JP2016011992A - トナー - Google Patents
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Abstract
Description
前記芯粒子が、結着樹脂と、下記式(T3)に示される部分構造を有する有機ケイ素重合体と、を含有し、
前記有機ケイ素重合体が、前記芯粒子の表面部に偏在しており、
前記外殻が、前記芯粒子の表面部の外表面にガラス転移温度が50.0℃乃至95.0℃の樹脂微粒子を固着することにより形成されたものであることを特徴とする。
Rf−Si−O3/2 (T3)
(式(T3)において、Rfは、炭化水素基を表す。)
Rf−Si−O3/2 (T3)
Rf−Si−O3/2 (T3)
式(T3)において、Rfは、炭化水素基を表す。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。本発明のトナーを製造する際は、少なくとも下記に示される工程が含まれる。
(a)芯粒子の製造工程
(b)樹脂微粒子の固着工程
本発明のトナーを製造する際には、表面部に有機ケイ素重合体が遍在する芯粒子を製造する必要がある。以下、芯粒子の製造工程について特に好ましい一例を以下に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
次に、上記(a)のプロセスで作製した芯粒子の表面に樹脂微粒子を固着させる。樹脂微粒子の具体的な固着方法としては、公知の種々の方法が利用できる。具体的には、芯粒子と樹脂微粒子とを乾式で混合し機械的処理によって固着させる方法や、水系媒体中に芯粒子と樹脂微粒子とを分散させてから媒体を加熱したり媒体中に凝集剤をさらに添加したりする方法が挙げられる。本発明においては、芯粒子の表面に樹脂微粒子を均一かつ緻密に固着させるために、水系媒体中で加熱する事により芯粒子の表面に樹脂微粒子を固着させる方法が好ましい。
(i)一種類の単官能性重合性単量体を単独で用いる態様
(ii)二種以上の単官能性重合性単量体を組み合わせて用いる態様
(iii)単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて用いる態様
(iv)一種類の多官能性重合性単量体を単独で用いる態様
(v)二種以上の多官能性重合性単量体を組み合わせて用いる態様
トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合性単量体の重合に際して、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤の添加量としては、重合性単量体の0.001乃至15.000質量%であることが好ましい。
本発明のトナーの評価方法について以下に説明するが、評価例については、実施例にて詳細に説明する。
本発明のトナーに含まれるトナー粒子についてNMR測定を行う際には、まずトナー粒子のTHF不溶分の調整を行う必要がある。
トナー粒子のテトラヒドロフラン(THF)不溶分は、以下のように調整することができる。まずトナー10.0gを秤量し、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製、No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、THF(抽出溶媒)200mlを用いて20時間抽出する。そして、円筒濾紙中のろ物を40℃で数時間真空乾燥して得られたものをNMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分とする。
式(T3)の部分構造は、以下に説明する方法でその存在を確認することができる。具体的には、式(T3)に含まれるRf(炭化水素基)の有無を、13C−NMRにより確認すればよい。なお、式(T3)の部分構造は、1H−NMR、13C−NMR及び29Si−NMRによりその存在を確認することができる。
装置:BRUKER製、AVANCEIII 500
プローブ:4mm MAS BB/1H
測定温度:室温
試料回転数:6kHz
試料:測定試料(NMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分)150mgを直径4mmのサンプルチューブに入れる。
測定核周波数:125.77MHz
基準物質:Glycine(外部標準:176.03ppm)
観測幅:37.88kHz
測定法:CP/MAS
コンタクト時間:1.75ms
繰り返し時間:4s
積算回数:2048回
LB値:50Hz
以上の測定条件で式(T3)にふくまれるRf(炭化水素基)の有無を確認し、シグナルが確認できたら、式(T3)の構造は“あり”と評価することができる。
本発明のトナーには、特に、トナー粒子を構成する芯粒子の表面部に有機ケイ素重合体が含まれている。この有機ケイ素重合体は、下記式(X1)、(X2)、(X3)及び(X4)に示される部分構造のいずれかが存在する。ただし、この有機ケイ素重合体においては、下記式(X1)、(X2)、(X3)及び(X4)に示される部分構造をすべて備えなければならないという必然性はない。
プローブ:4mm MAS BB/1H
測定温度:室温
試料回転数:6kHz
試料:測定試料(NMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分)150mgを直径4mmのサンプルチューブに入れる。
測定核周波数:99.36MHz
基準物質:DSS(外部標準:1.534ppm)
観測幅:29.76kHz
測定法:DD/MAS、CP/MAS
29Si 90° パルス幅:4.00μs@−1dB
コンタクト時間:1.75ms〜10ms
繰り返し時間:30s(DD/MASS)、10s(CP/MAS)
積算回数:2048回
