JP2016018624A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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伸明 荒金
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直樹 和田
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Abstract

【課題】 ファン装置による冷却性能と低騒音化を両立させた誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】 本体と、前記本体に設置され、調理鍋が載置されるトッププレートと、前記トッププレートの下方に設置される加熱コイルと、前記加熱コイルの下方に設置される加熱室と、前記加熱コイルに電流を流すための電子部品が実装される基板と、前記加熱コイル及び前記電子部品を冷却するファン装置と、前記加熱室の側方位置に配し、前記基板及び前記ファン装置を収納した基板ケースと、を備えた誘導加熱調理器において、前記基板ケースは収納容器と収納蓋を上下に組み合わせて構成され、前記ファン装置は回転軸を前記本体の水平方向にもつ羽根車と、該羽根車を収納するケーシングと、前記羽根車を回動させるモータで構成し、前記ケーシングを前記収納容器と前記収納蓋で挟んで支持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱コイルを備える誘導加熱調理器に関する。
渦電流を利用して金属鍋そのものを発熱させる誘導加熱調理器が知られている。誘導加熱調理器で加熱調理する際には、調理鍋だけでなく加熱コイルや電子部品等も発熱する。したがって、ファン装置を用いて、加熱コイル等を冷却する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、誘導加熱コイルへの通電制御に係る各制御部が、別個の収容部に収容される積層形態の電装ボックスで構成され、単一ファンを電装ボックスに一体化し、このファンからの空気流が、積層の各収容部を経由する空気通路の発熱量に応じて分流される誘導加熱調理装置について記載されている。
特許文献2には、1つのファンで複数の基板に並列で冷却風を送る構成において、ファンの形態を遠心ファンとし、ファンの回転軸が上下方向になるように設置し、各駆動回路基板にファンの送風があたる構成にした誘導加熱調理器について記載されている。
特開2010−182480号公報 特開2004−172140号公報
特許文献1に記載の発明では、電装ボックスが積層した第一から第三の収納部(36〜38)とファンで構成されており、ファン(斜視図、図7)は第一の収納部36の底面に設置されている。つまり、ファンは底面側のみ固定された構成であり、ファンの搭載に対し、実際の運転時に生じる振動や騒音に対する配慮が十分でない。
一般的に回転振動は、ファンのモータ(電動機40B)の回転数が大きく、羽根車(多翼ファン、所謂シロッコファン40A)の外径が大きいほど、増大する傾向がある。よって、本構成では更に大きな冷却風量を必要する誘導加熱調理器に対し、風量の上昇に伴う騒音増加が懸念される。
風量上昇には、モータの回転速度増加や、羽根車(或いはケーシング)外径の大型化、羽根車幅の増加が設計改善材料となるが、騒音の増加要因となり得る。
また、量産する誘導加熱調理器のような製品では、モータに羽根車を設置してファンを構成する場合、個々に羽根車の回転アンバランスを完全に調整して搭載することは困難であり、多少の軸振れは発生する。
軸振れにより伝達される振動を抑制するには、羽根車外径の小径化や、羽根車幅の薄型化、低速回転化が有効であるが、いずれも風量の向上とトレードオフ関係になっている。
したがって、何ら対策無く、特許文献1のファン搭載構成を用いる場合、騒音増加を抑えるため、実用上の最大風量に上限が生じることになる。また、ファンに対して収納部を複数設けた場合、ファンで生じた騒音が電装ボックスの繋ぎ目から外部に漏れ易く、より騒音低減に対する対策が必要になる
また、電装ボックスが細分化されるため、組立て性も良好でなく、ファンの固定が十分にしにくい、などという問題がある。
特許文献2に記載の発明では、ファン10の回転軸が上下方向であり、ファン外形の大きさがロースター5の大きさで制限される。近年、ロースターは魚焼き以外にパンやお菓子、他の惣菜など、多様なメニューを自動調理する調理庫となっており、本体幅の半分以上の大きさを占める製品も多い。このため、ファンを収納する容積は狭められ、羽根車の外径が小さくなり、大風量の送風にはファンの回転数を上げる手段が採られるので、騒音が生じ易い構造となる。また、ファンの固定方向が回転軸方向となるため、固定方向と直角方向の軸振れを抑制する向きになっておらず、ファンによる振動の伝達によって騒音が生じ易いという課題がある。
