JP2016010904A - 繊維構造体成形装置 - Google Patents

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忠司 魚住
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Akio Otani
章夫 大谷
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Abstract

【課題】金型を用いることなく繊維構造体を成形することができ、簡便に繊維構造体を成形することが可能な繊維構造体成形装置を提供する。
【解決手段】繊維構造体成形装置1・2・3は、巻付装置10・50・60と、巻付装置10・50・60から芯材100に向かって走行している繊維束F1・F2に対して張力Tを付与する張力付与装置18・55・64と、繊維束F1・F2に対して張力付与装置18・55・64による張力Tが作用する所定の加熱領域X内で、繊維束F1・F2に付着された熱可塑性樹脂を溶融させる加熱装置30・70・80と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、繊維構造体成形装置に関する。
特許文献1に記載の装置は、芯材の外周面に熱可塑性樹脂で被覆或いは含浸された繊維束を巻き付けた後、前記熱可塑性樹脂を溶融させると共に、前記繊維束を金型でプレスすることで、前記繊維束から繊維構造体を成形していた。
しかし、繊維構造体の目標形状、目標寸法等が変更される毎に、これに合わせて金型の形状を変更しなければならず、煩雑であった。
また、前記繊維束を構成する各繊維は密に近接しているわけではなく、各繊維の間には隙間が存在している。これにより、前記熱可塑性樹脂を溶融させたときに、溶融した熱可塑性樹脂は、この隙間に流動していき、前記熱可塑性樹脂が元々存在していた領域が空所となってしまう。その結果、前記繊維束は空所を有するスカスカの状態になり、また、前記繊維束と前記芯材の外周面との間には隙間が発生してしまう。前記特許文献1に記載の装置は、この状態の前記繊維束を金型でプレスするので、繊維構造体にしわを生じさせてしまうおそれがあった。
特開平7−9597号公報
本発明は、金型を用いることなく繊維構造体を成形することができ、簡便に繊維構造体を成形することができる繊維構造体成形装置を提供する。
第1の発明は、
熱可塑性樹脂が付着された繊維束を芯材の外周面に巻き付ける巻付装置と、
前記巻付装置により前記繊維束が前記芯材の外周面に巻き付けられているときに、前記巻付装置から前記芯材に向かって走行している前記繊維束に対して張力を付与する張力付与装置と、
前記繊維束に対して前記張力付与装置による張力が作用する所定の加熱領域内で、前記繊維束に付着された前記熱可塑性樹脂を溶融させる加熱装置と、
を備える。
第2の発明においては、
前記加熱領域は、前記巻付装置から供給された前記繊維束が前記芯材の外周面に到達する到達位置、及び前記到達位置の周辺の領域である。
第3の発明においては、
前記巻付装置は、ブレイダー、フィラメントワインディング装置のフープ巻装置、又は、フィラメントワインディング装置のヘリカル巻装置である。
第4の発明においては、
前記加熱領域内で、前記加熱装置により前記繊維束に付着された前記熱可塑性樹脂を溶融させると共に、前記加熱領域内で、前記繊維束に対して、前記張力付与装置による張力で前記芯材の外周面に締め付けるコンパクション力を付与することによって、前記繊維束から繊維構造体を成形する。
第5の発明においては、
前記繊維構造体に含浸された前記熱可塑性樹脂が溶融している所定の巻付領域内で、前記繊維構造体の外周面に対してテープ材を巻き付けるテープ材巻付装置を備える。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
第1の発明によれば、加熱領域内で熱可塑性樹脂を溶融させることで、熱可塑性樹脂を溶融させて繊維束に含浸させるときに、コンパクション力を作用させることができる。コンパクション力は、繊維束を張力付与装置による張力で芯材の外周面に締め付ける力のことである。これにより、金型を用いることなく繊維構造体を成形することができ、簡便に繊維構造体を成形することが可能となる。
第2の発明によれば、到達位置、及び前記到達位置の周辺の領域で熱可塑性樹脂を溶融させることによって、熱可塑性樹脂を溶融させて繊維束に含浸させるときに、コンパクション力を作用させることができる。これにより、金型を用いることなく繊維構造体を成形することができ、簡便に繊維構造体を成形することが可能となる。
