JP2016018074A - 画像形成装置及びトナー飛散量推定方法 - Google Patents

画像形成装置及びトナー飛散量推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像形成動作を実行できないダウンタイムを生じさせることなく又は短いダウンタイムで、現像装置からのトナー飛散量を抑制することを課題とする。
【解決手段】現像装置5内における二成分現像剤中のトナー濃度が目標トナー濃度Vtrefに近づくようにトナー補給手段411にトナー補給させるトナー補給制御を実行するとともに、所定の第1期間内に現像装置が消費したトナー消費量を示す第1トナー消費量指標値(平均画像面積率A)と、その第1期間よりも後である所定の第2期間内に現像装置が消費したトナー消費量を示す第2トナー消費量指標値(平均画像面積率B)と、トナー飛散量許容値Zとから、目標トナー濃度を設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置及びトナー飛散量推定方法に関するものである。
従来、低画像面積率の画像形成を長期間継続した後にトナー飛散が発生しやすいという問題が知られている。
特許文献1には、この問題を解決するため、新たな印刷ジョブが入力された際、その直近の所定期間内に画像形成した画像の平均画像面積率が所定の閾値を下回っていたら、当該印刷ジョブの開始前に、事前トナー消費・補給制御を実行する画像形成装置が開示されている。この事前トナー消費・補給制御とは、現像装置内のトナーを潜像担持体表面に付着させて現像装置内のトナーを強制的に消費するトナー強制消費制御を実行した後に、現像装置内における現像剤中のトナー濃度が目標トナー濃度に近づくようにトナー補給制御を実行する制御である。
低画像面積率の画像形成を長期間継続した後にトナー飛散が発生しやすい理由は、以下のとおりである。
低画像面積率の画像形成動作が長期間続くと、現像装置内には現像に寄与せずに長期間残留するトナーの量が増える。このようなトナーは、現像装置内の攪拌作用を継続的に受けることで徐々に劣化して帯電性能が悪化した状態になっている。このような劣化トナーは、補給される新規トナーに帯電電荷を奪われて帯電不足に陥りやすい。そのため、低画像面積率の画像形成後に新規トナーが補給されることにより、現像装置内に存在する劣化トナーが新規トナーに電荷を奪われて帯電不足になる。このようにして発生する帯電不足の劣化トナーは、キャリアに対する静電的な付着力が小さく、かつ、現像電界の拘束力が働きにくいため、現像装置の外部に飛散しやすい。その結果、低画像面積率の画像形成後にはトナー飛散が発生しやすい。
このトナー飛散の問題は、特に、低画像面積率の画像形成を長期間継続した後の画像形成動作における画像面積率が高いほど顕著となる。なぜなら、高画像面積率の画像形成動作中は、画像形成によるトナー消費量が多いので、その分だけ新規トナーを多く補給する必要がある。そのため、低画像面積率の画像形成動作が長期間続いた後に高画像面積率の画像形成動作が行われると、多量の新規トナーに電荷を奪われて帯電不足になる劣化トナーの量が多くなるからである。しかも、高画像面積率の画像形成動作中は、補給された新規トナーの多くが十分に摩擦帯電される間もなくすぐに現像に寄与するため、帯電不足の新規トナーも多く存在する。そのため、低画像面積率の画像形成動作継続後に高画像面積率の画像形成動作が行われた場合、多量の新規トナーにより多量の劣化トナーが帯電不足に陥りやすいだけでなく、多量の新規トナー自身も摩擦帯電不足で帯電不足に陥りやすく、トナー飛散が顕著となる。
前記特許文献1に開示の画像形成装置によれば、低画像面積率の画像形成動作が長期間続いた場合、その後の印刷ジョブの開始前に事前トナー消費・補給制御を実行して、現像装置内のトナーを強制消費させる。これにより、当該印刷ジョブの開始前に現像装置内の劣化トナーの量を減らすことができるので、当該印刷ジョブで高画像面積率の画像形成動作が実施されても、当該印刷ジョブ中にトナー飛散が発生するのを抑制できる。
しかしながら、前記特許文献1に開示の画像形成装置では、印刷ジョブ中に低画像面積率の画像形成動作から高画像面積率の画像形成動作へ切り替わるような場合には、その切り替わり後に生じ得るトナー飛散を抑制することはできない。また、仮にその切り替わりの際に上述した事前トナー消費・補給制御を実行するならば、その切り替わり後に生じ得るトナー飛散を抑制することは可能であるが、事前トナー消費・補給制御の実行中は画像形成動作を実行できないダウンタイムを発生させるため、印刷ジョブを長期化させ、画像の生産性を落とす結果を招く。
上述した課題を解決するために、本発明は、画像情報に基づいて潜像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像装置によりトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像し、これにより得られるトナー像を最終的に記録材上に転写することで該画像情報に応じた画像を形成するとともに、現像装置が消費した分のトナーを所定の補給タイミングでトナー補給手段により該現像装置へ補給する画像形成装置において、前記現像装置内における二成分現像剤中のトナー濃度が目標トナー濃度に近づくように前記トナー補給手段にトナー補給させるトナー補給制御を実行するトナー補給制御手段と、所定の第1期間内に前記現像装置が消費したトナー消費量を示す第1トナー消費量指標値と、該第1期間よりも後である所定の第2期間内に該現像装置が消費したトナー消費量を示す第2トナー消費量指標値とに基づいて、前記目標トナー濃度を設定する目標トナー濃度設定手段とを有することを特徴とする。
画像形成動作を実行できないダウンタイムを生じさせることなく又は短いダウンタイムで、現像装置からのトナー飛散量を抑制できるという優れた効果が奏される。
実施形態のプリンタの要部を示す概略構成図である。 同プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。 低画像面積率の画像形成を長期間継続した後に高画像面積率の画像形成が行われた場合のトナー飛散量の変化を示す説明図である。 低画像面積率の画像形成を長期間継続した後に高画像面積率の画像形成が行われた場合のキャリア付着量の変化を示す説明図である。 低画像面積率の画像形成を長期間継続した後に高画像面積率の画像形成が行われた場合に、本実施形態の目標トナー濃度の設定変更処理により設定変更される目標トナー濃度の変化を示す説明図である。 実施形態における目標トナー濃度の設定変更処理の流れを示すフローチャートである。 目標トナー濃度の設定変更処理を実施した実施例のトナー濃度の変化を、当該処理を実施しない比較例のトナー濃度の変化と比較したときの説明図である。 図7に示すようにトナー濃度を変化させたときの前記実施例におけるトナー飛散量の推移を、前記比較例のトナー飛散量の推移と比較したときの説明図である。 (a)は、実験条件1の実験結果の一部(画像面積率切り換え後の部分)を示すグラフである。(b)は、実験条件2の実験結果の一部(画像面積率切り換え後の部分)を示すグラフである。 切り換え前の画像面積率が2.5%である実験条件と、切り換え前の画像面積率が4%である実験条件とについて、トナー濃度がそれぞれ7%、5%、3%であるときの切り換え後5000枚印刷時におけるトナー飛散量を示すグラフである。 切り換え後の画像面積率が2.5%である実験条件と、切り換え後の画像面積率が8.75%である実験条件と、切り換え後の画像面積率が21.25%である実験条件とについて、トナー濃度がそれぞれ7%、5%、3%であるときの切り換え後5000枚印刷時におけるトナー飛散量を示すグラフである。 図10及び図11における各実験条件において、切り換え前の画像面積率を−1.36乗した値と切り換え後の画像面積率を0.996乗した値とを掛け合わせた値を横軸にとり、縦軸に、切り換え後5000枚印刷時におけるトナー飛散量をとったグラフである。
