JP2016024111A - ブレーキ付電動機における電磁コイルの点検方法および点検装置ならびに電磁コイルの寿命算定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】点検時において、磁気コイルの電気的劣化を検知し得る点検方法および点検装置ならびに寿命算定方法を提供する。
【解決手段】点検方法は、電磁コイルに対して周波数の異なる電圧を印加し、周波数ごとのインピーダンスを測定してZ−F特性の測定値を得るZ−F特性測定工程と、電磁コイルの正常な状態におけるZ−F特性に基づいて予め定めたZ−F特性の許容帯域とZ−F特性測定工程による測定値とを比較する比較工程とを含む。点検装置は、測定部2、解析部3と表示部4を備え、解析部は、インピーダンスを演算する演算部32と、インピーダンスの基準値を記憶する記憶部33とを備え、表示部は、演算部によって算出されたインピーダンスおよび記憶部に記憶される基準値に基づくZ−F曲線として表示する。寿命算定方法は、検査対象の電磁コイルが劣化の初期状態となった場合に、標準的な劣化開始期間と劣化進行期間とから寿命の残期間を算定する。
【選択図】図2
【解決手段】点検方法は、電磁コイルに対して周波数の異なる電圧を印加し、周波数ごとのインピーダンスを測定してZ−F特性の測定値を得るZ−F特性測定工程と、電磁コイルの正常な状態におけるZ−F特性に基づいて予め定めたZ−F特性の許容帯域とZ−F特性測定工程による測定値とを比較する比較工程とを含む。点検装置は、測定部2、解析部3と表示部4を備え、解析部は、インピーダンスを演算する演算部32と、インピーダンスの基準値を記憶する記憶部33とを備え、表示部は、演算部によって算出されたインピーダンスおよび記憶部に記憶される基準値に基づくZ−F曲線として表示する。寿命算定方法は、検査対象の電磁コイルが劣化の初期状態となった場合に、標準的な劣化開始期間と劣化進行期間とから寿命の残期間を算定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ブレーキ付電動機におけるブレーキ機構を作動させるために設置される電磁コイルの点検方法および点検装置ならびに電磁コイルの寿命算定方法に関するものである。
ブレーキ付電動機は、昇降機等に設置されるものであり、非作動時または電力供給中断時などの状況下において、駆動軸の回転を制動することができるものである。この種の電動機の構成は、概ね次のとおりである。モータにより回転駆動されるモータ軸と、このモータ軸に連動するブレーキ用ディスクと、このブレーキ用ディスクに押圧されるブレーキパッドと、このブレーキパッドに対し所定方向へ付勢するブレーキバネと、電磁コイルを有する固定鉄心と、前記電磁コイルによって前記ブレーキバネの付勢に抗する方向へ作動する可動鉄心とを備えている。ブレーキバネは、ブレーキパッドをブレーキ用ディスクに押圧するように付勢されることから、電磁コイルが作動しない場合には、ブレーキが作動した状態を維持させるものである。そして、ブレーキを解除する場合には、電磁コイルに電源を供給することにより励磁させ、可動鉄心をブレーキバネの付勢力に抗して引き寄せ、ブレーキパッドをブレーキ用ディスクから離脱させるのである。この電磁コイルが励磁される間はブレーキの解除状態が維持されるものである。
ところで、上記のようなブレーキ付電動機を点検する場合には、専ら目視や異音などの方法によって行われており、電磁コイルに関しては、当該コイルの断線または亀裂等について点検されることに留まっていた。
他方、電磁コイルが正常に機能するか否かを点検するための装置が提案されており、これは、電磁コイルを含む電磁ブレーキ回路に点検回路を接続し、電磁コイルを励磁した際のブレーキスイッチの開閉状態をリレーコイルによって検知するものである(特許文献1参照)。
上述の目視または異音等に基づく点検方法では、点検作業者による主観的な判断に委ねられることとなり、点検の精度は作業者の熟練度に応じて異なることとなるものであった。他方、点検回路を接続した従来技術にあっては、電磁コイルの作動状態を点検するものではなく、電磁ブレーキ全体が正常に機能するか否かを点検するものであり、ブレーキを作動するための電磁コイルについては、やはり、目視等に委ねるほかに有効な点検方法は提案されてこなかった。
特に、上述の点検方法では、専ら外的要因による電磁コイルの機能低下を点検するもの(損傷、変形、摩耗、変色など)であって、電磁コイルの電気的劣化を点検するものではなかった。しかしながら、電磁コイルに電気的劣化を生じているにもかかわらず、使用を継続する場合には、所定の起磁力を発生させることができないなどの不具合を招来させるものとなっていた。つまり、ブレーキ付電動機のブレーキ性能は、電磁コイルの電気的特性(すなわち電磁コイルに生じる起磁力の性能)によって左右されるものであり、この電気的特性(起磁力)は、電磁コイルに流れる電流によって異なるものであるが、電磁コイルが電気的に劣化するときは、電磁コイルに流れる電流が過剰または不足することとなっていた。電流過剰の場合には、起磁力が増加し、電磁コイルが焼けることがあり、電流不足の場合には、起磁力が低下し、ブレーキ機構の作動不良となり得る。そして、電磁コイルに流れる電流を逐一測定することは、電動機に測定器を内蔵することとなり、コストが多大となるため現実的でなく、また、作動状態のみ(定格電圧を印加した状態)での点検では電気的劣化を十分に発見できないという問題点があった。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、点検時において、磁気コイルの電気的劣化を検知し得る点検方法および点検装置とともに、電磁コイルの寿命を算定し得る方法を提供することである。
