以下、本発明のLED灯具の実施形態を各図に基づいて説明する。まず、LED灯具10の構成概要を図1〜図5を参照して説明する。なお、図1には、本発明の一実施形態に係るLED灯具10の使用状態を示す説明図が図示されている。また、図2には、LED灯具10の構成例を示す斜視図が図示されている。また、図3には、LED灯具10の構成例を示す図として、正面図(図3(A))、背面図(図3(B))、平面図または底面図(図3(C))がそれぞれ図示されている。図4(A)には図3(B)に示すIV線矢視による側面図、図4(B)には図4(A)の反対側から見た側面図、がそれぞれ図示されている。さらに、図5には、ソケットカバー40およびその周辺の構成例を示す説明図が図示されている。
図1に示すように、本実施形態のLED灯具10は、例えば、鉄道車両や路線バス等の乗合車両の客室内の天井100や壁等に形成される凹部101に組み付けられて使用される室内照明装置である。本実施形態では、LED灯具10は、長手方向両端において、ボルト90により乗合車両に取り付けられている。LED灯具10は、照明光源として、直管形のLEDランプを備えており、このLEDランプから出射される照明光を、本体ケース20の反射面22,23等に反射させて照射方向(客室方向)に照明光を向ける間接照明機器である。
なお、図1においては、LEDランプは、後述するランプカバー50に隠れているため、図示されてないことに注意されたい。また、図1に示すLED灯具10は、構成を理解し易く表現するために単体のLED灯具10を図示しており、実際の乗合車両では、車両の前後方向に複数のLED灯具10を直線状に連ねて設置していることが多い。なお、図1に表す符号40は、ランプカバー50およびLEDランプ70の端部を覆うソケットカバーを示している。
図2に示すように、LED灯具10は、主に、本体ケース20、ソケットカバー40、ランプカバー50、LEDランプ70、LED電源装置80等により構成されている。なお、図2に示す座標系のX軸方向は、LED灯具10の長手方向を示す。また、同座標系のY軸方向は、LED灯具10の幅方向(短手方向)を示す。さらに、同座標系のZ軸方向は、LED灯具10の高さ方向を示す。なお、図2に表す符号21は、本体ケース20の幅方向中央に形成される中央部である。また、符号21aは、中央部21に形成される取付穴であり、図1を参照して説明したようにLED灯具10を乗合車両に取り付ける際にボルト90が挿通される貫通穴である。
図3および図4に示すように、本体ケース20は、例えば、アルミニウム等の金属材からなり、表面側(正面側)には、中央部21、反射面22,23、フランジ24が形成され(図3(A))、また裏面側(背面側)には、電源取付部25、リブ26、フィン27,28が形成されている(図3(B))。これらは、押出または切削加工により長尺状に一体に形成されている。本体ケース20の両端には切欠部29が形成されている。この切欠部29は、LED灯具10の組付時やメンテナンス時において、作業者の手が本体ケース20に容易に掛けられるように形成される凹みであり、またデザイン的な意匠性を高める役割も果たす。なお、本体ケース20にアルミニウム等の金属材を用いるのは、樹脂材に比べて不燃性に優れており、また熱伝導特性が良いためである。
本体ケース20の幅方向中央に平坦状に形成される中央部21には、前述した取付穴21aが形成されている。また、後述するLED電源装置80に接続される電気配線が通る配線穴21bも中央部21に形成されている。中央部21の幅方向両側には、反射面22,23が形成されており、長手方向に沿って2列に並んでいる。反射面22,23は、その端部形状が凹状の湾曲形状を成しており、本体ケース20の一端側から他端側まで連続して同様の湾曲形状に形成されている。反射面22,23は、表面側(裏面側の反対側)に向けて開口しており、中央部21を含めた幅向長さが、前述した天井100の凹部101をほぼ塞ぐ幅に設定されている(図1参照)。反射面22,23は、いずれもLEDランプ70のLEDチップから出射される照明光のほぼすべてを乗合車両の客室方向(図4において紙面下方向)に向けて反射させ得るように湾曲している。