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、いわゆるタンデム型中間転写方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)について説明する。なお、以下の説明は本発明における一実施形態であって、特許請求の範囲を限定するものではない。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、本プリンタの要部を示す概略構成図である。
本プリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒(以下、Y、M、C、Kと記す。)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6Kを備えている。4つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6Kは、潜像担持体たるドラム状の感光体1Y,1M,1C,1Kをそれぞれ有している。感光体1Y,1M,1C,1Kの回りにはそれぞれ帯電装置2Y,2M,2C,2K、現像装置5Y,5C,5M,5K、ドラムクリーニング装置4Y,4M,4C,4K、除電装置(不図示)等を有している。プロセスユニット6Y,6M,6C,6Kは、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
プロセスユニット6Y,6M,6C,6Kの上方には、感光体1Y,1M,1C,1Kの表面に対してレーザー光Lを照射して静電潜像を書き込むための光書込ユニット20が配設されている。
プロセスユニット6Y,6M,6C,6Kの下方には、像担持体たる無端状の中間転写ベルト8を具備する中間転写ユニット7が配設されている。中間転写ベルト8の他、そのループ内側に配設された複数の張架ローラや、ループ外側に配設された二次転写装置200、テンションローラ16、ベルトクリーニング装置100、潤滑剤塗布装置300などを有している。
中間転写ベルト8のループ内側には、4つの一次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kと、従動ローラ10と、駆動ローラ11と、二次転写対向ローラ12と、3つのクリーニング対向ローラ13,14,15と、塗布ブラシ対向ローラ17とが配設されている。これらローラは何れも自らの周面の一部に中間転写ベルト8を掛け回してベルト張架を行う張架ローラとして機能している。なお、クリーニング対向ローラ13,14,15としての必要条件として必ずしも一定の張力を付与する働きをもたなければならないということはない。従って、中間転写ベルト8の回転にともなって従動回転するものでもよい。中間転写ベルト8は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動される駆動ローラ11の回転により、図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。
ベルトループ内側に配設された4つの一次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kは、感光体1Y,1M,1C,1Kとの間に中間転写ベルト8を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8の外周面と感光体1Y,1M,1C,1Kとが当接するY、M、C、K用の一次転写ニップが形成されている。なお、一次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kには、それぞれ図示しない電源によってトナーとは逆極性の一次転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト8のループ外側に配設された転写手段としての二次転写装置200は、二次転写ローラ18、分離ローラ205、光学センサユニット対向ローラ206、クリーニング対向ローラ207に張架された転写部材たる二次転写ベルト204を有している。二次転写ベルト204のループ外側には、二次転写クリーニング装置230が配設されている。二次転写クリーニング装置230は、二次転写ベルト204のクリーニング対向ローラ207に巻きついている箇所に当接する二次転ベルト清掃ブラシ208および二次転クリーニングブレード209を有している。
中間転写ベルト8のベルトループ内側に配設された二次転写対向ローラ12は、二次転写ローラ18との間に中間転写ベルト8、二次転写ベルト204を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8の外周面と、二次転写ベルト204とが当接する二次転写ニップが形成される。なお、二次転写対向ローラ12には、図示しない電源によってトナーとは逆極性の二次転写バイアスが印加される。二次転写ベルト204としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフッ化ビニリデンなど様々な材質のベルトが使用できる。また、これを弾性ベルトにしてもよい。
二次転写ローラ18は図示しない駆動源により駆動されて図1で反時計方向に回転し、二次転写ベルト204を矢示D方向に周回移動(回転)させる。二次転写ローラ18の駆動モータは、パルスモータや直流モータなどを利用できる。
また、3つのクリーニング対向ローラ13,14,15は、ベルトクリーニング装置100のクリーニングブラシローラ101,104,107との間に中間転写ベルト8を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8の外周面と、各クリーニングブラシローラ101,104,107とが当接するクリーニングニップが形成されている。ベルトクリーニング装置100は中間転写ベルト8と一体的に交換可能になっている。しかし、ベルトクリーニング装置100と中間転写ベルト8とで寿命設定が異なる場合には、ベルトクリーニング装置100を中間転写ベルト8とは独立してプリンタ本体に着脱可能としてもよい。
本プリンタは、記録材としての転写紙Pを収容する給紙カセット31や、給紙カセット31から転写紙Pを給紙路に給紙する給紙ローラ32などを有する給紙部30を備えている。また、給紙部30から送られてきた転写紙を受け入れて二次転写ニップに向けて所定のタイミングで送り出す図示しないレジストローラ対33を、上述した二次転写ニップの図中右側方に備えている。
