JP2016010286A - ガス絶縁機器用支持絶縁物およびガス絶縁機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁性能、生産性、信頼性等に優れるガス絶縁機器用支持絶縁物を提供する。【解決手段】実施形態のガス絶縁機器用支持絶縁物は、金属容器およびこの金属容器の内側に配置される高電圧導体を有するガス絶縁機器における高電圧導体を支持するために使用されるガス絶縁機器用支持絶縁物に関する。実施形態のガス絶縁機器用支持絶縁物は、絶縁部およびイオン注入層を有する。絶縁部は、絶縁材料からなる。イオン注入層は、絶縁部の表面のうちガス絶縁機器の金属容器の内側に露出する露出面に設けられる。また、イオン注入層は、絶縁材料に多価イオンが注入されている。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、ガス絶縁機器用支持絶縁物およびガス絶縁機器に関する。
高電圧大容量の電力系統におけるガス絶縁機器として、SF6(六フッ化硫黄)ガスを絶縁・消孤媒体としたガス絶縁開閉装置が使用されている。ガス絶縁開閉装置は、例えば、ガス絶縁母線、遮断器、断路器等から構成される。
図5は、ガス絶縁開閉装置におけるガス絶縁母線の一例を示す断面図である。ガス絶縁母線40は、筒状の金属容器41を有し、その内側に絶縁・消孤媒体としての絶縁ガス42が充填されている。また、金属容器41の内部には、中心軸付近に通電用の高電圧導体43が配置されている。金属容器41における高電圧導体43の支持は、金属容器41の内側に設けられた支持絶縁物44により行われている。
支持絶縁物44としては、例えば、導体材料からなる円柱状の通電部441と、この通電部441の周囲に設けられる絶縁材料からなる円錐状の絶縁部442とを有するものが知られている。このような支持絶縁物44は、絶縁部442の外周部に設けられたフランジ443が金属容器41の1対のフランジ411の間に挟まれることにより固定されている。通電部441の軸方向の両端には、それぞれ高電圧導体43が接続されている。通常、通電部441と高電圧導体43との接続部には、電界緩和シールド45が設けられている。
なお、支持絶縁物44としては、上記した円錐状の形状を有するもの以外にも、いわゆるポスト形と呼ばれるものが知られている。図示しないが、ポスト形の支持絶縁物は、例えば、通電部を支持する絶縁部が円柱状等の柱状を有するものである。このような絶縁部については、一方の端部が金属容器41に固定され、他方の端部に通電部が設けられる。この通電部には、高電圧導体43が接続される。
ガス絶縁開閉装置は、交流電圧送電系統および直流電圧送電系統のいずれにも使用される。いずれの場合についても、遮断器が動作したときに高電圧導体43に直流残留電圧が発生する。直流残留電圧は、支持絶縁物44を介して減衰する。しかし、支持絶縁物44の絶縁部442には絶縁性能を確保するために高抵抗率材料が使用されていることから、直流残留電圧の減衰には多くの時間が必要となる。これにより、絶縁部442の表面に帯電電荷が蓄積して、絶縁性能が低下するおそれがある。直流残留電圧の減衰には、交流電圧送電系統の場合でも数十時間もの時間が必要となる。直流電圧送電系統の場合、常時直流電圧が印加されることから、帯電電荷が絶縁性能におよぼす影響が大きくなる。絶縁性能を確保する方法として、例えば、絶縁部の表面に絶縁被覆を施す方法が知られている。
ガス絶縁母線等に使用される支持絶縁物には、高い絶縁性能が求められる。しかし、絶縁部の抵抗率が高いことから、遮断器の動作時に発生する直流残留電圧の減衰に多くの時間が必要となり、これにより表面に帯電電荷が蓄積して絶縁性能が低下するおそれがある。絶縁性能を維持する方法として、絶縁部の表面に絶縁被覆を施す方法が知られているが、覆膜の密着性が必ずしも十分でなく、また膜厚の管理が必ずしも容易でない。
本発明が解決しようとする課題は、絶縁性能、生産性、信頼性等に優れるガス絶縁機器用支持絶縁物およびこれを用いたガス絶縁機器の提供にある。
実施形態のガス絶縁機器用支持絶縁物は、金属容器およびこの金属容器の内側に配置される高電圧導体を有するガス絶縁機器における高電圧導体を支持するために使用されるガス絶縁機器用支持絶縁物に関する。実施形態のガス絶縁機器用支持絶縁物は、絶縁部およびイオン注入層を有する。絶縁部は、絶縁材料からなる。イオン注入層は、絶縁部の表面のうちガス絶縁機器の金属容器の内側に露出する露出面に設けられる。また、イオン注入層は、絶縁材料に多価イオンが注入されている。
