JP2016017428A - 送風装置 - Google Patents

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将宗 松田
Masamune Matsuda
将宗 松田
益子 耕一
Koichi Masuko
耕一 益子
後藤 和彦
Kazuhiko Goto
和彦 後藤
川原 洋司
Yoji Kawahara
洋司 川原
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Abstract

【課題】内容積を変化させて気流を生じる気流発生部における吸排気口での空気の吸排気量を増大させる。
【解決手段】吸排気口P以外がシールされた中空薄板状に形成された気流発生部10を備え、気流発生部10が圧電素子12の圧電効果を利用して厚さ方向に振動する振動板11によって内容積を変化させることにより吸排気口Pからの吸排気を行うように構成された送風装置1において、区画部20の仕切り板21によって吸排気口Pの前方領域Eが幅方向で正圧範囲E1と負圧範囲E2とに区画されるように構成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、内容積を変化させて開口部から空気を吐き出すファンを備えた送風装置に関するものである。
従来、圧電素子による圧電効果を利用して気流を発生させるファンが知られている。圧電効果には、圧電素子が外力で変形することにより電圧を生じる現象と、圧電素子に電圧を印加することにより圧電素子が変形する現象とが含まれることが周知である。
例えば、特許文献1には、圧電効果によって振動する振動板が振動方向に対向するように配置された中空構造のピエゾファンが記載されている。また、ピエゾファンは、中空構造の一面のみが開口部として開口する以外はシールされた構造に形成されている。したがって、振動板が振動することによりピエゾファンの内容積が変化して開口部で気流を生じることができる。
特開2014−13019号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたピエゾファンでは開口部が吸気口と排気口とを兼ねるため、排気時の排気流が吸気流の影響を受けてしまう。さらに、吸気時の吸気流が排気流の影響を受けてしまう。その影響でピエゾファンの吸排気量が減少する可能性がある。
さらに、特許文献1のピエゾファンは一対の振動板が厚さ方向で対向する薄型の中空構造である。そのため、ピエゾファンが駆動した際、内容積の変化量が少ない。したがって、上述したように吸排気量が減少すると冷却性能が低下してしまう。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、内容積を変化させて開口部で気流を生じる気流発生部において、同一の開口部を吸気口および排気口とする場合の吸排気量を増大させることができる送風装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、中央に圧電素子が設けられた振動板を有し、上壁と下壁との少なくともいずれか一方が厚さ方向に振動する前記振動板によって形成され、かつ前記振動板の前方端からなる開口端に形成された吸排気口以外がシールされた中空薄板状に形成された気流発生部を備え、前記気流発生部は、前記圧電素子の圧電効果により前記厚さ方向に振動する前記振動板によって内容積を変化することにより前記吸排気口から空気を吸引し、または排出するように構成された送風装置において、前記吸排気口は、前記厚さ方向に直交する幅方向の寸法が前記厚さ方向の寸法よりも大きい開口断面形状に形成され、前記吸排気口の前方領域は、前記振動板が所定時間継続して振動した場合の前記吸排気口での吸排気に伴うゲージ圧力の時間積算値が、前記吸排気口から空気を排出する方向に気流を生じさせる正の値となる正圧範囲と、前記時間積算値が前記吸排気口から空気を吸引する方向に気流を生じさせる負の値となる負圧範囲を含み、前記厚さ方向および前記吸排気口からの空気を排出する方向に延びるように形成された一対の仕切り板を備え、前記一対の仕切り板は、前記幅方向において前記前方領域のうち前記正圧範囲と前記負圧範囲とを区画するように配置され、かつ前記幅方向で対向し、前記仕切り板により区画された前記正圧範囲は、前記幅方向で前記吸排気口の中央領域を含み、前記仕切り板により区画された前記負圧範囲は、前記幅方向で前記中央領域の両側に配置する前記吸排気口の両端領域を含むように構成されていることを特徴とするものである。