第3の発明によれば、ブレイダー、フィラメントワインディング装置のヘリカル巻装置、又は、フィラメントワインディング装置のフープ巻装置を用いて芯材の外周面に繊維束を巻き付ける場合でも、熱可塑性樹脂を溶融させて繊維束に含浸させるときに、コンパクション力を作用させることができる。これにより、金型を用いることなく繊維構造体を成形することができ、簡便に繊維構造体を成形することが可能となる。
第4の発明によれば、金型を用いることなく繊維構造体を成形することができ、簡便に繊維構造体を成形することが可能となる。
第5の発明によれば、繊維構造体の外周面に対してテープ材を巻き付けることで、繊維構造体の外周面が平坦になるように整えることが可能となる。
また、繊維構造体の外周面に対してテープ材を巻き付けることで、繊維構造体に対して熱可塑性樹脂を、より確実に含浸させることができ、かつ、繊維構造体の内部に、気泡や熱可塑性樹脂の未含浸部が生じることを、より確実に抑制することが可能となる。
ブレイダーの側面図。 ブレイダーの正面図。 ボビンキャリアを示す図。 繊維束を示す図。 繊維構造体成形装置の第一実施形態を示す概略構成図。 (a)テープ材巻付装置を示す図、(b)テープ材を巻き付けられた繊維構造体の断面図。 新たな加熱装置とテープ材巻付装置とを用いて、繊維構造体の外周面にテープ材を巻き付けている状態を示す図。 フィラメントワインディング装置の側面図。 フープ巻装置の正面図であり、繊維構造体成形装置の第二実施形態を示す概略構成図。 繊維構造体成形装置の第二実施形態を示す概略構成図。 ヘリカル巻装置の正面図であり、繊維構造体成形装置の第三実施形態を示す概略構成図。 繊維構造体成形装置の第三実施形態を示す概略構成図。
[第一実施形態]
繊維構造体成形装置の第一実施形態である繊維構造体成形装置1について説明する。
繊維構造体成形装置1は、ブレイダー10と、張力付与装置18と、加熱装置30と、テープ材巻付装置31と、を備える(図5参照)。
まず、ブレイダー10について説明する。
図1及び図2に示すように、ブレイダー10は、フレーム11と、支持部材12と、を有する。
フレーム11には支持部材12が固定されている。支持部材12は、平板状に形成されており、中央に孔12aを有する。支持部材12の孔12aに対しては、管状の芯材100が対向配置されている。芯材100には、支持軸13を介して移動装置23が接続されている。移動装置23は、芯材100を軸方向Mに移動させる。なお、本実施形態では、芯材100が軸方向Mに移動するように構成するが、本発明はこれに限定されず、支持部材12が軸方向Mに移動するように構成してもよい。
図2に示すように、支持部材12の盤面には走行軌道W1・W2が設けられている。走行軌道W1・W2は、ボビンキャリア14A・14Bの走行経路をそれぞれ構成する溝である。走行軌道W1・W2は、支持部材12の孔12aを囲むように環状に形成される。
これら一対の走行軌道W1・W2は、周期的に交差するように構成されている。また、互いに交差する走行軌道W1・W2の全体形状は、芯材100の軸回りに隣接して配置された複数の環Lを連結してなる形状となっている。
各環Lの内側には、羽車15がそれぞれ配置されている。羽車15は、環Lの周方向に回転可能に支持されている。
羽車15の縁部には、ボビンキャリア14A・14Bが係合可能な切欠部16が複数形成されている。本実施形態では、四つの切欠部16が環Lの周方向に90度ずつ間隔を空けて設けられている。
各羽車15には、ギヤ(不図示)がそれぞれ連結されており、隣接する羽車15の前記ギヤ同士が噛合している。一つの前記ギヤには駆動装置(モータ)が接続されており、前記駆動装置が作動されることで、すべての前記ギヤが回転し、これに伴って、すべての羽車15が同期して回転する。なお、隣接する羽車15は互いに反対方向に回転する(図2参照)。
各ボビンキャリア14A・14Bは、羽車15の切欠部16に係合しており、羽車15が回転されることによって走行軌道W1・W2に沿って走行する。
図3に示すように、各ボビンキャリア14A(14B)には、ボビン15A(15B)がそれぞれ装着されている。各ボビン15A(15B)には繊維束F1(F2)がそれぞれ巻き付けられている。各ボビンキャリア14A(14B)には、各ボビン15A(15B)の繊維束F1(F2)を案内するガイド部17が設けられている。各繊維束F1(F2)は、各ボビンキャリア14A(14B)から各ガイド部17を介して引き出される。