そこで、本発明は、ファン装置による冷却性能の向上と低騒音化を両立させた誘導加熱調理器を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る誘導加熱調理器は、本体と、前記本体に設置され、調理鍋が載置されるトッププレートと、前記トッププレートの下方に設置される加熱コイルと、前記加熱コイルの下方に設置される加熱室と、前記加熱コイルに電流を流すための電子部品が実装される基板と、前記加熱コイル及び前記電子部品を冷却するファン装置と、前記加熱室の側方位置に配し、前記基板及び前記ファン装置を収納した基板ケースと、を備えた誘導加熱調理器において、前記基板ケースは収納容器と収納蓋を上下に組み合わせて構成され、前記ファン装置は回転軸を前記本体の水平方向にもつ羽根車と、該羽根車を収納するケーシングと、前記羽根車を回動させるモータで構成し、前記ケーシングを前記収納容器と前記収納蓋で挟んで支持する。
本発明によれば、ファン装置が大型化、高速回転化しても騒音の低い空冷構造を構成し、効率良く部品冷却できる誘導加熱調理器を提供できる。
実施例1の誘導加熱調理器の分解斜視図である。 図1に示すA−A線で切断した側断面図である。 図1に示すB−B線で切断した側断面図である。 ファン装置の分解斜視図である。 基板ケース下側を構成する収納容器内の基板及びファン装置の配置を示す斜視図である。 実施例2の誘導加熱調理器において、図1のA−A線で切断した側断面図である。 実施例3の誘導加熱調理器において、図1のA−A線で切断した側断面図である。
本発明の実施例について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、誘導加熱器C(図1参照)に相対したユーザの視線を基準として、図1等に示すように前後・上下・左右を定義する。なお、以下では、一例として、誘導加熱調理器1(図1参照)がビルトイン型のIH(Induction Heating)クッキングヒータである場合を説明するが、据置型のIHクッキングヒーターに本発明を適用しても良い。
図1は、本実施例の誘導加熱調理器の分解斜視図である。誘導加熱調理器1は、金属製である調理鍋(図示せず)の鍋底に渦電流を発生させ、この渦電流によるジュール熱で調理鍋そのものを発熱させるものである。前記した渦電流は、加熱コイル3a、3b、3cに高周波電流を流して磁束を時間的に変化させることで発生する。
誘導加熱調理器Cは、主に、本体1と、トッププレート2と、加熱コイル3a、3b、3cと、基板ケース6と、基板7a、7b、7cと、ヒートシンク8と、ファン装置9と、を備えている。
本体1は、誘導加熱調理器1が設置される空間(所定の左右幅・前後幅・高さ)に対応した外郭を有する筐体であり、上方が開放された箱状(凹状)を呈している。この本体1に、左側のロースタ部5、右側の基板ケース6、及びこれらの上方に位置する加熱コイル3a、3b、3c等が設置され、さらに上から蓋をするようにトッププレート2が設置される。
図2は、図1に示すA−A線で切断した側断面図である。本体1の背面側にはそれぞれ、ファン装置9の駆動によって外部から空気を取り込むための吸気開口部H1が設けられている。なお、ファン装置9から本体1内に吹き出される空気を排出するための排気開口部H2は、後記するトッププレート2の後方に設けられている。
なお、本体1の後方の他に、例えば正面下側にも吸気開口部を設ければ、比較的低温の空気が本体1内に取り込み易くなる。また、左側に位置するロースタ部5から遠い背面側に吸気開口部H1を設けることで(図1参照)、吸気開口部H1を介して取り込まれる空気がロースタ部5の温度制御に与える影響を緩和できる。
本体1の正面左側には、ロースタ部5をスライド可能に設置するための投入口(図示せず)が設けられている。また、本体1の正面右側には、調理鍋の火加減やロースタ部5の加熱具合を調整するための操作パネルP2が設けられている。
トッププレート2は、調理鍋が載置される板状部材(耐熱ガラス製)であり、本体1の上から設置される。トッププレート2は、三つの加熱コイル3a、3b、3cの設置位置に対応した三口の鍋載置部21と、調理鍋の火加減を調整するための操作部22と、火力調整量等を表示する表示部P1と、排気開口部H2と、を有している。
