JP2016014121A - 射出成形用エポキシ樹脂組成物およびセンサ部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】射出成形性に優れ、かつ硬化後の吸水率および線膨張係数が低い射出成形用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】射出成形用エポキシ樹脂組成物は、(A)固形エポキシ樹脂、(B)固形フェノール樹脂硬化剤、(C)ジメチルウレア系硬化促進剤、および(D)球状シリカを必須成分として含有する。上記射出成形用エポキシ樹脂組成物は、(D)球状シリカを75質量%以上95質量%以下含有する。また、射出成形用エポキシ樹脂組成物は、25秒以上50秒以下のゲルタイム、20Pa・s以上45Pa・s以下の溶融粘度、80cm以上165cm以下のスパイラルフローを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、センサ部品の封止に最適な射出成形用エポキシ樹脂組成物に関する。
近年、センサ部品側にマイコンを搭載してインテリジェント化されたスマートセンサが普及してきている。これは、センサ部品自身がより高度な信号処理を受け持つことができ、センサの自己診断や自動校正、データの記憶、複合情報の提供などが可能となってきたことによる。このようなセンサ部品は、自動車の制御、店舗のエネルギー管理など、様々な用途に応用されてきている。
従来、センサ部品は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)などのエンジニアリングプラスチック製のケースに、集積回路、センサ、ノイズ対策部品などの電子部品(実装部品)が実装された実装基板を配置した後、このケースの内部に液状樹脂を注入して、この液状樹脂を硬化させて製造されている。しかしながら、このようなケースの内部に液状樹脂を注入して硬化させる方法については、ケースが必須となることなどから、必ずしも生産性に優れていない。
そこで、半導体の封止などに用いられているエポキシ樹脂組成物を用いて、射出成形により実装基板を封止してセンサ部品を製造することが検討されている。しかしながら、従来のエポキシ樹脂組成物については、これを射出する射出成形機のシリンダ内における安定性(シリンダ安定性)が必ずしも十分でなく、また射出された金型内における流動性などについても課題がある。このような課題を解決するために、特定のウレア系硬化促進剤を使用して、シリンダ安定性や流動性を向上させることが提案されている(特許文献1、2参照)。
特開2001−226457号公報 特開2012−117017号公報
センサ部品には、過酷な環境下での使用にも耐えられる耐環境性能が要求される。センサ部品の耐環境性能を向上させる方法として、例えば、センサ部品を封止しているエポキシ樹脂組成物の硬化物の吸水率や線膨張係数を低くする方法が挙げられる。また、エポキシ樹脂組成物の硬化物の吸水率や線膨張係数を低くする方法として、例えば、エポキシ樹脂組成物に無機充填材を多量に含有させる方法が挙げられる。
しかしながら、エポキシ樹脂組成物に無機充填材を多量に含有させると、射出成形時のエポキシ樹脂組成物の流動性が低下しやすくなる。例えば、流動性が低下したエポキシ樹脂組成物を用いて射出成形によりセンサ部品を製造した場合、センサ部品を構成する実装基板に実装されている多種多様な異形形状の実装部品の間にエポキシ樹脂組成物が充填されず、ボイドや未充填などの充填不良による成形不良、実装基板の変形、実装部品の割れなどの不具合が発生しやすい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、射出成形性に優れ、かつ硬化後の吸水率および線膨張係数が低い射出成形用エポキシ樹脂組成物の提供を目的とする。また、本発明は、このような射出成形用エポキシ樹脂組成物により実装基板が封止された生産性および信頼性の高いセンサ部品の提供を目的とする。
本発明の射出成形用エポキシ樹脂組成物は、(A)固形エポキシ樹脂、(B)固形フェノール樹脂硬化剤、(C)ジメチルウレア系硬化促進剤、および(D)球状シリカを必須成分として含有する。本発明の射出成形用エポキシ樹脂組成物は、(D)球状シリカを75質量%以上95質量%以下含有する。また、本発明の射出成形用エポキシ樹脂組成物は、25秒以上50秒以下のゲルタイム、20Pa・s以上45Pa・s以下の溶融粘度、80cm以上165cm以下のスパイラルフローを有する。なお、溶融粘度は、高化式フローテスターを用いて175℃で測定される。また、スパイラルフローは、EMMI−1−66の規格に準じて175℃×100kg/cmの条件で測定される。
本発明のセンサ部品は、本発明の射出成形用エポキシ樹脂組成物を射出成形して実装基板を封止したことを特徴とする。