そこで、本発明者らは、磁気コイルに対する異なる周波数ごとインピーダンスを測定することにより、磁気コイルの電気的劣化を検知し得ると考え、本発明の完成に至ったものである。
すなわち、ブレーキ付電動機における電磁コイルの点検方法に係る本発明は、モータにより回転駆動されるモータ軸と、このモータ軸に連動するブレーキ用ディスクと、このブレーキ用ディスクに押圧されるブレーキパッドと、このブレーキパッドに対し所定方向へ付勢するブレーキバネと、電磁コイルを有する固定鉄心と、前記電磁コイルによって前記ブレーキバネの付勢に抗する方向へ作動する可動鉄心とを備えるブレーキ付電動機において、前記電磁コイルの電気的劣化を点検する方法であって、前記電磁コイルに対して周波数の異なる電圧を印加し、該周波数ごとのインピーダンスを測定してZ−F特性の測定値を得るZ−F特性測定工程と、前記電磁コイルの正常な状態におけるZ−F特性に基づいて予め定めたZ−F特性の許容帯域と前記Z−F特性測定工程による測定値とを比較する比較工程とを含み、前記測定値が前記許容帯域から逸脱するか否かにより前記電磁コイルの電気的劣化を判断することを特徴とするものである。
上記構成によれば、所定電圧を印加した場合のインピーダンスを測定することにより間接的に電流値を算出することができることから、電磁コイルを作動するために必要な電流を過不足なく供給し得るか否かを判断するための要素を獲得することができる。ここで、電磁コイルが励磁される起磁力は、電磁コイルの巻数と、電磁コイルに流れる電流の積によって算出される。従って、間接的に電流値を算出することにより、起磁力を算出し得ることとなるのである。
ところで、上記Z−F特性は、異なる周波数ごとのインピーダンスの値を示すものであり、このZ−F特性を用いるということは、定格周波数(50Hzまたは60Hz)でのインピーダンスを算出することに限定しないことを意味するものである。定格周波数(50Hzまたは60Hz)におけるインピーダンスの算出結果は、通常運転時におけるブレーキ機構の可動状態を確認するために利用できるが、当該定格周波数における異常(インピーダンスまたは電流値の異常)を検知したのでは、既に磁気コイルの交換時期に到達している状態となっている。そこで、当該定格周波数を逸脱した周波数帯におけるインピーダンスを測定することにより、電気的劣化を早期に発見し、ブレーキ機構の作動に異常が生じる前に磁気コイルの交換時期を把握するのである。従って、定格周波数よりも高周波側または低周波側に許容帯域から逸脱するインピーダンスを示す場合、その程度に応じて電気的劣化を判定することができるのである。
本発明においては、前記Z−F特性の許容帯域が、使用前の電磁コイルについて異なる周波数ごとのインピーダンスの値を測定して得た初期値を基準とし、該初期値に対するインピーダンスの増加または減少の幅を設定して得たものであってもよい。
上記構成の場合には、電動機の導入時、または電磁コイルの交換時において、その使用前に測定して得たZ−F特性を基準とし、当該基準値から所定の増減値をもって許容帯域とすることができることから、個別の装置(電動機)について独自の許容帯域を設定することができる。すなわち、電磁コイルの材質等によって電流値(インピーダンス)が異なることから、画一的なインピーダンスを設定せず、現実の電動機に設置された電磁コイルについて、実測値に基づく許容帯域を設定することにより、初期値を基準とする電気的劣化の状態を得ることができるのである。この場合には、受注生産のように、個別に製造される電動機における電磁コイルの点検に好適である。なお、許容帯域を設定する場合には、各周波数におけるインピーダンスの値を基準にプラスマイナス数パーセントの範囲とすることができる。
他方、本発明においては、前記Z−F特性の許容帯域が、同一規格により製造される電磁コイルの標準的な値を基準とし、該標準的な値に対するインピーダンスの増加または減少の幅を設定して得たものであってもよい。
上記構成の場合には、電動機の導入時、または電磁コイルの交換時において、個別にインピーダンスを測定することなく、画一的に許容帯域を設定することができる。このような許容帯域の設定は、量産化される同一規格の電磁コイルが、予め定められた電流値となるように製造されるような場合に好適である。なお、許容帯域を設定する場合には、各周波数における標準的なインピーダンスの値を基準にプラスマイナス数パーセントの範囲とすることができる。
なお、上記各発明の構成におけるZ−F特性は、4Hz〜5MHzの範囲における適宜間隔ごとの異なる周波数に対する各インピーダンスによって特定されるものとすることができる。