また、二次転写ニップから送り出される転写紙Pを受け入れて、その転写紙Pに対してトナー像の定着処理を施す、加熱ローラ41と加圧ローラ42とを有する定着装置40を、上述した二次転写ニップの図中左側方に備えている。また、現像装置5Y,5M,5C,5Kに対してY、M、C、Kトナーを補給する図示しないY、M、C、K用のトナー補給装置も備えている。トナー補給装置は、現像装置5Y,5M,5C,5Kに設けられているトナー濃度センサの検知結果に応じて、後述する制御部の制御の下、現像装置内のトナー濃度が目標トナー濃度になるようにトナー補給動作を行う。
近年、転写紙として広く用いられてきた普通紙に加え、デザインとして表面に凹凸を有する特殊紙やアイロンプリントなどの熱転写に用いる特殊な記録紙が用いられることが増えている。このような特殊紙を用いると、カラートナーを重ね合わせた中間転写ベルト8上のトナー像を転写紙に二次転写する際に、従来の普通紙の場合よりも転写不良が発生し易くなる。そこで、本実施形態のプリンタでは、中間転写ベルト8の転写ニップを形成する表面側に硬度の低い弾性層を設けた弾性中間転写ベルトを使用し、二次転写ニップ部でトナー層や平滑性の悪い転写紙に対して変形できるようにしている。
このように、中間転写ベルト8に硬度の低い弾性層を設けて弾性をもたせることにより、中間転写ベルト8の表面が局部的な凸凹に追従して変形できる。それにより、トナー層に対して過度に転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字等の転写中抜けがなくなる。また、平滑性の悪い用紙等に対しても、転写ムラのない均一性に優れた転写画像を得ることができる。
次に、本実施形態におけるプリンタの動作について説明する。
パーソナルコンピュータ等のホスト装置から本プリンタに画像情報が送られてくると、後述する制御部が、中間転写ユニット7の駆動ローラ11を矢示A方向へ回転駆動させ、中間転写ベルト8を矢示B方向へ一定速度で回動させる。駆動ローラ11以外の中間転写ベルト8を張り渡している各ローラは、中間転写ベルト8の回動に伴って従動回転する。また、図示していないメインモータを駆動して、各プロセスユニット6Y,6M,6C,6Kの感光体1Y,1M,1C,1Kを矢示方向で一定速度で回転駆動させる。そして、各感光体1Y,1M,1C,1Kの表面を各帯電装置2Y、2M、2C、2Kによって一様に帯電させる。各感光体1Y,1M,1C,1Kの帯電後の表面に対して、光書込ユニット20からの各色の画像情報に応じたレーザ光Lの照射によって、それぞれ静電潜像を形成する。
各感光体1Y,1M,1C,1Kの表面に形成した静電潜像を現像装置5Y,5M,5C,5Kによって各色のトナーによって現像して、Y、M、C、Kのトナー像を得る。そのY、M、C、Kのトナー像は、前述したY、M、C、K用の各一次転写ニップにおいて中間転写ベルト8の外側の面に順次重ね合わせて一次転写される。それにより、中間転写ベルト8の表面に4色重ね合わせたフルカラーのトナー像が形成される。
一方、図示していない給紙部30では、給紙ローラによって給紙カセット31から用紙等の転写紙Pを1枚ずつ送り出し、それを搬送部によってレジストローラ対33にその先端部が挟み込まれるまで搬送する。そして、中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像に同期させ得るタイミングで、レジストローラ対33が回転駆動して、その転写紙Pを矢示aで示すように二次転写ニップに送り込む。二次転写ニップでは、トナーを中間転写ベルトから転写紙Pへ動かすような電界が形成されているので、転写紙Pがその二次転写ニップを通過する際に、中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像が転写紙Pに一括して二次転写される。
これにより、転写紙Pの表面にフルカラー画像を形成する。フルカラー画像形成後の転写紙Pは、静電吸着力によって二次転写ベルト204に貼り付いて、その回動方向に搬送される。そして、分離ローラ205の曲率分離によって二次転写ベルト204から剥離されて、搬送ベルト装置212へ送られ、搬送ベルト装置212によって定着装置40へ搬送される。その定着装置40でトナー像が定着処理された転写紙は、排出ローラ対等によって、機外の排紙トレイ上へ排出される。
Y、M、C、Kのトナー像をそれぞれ中間転写ベルト8に一次転写した後の感光体1Y,1M,1C,1Kの表面は、ドラムクリーニング装置4Y,4M,4C,4Kによって転写残トナーのクリーニング処理が施される。その後、図示しない除電ランプで除電された後、再び帯電装置2Y、2M、2C、2Kで一様に帯電され、次の画像形成に備える。また、フルカラーのトナー像を転写紙Pに二次転写した後の中間転写ベルト8の表面は、ベルトクリーニング装置100によって転写残トナーのクリーニング処理がなされた後、潤滑剤塗布装置300によって潤滑剤が塗布される。また、二次転写ベルト204の表面も二次転クリーニングブレード209と二次転ベルト清掃ブラシ208によりクリーニングされる。
図2は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。なお、図2中において、各符号の色分け文字Y、M、C、Kは省略してある。
同図において、トナー補給制御手段及び目標トナー濃度設定手段として機能する制御部400は、演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)400a、不揮発性メモリたるRAM(Random Access Memory)400b、記憶手段としてのROM(Read Only Memory)400c等を有している。制御部400は、装置全体の制御を司るものであり、様々な機器やセンサが接続されているが、同図では、それら機器の一部だけを示している。制御部400は、ROM400c内に記憶している制御プログラムに基づいて、トナー補給装置411Y,411M,411C,411Kや現像電源421Y,421M,421C,421Kなどの各機器の駆動を制御する。
トナー補給制御を実行する場合、制御部400は、各現像装置5Y,5M,5C,5Kに設けられているトナー濃度センサ412Y,412M,412C,412Kの検知結果に応じて、各現像装置内のトナー濃度が目標トナー濃度になるように、各トナー補給装置411Y,411M,411C,411Kのトナー補給動作を制御する。本実施形態のトナー濃度センサ412Y,412M,412C,412Kは、現像装置内の現像剤の透磁率の検知結果を電圧信号として制御部へ出力するものである。現像剤の透磁率は、現像剤中のトナー濃度と相関があるため、トナー濃度センサの出力電圧はトナー濃度に応じた値を示すものとなる。
また、画像濃度調整制御を実行する場合、制御部400は、後述するように、画像濃度調整用のトナーパターンである階調パターンをトナー付着量検知センサ422で検知した結果に応じて、所望の画像濃度が得られるように現像電源421Y,421M,421C,421Kを制御する。