LB値:50Hz
トナー粒子のTHF不溶分の29Si−NMR測定後に、トナー粒子における置換基及び結合基の異なる複数のシラン成分をカーブフィティングにて、上記一般式(X4)で示されるケイ素に結合するO1/2の数が4.0であるX4構造、上記一般式(X3)で示されるケイ素に結合するO1/2の数が3.0であるX3構造、上記一般式(X2)で示されるケイ素に結合するO1/2の数が2.0であるX2構造、上記一般式(X1)で示されるケイ素に結合するO1/2の数が1.0であるX1構造、式(T3)で表わされるT単位構造にピーク分離して、各ピークの面積比から各成分のモル%を算出する。
X1構造の面積、X2構造の面積、X3構造の面積、X4構造の面積を求めて以下の式によりSX1、SX2、SX3、SX4を求める。
SX1+SX2+SX3+SX4=1.00
SX1={X1構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}
SX2={X2構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}
SX3={X3構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}
SX4={X4構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}
ST3={T3構造の面積/(X1構造の面積+X2構造の面積+X3構造の面積+X4構造の面積)}
・X1構造(Ri=Rj=−OC2H5、Rk=−CH3):−47ppm
・X2構造(Rg=−OC2H5、Rh=−CH3):−56ppm
・X3構造(Rf=−CH3):−65ppm
・X4構造:−108ppm
本発明の芯粒子の断面の観察は、以下の方法により行うことができる。
本発明における芯粒子表面に存在するケイ素元素の濃度(atomic%)及び炭素元素の濃度(atomic%)は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分析を行い算出した。
使用装置:ULVAC−PHI社製 Quantum2000
X線光電子分光装置測定条件: X線源 Al Kα
X線:100μm 25W 15kV
ラスター:300μm×200μm
PassEnergy:58.70eV StepSize:0.125eV
中和電子銃:20μA、1V Arイオン銃:7mA、10V
Sweep数:Si 15回、C 10回
トナー及び各種樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びメインピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件により測定される。
・カラム(昭和電工株式会社製):Shodex GPC KF−801、KF−802、KF−803、KF−804、KF−805、KF−806、KF−807(直径8.0mm、長さ30cm)の7連
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・温度:40℃
・流速:0.6ml/min
・検出器:RI
・試料濃度及び量:0.1質量%の試料を10μl
測定対象(トナー、各種樹脂)0.04gをテトラヒドロフラン20mlに分散、溶解後、24時間静置し、0.2μmフィルター[マイショリディスクH−25−2(東ソー社製)]で濾過し、その濾液を試料として用いる。
トナー及び各種樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)M−DSC(商品名:Q2000、TA−インストルメンツ社製)を用いて、下記手順にて測定する。測定する試料(トナー、各種樹脂)3mgを精秤する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲20乃至200℃の間で、昇温速度1℃/分、常温常湿下で測定を行う。このときのモジュレーション振幅±0.5℃、周波数1/minで測定する。得られるリバーシングヒートフロー曲線からガラス転移温度(Tg:℃)を計算する。Tgは、吸熱前後のベースラインと吸熱による曲線の接線との交点の中心値をTg(℃)として求めたものである。また、結晶性ポリエステルの融点(Tm)と吸熱量は、比熱変化曲線における最大吸熱ピーク温度と、該吸熱ピークにおける吸熱量とする。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
ブロックポリマーのポリエステル部位とビニルポリマー部位の比率は核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行うことができる。以下に測定条件の具体例を示す。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは、下記の通りとする。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20ml
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1ml
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mlを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、レーザー回折/散乱式粒径分布測定装置を用いて測定した。具体的にはJIS Z8825−1(2001年)に準じて測定される。測定装置としては、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows(登録商標) WET(LA−920) Ver.2.02」を用いる。また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。測定手順は、以下の通りである。