前記したように、排気開口部H2は、ファン装置9から吹き出される空気を排出するための複数の孔であり、トッププレート2の後方(右側・左側)に設けられている。
加熱コイル3a、3b、3cは、インバータ回路(電子部品72など)の駆動によって高周波電流が流れるコイルであり、コイルベース31に載置されている。なお、本実施例では、平面視において右・左・中央奥に一つずつ加熱コイル3a、3b、3cを設けるようにした。
コイルベース31は、3つの支持部材32(例えば、バネ)で支持され、この支持部材32によって上向きの付勢力が与えられている。これによって、加熱コイルはプレート2の下面に押し付けられ、調理鍋と加熱コイル3a、3b、3cとの距離が一定に保たれる。コイルベース31には、フェライト等の磁性体33が埋設されており、前記した高周波電流で生じる磁束が調理鍋を貫くように配置されている。
加熱コイル3a、3b、3cは、トッププレート2の下方に設置され、その中心付近に鍋底の温度を検出する温度センサ34が設置されている。また、加熱コイル3a、3b、3cは、ファン装置9の下流側に配置されており、ファン装置9から吹き出された空気が基板ケース6上の通風ダクトDを介して加熱コイル3a、3b、3cの下側に当たるようになっている。
なお、実施例1では、中央奥に加熱コイル3cを配した誘導加熱調理器であるが、加熱コイル3cの代わりに、電流が流れることで生じる抵抗熱で鍋等を加熱する電熱ヒータ(ラジエントヒータ)であっても差し支えない。このように電熱ヒータを設けることで、加熱コイル3a、3bでは誘導加熱できないもの(例えば、土鍋)も加熱できる。
図3は、図1に示すB−B線で切断した側断面図である。ロースタ部5は、例えば、魚焼きを行うためのものであり、熱源である電熱ヒータ(上ヒータ41a・下ヒータ41b)と、魚等が載置される焼網42と、この焼網42の下方に配置される受け皿43と、を有している。ロースタ部5は、前記したように、平面視において本体1内の左領域に配置され、本体1に対して前後方向でスライド可能になっている。
なお、ロースタ部5の熱源は電熱ヒータに限らず、マイクロ波、水蒸気、又はこれらの組合せで食品を熱するようにしてもよい。また、温度調節器を備えてオーブン加熱するようにしてもよい。図1では、本体幅の1/2以上のロースタ部5を備えた誘導加熱調理器Cを示した。
図1に示す基板ケース6は、電子部品71やヒートシンク8が実装される基板7a、7b、7cと、基板ケース6内の風路を介して空気を通流させるファン装置9と、を収容する筐体であり、本体1内においてロースタ部5の右側に設置されている。つまり、基板ケース6は、本体1内の空間のうち加熱コイル3a、3b、3c及びロースタ部5を除いた余剰空間に設置されている。
また、図2に示すように基板ケース6は、収納容器6aと収納蓋6bを上下に組み合わせて構成される。収納容器6aと収納蓋6bの合わせ部61は、外周の一部或いは全部を、図3のように一方をオーバーラップさせてもよいし、或いはフランジ形状にして接触面を広くさせて固定してもよい。これらは、収納容器6aと収納蓋6bの合わせ部61から空気漏れを抑えるための構造である。
図4はファン装置9の分解斜視図である。ファン装置9は、吸気口H3、H4を介して基板ケース6内に空気を取り込み、取り込んだ空気を加熱コイル3a、3b、3cに向けて吹き出すことで電子部品71や加熱コイル3a、3b、3cを冷却する多翼ファンである。
実施例1のファン装置9は、ケーシング90と、羽根車91と、モータ92と、モータ取付け板93で構成される。つまり、羽根車91は、ケーシング90とモータ取付け板93で周囲を囲まれた空間に収納され、ケーシング90に接触しないように、モータ92の回転軸Zで回転支持される。回転軸Zは本体1の左右方向に延びており、モータ92は右側にのみ設けられる。なお、モータは図示した隈取式交流モータでなく、直流モータであっても構わない。ファン装置9は羽根車91の回動を、モータ取付け板93を介して外方から駆動する構成を対象としている。
図4に示すファン装置9は、羽根車91を回転軸方向に分割して成型されており、ケーシング90の左側と、モータ取付け板93に吸気口H3、H4がそれぞれ配置される。羽根車91は、その幅W1に対し、吸気口H3側の幅W3、吸気口H4側の幅W4としており、W3>W4である。
これはモータ取付け板93に、モータの取付け部を設けることによって、吸気口H4の面積が小さくなるため、幅W4の羽根車部分では主にモータ92の冷却を行い、送風量の多くは幅W3の羽根車部分で得る構成となっている。なお、モータ92の回転軸と羽根車91は、おおよそ羽根車91の分割部分(W3とW4の接合面)となっている。
