JP2016023091A - ガラス切断工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスカッターホイールの回転性能の低下を低減させ、もって、スクライブ・ブレイク工程の歩留まりを向上させることができるガラス切断工具を提供する。【解決手段】ホイールホルダ2と、ホイールホルダ2にピンを介して回転可能に取り付けられるガラスカッターホイール3とを備え、ホイールホルダ2は、少なくともガラスカッターホイール3の側面と接触する可能性のある両側壁面22bが自己潤滑性を有する自己潤滑性部材22dで形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、各種電子機器に使用されているガラスを切断するためのガラス切断工具に関する。より詳しくは、ガラスカッターホイールの回転性能の低下を低減させ、もって、スクライブ・ブレイク工程の歩留まりを向上させることができるガラス切断工具に関する。
近年普及しているフラットパネルディスプレイやスマートフォン、あるいは、タブレット端末等の電子機器には、薄厚で破断強度が高いガラスが使用されている。このようなガラスを切断(スクライブ)するにあたっては、例えば、特許文献1〜3に記載のようなガラスカッターホイールが用いられている。
この特許文献1に記載の発明は、ガラスカッターホイールを挟持するホイールホルダの各面に超硬合金製のリングをろう付けなどで固着し、もって、ホイールホルダのガラスカッターホイールとの接合面が摩耗することを防ぎ、ガラスカッターホイールの傾斜やその軸線方向の移動を阻止するものである。
また、特許文献2に記載の発明は、ホイールホルダの下部にはガラスカッターホイールを配置するための空間が形成され、この空間を隔てて左右の支持部が設けられている。そして、左右の支持部には互いの中心軸が一致するように一直線上に配置されたカッターピン挿入孔が設けられ、支持部の相対する内側面でピン挿入孔の開口部にピン孔を備えた超硬材料(焼結ダイヤモンドあるいは超硬合金)のリング体がろう付けで貼り付けられている。これにより、カッターホイールの垂直度を高めるとともに回転支承部分の摩耗を抑えて回転精度の維持を図るというものである。
そして、特許文献3に記載の発明は、中央に貫通孔を有するガラスカッターホイールと、平行な対向面を持つスリットを形成するように連結され、連結されたときに同一の中心軸の貫通孔を有する一対のホイールホルダと、そのホイールホルダの相対向する貫通孔の位置に取付けられ、外周面に外向きに湾曲した湾曲面を形成し中心に貫通孔を有する一対のスペーサと、ホイールホルダ及び一対のスペーサの貫通孔とガラスカッターホイールの貫通孔に挿入され、ガラスカッターホイールを回転自在に保持するピントとを具備するものである。これにより、ガラスカッターホイールの側面と、スペーサや軸支持部との接触面積を小さくしているため、摩擦を小さくすることができ、もって、スクライブラインの直線性を向上させることができる。さらには、ガラスカッターホイールの側面のスペーサや軸支持部との間で摩耗を小さくすることができるため、ガラスカッターホイールを長寿命化することができるというものである。
しかしながら、上記のような発明には、次のような問題があった。すなわち、ガラスカッターホイールが回転する際、ホイールホルダとガラスカッターホイールとの間に介在している部材と接触することによる摩擦を低減させることができず、もって、ガラスカッターホイールの回転性能が低下してしまうという問題があった。これにより、ガラスを切断(スクライブ)する際生じるスクライブラインにチッピングが発生し、その後のガラスの分断(ブレイク)工程でガラスの割れ不良が発生するという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、ガラスカッターホイールの回転性能の低下を低減させ、もって、スクライブ・ブレイク工程の歩留まりを向上させることができるガラス切断工具を提供することを目的としている。