次に、本実施形態における画質調整制御(プロセスコントロール)の制御内容の一例について説明する。
以下の説明では、各色のセンサや機器の動作がほぼ同じであることから、適宜色分け文字Y、M、C、Kを省略して説明する。また、以下の説明は、一例を示すものであって、画像形成条件の制御タイミングや制御方法を限定するものではない。
制御部400は、電源投入時などの所定の制御タイミングで、画質調整制御を実行する。画質調整制御を開始すると、まず、必要に応じてトナー付着量検知センサ422を校正する。本実施形態では、トナー付着量検知センサ422(光学センサ)の正反射受光出力が4[V]になるように、トナー付着量検知センサ422の発光部(LED)の発光光量を調整する。
次に、画質調整用のトナーパターンである階調パターンを作成する。これは、現時点の現像γを検出するためのものである。本実施形態では、トナー付着量検知センサ422が設けられた位置(中間転写ベルト8のベルト幅方向位置)に対応するように、10個の異なるトナー付着量のトナーパッチを副走査方向(中間転写ベルト表面移動方向)に並べた階調パターンを形成する。このトナーパターン用の潜像パターンの形成に際し、露光パワーは最大値とし、潜像パターンの電位を十分に落とした状態にして、現像バイアスVBと帯電バイアスVdをパッチごとに変更することで、階調パターンを作成する。
このようにして形成される階調パターンを構成する各パッチのトナー付着量を、トナー付着量検知センサ422で計測し、現像γと現像開始電圧を求める。現像γと現像開始電圧は、各パッチについての現像バイアスとトナー付着量検知センサ422の検知結果(トナー付着量)との関係から求める。具体的には、横軸を現像ポテンシャル(潜像電位はほぼゼロであるため、現像バイアスVBにほぼ等しい値となる。)、縦軸をトナー付着量(トナー付着量検知センサ422の検知結果)とし、最小二乗法により一次直線式を求める。その一次直線式の傾きを現像γとし、横軸の切片を現像開始電圧として求める。
このようにして現像γを求めたら、その現像γに基づき、予め決められた規定画像濃度に対応するトナー付着量を得るのに必要な現像ポテンシャル(ここでは現像バイアスVBとほぼ一致する。)を求める。本実施形態の規定画像濃度は、最大画像濃度であり、この最大画像濃度に対応するトナー付着量は、トナー顔料の着色度合いで決まるが、一般的には0.4〜0.6[mg/cm2]程度である。
このようにして得られた現像ポテンシャルに基づき、今後の画像形成動作で使用する現像バイアスVBを設定する。また、帯電バイアスVdは、キャリアが感光体ドラムに飛翔しない程度の値に設定され、本実施形態では、例えば、現像バイアスVBが400〜700[V]の範囲内であれば、現像バイアスVBに対して+100[V]程度に設定する。このようにして設定した現像バイアスVB及び帯電バイアスVdは、制御部400のRAM400bに保存され、今後の画像形成動作に使用される。
次に、本実施形態のプリンタにおける画像形成動作中のトナー補給制御について説明する。ただし、トナー補給制御自体は従来公知のものと同様である。
画像形成動作を実行し、1枚目の画像形成を開始したら、トナー濃度センサ412の出力Vt1(1枚目の画像形成時におけるトナー濃度)を取得する。そして、現在のトナー濃度Vt1と目標トナー濃度Vtrefとの差を求める。また、1枚目の画像形成に係る画像情報を取得し、1枚目の画像の画素数と解像度から、1枚目の画像の画像面積S1を算出する。単位潜像面積あたりのトナー付着量は予め把握されているので、1枚目の画像形成時の画像面積S1から、1枚目の画像形成時に消費されるトナー量を推定できる。このようにして得られる、現在のトナー濃度Vt1と目標トナー濃度Vtrefとの差、及び、1枚目の画像面積S1から、2枚目の画像形成時に補給すべきトナー補給量H2を算出する。
以上のようにして次回の画像形成時のトナー補給量を算出した後、次回の画像形成が開始されたら、当該トナー補給量に応じた時間だけトナー補給装置411を動作させる。この動作時間はり、算出したトナー補給量とトナー補給装置411の補給能力に応じて決定される。このようなトナー補給動作により、現像装置5には、前回の画像形成動作により消費した分のトナーが補給され、現像剤中のトナー濃度は、目標トナー濃度に安定して維持される。
次に、本発明の特徴部分である、目標トナー濃度Vtrefの設定変更処理について説明する。
図3は、低画像面積率の画像形成を長期間継続した後に高画像面積率の画像形成が行われた場合のトナー飛散量の変化を示す説明図である。
図3に示すように、現像装置5からのトナー飛散量は、低画像面積率の画像形成が長期間継続して行われた後に高画像面積率の画像形成が行われると、高画像面積率の画像形成期間の初期の頃に、一時的に増大することがわかる。これは、低画像面積率の画像形成が長期間継続したことで、現像装置5内に長期間残留して帯電性能が悪化した劣化トナーの量が増えているところに、高画像面積率の画像形成により現像装置5で消費されるトナー量が急激に増大することを受けて新規トナーが大量に補給されたため、劣化トナーの帯電電荷が新規トナーに奪われて、帯電不足した劣化トナーの量が多くなり、この帯電不足の劣化トナーが現像装置から飛散したことによる。
しかも、劣化トナーの帯電不足により、補給された新規トナーが優先的に現像に寄与して消費されることから、補給されてすぐに摩擦帯電不足のまま現像に寄与する新規トナーの量も多く、このような帯電不足の新規トナーも現像装置から飛散しやすいことも、高画像面積率の画像形成期間の初期の頃に一時的にトナー飛散量が増大することの一因であると考えられる。
一方で、画像形成動作により劣化トナーの一部も消費されていき、高画像面積率の画像形成動作ほど劣化トナーの消費量も多くなる。よって、低画像面積率の画像形成が長期間継続して行われた後に行われる画像形成の画像面積率が高いほど、現像装置内の劣化トナーの量が減少する度合いが大きくなるといえる。
更に、図3に示すように、現像装置5からのトナー飛散量は、現像装置内における現像剤のトナー濃度が高いほど増大する。なお、適切なトナー補給制御が実行されていることを前提にすれば、現像装置内における現像剤のトナー濃度は目標トナー濃度に維持されている。よって、現像装置5からのトナー飛散量は、目標トナー濃度が高いほど増大するといえる。
以上のようなメカニズムを考慮すると、第1に、現像装置5からのトナー飛散量は、現時点よりも過去の所定期間(第1期間)内に現像装置が消費したトナー消費量が少ないほど(第1期間内の平均画像面積率Aが低いほど)増大する。これは、当該第1期間内に現像装置が消費したトナー消費量が少ないほど(第1期間内の平均画像面積率Aが低いほど)、トナー飛散の原因となる現像装置内の帯電不足トナーの元になる劣化トナーの量が増えるからである。
第2に、現像装置5からのトナー飛散量は、その第1期間よりも後である現時点よりも過去の所定期間(第2期間)内に現像装置が消費したトナー消費量が多いほど(第2期間内の平均画像面積率Bが高いほど)増大する。これは、当該第2期間内に現像装置が消費したトナー消費量が多いほど(第2期間内の平均画像面積率Bが高いほど、劣化トナーから帯電電荷を奪う新規トナーの量が多くなり、劣化トナーからトナー飛散の原因となる帯電不足トナーを生み出しやすくなるからである。
