JP2016014122A - 変性共役ジエン系重合体の製造方法、変性共役ジエン系重合体、変性共役ジエン系重合体組成物、及びタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
このような要求に応えるため、タイヤ性能についても転がり抵抗性の更なる低減化が求められている。
タイヤの転がり抵抗性を低減化する方法としては、タイヤ構造を最適化するといった手法があり、ゴム組成物としてより発熱性の少ない材料を用いる手法が最も一般的である。
しかしながら、通常、ゴム状重合体とシリカは、相互作用が非常に弱いため、シリカが分散し難く、混練り加工に際してトルクが大きく加工しにくいという問題を有している。
例えば、タイヤのトレッドには、耐摩耗性、機械的特性、及び低温での柔軟性改良のために用いられ、また、耐屈曲亀裂性に優れる性能を有するため、サイドウォールにも原料ゴムとして広く使用されている。
また、シリカを配合したゴム組成物における変性効果は必ずしも十分ではない。特に、1,4−シス結合を有する変性共役ジエン系重合体を含有するゴム組成物については、シリカを配合することによる変性効果が殆どないのが実情である。
しかしながら、前記シス含量の高い共役ジエン系重合体は、その活性末端の反応が十分でないことに加え、活性末端の周囲の配位化合物の影響により、変性工程で導入すべき官能基に対する反応性が十分でない。そのため変性剤の官能基の種類が、変性反応の変性率に影響するという問題を有している。
特に、共役ジエン系重合体の重合反応において重合開始剤としてランタン系列金属化合物を用いた場合、高い変性率を達成することは困難な傾向にある。
また、特許文献4の技術では、共役ジエン系重合体の活性末端とアルコキシシラン誘導体とを反応させる際に、反応系に縮合促進剤を添加して得られる変性共役ジエン系重合体などが提案されているが、簡便に変性共役ジエン系重合体の変性率を十分に高くすることはできないという問題を有している。
すなわち、本発明は以下の通りである。
工程(1):配位重合開始剤を用いて、共役ジエン系単量体を重合させて共役ジエン系重合体を得る工程と、
工程(2):前記共役ジエン系重合体と、シリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上、3級アミノ基、並びにエステル基を含有する化合物Aとを反応させる工程と、
を、有する変性共役ジエン系重合体の製造方法。
〔2〕
前記配位重合開始剤が、ランタン系列金属元素の有機化合物を含有する、前記〔1〕に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
〔3〕
前記化合物Aが、下記式(1)で表される、前記〔1〕又は〔2〕に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の製造方法によって得られる変性共役ジエン系重合体。
〔5〕
下記式(2)又は(3)で表される、前記〔4〕に記載の変性共役ジエン系重合体。
R2〜R5は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数が6〜20のアリール基を表し、
R6〜R8は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、mとrの和が4以上である。)
R2〜R5は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数が6〜20のアリール基を表し、
R6〜R8は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、mとrの和が4以上である。)
前記〔4〕又は〔5〕に記載の変性共役ジエン系重合体を10質量部以上含有するゴム成分100質量部と、
シリカ系無機充填剤0.5〜300質量部と、
を、含む変性共役ジエン系重合体組成物。
〔7〕
前記〔6〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物を含むタイヤ。
なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、配位重合開始剤を用いて、共役ジエン系単量体を重合させて共役ジエン系重合体を得る工程(1)(重合工程)と、前記共役ジエン系重合体と、シリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上、3級アミノ基、及びエステル基を含有する化合物Aとを反応させる工程(2)(変性工程)を有する。
上記の工程(1)及び工程(2)を実施することにより、1,4−シス結合の割合が高い共役ジエン系重合体の末端に官能基の導入を行うことができ、変性率の高い変性共役ジエン系重合体を簡便に製造することができる。
(工程1)においては、配位重合開始剤を用いて、共役ジエン系単量体を重合させて、共役ジエン系重合体を得る。
<配位重合開始剤>
本実施形態において、共役ジエン系単量体を重合させる配位重合開始剤としては、種々の遷移金属化合物を用いることができる。
遷移金属化合物の重合開始剤として用いることにより、1,4−シス含有量が高い共役ジエン系重合体を得ることができる。
使用する遷移金属化合物としては、共役ジエン系単量体の重合反応を開始させることができるものであればよく、以下に限定されるものではないが、(a)配位重合が可能な重金属化合物(遷移金属化合物、又はランタン系列金属元素の有機化合物。)、(b)有機アルミニウム化合物、及び(c)ハロゲン含有ルイス酸化合物からなる複合触媒であることが好ましい。
この複合触媒存在下に、共役ジエン系単量体を塊状重合又は炭化水素溶媒中で溶液重合することにより、共役ジエン系重合体を得ることができる。
前記遷移金属化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期律表第4族遷移金属化合物(例えば、CpTiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの周期律表第5族遷移金属化合物、クロムなどの第6族遷移金属化合物(例えば、無水CrCl2など)、コバルト、ニッケルなどの第9又は10族遷移金属化合物(例えば、コバルトオクテート、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル)が挙げられる。
前記ランタン系列金属元素の有機化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記式(4)及び(5)で表されるランタノイド−アルミニム架橋錯体化合物や、式:LnY3で表される化合物が挙げられる。
