と別体とされていれば、形状や材質の異なる音波導入部を選択的に交換配置することにより、音響構造体を設置する部屋の大きさや室内形状等に合わせて適切な音響効果を得ることができる。
音波導入部が、中空管部外から中空内部に至る経路において湾曲部又は屈曲部の少なくともいずれか一方を有していれば、中空管部外からの中空内部に至る音に対する音響抵抗値を一層増大させることができる。それにより、中空内部に至る音に対する吸音効果を一層向上させることができる。
第1隆起部と第2隆起部とが同じ曲率であれば、第1隆起部が形成される音波導入部近傍以外の部分での散乱効果と第2隆起部が形成される音波導入部近傍での散乱効果とを同様の散乱効果とすることができる。また、第1隆起部と第2隆起部とを同一面とすれば、1つの面一の曲面上に音波導入部が配置される構成とすることができ、中空管部のデザイン性を向上させることもできる。なお、上記の効果は、第1凹部と第2凹部とが同じ曲率である場合にも奏することができる。
第1隆起部及び/又は第1凹部と第2隆起部及び/又は第2凹部とが、中空管部が延びる方向に沿って延びるように形成されていれば、中空管部が延びる方向に直交する面内での高い散乱効果を得ることができる。例えば、音響構造体を音響室等に設置する場合において、中空管部が鉛直方向に延びるように設置すれば、側面で反射した反射音を水平面内において効果的に散乱させることができる。
1つの中空管部に対し、音波導入部が複数配置されていれば、その複数の音波導入部の各々の導入開口の形状、大きさ、配置位置を調整することで、中空内部での吸音効果を一層高めたり種々変更したりすることができる。複数の波長の音(音波)に対し、高い吸音効果を発揮させることができる。
音響構造体を構成する中空管部の数を増減させることで、周囲環境に応じて最適な吸音効果及び散乱効果を得ることができる。
隣接する2つの中空管部の中空内部同士が少なくとも部分的に連通してれば、2つの中空管部の中空内部の間を音が自由に流出入することができる。これにより、一方の中空管部の音波導入部から導入された音を隣接する中空管部の中空内部へと至らせてその内部で共鳴させたり、その隣接する中空管部の音波導入部から外部へと放射させたりすることができる。
「少なくとも部分的に連通」とは、隣接する中空管部間の隔壁としての側面が部分的に切り欠かれて連通する場合や、その隔壁としての側面全体がない場合(2つの隣接する中空管部が一体化している場合)等を含む。
音響構造体が、複数の異なる隣接ピッチを有していれば、中空管部の外観形状に起因する散乱効果を高めることができるとともに、散乱させたい周波数を特定した音響構造体を構築することができる。ここで、「隣接ピッチ」とは、隣接する2つの中空管部の配置間隔であって、配列方向における中空管部の中心間距離である。例えば、断面半楕円弧形状の隆起部を有する中空管部の場合、中空管部の前方への隆起頂点の間の水平方向の距離に相当するものである。なお、凹部の場合は、中空管部の後方への凹頂点の間の距離である。また、「隣接ピッチ」として、中空管部において隆起頂点を挟んで非平面形状の部分が開始される二つの位置の間、或いは、凹部の凹頂点を挟んで非平面形状の部分が開始される二つの位置の間と定義するものであっても構わない。
隣接ピッチに応じて、中空管部の散乱効果は変化する。したがって、複数の異なる隣接ピッチを有することで、この中空管部は、複数の異なる散乱効果を発揮し得る。ある隣接ピッチによって特定の波長の音に対する高い散乱効果を発揮させ、異なる隣接ピッチによって特定の波長とは異なる波長の音に対する高い散乱効果を発揮させることができる。
なお、上記ピッチを予め規定された計算式(詳細は後述)に基づいて特定の周波数に適した散乱効果を得られるように調整することができる。隆起部の隆起高さとは、中空管部において非平面形状の部分が開始される位置から前述した隆起頂点までの鉛直方向の高さに相当し、他方、凹部の凹深さとは、中空管部において非平面形状の部分が開始される位置から前述した凹頂点までの鉛直方向の深さに相当する。そして、散乱させたい特定の周波数f[Hz]、音速c[m/s]、波長λ[m]、ピッチa[m]ピッチaが波長λに近似し、a≒λ=c/f”の関係が満たされる。なお、良好な散乱効果を得るには隆起部の隆起高さ又は凹部の凹深さを、上記ピッチに対して0.15倍以上、かつ、0.3倍以下に設定することが望ましい。隆起高さ(又は凹深さ)をb[m]と規定すれば、“b=0.15a〜0.3a”の範囲内であることが望ましい。