本発明によれば、射出成形性に優れ、かつ硬化後の吸水率および線膨張係数が低い射出成形用エポキシ樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、このような射出成形用エポキシ樹脂組成物により実装基板が封止された生産性および信頼性の高いセンサ部品が提供される。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
射出成形用エポキシ樹脂組成物は、(A)固形エポキシ樹脂、(B)固形フェノール樹脂硬化剤、(C)ジメチルウレア系硬化促進剤、および(D)球状シリカを必須成分として含有する。
上記射出成形用エポキシ樹脂組成物は、(D)球状シリカを75質量%以上95質量%以下含有する。また、上記射出成形用エポキシ樹脂組成物は、25秒以上50秒以下のゲルタイム、20Pa・s以上45Pa・s以下の溶融粘度、80cm以上165cm以下のスパイラルフローを有する。
なお、溶融粘度は、高化式フローテスターを用いて175℃で測定される。また、スパイラルフローは、EMMI−1−66の規格に準じて175℃×100kg/cmの条件で測定される。
以下、射出成形用エポキシ樹脂組成物の各成分について具体的に説明する。なお、以下の説明では、射出成形用エポキシ樹脂組成物を単にエポキシ樹脂組成物と記載して説明する。
(A)固形エポキシ樹脂は、25℃において固体のエポキシ樹脂であり、例えば、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂などが挙げられ、その他一般に公知とされているエポキシ樹脂を併用することができる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂は、射出成形時のエポキシ樹脂組成物の流動性が良好となり、センサ部品の高周波特性や落下試験の耐性も良好となるために好ましい。
(B)固形フェノール樹脂硬化剤は、25℃において固体のフェノール樹脂硬化剤であり、(A)固形エポキシ樹脂のエポキシ基と反応するフェノール性水酸基を分子中に2個以上有するものであれば、特に制限されることなく使用される。
具体的には、フェノール、アルキルフェノールなどのフェノール類と、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドとを反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂など、これらの変性樹脂、例えば、エポキシ化もしくはブチル化したノボラック型フェノール樹脂など、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、フェノール類と、ベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒドなどとの縮合物、例えば、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂など、トリフェノールメタン化合物、多官能型フェノール樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、フェノールノボラック樹脂は、射出成形時のエポキシ樹脂組成物の流動性が良好となり、センサ部品の高周波特性や落下試験の耐性も良好となるために好ましい。
(B)固形フェノール樹脂硬化剤の含有量は、(A)固形エポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)と(B)固形フェノール樹脂硬化剤が有するフェノール性水酸基数(b)との比((a)/(b))が0.5以上1.5以下となる範囲が好ましく、0.8以上1.2以下となる範囲がより好ましい。上記比((a)/(b))が0.5未満では、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐湿信頼性が低下しやすい。また、上記比((a)/(b))が1.5を超えると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の強度が低下しやすい。
(C)ジメチルウレア系硬化促進剤としては、下記の化学式(1)〜(3)で示されるジメチルウレア系硬化促進剤を1種以上含有することが好ましい。ここで、ジメチルウレア系硬化促進剤は、通常、150℃以上で反応を促進する。また、一般に、射出成形機のシリンダ内の温度は90〜100℃に設定され、金型温度は150℃以上に設定される。従って、ジメチルウレア系硬化促進剤によれば、射出成形機のシリンダ内においてはエポキシ樹脂組成物の硬化反応を抑制して、金型内においてはエポキシ樹脂組成物の硬化反応を促進させることができ、これにより連続成形性を向上させることができる。