Lnのランタン系列金属元素としては、具体的には、原子番号が57〜71の周期律表のランタン系列元素として、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロジウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムが挙げられる。
これらの中でも、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム及びガドリニウムが重合活性の観点から好ましく、ネオジムが、重合活性及び工業的入手のし易さのバランスの観点からより好ましい。
また、式:LnY3中、Yは酸の残基を表し、アルコール、フェノール、チオアルコール、チオフェノール、アミン、カルボン酸、有機リン酸、有機亜リン酸のいずれかの塩であることが有機溶剤への溶解性の観点から好ましい。
ランタン系列金属元素のアルコール化合物(アルコキサイド)、及びフェノール化合物(フェノキサイド)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、式:Ln−(ORa)3で表される化合物が挙げられる。
ここで、Raは、炭化水素基を表し、取り扱いの容易性の観点から、炭素数1〜40の範囲のアルキル基、アルケニル基、アルキル置換若しくはアルケニル置換フェニル基、又はアルキル置換若しくはアルケニル置換ナフチル基が好ましい。
アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、分岐状、或いは環状のいずれであってもよい。アルコキサイド及びフェノキサイドに用いられる好ましいアルコール及びフェノールの具体例としては、2−エチル−ヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ノニルフェノール、ベンジンアルコール等が挙げられる。
ランタン系列金属元素のチオアルコール化合物(チオアルコキサイド)及びチオフェノール化合物(チオフェノキサイド)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、式Ln(SRb)3で表される化合物が挙げられる。
ここで、Rbは、炭化水素基を表し、取り扱いの容易性の観点から、好ましくは炭素数1〜40の範囲のアルキル基、アルケニル基、アルキル置換もしくはアルケニル置換フェニル基、又はアルキル置換若しくはアルケニル置換ナフチル基である。
アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、分岐状、或いは環状であってもよい。
ランタン系列金属元素のアミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、式Ln(NRc2)3で表される化合物が挙げられる。
ここで、Rcは、炭化水素基を表し、取り扱いの容易性の観点から、好ましくは炭素数1〜40の範囲のアルキル基、アルケニル基、アルキル置換若しくはアルケニル置換フェニル基、又はアルキル置換若しくはアルケニル置換ナフチル基である。アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、分岐状、或いは環状であってもよい。
ランタン系列金属元素のカルボン酸化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、式Ln(OCORd)3で表される化合物が挙げられる。
ここで、Rdは、炭化水素基を表し、取り扱いの容易性の観点から、好ましくは1〜40の範囲のアルキル基、アルケニル基、アルキル置換若しくはアルケニル置換フェニル基、又はアルキル置換若しくはアルケニル置換ナフチル基である。
アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、分岐状、或いは環状であってもよい。
カルボキシル基は、炭化水素に対して、第1級、第2級及び第3級のいずれの結合であってもよい。
好ましいカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸(2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチルオクタン酸)、安息香酸、ナフテン酸、炭素数10を中心とするバーサチック酸(市販品としては、例えば、シェル化学社製、商品名「バーサチック酸10」)が挙げられる。
溶解性の観点からα位に分岐のあるカルボン酸が好ましく、具体例としては、2−エチル−ヘキサン酸、イソステアリン酸、2−イソプロピル−5−メチルヘキサン酸、バーサチック酸が挙げられる。
ランタン系列金属元素の有機リン酸化合物としては、例えば、式Ln(OPOReRf)3で表される化合物が挙げられる。
ここで、Re、Rfは、各々独立して炭化水素基を表し、取り扱いの容易性の観点から、好ましくは1〜40の範囲のアルキル基、アルケニル基、アルキル置換若しくはアルケニル置換フェニル基、又はアルキル置換若しくはアルケニル置換ナフチル基である。
アルキル基又はアルケニル基は直鎖状、分岐状、或いは環状であってもよい。
重合活性の観点から、好ましい有機リン酸化合物の具体例としては、トリス(リン酸ジ−2−エチルヘキシル)、トリス(リン酸ジノニルフェニル)が挙げられる。
ランタン系列金属元素の有機亜リン酸化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、式Ln(OPRgRh)3で表される化合物が挙げられる。
ここで、Rg、Rhは、各々独立して炭化水素基を表し、取り扱いの容易性の観点から、好ましくは炭素数1〜40のアルキル基、アルケニル基、アルキル置換若しくはアルケニル置換フェニル基、又はアルキルもしくはアルケニル置換ナフチル基である。
アルキル基又はアルケニル基は、直鎖状、分岐状、或いは環状であってもよい。重合活性の観点から、好ましい有機亜リン酸化合物の具体例としては、トリス(亜リン酸ジ−2−エチルヘキシル)、トリス(亜リン酸ジノニルフェニル)が挙げられる。
また、ランタン系列金属元素の有機化合物としては、上述した化合物2種以上の複合塩であってもよく、例えば、上述したカルボン酸化合物と有機リン酸化合物との複合塩であってもよい。
(b)有機アルミニウム化合物としては、特に限定されないが、重合活性の観点から、AlRi(3-m)Hmで表される化合物が挙げられる。
ここで、Riは、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜8の、脂肪族炭化水素基若しくは脂環族炭化水素基;又は炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12の、アルキル置換若しくはアルケニル置換芳香族炭化水素基を表す。