第3に、目標トナー濃度Vtrefが高いほど増大するという関係が得られる。
この関係に基づき、本実施形態のプリンタにおけるトナー飛散量は、以下の算出式(1)から高精度に推定することができる。なお、下記の算出式(1)において、調整係数K、目標トナー濃度Vtrefの指数定数C、第1期間の平均画像面積率Aの指数定数D、第2期間の平均画像面積率Bの指数定数Eは、いずれも実験から求められる。なお、本実施形態における調整係数Kは「1.53×10-5」に設定され、目標トナー濃度Vtrefの指数定数Cは「7.52」に設定され、第1期間の平均画像面積率Aの指数定数Dは「1.37」に設定され、第2期間の平均画像面積率Bの指数定数Eは「0.996」に設定される。
トナー飛散量 = K × Vtref × B/A ・・・(1)
本実施形態では、目標トナー濃度Vtref、第1期間の平均画像面積率A、第2期間の平均画像面積率Bの係数を指数定数とするのが、トナー飛散量との関係では最も高い相関が得られるが、これに限られることはない。
以上のような算出式(1)を用いれば、トナー飛散量を許容値以下に抑えたい場合の目標トナー濃度Vtrefの上限値を求めることができる。すなわち、トナー飛散量をトナー飛散量許容値Zとした場合に、前記算出式(1)を目標トナー濃度Vtrefについて解くと、下記の算出式(2)が得られる。
Vtref = (Z/1.53×10-5 × A1.37/B0.9961/7.52・・・(2)
ここで、トナー飛散量許容値Zを3.26[mg/km](現像ローラ表面の単位移動距離当たりの飛散トナーの重量)としたとき、目標トナー濃度Vtrefの上限値VtrefMAXは、下記の算出式(3)から求めることができる。
VtrefMAX = (2.13×105 × A1.37/B0.9961/7.52・・・(3)
次に、目標トナー濃度Vtrefの下限値VtrefMINを求める。
図4は、低画像面積率の画像形成を長期間継続した後に高画像面積率の画像形成が行われた場合のキャリア付着量の変化を示す説明図である。
トナー飛散を抑制する観点からすると、図3に示したように、目標トナー濃度Vtrefは低いほど良い。しかしながら、目標トナー濃度Vtrefが低いと、図4に示すように、感光体1の表面に現像剤中のキャリアが付着し、これが転写紙P上に転移して付着するキャリア付着という問題が顕著になる。このキャリア付着の問題は、目標トナー濃度以外の画像形成条件(現像バイアス、帯電バイアス、露光パワーなど)を調整することでは解消することが難しい。そのため、本実施形態では、目標トナー濃度Vtrefの下限値は、キャリア付着を許容範囲内に収めるという観点から決める。なお、目標トナー濃度Vtrefの下限値は、別の観点から決めても良い。
なお、目標トナー濃度Vtrefが低いほどキャリア付着が発生しやすくなる理由は、キャリア周辺のトナーの量が少なくなることで、キャリアに対する機械的ストレスが増大し、キャリアの被膜が削られる結果、キャリアの絶縁耐性が低くなり、現像電界中でキャリア内部の絶縁破壊が生じ、キャリア内部で感光体と対面する側にトナーと同極性の電荷が集中して、トナーと同様に感光体に静電的に付着してしまうことが考えられる。
キャリア付着量を許容範囲内に収めることができる目標トナー濃度の下限値は、図4に示すように、現時点における画像面積率によって変化する。よって、本実施形態では、画像面積率が40%であるときに目標トナー濃度の下限値が3.65%となり、画像面積率が2.5%であるときに目標トナー濃度の下限値が3.18%となるように、画像面積率に応じて目標トナー濃度の下限値を決める。
図5は、低画像面積率の画像形成を長期間継続した後に高画像面積率の画像形成が行われた場合に、本実施形態の目標トナー濃度の設定変更処理により設定変更される目標トナー濃度の変化を示す説明図である。
本実施形態における目標トナー濃度の設定変更処理では、図5に示すように、このようにして決まる上限値と下限値(図5中破線)の間に目標トナー濃度Vtref(図5中実線)を設定する。具体的には、例えば、トナー飛散(上限値)及びキャリア付着(下限値)のいずれに対しても十分な余裕度をもたせるために、上限値と下限値の中間値を目標トナー濃度Vtrefとして設定する。このように設定することで、現像装置5内の実際のトナー濃度が目標トナー濃度Vtrefを中心に上下動しても、上述した上限値や下限値を超えてしまう事態を抑制でき、トナー飛散量を安定して許容範囲内に抑えつつ、キャリア付着量も安定して許容範囲内に抑えることができる。
目標トナー濃度の設定変更処理により目標トナー濃度Vtrefが変更されると、画像形成動作により形成される画像の画像濃度が変化する。そのため、目標トナー濃度Vtrefを変更したときに、その変更により画像濃度が高まるときには画像濃度を下げるように現像ポテンシャルを変動させ、その変更により画像濃度が低くなるときには画像濃度を挙げるように現像ポテンシャルを変動させる画像濃度調整制御を実行するのが好ましい。この画像濃度調整制御は、目標トナー濃度の変更幅に対する画像濃度の変更幅の関係が予め実験等により把握できている場合には、その関係に基づいて現像ポテンシャルを変動させればよい。このような関係が把握できない場合には、上述した画質調整制御を実行して画像濃度を調整してもよい。
図6は、本実施形態における目標トナー濃度の設定変更処理の流れを示すフローチャートである。
制御部400は、所定の処理実行タイミング(例えば所定枚数の画像形成ごとのタイミングなど)に、第1期間内における平均画像面積率Aを算出する(S1)。具体的には、現時点から起算して11000枚(A4換算。以下同様。)前から1000枚前までの第1期間に形成された画像の画像面積率の平均値(平均画像面積率A)を算出する。また、第2期間内における平均画像面積率Bも算出する(S2)。具体的には、1000枚前から現時点までの第2期間に形成された画像の画像面積率の平均値(平均画像面積率B)を算出する。
次に、制御部400は、算出した平均画像面積率Aと平均画像面積率Bとを比較し、A/Bが基準値よりも小さいか否かを判定する(S3)。上述したとおり、トナー飛散量が急激に上昇するのは、低画像面積率の画像形成を継続した後に高画像面積率の画像形成を行った場合であり、連続した画像形成動作中において画像面積率に大きな変化が生じない場合や、高画像面積率の画像形成を継続した後に低画像面積率の画像形成を行った場合などには、トナー飛散量が急激に上昇することは起こりにくい。処理ステップS3は、現在の状況が、トナー飛散量が急激に上昇する状況であるか否かを判断するための処理ステップであることから、基準値はこの判断が可能な値に適宜設定される。本実施形態では、この基準値を1に設定してある。
A/Bが基準値以上である場合(S3のNo)、現在の状況が、トナー飛散量が急激に上昇する状況ではないと判断し、目標トナー濃度の設定変更を行うことなく、処理を終了する。一方、A/Bが基準値よりも小さい場合(S3のYes)、現在の状況が、トナー飛散量が急激に上昇する状況ではないと判断し、制御部400は、前記算出式(3)を用いて、算出した平均画像面積率Aと平均画像面積率Bとから、目標トナー濃度の上限値VtrefMAXを算出する(S4)。また、制御部400は、平均画像面積率Bが40%であるときに目標トナー濃度の下限値が3.65%となり、平均画像面積率Bが2.5%であるときに目標トナー濃度の下限値が3.18%となるように、平均画像面積率Bに応じて目標トナー濃度の下限値VtrefMINを算出する(S5)。