この発明は、上記の発明において、前記幅方向において、前記一対の仕切り板の間には複数のフィンが配置され、前記フィンは、前記厚さ方向および前記吸排気口からの空気を排出する方向に延びるように形成されていることを特徴とする送風装置である。
この発明は、上記の発明において、前記仕切り板は、前記フィンよりも前記吸排気口側に突出するように配置されていることを特徴とする送風装置である。
この発明は、上記の発明において、前記振動板が厚さ方向に振動する際、前記厚さ方向において当該振動板が前記仕切り板の両端部を超えないように構成されていることを特徴とする送風装置である。
この発明は、上記の発明において、前記一対の仕切り板は、幅方向において、前記吸排気口における幅方向の寸法に対して15〜50%の長さに間隔を空けて配置されていることを特徴とする送風装置である。
この発明によれば、吸排気口の前方領域に配置された仕切り板によって、前方領域を吸排気口から空気を排出する方向と直交する幅方向で正圧範囲と負圧範囲とに区画することができる。これにより、同一の開口端を吸排気口とする場合であっても、圧力勾配が生じることを低減でき排気流と吸気流とが影響し合うことを抑制できるので、気流発生部の吸排気量を増大させることができる。
この発明によれば、上記発明の効果に加え、複数のフィンにより正圧範囲内を通過する気流の方向を整流することができる。また、複数のフィンを通過した排気流の方向が整っているので送風性能が向上する。
この発明によれば、上記発明の効果に加え、一対の仕切り板により吸排気口付近で排気流が吸気流の影響を受けることを抑制できる。
この発明によれば、上記発明の効果に加え、吸排気口の中央領域から排出される空気を正圧範囲内へ流すことができる。また、排気流が厚さ方向で仕切り板を乗り越えて正圧範囲から負圧範囲へ流出することを抑制できる。
この発明によれば、上記発明の効果に加え、一対の仕切り壁部における幅方向間隔が、吸排気口における幅方向の寸法に対して15〜50%の長さに設定されることにより、圧力勾配が生じること低減でき、冷却性能を向上させることができる。
この発明の一例における送風装置を模式的に示した説明図である。 図1に示す送風装置を表した斜視図であって、説明の便宜上、各構成を前後方向に離して図示した説明図である。 (a)は気流発生部を厚さ方向に分解した説明図である。(b)は図1に示すA−A断面を模式的に示した断面図である。 (a)は排気時の振動板における前方端および吸排気口の開口断面を模式的に示した説明図である。(b)は吸気時の振動板における前方端および吸排気口の開口断面を模式的に示した説明図である。 区画部を前方領域に設けなかった場合における吸排気口付近での吸排気に伴うゲージ圧力分布について吸排気口の開口幅で示した説明図である。 図1に示すB−B断面を模式的に示した断面図である。 区画部を吸排気口側から冷却対象部材に向かって見た場合を模式的に示した斜視図である。 所定時間継続して気流発生部を駆動させた場合に前方領域内で生じる気流の方向を示した説明図である。 図8に示す状態を所定時間継続させた場合の吸排気口付近でのゲージ圧力分布について吸排気口の開口幅で示した説明図である。 各実施例における冷却性能を比較例と比較した場合を示した説明図である。
(1.送風装置)
以下、図面を参照して、この発明の一例における送風装置について具体的に説明する。図1に示すように、この具体例の送風装置1は、内容積が変化することにより吸排気口Pで気流を発生させる気流発生部(ファン)10と、吸排気口Pの前方領域Eを幅方向で区画する区画部20とを備えている。
前方領域Eとは、吸排気口Pを形成する開口端を前方へ延ばした場合、その延長線に囲まれる空間である。言い換えれば、前方領域Eとは、吸排気口Pの開口断面を前方へ延ばした場合、その延長線上に該当する空間である。
図1に示す白抜き矢印は、気流発生部10の吸排気口Pから吐き出される空気の流れ(以下「排気流」)Fexを示している。排気流Fexは、吸排気口Pの前方領域Eで生じ、区画部20が配置された前方領域E内を前後方向へ通過するように構成されている。
また、この具体例では、区画部20の前方に冷却対象部材30が配置されている。図1に示すように、排気流Fexが冷却対象部材30に吹き付けられるように構成されている。つまり、区画部20は前後方向で通気可能に構成されている。