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1の発明によれば、ホイールホルダ(2)と、
前記ホイールホルダ(2)に取付軸(ピン4)を介して回転可能に取り付けられるガラスカッターホイール(3)とを備え、
前記ホイールホルダ(2)は、少なくとも前記ガラスカッターホイール(3)の側面と接触する可能性のある部分が自己潤滑性を有する材料(自己潤滑性部材22d)で形成されてなることを特徴としている。
前記ホイールホルダ(2)に取付軸(ピン4)を介して回転可能に取り付けられるガラスカッターホイール(3)とを備え、
前記ホイールホルダ(2)は、少なくとも前記ガラスカッターホイール(3)の側面と接触する可能性のある部分が自己潤滑性を有する材料(自己潤滑性部材22d)で形成されてなることを特徴としている。
また、請求項2の発明によれば、ホイールホルダ(2A)と、
前記ホイールホルダ(2A)に取付軸(ピン4)を介して回転可能に取り付けられるガラスカッターホイール(3)と、
前記ガラスカッターホイール(3)の側面と前記ホイールホルダ(2)との間に設けられる自己潤滑性を有する自己潤滑性部材(5)とで構成されてなることを特徴としている。
前記ホイールホルダ(2A)に取付軸(ピン4)を介して回転可能に取り付けられるガラスカッターホイール(3)と、
前記ガラスカッターホイール(3)の側面と前記ホイールホルダ(2)との間に設けられる自己潤滑性を有する自己潤滑性部材(5)とで構成されてなることを特徴としている。
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1に係る発明によれば、ガラスカッターホイール(3)がホイールホルダ(2)に接触したとしても、その接触する可能性のあるホイールホルダ(2)の部分が自己潤滑性を有する材料(自己潤滑性部材22d)で形成されているから、この材料(自己潤滑性部材22d)によってガラスカッターホイール(3)とホイールホルダ(2)との接触面の摩擦係数が低減され、ガラスカッターホイール(3)の回転性能の低下を低減させることができる。これにより、ガラスを切断(スクライブ)する際生じるスクライブラインを均一にすることができ、もって、チッピングの発生を低減させることができる。また、その後のガラスの折割(ブレイク)工程においても、良好なガラスの分断を行うことができる。
よって、本発明によれば、ガラスカッターホイールの回転性能の低下を低減させ、もって、スクライブ・ブレイク工程の歩留まりを向上させることができる。
また、請求項2に係る発明によれば、ガラスカッターホイール(3)がホイールホルダ(2)に接触したとしても、その接触する可能性のあるガラスカッターホイール(3)の側面とホイールホルダ(2)との間に自己潤滑性を有する自己潤滑性部材(5)を設けているから、この自己潤滑性部材(5)によってガラスカッターホイール(3)とホイールホルダ(2)との接触面の摩擦係数が低減され、ガラスカッターホイール(3)の回転性能の低下を低減させることができる。これにより、ガラスを切断(スクライブ)する際生じるスクライブラインを均一にすることができ、もって、チッピングの発生を低減させることができる。また、その後のガラスの折割(ブレイク)工程においても、良好なガラスの分断を行うことができる。
よって、本発明においても、ガラスカッターホイールの回転性能の低下を低減させ、もって、スクライブ・ブレイク工程の歩留まりを向上させることができる。
<第1実施形態>
以下、本発明に係るガラス切断工具の第1実施形態を、図1〜図2を参照して具体的に説明する。
以下、本発明に係るガラス切断工具の第1実施形態を、図1〜図2を参照して具体的に説明する。