このような構成の場合には、定格周波数よりも大きく離れた周波数帯におけるインピーダンスの測定結果を得ることができ、どの周波数帯において許容帯域から逸脱しているかを検知することにより、電磁コイルの電気的劣化の状態を把握することが可能となる。経時的なZ−F特性の変化を観察することにより、使用される電磁コイルの電気的劣化の傾向を知ることができ、その傾向を把握することにより、交換時期等を的確に把握し得ることとなる。例えば、高周波帯においてZ−F特性の許容帯域から逸脱を開始し、その低周波帯においても許容帯域からの逸脱が発生するという傾向を示す磁気コイルについては、低周波帯における逸脱を発見した場合に交換時期とみなすように判断される。
また、ブレーキ付電動機における電磁コイルの点検装置に係る本発明は、前記点検方法に係る発明を使用するであって、交流電源と、該交流電源の周波数を変調する変調器と、点検対象の電磁コイルについて変調した周波数ごとの電流値を測定する電流計と、該電流計によって測定される電流値からインピーダンスを演算する演算部と、前記電磁コイルの周波数ごとのインピーダンスの基準値を記憶する記憶部と、該演算部によって算出された周波数ごとのインピーダンスおよび前記記憶部に記憶される基準値をそれぞれZ−F曲線として表示する表示手段と、該基準値のZ−F曲線に基づいて許容帯域を算出するとともに、該算出結果をZ−F曲線として表示手段に表示させる処理手段とを備えることを特徴とするものである。
上記構成によれば、点検対象である電動機を作動させることなく、外部電源を使用して各周波数におけるインピーダンスを測定することができ、その際、外部電源の周波数を任意に変化させることによって、異なる周波数におけるインピーダンスを測定することができる。また、測定されたインピーダンスと供給される電源の周波数とでZ−F特性を得ることができ、これをZ−F曲線として表示することにより、点検結果におけるZ−F特性を視覚的に把握することが可能となる。そして、予め記憶部に記憶される基準値から許容帯域を算出し、これをZ−F曲線として同時に表示させることによって、点検時におけるZ−F特性の許容帯域との差違を明確に把握することができる。なお、Z−F曲線は、横軸に周波数、縦軸にインピーダンスとして、周波数ごとのインピーダンスを連続する曲線で表示したものである。
上記構成の発明においては、前記処理手段が、さらに、前記演算部による演算結果と前記許容帯域を比較するとともに、該許容帯域から逸脱する領域を前記表示手段にハイライト表示するものであってもよい。
上記構成の場合には、許容帯域と測定結果とを比較することにより、当該許容帯域の範囲内であるか、逸脱するものであるかを判定することが可能となり、狭帯域から逸脱する検出結果が測定された領域をハイライトすることにより、電磁コイルの電気的劣化の状態を容易に把握することができる。
さらに、上記構成の発明おいて、前記処理手段は、前記演算部による演算結果が許容帯域から逸脱する領域が高周波側にある場合は注意喚起信号を発し、低周波側にある場合は警告信号を発するように構成したものとすることができる。
上記構成の場合には、Z−F特性の比較において、電磁コイルの電気的劣化が高周波側の逸脱から始まり、電気的劣化が進行すると低周波側について逸脱することを前提とした場合、電気的劣化の状態を注意喚起または警報により把握することができる。低周波側の逸脱現象を警報としたのは、電磁コイルの交換時期を示唆する意味である。なお、高周波側および低周波側とは、定格周波数(50Hzまたは60Hz)を境界とするものではなく、Z−F曲線全体のうちの高周波側または低周波側を意味するものである。例えば、4Hz〜5MHzの範囲でZ−F曲線を表示する場合であれば、2.5MHzを境界とする場合などを意味している。
また、ブレーキ付電動機における電磁コイルの寿命算定方法に係る本発明は、前記構成の点検方法を使用するものであって、前記電磁コイルについて、使用開始時から、Z−F特性の測定値が高周波帯において前記許容帯域を逸脱する時点までの期間で特定される劣化開始期間と、Z−F特性の測定値が高周波帯において前記許容帯域を逸脱する時点から、低周波帯において前記許容帯域から逸脱するまでの期間で特定される劣化進行期間とを、予め測定しておき、点検対象である電磁コイルのZ−F特性の測定値が、高周波帯において前記許容帯域から逸脱した場合、それまでの使用期間と前記劣化開始期間に対する前記劣化進行期間の割合とを参照することにより、該電磁コイルの寿命の残期間を算出することを特徴とするものである。
上記構成によれば、電磁コイルの電気的劣化が、高周波帯におけるZ−F特性の逸脱から始まり、その電気的劣化が進行することにより低周波帯において逸脱する現象を示すことを前提し、その電磁コイルの交換時期までの期間(寿命の残期間)は、高周波帯における逸脱時点から低周波帯における逸脱時点までとなり、高周波帯での逸脱時点までの使用頻度等を考慮したうえで、低周波帯での逸脱時点を算出することができることとなる。