mは0、1又は2であり、好ましくは0又は1であり、Hは水素原子を表す。
また、有機アルミニウム化合物は、アルモキサン化合物(炭素とアルミニウムの直接結合を有し、酸素とアルミニウムの直接結合も持つ化合物)であってもよい。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルミニウムのハロゲン化物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、アルミニウムトリブロマイドが挙げられる。
共役ジエン系単量体1モルに対する成分(a)の使用量は、通常、0.005〜2.5ミリモルであり、好ましくは0.025〜0.5ミリモルの範囲である。共役ジエン系単量体1モルに対する成分(b)の使用量は、通常、0.05〜25ミリモルであり、好ましくは0.25〜5ミリモルの範囲である。共役ジエン系単量体1モルに対する成分(c)の使用量は、その分子中に含まれるハロゲン原子数で異なるものとなり、ランタン系列金属元素(Ln)1モルに対するハロゲン原子数で表し、通常、ハロゲン原子/Ln=1〜6、好ましくは1.5〜3の範囲である。
(工程1)で用いる共役ジエン系単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の炭素数4〜8の範囲の共役ジエン化合物あるいはその混合物が挙げられる。
これらの中でも、重合活性及び得られるポリマー有用性の観点から、ブタジエンが好ましい。
共役ジエン系単量体と共重合可能な他の単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン等のビニル芳香族単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体等が挙げられる。
共役ジエン系単量体と他の単量体との配合量比は、特に限定されないが、得られる共役ジエン系重合体の有用性の観点から、共役ジエン系単量体が50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
共役ジエン系単量体には、一般にアセチレン類、アレン類、アルデヒド類等の不純物が含まれる場合がある。
アセチレン類としては、1−ブチン、ビニルアセチレン等が挙げられ、アレン類としては、プロパジエン、1,2−ブタジエン等が挙げられる。したがって、共役ジエン系単量体を用いて重合反応を行う前に、共役ジエン系単量体を精製する工程(精製工程)を行うことが好ましい。
当該精製工程においては、前記共役ジエン系単量体中に不純物として含まれるアセチレン類及びアレン類の総量を、50ppm以下とすることが好ましく、20ppm以下とすることがより好ましい。
精製方法は特に限定されず、例えば、水素化、蒸留等の方法を採用することができる。かかる精製工程によって重合体末端の活性率が一層高くなるとともに、変性反応の収率も一層高くなる。
(工程(1))の重合は、通常、塊状重合又は溶液重合法によって実施される。
溶液重合法を用いる場合に使用できる重合溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン(イソヘキサン)、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、ベンゼン、トルエン等の沸点が200℃以下の直鎖状又は分岐状である脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、又は芳香族炭化水素が好ましい。
重合溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらには、メチレンクロライドやクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素や、ケトン化合物や、エーテル化合物や、トリアルキルアミン化合物等の非プロトン性の極性有機溶媒を含む混合溶媒を用いることもでき、使用する触媒等に応じて溶媒を適宜選択することにより、複合触媒の重合溶媒への溶解性や重合活性を一層向上させることができる。
(工程(1))における重合温度は、特に限定されず、通常、−30〜150℃であり、好ましくは10〜120℃であり、より好ましくは20〜80℃であり、さらに好ましくは30〜60℃である。
重合温度が高くなると、重合速度や重合率が高くなり、得られる共役ジエン系重合体のミクロ構造はビニル結合量が増える傾向にある。一方、重合温度が低くなると、1,4−シス結合の割合が多くなる傾向にあり、1,4−シス結合の多いポリマーが得られる。
また、重合に先立って、共役ジエン系単量体の共存下又は非共存下に、触媒成分の一部を組み合わせたり、あるいは全部を予備反応あるいは熟成反応させたりすることもできる。
熟成条件としては、不活性溶媒中、重合すべき共役ジエン系単量体の共存下又は非共存下で、(a)配位重合が可能な重金属化合物、(b)有機アルミニウム化合物、及び(c)ハロゲン含有ルイス酸化合物の各成分を混合する。熟成温度は−50〜80℃、好ましくは−10〜50℃であり、熟成時間は0.01〜24時間、好ましくは0.05〜5時間、特に好ましくは0.1〜1時間である。
(工程(1))の重合工程においては、1,4−シス結合が主体であり、ビニル結合(すなわち1,2−結合及び3,4−結合)が少ない共役ジエン系重合体が得られる。
ここで、「1,4−シス結合が主体」とは、共役ジエン系重合体中の1,4−シス含有量の割合が80mоl%以上であることをいい、好ましくは90mоl%以上であり、より好ましくは95mоl%以上である。すなわち、得られる共役ジエン系重合体のミクロ構造は、好ましくは、1,4−シス含有量が90mоl%以上、ビニル結合量は10mоl%以下である。
ミクロ構造は重合開始剤の組成、及び重合温度等の条件を調整することにより制御することができる。特に、ネオジムを含む重合開始剤を用いる場合、1,4−結合の内、シス結合の割合が多くなる傾向があるので、ネオジムを含む重合開始剤を用いる場合、得られる共役ジエン系重合体の1,4−シス含有量は、好ましくは90mоl%以上であり、より好ましくは95mоl%以上であり、さらに好ましくは98mоl%以上である。
共役ジエン系重合体のミクロ構造は、後述する実施例に記載の赤外分光光度計を用いて測定し、1,4−シス含有量はモレロ法を用いて算出することができる。
工程(2)においては、前記(工程(1))により得た共役ジエン系重合体と、シリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上、3級アミノ基、及びエステル基を有する化合物Aを反応させる変性工程を実施し、変性共役ジエン系重合体を得る。