図1に示すように、ガラス切断工具1は、ホイールホルダ2と、ガラスカッターホイール3とで構成されている。このホイールホルダ2は、主に焼き入れ鋼等の材質で形成され、ガラスカッターホイール3の両側面と接触する部分が、自己潤滑性を有する砲金、オイルレスメタルと呼ばれる金属焼結や銅系・鉄系焼結材料等の材質で形成されている。
このような材質からなるホイールホルダ2は、図1に示すように、略円柱状に形成されているホイールホルダ中央部20と、そのホイールホルダ中央部20の上端部より突設している当該ホイールホルダ中央部20よりも小径な略円柱状のホイールホルダ上部21と、そのホイールホルダ中央部20の下端部より突設している当該ホイールホルダ中央部20よりも小径な略円柱状のホイールホルダ下部22とで構成されている。
一方、ホイールホルダ下部22の下端部には、図1(b)及び図2に示すように、上記ガラスカッターホイール3を収容可能な正面視コ字状の溝部22aが形成され、さらに、この溝部22aに形成されている対向配置されている両側壁面22b(図2参照)には、図2に示すように、その両側壁面22bに対して垂直方向に上記溝部22a側に向かって、円形状のピン挿通孔22cが貫通されている。このように貫通されたピン挿通孔22cには、図1(a)に示すように、ピン4が挿入されている。この挿入されたピン4には、図1(b)及び図2に示すように、上記ガラスカッターホイール3が回転可能に取り付けられている。これにより、上記ガラスカッターホイール3が、上記溝部22a内に回転可能に収容されることとなり、もって、ガラスカッターホイール3が、ホイールホルダ2に回転可能に取り付けられることとなる。なお、ピン4をピン挿通孔22cに挿入するにあたっては、圧入で挿入され、かしめられている。
さらに、ホイールホルダ下部22には、溝部22aの外周壁面に沿うように、自己潤滑性を有する自己潤滑性部材22dが一体的に設けられている。この自己潤滑性部材22dは、砲金,オイルレスメタルと呼ばれる金属焼結や銅系・鉄系焼結材料等の材質で形成されている。なお、本実施形態においては、溝部22aの外周壁面に自己潤滑性を有する自己潤滑性部材22dを一体的に設ける例を示したが、それに限らず、自己潤滑性部材22dを別部材にて構成し、溝部22aの外周壁面に、貼り付け,コーティング,ろう付け等を行うことにより設けるようにしても良い。また、ホイールホルダ2を、自己潤滑性を有する砲金,オイルレスメタルと呼ばれる金属焼結や銅系・鉄系焼結材料等の材質だけで形成するようにしても良い。
一方、ガラスカッターホイール3は、超硬合金やダイヤモンド単結晶体等の材質で形成されると共に、図1(a)に示すように円板状に形成されており、中心部に貫通孔3aが形成されている。そして、このガラスカッターホイール3は、外周部に沿って稜線を形成するV字形の刃を有している。このように構成されるガラスカッターホイール3をホイールホルダ2の溝部22a内に回転可能に収容するにあたっては、ホイールホルダ2のピン挿通孔22cとガラスカッターホイール3の貫通孔3aとが同軸線上になるように配置し、この状態でピン4を挿入することにより、ガラスカッターホイール3をホイールホルダ2の溝部22a内に回転可能に収容することができる。
かくして、このように構成されるガラス切断工具1は、図示しないガラス切断装置に取り付けられ、もって、外周部に沿って稜線を形成するV字形の刃を有しているガラスカッターホイール3によって、ガラスが切断(スクライブ)されることとなる。
しかして、この際、ガラスカッターホイール3がホイールホルダ2に接触したとしても、その接触する可能性のあるホイールホルダ2の溝部22aの外周壁面に自己潤滑性を有する自己潤滑性部材22dが設けられているから、この自己潤滑性部材22dによってガラスカッターホイール3とホイールホルダ2との接触面の摩擦係数が低減され、ガラスカッターホイール3の回転性能の低下を低減させることができる。これにより、ガラスを切断(スクライブ)する際生じるスクライブラインを均一にすることができ、もって、チッピングの発生を低減させることができる。また、その後のガラスの折割(ブレイク)工程においても、良好なガラスの分断を行うことができる。