例えば、送風装置1はノートパソコンやスマートホンなど薄型の携帯端末に適用でき、その携帯端末の筐体内に設置されて冷却装置として機能する。冷却対象部材30の一例として、薄型携帯端末のCPUなどの熱源と熱的に接続された放熱部がある。
(2.気流発生部)
ここで、図2,図3を参照して、気流発生部10の構造について説明する。図2では、説明の便宜上、図1に示す送風装置1の配置よりも気流発生部10と区画部20と冷却対象部材30とをそれぞれ前後方向に離して図示している。また、図2に示す気流発生部10は停止中である。
なお、図2中の上下方向を厚さ方向として説明する。また、厚さ方向と直交する方向を幅方向とする。さらに、厚さ方向および幅方向と直交する方向を前後方向とする。また、気流発生部10の厚さ方向と平行な場合、他の構成部材についても厚さ方向を用いて説明する場合がある。
図2に示すように、気流発生部10は、吸排気口Pのみが開口した中空薄板状のシール構造に形成されている。具体的には、気流発生部10は、四角形状の金属製薄板からなる振動板11と、振動板11の中央部分に設けられた圧電素子12とを備えている。圧電素子12は、図示しない電子制御装置と電気的に接続されている。
例えば、振動板11はステンレス鋼やアルミニウムなどにより構成される。圧電素子12は、圧電効果を発揮する周知のものであり、水晶やセラミックなどの部材を挟んで電極が設けられている。
振動板11は、気流発生部10の上壁となる上振動板11Aと、気流発生部10の下壁となる下振動板11Bとを含む。一対の振動板11A,11Bは、幅方向で平行に配置され、厚さ方向で対向している。図2に示すように、厚さ方向において、一対の振動板11A,11Bが所定間隔を空けて配置される。つまり、上下壁を構成する各振動板11A,11Bによって、気流発生部10の中空薄板状が形成され、かつ気流発生部10の厚さが決定される。なお、上振動板11Aと下振動板11Bとを区別しない場合には、単に振動板11と記載して説明する。
また、上振動板11Aの前方端11cと、下振動板11Bの前方端11cとは、幅方向で平行に延びている。つまり、気流発生部10が停止中、吸排気口Pの開口断面形状は、幅方向を長手方向とする長方形状となる。吸排気口Pは、幅方向の寸法(以下「開口幅」という)Wが厚さ方向の寸法(以下「開口高さ」)hよりも大きい開口形状に形成されている。したがって、停止時は、幅方向で吸排気口Pにおけるいずれの領域も、前方端11c同士の厚さ方向間隔(開口高さh)が一定となる。
図3(a)に示すように、圧電素子12が上振動板11Aの上面中央部分に設けられ、かつ下振動板11Bの下面中央部分に設けられている。さらに、各振動板11A,11Bは、四辺の周縁部のうち三辺の周縁部11a,11b,11aがシール部材13によってシールされている。例えば、シール部材13はシリコンなどの樹脂材料により構成される。
周縁部11aは、振動板11における幅方向の両端部である。周縁部11aは前後方向に延びている。両端シール部材13aが上振動板11Aの周縁部11aと下振動板11Bの周縁部11aとをシールする。
周縁部11bは、振動板11における前後方向の後方端である。周縁部11bは幅方向に延びている。後方シール部材13bが上振動板11Aの周縁部11bと下振動板11Bの周縁部11bとをシールする。
つまり、前方端11cは、シールされていない残り一辺の周縁部であって、気流発生部10における開口端を形成する。その開口端が吸排気口Pとなる。
また、図3(b)に示すように、中空構造に形成された気流発生部10内では、厚さ方向で各振動板11に挟まれた内部空間Vが形成されている。振動板11が厚さ方向に振動することにより内部空間Vの容積が変化することになる。内部空間Vは吸排気口Pのみを介して気流発生部10の外部と通気可能に構成されている。
したがって、振動板11が厚さ方向に振動して内部空間Vの容積が変化すると、吸排気口P付近の前方領域Eで気流が発生する。なお、以下の説明において、内部空間Vの容積を説明する際に内容積Vと記載する場合がある。
気流発生部10では、圧電素子12に電圧を印加して圧電効果が生じることにより圧電素子12が変形する。圧電効果で圧電素子12が変形することで振動板11が変形する。圧電素子12が振動板11の中央部分に設けられているので、振動板11における幅方向の中央部Cが厚さ方向に最も大きく変形することになる。要は、圧電素子12の圧電効果を利用して振動板11が厚さ方向に振動するように構成されている。したがって、圧電素子12の交流電圧を印加することにより振動板11は厚さ方向で往復動作するように振動する。