(9−1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
(9−2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(9−3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(9−4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、相対屈折率を樹脂微粒子に
対応した値に設定する。
(9−5)「表示条件設定」画面において、粒径基準を体積基準とする。
(9−6)1時間以上の暖気運転を行った後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行う。
(9−7)ガラス製の100ml平底ビーカーに樹脂微粒子分散液を3ml入れる。さらに57mlのイオン交換水を入れて樹脂微粒子分散液を希釈する。この中に分散剤として、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(9−8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2ml添加する。
(9−9)前記(9−7)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(9−10)60秒間超音波分散処理を継続する。また、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(9−11)前記(9−10)で調製した樹脂微粒子分散液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%〜95%となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、D50を算出する。
(1)工程1:樹脂aの合成
撹拌機、コンデンサー、温度計および窒素導入管を備えた反応容器に下記の単量体を仕込んだ後、テトラブトキシチタネート(エステル化触媒)0.03質量部を添加し、窒素雰囲気下、220℃に昇温して、撹拌しながら5時間反応を行った。
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:53.0質量部
エチレングリコール:6.0質量部
テレフタル酸:23.0質量部
イソフタル酸:14.0質量部
無水トリメリット酸:4.0質量部
次いで、反応容器内を5mmHg乃至20mmHgに減圧しながら、さらに5時間反応を行い、樹脂aを得た。
撹拌機、コンデンサー、温度計および窒素導入管を備えた反応容器に、以下に列挙する試薬、溶媒を仕込んだ。
樹脂a:100.0質量部
メチルエチルケトン:45.0質量部
テトラヒドロフラン:45.0質量部
ジメチルアミノエタノール(DMAE):2.0質量部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS):0.5質量部
次に、容器に収容されている内容物を、80℃に加熱して溶解した。
合成例1において、原材料の種類や使用量を表1に示すように変更した以外は、合成例1(樹脂微粒子Aの合成)と同様の方法により、樹脂微粒子B〜Hを分散液に分散された態様で製造した。得られた樹脂微粒子の物性を表1に示す。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管および減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸100.0質量部と、1,9−ノナンジオール83.0質量部とを添加して撹拌しながら反応溶液を130℃まで加熱した。次に、チタン(IV)イソプロポキシド(エステル化触媒)0.7質量部を加えた後、反応溶液を160℃に昇温し5時間かけて縮重合を行った。その後、反応溶液を180℃に昇温し、容器内を減圧させながら所望の分子量となるまで反応を行うことで結晶性ポリエステル1を得た。得られた結晶性ポリエステル1の重量平均分子量(Mw)は20000であり、融点(Tm)は73℃であった。
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管および減圧装置を備えた反応容器に、セバシン酸100.0質量部と、1,10−デカンジオール93.5質量部とを添加して撹拌しながら反応溶液を130℃まで加熱した。次に、チタン(IV)イソプロポキシド(エステル化触媒)0.7質量部を加えた後、反応溶液を160℃に昇温し5時間かけて縮重合を行った。その後、反応溶液を180℃に昇温し、減圧させながら所望の分子量となるまで反応を行うことで、結晶性ポリエステル(1)を得た。結晶性ポリエステル(1)の重量平均分子量(Mw)は19000であり、融点(Tm)は83℃であった。
ブロックポリマー1の製造方法において、原材料および製造条件を下記表2に示すように変更すること以外は、ブロックポリマー1の製造方法と同様の方法によりブロックポリマー2、3をそれぞれ得た。得られたブロックポリマー2、3の物性をそれぞれ表3に示す。
(1)芯粒子の作製
還流管、撹拌機、温度計および窒素導入管を備えた四つ口容器中に、イオン交換水700質量部と、0.125モル/リットルのNa3PO4水溶液1000質量部と、1.0モルリットルのHCl水溶液24.0質量部とを添加した。次に、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで反応溶液を撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.25モル/リットルのCaCl2水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