よって、本実施形態によれば、ガラスカッターホイールの回転性能の低下を低減させ、もって、スクライブ・ブレイク工程の歩留まりを向上させることができる。
なお、本実施形態においては、ガラス切断工具1をガラス切断装置(図示せず)に取り付けるという例を示したが、それに限らず、手切り用のガラス切りに適用しても良い。
<実施例>
次に、実施例及び比較例を用いて、本実施形態を更に詳しく説明する。
次に、実施例及び比較例を用いて、本実施形態を更に詳しく説明する。
実施例1としては、ガラス切断工具1のホイールホルダ2として、当該ホイールホルダ2の自己潤滑性部材22dに砲金の材質を使用した。また、比較例1として、ガラス切断工具1のホイールホルダ2として、自己潤滑性部材22dを設けず、超硬の材質を用いたものを使用した。
ガラスカッターホイール3は、実施例1及び比較例1共に、外径を2.5mm,内径を0.8mm,厚みを0.65mm,刃先角度を120°のものを使用した。
また、ガラスとしては、硬質系の材質のものを使用し、厚み0.7mm,サイズ360mm×460mmのものを使用した。
そして、上記のようなガラス切断工具1を、トーヨー産業株式会社製テスト専用機であるガラス切断装置に取り付け、スクライブ加重を0.04MPa,スクライブ速度を300mm/sec,上記ガラス表面に対する上記ガラスカッターホイール3の切込み量を0.05mmとし、当該ガラス長手方向(460mm)を5mm間隔で切断(スクライブ)した。この際、スクライブラインから発生したチッピング数をキーエンス社製のマイクロスコープにより目視にてカウントした。この結果を表1に示す。
この表1は、スクライブラインの本数に対して、チッピングがどの程度発生したかを示すものであるが、自己潤滑性部材22dに砲金の材質を使用したホイールホルダ2(実施例1)を用いた方が、スクライブラインの本数が増大しても、チッピング数が少ないことが分かる。
次いで、ガラスカッターホイール3を5つ用意し、上記と同一条件で、それぞれのガラスカッターホイール3を用いて、ガラスを5mm間隔で切断(スクライブ)した。この結果を、表2及び表3に示す。表2が、超硬の材質を用いたホイールホルダ2を使用したもので、表3が、自己潤滑性部材22dに砲金の材質を使用したホイールホルダ2を使用したものである。
この表2に示すように、超硬の材質を用いたホイールホルダ2を使用した場合、スクライブラインの本数が増加するにつれチッピングの数量が増大し、ガラスカッターホイール3間のばらつきが多いことが分かる。
一方、自己潤滑性部材22dに砲金の材質を使用したホイールホルダ2を使用した場合、表3に示すように、スクライブラインの本数が増加したとしてもそれほどチッピングの数量が増大しておらず、ガラスカッターホイール3間のばらつきが少ないことが分かる。
一般的に、ガラスの切断(スクライブ)中に、ガラスカッターホイールが回転不良を起こすと、スクライブラインが途切れ、点線状態になり、その箇所ではガラス表面から垂直方向へ成長する亀裂(垂直クラック)が発生せず、スクライブラインからガラス表面に水平に成長する亀裂(水平クラック)が発生し、やがてその箇所からチッピングが発生する。このような状態になるのは、ガラスカッターホイールの刃先摩耗に起因すると考えられているが、上記結果に鑑みれば、ホイールホルダの材質によって、チッピングの発生が大きく異なることが確認できる。
よって、上記結果に鑑みれば、ホイールホルダ2の溝部22aの外周壁面に自己潤滑性を有する自己潤滑性部材22dを設けることによって、ガラスカッターホイール3の回転性能の低下を低減させ、もって、ガラスを切断(スクライブ)する際生じるスクライブラインを均一にすることができ、チッピングの発生を低減させることができることが分かる。
<摩擦抵抗試験>
ところで、ガラスカッターホイール3の回転性能の低下を低減させている理由として、ガラスカッターホイール3とホイールホルダ2との接触面の摩擦係数が低減されたことが理由だと考えられるが、この点を実証するため、以下の要領で試験を実施した。