そして、制御部400は、このようにして算出した上限値VtrefMAXと下限値VtrefMINの中間値を、目標トナー濃度Vtrefとして設定し(S6)、その設定値をRAM400bに保存する。これにより、後の画像形成動作においては、RAM400bに保存された新たな目標トナー濃度Vtrefを用いてトナー補給制御が実施される。
また、目標トナー濃度Vtrefを設定変更したら、画像濃度調整制御を実行する(S7)。本実施形態では、目標トナー濃度の変更幅に対する画像濃度の変更幅の関係が予め実験等により把握できており、その関係を示すテーブルデータ(目標トナー濃度の変更幅に対する現像ポテンシャルの変更幅)がROM400cに記憶されている。したがって、制御部400は、当該テーブルデータに基づき、目標トナー濃度Vtrefの変更幅に応じて現像ポテンシャルが変更されるように、現像電源421を制御し、現像バイアスを調整する。
図7は、本実施形態における目標トナー濃度の設定変更処理を実施した実施例のトナー濃度の変化を、当該処理を実施しない比較例のトナー濃度の変化と比較したときの説明図である。
図8は、図7に示すようにトナー濃度を変化させたときの前記実施例におけるトナー飛散量の推移を、前記比較例のトナー飛散量の推移と比較したときの説明図である。
図7及び図8の例では、本実験を開始してから5000枚の時点で低画像面積率から高画像面積率の画像形成へ切り替わっている。図8に示すように、比較例では、本実験を開始してから5000枚の時点以降にトナー飛散量が一時的に増大しているが、実施例では、当該時点以降にトナー飛散量が一時的に増大することはなく、安定してトナー飛散量が抑えられている。
次に、本発明者らが行った実験について説明する。
本実験では、本実施形態におけるプリンタのY用の現像装置5Y、M用の現像装置5M、C用の現像装置5Cに、それぞれトナー濃度が7%、5%、3%に調節された現像剤を収容し、印刷中はトナー濃度が当該各トナー濃度に維持されるようにトナー補給制御を行ってテスト画像を連続形成し、トナー飛散量やキャリア付着量を測定する実験を行った。
本実験は、以下の4つの実験条件について実施した。
・画像面積率が2.5%であるテスト画像を50000枚(A4換算。以下同様。)印刷してから、画像面積率が8.75%であるテスト画像を25000枚印刷した(実験条件1)。
・画像面積率が2.5%であるテスト画像を25000枚印刷してから、画像面積率が21.25%であるテスト画像を25000枚印刷した(実験条件2)。
・画像面積率が4%であるテスト画像を25000枚印刷してから、画像面積率が40%であるテスト画像を25000枚印刷した(実験条件3)。
・画像面積率が8.75%であるテスト画像を25000枚印刷してから、画像面積率が46.25%であるテスト画像を25000枚印刷した(実験条件3)。
本実験におけるトナー飛散量の測定方法は、現像装置における現像ローラの下方に位置する現像ケース外壁面に付着するトナーを吸引して収集し、その重量を測定した結果を、現像装置の現像ローラ表面移動距離で割ることによって求める。トナー飛散量の測定タイミングは、画像面積率が切り替わる前後にわたる所定期間について5000枚ごとに実施した。トナー飛散量の単位は、[mg/km]とした。
また、本実験におけるキャリア付着量の測定方法は、上述したトナー飛散量の測定タイミングと同時期に、所定枚数だけ画像面積率が100%であるベタ画像を印刷し、所定枚数の印刷画像中に付着するキャリアの個数を計測した。キャリア付着量の単位は、[個数/枚]とした。
本実験の結果、いずれの実験条件においても、画像面積率を低画像面積率から高画像面積率へ切り換えた後のおよそ5000枚後の時期にトナー飛散量が最大ピークを示し、その後、画像形成を続けることによりトナー飛散量が減少する傾向を示した。ここで、図9(a)に示す実験条件1の実験結果(画像面積率2.5%から画像面積率8.75%へ切り換えた場合)と、図9(b)に示す実験条件2の実験結果(画像面積率2.5%から画像面積率21.25%へ切り換えた場合)とを比較すると、実験条件2の方が、実験条件1の方よりもトナー飛散量の減少スピードが速いことがわかる。これは、低画像面積率(いずれも2.5%)から切り替わった後の画像面積率が、実験条件1よりも実験条件2の方が高いため、実験条件2の方が切り替わり後の画像形成動作により消費されるトナー量が多く、切り替わり前に発生していた劣化トナーの消費スピードが速いためだと考えられる。
次に、本発明者らが行った他の実験について説明する。
本実験では、本実施形態におけるプリンタのY用の現像装置5Y、M用の現像装置5M、C用の現像装置5Cに、それぞれトナー濃度が7%、5%、3%に調節された現像剤を収容し、印刷中はトナー濃度が当該各トナー濃度に維持されるようにトナー補給制御を行ってテスト画像を連続形成し、トナー飛散量を測定する実験を行った。そして、その実験結果に係る実測トナー飛散量に対する上述した算出式(1)により算出される推定トナー飛散量の推定精度について確認した。なお、算出式(1)の各係数K、C、D、Eは、上述した実施形態で用いたK=1.53×10-5、C=7.52、D=1.37、E=0.996とした。
図10は、切り換え前の画像面積率が2.5%である実験条件と、切り換え前の画像面積率が4%である実験条件とについて、トナー濃度がそれぞれ7%、5%、3%であるときの切り換え後5000枚印刷時におけるトナー飛散量を示すグラフである。なお、切り換え後の画像面積率はいずれも40%である。
このグラフにおいて、黒塗りの正方形と三角と菱形でプロットされた点は実験結果に係る実測トナー飛散量を示し、中白の正方形と三角と菱形でプロットされた点は前記算出式(1)を用いて算出した推定トナー飛散量を示している。図10からわかるとおり、いずれのトナー濃度の場合でも、実測トナー飛散量と推定トナー飛散量とが一致している。
図11は、切り換え後の画像面積率が2.5%である実験条件と、切り換え後の画像面積率が8.75%である実験条件と、切り換え後の画像面積率が21.25%である実験条件とについて、トナー濃度がそれぞれ7%、5%、3%であるときの切り換え後5000枚印刷時におけるトナー飛散量を示すグラフである。なお、切り換え前の画像面積率はいずれも2.5%である。
このグラフにおいて、黒塗りの正方形と三角と菱形でプロットされた点は実験結果に係る実測トナー飛散量を示し、中白の正方形と三角と菱形でプロットされた点は前記算出式(1)を用いて算出した推定トナー飛散量を示している。図11に示すグラフにおいても、実測トナー飛散量と推定トナー飛散量とがほぼ一致していることがわかる。
図12は、図10及び図11における各実験条件において、切り換え前の画像面積率を−1.36乗した値と切り換え後の画像面積率を0.996乗した値とを掛け合わせた値を横軸にとり、縦軸に、切り換え後5000枚印刷時におけるトナー飛散量をとったグラフである。