また、ファン装置9では、羽根車91の幅W1が長いため、回転軸Zに対して生じる微小な軸振れが、羽根車91の先端91aで大きくなり易い。このため、ケーシング90とモータ取付け板93の内部に羽根車91を収納する際、軸振れによる振動変位量を考慮して、羽根車91の先端91aとケーシング90、羽根車の先端91bとモータ取付け板93の間に回動時に接触しない十分な間隙を設けている。
軸振れがある場合、羽根車91の変動が回転軸Zを伝わり、モータ92を加振させる。したがって、モータ92が取り付けられるモータ取付け板93は、振動が伝達され、さらにモータ取付け板93が設置されるケーシング90全体の振動となる。よって、ファン装置9において、支持されない部位は大きな振動を誘発し、基板ケース6や本体1の騒音の原因となる。なお、ファン装置9の回転数は、誘導加熱調理Cによる設計事項であるが、本体の共振周波数が近ければ大きな振動と騒音が発生することになる。
ファン装置9は、モータ92の駆動によって羽根車91を回転させることで、当該回転の前方向に空気を通流させるように構成されている。つまり、ファン装置9は、ヒートシンク8の上流側に配置されるとともに、その回転軸Zが基板7a(第1基板)の面方向に対して略平行となる本体1の左右方向に配置される多翼ファンである。ファン装置9が駆動することで、このファン装置9の吸気口H3、H4から空気が取り込まれ、基板7a、7bに向けて吹き出される。
ここで、本実施例では、便宜上、部品毎にケーシング90とモータ取付け板93を別個に記載している。
図5は、基板ケース6下側を構成する収納容器6a内の基板7a及びファン装置9の配置を示す斜視図である。ファン装置9は、そのケーシング90の下方に設けた脚部93(図4参照)により、収納容器6aの内側底面に固定されている。
また、図5に示すように、ファン装置9のケーシングの吐出口H5の下流側には、4個のヒートシンク81〜84が配置されている。ファン装置9の吐出口H5は、ファン装置9側のヒートシンク81、83の上流側外形断面より大きく開口しており(図3参照)、ファン装置9の駆動に伴って所定流量の空気がヒートシンク81〜84に導かれる。
ファン装置9を設置した図5の収納容器6aは図2に示すように、収納蓋6bで上方を覆われ基板ケース6を構成する。その際、ファン装置9のケーシング90は、収納蓋6bに接触し支持される。つまり、ケーシング90は、収納容器6aと収納蓋6bで上下方向から挟まれて支持される。ここで、本実施例では、収納容器6aにケーシング90が固定されるため、ファン回転時に生じる振動(騒音)はケーシングと収納蓋6bの接触部60(図2参照)で吸収され緩和される。なお、収納蓋6bの設置時に、ファン装置9に本体下向きの力を加えるようにすれば、ケーシング90の振動を更に抑えられる。
また、上記の構造は、まず基板ケース6の収納容器6aに基板7aを設置し、次いでファン装置9を設置し、さらに基板7b、7cを収納した後、最後に収納蓋6bで覆う組立て手順となる。これは、本体1に下方から、ロースタ部5と基板ケース6、加熱コイル3a、3b、3c、トッププレート2の組み立て順と同じ方向からの作業となる。
なお、図1のように搭載するファン装置9の場合、羽根車91の幅W1は基板ケース6の幅の1/4(約50mm)以上長くなると、軸振れの影響が顕著に見られる。また、外径W2も大きいほど、振動が大きくなるので、羽根車91の外径W2は80mmから110mm程度が望ましい。また、外径W2はケーシング90の内側の曲面(スクロールの拡大角)に適した範囲があり、送風抵抗や送風量の設計条件によって決められている。ここで、実施例1では、羽根車91の両端に吸気口H3、H4を配したファン装置9を示したが、例えば片側のみ(吸気口H3)から吸気する構成であってもよい。
本実施例では、ケーシング90を介して伝達される力による収納蓋6b上面の変形や撓みを抑えるための凹凸を設けており、接触部60を補強し剛性を上げた構成としている。また、ケーシング90の上面に効率よく接触できるように、収納容器6aの内側に向かって突起した凸部60aを構成した。
なお、この凹凸は例えば基板7dの設置や排気開口部H2からの液体浸入を防ぐ受け部などに利用できる。
また、ファン装置9は収納蓋6bと収納容器6aにより羽根車91の回転軸Zを上下方向から挟んだ構造では、羽根車91の回転周方向の振動を支持するものであり、例えば羽根車91の回転軸Zが本体1の前後方向であっても同様の振動抑制効果があることは言うまでもない。
図3に示す排気口H6は、ファン装置9から吹き出された空気を通風ダクトDに導くための孔であり、基板ケース6の収納蓋6b上壁に設けられている。この排気口H6には、左右で別々の風路を有する通風ダクトDが接続される。通風ダクトDに設けられた二つの吹出口H7のうち、左側は加熱コイル3a、3cの下面に臨んでおり、右側は加熱コイル3bの下面に臨んでいる。