したがって、上記式に基づいて、ピッチaを適宜調整することにより、散乱させたい周波数fを特定することができ、使用用途等に応じて最適な散乱効果を享受することのできる音響構造体の設計を行うことが可能となる。
本発明の音響パネルのパネル構造によれば、パネル基体に配置する音響構造体の数を増減させることで、周囲環境に応じて最適な吸音効果及び散乱効果を得ることができる。
また、中空管部に隣接するパネル基体のパネル面に、第3隆起部及び/又は第3凹部を形成することにより、上記音響構造体自体の散乱効果に加え、音響パネルのパネル構造自体の散乱効果を発揮することができる。
さらに、パネル基体のパネル面に、中空管部が延びる方向に沿って又は直交する方向に沿って溝を形成することにより、音響構造体の隆起部や凹部による散乱効果に加えて、当該溝による散乱効果を得ることができる。
その溝の延長方向が中空管部の延びる方向に沿った方向であれば、中空管部の延びる方向に直交する面内での散乱効果を溝により得ることができる。溝の延長方向が中空管部の延びる方向に直交する方向であれば、中空管部の延びる方向を含む面内での散乱効果を溝により得ることができる。
本発明の音響パネルによれば、上記の音響構造体及び音響パネルのパネル効果によって奏する効果を有する。
実施形態1に係る音響構造体の外観斜視図である。 図1に示す音響構造体の断面図であって、(a)は、幅方向の断面を示し、(b)は、高さ方向の断面を示す。 隣接ピッチと散乱させるべき音の周波数との関係を説明する図である。 変形例に係る平面部をXZ平面で切断した断面図である。 実施形態2に係る中空管部の幅方向断面図である。 実施形態2に係る中空管部の幅方向断面図であって隆起部を別のものに交換した状態を示す図である。 実施形態3に係る中空管部の幅方向断面図である。 実施形態4に係る音響構造体の外観斜視図である。 実施形態5に係る音響構造体の外観斜視図である。 実施形態6に係る音響パネルの外観斜視図である。 実施形態6の変形例に係る音響パネルの外観斜視図である。 中空管部延長方向に直交する面で切断した実施形態7に係る音響パネルの断面図である。 中空管部延長方向に直交する面で切断した実施形態7の変形例に係る音響パネルの断面図である。 中空管部延長方向に直交する面で切断した実施形態8に係る音響パネルの断面図である。 中空管部延長方向に直交する面で切断した実施形態9に係る音響パネルの断面図である。
実施するための形態
[実施形態1]
以下、実施形態1について図面を用いて説明する。図1に示すように、音響構造体100は、中空管部2を有している。音響構造体100は、部屋(音響室)等の壁面Wに埋め込まれ、若しくは壁面Wの表面に取り付けられ、又は自立させて使用される。音響構造体100は、所定厚さを有する平板状構造体であり、例えば前方から見て正面視略長方形を呈し、全体として直方体形状とされている。音響構造体100の形状は、もちろん直方体形状に限定されない。図1において、音響構造体100の幅方向(左右方向)をX方向、高さ方向(上下方向)をY方向、厚さ方向(前後方向)をZ方向とする。
中空管部2は、図2(a)及び(b)にその断面を示すように、高さ方向に延びる略四角柱形状の樹脂、金属又は木材の管状部材である。中空管部2は、前面、後面、左側面、右側面(これらを総称して側面という。)及び上下面(2b,2c)が閉鎖されてその内部が中空とされており、その中空内部2dに導入された音を共鳴させる共鳴管としての機能を有する。側面の1つとしての前面2aには、開口部(音波導入部)2eが設けられている。開口部2eは、正面視略長方形状に開口されており、中空管部2の前面2aの一部に形成された開口部配置面(音波導入部配置面)2fに配置されて中空管部2外と中空内部2dとを連通している。