この所定の重合率は、目的とする変性共役ジエン系重合体の物性に応じて適宜設定することができるが、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上とし、当該重合率に達した後に化合物Aと反応させることが好ましい。
かかる条件で反応させることにより、分子量分布が狭い均一な変性共役ジエン系重合体が得られる傾向にある。
また、必要に応じ、重合率30〜90%の間で化合物Aを分割して又は連続して添加して反応させることもできる。その場合は分子量分布が広く、変性率は高い変性共役ジエン系重合体が得られる傾向にある。
このエステル基を有していることにより、従来から用いられている変性剤と比べて、化合物Aと共役ジエン系重合体の活性末端とがより結合しやすいため、シリカ系無機充填剤と親和性の高いシリル基に結合したアルコキシ基を高変性率で導入した変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
さらにシリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上有し、かつ3級アミノ基を有しているため、本実施形態の製造方法により得られる変性共役ジエン系重合体とシリカ系無機充填剤とを含有する変性共役ジエン系重合体組成物をタイヤ用の原料ゴム等として用いた場合、フィラーの分散性、省燃費性及び耐磨耗性に優れたものになる。
化合物Aにおいて、シリル基に結合したアルコキシ基は5つ以上が好ましく、6つ以上がより好ましい。
好ましい化合物Aとしては、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
下記式(1)で表される化合物を変性剤として用いることにより、共役ジエン系重合体の活性末端と効率よく反応することができる。その結果、共役ジエン系重合体の末端に効率よく官能基の導入を行うことができ、変性率を増加させることができる。
これらの中でも、N−(メトキシカルボニルエチル)−N,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、及びN−(エトキシカルボニルエチル)−N,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンを用いることにより、変性された変性共役ジエン系重合体は、変性反応が良好に進行し、3級の窒素原子に対して等価な6個のアルコキメチル基が存在するため、シリカ系無機充填剤やカーボンとの相互作用が更に強くなり、好ましい。
また化合物Aは一度に添加してもよいし、分割してあるいは連続的に添加してもよい。
変性反応は、通常、重合温度に変性反応は前述の重合温度と同じ温度範囲で行うことができ、重合反応との温度差が10℃以内であることが好ましい温度で、数分間〜数時間行う。好ましくは5分間〜3時間の反応時間である。
ここでいう変性率は、後述する〔実施例〕に記載するように、シリカ系ゲルを充填剤としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)カラムに変性重合体が吸着する特性を利用して、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたGPCとの比較で測定することができる。
本実施形態の製造方法により得られる変性共役ジエン系重合体の変性率は、特に限定されず、所望の物性に応じて適宜調整することができるが、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。
本実施形態の製造方法においては、上述した工程(1)、工程(2)を経た後、前記重合工程を溶液重合により実施した場合には脱溶媒工程前に、必要に応じてプロセスオイルを加え、油展変性共役ジエン系重合体としてもよい。
プロセスオイルとしては、以下に限定されるものではないが、相容性の観点から、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油、IP346法による多環芳香族成分が3質量%以下であるアロマ代替油等が好ましい。これらの中でも、多環芳香族成分が3質量%以下であるアロマ代替油を用いることが、環境安全上の観点とオイルブリード防止、さらにウェットグリップ特性の観点から好ましい。
アロマ代替油としては、以下に限定されるものではないが、例えば、Kautschuk Gummi Kunststoffe 52(12)799(1999)に示されるTreated Distilled Aromatic Extract(TDAE)、Mildly or Medium Extracted Solvate(MES)等の他、Residual Aromatic Extract(RAE)、Safety or Special Residual Aromatic Extract(SRAE)等が挙げられる。
これらのプロセスオイルの使用量は、特に限定されず、通常は、変性共役ジエン系重合体100質量部に対し、10〜60質量部であり、製品のオイルブリード防止や加工性の観点から、20〜37.5質量部であることが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、必要により重合停止剤、安定剤を反応系に加え、共役ジエン系重合体の製造で用いられる公知の脱溶媒方法、乾燥操作を実施することにより変性共役ジエン系重合体を回収できる。例えば、スチームストリッピングによる脱溶媒、スクリュー押出機式絞り脱水機等の圧縮水絞機、エキスパンダー脱水機、熱風乾燥機等を用いた脱溶媒方法、乾燥操作、フラッシングタンクでの濃縮方法、さらにベント押出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法等を実施するにより、目的とする変性共役ジエン系重合体を回収できる。
重合停止剤は、水もしくはプロトン性の極性有機化合物等から選ぶことができる。
プロトン性の極性有機化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、各種のアルコール、フェノール、カルボン酸化合物を挙げることができる。
また安定剤は、公知の共役ジエン系重合体の安定剤、酸化防止剤から選ぶことができる。
これらの特に好ましい安定剤の例としては2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、N,N’−ジアルキルジフェニルアミン、N−アルキルジフェニルアミン等が挙げられる。