例えば、気流発生部10は、上振動板11Aの圧電素子12に印加する交流電圧と、下振動板11Bの圧電素子12に印加する交流電圧とを同期させている。つまり、各振動板11A,11Bは変形が同期した振動状態となる。気流発生部10は、振動板11が厚さ方向に振動することにより内容積Vが変化し、内容積Vの変化に応じて吸排気口Pで気流が生じるように構成されている。
(3.振動中の気流発生部)
次に、駆動中の気流発生部10について説明する。排気時の振動板11は、停止時の振動板11よりも他方の振動板11側に接近するように変形している。つまり、排気時の振動板11は、厚さ方向において、上振動板11Aが下振動板11Bに近づく方向へ動作し、かつ下振動板11Bが上振動板11Aに近づく方向へ動作する。振動板11同士が厚さ方向で接近することによって内容積Vが停止時よりも減少するので、気流発生部10内の空気を吸排気口Pから排出(以下「排気」という)する。
吸気時の振動板11は、停止時の振動板11よりも他方の振動板から離れるように変形している。つまり、吸気時の振動板11は、厚さ方向において、上振動板11Aが下振動板11Bから離れる方向へ動作し、かつ下振動板11Bが上振動板11Aから離れる方向へ動作する。振動板11同士が厚さ方向で離れることによって内容積Vが停止時よりも増大するので、気流発生部10外の空気を吸排気口Pから吸引(以下「吸気」という)する。
要は、気流発生部10が駆動すると、内容積Vの増大と内容積Vの減少とを交互に繰り返すことになる。振動板11が所定時間継続して振動することにより気流発生部10は吸気と排気とを交互に繰り返すことになる。
さらに、図4を参照して、吸排気時の開口断面形状について説明する。図4(a)は排気時の吸排気口Pにおける開口断面形状を示している。図4(b)は吸気時の吸排気口Pにおける開口断面形状を示している。図4に示す破線は、停止中の気流発生部10における振動板11の前方端11cの位置を示している。また、図4に示す一点鎖線は、吸排気口Pの領域を幅方向で区画する境界線である。
図4に示すように、排気時の開口断面積は、停止時の開口断面積よりも小さくなる。また、吸気時の開口断面積は、停止時の開口断面積よりも大きくなる。
前方端11cでは、幅方向で両端となる各周縁部11aが節となる。また、前方端11cのうち幅方向で周縁部11a,11a同士の間、すなわち幅方向で中央となる中央部Cを含む部分が腹となる。したがって、幅方向において、前方端11cのうち中央部Cが厚さ方向への最大振幅(最大動作量)となる。
図4(a)に示す排気時、各振動板11A,11Bにおける前方端11cは全体部分が、停止時よりも開口高さhを狭める方向へ変位する。排気時、前方端11cにおける厚さ方向の変位量について幅方向で比較すると、中央側が両端側よりも大きくなる。特に、各前方端11cのうち上振動板11Aの中央部Cと下振動板11Bの中央部Cとが厚さ方向で最も接近する。すなわち、吸排気口Pの開口高さhについて幅方向で比較すると、幅方向の中央領域P1が両端領域P2よりも小さくなる。
中央領域P1および両端領域P2とは、吸排気口Pの開口断面における一部の領域を表すものである。また、開口幅Wにおける中央側を中央領域P1、両端側を両端領域P2と表現できる。中央領域P1とは、吸排気口Pのうち振動板11の中央部Cを含む所定範囲の開口領域である。両端領域P2とは、吸排気口Pのうち、幅方向において振動板11の各周縁部11aから中央部C側へ向かう所定範囲の開口領域である。したがって、幅方向において、中央領域P1の両側に両端領域P2が位置する。すなわち、両端領域P2は、幅方向において中央領域P1を挟むようにして二箇所に存在する。
例えば、図4に示す一点鎖線を境界線として、吸排気口Pの開口断面を幅方向で中央領域P1と両端領域P2とに分けることができる。したがって、上述した排気時、中央領域P1における開口面積の変化量は両端領域P2よりも大きくなる。
また、図4(b)に示す吸気時、前方端11cのうち上振動板11Aの中央部Cと下振動板11Bの中央部Cとが厚さ方向で最も離れる。したがって、吸排気口Pの開口高さhは、中央領域P1の開口高さが両端領域P2の開口高さよりも大きくなる。
図4(b)に示す吸気時、各振動板11A,11Bにおける前方端11cは全体部分が、停止時よりも開口高さhを広げる方向へ変位する。吸気時、前方端11cにおける厚さ方向の変位量について幅方向で比較すると、中央側が両端側よりも大きくなる。特に、各前方端11cのうち上振動板11Aの中央部Cと下振動板11Bの中央部Cとが厚さ方向で最も離れる。すなわち、吸排気口Pの開口高さhについて幅方向で比較すると、中央領域P1が両端領域P2よりも大きくなる。したがって、吸気時、中央領域P1における開口面積の変化量は両端領域P2よりも大きくなる。