ここで、電磁コイルの寿命とは、使用開始時から交換時期までの期間を意味し、電磁コイルが使用不能となる時期までとは僅かに異なる概念である。また、この電磁コイルの寿命は、同一規格において製造されたものであっても、電磁コイルの使用頻度または使用形態等によって異なることから、高周波帯における逸脱時点までの期間を参照することにより、同様の使用頻度または使用形態を継続する場合の寿命の残期間を算定することができるのである。仮に、電磁コイルに製造上の欠陥等が内在する場合であっても、その劣化の進行は、通常の(正常な)電磁コイルの場合と同様であると想定されるため、この種の電磁コイルを使用する場合であっても寿命の残期間を算定することが可能となる。
なお、上記構成における劣化開始期間および劣化進行期間については、同一規格により製造される電磁コイルの標準的な測定値に基づき算出されたものを使用することができる。この場合には、同一規格の電磁コイルに特有の劣化の進行状態に基づくことができ、電磁コイルの交換時から次の交換時期までの寿命をさらに算定することが可能となる。
ブレーキ付電動機における電磁コイルの点検方法に係る本発明によれば、点検時に電磁コイルのインピーダンスを測定することにより、電気的劣化を検知することができる。ここで測定するインピーダンスは、定格周波数(50Hzまたは60Hz)におけるインピーダンスに限らず、それよりも低周波帯および高周波帯を含むことから、当該定格周波数(使用時の周波数)における電気的特性のみならず、電磁コイルの電気的劣化の早期検知を可能にするものである。
他方、ブレーキ付電動機における電磁コイルの点検装置に係る本発明によれば、外部電源を使用しつつ電磁コイルのZ−F特性を表示させることができるものであり、電動機のブレーキ機構の作動を伴うことなく電磁コイルの点検を可能にするものである。また、測定されたインピーダンスに基づくZ−F曲線と、許容帯域のインピーダンスに基づくZ−F曲線とを同時に表示し、両者を比較することが可能であることから、電磁コイルの電気的劣化を視覚的に把握することができるとともに、点検対象の電磁コイルの点検時の状態(劣化の進行状態)をも把握することができるものである。従って、電磁コイルの交換時期を早期に検知することができ、ブレーキ機構に不具合を生じさせる前の交換が実質的に可能となるものである。
また、ブレーキ付電動機における電磁コイルの寿命算定方法に係る本発明によれば、使用開始から劣化の初期段階を検出した時点までの期間に基づき、寿命の残期間を算定することができ、好適なタイミングで電磁コイルを交換することができる。これは、ブレーキ付電動機の使用頻度または使用形態がユーザごとに異なる場合であっても算定が可能となり、極端に早期の交換を不要にするとともに、交換時期を逸することを回避し得ることとなる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明の電磁コイルの点検方法および点検装置が使用されるブレーキ付電動機の電磁コイルについて説明する。図1は、ブレーキ付電動機のブレーキ周辺を示す図である。この図に示すように、ブレーキ付電動機1のブレーキ構造は、図示せぬモータによって回転駆動されるモータ軸11に連動するブレーキ用ディスク12をブレーキパッド13によって停止させるものであり、このブレーキパッド13を電磁コイル14によって作動させるものである。
電磁コイル14は、固定鉄心15に設けられ、例示された電磁コイルがブレーキパッド13を有する可動鉄心16を磁着方向へ誘導するものである。また、固定鉄心15と可動鉄心16との間にはブレーキバネ17が介在されており、電磁コイル14による可動鉄心16の磁着方向とは逆向きに当該可動鉄心16を付勢している。このブレーキバネ17の付勢により、ブレーキパッド13をブレーキ用ディスク12に対する押圧を強制している。
このような構成であることから、電磁コイル14が励磁されない場合には、ブレーキバネ17の作用により、ブレーキパッド13がブレーキ用ディスク12を押圧し、当該ブレーキ用ディスク12の回転を停止させ、これに伴ってモータ軸11の回転を停止させるものである。他方、電磁コイル14が励磁されるとき、可動鉄心16は、ブレーキバネ17の付勢に抗して移動し、ブレーキパッド13がブレーキ用ディスク12の押圧を解除し、ブレーキ用ディスク12およびモータ軸11の回転を可能にするものである。
上記のように、ブレーキ付電動機1では、電磁コイル14の作動によってモータ軸11の回転・停止を操作するものであり、当該電磁コイル14の性能が電動機1の作動環境を左右することとなる。そこで、この電磁コイル14の作動の状態を安定的に維持するために点検を行うのである。
まず、点検装置の実施形態について説明する。図2は、点検装置の概略を示すブロック図である。この図に示すように、点検装置は、大別すると、測定部2と解析部3と表示部4とで構成されている。測定部2は、電磁コイル14の両側端子14a,14bに接続可能な端子20a,20bに対し、交流電源21、変調器22および電流計23が直列に接続されている。点検対象の電磁コイル14に対し、周波数を変更しつつ所定電圧の電源を供給しつつ、その各周波数における電流を測定するものである。電流計23で測定された電流値は、周波数情報とともに解析部3に入力され、インピーダンスの算出とともに、Z−F特性が解析される。