図3に示すように、各ガイド部17には、繊維束F1・F2に張力Tを付与する張力付与装置18が設けられている。
各張力付与装置18は、本体部19と、ガイドローラ20a・20b・20cと、コイルスプリング21と、を有する。本体部19は、湾曲形状を有しており、フレーム22に回動可能に取り付けられている。本体部19の先端には、第二ガイドローラ20bが取り付けられている。本体部19の基端には、コイルスプリング21の一端が取り付けられている。コイルスプリング21の他端はフレーム22に取り付けられている。第二ガイドローラ20bは、コイルスプリング21により図3において反時計回りに付勢されている。第二ガイドローラ20bの上流側には第一ガイドローラ20aが設けられており、第二ガイドローラ20bの下流側には第三ガイドローラ20cが設けられている。ガイドローラ20a・20bは、フレーム22に取り付けられている。ガイドローラ20a・20b・20cには、繊維束F1(F2)が巻き掛けられている。
コイルスプリング21により第二ガイドローラ20bが反時計回りに付勢されることによって、ブレイダー10から芯材100に向かって走行している繊維束F1(F2)に対して、その走行方向とは逆方向に張力Tが付与される。これにより、繊維束F1(F2)が弛むことが防止される。張力Tは、コイルスプリング21の付勢力に応じた大きさを有する。なお、張力付与装置18は、本実施形態のものに限定されない。
ブレイダー10は、各繊維束F1・F2に対して、各張力付与装置18による張力Tを付与しながら、各繊維束F1・F2を芯材100の外周面に巻き付ける(図1参照)。
繊維束F1・F2は、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等からなる繊維束である。繊維束F1・F2には、熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン樹脂)が付着されている。繊維束F1・F2に熱可塑性樹脂が付着された状態には、(i)繊維束F1・F2に熱可塑性樹脂が含浸された状態、(ii)繊維束F1・F2が熱可塑性樹脂で被覆された状態、及び、(iii)繊維束F1・F2を構成する各繊維Fに対して熱可塑性樹脂からなる連続した樹脂繊維束Zが混合されて連続的な混合紡糸が形成された状態が含まれる(図4参照)。
図1及び図2に示すように、ブレイダー10は、支持部材12に対し、芯材100を軸方向Mに相対移動させた状態で、すべての羽車15を回転させて、各ボビンキャリア14A・14Bを走行軌道W1・W2に沿って走行させることによって、各ボビンキャリア14A・14Bと芯材100との間に渡した各繊維束F1・F2を芯材100の外周面に巻き付ける。
次に、加熱装置30について説明する。
図5に示すように、加熱装置30は、各繊維束F1・F2を加熱して、各繊維束F1・F2に付着された熱可塑性樹脂を溶融させる。
加熱装置30は、所定の加熱領域X内で、各繊維束F1・F2に付着された熱可塑性樹脂を溶融させる。
加熱領域X内では、各繊維束F1・F2に対して各張力付与装置18による張力Tが作用する。
本実施形態の加熱領域Xは、ブレイダー10から供給された各繊維束F1・F2が芯材100の外周面に到達する到達位置P1、及び到達位置P1の周辺の領域である。
加熱領域Xは、例えば、各繊維束F1・F2が芯材100の外周面に到達する直前の位置P2と、各繊維束F1・F2が到達位置P1から芯材100の軸回りに一周した位置P3と、の間の領域である。
加熱領域Xは、第一領域X1と、第二領域X2と、で構成される。
第一領域X1は、ブレイダー10により各繊維束F1・F2が芯材100の外周面に巻き付けられた領域のうちで、各繊維束F1・F2に対して各張力付与装置18による張力Tが作用する領域である。
第一領域X1内では、各繊維束F1・F2に対して各張力付与装置18による張力Tが作用することによって、各繊維束F1・F2に対してコンパクション力が付与される。
前記コンパクション力は、各繊維束F1・F2を各張力付与装置18による張力で引っ張ることによって、各繊維束F1・F2を芯材100の外周面に締め付ける力のことである。
第一領域X1内で各繊維束F1・F2に付着された熱可塑性樹脂が溶融された場合、各繊維束F1・F2は、溶融された熱可塑性樹脂を含浸されると同時に、溶融された熱可塑性樹脂を含浸される領域に対して、前記コンパクション力を付与される。