・スチレン:72.0部
・n−ブチルアクリレート:28.0部
・メチルトリエトキシシラン:5.0部
・ブロックポリマー1:15.0部
・ピグメントブルー(15:3):6.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE−88:オリエント化学社製):1.2部
・ジビニルベンゼン:0.04部
・離型剤〔フィッシャートロップシュワックス、吸熱メインピーク温度77.1℃〕:9.0部
その後、重合性単量体組成物1に、t−ブチルパーオキシピバレート(重合開始剤)16.0質量部(50%トルエン溶液)を添加した重合性単量体組成物1を水系媒体中に投入し、高速撹拌装置の回転数を12,000rpmに維持しつつ10分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら4時間反応させた。このとき水系媒体のpHは5.1であった。次に、1.0N−NaOHを10.0質量部加えてpH8.0にし、容器内を温度95℃に昇温して6.5時間維持した。その後、10%塩酸4.0質量部をイオン交換水50質量部に加え、pHを5.1にした。次に、イオン交換水を300質量部添加した後、還流管を取り外し、蒸留装置を取り付けた。次に、容器内の温度を100℃にしてから蒸留を5時間行った。このとき蒸留留分は300質量部であった。その後、30℃まで冷却することで、重合体スラリーを得た。次に、この重合体スラリーにイオン交換水を加えて分散液中の重合体粒子濃度が20%になるように調整することで、芯粒子分散液を得た。
還流冷却管、撹拌機および温度計を備えた反応容器に、上記(1)の工程で得られた芯粒子分散液500.0部(固形分100.0部)を入れ、撹拌しながら、樹脂微粒子分散液A(25.0部、固形分5.0部)を緩やかに添加した。次に、反応容器内の内容物を、200回転/分で15分間撹拌を行った。次いで、加熱用オイルバスを用いて樹脂微粒子が付着した芯粒子分散液の温度を55℃(温度1)に保持し、0.3モル/リットルの塩酸を1.0部/分の滴下速度で滴下し、前記分散液のpHを1.5とした後、さらに2時間撹拌を続けた。その後、攪拌下、1.0モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を、上記分散液のpHが7.5になるまで滴下した。次に、この分散液を70℃(温度2)に保持し、さらに1時間攪拌した。次に、上記分散液を1.0℃/分の速度で20℃まで冷却した後、pHが1.5になるまで10%塩酸を加えた。更に、イオン交換水で充分に洗浄した後、ろ過し、乾燥および分級することでトナー粒子1を得た。得られたトナー粒子をNMR測定しST3を算出した。以下の実施例及び比較例においても、同様にNMR測定しST3を算出した。
シリカ微粉体100部を、ヘキサメチルジシラザン10部で処理し、さらにシリコーンオイル10部で処理することで、一次粒径が12nmで、BET比表面積が120m2/gである疎水性シリカ微粉体を調製した。次いで、上記(2)で得られたトナー粒子1(100.0部)を量り取り、該疎水性シリカ微粉体1.0部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)を用いて混合することにより、トナー1を得た。得られたトナー1の物性を表5に示す。
実施例1において、表4に示すような原料及び製造条件に変更すること以外は、実施例1の方法と同様の方法により、トナー(トナー2〜20)をそれぞれ得た。得られたトナーの物性を表5に示す。
実施例1において、表4に示すような原料及び製造条件に変更すること以外は、実施例1の方法と同様の方法によりトナー21および24をそれぞれ得た。得られたトナー(トナー21、24)の物性をそれぞれ表5に示す。
(1)水系分散媒の調製
高速攪拌装置TK−ホモミキサーを備えた四つ口フラスコ中に、イオン交換水900質量部とポリビニルアルコール95質量部とを添加し、回転数1300rpmにて攪拌しながら、55℃に加熱して水系分散媒を調製した。
下記材料を、アトライターで3時間分散させた。
スチレン:70.0質量部
n−ブチルアクリレート:30.0質量部
カーボンブラック:10.0質量部
サリチル酸シラン化合物:1.0質量部
離型剤〔フィッシャートロップシュワックス、吸熱メインピーク温度77.1℃〕:9.0質量部
次に、t−ブチルパーオキシピバレート(重合開始剤)14.0質量部を添加してモノマー分散液を調製した。
次に、得られたモノマー分散液を、上記の四つ口フラスコ内の分散媒中に投入し、上記の回転数を維持しつつ10分間造粒を行なった。続いて、50rpmの攪拌下において、55℃で1時間、次に、65℃で4時間、更に、80℃で5時間重合を行った。上記の重合の終了後、スラリーを冷却し、精製水を用いた洗浄を繰り返すことにより分散剤を除去した。更に洗浄、乾燥を行なうことにより、母体となるブラックトナー粒子を得た。
シリカ微粉体100部を、ヘキサメチルジシラザン10部で処理し、さらにシリコーンオイル10部で処理して、一次粒径が12nmで、BET比表面積が120m2/gの疎水性シリカ微粉体を調製した。次いで、上記(3)で得られたトナー粒子を分級した後、そのうちの100.0部を量り取り、該疎水性シリカ微粉体1.0部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)を用いて混合することにより、トナー22を得た。得られたトナー22の物性を表5に示す。
(1)ポリエステル系樹脂(1)の製造例