中央部21と反射面22,23の間には、反射面22,23のそれぞれから中央部21側に向かって延びる一対のフランジ24が形成されている。これらのフランジ24は、両者が対向するとともに、中央部21に対して高さ方向(Z軸方向)に所定間隔を隔てて位置する。これにより、後述するソケットカバー40がLED灯具10の長手方向(X軸方向)にスライドし得るガイド溝24aを形成する(図4参照)。本実施形態では、反射面22,23が、LEDランプ70から出射される照明光を客室方向に反射する反射体として、主に機能するが、中央部21やフランジ24も反射体として機能する。そのため、本実施形態では、中央部21、反射面22,23、フランジ24の各表面には、つや消し処理(例えば、梨地処理)を施している。これにより、LEDランプ70から出射された照明光が鏡面反射をした場合に比べて、反射した照明光が和らいだ光になるように構成している。なお、以下、中央部21、反射面22,23およびフランジ24を「反射面22等」と総称することにする。
本体ケース20の幅方向(短手方向、Y軸方向)両側には、フィン27,28が形成されている。フィン27は反射面22から、またフィン28は反射面23から、それぞれ高さ方向(Z軸方向)に立ち上がるように形成されている。つまり、本体ケース20の裏面(背面側)に突出するようにフィン27,28が形成されている。これらのフィン27,28は、例えば、LED灯具10が天井100の凹部101に収容された状態において高さ方向の位置ズレにより生じ得る天井100との隙間を隠す「目隠し板」の役割を果たす。またデザイン的な意匠性を高める役割も果たす。
本体ケース20の裏面(背面側)には、電源取付部25やリブ26も形成されている。電源取付部25は、中央部21の裏側に位置しており、中央部21と同様に、本体ケース20の幅方向中央に平坦状に形成されている。電源取付部25には、LED電源装置80およびL金具85等が設けられている。L金具85には、LED電源装置80に電気配線される入力コネクタ81や出力コネクタ83が保持されている。本実施形態では、LED電源装置80はボルト87によって、またL金具85はボルト88によって、それぞれ電源取付部25にねじ締結されている。電源取付部25の両側には、リブ26が形成されている。これにより、本体ケース20の機械的強度を高めている。
ソケットカバー40は、例えば、アルミニウム板をU字形状に曲げて形成したものであり、後述するソケット60の周囲を覆うことにより客室方向からソケット60を見えなくするものである。本実施形態では、図4に示すように、ソケットカバー40は、LED灯具10の長手方向(X軸方向)から見た場合に、ほぼ半円形状を成す頂部41と、頂部41の両側に接続されて直線形状を成す2枚の側壁部42と、これらの側壁部42の端部に位置して幅方向(Y軸方向)外側に延びるL字形状を成すフランジ部43と、から構成されている。ソケットカバー40の幅(Y軸方向)は、後述するソケットベース30の幅よりも大きく、かつ、前述した一対のフランジ24の対向間隔よりも広く設定されている。またソケットカバー40の高さ(Z軸方向)は、ソケットベース30に取り付けられたランプカバー50の高さにボルト55のヘッドを加えた高さよりも大きく設定されている。フランジ部43は、前述したガイド溝24a内を摺動可能な厚さと幅に設定されている。
このように構成されたソケットカバー40は、一対のフランジ部43が中央部21の両側のガイド溝24a内に収まるように、両方の側壁部42をそれらの対向間隔が狭くなるように弾性変形させた状態で、本体ケース20の一端側から他端側にスライドさせて挿入される。これにより、中央部21とフランジ24の間でフランジ部43が摺動することによって、ソケットカバー40は、本体ケース20の長手方向(X軸方向)にスライド移動することが可能になる。これらの側壁部42とフランジ24との間には、側壁部42の対向間隔が拡がる方向(戻り方向)に弾性力が働くため、スライドさせたソケットカバー40を任意の位置に留めることができる。