実施形態のガス絶縁機器は、金属容器、高電圧導体、およびガス絶縁機器用支持絶縁物を有する。高電圧導体は、金属容器の内側に配置される。ガス絶縁機器用支持絶縁物は、金属容器の内側に配置され、金属容器に高電圧導体を絶縁支持する。ガス絶縁機器用支持絶縁物は、通電部、絶縁部、およびイオン注入層を有する。通電部は、導体材料からなり、高電圧導体が接続される。絶縁部は、絶縁材料からなり、金属容器に通電部を絶縁支持する。イオン注入層は、絶縁部の表面のうちガス絶縁機器の金属容器の内側に露出する露出面に設けられる。また、イオン注入層は、絶縁材料に多価イオンが注入されたものである。
以下、ガス絶縁機器用支持絶縁物およびこれを用いたガス絶縁機器の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明では、ガス絶縁機器用支持絶縁物を単に支持絶縁物と記して説明する。また、ガス絶縁機器として、ガス絶縁開閉装置の構成機器の一種であるガス絶縁母線を例に挙げて説明する。
図1は、ガス絶縁母線の第1の実施形態を示す断面図である。
ガス絶縁母線10は、筒状の金属容器11を有し、その内側に絶縁・消孤媒体としての絶縁ガス12が充填されている。また、金属容器11の内側には、中心軸付近に通電用の高電圧導体13が配置されている。金属容器11における高電圧導体13の支持は、金属容器11の内側に設けられた支持絶縁物14により行われている。なお、図1に示す支持絶縁物14は、全体として円錐状の形状を有するものである。
ガス絶縁母線10は、筒状の金属容器11を有し、その内側に絶縁・消孤媒体としての絶縁ガス12が充填されている。また、金属容器11の内側には、中心軸付近に通電用の高電圧導体13が配置されている。金属容器11における高電圧導体13の支持は、金属容器11の内側に設けられた支持絶縁物14により行われている。なお、図1に示す支持絶縁物14は、全体として円錐状の形状を有するものである。
支持絶縁物14は、通電部141、絶縁部142、イオン注入層143、およびフランジ144を有する。通電部141は、導体材料からなり、高電圧導体13が接続される。例えば、通電部141は、金属容器11の軸方向に延びる円柱状等の柱状形状を有する。絶縁部142は、絶縁材料からなり、金属容器11に通電部141を絶縁支持する。例えば、絶縁部142は、通電部141の周囲に設けられ、円錐状の形状を有する。イオン注入層143は、絶縁部142の表面のうち金属容器11の内側に露出する露出面に設けられ、絶縁材料に多価イオンが注入されたものである。フランジ144は、金属容器11への固定のために絶縁部142の周囲に設けられる。例えば、フランジ144は、絶縁材料からなり、絶縁部142およびイオン注入層143と一体的に設けられる。
支持絶縁物14は、絶縁部142の周囲に設けられたフランジ144が金属容器11の1対のフランジ111の間に挟まれることにより固定される。また、通電部141の軸方向の両端には、それぞれ高電圧導体13が接続される。これにより、高電圧導体13は、支持絶縁物14により支持される。通電部141と高電圧導体13との接続部には、通常、電界緩和シールド15が設けられる。
実施形態の支持絶縁物14によれば、絶縁部142の表面のうち金属容器11の内側に露出する露出面にイオン注入層を有することから、絶縁性能、生産性、信頼性等に優れる。すなわち、イオン注入層143を有することにより、支持絶縁物14の表面抵抗率が低下する。表面抵抗率の低下により、直流残留電圧が効果的に減衰され、帯電電荷の蓄積が抑制される。これにより、支持絶縁物14に求められる基本的な絶縁性能を維持しながら、直流残留電圧の減衰時間を短縮でき、帯電電荷の蓄積による絶縁性能の低下も抑制できる。
また、イオン注入層143は、絶縁材料に多価イオンを注入する方法により形成されることから、絶縁部142およびイオン注入層143となる原材料としての絶縁材料の表面に多価イオンを注入することにより、絶縁部142の表面にイオン注入層143を容易に形成できる。これにより、支持絶縁物14の生産性が向上する。また、上記方法によれば、絶縁部142とイオン注入層143とが一体的に形成されることから、これらの密着性が良好となる。これにより、支持絶縁物14の信頼性が向上する。