下記単量体(テレフタル酸)をエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置および撹拌装置をオートクレーブに装着した。
・テレフタル酸:11.1mol
・ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA):11.0mol
次に、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って210℃でTgが66℃になるまで反応を行い、ポリエステル系樹脂(1)を得た。重量平均分子量(Mw)は7,100であり、数平均分子量(Mn)は3,030であった。
(2−1)イソシアネート基含有プレポリマーの合成
反応容器に、下記の試薬を投入した。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 730質量部
フタル酸 295質量部
ジブチルチンオキサイド 3.0質量部
次に、反応容器の内容物を220℃に昇温した後、攪拌しながら7時間反応させ、更に減圧下で5時間反応させた。この後、反応容器の内容物を80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート190質量部と2時間反応させることにより、イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を得た。
上記(2−1)で得たイソシアネート基含有ポリエステル樹脂を25質量部と、イソホロンジアミン1質量部とを50℃で2時間反応させることで、ウレア基を含有しポリエステルを主成分とするポリエステル系樹脂(2)を得た。得られたポリエステル系樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は23300であり、数平均分子量(Mn)は3010であり、ピーク分子量は7300であった。
下記材料を、酢酸エチル200質量部に溶解させることで、[油相]を得た。
ポリエステル系樹脂(1):57.0質量部
ポリエステル系樹脂(2):43.0質量部
ピグメントブルー(15:3):6.0部
離型剤〔フィッシャートロップシュワックス、吸熱メインピーク温度77.1℃〕:9.0質量部
イオン交換水150部と、カルボキシメチルセルロースの1%水溶液(造粘剤)20部
と、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液25部と、酢酸エチル18部とを混合撹拌することで、[水相]を得た。
得られた[水相]にあらかじめ攪拌しておいた[油相]を加えた。次に、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより、液中温度を20℃〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数4,000rpm〜12,000rpmで調整して3分間混合した。次に、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数200rpm〜600rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー]を得た。次に、芯粒子スラリーを少量抜き取り、ろ過、水洗、乾燥を行うことで、芯粒子が得られた。得られた芯粒子をTEMにて観察し、観察結果に基づいてケイ素マッピングを行ったが、表層にケイ素原子が存在しないことが確認された。
[芯粒子スラリー]を、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターを用いて、回転数200rpm〜600rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、樹脂微粒子分散液Aを芯粒子重量比で7%になるように滴下した。滴下後、回転数を200rpm〜600rpmの間を維持して30分間攪拌を続けることで、[複合粒子スラリー]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[複合粒子スラリー]を投入し、攪拌を行
いながら30℃で8時間脱溶剤を行うことで、[分散スラリー]を得た。更に、イオン交換水で充分に洗浄した後、ろ過し、乾燥および分級することでトナー粒子を得た。
シリカ微粉体100部を、ヘキサメチルジシラザン10部で処理し、さらにシリコーンオイル10部で処理することで、一次粒径が12nm、BET比表面積が120m2/gの疎水性シリカ微粉体を調製した。次いで、上記(7)で得られたトナー粒子100.0部を量り取り、該疎水性シリカ微粉体1.0部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)を用いて混合することにより、トナー23を得た。得られたトナー23の物性を表5に示す。
実施例(実施例1〜20)および比較例(比較例1〜4)で得られた各トナーについて、以下の方法に従って性能の評価を行った。結果を表6にまとめて示す。
市販のカラーレーザープリンター(LBP−7700C,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、このカートリッジにトナーを充填し、このカートリッジをシアンステーションに装着した。次いで、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー、64g/m2)の上に、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.5mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から2.0cmの部分に形成した。次いで、市販のカラーレーザープリンター(LBP−7700C,キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードとがそれぞれ調節できるように改造し、この改造プリンターを用いて未定着画像の定着試験を行った。