なお、本実施形態ではソケットカバー40を所定のスライド位置で固定している。具体的には、ガイド溝24a内に高さ方向(Z軸方向)に突出するボルト45(軸部材)を所定間隔を隔てて挿入する。また、フランジ部43にその長手方向(X軸方向)および幅方向(Y軸方向)にボルト45の太さ程度に窪む凹部を形成する。これにより、ガイド溝24a内のボルト45にフランジ部43が摺接するように、側壁部42の対向間隔が狭まるように弾性変形させたソケットカバー40をガイド溝24a内でスライド移動させると、ボルト45がフランジ部43の凹部に嵌まり込むまで、ガイド溝24a内でソケットカバー40が移動する。そして、フランジ部43の凹部にボルト45が嵌まる位置にソケットカバー40が到達すると、フランジ部43とボルト45が掛合してソケットカバー40の移動が阻止される。つまり、ソケットカバー40はロックされてスライド移動ができなくなる。このロックは、ボルト45と凹部の掛合が解かれるように、側壁部42の対向間隔を狭めるようにソケットカバー40を操作することで、解除することができる。なお、ボルト45は、図4においては図面表現上の便宜により表されていないが、図3(B)には図示されている。また、フランジ部43に形成される凹部は図示を省略している。
ランプカバー50は、LEDランプ70の長手方向(X軸方向)に沿って、LEDランプ70の放熱部側(照明光の出射方向の反対側)を覆うとともにLEDランプ70の照明光の出射方向側に開口するものである。ランプカバー50は、例えば、短冊状のアルミニウム板を、断面形状がほぼコ字形状を成す棒状に成形して構成される。これにより、LEDランプ70の透明カバー71よりも機械的強度を高めている。ランプカバー50の長さ(X軸方向の長さ)は、LEDランプ70の長さよりも長く、例えば、後述する一組のソケットベース30のカバー固定部32にねじ締結可能な長さに設定されている。ランプカバー50の両端には、ランプカバー50をカバー固定部32にボルト55によりねじ締結するための貫通孔が形成されている。
本実施形態では、LEDランプ70の放熱部側を覆う部分、つまりコ字形状部51の幅(Y軸方向)を狭くするために、コ字形状部51に連続して湾曲壁部52を形成している。コ字形状部51には、照明光があたり難く影ができ易いためである。本実施形態では、ランプカバー50で覆うLEDランプ70の径方向断面の円形状に沿って湾曲する湾曲壁部52をコ字形状部51に連続して形成する。これにより、湾曲壁部52の湾曲部分が、反射面22等で反射されて受けた照明光を客室方向(図4において紙面下方向)に向けて再度反射することが可能になる。そのため、湾曲壁部52の湾曲部分に影をでき難くして、客室側からLED灯具10を見た場合に暗く見える部分(コ字形状部51の平坦部分W)を狭くすることができる。なお、コ字形状部51の角部においても曲面部(アール)を形成することにより、コ字形状部51の平坦部分Wを減少させることが可能になるので、暗く見える部分Wをさらに狭くすることができる。
湾曲壁部52は、LEDランプ70の照明光の出射方向側で開口している。湾曲壁部52の開口端部53は、LEDランプ70の直径よりも僅かに大きく開く程度に開口幅が設定されている。図面には表されていないが、コ字形状部51および湾曲壁部52の内側に、ウレタン素材等から成る図略の緩衝部材を貼付しても良い。これにより、ランプカバー50とLEDランプ70との間に緩衝部材が介在するので、LEDランプ70がコ字形状部51や湾曲壁部52に直接、接触することを抑制し、LEDランプ70の表面(透明カバー71等)に傷等をつき難くする。湾曲壁部52は、その開口端部53が所定の位置まで延びるように湾曲壁部52の高さ(Z軸方向の長さ)が設定されている。開口端部53の高さ方向(Z軸方向)の位置によって、LEDランプ70から出射されて反射面22等に当たる照明光の照射範囲(反射面22等に対するもの)を規定する。これについては、図7を参照して後述する。
図5(B)に示すように、ソケットベース30は、主に、ソケット固定部31とカバー固定部32により構成されており、LEDランプ70をその両端で固定するソケット60と同様に2個1組(一対)で本体ケース20に取り付けられている。なお、図5には、その一方のソケットベース30等が図示されており、他方のソケットベース30等が本体ケース20の反対側にも取り付けられているが、位置関係を左右対称である点を除いて同様に構成されるため、他方のソケットベース30等については図示と説明を省略する。また、ソケットベース30は、通常、ソケットカバー40やランプカバー50の内側に隠れている。そのため、図5(B)では、ソケットカバー40を本体ケース20の端部方向(切欠部29の方向)にスライド移動させ、またランプカバー50を取り外した状態にして、ソケットベース30が見えるように図面表現している。なお、移動前(通常使用時)のソケットカバーは、二点鎖線により表現されており(符号40)、またランプカバー50は、一点鎖線により表現されている。また、図5(A)には、ソケットカバー40をスライド移動させていない状態、つまり通常使用時のLED灯具10を対比可能に図示している。