さらに、上記方法によれば、多価イオンの注入時、加速電圧の調整により、注入深さを調整できる。注入深さを小さくすることにより、原材料としての絶縁材料の表面部のみを改質できる。表面部のみを改質することにより、絶縁性能を維持しながら、直流残留電圧の減衰時間を短縮でき、帯電電荷の蓄積による絶縁性能の低下も抑制できる。
また、上記方法によれば、多価イオンの価数および注入量の調整により、表面抵抗率を調整できる。例えば、支持絶縁物14におけるイオン注入層143が設けられた部分の表面抵抗率は、1×1013Ω以上1×1015Ω以下が好ましい。表面抵抗率が1×1015Ω以下の場合、直流残留電圧の減衰時間が効果的に短縮される。これにより、例えば、従来、直流残留電圧の減衰に数十時間程度の時間が必要であったものが、数十分程度に短縮される。また、表面抵抗率が1×1013Ω以上の場合、支持絶縁物14に求められる基本的な絶縁性能を効果的に維持できる。なお、表面抵抗率は、JIS K6271に規定される二重リング電極法に準じて測定される。
なお、多価イオンの注入深さは、多価イオンを注入する際の加速電圧により調整できる。多価イオンの価数は、多価イオンの発生源に照射される光源の強度等により調整できる。多価イオンの注入量は、多価イオンの注入回数、注入時間等により調整できる。
ガス絶縁母線10における支持絶縁物14以外のものについては、特に制限されず、公知のガス絶縁母線における部材等を使用できる。すなわち、金属容器11、絶縁ガス12、高電圧導体13については、公知のガス絶縁母線における金属容器、絶縁ガス、高電圧導体を使用できる。絶縁ガス12としては、SF6(六フッ化硫黄)ガスが代表的なものとして挙げられるが、それ以外のガス、例えば、空気、二酸化炭素、酸素、窒素、これらの混合ガス等も使用できる。
支持絶縁物14については、イオン注入層143の部分を除いて特に制限されず、公知のガス絶縁母線における支持絶縁物と同様の部材等を使用できる。すなわち、通電部141の構成材料は、導体材料であれば特に制限されず、公知のガス絶縁母線における通電部の構成材料を使用できる。絶縁部142の構成材料は、絶縁材料であれば特に制限されず、公知のガス絶縁母線における絶縁部の構成材料を使用できる。このような絶縁材料としては、エポキシ樹脂が代表的なものとして挙げられる。エポキシ樹脂には、必要に応じて、アルミナ粉末、シリカ粉末等の充填材を含有させることができる。フランジ144の構成材料は、例えば、絶縁部142の構成材料と同様とすることができ、エポキシ樹脂が代表的なものとして挙げられる。
イオン注入層143の主たる構成材料である絶縁材料としては、電気的絶縁性を有するものであれば特に制限されず、公知のガス絶縁母線における絶縁部の構成材料を使用できるが、絶縁部142の構成材料と同一の材料が好ましく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
多価イオンとしては、1より大きな価数を有するイオンであれば特に制限されない。多価イオンとしては、絶縁材料の抵抗率を効果的に調整でき、また発生源となる物質の入手が容易であるものが好ましい。このようなことから、多価イオンとしては、B(ホウ素)、BN(窒化ホウ素 )、C(炭素)等がイオン化された多価イオンが好ましい。なお、多価イオンとしては、同一の価数を有する多価イオンが注入されてもよいし、2以上の異なる価数を有する多価イオンが注入されてもよい。また、多価イオンとしては、1種の物質の多価イオンが注入されてもよいし、2種以上の物質の多価イオンが注入されてもよい。イオン注入層143には、多価イオンに加えて、1価のイオンが注入されてもよい。なお、絶縁部142は、イオンを含まないことが好ましい。
上記したように、多価イオンの価数および注入量は、支持絶縁物14におけるイオン注入層143が設けられた部分の表面抵抗率が1×1013Ω以上1×1015Ω以下となるように調整されることが好ましい。なお、表面抵抗率は、JIS K6271に規定される二重リング電極法に準じて測定される。絶縁部142の表面抵抗率が1×1013Ω以上1×1015Ω以下の場合、特に、絶縁性能を維持しながら、直流残留電圧の減衰時間を短縮でき、帯電電荷の蓄積による絶縁性能の低下も抑制できる。
イオン注入層143の厚さは、所定の効果を得る観点から1nm以上が好ましく、3nm以上がより好ましく、5nm以上がさらに好ましい。一方、生産性等の観点から、イオン注入層143の厚さは、100nm以下が好ましい。