中空管部2は、樹脂、金属又は木材以外の材料であってもよい。樹脂で形成する場合には、インジェクション成形、ブロー成形、押出成形等により形成してもよい。また、中空管部2の形状は必ずしも四角柱形状に限られず、断面が円形、楕円形、三角形その他の多角形の柱状形状を呈する管状部材であってもよい。少なくとも側面又は外面には、特に好ましくは前面2aには開口部配置面2fが形成され、その開口部配置面2f以外の前面2aには第1隆起部3が形成されている。第1隆起部3に代えて、又は第1隆起部3と共に前面2aに第1凹部が形成されていてもよい。開口部配置面2fは、開口部2eを配置するための面であり、本実施形態1では、開口部配置面2f以外の前面2aに形成された第1隆起部3と異なる曲率を持つ凸面(第2隆起部)4が形成されている。開口部配置面2fに、第2隆起部4に代えて、又は第2隆起部4と共に凹部(第2凹部)が形成されていてもよい。第2凹部は、第1凹部と異なる曲率や凹形状であってもよい。
本実施形態1では、音響構造体100は1本の中空管部2を有して構成されるが、中空管部2の延長方向(高さ方向)と直交する方向(幅方向)に複数本又は形状の異なる複数種の中空管部2が隣接配置されて音響構造体100が構成されていてもよい。もちろん、中空管部2の上面2b及び下面2cのいずれか一方又は両方が開放されていてもよい。
中空管部2の前面2aには第1隆起部3と、第2隆起部4が形成された開口部配置面2fとが形成されている。第1隆起部3及び第2隆起部4は、前面2aにおいて前方に向けて略断面半円状に膨出する部分である。第2隆起部4は開口部配置面2fに形成され、第1隆起部3は、前面2aにおける開口部配置面2f以外の部分に形成されており、各々高さ方向(すなわち、中空管部2の延長方向。)に沿って延びている。つまり、中空管部2の前面2aは、高さ方向に延びる2段階の略かまぼこ形状とされている。
中空管部2外からの音の少なくとも一部が、この第1隆起部3や第2隆起部4において反射されると、経路A1やA2に示すように多種多様な方向に散乱される。本実施形態1では、第1隆起部3及び第2隆起部4が高さ方向に延びる略かまぼこ形状とされているので、主として高さ方向に直交する面内(XZ面内)において音を散乱させることができる。中空管部2の延長方向を鉛直方向としてこの音響構造体100を設置すれば、第1隆起部3及び第2隆起部4によって水平面内での高い散乱効果を得ることができる。
また、中空管部2の延長方向と直交する方向に複数本又は形状の異なる複数種の中空管部2が隣接配置された音響構造体100の場合(図3参照)、隣接する中空管部2同士の配置間隔(隣接ピッチ)aと、隆起部(第1隆起部3及び第2隆起部4を総称して隆起部ということとする。)の高さとを調整することによって、散乱させたい特定の音の周波数に合わせた音響構造体を構築することができる。具体的に説明すると、隣接する中空管部2の隣接ピッチa[m]、隆起部の高さb[m](ここでは、第1隆起部3の高さを例として説明する。)、散乱させたい音の周波数f[Hz]、波長λ[m]、及び音速c[m/s]とすると、
“隣接ピッチa ≒ 波長λ = 音速c/周波数f”
(ただし、第1隆起部3の高さb = 0.15a〜0.3aであることが望ましい)
の計算式が成立することが知られている。これにより、上記計算式に基づいて、ピッチaを適宜調整することにより、特定の周波数成分を対象とした音響構造体とすることができる。また、複数本(3本以上)の中空管部2を備えた場合において、複数の異なる隣接ピッチaを有するように設定することで、複数の周波数成分を対象として高い散乱効果を発揮する音響構造体とすることもできる。なお、上記では隆起部に対する例を用いて説明したが、前面2aに凹部が形成されている場合も同様の考えを適用することができる。
すなわち、上記の隣接ピッチa、波長λ、音速c、周波数fの関係式は、前面2aのうち、開口部配置面2fに隆起部(第2隆起部)が形成されている場合、凹部(第2凹部)が形成されている場合、開口部配置面2f以外の部分に隆起部(第1隆起部)が形成されている場合、凹部(第1凹部)が形成されている場合の、いずれの組み合わせであっても適用可能である。もちろん、開口部配置面2fに隆起部と凹部の両方が形成されていたり、開口部配置面2f以外の部分に隆起部と凹部の両方が形成されている場合についても適用可能である。