これにより、繊維束F1・F2を構成する各繊維の間に空所が発生することを抑制でき、かつ、繊維束F1・F2と芯材100の外周面との間に隙間が発生することを抑制が可能となる。
第二領域X2は、ブレイダー10から供給された各繊維束F1・F2が芯材100の外周面に到達する直前の領域である。
第二領域X2内で各繊維束F1・F2に付着された熱可塑性樹脂が溶融された場合、各繊維束F1・F2は、溶融された熱可塑性樹脂を付着した状態で第一領域X1に到達して、第一領域X1に到達したときに前記コンパクション力を付与される。
これにより、繊維束F1・F2を構成する各繊維の間に空所が発生することを抑制でき、かつ、繊維束F1・F2と芯材100の外周面との間に隙間が発生することを抑制が可能となる。
繊維構造体成形装置1は、加熱領域X内で、加熱装置30により各繊維束F1・F2に付着された熱可塑性樹脂を溶融させると共に、加熱領域X内で、各繊維束F1・F2に対して前記コンパクション力を付与することによって、各繊維束F1・F2から繊維構造体110を成形する。
これにより、金型を用いることなく繊維構造体110を成形することができ、簡便に繊維構造体110を成形することが可能となる。
繊維構造体110は、芯材100の外周面上に成形され、芯材100の外周面に沿った筒状の形状を有する。
繊維構造体110は、含浸された熱可塑性樹脂が冷却硬化されることによって、筒状に硬化して完成状態となる。繊維構造体110は、芯材100の外周に強化繊維層を形成して、芯材100の耐圧特性の向上を図る。
なお、上記背景技術の特許文献1(特開平7−9597号公報)に記載の装置は、加熱成形装置を用いて、繊維束から繊維構造体を加熱成形していた。しかし、前記加熱成形装置は、金型(ダイ部材)等を含んでおり、大型であった。このため、前記加熱成形装置による加熱成形が行われる領域に対して、ブレイダーによる繊維束の供給位置を近づけることが困難であった。
これにより、前記加熱成形装置は、ブレイダーによる繊維束の供給位置から離間しており、前記コンパクション力が生じないような領域で、繊維束を加熱していた。その結果、繊維束に付着された熱可塑性樹脂が溶融されたときに、繊維束を構成する各繊維の間に空所が発生し、かつ、繊維束と芯材の外周面との間に隙間が発生していた。
以下では、テープ材巻付装置31について説明する。
図6(a)に示すように、繊維構造体成形装置1に関しては、繊維構造体110を成形した後、繊維構造体110の外周面に対して、テープ材巻付装置31によりテープ材32を巻き付けるように構成してもよい。
テープ材32は、例えば、金属製のテープである。テープ材32は、熱可塑性樹脂の融点では溶けないような素材で構成される。
テープ材巻付装置31は、所定の巻付領域G内で、繊維構造体110の外周面に対してテープ材32を巻き付ける。
巻付領域Gは、繊維構造体110に含浸された熱可塑性樹脂が溶融している領域である。巻付領域Gは、例えば、加熱領域Xの直後方の領域である(図5及び図6(a)参照)。これは、加熱領域Xの直後方では、繊維構造体110に含浸された熱可塑性樹脂が溶融している状態が保持されていると考えられるからである。
図6(a)、及び図6(b)に示すように、テープ材32は、芯材100の軸方向Mに螺旋状に巻き付けられ、かつ、隣り合うテープ材32が互いに重なる部分を有するように巻き付けられる。これにより、テープ材32を繊維構造体110の外周面に対して、隙間無く巻き付けることが可能となる。
なお、図7に示すように、新たな加熱装置33を設けて、新たな加熱装置33により繊維構造体110を加熱しながら、テープ材巻付装置31により繊維構造体110の外周面に対してテープ材32を巻き付けるように構成してもよい。
この場合、新たな加熱装置33とテープ材巻付装置31を、繊維構造体110の外側に設置する。そして、新たな加熱装置33とテープ材巻付装置31を軸方向Mに移動させながら、芯材100を軸回り方向Nに回転させる。これにより、新たな加熱装置33により、繊維構造体110に含浸された熱可塑性樹脂が溶融されて、巻付領域Gが形成されると共に、テープ材巻付装置31により、この巻付領域G内で、繊維構造体110の外周面に対してテープ材32が巻き付けられる(図7参照)。
なお、芯材100の内側に加熱装置を設け、前記加熱装置により芯材100の内側から繊維構造体110を加熱して、繊維構造体110に含浸された熱可塑性樹脂を溶融させるように構成してもよい。