つまり、ファン装置9から吹き出された空気が三つの加熱コイル3a、3b、3cに向けて分流するように、通風ダクトDが排気口H6に接続されている。これによって、左右と中央奥に設けられた加熱コイル3a、3b、3cに対し、ファン装置9からの空気を下側から直接的に吹き付けることができる。
前記したように、基板ケース6は基板7a、7b、7c及びファン装置9を収納しており、ファン装置の吸気口H3、H4及び吸気開口部H1以外の箇所は略密閉されている。これによって、基板ケース6内を通流する空気の漏れを抑制し、電子部品71が実装された基板7a、7b、7c、及び加熱コイル3a、3b、3cの冷却効率を高めることができる。
基板7a、7bは、インバータ回路を含む各種の電子部品71が実装されるプリント基板であり、基板ケース6の収納容器6aに収納されている。
下段の基板7a(図2参照)は、基板ケース6の収納容器6a底面付近で水平に延びており、収納容器6aに設けられたファン装置9の吐出口H5よりも下方に位置している。なお、本実施例では、基板7aの縁部がファン装置9を除く収納容器6aの内壁面(平面視で矩形状)に近接する大きさの基板を用いた。
中段の基板7bは、基板ケース6内で基板7a上方に積層され、基板7aと同様に略水平に延びており、ファン装置9の吐出口H5から吹き出される空気が供給される。
上段の基板7cは基板ケース6内で基板7b上方に積層され、基板7a、7bと同様に略水平に延びており、基板7a、7bの下流に配置される。これは基板7cに発熱量の小さい電子部品71しか実装されておらず、基板7a、7bに比べ、比較的冷却が容易であるためである。
下段の基板7aには、高発熱素子72と、この高発熱素子72を放熱させるヒートシンク8(本実施例では、4個のヒートシンク81〜84)と、複数の電子部品71と、が実装されている。本実施例では、高発熱素子72及びヒートシンク81〜84を下段の基板7aのうち吐出口H5付近に集めて実装するようにした。これによって、ファン装置9の吐出口H5を介して基板ケース6に流入する空気によって、高発熱素子72等を効果的に冷却できる。
図2に示す基板台73aは、下段の基板7aを固定するための絶縁部材(樹脂部材)である。基板台73aは、例えば、基板ケース6の内壁面から内側に向けて突出する複数のリブ(図示せず)に載置された状態でネジ止めされ、収納容器6aの底面付近に固定されている。
基板台73bは、中段の基板7bを固定するための絶縁部材(樹脂部材)である。基板台73bには、基板7aと基板7bを連通する開口(図示せず)が前側に形成され、その開口を介して基板7aと基板7bに供給された空気が混合する。
つまり、基板台73bは、その奥側の領域で基板7bを固定するとともに、基板ケース6内の空間において、ファン装置9から供給される二つの風路(基板7aと基板7bへの流れ)を仕切る壁として機能する。
基板台73cは、上段の基板7cを固定するための絶縁部材(樹脂部材)である。板台73cには、基板7aと基板7bを冷却した空気を上方に導く開口(図示せず)が前側に形成され、その開口を介して、基板7aと基板7bに供給された空気は混合し、基板ケース6上方に運ばれる(図2、図3参照)。
このように、基板7a、7b、7cを樹脂製の基板台73a、73b、7cで固定することによって、基板7a、7b、7c間の電磁ノイズを低減したり、熱移動を抑制したりする効果がある。ちなみに、基板ケース6を樹脂成型する場合、下段の基板台73aを省略し、基板7aを基板ケース6の収納容器6a底面に直接固定してもよい。
図2に示すように、基板ケース6におけるファン装置9の位置関係は、上下方向において二つの基板7a、7bの間に跨った位置に吐出口H5が配置されている。したがって、吐出口H5を介して基板ケース6内に流入した空気は、下段の基板7aと、中段の基板7bと、基板ケース6の左右の内壁面と、によってできる二つの風路を介し、通風ダクトDに向けて通流する。
図5に示すヒートシンク81〜84は、発熱性の高い電子部品である高発熱素子72から吸熱し、ファン装置9の吐出口H5を介して流入する空気に対して放熱する放熱器である。ヒートシンク81〜84はそれぞれ、所定の表面積を有するフィン8bを有しており、基板7aに設置されている。図3に示す例では、吐出口H5付近で4個のヒートシンク81〜84を左右二列に配置した。