イオン注入層143は、絶縁部142の表面のうち金属容器11の内側に露出する露出面の少なくとも一部に設けられていればよいが、金属容器11の内側に露出する露出面の全体に設けられることが好ましい。絶縁部142の露出面の全体にイオン注入層143が設けられることにより、特に、絶縁性能を維持しながら、直流残留電圧の減衰時間を短縮でき、帯電電荷の蓄積による絶縁性能の低下も抑制できる。なお、絶縁部142が円錐状の形状を有する場合、絶縁部142の露出面には凸側および凹側の2つの露出面があるが、このような場合、凸側および凹側のそれぞれの露出面の全体にイオン注入層143が設けられることが好ましい。
イオン注入層143は、絶縁部142の露出面とともに、絶縁部142の露出面以外の表面に設けられてもよい。このような表面としては、金属容器11のフランジ111との接面、金属容器11の外部に露出する表面等が挙げられる。
イオン注入量は、イオン注入層143の径方向において異なっていてもよい。例えば、イオン注入量は、金属容器11側の端部に比べて高電圧導体13側の端部が多くてもよい。すなわち、表面抵抗率は、金属容器11側の端部に比べて高電圧導体13側の端部が低くてもよい。
高電界が発生する高電圧導体13側の表面抵抗率が低い場合、直流電圧印加時、表面抵抗率が一定の場合と比較して、高電圧導体13側の分担電圧が低下する。この結果、例えば、電界緩和シールド15の電界が低減されて、絶縁性能が向上する。
次に、支持絶縁物14の製造方法の一例について説明する。
まず、通電部141となる導体材料と、絶縁部142、イオン注入層143、およびフランジ144となる絶縁材料とを一体に注型して、通電部141、絶縁部142、およびフランジ144を形成する。なお、ここでの絶縁部142は、最終的に表面部がイオン注入層143に改質されるものであり、イオン注入層143となる部分を含んでいる。注型後、絶縁部142の露出面に多価イオンを注入する。これにより、露出面が改質されてイオン注入層143となり、絶縁部142の表面にイオン注入層143が一体的に形成される。
まず、通電部141となる導体材料と、絶縁部142、イオン注入層143、およびフランジ144となる絶縁材料とを一体に注型して、通電部141、絶縁部142、およびフランジ144を形成する。なお、ここでの絶縁部142は、最終的に表面部がイオン注入層143に改質されるものであり、イオン注入層143となる部分を含んでいる。注型後、絶縁部142の露出面に多価イオンを注入する。これにより、露出面が改質されてイオン注入層143となり、絶縁部142の表面にイオン注入層143が一体的に形成される。
この際、絶縁部142の凸側および凹側の露出面の全体に多価イオンを注入して、イオン注入層143を形成することが好ましい。また、支持絶縁物14におけるイオン注入層143が設けられた部分の表面抵抗率が1×1013Ω以上1×1015Ω以下となるように、多価イオンの価数や注入量を調整することが好ましい。
図2は、多価イオンの注入装置の一例を示す図である。
なお、図2には、注入装置30とともに、多価イオンの注入により支持絶縁物14となる未注入物16が図示されている。未注入物16は、例えば、通電部141となる導体材料と、絶縁部142、イオン注入層143、およびフランジ144となる絶縁材料とが一体に注型されたものであり、通電部141、絶縁部142、およびフランジ144を有する。
なお、図2には、注入装置30とともに、多価イオンの注入により支持絶縁物14となる未注入物16が図示されている。未注入物16は、例えば、通電部141となる導体材料と、絶縁部142、イオン注入層143、およびフランジ144となる絶縁材料とが一体に注型されたものであり、通電部141、絶縁部142、およびフランジ144を有する。
注入装置30は、例えば、レーザ発信器31、真空容器32、および設置容器33を有する。レーザ発信器31は、レーザ光34を発生する。真空容器32は、集光レンズ35およびターゲット36を有し、ターゲット36にレーザ光34が照射されることによりレーザアブレーションプラズマ37が生成される。ターゲット36としては、B(ホウ素)、BN(窒化ホウ素 )、C(炭素)等からなるものが好適に使用される。設置容器33は、未注入物16を支持する絶縁物ホルダー38を有する。設置容器33は、例えば、接地電位を有する。レーザ発信器31と真空容器32との間には、レーザ光34を誘導するミラー39が設けられる。真空容器32と設置容器33との間は、輸送管41、およびこの輸送管41の周囲に設けられた絶縁管42により接続されている。輸送管41は、例えば、高電位を有し、加速電極を兼ねる。絶縁管42は、例えば、内部が真空に保持される。