図12に示すグラフからかわるとおり、いずれのトナー濃度の場合でも、実測トナー飛散量と推定トナー飛散量とが一致している。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
画像情報に基づいて感光体1Y,1M,1C,1K等の潜像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像装置5Y,5C,5M,5Kによりトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像し、これにより得られるトナー像を最終的に転写紙P等の記録材上に転写することで該画像情報に応じた画像を形成するとともに、現像装置が消費した分のトナーを所定の補給タイミングでトナー補給装置411Y,411M,411C,411K等のトナー補給手段により該現像装置へ補給する画像形成装置において、前記現像装置内における二成分現像剤中のトナー濃度が目標トナー濃度Vtrefに近づくように前記トナー補給手段にトナー補給させるトナー補給制御を実行する制御部400等のトナー補給制御手段と、所定の第1期間(例えば11000枚前から1000枚前までの期間)内に前記現像装置が消費したトナー消費量を示す平均画像面積率A等の第1トナー消費量指標値と、該第1期間よりも後である所定の第2期間(例えば1000枚前から現時点までの期間)内に該現像装置が消費したトナー消費量を示す平均画像面積率B等の第2トナー消費量指標値とに基づいて、前記目標トナー濃度を設定する制御部400等の目標トナー濃度設定手段とを有することを特徴とする。
現時点で現像装置から飛散するトナーの中には、上述したとおり、現像に寄与せずに現像装置内に長期間残留する帯電性能が悪化した状態の劣化トナーが補給された新規トナーによって帯電電荷を奪われて帯電不足になったものと、補給された新規トナー自身が摩擦帯電不足により帯電不足になったものとが存在する。前者については、現像装置のトナー消費量が少ない前期間が続いて現像装置内の劣化トナーが増大した後に、現像装置のトナー消費量が多い後期間に切り替わって多くの新規トナーが補給されて劣化トナーの帯電電荷が奪われる状況が発生した後に、トナー飛散量が増大する。したがって、前者によるトナー飛散量は、前期間におけるトナー消費量が少ないほど増大し、また、後期間におけるトナー消費量が多いほど増大するという関係にある。一方、後者については、現時点に近い過去の期間におけるトナー消費量が多いほど、当該期間に補給された新規トナーの量が多いため、現時点において帯電不足のままの新規トナーが現像に寄与しやすい状況になる。したがって、後者によるトナー飛散量は、現時点に近い過去の期間におけるトナー消費量が多いほど増大するという関係にある。
更に、現時点で生じ得るトナー飛散量は、現時点における現像装置内における二成分現像剤中のトナー濃度が高いほど増大するという関係もある。現時点における現像装置内における二成分現像剤中のトナー濃度は、適切なトナー補給制御により、目標トナー濃度に維持されていることが推定できる。よって、現時点における目標トナー濃度が高く設定されているほど、現時点で生じ得るトナー飛散量が増大するという関係となる。
以上のような関係を考慮すると、第1に、現時点で生じ得るトナー飛散量は、過去の所定の第1期間内に現像装置が消費したトナー消費量を示す第1トナー消費量指標値が小さいほど、増大することがいえる。これは、当該第1期間内に現像装置が消費したトナー消費量が少ないほど、トナー飛散の原因となる現像装置内の帯電不足トナーの元になる劣化トナーの量が増えるからである。第2に、現像装置からのトナー飛散量は、当該第1期間よりも後である過去の所定の第2期間内に現像装置が消費したトナー消費量が多いほど、増大することがいえる。これは、当該第2期間内に現像装置が消費したトナー消費量が多いほど、劣化トナーから帯電電荷を奪う新規トナーの量が多くなり、劣化トナーからトナー飛散の原因となる帯電不足トナーを生み出しやすくなるからである。加えて、当該第2期間内に現像装置が消費したトナー消費量が多いほど、補給された新規トナー自身が摩擦帯電不足により帯電不足になってトナー飛散の原因となりやすくなるからである。第3に、現時点で生じ得るトナー飛散量は、目標トナー濃度が高いほど増大する。これは、現像装置内のトナーの絶対数が多いほどトナー飛散量も多くなるところ、適切なトナー補給制御が実施されていることを前提にすれば、現像装置内のトナー濃度は目標トナー濃度に維持されていると推定できるため、目標トナー濃度が高く設定されているほどトナー飛散量が増大するといえるからである。
以上をまとめると、現時点で生じ得るトナー飛散量は、所定の第1期間内に現像装置が消費したトナー消費量を示す第1トナー消費量指標値が小さいほど増大し、また、その第1期間よりも後である所定の第2期間内に現像装置が消費したトナー消費量を示す第2トナー消費量指標値が大きいほど増大し、また、目標トナー濃度が高いほど増大するという関係が得られる。
この関係を用いれば、現時点で生じ得るトナー飛散量を許容値以下に抑えるための目標トナー濃度の上限値VtrefMAXを、第1トナー消費量指標値(平均画像面積率A)と第2トナー消費量指標値(平均画像面積率B)とトナー飛散量許容値Zとから求めることができる。よって、このようにして求まる上限値VtrefMAXよりも低い目標トナー濃度Vtrefを設定することで、現時点で生じ得るトナー飛散量を許容値Z以下に抑えることができる。そして、このような目標トナー濃度の設定のために、トナー強制消費制御のように画像形成動作を実行できない期間(ダウンタイム)が生じることはなく、またそのようなダウンタイムが生じるとしてもトナー強制消費制御よりも短くて済む。
(態様B)
前記態様Aにおいて、画像形成動作により形成される画像の画像面積率を該画像に対応した画像情報から取得する制御部400等の画像面積率取得手段を有し、前記第1トナー消費量指標値は、前記第1期間内に行われた画像形成動作により形成された画像の平均画像面積率Aであり、前記第2トナー消費量指標値は、前記第2期間内に行われた画像形成動作により形成された画像の平均画像面積率Bであることを特徴とする。
これによれば、より簡易に目標トナー濃度の設定変更処理を行うことができる。
(態様C)
前記態様A又はBにおいて、前記目標トナー濃度設定手段は、前記第1トナー消費量指標値と前記第2トナー消費量指標値と前記目標トナー濃度とから推定されるトナー飛散量推定値が前記トナー飛散量許容値以下となるように、該目標トナー濃度を設定することを特徴とする。
上述したとおり、トナー飛散量は、前記算出式(1)より、前記第1トナー消費量指標値(平均画像面積率A)と前記第2トナー消費量指標値(平均画像面積率B)と前記目標トナー濃度Vtrefとから推定することができる。そして、この推定式(算出式(1))を用いれば、トナー飛散量を許容値以下に抑えたい場合の目標トナー濃度Vtrefの上限値を求めることができる。このようにして求まる目標トナー濃度Vtrefの上限値以下となるように目標トナー濃度を設定することで、トナー飛散量を許容値以下に抑えることができる。
(態様D)