解析部3には、周波数情報および電流値の入力を受ける入力部31と、この入力部31を介して得られる情報に基づきインピーダンスを算出する演算部32とを備えている。また、演算結果を記憶するための記憶部33を備え、さらに、演算結果に基づくZ−F曲線の作成部34を備えている。演算部32による演算結果は記憶部33に記憶させる必要はないが、経時的変化を観察するために、記憶させておくことが好ましい。なお、Z−F曲線は、周波数(F)ごとのインピーダンス(Z)の値を示す曲線であり、横軸を周波数とし、縦軸をインピーダンスとして、プロットした測定値を連続する曲線とするものである。
また、記憶部33には、検査対象の電磁コイル14に関する情報が記憶されており、その情報の中には、当該電磁コイル14の周波数ごとのインピーダンスの基準値が含まれる。この基準値としては、電磁コイル14の使用前(製造後または交換後)に測定した際の測定結果を使用することができるほか、標準的な同種の電磁コイル14の標準的な数値をしようしてもよい。電動機が個別生産か汎用品かによって、基準値を適宜選択すればよい。
上記基準値を用いて点検時における電磁コイル14のZ−F特性を評価するため、解析部3には処理手段35が備えられている。この処理手段35は、記憶部33に記憶されている基準値から、Z−F曲線を作成するZ−F曲線作成部36と、ここで作成された基準値のZ−F曲線に基づき(または基準値に基づき)、許容帯域を作成する許容帯域作成部37とを備えている。許容帯域は、基準値のインピーダンスの値を所定の割合(例えば、5%や9%など)だけ増加させた上限値と、同じ割合だけ減少させた下限値とで設定されるものである。基準値のZ−F曲線に基づいて作成する場合は、当該曲線を縦軸(Z)方向に移動させることとなり、基準値に基づく場合は、周波数ごとのインピーダンスに所定割合を増減させ、その結果からZ−F曲線を作成することとなる。
このように点検時のZ−F曲線と基準値および許容帯域を示すZ−F曲線は、ともの表示部4によって表示されるものである。表示部4に表示されるZ−F曲線は、複数の曲線が重畳的に表示され、許容帯域を示すZ−F曲線の範囲内に点検時のZ−F曲線が存在すれば、正常と判断し、逸脱する部分があれば、劣化(不良)と判断し得るものである。そのため、前記処理手段35に比較部38を備え、比較結果を表示部4に表示させてもよい。その表示方法は、許容帯域からの逸脱個所をハイライト表示するほか、注意喚起や警報等の情報を表示させてもよい。
なお、電磁コイル14の等価回路は、図3に示すとおりであり、この等価回路によるインピーダンスは、Z2=R2+(ωL―1/ωC)2と表記することができる。この式から明らかなとおり、L成分およびC成分はω(角周波数)に依存する。この角周波数(ω)は、ω=2πfであることから、周波数が高い(高周波側)領域においてインピーダンスの変化が現れやすくなることを意味するものである。従って、電磁コイル14の電気的劣化の初期状態では、高周波側における許容帯域からの逸脱が生じやすく、劣化が進行すると、周波数が低い(低周波側)領域においても許容帯域からの逸脱が生じるものとなる。そこで、前記注意喚起情報は、高周波側における許容帯域からの逸脱現象発生時とし、警告情報は、低周波側における許容帯域からの逸脱現象発生時とすることにより、電磁コイル14の寿命(交換時期)を明確に把握することが可能となる。
次に、上記点検装置の使用態様とともに、点検方法の実施形態について説明する。図4は、点検方法の概略を示す図である。この図に示されるように、電磁ブレーキの点検方法は、まず電動機を停止させ(S1)、点検装置を電動機に設置し(S2)、点検装置を可動させて(S3)、Z−F特性工程と、比較工程とを行うものである。点検装置の設置(S2)は、電磁コイル14の両側端子14a,14bに測定部2の端子20a,20bを接続するものであり、点検装置の可動(S3)は、測定部2の交流電源21から電源の供給を開始するとともに、周波数を変化させつつ電流測定を行うものである。
Z−F特性測定工程は、周波数ごとの電流値の測定(S4)と、周波数ごとのインピーダンスの算出(S5)と、Z−F曲線の作成(S6)とに区分される。周波数ごとの電流値の測定(S4)は、変調器22により設定される周波数情報と、電流計23による電流情報とが、解析部3に入力されることであり、周波数ごとのインピーダンスの算出(S5)は、解析部3の演算部32により電流値からインピーダンスが算出される。そして、Z−F曲線の作成(S6)は、上記周波数情報と、算出されたインピーダンスとによって、Z−F曲線作成部34により作成されるものである。なお、Z−F曲線は、表示する際に2次曲線となり得る情報を意味する。すなわち、取得される情報は、インピーダンス(Z)と周波数(F)との2次の値の集合であり、処理上は当該2次の情報とされるが、例えば、横軸を周波数(F)とし、縦軸をインピーダンス(Z)とすることにより2次曲線として表示し得ることから、2次の値の集合をもってZ−F曲線としている。