ヒートシンク81は、基部8aと、この基部8aから水平に延びる複数のフィン8bを有しており、フィン8bの間を空気が流通するように配置されている。図3に示すように、フィンの根元を固定する基部8aは、左右方向に垂直な平面に沿って(つまり、吸気口H3から流入する空気の流れに沿う方向に)延びている。
図5に示すように、ヒートシンク81〜84は、ファン装置9に近い上流側に設置されている。つまり、吐出口H5を介して流入した空気によって、発熱量が最も大きい高発熱素子72が最初に冷却されるようにヒートシンク81〜84が配置されている。このように、吐出口H5の近傍にヒートシンク81〜84を配置することで、高発熱素子72を効果的に冷却できる。
また、ヒートシンク81〜84に空気を吹き付けて熱交換させる際、平板状を呈するフィン8bの前端(上流端)に向かうほど熱伝達率が高くなる(前縁効果)。つまり、空気の通流方向(前後方向)でフィン8bの長さを確保して表面積を広げるよりも、空気の通流方向に直交する左右方向でフィン8bの長さを確保して表面積を広げる方が、冷却し易くなる。
本実施例では、ファン装置9の吐出口H5付近で、空気の通流方向に対し、熱交換効率が高い複数のヒートシンク81〜84を配置した。これによって、前記した前縁効果を利用し、高発熱素子72の冷却性能を向上している。
各基板7a、7b、7c上の電子部品71は、加熱コイル3a、3bに高周波電流を供給したり、ファン装置9を駆動したりするために用いられる集積回路、インバータ回路、コンデンサ、抵抗器等である。
加熱コイル3a、3b、3cに高周波電流を供給するインバータ回路は、スイッチング素子(例えば、IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)を複数個備えている。高発熱素子72として、例えば、ハーフブリッジ回路に用いられる2個のスイッチング素子や、整流回路のダイオードブリッジが挙げられる。
図5に示す例では、右側の加熱コイル3aに給電する右インバータ回路に対応して2個のヒートシンク81、82が設けられ、左側の加熱コイル3bに給電する左インバータ回路に対応して2個のヒートシンク83、84が設けられている。
(基板ケース内の空気の流れ)
トッププレート2の鍋載置部21(例えば左側の加熱コイル3aに対応)に、調理鍋が載置され、ユーザによって操作パネルP2(図1参照)が操作されることで加熱処理が開始される。調理鍋の下方に位置する加熱コイル3aには、制御装置(図示せず)からの指令に応じてインバータ回路(図示せず)から高周波電流が供給され、調理鍋が誘導加熱される。
加熱コイル3aで調理鍋を誘導加熱すると、この加熱コイル3aの他に、前記したインバータ回路を構成する高発熱素子72や電子部品71も発熱する。
加熱処理の開始とともに、制御装置(図示せず)からの指令に応じてファン装置9が駆動する。図2に示すように、ファン装置9(多翼ファン)は基板ケース6の収納容器6aと収納蓋6bで上下を挟まれて固定されている。したがって、羽根車の大きなファン装置、或いは羽根車を高速回転で可動させたファン装置であっても、ケーシング90の振動を抑えて、基板ケース6内に大風量の空気を供給しやすくなる。
ファン装置9が駆動すると、吸気口H3、H4近傍で負圧が発生し、吸気開口部H1及び吐出口H5を順次通流した空気が基板ケース6内に取り込まれる。吐出口H5を介して流入した空気は、仕切壁である基板台37bを挟んで上下の基板7a、7bに分流され、基板上のヒートシンク8から吸熱し、下段の基板7aと中段の基板7bの風路を介して上段の基板7cに向かう。また、ヒートシンク8を介した放熱によって高発熱素子72が冷却され、基板7a、7bに実装された他の電子部品71も空気との熱交換によって冷却される。
次にファン装置9から供給される空気は、基板ケース6上方に向かって流れ、加熱コイル3a、3b、3cの冷却に利用される。なお、上段の基板7cと基板ケース6との間でも空気の流れが生じるため、基板7cに実装された電子部品71(発熱量は比較的小さい)も冷却される。
ファン装置9から基板ケース6の収納蓋6b上面の開口H6を介して上方に吹き出された空気は、通風ダクトDを介して加熱コイル3a、3b、3cに吹き付けられる(図1、図3参照)。そして、通風ダクトDの吹出口H7から吹き出される空気との熱交換によって加熱コイル3a、3b、3cが冷却される。一方、加熱コイル3a、3b、3cから吸熱した空気は、図2に示す風路K1を介して通流し、基板ケース6の収納蓋6b上方の基板7dを冷却しつつ、排気開口部H2を介して排出される。