ソケットベース30は、肉厚の鉄板を折り曲げて、ソケット固定部31、カバー固定部32や取付面33等を構成している。ソケットベース30を本体ケース20に取り付け得る取付面部33には、取付穴と配線穴が形成されている。取付穴には、例えば、リベット37が貫通してソケットベース30を本体ケース20に固定する(図3(B)、図6参照)。また、配線穴には、LED電源装置80の出力コネクタ83に接続される電気配線が中央部21の配線穴21bを介して挿通されてソケット60に電気的に接続される。
ソケット固定部31にはソケット60が固定されている。ソケット60の固定は、例えば、ソケット固定部31に形成される一対の固定爪31aをソケット60の両側の溝部に嵌合させることにより行われる(図7参照)。ソケット固定部31に固定されるソケット60の背面側(LEDランプ70が接続されない側)には、ソケット固定部31に連続して台形状を成す垂直壁部34が形成されており、また垂直壁部34の両側には、機械的強度を高めるフランジ部35が形成されている(図4、図6(A),(B)参照)。垂直壁部34の頂部には、垂直壁部34に連続してカバー固定部32が形成されている。
カバー固定部32は、例えば、無蓋の矩形箱形状に形成されている。カバー固定部32の箱形状は、ランプカバー50のコ字形状部51を機械的に安定して被せることが可能な大きさ(幅と深さ)に設定されており、箱形状の底に相当する部分の中央には雌ねじ穴32aが形成されている(図4、図6(A)参照)。ランプカバー50は、コ字形状部51の両端に形成される貫通孔51aを貫通するボルト55により雌ねじ穴32aにねじ締結されてカバー固定部32に固定される。つまり、ランプカバー50は、その両端がカバー固定部32にねじ締結されて本体ケース20に固定されている。なお、カバー固定部32の高さ(高さ方向位置)は、ソケット60の高さに対応して、カバー固定部32に固定するランプカバー50がソケット60に取り付けられるLEDランプ70をほぼ隙間なく覆い得るように、適宜設定される。
ここで、ソケット60に取り付けられるLEDランプ70の構成を図5(B)を参照して簡単に説明する。図5(B)に示すように、LEDランプ70は、その外観形状やサイズが直管形の蛍光灯とほぼ同様に設定されたものであるが、外装を構成する円筒形状を成す透明カバー71がガラス製でありまた無色透明である点が、通常の直管形のLEDランプと異なる。即ち、透明カバー71の両端には口金部73が取り付けられており、この口金部73に設けられる2本の電極から、直流電力が供給されて、内部のLEDチップ77が点灯する。LEDチップ77は、照明光の出射方向がそれぞれ同じになるようにLED基板76に列状に並んで実装されており、このLED基板76の裏側(LEDチップ77の非実装面)には放熱部75が設けられている。透明カバー71には、これらのほかに電圧コンバータを内蔵している場合もある。
なお、本実施形態では、透明カバー71の外表面に飛散防止フィルムを貼付している。これにより、仮に透明カバー71が割れたとしても、ガラス片が周囲に飛び散らないように構成している。また、透明カバー71は、その全周を無色透明に構成したが、少なくとも、内装するLEDチップ77の出射方向側が透明であれば、例えば、LED基板76の裏側、つまり放熱部75の側を不透明色に着色したり、光学的に不透明の樹脂カバー等で覆っても良い。また、LEDランプ70は、その径方向の断面形状が必ずしも円形状である必要はなく、例えば、楕円形状、矩形状や多角形状であっても良い。透明カバー71は、有色透明であっても良い。また、透明であれば、難燃性の樹脂製でも良い。