以上のように構成することで、テープ材巻付装置31により繊維構造体110に対してテープ材32が巻き付けられているときに、繊維構造体110の余剰部がテープ材32により押し出されて、テープ材32の外側部に盛り上がっていく。これにより、繊維構造体110の外周面を平坦に整えることが可能となる。なお、テープ材32の巻き付け完了後は、テープ材32の外側部に存在する盛り上がり部Fαを含む、繊維構造体110の端部110'が、不用部分として切断除去される(図6(b)参照)。
また、繊維構造体110の外周面に対してテープ材32を巻き付けることで、繊維構造体110に対して熱可塑性樹脂を、より確実に含浸させることができ、繊維構造体110の内部に、気泡や熱可塑性樹脂の未含浸部が生じることを、より確実に抑制することが可能となる。
[第二実施形態]
以下では、繊維構造体成形装置の第二実施形態である繊維構造体成形装置2について説明する。
繊維構造体成形装置2は、フィラメントワインディング装置40のフープ巻装置50と、張力付与装置55と、加熱装置70と、テープ材巻付装置と、を備える(図8及び図9参照)。
まず、フィラメントワインディング装置40について説明する。
図8に示すように、フィラメントワインディング装置40は、基台41と、支持部42と、フープ巻装置50と、ヘリカル巻装置60と、を備える。
基台41には、筒状の芯材100を案内する第一レール43、及びフープ巻装置50を案内する第二レール44が設けられる。
実施例に記載される芯材100はパイプであるが、本発明はこれに限定されず、タンクなどの中空容器であってもよい。
支持部42は、ベース45、支持台46・46、及び回転軸47を有する。
ベース45は、第一レール43上に配置されており、第一レール43上を摺動可能に構成されている。ベース45には、ベース45を摺動させるベース駆動装置(不図示)が接続されている。前記ベース駆動装置は、モータ、空圧シリンダ、又は油圧シリンダ等で構成される。ベース45の上部には、支持台46・46が配置される。支持台46・46の間には、回転軸47が配置されている。回転軸47には、回転軸47を回転させる回転軸駆動装置(不図示)が接続されている。前記回転軸駆動装置は、モータ等で構成される。回転軸47には、芯材100が取り付けられている。
フープ巻装置50は、フープ巻きを行うものである。フープ巻きでは、繊維束F1の巻き付け角度が芯材100の軸に対して略垂直となる。
図8及び図9に示すように、フープ巻装置50は、フープフレーム51、及び巻掛テーブル52を有する。フープフレーム51は、第二レール44に係合している。フープフレーム51には、芯材100の通過可能な孔51aが形成されている。フープフレーム51には、フープフレーム51を摺動させるフレーム駆動装置(不図示)が接続されている。前記フレーム駆動装置は、モータ、空圧シリンダ、又は油圧シリンダ等で構成される。フープフレーム51には、巻掛テーブル52が回転可能に取り付けられている。巻掛テーブル52には、繊維束F1が巻回されるボビン53、ボビン53の繊維束F1を芯材100に案内する案内部材(不図示)等が設けられる。巻掛テーブル52には、巻掛テーブル52を芯材100の軸回りに回転させるテーブル駆動装置54が接続されている。テーブル駆動装置54は、モータ等で構成される。
フープ巻装置50には、各繊維束F1に張力Tを付与する張力付与装置55がそれぞれ設けられている。張力付与装置55は、例えば第一実施形態の張力付与装置18と同様の構成を有している(図3参照)。
図9及び図10に示すように、各張力付与装置55は、フープ巻装置50によるフープ巻きが行われているときに、フープ巻装置50から芯材100に向かって走行している各繊維束F1に対して、その走行方向とは逆方向に張力Tを付与する。これにより、各繊維束F1が弛むことが防止される。
フープ巻装置50は、各繊維束F1に対して、各張力付与装置55により張力Tを付与しながら、各繊維束F1を芯材100の外周面に巻き付ける。
フープ巻装置50によるフープ巻きは以下の手順で行われる。まず、各繊維束F1がボビン53から引き出され、芯材100に粘着テープで固定される。次に、前記フレーム駆動装置及びテーブル駆動装置54が作動されることで、巻掛テーブル52が、芯材100の軸回り方向に回転されつつ、芯材100の軸方向に摺動される。本実施形態では、巻掛テーブル52が、芯材100の軸回り方向一側M1に回転されつつ、芯材100の軸方向一側N1に摺動される(図9及び図10参照)。そして、芯材100がフープフレーム51の孔51aを通過することで、各繊維束F1が芯材100の外周面に巻き付けられる。