ところで、ガラスカッターホイール3の回転性能の低下を低減させている理由として、ガラスカッターホイール3とホイールホルダ2との接触面の摩擦係数が低減されたことが理由だと考えられるが、この点を実証するため、以下の要領で試験を実施した。
<試験要領>
試験機:新東科学株式会社製トライボギア 14FW
室温:25℃
湿度:50%
試験時荷重:100g
計測速度:25mm/sec
摺動距離:1往復合計120mm(片道:60mm)
試験内容:3φの超硬材の輪切面と3φの自己潤滑性を有する銅系焼結メタル、すなわち、砲金の輪切面を夫々長さ100mmの超硬板に3500回(1往復を1回と計算)摺動させ、摩擦係数の経時変化を比較した。
試験機:新東科学株式会社製トライボギア 14FW
室温:25℃
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試験時荷重:100g
計測速度:25mm/sec
摺動距離:1往復合計120mm(片道:60mm)
試験内容:3φの超硬材の輪切面と3φの自己潤滑性を有する銅系焼結メタル、すなわち、砲金の輪切面を夫々長さ100mmの超硬板に3500回(1往復を1回と計算)摺動させ、摩擦係数の経時変化を比較した。
この試験結果が図4に示す折れ線グラフである。この試験結果によると、摺動初期の摩擦係数は超硬材の方が低く、砲金が高い値を示すことが分かった。しかしながら、砲金の摩擦係数は、摺動回数が500回を超えたあたりから試験終了時の3500回に至るまで値が略一定していることが分かった。
一方、超硬材の摩擦係数は、摺動初期は0.2以下と低い値を示したものの、その後は規則的に値が上昇し、砲金の摩擦係数の値を摺動回数約2000回の辺りで超えてそれ以降は砲金の摩擦係数の値との差が徐々に広がっていく傾向にあることが分かった。
以上の結果により、自己潤滑性を有する砲金は、長時間使用しても安定した摩擦係数であるのに対し、超硬材は、長時間使用すると摩擦係数が増大していくことが分かった。
これにより、ガラスカッターホイール3とホイールホルダ2との接触面に自己潤滑性を有する砲金を使用すれば、摩擦係数が安定していることから、ガラスカッターホイール3が安定して回転するということが実証された。
一方で、従来技術のように、ガラスカッターホイール3とホイールホルダ2との接触面に超硬材を用いたものは、摩擦係数が増大していくことから、ガラスカッターホイール3の回転が安定し難いということが実証された。
なお、摺動初期の摩擦係数が超硬材の方が低く、砲金が高い値を示す理由は、以下の理由によるものである。超硬材並びに砲金を輪切り(切断)した際、その輪切面(切断面)は真っ平らとはならず、微小な凹凸が形成される。砲金は超硬材に比べ柔らかな材質であるため、その輪切面(切断面)を真っ平らにし難く、超硬材の輪切面(切断面)に形成される微小な凹凸の数に比べ、多数の微小な凹凸が砲金の輪切面(切断面)に形成される。それゆえ、摺動初期は、その微小な凹凸の数に起因して、超硬材の方が砲金に比べて摩擦係数が低いものと考えられる。しかしながら、上記超硬板に輪切面を摺動させていくと、凹凸が削られて平らになることにより、摩擦係数が安定した挙動を示すこととなる。すなわち、砲金の摩擦係数の値は、摺動回数が500回を超えたあたりから、極端な上下動を示さず、安定した値(値が略一定している)になっており、超硬材の摩擦係数の値は、摺動回数が200回を超えたあたりから、極端な上下動を示さず、安定した値(値が規則的に上昇している)になっている。これにより、摺動初期の摩擦係数が超硬材の方が低く、砲金が高い値となっている。
<第2実施形態>
次に、本発明に係るガラス切断工具の第2実施形態を、図3を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