A:低温側定着開始点+80℃以上の温度領域で高温オフセットが発生しない
B:低温側定着開始点+70℃以上の温度領域で高温オフセットが発生しない
C:低温側定着開始点+60℃以上の温度領域で高温オフセットが発生しない
D:低温側定着開始点+50℃以上の温度領域で高温オフセットが発生しない
カラーレーザープリンター(LBP−7700C,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、このカートリッジにトナーを90g充填した。次に、トナーを充填したカートリッジを温度30℃、湿度80%RHの環境下で10日間静置した。次に、このカートリッジをプリンターのシアンステーションに装着し、常温常湿下(23℃、60%RH)、受像紙(キヤノン製オフィスプランナー 64g/m2)を用いて、印字率2%チャートを8000枚連続して画出し、ハーフトーン画像を印刷した。印刷したハーフトーン画像について、下記基準に従い評価した。
A:現像ローラ上にもハーフトーン部にもスジが全くない
B:現像ローラ上のスジが1乃至3本あるが、ハーフトーン部スジが全くない
C:現像ローラ上のスジが4乃至6本あり、ハーフトーン部にもスジが若干見られる
D:現像ローラ上のスジが7本以上あり、ハーフトーン部にもスジが明らかに見られる
上記(2)の耐久性評価を行ったシアンカートリッジからトナー5gを回収し、容積100mlのポリカップに量り採り、量り取ったトナーを内部温度50℃の恒温槽に入れて7日間放置した。その後、ポリカップを取り出して、中のトナーの状態変化を目視にて評価した。耐熱保存性の判定基準は以下の通りである。
A:放置前と変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:凝集体がやや多いが、衝撃を与えるとほぐれる
D:凝集体が多く、容易にはほぐれない
E:ほとんどほぐれない
作製したトナー4.0gと、フェライトキャリアF813−300(パウダーテック社製)46.0gとを分取し、低温低湿環境(15℃/10%)、及び高温高湿環境(30℃/80%)の各環境で3昼夜放置した。その後50ccのポリ容器に入れ、1分間かけて200回振とうさせ、2成分現像剤を得た。次に、図2の測定装置を用いてトナーの帯電量を測定した。帯電量の測定方法は下記(5)に示す。評価は、低温低湿時の帯電量および高温高湿時の帯電量を測定し、下記式(i)により帯電の安定性を評価し、下記基準によって判断した。
トナー帯電量の環境依存性(%)
={(低温低湿時の帯電量の絶対値)−(高温高湿時の帯電量の絶対値)}/(低温低湿時の帯電量の絶対値)×100% (i)
A: 0%以上15%未満
B:15%以上30%未満
C:30%以上45%未満
D:45%以上
底に500メッシュ(目開き25μm)のスクリーン3のある金属製の測定容器2に、摩擦帯電量を測定しようとする二成分系現像剤0.5gを入れ金属製のフタ4をした。このときの測定容器2全体の質量を秤り、秤取った量をW1(g)とした。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとした。この状態で充分に、好ましくは2分間吸引を行い、トナーを吸引除去した。
摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2) (ii)
Claims (7)
- 芯粒子と、前記芯粒子を覆う外殻と、を有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記芯粒子が、結着樹脂と、下記式(T3)に示される部分構造を有する有機ケイ素重合体と、を含有し、
前記有機ケイ素重合体が、前記芯粒子の表面部に偏在しており、
前記外殻が、前記芯粒子の表面部の外表面にガラス転移温度が50.0℃乃至95.0℃の樹脂微粒子を固着することにより形成されたものであることを特徴とするトナー。
Rf−Si−O3/2(T3)
(式(T3)において、Rfは、炭化水素基を表す。) - 前記トナー粒子のTHF不溶分の29Si−NMRの測定で得られるNMRチャートにおいて、
前記NMRチャートに示される前記有機ケイ素重合体の全ピークの総面積に対する前記式(T3)の構造に帰属されるピーク面積の割合ST3が、0.40以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。 - 前記樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)が30nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記芯粒子が、融点が55乃至90℃のポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂が、ビニルポリマー部位およびポリエステル部位を有するブロックポリマーであることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
- 前記芯粒子が、前記重合性単量体と、離型剤と、着色剤と、を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒し、前記重合性単量体を重合することによって調製されたものであり、
前記重合性単量体組成物に、前記有機ケイ素化合物が含まれることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載のトナー。
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