ヘリカル巻装置60は、ヘリカル巻きを行うものである。ヘリカル巻きでは、繊維束F2の巻き付け角度が、芯材100の軸に対して所定の値θとなる(図12参照)。
図8及び図11に示すように、ヘリカル巻装置60は、ヘリカルフレーム61、及びヘリカルヘッド62を有する。ヘリカルフレーム61は、基台41から立設しており、芯材100の通過可能な孔61aが形成されている。ヘリカルフレーム61には、ヘリカルヘッド62が設けられる。
なお、本実施形態のヘリカル巻装置60は、単数のヘリカルヘッド62を備えているが、複数のヘリカルヘッドを備えていてもよい。
ヘリカルヘッド62には、複数の糸道ガイド63が設けられている。糸道ガイド63は、孔61aの周方向に並置されている。糸道ガイド63は、繊維束F2を芯材100の外周へと案内する部材であり、繊維束F2が挿通可能な筒状に形成される。
各糸道ガイド63は、図示しない各ボビンから各繊維束F2をそれぞれ供給される。
図11に示すように、ヘリカル巻装置60には、各繊維束F2に張力Tを付与する張力付与装置64がそれぞれ設けられている。張力付与装置64は、例えば、公知のニップ式テンション機構で構成される。
各張力付与装置64は、ヘリカル巻装置60によるヘリカル巻きが行われているときに、ヘリカル巻装置60から芯材100に向かって走行している各繊維束F2に対して、その走行方向とは逆方向に張力Tを付与する。これにより、各繊維束F2が弛むことが防止される。
ヘリカル巻装置60は、各繊維束F2に対して、各張力付与装置64により張力Tを付与しながら、各繊維束F2を芯材100の外周面に巻き付ける。
ヘリカル巻装置60によるヘリカル巻きは以下の手順で行われる。
まず、各繊維束F2が各糸道ガイド63を介して引き出され、芯材100に粘着テープで固定される。次に、前記ベース駆動装置及び前記回転軸駆動装置が作動されることで、芯材100が軸回り方向に回転されつつ、軸方向に移動される。本実施形態では、芯材100が、軸回り方向他側M2に回転されつつ、軸方向他側N2に移動される(図11及び図12参照)。そして、芯材100が、ヘリカルフレーム61の孔61aを通過することで、各繊維束F2が芯材100の外周面に巻き付けられる。
繊維束F1・F2には、熱可塑性樹脂が付着されている。
本実施形態の繊維束F1・F2は、第一実施形態の繊維束F1・F2と同様の構成を有するので、その詳細な説明は省略する(図4参照)。
次に、加熱装置70について説明する。
図9及び図10に示すように、加熱装置70は、フープ巻装置50の巻掛テーブル52に固定されており、巻掛テーブル52と共に回転する。
加熱装置70は、各繊維束F1を加熱して、各繊維束F1に付着された熱可塑性樹脂を溶融させる。
加熱装置70は、所定の加熱領域X内で、各繊維束F1に付着された熱可塑性樹脂を溶融させる。
加熱領域X内では、各繊維束F1に対して各張力付与装置55による張力Tが作用する。
本実施形態の加熱領域Xは、フープ巻装置50から供給された各繊維束F1が芯材100の外周面に到達する到達位置P1、及び到達位置P1の周辺の領域である。
加熱領域Xは、第一領域X1と、第二領域X2と、で構成される。
第一領域X1は、フープ巻装置50により各繊維束F1が芯材100の外周面に巻き付けられた領域のうちで、各繊維束F1に対して各張力付与装置64による張力Tが作用する領域である。
第一領域X1内では、各繊維束F1に対して各張力付与装置64による張力Tが作用することによって、各繊維束F1に対してコンパクション力が付与される。
前記コンパクション力は、各繊維束F1を各張力付与装置55による張力で引っ張ることによって、各繊維束F1を芯材100の外周面に締め付ける力のことである。
第一領域X1内で各繊維束F1に付着された熱可塑性樹脂が溶融された場合、各繊維束F1は、溶融された熱可塑性樹脂を含浸されると同時に、溶融された熱可塑性樹脂を含浸される領域に対して、前記コンパクション力を付与される。
これにより、繊維束F1を構成する各繊維の間に空所が発生することを抑制でき、かつ、繊維束F1と芯材100の外周面との間に隙間が発生することを抑制が可能となる。
第二領域X2は、フープ巻装置50から供給された各繊維束F1が芯材100の外周面に到達する直前の領域である。
第二領域X2内で各繊維束F1に付着された熱可塑性樹脂が溶融された場合、各繊維束F1は、溶融された熱可塑性樹脂を付着した状態で第一領域X1に到達して、第一領域X1に到達したときに前記コンパクション力を付与される。