なお、上記実施形態1において、開口部2eの形状を正面視略長方形状とした例について説明したが、これらの形状は長方形状に限られず、正面視の状態で、略円形、略楕円形等の他の形状に適宜設定可能である。また、高さ方向(Y方向)に延びる細長い開口部2eが複数形成されていてもよい。例えば、変形例を図4の断面図に示すように、開口部配置面2fに複数の開口部2eが屈曲部5を有してクランク状に形成されていてもよい。屈曲部5を有することにより、図中に経路Bで示すように、中空管部2外からの音波が中空内部2dに導入される際の音響抵抗値を増大させることができ、より高い吸音効果を得ることができる。もちろん、屈曲部5の代わりに開口部2eが湾曲部を有していても同様の音響抵抗値が増大となる効果を得ることができる。開口部2eに屈曲部を採用するか湾曲部を採用するかは、必要な音響抵抗値や音響構造体の設置状況に応じて適宜選択され得る。
また、上記実施形態1では、第1隆起部3や第2隆起部4が中空管部2の延長方向に沿って延びて形成される例について説明したが、隆起部3,4の延長方向が中空管部2の延長方向と異なる方向であってもよい。例えば、隆起部3,4の延長方向が中空管部2の延長方向に直交する方向であれば、中空管部2の延長方向を含む面内(YZ面内)での散乱効果を高めることができる。
上記実施形態1では、中空管部2が高さ方向に沿って延びる略直方体形状であって、その前面2aに隆起部3,4が形成された例について説明したが、中空管部2が円形断面又は楕円形断面を有する柱状又は管状部材である場合には、その円形又は楕円形の周面自体が隆起部3,4として機能してもよいし、円形又は楕円形の周面に、周面そのものとは別に隆起部及び/又は凹部が形成されていてもよい。
[実施形態2]
図5に示す実施形態2において、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。実施形態2においては、中空管部2の前面2aに取付孔2gが形成され、第1隆起部3の後面側にその取付孔2gに対応する位置に取付フック3aが突出配置され、中空管部2と別体とされた第1隆起部3が前面2aに対して着脱可能とされている。この場合において、前面2aは、平面であっても凹凸形状を有する非平面であっても構わない。
第1隆起部3を前面2aに取り付けた状態で、この実施形態2に係る第1隆起部3は、実施形態1に係る第1隆起部3と同様に高さ方向に延びる略かまぼこ形状を呈する。その結果、その第1隆起部3が散乱効果を発揮する中空管部2の前面として機能する。第1隆起部3を中空管部2と別体として着脱可能とすることにより、音響構造体100の設置状況に応じて、また、必要な音響効果に応じて、異なる形状の第1隆起部に交換することができる。例えば、図6に示すように、断面三角形状の第1隆起部3に交換することができる。
第1隆起部3の頂部近くには、1本又は複数本の第1凹部3bが第1隆起部3の延長方向に沿って形成されている。この第1凹部3bを形成することにより、第1凹部3bがない場合に比較してより一層多種多様な方向への音の散乱が可能となる。もちろん、音響構造体100の設置状況に応じて、また、必要な音響効果に応じて、第1凹部3bを隆起部3の延長方向に直交する方向(すなわち、幅方向。)に沿って形成してもよい。
なお、開口部配置面2fが平面で形成され、その開口部配置面2f上に、本実施形態2で説明した第1隆起部3と同様の構造を有する第2隆起部が着脱可能に構成されていてもよい。
[実施形態3]
図7に示す実施形態3において、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。実施形態3においては、中空管部2の前面2aにおいて、開口部配置面2f以外の部分が第1凹部33とされている。この第1凹部33も第1隆起部3と同様に音の散乱効果を発揮し、第1凹部33において反射された音の指向性を可変する機能を有する。第1凹部33は、図7に示すように中空管部2の延長方向に沿って延びるように形成されてもよいし、その他の方向に沿って延びていてもよい。音響構造体100の設置状況に応じて、また、必要な音響効果に応じて、第1凹部33の延長方向は自由に設定することができる。もちろん、図7には図示しないが、第1凹部33の表面に図5に示したような1本又は複数本の第1凹部3bがさらに形成されてもよいし、1本又は複数本の凸部(不図示)が第1凹部33の延長方向に沿って形成されてもよい。