比較工程は、許容帯域のZ−F曲線の読出(S7)と、点検時に作成されるZ−F曲線の比較(S8)とに区分される。許容帯域のZ−F曲線の読出(S7)は、点検対象の電磁コイルに関する基準値と、この基準値から設定される上限値および下限値とが、予め記憶部33に記憶されており、これらの情報を読み出すとともに、これらの情報からZ−F曲線を作成する工程である。上限値および下限値(許容帯域)は、予め設定しておくこともできるが、基準値の読出時に新規にし、または設定変更し得るように構成してもよい。比較工程(S8)は、読み出された基準値(これに基づく上限値および下限値)によるZ−F曲線と、点検時に作成されたZ−F曲線とを比較するものである。比較の方法は、許容帯域のZ−F曲線と、点検時のZ−F曲線とを比較し、点検時における周波数ごとのインピーダンスが許容帯域における上限値を超えていないか、または下限値に達していないかを比較するものである。なお、両曲線は、表示部4に表示されることから、同時に表示させた2次曲線を幾何学的に比較してもよい。
最後に比較結果を参照しつつ判断される(S9)。この判断は、点検時における周波数ごとのインピーダンスが許容帯域における上限値を超えている場合、または下限値に達している場合に、電気的劣化を生じているものと判断することである。すなわち、計測値が許容帯域から逸脱するか否か、逸脱する部分がある場合は、どの周波数帯域かを検出するものである。そして、許容帯域から逸脱する計測が存在しない場合は、正常と判断され、逸脱する計測値がある場合は、当該逸脱を示す周波数の高低により、劣化の初期〜末期に段階的に判断される。なお、この判断は、Z−F曲線の表示を参照し、点検作業者の判断に委ねることも可能である。曲線全体の勾配などから電気的劣化の程度を経験的に判断することができるからである。
ここで、許容帯域を算出する際の基準値としては、使用前の電磁コイルについて異なる周波数ごとのインピーダンスの値を測定して得た初期値を基準とすることができる。これは、電動機ごとに作製される電磁コイルの特性が、当該作製条件等によって異なる場合があるためであり、使用前に測定することによって、電気的劣化が生じる前の状態を基準とすることができる。なお、使用前とは、電磁コイルの使用前を意味しており、電動機が新品の場合は、当該電動機の使用前と一致するが、電磁コイルを交換した場合は、当該交換時を意味することとなる。
また、同種の電磁コイルが同一規格で大量に製造されるものである場合には、当該電磁コイルの標準的な値(Z−F特性)を基準としてもよい。同一規格により同時期に製造される電磁コイルの場合には、電気的特性に差違がないことが経験的に知られており、その標準的な値を基準とすることにより、使用前に個々のインピーダンス測定を省略することができる。
なお、Z−F特性は、できる限り広い帯域におけるインピーダンス測定によることが望ましく、4Hz〜5MHzの範囲における測定結果に基づくことが好ましい。4Hz未満の場合は誤差範囲となり、5MHzを超える場合はインピーダンス変化を検知し難くなるためである。そして、4Hz〜5MHzの範囲内におけるZ−F特性を観察することにより、電気的劣化の初期状態から劣化の進行程度を把握することができるものである。
本発明の実施形態は以上のとおりであることから、点検時に電磁コイルのインピーダンスを測定することにより、Z−F特性の変化から電気的劣化を検知することができる。そして、広範囲の周波数帯についてZ−F特性を観察することにより、電磁コイルの電気的劣化の傾向を把握することができ、結果的に電気的劣化(交換時期)の早期検知を可能にするものである。
また、電磁コイルについて、使用開始時から、Z−F特性の測定値が高周波帯において許容帯域を逸脱する時点までの期間で特定される劣化開始期間と、Z−F特性の測定値が高周波帯において許容帯域を逸脱する時点から、低周波帯において許容帯域から逸脱するまでの期間で特定される劣化進行期間とを、予め測定しておくことにより、電気的劣化の初期状態を検出した時点において、電磁コイルの寿命の残期間(交換時期)を予測することが可能となる。すなわち、ブレーキ付電動機の使用頻度または使用態様等により、電磁コイルの電気的劣化の速度は異なるものと予想されるが、その劣化の傾向は、初期段階では高周波帯のZ−F特性の変化として現出し、劣化の進行とともに低周波帯のZ−F特性の変化として現出するものと仮定すれば、高周波帯におけるZ−F特性の変化を検知した際に、その後の劣化の進行の程度を予測することが可能となる。
そして、検査対象である(使用中の)電磁コイルについて、高周波帯のZ−F特性に変化を検知した場合、それまでに経過した期間に、劣化開始期間に対する劣化進行期間の割合を乗ずることにより、その後、低周波帯のZ−F特性に変化が現出するまでの期間を算出することができる。この低周波帯におけるZ−F特性の変化を交換時期(寿命)とすれば、電磁コイルを交換すべき期間(寿命の残期間)が算出され、事前に交換の準備とともに適時の交換を可能にするものである。なお、当然のことであるが、高周波帯におけるZ−F特性に変化が現出した後も点検は実施されるものであり、急激な劣化等を検出する場合には、その時点で交換すべきものである。