(4.ゲージ圧力分布)
ここで、図5を参照して、吸排気口Pの前方領域Eに区画部20が設けられていない場合において、吸排気口P付近のゲージ圧力分布について説明する。
図5は、気流発生部10を所定時間継続して駆動させた場合、吸排気口P付近のゲージ圧力分布を示している。また、図5に示すゲージ圧力分布は、区画部20を設けていない場合である。図5の縦軸は、吸排気口P付近で生じる吸排気に伴うゲージ圧力の時間積算値である。図5の横軸は、吸排気口P付近の前方領域Eを幅方向で示している。なお、図5に示す縦軸を前方領域Eで生じる気流の速度とみなせる。
図5に示すように、各振動板11が所定時間継続して振動した場合、吸排気口Pの中央領域P1ではゲージ圧力が正圧となり、両端領域P2ではゲージ圧力が負圧となる。
正圧とは、吸排気口Pから前方へ向かう気流(以下「正気流」という)F1が生じるゲージ圧力の状態である。すなわち、正圧状態では吸排気口Pが排気することになる。また、負圧とは、吸排気口Pへ向けて前方から後方へ向かう気流(以下「負気流」という)F2が生じるゲージ圧力の状態である。すなわち、負圧状態では吸排気口Pが吸気することになる。
また、図5には、所望の正圧状態を正圧G1,所望の負圧状態を負圧G2として示してある。さらに、図5に示すように、正圧G1と負圧G2との間でゲージ圧力の勾配(以下「圧力勾配」という)が生じている。圧力勾配は、幅方向において、ゲージ圧力の正負が逆転する境界部分を含む所定の範囲(以下「勾配範囲」という)Zで存在している。
圧力勾配は、図1に示す吹き出し方向(前方向)に対して垂直な方向(幅方向)で生じている。つまり、吸排気口Pの開口幅Wのうち所定幅の勾配範囲Zで圧力勾配が生じていることになる。
具体的には、図1に示すように、圧力勾配は、開口幅Wにおいて中央部Cよりも両端側、かつ両端よりも中央部C側に位置する勾配範囲Zで生じる。また、ゲージ圧力が中央領域P1で正圧G1、かつ両端領域P2で負圧G2となるため、勾配範囲Zは開口幅W内に二箇所存在する。
したがって、圧力勾配によって、吸排気口Pから前方向に吹き出した空気の一部が吹き出し方向(前方向)とは垂直な方向(幅方向)へ流れてしまい、気流発生部10における空気の吸排気量が減少してしまう。あるいは、圧力勾配によって、吸排気口Pの前方領域Eにおける正圧が低下してしまう等の影響が生じる。
(5.区画部)
そこで、この具体例では、上述した圧力勾配を低減するために、区画部20が吸排気口Pの前方領域Eに設けられている。区画部20は、気流発生部10により吸排気口Pの前方領域Eで生じた気流の向きを幅方向で区画するように機能する。
区画部20は、幅方向で二箇所の勾配範囲Z内に配置された一対の仕切り板21と、仕切り板21を支持する支持部材22とを備えている。仕切り板21は、前後方向に平行に延びるように形成されている。図1などに示すように、仕切り板21は支持部材22から吸排気口P側(後方側)へ突出している。また、図1などに示すように、幅方向において、一対の仕切り板21が所定の幅方向長さとなる間隔(以下「幅方向間隔」という)Lを空けて対向するように配置されている。
例えば、幅方向間隔Lは、吸排気口Pの開口幅Wに対して15〜50%の長さに設定できる。望ましくは、幅方向間隔Lは開口幅Wに対して30%の長さに設定される。また、幅方向間隔Lは、幅方向において中央部Cを含む範囲に設定される。例えば、一対の仕切り板21が上述した30%の長さに設定される場合、中央部Cの幅方向両側には、中央部Cから開口幅Wに対して15%の長さの位置に各仕切り板21が配置される。すなわち、中央部Cと、幅方向間隔Lの中央部分とが、幅方向で同じ位置になるように、気流発生部10と区画部20とを配置することができる。
また、支持部材22として、例えば気流発生部10を収容する薄型携帯端末の筐体や、その筐体に取り付けられる部材などがある。つまり、仕切り板21は筐体に直接取り付けられてもよい。
図1に示すように、前方領域Eは幅方向において、区画部20の仕切り板21によって、ゲージ圧力が正圧となる範囲(以下「正圧範囲」)E1と、ゲージ圧力が負圧となる範囲(以下「負圧範囲」)E2とに区画される。つまり、幅方向において、前方領域Eの正圧範囲E1と吸排気口Pの中央領域P1とが重なるように配置する。同様に、幅方向において、前方領域Eの負圧範囲E2と両端領域P2とが重なるように配置する。