これにより、繊維束F1を構成する各繊維の間に空所が発生することを抑制でき、かつ、繊維束F1と芯材100の外周面との間に隙間が発生することを抑制が可能となる。
繊維構造体成形装置2は、加熱領域X内で、加熱装置70により各繊維束F1に付着された熱可塑性樹脂を溶融させると共に、加熱領域X内で、各繊維束F1に対して前記コンパクション力を付与することによって、各繊維束F1から繊維構造体120を成形する。
これにより、金型を用いることなく繊維構造体120を成形することができ、簡便に繊維構造体120を成形することが可能となる。
なお、図10においては、説明の便宜上、一本の繊維束F1を用いて繊維構造体120の成形過程を説明している。
繊維構造体120は、芯材100の外周面上に成形され、芯材100の外周面に沿った筒状の形状を有する。
繊維構造体120は、含浸された熱可塑性樹脂が冷却硬化されることによって、筒状に硬化して完成状態となる。繊維構造体120は、芯材100の外周に強化繊維層を形成して、芯材100の耐圧特性の向上を図る。
なお、繊維構造体成形装置2に関しては、繊維構造体120を成形した後に、繊維構造体120の外周面に対して、テープ材巻付装置によりテープ材を巻き付けるように構成してもよい。本実施形態のテープ材巻付装置及びテープ材は、第一実施形態のものと同様の構成を有する。
また、本実施形態の前記テープ材巻付装置は、第一実施形態のテープ材巻付装置31と同様の手順でテープ材を巻き付ける(図6(a)〜図7参照)。
前記テープ材巻付装置は、所定の巻付領域G内で、繊維構造体120の外周面に対してテープ材を巻き付ける。所定の巻付領域Gは、繊維構造体120に含浸された熱可塑性樹脂が溶融している領域である。巻付領域Gは、例えば、加熱領域Xの直後方の領域である(図6(a)、及び図10参照)。
なお、新たな加熱装置を設けて、前記新たな加熱装置により繊維構造体120を加熱しながら、前記テープ材巻付装置により繊維構造体120の外周面に対してテープ材を巻き付けるように構成してもよい(図7参照)。
前記テープ材巻付装置を設けることによって、第一実施形態でテープ材巻付装置31を設けたときと同様の作用効果を奏する。
[第三実施形態]
以下では、繊維構造体成形装置の第三実施形態である繊維構造体成形装置3について説明する。
繊維構造体成形装置3は、フィラメントワインディング装置40のヘリカル巻装置60と、張力付与装置64と、加熱装置80と、テープ材巻付装置と、を備える。
本実施形態のフィラメントワインディング装置40、及びヘリカル巻装置60は、第二実施形態のものと同様の構成を有するので、その詳細な説明は省略する。
図12に示すように、加熱装置80は、各繊維束F2を加熱して、各繊維束F2に付着された熱可塑性樹脂を溶融させる。
加熱装置80は、所定の加熱領域X内で、各繊維束F2に付着された熱可塑性樹脂を溶融させる。
加熱領域X内では、各繊維束F2に対して各張力付与装置64による張力Tが作用する。
本実施形態の加熱領域Xは、ヘリカル巻装置60から供給された各繊維束F2が芯材100の外周面に到達する到達位置P1、及び到達位置P1の周辺の領域である。
加熱領域Xは、第一領域X1と、第二領域X2と、で構成される。
第一領域X1は、ヘリカル巻装置60により各繊維束F2が芯材100の外周面に巻き付けられた領域のうちで、各繊維束F2に対して各張力付与装置64による張力Tが作用する領域である。
第一領域X1内では、各繊維束F2に対して各張力付与装置64による張力Tが作用することによって、各繊維束F2に対してコンパクション力が付与される。
前記コンパクション力は、各繊維束F2を各張力付与装置64による張力で引っ張ることによって、各繊維束F2を芯材100の外周面に締め付ける力のことである。
第一領域X1内で各繊維束F2に付着された熱可塑性樹脂が溶融された場合、各繊維束F2は、溶融された熱可塑性樹脂を含浸されると同時に、溶融された熱可塑性樹脂を含浸される領域に対して、前記コンパクション力を付与される。
これにより、繊維束F2を構成する各繊維の間に空所が発生することを抑制でき、かつ、繊維束F2と芯材100の外周面との間に隙間が発生することを抑制が可能となる。
第二領域X2は、ヘリカル巻装置60から供給された各繊維束F2が芯材100の外周面に到達する直前の領域である。
第二領域X2内で各繊維束F2に付着された熱可塑性樹脂が溶融された場合、各繊維束F2は、溶融された熱可塑性樹脂を付着した状態で第一領域X1に到達して、第一領域X1に到達したときに前記コンパクション力を付与される。