以上のような実施形態は、本発明の一例を示すものであって、本発明がこれらの実施形態に限定される趣旨ではない。従って、上述の実施形態を構成する要素については、種々変更することができる。例えば、点検装置に係る実施形態では、測定部2による測定情報を有線によって解析部3に入力しているが、送受信装置を設置して無線で入力してもよい。また、点検時に測定部2による測定情報をメモリ等に一時的に記憶させ、後工程として当該メモリ内の情報を解析部3で解析してもよい。
また、点検方法に係る実施形態では、許容帯域を基準値の(インピーダンス値で)数%のプラスマイナスによって設定しているが、上限値と下限値とが異なる割合で設定してもよい。そして、これらの設定は、電磁コイルの特性(巻数や材質等)によって異なる場合があるため、実験的に妥当な範囲を特定して設定値を設定してもよい。
<実験例>
現実のブレーキ付電動機の電磁コイルについて、Z−F特性を測定し、その劣化の状態を観察した。導入時の異なる同種の電動機5個について、4Hz〜5MHzの周波数におけるインピーダンスを算出し、Z−F曲線を作製した。実験に使用する検査対象の磁気コイルは、東海ホイスト工業社製ホイストクレーンに使用される揚上装置(ホイスト)に内蔵されているものとした。インピーダンス測定には、日置電気社製のインピーダンスアナライザIM3570を使用し、4Hz〜5MHzの範囲におけるインピーダンスを測定した。なお、Z−F特性の基準値は、同一装置の使用前における電磁コイルについて測定したものとし、当該基準値に対して、インピーダンスの値で9%相当分を増加させた上限値と、9%相当分を減少させた下限値とを設定した。この上限値および下限値によりZ−F曲線上の許容帯域を表示部に表示し、さらに実測値に基づくZ−F曲線を重ねて表示した。この表示部の状態を図5に示す。
<実験例>
現実のブレーキ付電動機の電磁コイルについて、Z−F特性を測定し、その劣化の状態を観察した。導入時の異なる同種の電動機5個について、4Hz〜5MHzの周波数におけるインピーダンスを算出し、Z−F曲線を作製した。実験に使用する検査対象の磁気コイルは、東海ホイスト工業社製ホイストクレーンに使用される揚上装置(ホイスト)に内蔵されているものとした。インピーダンス測定には、日置電気社製のインピーダンスアナライザIM3570を使用し、4Hz〜5MHzの範囲におけるインピーダンスを測定した。なお、Z−F特性の基準値は、同一装置の使用前における電磁コイルについて測定したものとし、当該基準値に対して、インピーダンスの値で9%相当分を増加させた上限値と、9%相当分を減少させた下限値とを設定した。この上限値および下限値によりZ−F曲線上の許容帯域を表示部に表示し、さらに実測値に基づくZ−F曲線を重ねて表示した。この表示部の状態を図5に示す。
図5(a)は、使用開始後4年1ヶ月後の電磁コイルについて点検した際のZ−F曲線を示すものであり、図5(b)は同様に9年7ヶ月後、図5(c)は同様に9年9ヶ月後、図5(d)は同様に9年10ヶ月後、図5(e)は同様に11年2ヶ月後の点検結果を示している。
これらの図から明らかなとおり、比較的短期間の使用に供された電磁コイルの場合(図5(a)参照)には、高周波側において、許容帯域から一部逸脱する部分が存在するが、低周波側は逸脱していない。これに対し、9年を過ぎて使用された電磁コイル(図5(b)〜(d)参照)は、低周波側において狭帯域から逸脱する部分が生じている。しかも、このとき、高周波側において逸脱する部分は生じていない。この状況は、使用後11年を経過した電磁コイル(図5(e)参照)についても同様である。なお、基準値の測定結果からも明らかなとおり、導入当初(使用前)におけるZ−F曲線は、許容帯域の中心となっている。
これらの点検結果から判断できる内容は、電磁コイルを長期間使用することにより、Z−F曲線は、徐々に許容帯域から逸脱すること、その逸脱は、初期段階で高周波側に現れるが、その後低周波側に移動することである。従って、低周波側における逸脱個所を発見したときをもって交換時期とすれば、ブレーキ機構の不具合が生じる前の交換を可能にする。なお、上記実験結果では、低周波側での逸脱は、定格周波数(50Hzまたは60Hz)よりも高い周波数帯域であったが、この逸脱が、さらに低周波側に移動し、定格周波数において現れる場合は、電磁コイルが既に正常に作動していないものと思われる。また、異なる電動機に使用される電磁コイルについての実験を行っていないが、高周波側から低周波側へ逸脱帯域が移動するという傾向を検出することを予想することができるとともに、低周波側について逸脱する領域については、定格周波数の近傍(定格周波数以下)においても経時的観察を行うことにより、更なる傾向を検出し得るものと予想される。
1 ブレーキ付電動機
2 測定部
3 解析部
4 表示部
11 モータ軸
12 ブレーキ用ディスク
13 ブレーキパッド
14 電磁コイル
14a,14b 電磁コイルの両側端子
15 固定鉄心
16 可動鉄心
17 ブレーキバネ
20a,20b 端子
21 交流電源
22 変調器
23 電流計
31 入力部
32 演算部
33 記憶部
34 Z−F曲線作成部(点検時)
35 処理部
36 Z−F曲線作成部(基準値)
37 許容帯域作成部
38 比較部