また、この中空管部の前面2aには、第1凹部33に加えて二点鎖線で示すような第1隆起部3が、第1凹部33と重ならない位置であって開口部配置面2fとは別の位置に形成されていてもよい。第1凹部33による散乱効果に加え、第1隆起部3による散乱効果も得ることができる。第1隆起部3の表面に第1隆起部3の延長方向に沿って1本又は複数本の第1凹部3bが形成されていてもよい。
[実施形態4]
図8に示す実施形態4において、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。実施形態4においては、実施形態1と同様に、中空管部2の前面2aのやや上方位置に開口部配置面2fが形成され、その開口部配置面2fに開口部2eが配置されている。そして、その開口部配置面2fに対して着脱部材41が着脱可能に取り付けられるようになっている。
着脱部材41は、中空管部2と同様の材料で形成されてもよいし、中空管部2の前面2aと異なる音響効果を発揮させるべく中空管部2と異なる材料で形成されてもよい。着脱部材41は、樹脂、金属、木材又はその他の材料で形成されたブロック状部材であって、その背面41aが開口部配置面2fに沿うような形状とされ、その前面41bが中空管部2の前面2aに形成された第1隆起部3と同様の隆起形状とされた略かまぼこ形状とされている。
開口部配置面2f上に着脱部材41を装着すると、開口部配置面2fが外部に露出しなくなり、中空管部2の前面2aは着脱部材41の前面41bと共に全体に第1隆起部3と同様の隆起形状を呈する。中空管部2から着脱部材41を取り外すと、開口部配置面2f及び開口部2eが外部に露出し、中空管部2は、第1隆起部3による音波の散乱効果や、開口部2eから中空内部2d内に導入された音波の共鳴による吸音効果を得ることができる。
中空管部2の前面2aのやや下方位置には、第1隆起部3に開口部3cが配置されている。その開口部3cの前面側には着脱部材42が着脱可能に取り付けられるようになっている。
着脱部材42は、中空管部2と同様の材料で形成されてもよいし、中空管部2の前面2aと異なる音響効果を発揮させるべく中空管部2と異なる材料で形成されてもよい。着脱部材42は、樹脂、金属、木材又はその他の材料で形成されたブロック状部材であって、全体として略直方体形状であるが、その背面42aが第1隆起部3に沿うように凹状面とされ、その前面が第2隆起部を形成した開口部配置面42fとされている。そして着脱部材42の開口部配置面42fには、背面42aまで貫通する開口部42eが形成されている。
図8中二点鎖線で示すように、開口部3c上に着脱部材41を装着すると、中空管部2の前面2aの第1隆起部3から突出するように開口部配置面42fが配置され、その開口部配置面42fには、開口部3cを介して中空内部2dへと連通する開口部42eが配置されることとなる。第1隆起部3による音波の散乱効果や開口部42eから中空内部2d内に導入された音波の共鳴による吸音効果を得ることができる。なお、着脱部材42を開口部3c上から取り外すと、中空管部2の前面2aには第2隆起部が配置されず、第1隆起部3に形成された開口部3cが外部に露出することとなる。
[実施形態5]
図9に示す実施形態5において、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。実施形態5においては、実施形態1と同様に、中空管部2の前面2aのやや上方位置に第2隆起部が形成された開口部配置面2fが形成され、その開口部配置面2fに開口部2eが配置されている。
実施形態1では、中空管部2が高さ方向のみに延びているが、実施形態5では、中空管部2が正面視略L字形状に下方で屈曲し、高さ方向(Y方向)と幅方向(X方向)とに延びている。そして、隆起部3も中空管部2の延長方向に沿って、高さ方向と幅方向とに延びている。なお、中空管部2が高さ方向に延びる部分の上方でも屈曲して正面視略コ字形状とされており、各々の延長部分(高さ方向に延びる部分、その上方で幅方向に延びる部分、その下方で幅方向に延びる部分)にその延長方向に沿って第1隆起部3が配置されていてもよい。もちろん、図9に示す中空管部2の高さ方向に延びる部分にのみ第1隆起部3が配置されており、幅方向に延びる部分に第1隆起部3が配置されていなくてもよい。