得られる変性共役ジエン系重合体の形態としては、特に限定されるものではないが、ベール等が挙げられる。
(構造)
本実施形態においては、工程(1)及び工程(2)を経て、目的とする変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
また、本実施形態の変性共役ジエン系重合体としては、下記式(2)又は式(3)で表される変性共役ジエン系重合体が挙げられる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、省燃費性と耐摩耗性能のバランスの観点から、10万〜70万であることが好ましく、15万〜60万であることがより好ましく、20万〜40万であることがさらに好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、耐摩耗性と加工性のバランスの観点から、20万〜80万であることが好ましく、30万〜70万であることがより好ましく、40〜60であることがさらに好ましい。
また、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の分子量分布は、特に限定されるものではないが、省燃費性能と摩耗性、及び加工性のバランスの観点から、1.5〜3.5であることが好ましく、1.7〜2.5であることがより好ましく、1.8〜2.5であることがさらに好ましい。
数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、上述した本実施形態の変性共役ジエン系重合体を10質量部以上含有するゴム成分100質量部と、シリカ系無機充填剤0.5〜300質量部と、を含有する。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、一般に、ゴム工業で通常用いられる方法で加工されゴム製品として使用される。
上記ゴム成分100質量部中、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の含有量は、省燃費性能の向上と耐摩耗性の向上の観点から、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましい。
一般的に共役ジエン系重合体はスチレン−ブタジエンのランダム共重合体(SBR)よりも引っ張り強度に優れており、変性共役ジエン系重合体の含有量が10質量部以上でもSBRの引っ張り特性や耐摩耗性を補強する効果があるが、変性された共役ジエン系重合体でない場合は、省燃費性能の低下を伴う。すなわち、変性共役ジエン系重合体であれば、省燃費性を損なうことなく、引っ張り特性と耐摩耗性を補強できる。
配合に際しては、バンバリーミキサー、ロールミル等の種々の機械的混合機が用いられる。本実施形態の変性共役ジエン系重合体は配合時のトルクが小さく、しかも混練り時間が短くても充填剤の分散がよいという利点を有する。さらに、配合生地のタックも優れており、ゴム製品の加工に好適である。
前記他のゴム材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、天然ゴムや合成ゴムが挙げられる。
合成ゴムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ローシスポリブタジエン、ビニル・シス・ブタジエンゴム(VCR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に用いられるシリカ系無機充填剤としては、SiO2、又はSi3Alを、構成単位の主成分とする固体粒子が使用できる。
主成分とは、シリカ系無機充填剤を構成する物質のうち最も含有量の多い成分を意味する。シリカ系無機充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シリカ、クレイ、タルク、マイカ、珪藻土、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ガラス繊維等の無機繊維状物質等が挙げられる。
また、表面を疎水化したシリカ系無機充填剤や、シリカ系無機充填剤とシリカ系以外の無機充填剤との混合物も使用できる。
これらの中でも、シリカ及びガラス繊維が好ましく、シリカがより好ましい。
シリカ系無機充填剤の配合量を0.5質量部以上とすることにより添加効果が有効に発現でき、300質量部以下とすることにより分散性の劣化が生じず、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物において良好な加工性、高い機械強度が得られる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、上述したシリカ系無機充填剤以外の補強性充填剤として、カーボンブラックを含有してもよい。
カーボンブラックは、SRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが使用でき、窒素吸着比表面積が50m2/g以上DBP(ジブチルフタレート)吸油量が80mL/100gのカーボンブラックが好ましい。
ドライグリップ性能や導電性等のタイヤ等の用途に求められる性能を発現するためには、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上添加することが好ましく、分散性の観点から100質量部以下とすることが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、上述したシリカ系無機充填剤やカーボンブラック以外にも、補強性充填剤として、金属酸化物や金属水酸化物を、さらに添加してもよい。
また、これらは、1種のみを単独で用いてもよく、必要に応じ2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。
シランカップリング剤は、上述したゴム成分とシリカ系無機充填剤との相互作用を緊密にする機能を有しており、ゴム成分及びシリカ系無機充填剤のそれぞれに対する親和性又は結合性を有する化合物である。
シランカップリング剤としては、一般的に、硫黄結合部分と、アルコキシシリル基部分を一分子中に有する化合物が好ましく用いられる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、ゴム用軟化剤を含有してもよい。
ゴム用軟化剤としては、鉱物油又は液状若しくは低分子量の合成あるいは植物性の軟化剤が好適に用いられる。