このように、送風装置1では、一対の仕切り板21が前方領域E内を幅方向で区画している。そのため、吸排気口Pの中央領域P1から吹き出した空気が、仕切り板21によって両端領域P2により吸い込まれる気流からの影響を受けなくなる。つまり、送風装置1によれば、気流発生部10が所定時間継続して駆動した場合、前方領域Eを幅方向で正圧範囲E1と負圧範囲E2と明確に区画することができる。したがって、仕切り板21を設けることによって、仕切り板21がない場合と比べて、気流発生部10による吸排気量を増大させることができる。
さらに、図6に示すように、前後方向において、仕切り板21の後方端21aは、振動板11の前方端11cと接触しない程度の近さに配置される。すなわち、仕切り板21の後方端21aは前後方向で吸排気口Pの近傍に配置されている。振動板11の前方端11cと仕切り板21の後方端21aとが接触しないため、仕切り板21が振動板11の厚さ方向の動作を妨げることがない。
仕切り板21の厚さ方向長さ(以下「仕切り高さ」という)Hは、吸排気口Pの開口高さhよりも大きく形成されている。気流発生部10が駆動中、振動板11が厚さ方向に振動することにより開口高さhが変化しても、仕切り高さHが開口高さhの最大値よりも大きいことになる。
例えば、吸気時の厚さ方向において、各振動板11の位置が区画部20の仕切り板21を超えないように構成されている。具体的には、吸気時の幅方向において仕切り板21と同じ位置となる各振動板11の前方端11cが、厚さ方向では仕切り板21の上下端21bを超えないように構成されている。あるいは、吸気時の厚さ方向において、最大振幅となる前方端11cの中央部Cが厚さ方向で仕切り板21の上下端21bを超えないように構成されている。
また、図7に示すように、区画部20は、幅方向において仕切り板21同士の間に配置された板状のフィン23を複数備えていてもよい。支持部材22が複数のフィン23を支持している。フィン23同士は、幅方向において、所定の間隔を空けて互いに対向するように配置されている。フィン23は厚さ方向および前後方向へ延びるように形成されている。
さらに、区画部20は、前後方向において、一対の仕切り板21の後方端21aが各フィン23の後方端23aよりも吸排気口P側に突出して配置されている。また、図7に示すように、区画部20は気流発生部10と幅方向で平行に配置されている。区画部20の幅方向間隔Lは、吸排気口Pの開口幅Wよりも小さく設定されている。したがって、前方領域Eにおいて、一対の仕切り板21によって区画部20内に案内された前方向きの気流(正気流)F1を複数のフィン23によって前後方向と平行に整流することができる。
なお、図7に示す冷却対象部材30は、ベース板31から複数のフィン32が突出するように形成されたヒートシンクである。冷却対象部材30がヒートシンクの場合、冷却対象部材30はヒートパイプ(図示せず)を介して熱源(図示せず)と熱的に接続されており放熱部となる。
(6.気流の方向)
次に、図8,図9を参照して、送風装置1によって前方領域Eで生じる気流の向きについて説明する。図8には、気流発生部10が所定時間継続して駆動する場合、吸排気口Pの前方領域Eにおける気流の向きを矢印で示してある。図8中の右向き白抜き矢印は、中央領域P1で生じる正気流F1である。図8中の左向き黒矢印は、両端領域P2で生じる負気流F2である。
図8に示すように、正気流F1は幅方向で一対の仕切り板21に囲まれた正圧範囲E1内を前方側へ向けて流れる。負気流F2は幅方向で各仕切り板21の外側の負圧範囲E2を後方側へ向けて流れる。具体的には、正気流F1は、前後方向において、吸排気口Pの中央領域P1から区画部20を通過して冷却対象部材30に到達するように流れる。一方、負気流F2は、前後方向において、冷却対象部材30側から区画部20を通過せずに、吸排気口Pの両端領域P2から気流発生部10の内部へ向けて流れる。さらに、正気流F1および負気流F2は、前後方向において、区画部20よりも前方側、図8などに示す冷却対象部材30が配置された範囲を流れることができる。
要するに、区画部20によって正圧範囲E1と負圧範囲E2とを幅方向、すなわち正気流F1および負気流F2の流れる方向と直交する方向で明確に区画できている。したがって、送風装置1における吸排気口P付近のゲージ圧力分布は、図9に示すようになる。図9に示すように、中央領域P1内において正圧G1のみとなり、両端領域P2内において負圧G2のみとなる。つまり、送風装置1によれば吸排気口P付近で圧力勾配が生じない。