レーザ発信器31から発せられたレーザ光34は、ミラー39および集光レンズ35により真空容器32の内部へと導かれる。真空容器32では、ターゲット36にレーザ光34が照射されることによりレーザアブレーションプラズマ37が生成する。レーザアブレーションプラズマ37は、高電位である加速電極を兼ねた輸送管41により設置容器33へと輸送される。設置容器33では、設置容器33の電位差によりイオン43のみが加速される。これにより、未注入物16の表面にイオン43が注入される。
このような装置の場合、レーザ光34の出力を大きくすることにより、価数の大きな多価イオンを注入できる。また、レーザ光34の照射回数を増やすことにより、多価イオンの注入量を増加させることができる。さらに、加速電圧を大きくすることにより、イオン注入層143の深さを大きくできる。これらにより、表面抵抗率を調整することができる。なお、注入装置としては、多価イオンの注入を有効に行うことができればよく、上記構成を有するものに限定されない。
図3は、ガス絶縁母線の第2の実施形態を示す断面図である。
第2の実施形態のガス絶縁母線10は、第1の実施形態のガス絶縁母線10とは支持絶縁物14のフランジ144の構成材料が異なる。
第2の実施形態のガス絶縁母線10は、第1の実施形態のガス絶縁母線10とは支持絶縁物14のフランジ144の構成材料が異なる。
第2の実施形態の支持絶縁物14は、フランジ144が導体材料からなる。このように、支持絶縁物14としては、フランジ144が導体材料からなるものでもよい。このようなものについても、イオン注入層143が設けられることにより、支持絶縁物14に求められる絶縁性能を維持しながら、直流残留電圧の減衰時間を短縮でき、帯電電荷の蓄積による絶縁性能の低下も抑制できる。
図4は、ガス絶縁母線の第3の実施形態を示す断面図である。
第3の実施形態のガス絶縁母線10は、第1、第2の実施形態のガス絶縁母線10とは主として支持絶縁物14の構造が異なる。
第3の実施形態のガス絶縁母線10は、第1、第2の実施形態のガス絶縁母線10とは主として支持絶縁物14の構造が異なる。
支持絶縁物14としては、円錐状の形状を有するものに限られず、いわゆるポスト形と呼ばれるものでもよい。ポスト形の支持絶縁物14は、通電部141を支持する絶縁部142が円柱状等の柱状の形状を有する。
ポスト形の支持絶縁物14についても、通電部141、絶縁部142、およびイオン注入層143を有する。通電部141は、導体材料からなり、高電圧導体13が接続される。例えば、通電部141は、金属容器11の軸方向に延びる円柱状等の柱状を有する。なお、通電部141は、電界緩和シールドを兼ねるものである。絶縁部142は、絶縁材料からなり、金属容器11に通電部141を絶縁支持する。例えば、絶縁部142は、円柱状等の柱状の形状を有し、一方の端部に通電部141が固定され、他方の端部が金属容器41に固定される。イオン注入層143は、絶縁材料に多価イオンが注入されたものであり、絶縁部142の表面のうち金属容器11の内側に露出する表面に設けられる。例えば、イオン注入層143は、絶縁部142の側面全体を覆うように設けられる。
ポスト形の支持絶縁物14についても、イオン注入層143が設けられることにより表面抵抗率が低下する。これにより、支持絶縁物14に求められる絶縁性能を維持しながら、直流残留電圧の減衰時間を短縮でき、帯電電荷の蓄積による絶縁性能の低下も抑制できる。イオン注入層143の表面抵抗率、厚さは、円錐状の形状を有する支持絶縁物14の場合と同様にできる。
実施形態のガス絶縁機器および支持絶縁物について、ガス絶縁開閉装置におけるガス絶縁母線およびこれに使用される支持絶縁物を例に挙げて説明したが、実施形態のガス絶縁機器および支持絶縁物はこれらに限定されない。実施形態のガス絶縁機器は、金属容器と、この金属容器の内側に配置される高電圧導体と、金属容器の内側に配置され、高電圧導体を絶縁支持する支持絶縁物とを有するものであればよい。また、支持絶縁物についても、このようなガス絶縁機器に使用されるものであれば特に限定されない。