ゴム用軟化剤の種類は特に限定されないが、相容性と環境安全上の観点から、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油、IP346法による多環芳香族成分が3質量%以下であるアロマ代替油等であることが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、加硫剤を含有した加硫物としてもよい。
加硫剤としては、ラジカル開始剤、硫黄、硫黄化合物等が用いられる。
ラジカル開始剤としては、ペルオキシケタール類、ジアルキルペルオキシド類等の過酸化物等が挙げられる。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等が挙げられる。
硫黄化合物としては、一塩化硫黄、二塩化硫黄、有機ポリサルファイド等が挙げられる。
加硫助剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等が用いられる。
加硫促進剤としては、公知の各種の加硫促進剤が用いられ、グアニジン系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤等が用いられる。
その他の添加剤として、例えば、老化防止剤、ワックス、導電剤、着色剤等が用いられる。
老化防止剤としては、例えば、p−フェニレンジアミン系、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、キノリン系、フェノール系等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、パラフィン系の石油系ワックス等が挙げられる。
導電剤としては、例えば、金属粉末、黒鉛、炭素繊維等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、顔料、染料等が挙げられる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体は、必要に応じて、上記した成分等を配合して変性共役ジエン系重合体組成物とし、加硫して種々のゴム製品の製造に供される。
特に、タイヤ用の原料ゴムとして最適に使われ、好ましくは本実施形態の変性共役ジエン系重合体を含むタイヤとすることができる。
例えば、サイドウォールに用いた場合では、耐屈曲亀裂性、低発熱性に優れ、トレッドに用いた場合では、省燃費性と耐摩耗性、低温での柔軟性に優れ、カーカスに用いた場合では低発熱性、耐屈曲亀裂性に優れるため、いずれにおいても好ましく用いられる。
それ以外の用途として、各種工業用品、靴底等の材料としても好適に用いられる。
なお、分析方法は次に示す方法によって行った。
1,4−シス含有量は、下記重合体A〜Gを用いて、〔(1,4−シス結合量)/(不飽和結合量)〕を、赤外分光光度計(日本分光社製 フーリエ変換赤外分光光度計(FT/IR−4100)を用いて測定し、モレロ法にてデータ処理して求めた。
JIS K6300−1に従い、L型ローターを用い、予熱を1分間行い、その4分後の粘度を測定した。なお、測定温度は、100℃で行った。
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラム3本連結して用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用してクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線により得られる保持容量と分子量の関係から、常法に従い、各分子量範囲の全ピーク面積に対する頻度を算出し、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布を計算した。
溶離液はテトラヒドロフラン(THF)を使用した。
カラムは、ガードカラム;東ソー社製、「TSK guard column HHR−H」、カラム;東ソー社製「TSK−Super H 7000」、「TSK−Super H 6000」、「TSK−Super H 5000」、オーブン温度:40℃、THF流量0.6mL/分、東ソー製:HLC−8020、検出器;RIを使用した。
測定用試料は、10mgを20mLのTHFに溶解したものを用い、20μL注入して測定した。
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した成分が吸着する特性を応用し、試料及び低分子量内部標準ポリスチレン分子量5000(ポリスチレンは吸着しない)を含む試料溶液を用い、上記(3)で用いたポリスチレン系ゲル(東ソー社製:TSK)のGPC(東ソー社製:HLC−8020)と、シリカ系カラム(ガードカラム;「DIOL」 4.6×12.5mm 5micron、カラム;「Zorbax PSM−1000S」、「PSM−300S」、「PSM−60S」、オーブン温度:40℃、THF流量0.5mL/分)のGPC(東ソー社製:「CCP8020」シリーズ ビルドアップ型GPCシステム;「AS−8020」、「SD−8022」、「CCPS」、「CO−8020」、「RI−8021」)の両クロマトグラムを測定し、内部標準ポリスチレンピークを基準として、それらの差分より、シリカカラムへの吸着量を測定し、カップリング反応率を求めた。
測定用試料としては、共通して、測定対象10mgを、標準ポリスチレン5mgとともに20mLのTHFに溶解したものを用い、200μL注入して測定を行った。
具体的には、ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピークの面積の全体を100として、サンプルピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2とし、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、サンプルピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、それぞれ求め、変性率は、下記式により算出した。
変性率(%)=〔1−(P2×P3)/(P1×P4)〕×100
十分に乾燥した300mL耐圧ミニボンベの内部を乾燥窒素で十分に置換した。
そこに、1,3−ブタジエン20gを含む20質量%のシクロヘキサン溶液130mL、及び、予めイソステアリン酸(和光純薬工業社製、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチルオクタン酸)のナトリウム塩と塩化ネオジムを反応させて得られたイソステアリン酸ネオジム2.7mmolを含む30質量%のシクロヘキサン溶液11.7mLを挿入して、室温で5分間振とうした。
続いて、ジイソブチルアルミニウムハイドライド22.5mmolを含む1モル濃度のヘキサン溶液22.5mLを更に加えて振とうした後、5分間静置した。