(C)ジメチルウレア系硬化促進剤の含有量は、(A)固形エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上2.0質量部以下が好ましい。(C)ジメチルウレア系硬化促進剤の含有量が0.1質量部以上であると、硬化反応を促進する効果が顕著に現れる。また、(C)ジメチルウレア系硬化促進剤の含有量が2.0質量部未満であると、過度の硬化反応性が抑制されて、増粘による充填不良の発生などが抑制される。(C)ジメチルウレア系硬化促進剤の含有量は、(A)固形エポキシ樹脂100質量部に対して、0.3
質量部以上1.7質量部以下がより好ましく、0.5質量部以上1.5質量部以下がさらに好ましい。
Figure 2016014121
Figure 2016014121
Figure 2016014121
(D)球状シリカの含有量は、エポキシ樹脂組成物の全体中、75質量%以上95質量%以下である。75質量%以上であると、硬化物の線膨張係数や吸水率が十分に低くなり、またセンサ部品の周波数特性が良好となる。95質量%以下であると、射出成形時の流動性が良好となり、実装部品の割れなどが抑制される。(D)球状シリカの含有量は、エポキシ樹脂組成物の全体中、80質量%以上90質量%以下がより好ましく、85質量%以上90質量%以下がより好ましい。
(D)球状シリカは、(dl)粒径3μm未満の球状シリカ、(d2)粒径3μm以上30μm未満の球状シリカ、および(d3)粒径30μm以上の球状シリカを含むことが好ましい。このような粒度分布を有する場合、射出成形時のエポキシ樹脂組成物の流動性が良好となるために好ましい。なお、(D)球状シリカの粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定される。
(dl)粒径3μm未満の球状シリカの含有量は、エポキシ樹脂組成物の全体中、10質量%以上30質量%未満が好ましい。(d2)粒径3μm以上30μm未満の球状シリカの含有量は、エポキシ樹脂組成物の全体中、50質量%以上80質量%未満が好ましい。(d3)粒径30μm以上の球状シリカの含有量は、エポキシ樹脂組成物の全体中、10質量%以上30質量%未満が好ましい。このような粒度分布を有する場合、さらに射出成形時のエポキシ樹脂組成物の流動性が良好となるために好ましい。
(dl)粒径3μm未満の球状シリカの含有量は、エポキシ樹脂組成物の全体中、10質量%以上25質量%未満がより好ましく、10質量%以上20質量%未満がさらに好ましく、12質量%以上18質量%未満が特に好ましい。
(d2)粒径3μm以上30μm未満の球状シリカの含有量は、エポキシ樹脂組成物の全体中、50質量%以上70質量%未満がより好ましく、50質量%以上60質量%未満がさらに好ましく、52質量%以上58質量%未満が特に好ましい。
(d3)粒径30μm以上の球状シリカの含有量は、エポキシ樹脂組成物の全体中、10質量%以上25質量%未満がより好ましく、10質量%以上20質量%未満がさらに好ましく、15質量%以上20質量%未満が特に好ましい。
エポキシ樹脂組成物は、(A)固形エポキシ樹脂、(B)固形フェノール樹脂硬化剤、(C)ジメチルウレア系硬化促進剤、および(D)球状シリカを必須成分とするが、本発明の目的に反しない限度において、また必要に応じて、各種充填剤、天然ワックス類や合成ワックス類などの離型剤、三酸化アンチモン、ブロモ化エポキシ樹脂などの難燃剤、カーボンブラックなどの着色剤、ゴム系やシリコーン系ポリマーなどの低応力付与剤、アミン変性およびエポキシ変性シリコーンオイルなどのカップリング剤、アルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルクなどの無機充填材を適宜添加含有することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、(A)固形エポキシ樹脂、(B)固形フェノール樹脂硬化剤、(C)ジメチルウレア系硬化促進剤、および(D)球状シリカ、その他の必要に応じて添加される成分を配合し、ミキサーなどによって十分に均一に混合し、熱ロールまたはニーダなどにより加熱溶融混合処理を行った後、冷却固化して適当な大きさに粉砕することにより製造することができる。
エポキシ樹脂組成物のゲルタイムは、25秒以上50秒以下である。ここで、ゲルタイムは、175℃に保たれた熱板上に一定量のエポキシ樹脂組成物を広げるように撹拌し、撹拌ができなくなるまでに流動性が失われるまでの時間である。ゲルタイムが25秒以上50秒以下であると、射出成形性が良好になるとともに、信頼性の高いセンサ部品が得られる。