(7.実施例と比較例との冷却性能)
次に、この具体例の冷却性能について、送風装置1の実施例と、比較例とを比較して説明する。比較例とは、一対の仕切り板21における幅方向間隔Lを、上述した具体例の範囲外の大きさに設定した構成のことである。なお、ここでの比較説明では、冷却対象部材30をヒートシンクとして、ヒートシンクがヒートパイプなどの熱輸送素子を介して発熱中の熱源と熱的に接続されている。
第一の実施例では、幅方向間隔Lが開口幅Wに対して30%の長さに設定されている。第二の実施例では、幅方向間隔Lが開口幅Wに対して50%の長さに設定されている。第三の実施例では、幅方向間隔Lが開口幅Wに対して15%の長さに設定されている。
第一の比較例では、幅方向間隔Lが開口幅Wに対して70%の長さに設定されている。第二の比較例は、区画部20が設けられていない構成である。つまり、第二の比較例では、幅方向間隔Lが存在しない場合、すなわち開口幅Wに対して0%の長さに設定されたことになる。第三の比較例では、幅方向間隔Lが開口幅Wに対して10%の長さに設定されている。
図10には、各実施例および各比較例によって冷却対象部材30を冷却した場合の温度変化を線グラフで示してある。図10では、横軸が熱源に負荷した電圧により算出した熱負荷を表し、縦軸が熱源を空冷しなかった場合に対する熱源の温度差を表す。つまり、温度差が大きいほど冷却性能が高いことを示す。
また、実施例の温度変化は、図10中に実線で示され、第一の実施例が丸プロットを通過する実線、第二の実施例が三角プロットを通過する実線、第三の実施例が四角プロットを通過する実線で示されている。比較例の温度変化は、図10に鎖線で示され、第一の比較例が一点鎖線、第二の比較例が二点鎖線、第三の比較例が三点鎖線で示されている。
図10に示すように、第一の実施例は、熱負荷が3.0〜6.0[W]の全範囲内で、他の実施例および各比較例と比べて、最も大きな温度差を生じさせることができる。つまり、第一の実施例が最も高い冷却性能を発揮する。特に、第一の実施例では、熱負荷が5.0〜6.0[W]の範囲内で、温度変化が顕著になることが分かる。また、第一の実施例による温度差は、熱負荷が増大すると温度差が大きくなるように変化する。
第二および第三の実施例は、第一の実施例よりも温度差が小さくなるが、各比較例よりも大きな温度差を生じさせることができる。第二および第三の実施例では、熱負荷が5.0〜6.0[W]の範囲内では、各比較例に比べて大きな温度差を生じることが分かる。また、第二および第三の実施例による温度差も、上述した第一の実施例と同様に、熱負荷が増大すると温度差が大きくなるように変化する。
一方、各比較例は全て、上述した各実施例よりも小さな温度変化を生じさせることに留まる。第一の比較例の結果から、幅方向間隔Lが開口幅Wに対して70%の長さでは長すぎることが分かる。これは、幅方向で一対の仕切り板21に挟まれた空間内に、上述した圧力勾配が生じてしまうことに起因する。第一の比較例では、熱負荷が5.0[W]付近の数値となる場合、区画部20が存在しない第二の比較例よりも小さな温度差となる。また、第三の比較例の結果から、幅方向間隔Lが開口幅Wに対して10%の長さでは短すぎることが分かる。これは、幅方向で一対の仕切り板21の外側となる空間内に、上述した圧力勾配が生じてしまうことに起因する。さらに、第三の比較例は、熱負荷が3.0〜6.0[W]の全範囲内で、各実施例および他の比較例と比べて、最も小さな温度差しか生じさせることができない。つまり、第二の比較例と、第三の比較例とを比較すると明らかなように、区画部20を設けても、幅方向間隔Lが開口幅Wに対して10%の長さに設定されたことにより、区画部20を設けなかった場合よりも冷却性能が低下することが分かる。言い換えれば、単に区画部20を設ければよいわけではなく、その10%の幅方向間隔Lとなる区画部20を設けた場合には、それによって冷却性能が悪化することを表している。
したがって、各実施例のように、幅方向間隔Lが開口幅Wの15〜50%の長さに設定されることにより、圧力勾配が生じることによる冷却性能の低下を抑制することができる。
以上説明した通り、この具体例の送風装置によれば、吸排気口の前方領域で空間を区画する区画部を備えているので、同一領域を吸排気口とする気流発生部における吸排気量を増大させることができる。したがって、この具体例のような送風装置により冷却対象部材を冷却する場合には、送風量が増大するので、冷却性能を向上させることができる。