[実施形態6]
図10に示す実施形態6の音響パネル200において、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。実施形態6は、実施形態1において示した1つの音響構造体100を有し、該音響構造体100が略平板状を呈するパネル基体50のパネル面51に、中空管部2の一部を当接させた状態で配置された音響パネルのパネル構造を採用している。実施形態6では、中空管部2に隣接するパネル基体50の左右に平面状のパネル面51が形成されている。また、中空管部2とパネル面51との境界には、断面略コ字形状の一対の溝53が、中空管部2が延びる方向に沿って形成されている。なお、パネル面51に図11に示すような第3隆起部52又は凹部(第3凹部、不図示)が形成されていてもよい。
溝53の形状は断面略コ字形状に限定されるものではなく、例えば、三角溝のようなものであってもよい。さらに、実施形態6の変形例として、図11に示すように、複数の音響構造体100を中空管部2の延びる方向と直交する方向(左右方向)に並べた音響パネル200としてもよい。音響パネル200は、中空管部2に隣接するパネル基体50のパネル面51に第3隆起部52が形成されている。なお、第3隆起部52の代わりに、又は第3隆起部52に加えて凹部(第3凹部)が形成されていてもよい。
[実施形態7]
図12に示す実施形態7の音響パネル300において、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。音響パネル300では、複数の中空管部2がその延長方向に直交する方向(左右方向)に沿って隣接配置されている。音響パネル300では、前面2aにおける開口部配置面2fに形成された第2隆起部4と開口部配置面2f以外の部分に形成された第1隆起部3とが同じ曲率を有しており、同一形状を呈している。したがって、図中では、第2隆起部4のみを示している。
音響パネル300では、1つの中空管部2の前面2aに、中空管部2の配列方向に沿って複数の開口部2eが形成されている。1つの中空管部2に対して複数の開口部2eを形成することにより、音響パネル300を設置する部屋の大きさや室内形状等に合わせて適切な音響効果を得ることができる。
なお、図13に実施形態7の変形例に係る音響パネル300を示すように、中空管部2の前面2aにおける第1隆起部3、第2隆起部4共に、2つの凸部が並んだような隆起形状を有し、その各々の凸部に対して開口部2eが配置されていてもよい。
[実施形態8]
図14に示す実施形態8の音響パネル400において、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。音響パネル400では、複数の中空管部2がその延長方向に直交する方向(左右方向)に沿って隣接配置されている。音響パネル400では、隣接する中空管部2同士の隔壁、すなわち中空管部の左右側面の一部に切欠き部6が形成され、隣接する中空管部2の中空内部2d同士が部分的に連通している。
切欠き部6を形成して隣接する中空内部2d同士を連通することにより、1つの中空管部2のみで発揮する共鳴とは異なる共鳴を実現することができる。音響パネル400を設置する部屋の大きさや室内形状等に合わせて適切な音響効果を得ることができる。
[実施形態9]
図15に示す実施形態9の音響パネル500において、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。音響パネル500では、複数の中空管部2がその延長方向に直交する方向(左右方向)に沿って隣接配置されている。音響パネル500では、隣接する中空管部2同士の隣接ピッチが異なっている。すなわち、隣接ピッチa1と隣接ピッチa2との2つの隣接ピッチを有している。
隣接ピッチによって高い散乱効果を発揮しうる音波の周波数が異なる。したがって、この音響パネル500は、複数の周波数の音波に対し、高い散乱効果を発揮し得る。音響パネル500を設置する部屋の大きさや室内形状等に合わせて適切な音響効果を得ることができる。