エチルアルミニウムセスキクロライドの1モル濃度のヘキサン溶液8.1mLを、Cl/Nd(モル比)=2となるように加えて振とうした後、20分間静置することで配位重合開始剤溶液を調製した。
次に、十分に乾燥した内容積11Lの攪拌機付き耐圧オートクレーブの内部を乾燥窒素で十分置換した。
そこに、900gの1,3−ブタジエンを含む6kgのシクロヘキサン混液をオートクレーブ内に仕込み、あらかじめ調製した配位重合開始剤溶液を170mL加えて、50℃で2時間重合を行った。
重合反応後、変性剤としてN−(メトキシカルボニルエチル)−N,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンを3.8mmol添加し、50℃で1時間反応させた。
その後、2,6−ビス(tert−ブチル)−4−メチルフェノール5gを含むメタノール/シロクヘキサン混合溶液(30/70)100mLを加えて反応を停止させた。
ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体Aを得た。
得られた重合体Aの分析結果を表1に示す。
グローブボックス内でランタノイドーアルミニム架橋錯体Nd[(μ−Me2)AlMw2]3(日亜化学社製)を0.04g(0.11mmol)秤量し、サンプル瓶中でシクロヘキサン20mLに溶解させた。
メチルアルミノキサン(東ソーファインケム社製、TMAO−211 1.6M)を、4.6mL(5.4mmol)加えて30分撹拌させた。
ジイソブチルアルミニウムハイドライド(関東化学、1.0M、ヘキサン溶液)1.26mL(1.3mmol)を加え、10分間撹捍した。
その後にジエチルアルミニウムクロライド(東ソーファインケム社製、1.6M、ヘキサン溶液)を0.13mL(0.22mmol)加え、15分間静置することで配位重合開始剤溶液を調製した。
次に、十分に乾燥した内容積5Lの攪拌機付き耐圧オートクレーブの内部を乾燥窒素で十分置換した。そこに、210gの1,3−ブタジエンを含む2.4kgのシクロヘキサン混液をオートクレーブ内に仕込み、あらかじめ調製した開始剤溶液を全量加えて、50℃で1時間重合を行った。
重合反応後、変性剤としてN−(メトキシカルボニルエチル)−N,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンを1.3mmol添加し、50℃で2時間反応させた。
その後、2,6−ビス(tert−ブチル)−4−メチルフェノール5gを含むメタノール/シロクヘキサン混合溶液(30/70)30mLを加えて反応を停止させた。
ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体Bを得た。
得られた重合体Bの分析結果を表1に示す。
変性剤であるN−(メトキシカルボニルエチル)−N,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンの添加量を0.6mmolに変更した。その他の条件は、〔実施例2〕と同様の方法で重合体Cを得た。
得られた重合体Cの分析結果を表1に示す。
グローブボックス内でコバルトオクテートを0.33mmol秤量し、サンプル瓶中でシクロヘキサン20mLに溶解させた。
メチルアルミノキサン(東ソーファインケム社製、TMAO−211 1.6M)を、20.2mL加えて30分撹拌させた。
ジイソブチルアルミニウムハイドライド(関東化学、1.0M、ヘキサン溶液)1.26mL(1.3mmol)を加え、10分間撹捍することで配位重合開始剤溶液を調製した。
次に、十分に乾燥した内容積5Lの攪拌機付き耐圧オートクレーブの内部を乾燥窒素で十分置換した。
そこに、210gの1,3−ブタジエンを含む2.4kgのシクロヘキサン混液をオートクレーブ内に仕込み、あらかじめ調製した配位重合開始剤溶液を全量加えて、50℃で1時間重合を行った。
重合反応後、変性剤としてN−(メトキシカルボニルエチル)−N,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンを1.3mmol添加し、50℃で2時間反応させた。
その後、2,6−ビス(tert−ブチル)−4−メチルフェノール5gを含むメタノール/シロクヘキサン混合溶液(30/70)30mLを加えて反応を停止させた。
ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体Dを得た。
得られた重合体Dの分析結果を表1に示す。
前記「イソステアリン酸ネオジム2.7mmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド22.5mmol」に代えて、イソステアリン酸ネオジム2.2mmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド18mmolとし、変性剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学 工業社製、商品名「KBM−403」)11mmolを用いた。その他の条件は、実施例1と同様の方法で重合体Eを得た。
得られた重合体Eの測定結果を表1に示す。
エステル基の無い変性剤では、重合体の末端が全く変性されず、変性率は0であった。
十分に乾燥した300mL耐圧ミニボンベの内部を乾燥窒素で十分に置換した。
そこに、1,3−ブタジエン20gを含む20質量%のシクロヘキサン溶液130mL、及び、予めイソステアリン酸(和光純薬工業社製、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチルオクタン酸)のナトリウム塩と塩化ネオジムを反応させて得られたイソステアリン酸ネオジム2.1mmolを含む30質量%のシクロヘキサン溶液9.1mLを挿入して、室温で5分間振とうした。
続いて、ジイソブチルアルミニウムハイドライド22.5mmolを含む1モル濃度のヘキサン溶液22.5mLを更に加えて振とうした後、5分間静置した。
エチルアルミニウムセスキクロライドの1モル濃度のヘキサン溶液6.3mLを、Cl/Nd(モル比)=3となるように加えて振とうした後、20分間静置することで配位重合開始剤溶液を調製した。
次に、十分に乾燥した内容積11Lの攪拌機付き耐圧オートクレーブの内部を乾燥窒素で十分置換した。
そこに、900gの1,3−ブタジエンを含む6kgのシクロヘキサン混液をオートクレーブ内に仕込み、あらかじめ調製した配位重合開始剤溶液167mLを加えて,50℃で2時間重合を行った。