例えば、ゲルタイムが25秒以上であると、エポキシ樹脂組成物の流動性が良好となり、ボイドや未充填などの充填不良の発生が抑制される。ゲルタイムは、30秒以上が好ましく、35秒以上がより好ましい。また、ゲルタイムが50秒以下であると、エポキシ樹脂組成物が十分に硬化して、生産性や耐環境特性が良好となる。ゲルタイムは、45秒以下が好ましく、40秒以下がより好ましい。
エポキシ樹脂組成物の溶融粘度は、20Pa・s以上45Pa・s以下である。ここで、溶融粘度は、高化式フローテスターを用いて、175℃で測定される。溶融粘度が20Pa・s以上45Pa・s以下であると、射出成形性が良好になるとともに、信頼性の高いセンサ部品が得られる。
例えば、溶融粘度が20Pa・s以上であると、ノズルからの液だれが抑制される。溶融粘度は、25Pa・s以上が好ましく、特に射出成形性全般が良好になることから、30Pa・s以上が好ましい。また、溶融粘度が45Pa・s以下であると、射出成形時に実装部品に加えられるダメージが抑制されて、実装基板の変形、実装部品の割れ、特に脆いフェライト部品などの割れが抑制される。溶融粘度は、40Pa・s以下が好ましい。
ここで、射出成形によりセンサ部品を製造する場合、一般に、金型からセンサ部品を取り出すための型開きと同時に金型から射出成形機のノズルが抜かれる。この際、ノズルから液だれが発生すると、その後にノズルから射出されるエポキシ樹脂組成物の計量誤差により充填不良が発生しやすく、液だれしたエポキシ樹脂組成物により金型周辺も汚染されやすい。このような充填不良や汚染が発生すると、射出成形を連続して行うことができなくなり、連続成形性が低下しやすい。
エポキシ樹脂組成物のスパイラルフローは、80cm以上165cm以下である。ここで、スパイラルフローは、EMMI−1−66の規格に準じて175℃×100kg/cmの条件で測定される。スパイラルフローが80cm以上165cm以下であると、射出成形性が良好になるとともに、実装基板の変形や実装部品の割れなどが抑制され、信頼性の高いセンサ部品が得られる。
例えば、スパイラルフローが80cm以上であると、ボイドや未充填などの充填不良の発生が抑制される。スパイラルフローは、85cm以上が好ましく、90cm以上がより好ましく、95cm以上がさらに好ましく、特に射出成形性全般が良好になることから、100cm以上が好ましく、105cm以上がより好ましい。また、スパイラルフローが165cm以下であると、多種多様な異形形状の実装部品の間に巻き込まれるようにして発生するボイドが抑制される。スパイラルフローは、160cm以下が好ましく、155cm以下がより好ましく、150cm以下がさらに好ましく、特に射出成形性全般が良好になることから、130cm以下が好ましく、120cm以下がより好ましい。
ここで、ゲルタイム、溶融粘度、スパイラルフローなどは互いに関連のある指標であり、一般に、ゲルタイムが短くなると、溶融粘度は大きくなり、スパイラルフローは短くなる。また、ゲルタイム、溶融粘度、スパイラルフローなどは、エポキシ樹脂組成物の組成によって固有の関係を有し、例えば、エポキシ樹脂や無機充填材などの種類や含有量などによって変動する。
ゲルタイムが25秒以上50秒以下、溶融粘度が20Pa・s以上45Pa・s以下、かつスパイラルフローが80cm以上165cm以下の場合、センサ部品の射出成形に最適な流動性が発現される。すなわち、多種多様な異形形状の実装部品が実装された実装基板を射出成形により封止してセンサ部品を製造したときに、ボイドや未充填などの充填不良の発生が抑制され、また実装部品の損傷も抑制され、信頼性に優れるセンサ部品を得ることができる。
エポキシ樹脂組成物の硬化後の曲げ弾性率は、15GPa以上30GPa以下が好ましい。ここで、曲げ弾性率は、JIS K 6911に準拠して、25℃で測定される。硬化後の弾性率が15GPa以上30GPa以下であると、落下時の耐衝撃性などに優れるセンサ部品が得られる。硬化後の弾性率は、18GPa以上がより好ましく、20GPa以上がさらに好ましい。また、硬化後の弾性率は、28GPa以下がより好ましく、24GPa以下がさらに好ましい。
エポキシ樹脂組成物の硬化後の曲げ強さは、100MPa以上160MPa以下が好ましい。ここで、曲げ強さは、JIS K 6911に準拠して、25℃で測定される。硬化後の曲げ強さが100MPa以上160MPa以下であると、落下時の耐衝撃性などに優れるセンサ部品が得られる。硬化後の曲げ強さは、110MPa以上がより好ましく、120MPa以上がさらに好ましく、130MPa以上が特に好ましい。また、硬化後の曲げ強さは、150MPa以下がより好ましく、155MPa以下がさらに好ましい。
エポキシ樹脂組成物の硬化後の線膨張係数は、0.5×10−5/℃以上2.0×10−5/℃以下が好ましい。エポキシ樹脂組成物の硬化後の線膨張係数がこのような範囲内にあると、信頼性に優れたセンサ部品が得られる。硬化後の線膨張係数は、0.7×10−5/℃以上がより好ましく、0.9×10−5/℃以上がさらに好ましい。また、硬化後の線膨張係数は、1.7×10−5/℃以下がより好ましく、1.5×10−5/℃以下がさらに好ましい。