2 測定部
3 解析部
4 表示部
11 モータ軸
12 ブレーキ用ディスク
13 ブレーキパッド
14 電磁コイル
14a,14b 電磁コイルの両側端子
15 固定鉄心
16 可動鉄心
17 ブレーキバネ
20a,20b 端子
21 交流電源
22 変調器
23 電流計
31 入力部
32 演算部
33 記憶部
34 Z−F曲線作成部(点検時)
35 処理部
36 Z−F曲線作成部(基準値)
37 許容帯域作成部
38 比較部
Claims (9)
- モータにより回転駆動されるモータ軸と、このモータ軸に連動するブレーキ用ディスクと、このブレーキ用ディスクに押圧されるブレーキパッドと、このブレーキパッドに対し所定方向へ付勢するブレーキバネと、電磁コイルを有する固定鉄心と、前記電磁コイルによって前記ブレーキバネの付勢に抗する方向へ作動する可動鉄心とを備えるブレーキ付電動機において、前記電磁コイルの電気的劣化を点検する方法であって、
前記電磁コイルに対して周波数の異なる電圧を印加し、該周波数ごとのインピーダンスを測定してZ−F特性の測定値を得るZ−F特性測定工程と、前記電磁コイルの正常な状態におけるZ−F特性に基づいて予め定めたZ−F特性の許容帯域と前記Z−F特性測定工程による測定値とを比較する比較工程とを含み、
前記測定値が前記許容帯域から逸脱するか否かにより前記電磁コイルの電気的劣化を判断することを特徴とするブレーキ付電動機における電磁コイルの点検方法。 - 前記Z−F特性の許容帯域は、使用前の電磁コイルについて異なる周波数ごとのインピーダンスの値を測定して得た初期値を基準とし、該初期値に対するインピーダンスの増加または減少の幅を設定して得たものである請求項1に記載のブレーキ付電動機における電磁コイルの点検方法。
- 前記Z−F特性の許容帯域は、同一規格により製造される電磁コイルの標準的な値を基準とし、該標準的な値に対するインピーダンスの増加または減少の幅を設定して得たものである請求項1に記載のブレーキ付電動機における電磁コイルの点検方法。
- 前記Z−F特性は、4Hz〜5MHzの範囲における適宜間隔ごとの異なる周波数に対する各インピーダンスによって特定されるものである請求項1ないし3のいずれかに記載のブレーキ付電動機における電磁コイルの点検方法。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の点検方法を使用するブレーキ付電動機における電磁コイルの点検装置であって、
交流電源と、該交流電源の周波数を変調する変調器と、点検対象の電磁コイルについて変調した周波数ごとの電流値を測定する電流計と、該電流計によって測定される電流値からインピーダンスを演算する演算部と、前記電磁コイルの周波数ごとのインピーダンスの基準値を記憶する記憶部と、該演算部によって算出された周波数ごとのインピーダンスおよび前記記憶部に記憶される基準値をそれぞれZ−F曲線として表示する表示手段と、該基準値のZ−F曲線に基づいて許容帯域を算出するとともに、該算出結果をZ−F曲線として表示手段に表示させる処理手段とを備えることを特徴とするブレーキ付電動機における電磁コイルの点検装置。 - 前記処理手段は、さらに、前記演算部による演算結果と前記許容帯域を比較するとともに、該許容帯域から逸脱する領域を前記表示手段にハイライト表示するものである請求項5に記載のブレーキ付電動機における電磁コイルの点検装置。
- 前記処理手段は、前記演算部による演算結果が許容帯域から逸脱する領域が高周波側にある場合は注意喚起信号を発し、低周波側にある場合は警告信号を発するものである請求項6に記載のブレーキ付電動機における電磁コイルの点検装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の点検方法を使用するブレーキ付電動機における電磁コイルの寿命算定方法であって、
前記電磁コイルについて、使用開始時から、Z−F特性の測定値が高周波帯において前記許容帯域を逸脱する時点までの期間で特定される劣化開始期間と、Z−F特性の測定値が高周波帯において前記許容帯域を逸脱する時点から、低周波帯において前記許容帯域から逸脱するまでの期間で特定される劣化進行期間とを、予め測定しておき、
点検対象である電磁コイルのZ−F特性の測定値が、高周波帯において前記許容帯域から逸脱した場合、それまでの使用期間と前記劣化開始期間に対する前記劣化進行期間の割合とを参照することにより、該電磁コイルの寿命の残期間を算出することを特徴とするブレーキ付電動機における電磁コイルの寿命算定方法。 - 前記劣化開始期間および前記劣化進行期間は、同一規格により製造される電磁コイルの標準的な測定値に基づき算出されたものである請求項8に記載のブレーキ付電動機における電磁コイルの寿命算定方法。
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- 2014-07-23 JP JP2014149694A patent/JP2016024111A/ja active Pending
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