重合反応後、2,6−ビス(tert−ブチル)−4−メチルフェノール5gを含むメタノール/シロクヘキサン混合溶液(30/70)100mLを加えて反応を停止させた。
ドラムドライヤーを用いて溶剤を除去し、重合体Fを得た。
得られた重合体Fの分析結果を表1に示す。
前記「イソステアリン酸ネオジム2.7mmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド22.5mmol」に代えて、イソステアリン酸ネオジム2.2mmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド18mmolとし、変性剤としてN−(2−エトキシカルボニル)エチル−N−メチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン:11mmolを用いた。その他の条件は、実施例1と同様の方法で重合体Gを得た。
得られた重合体Gの測定結果を表1に示す。
下記の表2に示す割合で原材料を配合し、槽温度130℃に設定して、モリヤマ社製、加圧型ニーダー「D0.3−3型」を用いて、第一段混練りとして、原料ゴム(共役ジエン系重合体、スチレン・ブタジエン(SBR;旭化成ケミカルズ社製、「アサプレンE15」天然ゴム(素練りによりムーニー粘度60に調整したもの))、SRAEオイル、シリカ(エボニックデグサ社製、「ウルトラジルVN3」)、シランカップリング剤(エボニックデグサ社製、「Si75」)の順に投入して4分間混練りした。
その後、約160℃でダンプアウトし、ロール通しして冷却した。
続いて、第二段混練りとして、硫黄と加硫促進剤を除く残りの原材料を投入して3分間混練りした。
約160℃でダンプアウトし、ロール通しして、冷却した。
冷却後、ロールを用いて、70℃で硫黄(細井化学社製)及び加硫促進剤(大内新興化学工業社製、「ノクセラーCZ−G」及び「ノクセラーDP」)を加え、170℃、12分間の条件で加硫を行い、加硫ゴム組成物を得た。
各実施例及び比較例における配合例(S−1〜S−4)を下記表2に示し、各実施例及び各比較例において得られた加硫前のゴム組成物及び加硫ゴム組成物の性能の評価結果を下記表3及び表4に示す。
(1)配合物ムーニー粘度
上述した加硫前のゴム組成物のムーニー粘度を、ムーニー粘度計を使用し、JIS K6300−1に従い、L型ローターを用い、100℃で、予熱を1分間行った後に、毎分2回転で回転させ、4分後の粘度を測定した。
ムーニー粘度が小さい値であると、混練時に消費エネルギーが小さく加工性が良好であると判断した。
第二段混練工程の終了後のゴム組成物:約0.2グラムを約1mm角状に裁断し、ハリスかご(100メッシュ金網製)へ入れ、質量を測定した。
その後、トルエン中に24時間浸せき後、乾燥処理を施し、質量を測定した。
非溶解成分の量から充填剤に結合したゴム(変性共役ジエン系重合体、SBR、天然ゴム)の量を計算し、最初の配合物中のゴム量に対する充填剤と結合したゴムの割合を求めた。
数値が大きいほどバウンドラバー量が多いことを示す。
上述した加硫ゴム組成物を成形した加硫試験片を用いて、JIS K6251の引張試験法により測定した。
数値が大きいほど耐破壊性に優れることを示す。
上述のようにして製造した加硫ゴム組成物を用いて、TAインスツルメント社製、「ARES粘弾性試験機」を使用し、ねじり方式によって、低温(0℃)の場合と高温(50℃)の場合のそれぞれにおいて歪を変化させて、測定周波数10Hzでのtanδを測定した。低温(0℃)の場合、歪1%でtanδを測定し、高温(50℃)の場合、3%、tanδを測定した。
低温(0℃)、歪1%で測定したtanδ(損失正接)の高いものほど、ウェットスキッド抵抗性(すなわちグリップ性能)が優れているものと判断し、下記表3では比較例5、下記表4では比較例7を基準値:100とする指数で評価した。
そして、高温(50℃)、歪3%で測定したtanδ(損失正接)の低いものほどヒステリシスロスが少なく、タイヤの低転がり抵抗性(すなわち省燃費性)に優れているものと判断し、表3では比較例5、表4では比較例7を、基準値:100とする指数で評価した。
フィラー分散性は高温(50℃)での歪が小さい場合(0.1%)のG’と歪が大きい場合(10%)のG’の差をもって算出されるΔG’で評価し、値が小さいほど優れていると判断した。
耐摩耗性は、安田精機製作所製、「アクロンゴム摩耗試験機」を使用し、上述のようにして製造した加硫ゴム組成物を用いて、JIS K6264−2に従い、試験方法A、荷重44.1N、3000回転の摩耗量を測定した。
表3では比較例5、表4では比較例7を基準値:100とする指数で評価した。
指数が高いほど摩耗量が少なく、耐摩耗性が良好であると判断した。
Claims (7)
- 工程(1):配位重合開始剤を用いて、共役ジエン系単量体を重合させて共役ジエン系重合体を得る工程と、
工程(2):前記共役ジエン系重合体と、シリル基に結合したアルコキシ基を4つ以上、3級アミノ基、並びにエステル基を含有する化合物Aとを反応させる工程と、
を、有する変性共役ジエン系重合体の製造方法。 - 前記配位重合開始剤が、ランタン系列金属元素の有機化合物を含有する、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法によって得られる変性共役ジエン系重合体。
- 下記式(2)又は(3)で表される、請求項4に記載の変性共役ジエン系重合体。
・・・(2)
(式(2)中、Pは1,4−シス含有量が80mоl%以上の共役ジエン系重合体であり、
R2〜R5は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数が6〜20のアリール基を表し、
R6〜R8は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、mとrの和が4以上である。)
・・・(3)
(式(3)中、Pは1,4−シス含有量が80mоl%以上の共役ジエン重合体であり、
R2〜R5は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数が6〜20のアリール基を表し、
R6〜R8は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、rは1〜3の整数であり、mとrの和が4以上である。) - 請求項4又は5に記載の変性共役ジエン系重合体を10質量部以上含有するゴム成分100質量部と、
シリカ系無機充填剤0.5〜300質量部と、
を、含む変性共役ジエン系重合体組成物。 - 請求項6に記載の変性共役ジエン系重合体組成物を含むタイヤ。
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