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記目標トナー濃度設定手段は、前記第1トナー消費量指標値が高いほど目標トナー濃度が高く、前記第2トナー消費量指標値が高いほど目標トナー濃度が低く、前記トナー飛散量許容値が高いほど高くなるように設定されるトナー濃度許容上限値よりも、前記目標トナー濃度が低くなるように該目標トナー濃度を設定することを特徴とする。
これによれば、安定してトナー飛散量を許容範囲内に収めることができる目標トナー濃度を設定することができる。
(態様E)
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記目標トナー濃度設定手段は、前記現像装置が消費するトナー消費量が多いほど高く設定されるトナー濃度許容下限値よりも、前記目標トナー濃度が高くなるように該目標トナー濃度を設定することを特徴とする。
一般に、目標トナー濃度が低くなるほどキャリア付着量が増大するので、目標トナー濃度の下限値はキャリア付着量の許容値によって決めることができる。ただし、現像装置が消費するトナー消費量が多いほど(画像面積率が高いほど)、キャリア付着量が増加しやすい。よって、現像装置が消費するトナー消費量が多いほど(画像面積率が高いほど)、目標トナー濃度の下限値は高く設定する必要がある。本態様によれば、このように現像装置が消費するトナー消費量が多いほど高く設定されるトナー濃度許容下限値よりも、目標トナー濃度が高くなるので、キャリア付着量を許容範囲内に抑えることができる。
(態様F)
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記目標トナー濃度設定手段により前記目標トナー濃度が変更された後に、画像濃度が目標画像濃度に近づくように画像形成条件を調整する画像濃度調整制御を実行する制御部400等の画像濃度調整制御手段を有することを特徴とする。
これによれば、目標トナー濃度設定手段により目標トナー濃度が変更され、これにより画像濃度に変化が生じる場合でも、画像濃度調整制御を実行することでそのような画像濃度の変化が生じないようにすることができる。
(態様G)
トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像する現像装置からのトナー飛散量を推定するトナー飛散量推定方法であって、所定の第1期間内に前記現像装置が消費したトナー消費量を示す第1トナー消費量指標値(平均画像面積率A)が高いほどトナー飛散量が少なく、該第1期間よりも後である所定の第2期間内に該現像装置が消費したトナー消費量を示す第2トナー消費量指標値(平均画像面積率B)が高いほどトナー飛散量が多く、該現像装置内における二成分現像剤中のトナー濃度の目標値である目標トナー濃度Vtref又は現像装置内における二成分現像剤中のトナー濃度の検出値Vtが高いほどトナー飛散量が多くなるように、トナー飛散量を推定することを特徴とするトナー飛散量推定方法。
これによれば、画像形成動作を実行できない期間(ダウンタイム)を生じさせることなく、現像装置からのトナー飛散量を推定することができる。
1 感光体
2 帯電装置
5 現像装置
6 プロセスユニット
8 中間転写ベルト
20 光書込ユニット
40 定着装置
400 制御部
411 トナー補給装置
412 トナー濃度センサ
421 現像電源
422 トナー付着量検知センサ
特開2013−182251号公報

Claims (7)

  1. 画像情報に基づいて潜像担持体上に潜像を形成し、該潜像を現像装置によりトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像し、これにより得られるトナー像を最終的に記録材上に転写することで該画像情報に応じた画像を形成するとともに、現像装置が消費した分のトナーを所定の補給タイミングでトナー補給手段により該現像装置へ補給する画像形成装置において、
    前記現像装置内における二成分現像剤中のトナー濃度が目標トナー濃度に近づくように前記トナー補給手段にトナー補給させるトナー補給制御を実行するトナー補給制御手段と、
    所定の第1期間内に前記現像装置が消費したトナー消費量を示す第1トナー消費量指標値と、該第1期間よりも後である所定の第2期間内に該現像装置が消費したトナー消費量を示す第2トナー消費量指標値とに基づいて、前記目標トナー濃度を設定する目標トナー濃度設定手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    画像形成動作により形成される画像の画像面積率を該画像に対応した画像情報から取得する画像面積率取得手段を有し、
    前記第1トナー消費量指標値は、前記第1期間内に行われた画像形成動作により形成された画像の平均画像面積率であり、
    前記第2トナー消費量指標値は、前記第2期間内に行われた画像形成動作により形成された画像の平均画像面積率であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記目標トナー濃度設定手段は、前記第1トナー消費量指標値と前記第2トナー消費量指標値と前記目標トナー濃度とから推定されるトナー飛散量推定値が前記トナー飛散量許容値以下となるように、該目標トナー濃度を設定することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記目標トナー濃度設定手段は、前記第1トナー消費量指標値が高いほど目標トナー濃度が高く、前記第2トナー消費量指標値が高いほど目標トナー濃度が低く、前記トナー飛散量許容値が高いほど高くなるように設定されるトナー濃度許容上限値よりも、前記目標トナー濃度が低くなるように該目標トナー濃度を設定することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記目標トナー濃度設定手段は、前記現像装置が消費するトナー消費量が少ないほど高く設定されるトナー濃度許容下限値よりも、前記目標トナー濃度が高くなるように該目標トナー濃度を設定することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記目標トナー濃度設定手段により前記目標トナー濃度が変更された後に、画像濃度が目標画像濃度に近づくように画像形成条件を調整する画像濃度調整制御を実行する画像濃度調整制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像する現像装置からのトナー飛散量を推定するトナー飛散量推定方法であって、
    所定の第1期間内に前記現像装置が消費したトナー消費量を示す第1トナー消費量指標値が高いほどトナー飛散量が少なく、該第1期間よりも後である所定の第2期間内に該現像装置が消費したトナー消費量を示す第2トナー消費量指標値が高いほどトナー飛散量が多く、該現像装置内における二成分現像剤中のトナー濃度の目標値である目標トナー濃度現像装置内における二成分現像剤中のトナー濃度の検出値が高いほどトナー飛散量が多くなるように、トナー飛散量を推定することを特徴とするトナー飛散量推定方法。
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