以上、実施形態について説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…ガス絶縁母線、11…金属容器、12…絶縁ガス、13…高電圧導体、14…支持絶縁物、15…電界緩和シールド、16…未注入物、30…注入装置、31…レーザ発信器、32…真空容器、33…設置容器、34…レーザ光、35…集光レンズ、36…ターゲット、37…レーザアブレーションプラズマ、38…絶縁物ホルダー、39…ミラー、41…輸送管、42…絶縁管、111…フランジ、141…通電部、142…絶縁部、143…イオン注入層、144…フランジ。
Claims (8)
- 金属容器および前記金属容器の内側に配置される高電圧導体を有するガス絶縁機器における前記高電圧導体を支持するガス絶縁機器用支持絶縁物であって、
絶縁材料からなる絶縁部と、
前記絶縁部の表面のうち前記金属容器の内側に露出する露出面に設けられ、絶縁材料に多価イオンが注入されたイオン注入層と
を有するガス絶縁機器用支持絶縁物。 - 金属容器および前記金属容器の内側に配置される高電圧導体を有するガス絶縁機器における前記高電圧導体が接続される導体材料からなる通電部と、
前記金属容器に前記通電部を絶縁支持する絶縁材料からなる絶縁部と、
前記絶縁部の表面のうち前記金属容器の内側に露出する露出面に設けられ、絶縁材料に多価イオンが注入されたイオン注入層と
を有するガス絶縁機器用支持絶縁物。 - 前記イオン注入層は、前記絶縁部の表面のうち前記金属容器の内側に露出する露出面の全体に設けられる請求項1または2記載のガス絶縁機器用支持絶縁物。
- 前記多価イオンは、B(ボロン)、BN(窒化ボロン)、およびC(カーボン)から選ばれる少なくとも1種の多価イオンを含む請求項1乃至3のいずれか1項記載のガス絶縁機器用支持絶縁物。
- 前記イオン注入層は、前記金属容器側の端部に比べて前記高電圧導体側の端部におけるイオン注入量が多い請求項1乃至4のいずれか1項記載のガス絶縁機器用支持絶縁物。
- 前記イオン注入層が設けられた部分の表面抵抗率が1×1013Ω以上1×1015Ω以下である請求項1乃至5のいずれか1項記載のガス絶縁機器用支持絶縁物。
- 前記イオン注入層は、1nm以上100nm以下の厚さを有する請求項1乃至6のいずれか1項記載のガス絶縁機器用支持絶縁物。
- 金属容器と、前記金属容器の内側に配置される高電圧導体と、前記金属容器の内側に配置され、前記高電圧導体を絶縁支持するガス絶縁機器用支持絶縁物とを有し、
前記ガス絶縁機器用支持絶縁物は、前記高電圧導体が接続される導体材料からなる通電部と、前記金属容器に前記通電部を絶縁支持する絶縁材料からなる絶縁部と、前記絶縁部の表面のうち前記金属容器の内側に露出する露出面に設けられ、絶縁材料に多価イオンが注入されたイオン注入層とを有するガス絶縁機器。
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| JP (1) | JP2016010286A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE112016006281T5 (de) | 2016-01-22 | 2018-10-04 | Sony Corporation | Sendevorrichtung, sendeverfahren und kommunikationssystem |
| CN111415779A (zh) * | 2019-01-04 | 2020-07-14 | 清华大学 | 一种直流气体绝缘输电管道 |
| EP3748653A4 (en) * | 2018-02-01 | 2021-10-27 | Tsinghua University | DC DUCT TYPE ISOLATOR |
-
2014
- 2014-06-26 JP JP2014131155A patent/JP2016010286A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
| DE112016006281T5 (de) | 2016-01-22 | 2018-10-04 | Sony Corporation | Sendevorrichtung, sendeverfahren und kommunikationssystem |
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