本実施形態では、このように構成されるLEDランプ70を照明光の出射側が反射面22等の方向に向くようにソケット60に取り付けて本体ケース20に装着する。例えば、図6に示す工程で組み付けられる。図6には、LED灯具10の組付工程を示す説明図が図示されている。まず、ソケットカバー40’を本体ケース20の端部方向にスライド移動させてソケット60にLEDランプ70を取り付ける(図6(A)参照)。このときLEDランプ70は、放熱部75が表面(正面)側(LEDチップ77が裏面(背面)側)に向くようにセットする。次に、ランプカバー50をソケットベース30のカバー固定部32に取り付けボルト55でねじ留めをする(図6(B)参照)。ランプカバー50を取り付けた後、ソケットカバー40を元の位置までスライド移動させる(図6(C)参照)。これにより、LEDランプ70の装着とランプカバー50の組み付けが完了する。
次に、図7を参照してランプカバー50の開口端部53の高さ方向(Z軸方向)の位置によって、LEDランプ70から出射されて反射面22等に当たる照明光の照射範囲(反射面22等に対するもの)が定まるため、これについて説明する。なお、図7(A)には、図3(B)に示すVII−VII切断線による断面図であり、LEDランプ70から反射面22等に向けて照射される照明光の範囲を示すものが図示されている。また、図7(B)および図7(C)には、ランプカバー50を改変した場合における、図7(A)の断面図に相当するものが図示されている。図7に示される符号θは、LEDチップ77の仕様上、予め規定されている照明光の出射角であり、例えば120度である。出射角θは、例えば、LEDの発光強度のピーク値の半分になる発光強度でプロットした場合に得られる半値全角である。一点鎖線は、出射角θにより定まる照明光の出射範囲を示す。
本実施形態では、ランプカバー50の湾曲壁部52の高さ、つまり開口端部53の高さ方向位置は、原則として、反射面22等に反射されて客室側を照らす照明光の照度が最大になるように設定される。例えば、図7(A)に示すように、反射面22および反射面23のそれぞれの2/3(66%)をカバーするように(図7(A)において薄墨色に着色した範囲)、開口端部53の高さ方向位置を設定する。また、図7(B)に示すLED灯具10’のように、LEDランプ70から出射される照明光が反射面22等よりも外側に照射されることなく反射面22等に向けて照射される高さ方向位置になるようにランプカバー50’の開口端部53’を設定する。これにより、LEDランプ70から出射される照明光は、そのすべてが反射面22等に向けて照射されるため(図7(B)において薄墨色に着色した範囲)、LEDランプ70の照明光を効率良く反射面22等に向けることができる。
図7(C)に示すLED灯具10”のように、透明カバー71の照明光の出射方向側に開口するランプカバー50”の開口端部53”の高さ方向位置と、反射面22,23の側端部22a,23aの高さ方向位置と、が一致するように(図7(C)に示す二点鎖線)、開口端部53”を設定しても良い。この場合は、図7(A)や図7(B)に示す範囲よりも狭い範囲で反射面22等に照明光が当たるが(図7(C)において薄墨色に着色した範囲)、LEDランプ70は、反射面22,23やランプカバー50”等に隠れる。これにより、LED灯具10をどの方向から見てもLEDランプ70が直接見えない。そのため、利用者に対して、LEDランプ70から直接、照明光が当たらないようにすることが可能になるので、LED灯具10”を壁や床等の低い位置に設置した場合でも、利用者が眩しく感じ難くなるようにすることができる。
なお、図7(A)および図7(B)で示したランプカバー50,50’による開口端部53,53’の高さ方向位置の例は、LEDランプ70の高さ方向位置や、収容されるLEDランプ70内におけるLEDチップ77の実装位置(高さ方向位置)によっても変動する。そのため、開口端部53,53’の高さ方向位置は、これらの具体的な高さ方向位置に基づいて、実験や計算機シミュレーション等により、適宜、最適値に設定される。
以上説明したように、本実施形態に係るLED灯具10,10’,10”(以下「LED灯具10等」という)では、照明光の出射方向がそれぞれ同じになるように列状に並ぶ複数のLEDチップ77をその列の並び方向に直線状に延びる透明カバー71に収容する直管形のLEDランプ70と、LEDランプ70の長手方向に延びてLEDランプ70から出射される照明光を所定の照射方向に向けて反射する反射面22等(中央部21、反射面22,23、フランジ24)と、を備える。そして、LEDランプ70は、透明カバー71の少なくとも照明光の出射方向側が透明であり、かつ、透明カバー71の照明光の出射方向側が反射面22等に向けられてLED灯具10に装着されている。