エポキシ樹脂組成物の硬化後の吸水率は、0.5%以下が好ましい。ここで、吸水率は、127℃、0.25MPa、100%RHの条件で24時間吸湿させたときの質量変化率である。エポキシ樹脂組成物の硬化後の吸水率が0.5%以下であると、信頼性、特に周波数特性に優れたセンサ部品が得られる。エポキシ樹脂組成物の硬化後の吸水率は、0.45%以下がより好ましく、0.40%以下がさらに好ましい。
センサ部品は、エポキシ樹脂組成物を射出成形して実装基板を封止することにより製造することができる。例えば、まず、集積回路やセンサ素子などの実装部品が実装された実装基板を成形用金型のキャビティに挿入し、成形用金型を型締めする。次いで、射出成形機のノズルを成形用金型に接続し、射出成形機のシリンダ内に充填されているエポキシ樹脂組成物をノズルから射出し、成形用金型のスプルー、ランナー、ゲートなどを通して、キャビティに注入する。そして、エポキシ樹脂組成物を硬化させた後、成形用金型を型開きして取り出す。これにより、実装基板がエポキシ樹脂組成物の硬化物により封止されたセンサ部品を製造することができる。
このようなセンサ部品は、射出成形時のボイドや未充填などの充填不良の発生ならびに実装部品の損傷などが抑制されるとともに、エポキシ樹脂組成物の硬化物の吸水率や線膨張係数が低いことから、信頼性に優れている。センサ部品としては、例えば、スマートエントリー、キーレスセンサーなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
なお、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
表1に示すように、固形エポキシ樹脂として、EPPN−502H(商品名、日本化薬社製、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量170)4.40質量部、CNE−200EL(商品名、長春エポキシ社製、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量200)2.35質量部、固形フェノール樹脂硬化剤として、BRG−556(商品名、昭和高分子社製、ノボラック型フェノール樹脂、水酸基当量105)3.90質量部、ジメチルウレア系硬化促進剤として、U−CAT3512T(商品名、サンアプロ社製)0.10質量部、球状シリカとして、FB−940A(商品名、電機化学工業社製、平均粒径25〜30μm)79.60質量部、SC4500SQ(商品名、アドマテックス社製、溶融球状シリカ粉末、平均粒径0.5μm)7.00質量部、着色剤として、カーボンブラックCB−30(商品名、三菱化学社製)、難燃材として、FP−100(商品名、伏見製薬所製)0.90質量部、シランカップリング剤として、S−510(商品名、チッソ社製)0.20質量部、離型剤として、Luvax−0321(日本精鑞鎖社、商品名)0.08質量部を溶融混錬して、エポキシ樹脂組成物を調整した。なお、混錬は、温度100℃、40rpmで10分間実施した。
(実施例2〜5、比較例1〜4)
表1に示す組成となるように各成分を混合して、実施例2〜5および比較例1〜4のエポキシ樹脂組成物を調整した。なお、実施例5については、固形フェノール樹脂硬化剤の一部にMEH−7500(商品名、明和化成社製)を用いた。
[評価]
次いで、エポキシ樹脂組成物およびセンサ部品の諸特性を下記方法により評価した。結果を表1に示す。
(ゲルタイム)
175℃に保たれた熱板上に一定量(1ml)のエポキシ樹脂組成物を直径4〜5cmの円状に広げるように撹拌し、撹拌ができなくなるまでに流動性が失われるまでの時間を計測した。
(スパイラルフロー)
EMMI−1−66の規格に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、金型温度175℃、仕込み量25g、プランジャー圧力100kg/cm、硬化時間120秒の条件で実施した。
(溶融粘度(高化式フロー粘度))
ノズル長1.0mm、ノズル半径0.25mm、温度175℃、プランジャー圧力10kgf/cmの条件で実施した。
(成形収縮率)
金型を使用して、長さ80mm×幅80mm×厚さ5mmの形状の試験片を成形した。成形後、175℃で8時間の加熱により試験片を硬化させて、硬化後の試験片の寸法を測定した。そして、金型寸法からの変化率(収縮率)を算出した。
(線膨張係数)
TMA法にて、室温から200℃まで5℃/分の速度で昇温させて、線膨張係数を測定した。
(曲げ強さ)
25℃の曲げ強さをJIS K 6911に準拠して測定した。
(曲げ弾性率)
25℃の曲げ弾性率をJIS K 6911に準拠して測定した。