以上で説明したように、本実施例では、基板7a、7b、7cと、ファン装置9と、を収納する基板ケース6が、収納容器6a(下側)と収納蓋6b(上側)の上下の組み合わせで構成されており、ファン装置9は多翼ファンで、回転軸Zを本体1の左右方向にもつ羽根車91と、羽根車91を収納するケーシング90とモータ取付け板93と、羽根車91を回動させるモータ92で構成し、ケーシング90を収納容器6aと収納蓋6bで挟んで支持した。なお、ファン装置9は、ケーシング90の左右に吸気口を配した両吸込み構造となっており、収納容器6aの底面にケーシング90の下方を固定させた。
このような構成でファン装置9を基板ケース6に収納し、下段の基板7aよりも上流に配置することでとで、羽根車91の幅W1や外径W2が大きい場合でも、低振動でファン装置9を駆動し、大風量の冷却風を送風することができる。
つまり、所定風量の空気を送風するのに必要なファン装置9を、基板ケース6に収納可能な最大外形の羽根車91を用い、必要十分な低い回転数を設定し、冷却効率を向上させるとともに、静音・大風量化を図ることができる。
また、ファン装置9の吐出口H5の近傍に、複数のヒートシンク8を配置し、本体1の吸気開口部H1から流入した空気をヒートシンク8に供給し、特に高発熱素子72を効率的に冷却できる。
また、本構成は、収納容器6aにファン装置9を設置した後、収納蓋6bでファン装置9上方を覆う手順となる。したがって、誘導加熱調理器1の部品の取付け・取外し作業を本体1上面側からのみで行うことができ、作業負担を軽減できる。
実施例2は、実施例1と比較して基板ケース6の収納蓋6aとファン装置の接触状態が異なるが、その他については実施例1と同様である。したがって、当該異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図6は、本実施例に係る誘導加熱調理器において、図1のA−A線で切断した側断面図である。なお、本実施例は吸気開口部H1の位置によらないため、吸気開口部H1をトッププレート2の後方右側とした誘導加熱調理器Cを示した。
図6に示すファン装置9のケーシング90は、実施例1と同様に、基板ケース6の収納容器6aと収納蓋6bに挟まれて支持されるとともに、ケーシング90と収納蓋6aの間に例えばシリコンゴムなどの弾性材料からなる弾性部材61を介在させたものである。
これによって、実施例1で説明したように、ファン装置9の振動を吸収し、騒音の発生を抑制できる。
更に、前記弾性部材61を、ケーシング90を固定した収納容器6a底面との間隙に介在させれば、ケーシング90の上下全てを弾性部材61で支持できる。また、吐出口H5近傍の外周に、同様に弾性部材を巻くことにより、吐出口H5近傍の隙間を少なくし、基板71a、71b側から逆流する空気の漏れを抑える効果も期待できる。
本実施例によれば、弾性部材61を追加することで、ケーシング90と収納蓋6aの密着性が良好になり、ファン装置9の振動伝達を効果的に抑制できる。
また、ケーシング90に直接支持する圧力が緩和されるので、ケーシング90(つまり、スクロール90a)の変形を防止できる。その結果、ケーシング90の変形により、羽根車91とスクロール90aの位置関係のズレで生じる流れ損失を低減でき、内部の渦発生を抑制し、効率よく羽根車91から空気を送風できるとともに、騒音増加を低減できる。
さらに、組み込みを行う上では、実施例1と同様、本体1の上側から順次積み重ねて容易に搭載できる。
実施例3は、実施例1と比較して、基板ケース6の収納蓋6aとファン装置の接触状態が異なるが、その他については実施例1と同様である。したがって、当該異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
図7は、本実施例に係る誘導加熱調理器において、図1のA−A線で切断した側断面図である。なお、本実施例は吸気開口部H1の位置によらないため、吸気開口部H1をトッププレート2の後方右側とした誘導加熱調理器Cを示した。
図7に示すファン装置9のケーシング90は、実施例1と同様に、基板ケース6の収納容器6aと収納蓋6bに挟まれて支持されるとともに、ケーシング90と接触する収納蓋6aの接触部60を、ケーシング90上方の形状に合わせた曲面に成形し、両者の接触面積を増加させたものである。
なお、実施例2と同様に、ケーシング90と基板ケース6の隙間に弾性部材を介在させてもよい。
本実施例によれば、ケーシング90と収納蓋6bの支持部60を面接触にすることで収納蓋6bの取付け時にケーシング90に加わる力が分散する。したがって、ケーシング90の変形防止による送風性能の低下を抑えられるとともに、ケーシング90の振動防止による騒音低減効果を向上できる。