これにより、LEDランプ70は、少なくとも、その透明カバー71の出射方向側が透明であるため、乳白色等である場合に生じる光の拡散がなく、照度の低下を抑えることができる。また、LEDランプ70は、透明カバー71の出射方向側が反射面22等に向けられてLED灯具10等に装着されている。そのため、LEDランプ70の照明光は、反射面22等に反射したものが所定の照射方向に向けて照射され、その方向に直接照射されることがない。つまり、LEDランプ70の照明光は、間接的に照射方向に向けて照射される。また、透明カバー71に収容される複数のLEDチップ77は反射面22等の方向に向くことから、所定の照射方向の反対側からはこれらのLEDチップ77が見えない。つまり、照明光に照らされる利用者からはLEDランプ70のLEDチップ77が視認できない。また、LED灯具10等は、透明カバー71の出射方向側を透明にし、その出射方向側を反射面22等に向けてLEDランプ70を装着するという構成を採るので、反射効率を高め得る複雑な形状を反射面22等に設けた構成を採る場合に比べて、簡素な構成であっても照度が高められる。したがって、LED灯具10等では、比較的簡素な構成でありながら、眩しさ感を抑制しかつ照度を高めることができる。
また、本実施形態に係るLED灯具10等では、透明カバー71の照明光の出射方向の反対側をLEDランプ70の長手方向に沿って覆うとともに透明カバー71の照明光の出射方向側に開口するランプカバー50を備えている。そして、このランプカバー50は、透明カバー71よりも機械的強度が高い。これにより、LEDランプ70は、透明カバー71の照明光の出射方向の反対側、つまり照明光が出射されない側が透明カバー71よりも機械的強度の高いランプカバー50に覆われる。そのため、例えば、透明カバー71をガラス管で構成した場合において、ガラス管よりも硬い物体が当該LED灯具10等に接触し得る事態が発生しても、ランプカバー50により透明カバー71の破損を防止することができる。
さらに、本実施形態に係るLED灯具10等では、透明カバー71の照明光の出射方向側に開口するランプカバー50の開口端部53の高さ方向位置は、LEDランプ70から出射される照明光が反射面22等よりも外側に照射されることなく反射面22等に向けて照射され得る位置である。これにより、LEDランプ70から出射される照明光は、そのすべてが反射面22等に向けて照射される。そのため、LEDランプ70の照明光を効率良く反射面22等に向けることができるので、反射面22等で反射する照明光の照度をより効果的に高めることができる。
また、このように構成されるLED灯具10のうちLED電源装置80を除いた全体形状は、図8に示す六面図および斜視図により把握することができる。また、図9に示す拡大図により把握することができる。なお、図8(A)はLED灯具10の正面図である。図8(B)はLED灯具10の背面図である。図8(C)はLED灯具10の平面図である。LED灯具10の底面図は、図8(C)に示す平面図と同様に表れるので省略する。図8(D)はLED灯具10の左側面図である。LED灯具10の右側面図は、図8(D)に示す左側面図と同様に表れるので省略する。図8(E)は図8(A)に示す8E−8E切断線による断面図である。図8(F)はLED灯具10を正面斜め左上方から見た斜視図である。図9(G)は、図8(D)に示す左側面図をほぼ6倍に拡大した拡大図である。図9(H)は、図8(E)に示す断面図をほぼ6倍に拡大した拡大図である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述した具体例を様々に変形または変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。さらに、本明細書または図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つ。なお、[符号の説明]の欄における括弧内の記載は、上述した各実施形態で用いた用語と、特許請求の範囲に記載の用語との対応関係を明示するものである。