さらに、送風装置が中空薄板状に形成され、吸排気口の開口断面積を十分に確保できない場合であっても、区画部で吸排気口の前方領域における気流を整流できるので、気流発生部による吸排気量を十分に確保できる。
なお、この発明に係る送風装置は、上述した具体例の構成に限定されず、この発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、上述した具体例では、厚さ方向で対向する一対の振動板を備えた構成について説明したが、気流発生部は、上下壁のうち少なくともいずれか一方が厚さ方向に振動する振動板により構成されていればよい。具体的には、上壁が圧電素子を備えた振動板により構成され、下壁が固定壁により構成されてもよい。あるいは、上壁が固定壁により構成され、下壁が圧電素子を備えた振動板により構成されてもよい。この場合、固定壁には圧電素子が設けられていない。
1…送風装置、 10…気流発生部、 11…振動板、 12…圧電素子、 13…シール部材、 20…区画部、 21…仕切り板、 22…支持部材、 23…フィン、 30…冷却対象部材、 C…中央部、 E…前方領域、 P…吸排気口、 P1…中央領域、 P2…両端領域、 V…内部空間(内容積)。

Claims (5)

  1. 中央に圧電素子が設けられた振動板を有し、上壁と下壁との少なくともいずれか一方が厚さ方向に振動する前記振動板によって形成され、かつ前記振動板の前方端からなる開口端に形成された吸排気口以外がシールされた中空薄板状に形成された気流発生部を備え、
    前記気流発生部は、前記圧電素子の圧電効果により前記厚さ方向に振動する前記振動板によって内容積を変化することにより前記吸排気口から空気を吸引し、または排出するように構成された送風装置において、
    前記吸排気口は、前記厚さ方向に直交する幅方向の寸法が前記厚さ方向の寸法よりも大きい開口断面形状に形成され、
    前記吸排気口の前方領域は、前記振動板が所定時間継続して振動した場合の前記吸排気口での吸排気に伴うゲージ圧力の時間積算値が、前記吸排気口から空気を排出する方向に気流を生じさせる正の値となる正圧範囲と、前記時間積算値が前記吸排気口から空気を吸引する方向に気流を生じさせる負の値となる負圧範囲を含み、
    前記厚さ方向および前記吸排気口からの空気を排出する方向に延びるように形成された一対の仕切り板を備え、
    前記一対の仕切り板は、前記幅方向において前記前方領域のうち前記正圧範囲と前記負圧範囲とを区画するように配置され、かつ前記幅方向で対向し、
    前記仕切り板により区画された前記正圧範囲は、前記幅方向で前記吸排気口の中央領域を含み、
    前記仕切り板により区画された前記負圧範囲は、前記幅方向で前記中央領域の両側に配置する前記吸排気口の両端領域を含むように構成されている
    ことを特徴とする送風装置。
  2. 前記幅方向において、前記一対の仕切り板の間には複数のフィンが配置され、
    前記フィンは、前記厚さ方向および前記吸排気口からの空気を排出する方向に延びるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
  3. 前記仕切り板は、前記フィンよりも前記吸排気口側に突出するように配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の送風装置。
  4. 前記振動板が厚さ方向に振動する際、前記厚さ方向において当該振動板が前記仕切り板の両端部を超えないように構成されている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の送風装置。
  5. 前記一対の仕切り板は、幅方向において、前記吸排気口における幅方向の寸法に対して15〜50%の長さに間隔を空けて配置されている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の送風装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107806430A (zh) * 2017-11-02 2018-03-16 北京小米移动软件有限公司 压电风扇、散热器及电子设备
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