以上、本実施例に係る誘導加熱調理器Cについて各実施例により説明したが、本実施例はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記各実施例では、トッププレート2の下方に三口の加熱コイル3a、3b、3cが設置される場合について説明したが、これに限らない。すなわち、加熱コイルの個数は、一口や二口であってもよいし、四口以上であってもよい。
また、前記各実施例では、基板の枚数が三枚である場合について説明したが、これに限らない。すなわち、基板の枚数は、ロースタ部5の容積や電子部品71の個数、それらの配線量等によって適宜変更できる。
また、前記各実施例では、ファン装置9の回転軸Zを本体の左右方向とした場合についてのみ記載したが、収納容器6aと収納蓋6bで挟んで支持されればよく、例えば回転軸が前後方向であるなど、本体と水平方向であれば同様の低騒音効果があることは言うまでも無い。
また、前記各実施例では、トッププレート2の下側に配置された全ての加熱コイル3a、3b、3cに対して冷却風を流せるように通風ダクトDを分岐させる場合について説明したが、これに限らない。例えば、加熱コイル3a、3b、3cの発熱状況に応じて必要な加熱コイルにのみ冷却風を供給するための開閉手段を設けてもよい。
また、前記各実施例では、加熱コイル3a、3b、3cの冷却方法として、コイルベース31の下方から加熱コイル3a、3b、3cの下面に冷却風を供給する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、トッププレート2と加熱コイル3a、3b、3cとの間隙に空気を流すように風路を構成し、加熱コイル3a、3b、3cの両面を冷却するようにしてもよい。
また、実施例1では、ファン装置9の吐出口H5の近傍にヒートシンク8が設けた場合について説明したが、これに限らない。例えば、低騒音で大風量で送風できれば、ヒートシンクの配置、即ち基板の配線パターンも自由にレイアウトし易くなる。
また、前記各実施例では、吸気開口部H1を本体1の背面のみに設ける場合について説明したが、これに限らない。すなわち、吸気開口部H1として、正面側の操作パネルP2(図1参照)にスリット状の開口をさらに設け、吸気面積を拡大してもよい。なお、これら吸気開口部H1にフィルタを設置し、埃の侵入を防止することが好ましい。なお、他の実施例についても同様である。
また、前記各実施例では、誘導加熱調理器Cがビルトイン型のIHクッキングヒータである場合について説明したが、これに限らない。すなわち、キッチン台に載置して使用する据置側のIHクッキングヒータであってもよい。
1 本体
2 トッププレート
3a、3b、3c 加熱コイル
6 基板ケース
7a、7b、7c、7d 基板
71 電子部品
73a、73b、73c 基板台
8、81、82、83、84 ヒートシンク
9 ファン装置
90 ケーシング
91 羽根車
92 モータ
H1 吸気開口部
H2 排気開口部
Z 回転軸

Claims (4)

  1. 本体と、
    該本体に設置され、調理鍋が載置されるトッププレートと、
    前記トッププレートの下方に設置される加熱コイルと、
    前記加熱コイルの下方に設置される加熱室と、
    前記加熱コイルに電流を流すための電子部品が実装される基板と、
    前記加熱コイル及び前記電子部品を冷却するファン装置と、
    前記加熱室の側方位置に配し、前記基板及び前記ファン装置を収納した基板ケースと、を備え、
    該基板ケースは収納容器と収納蓋を上下に組み合わせて構成され、
    前記ファン装置は回転軸を前記本体の水平方向にもつ羽根車と、該羽根車を収納するケーシングと、前記羽根車を回動させるモータで構成し、前記ケーシングは前記収納容器と前記収納蓋で挟んで支持されることを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記ケーシングは前記収納容器の底部に固定されるとともに、前記収納蓋と前記収納容器により前記羽根車の回転軸を上下方向から挟んで前記ファン装置が支持されることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記ファン装置と接触する前記収納蓋の支持部を、前記収納容器の内側に向かって突起して構成させたことを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記ファン装置は、前記羽根車の回転軸方向の前記ケーシング両端に開口を有する両吸込み構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の誘導加熱調理器。
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