以上、種々の実施形態を用いて本発明の音響構造体を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形や設計変更等を行うことが可能である。
A1,A2:経路、100…音響構造体、200,300,400,500…音響パネル、2…中空管部、2a…前面(側面)、2d…中空内部、2e,42e…開口部(音波導入部)、2f,42f…開口部配置面(音波導入部配置面)、3…第1隆起部、3b,33…第1凹部、4:第2隆起部、5…屈曲部、6…切欠き部、50…パネル基体、51…パネル面、52…第3隆起部、53…溝

Claims (11)

  1. 内部が中空とされて延びる中空管部を備えた音響構造体であって、
    当該中空管部の側面又は外面の一部に、中空管部外と中空内部とを連通することにより該中空内部に前記中空管部外からの音の少なくとも一部を導入可能な音波導入部を配置するための音波導入部配置面が形成され、
    前記音波導入部配置面に前記音波導入部が配置され、
    前記中空管部の側面又は外面の一部であって前記音波導入部配置面以外の部分に第1隆起部及び/又は第1凹部が形成され、かつ、
    前記音波導入部配置面に第2隆起部及び/又は第2凹部が形成されている、音響構造体。
  2. 前記中空管部の側面又は外面の一部であって、前記音波導入部配置面以外の部分に第1隆起部が形成され、かつ、前記音波導入部配置面に第2隆起部が形成されて、該第1隆起部と該第2隆起部とが同じ曲率を有するか、又は、
    前記中空管部の側面又は外面の一部であって、前記音波導入部配置面以外の部分に第1凹部が形成され、かつ、前記音波導入部配置面に第2凹部が形成されて、該第1凹部と該第2凹部とが同じ曲率を有する、請求項1に記載の音響構造体。
  3. 前記第1隆起部及び/又は第1凹部と前記第2隆起部及び/又は第2凹部とは、前記中空管部が延びる方向に沿って延びるように形成されている、請求項1又は請求項2に記載の音響構造体。
  4. 1つの前記中空管部に対し、前記音波導入部が複数配置されている、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の音響構造体。
  5. 前記中空管部をその延びる方向に直交する方向に沿って複数配列した、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の音響構造体。
  6. 隣接する2つの前記中空管部の中空内部同士が、少なくとも部分的に連通している、請求項5に記載の音響構造体。
  7. 隣接する2つの前記中空管部同士の配置間隔を隣接ピッチとした場合に、複数の異なる隣接ピッチを有する、請求項5又は請求項6に記載の音響構造体。
  8. 請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の音響構造体を有する音響パネルのパネル構造であって、
    板状のパネル基体に1又は複数の前記音響構造体が配置されている、音響パネルのパネル構造。
  9. 前記音響構造体の中空管部に隣接する前記パネル基体のパネル面に、第3隆起部及び/又は第3凹部が形成されている、請求項8に記載の音響パネルのパネル構造。
  10. 前記音響構造体の中空管部に隣接する前記パネル基体のパネル面に、前記中空管部が延びる方向に沿って又は直交する方向に沿って溝が形成されている、請求項8又は請求項9に記載の音響パネルのパネル構造。
  11. 請求項8から請求項10のうちいずれか1項に記載の音響パネルのパネル構造を備える、音響パネル。
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US20220098806A1 (en) * 2020-09-29 2022-03-31 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Sound absorbing structure having one or more acoustic scatterers for improved sound transmission loss

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