これにより、繊維束F2を構成する各繊維の間に空所が発生することを抑制でき、かつ、繊維束F2と芯材100の外周面との間に隙間が発生することを抑制が可能となる。
繊維構造体成形装置3は、加熱領域X内で、加熱装置80により各繊維束F2に付着された熱可塑性樹脂を溶融させると共に、加熱領域X内で、各繊維束F2に対して前記コンパクション力を付与することによって、各繊維束F2から繊維構造体130を成形する。
これにより、金型を用いることなく繊維構造体130を成形することができ、簡便に繊維構造体130を成形することが可能となる。
なお、図12においては、説明の便宜上、一本の繊維束F2を用いて繊維構造体130の成形過程を説明している。
繊維構造体130は、芯材100の外周面上に成形され、芯材100の外周面に沿った筒状の形状を有する。
繊維構造体130は、含浸された熱可塑性樹脂が冷却硬化されることによって、筒状に硬化して完成状態となる。繊維構造体130は、芯材100の外周に強化繊維層を形成して、芯材100の耐圧特性の向上を図る。
なお、繊維構造体成形装置3に関しては、繊維構造体130を成形した後、繊維構造体130の外周面に対して、テープ材巻付装置によりテープ材を巻き付けるように構成してもよい。本実施形態のテープ材巻付装置及びテープ材は、第一実施形態のものと同様の構成を有する。
本実施形態の前記テープ材巻付装置は、第一実施形態のテープ材巻付装置31と同様の手順でテープ材を巻き付ける(図6(a)〜図7参照)。
前記テープ材巻付装置は、所定の巻付領域G内で、繊維構造体130の外周面に対してテープ材を巻き付ける。所定の巻付領域Gは、繊維構造体130に含浸された熱可塑性樹脂が溶融している領域である。巻付領域Gは、例えば、加熱領域Xの直後方の領域である(図6(a)及び図12参照)。
なお、新たな加熱装置を設けて、前記新たな加熱装置により繊維構造体130を加熱しながら、前記テープ材巻付装置により繊維構造体130の外周面に対してテープ材を巻き付けるように構成してもよい(図7参照)。
前記テープ材巻付装置を設けることによって、第一実施形態でテープ材巻付装置31を設けたときと同様の作用効果を奏する。
1・2・3 繊維構造体成形装置
10 ブレイダー(巻付装置)
50 フープ巻装置(巻付装置)
60 ヘリカル巻装置(巻付装置)
18・55・64 張力付与装置
30・70・80 加熱装置
100 芯材
F1・F2 繊維束

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂が付着された繊維束を芯材の外周面に巻き付ける巻付装置と、
    前記巻付装置により前記繊維束が前記芯材の外周面に巻き付けられているときに、前記巻付装置から前記芯材に向かって走行している前記繊維束に対して張力を付与する張力付与装置と、
    前記繊維束に対して前記張力付与装置による張力が作用する所定の加熱領域内で、前記繊維束に付着された前記熱可塑性樹脂を溶融させる加熱装置と、
    を備えることを特徴とする繊維構造体成形装置。
  2. 前記加熱領域は、前記巻付装置から供給された前記繊維束が前記芯材の外周面に到達する到達位置、及び前記到達位置の周辺の領域であることを特徴とする、
    請求項1に記載の繊維構造体成形装置。
  3. 前記巻付装置は、ブレイダー、フィラメントワインディング装置のフープ巻装置、又は、フィラメントワインディング装置のヘリカル巻装置であることを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載の繊維構造体成形装置。
  4. 前記加熱領域内で、前記加熱装置により前記繊維束に付着された前記熱可塑性樹脂を溶融させると共に、前記加熱領域内で、前記繊維束に対して、前記張力付与装置による張力で前記芯材の外周面に締め付けるコンパクション力を付与することによって、前記繊維束から繊維構造体を成形することを特徴とする、
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の繊維構造体成形装置。
  5. 前記繊維構造体に含浸された前記熱可塑性樹脂が溶融している所定の巻付領域内で、前記繊維構造体の外周面に対してテープ材を巻き付けるテープ材巻付装置を備えることを特徴とする、
    請求項4に記載の繊維構造体成形装置。
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