次に、本発明に係るガラス切断工具の第2実施形態を、図3を参照して具体的に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明は省略する。
第1実施形態において、ホイールホルダ下部22に形成されている溝部22aの外周壁面には、自己潤滑性を有する自己潤滑性部材22dが一体的に設けられている例を示し、その際、自己潤滑性部材22dを別部材にて構成しても良いという点を記載したが、第2実施形態は、この別部材にて構成しても良いという具体例を示したものである。なお、第1実施形態と第2実施形態の相違は、ホイールホルダに関する部分のみであるため、その点を詳しく説明することとする。
図3(a)に示すホイールホルダ2Aは、焼き入れ鋼等の材質で形成され、自己潤滑性を有する材質は使用されていない。このような材質で形成されているホイールホルダ2Aのホイールホルダ下部22に形成されている溝部22a内には、ガラスカッターホイール3が回転可能に収容されており、このガラスカッターホイール3の両側面と溝部22aの両側壁面22bとの間に、一対の自己潤滑性部材5が配置されている。
この自己潤滑性部材5は、砲金,オイルレスメタルと呼ばれる金属焼結や銅系・鉄系焼結材料等の材質で形成され、図3(b)に示すように、円板状に形成され、中心部には円形状の貫通孔5aが設けられている。このように形成される自己潤滑性部材5を、ガラスカッターホイール3の両側面と溝部22aの両側壁面22bとの間に配置するにあたっては、ホイールホルダ2のピン挿通孔22cとガラスカッターホイール3の貫通孔3aと一対の自己潤滑性部材5の貫通孔5aが同軸線上になるように配置し、この状態でピン4を挿入すれば良い。このようにすれば、ガラスカッターホイール3の両側面と溝部22aの両側壁面22bとの間に一対の自己潤滑性部材5を配置することができる。
しかして、本実施形態においても、ガラスを切断(スクライブ)する際、ガラスカッターホイール3がホイールホルダ2に接触する可能性のある箇所、すなわち、ガラスカッターホイール3の両側面とホイールホルダ2における溝部22aの両側壁面22bとの間に一対の自己潤滑性部材5を配置しているから、この自己潤滑性部材5によってガラスカッターホイール3とホイールホルダ2との接触面の摩擦係数が低減され、ガラスカッターホイール3の回転性能の低下を低減させることができる。これにより、ガラスを切断(スクライブ)する際生じるスクライブラインを均一にすることができ、もって、チッピングの発生を低減させることができる。また、その後のガラスの折割(ブレイク)工程においても、良好なガラスの分断を行うことができる。
よって、本実施形態においても、ガラスカッターホイールの回転性能の低下を低減させ、もって、スクライブ・ブレイク工程の歩留まりを向上させることができる。なお、言うまでもないが、本実施形態におけるガラス切断工具は、ガラス切断装置並びに手切り用のガラス切り何れにも適用可能である。
1 ガラス切断工具
2,2A ホイールホルダ
3 ガラスカッターホイール
4 ピン(取付軸)
5,22d 自己潤滑性部材
2,2A ホイールホルダ
3 ガラスカッターホイール
4 ピン(取付軸)
5,22d 自己潤滑性部材
Claims (2)
- ホイールホルダと、
前記ホイールホルダに取付軸を介して回転可能に取り付けられるガラスカッターホイールとを備え、
前記ホイールホルダは、少なくとも前記ガラスカッターホイールの側面と接触する可能性のある部分が自己潤滑性を有する材料で形成されてなることを特徴とするガラス切断工具。 - ホイールホルダと、
前記ホイールホルダに取付軸を介して回転可能に取り付けられるガラスカッターホイールと、
前記ガラスカッターホイールの側面と前記ホイールホルダとの間に設けられる自己潤滑性を有する自己潤滑性部材とで構成されてなることを特徴とするガラス切断工具。
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