(吸水率)
上記した硬化後の試験片を使用して、プレッシャークッカー試験(PCT)として、127℃、0.25MPa、100%RHの条件で24時間吸湿させた後、質量変化率を求めた。
(ノズルからの液だれ)
射出成形後、金型から成形品を取り出すとき、金型から抜かれる射出成形機のノズルからの液だれの有無を観察して、下記基準により判定した。
○:30秒以上液だれ無し
△:20秒以上30秒未満で液だれ発生
×:20秒未満で液だれ発生
(成形性)
長さ60mm×幅15mm×厚さ4mmの3個のフェライトコア部品を実装した実装基板を成形用金型のコア側に挿入後、成形用金型を型締めした。その後、シリンダ温度90℃、ノズル温度100℃、射出圧力150MPaに設定した射出成形機を金型温度175℃に設定した成形用金型に接続し、射出成形機のノズルから成形用金型へとエポキシ樹脂組成物を射出し、70秒間保持した。これにより、実装基板がエポキシ樹脂組成物の硬化物により封止された、長さ113mm×幅20mm×厚さ8mmのセンサ部品を成形した。このようにして成形した100個のセンサ部品についてX線検査を行い、ボイドの発生状況を観察して、下記の基準により判定した。
○:ボイドの発生なし
△:長径0.3mm以下のボイドが発生
×:長径0.3mmを超えるボイドが発生
(実装部品の割れ・実装基板の変形)
上記した100個のセンサ部品について、X線検査を行って、フェライトコア部品の割れ、実装基板の変形を観察して、下記の基準により判定した。
○:割れ、変形の発生なし
△:実装部品の割れは無いが、実装基板の長径の0.5%未満の変形が発生
×:実装部品の割れが発生、または実装基板の長径の0.5%以上の変形が発生
(落下試験)
上記した100個のセンサ部品について、地上1.5mの高さから落下させた後、外観を目視観察して、下記の基準により判定した。
○:割れ、欠けの発生なし
△:割れは無いが、角部において0.5mm未満の欠けが発生
×:割れが発生または角部において0.5mm以上の欠けが発生
Figure 2016014121
表1からも明らかなように、比較例のエポキシ樹脂組成物は、ノズルからの液だれ、ボイド、充填不良、実装部品の割れ、または実装基板の変形があり、射出成形性に優れていない。一方、実施例のエポキシ樹脂組成物は、ノズルからの液だれ、ボイド、充填不良、実装部品の割れ、実装基板の変形などの発生がほぼ抑制され、射出成形性に優れている。また、実施例のエポキシ樹脂組成物は、硬化後の吸水率および線膨張係数も低いことから、耐環境性能に優れるセンサ部品を得ることができる。

Claims (5)

  1. (A)固形エポキシ樹脂、(B)固形フェノール樹脂硬化剤、(C)ジメチルウレア系硬化促進剤、および(D)球状シリカを必須成分とする射出成形用のエポキシ樹脂組成物であって、
    前記(D)球状シリカを75質量%以上95質量%以下含有し、ゲルタイムが25秒以上50秒以下、高化式フローテスターを用いて測定される175℃における溶融粘度が20Pa・s以上45Pa・s以下、EMMI−1−66の規格に準じて175℃×100kg/cmの条件で測定されるスパイラルフローが80cm以上165cm以下であることを特徴とする射出成形用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(D)球状シリカは、(dl)粒径3μm未満の球状シリカ、(d2)粒径3μm以上30μm未満の球状シリカ、および(d3)粒径30μm以上の球状シリカを含み、
    前記(dl)粒径3μm未満の球状シリカの含有量は、前記エポキシ樹脂組成物の全体中、10質量%以上30質量%未満、
    前記(d2)粒径3μm以上30μm未満の球状シリカの含有量は、前記エポキシ樹脂組成物の全体中、50質量%以上80質量%未満、
    前記(d3)粒径30μm以上の球状シリカの含有量は、前記エポキシ樹脂組成物の全体中、10質量%以上30質量%未満
    であることを特徴とする請求項1記載の射出成形用エポキシ樹脂組成物。
  3. 硬化後の線膨張係数が0.5×10−5/℃以上2.0×10−5/℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載の射出成形用エポキシ樹脂組成物。
  4. 硬化後の曲げ弾性率が15GPa以上30GPa以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の射出成形用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の射出成形用エポキシ樹脂組成物を射出成形して実装基板を封止したことを特徴とするセンサ部品。
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