JP2016031433A - 光制御デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】
消費電力を低減した光制御デバイスを提供する。
【解決手段】
光制御デバイスは、基板と、前記基板の一方の面に形成される下部電極と、前記下部電極の上に形成される下部クラッドと、前記下部クラッドの上面のうち、平面視で前記下部電極と重複しない第1領域に形成される主導波路と、前記下部クラッドの上面のうち、平面視で前記下部電極と重複する第2領域において前記主導波路の伸延方向に対する幅方向に伸延するように形成され、入射端が光学的に前記主導波路に接続される複数の電気光学導波路と、前記主導波路及び前記電気光学導波路の上に形成される上部クラッドと、前記上部クラッドの上面において、前記電気光学導波路に沿って形成される上部電極とを含む。
【選択図】図2
消費電力を低減した光制御デバイスを提供する。
【解決手段】
光制御デバイスは、基板と、前記基板の一方の面に形成される下部電極と、前記下部電極の上に形成される下部クラッドと、前記下部クラッドの上面のうち、平面視で前記下部電極と重複しない第1領域に形成される主導波路と、前記下部クラッドの上面のうち、平面視で前記下部電極と重複する第2領域において前記主導波路の伸延方向に対する幅方向に伸延するように形成され、入射端が光学的に前記主導波路に接続される複数の電気光学導波路と、前記主導波路及び前記電気光学導波路の上に形成される上部クラッドと、前記上部クラッドの上面において、前記電気光学導波路に沿って形成される上部電極とを含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、光制御デバイスに関する。
従来より、N個の第一光偏向器及びM個の第二光偏向器(N、Mは自然数、N×M≠1)を備え、前記第一光偏向器は、複数の分配光を出力する光分配器と、該光分配器からの分配光を導波する第一導波路アレイと、該第一導波路アレイを導波する分配光の位相を電気光学効果により可変制御する第一位相制御電極とを有し、前記第二光偏向器は、前記第一導波路アレイからの分配光を導波する第二導波路アレイと、該第二導波路アレイを導波する分配光の位相を電気光学効果により可変制御する第二位相制御電極と、前記第二導波路アレイからの分配光を合波して出力する光合波器とを有して成り、前記第一位相制御電極により、前記第一導波路アレイから出射する各分配光が、所定の前記第二導波路アレイ入射面に向かって伝搬する平面波を形成するように、これら各分配光の位相が制御され、前記第二位相制御電極により、所定の入射角方向の前記第一導波路アレイから入射した各分配光が、等位相で、前記第二導波路アレイ出射面から出射するように、これら各分配光の位相が制御されることを特徴とする光スイッチがある(例えば、特許文献1参照)。
ところで、従来の光スイッチにおける1つの導波路が1つの位相制御電極を有する場合、位相制御電極へ個別に電圧印加を行うために必要となる引出電極(引き出し線)の配置としては、図1のような構成が考えられる。
図1は、引き出し線を備えた位相制御電極の電位を個別に制御可能な光制御デバイス10の構成を示す平面図である。
光制御デバイス10は、基板11、下部電極12、電気光学(EO)導波路13、上部電極14、及び引き出し線15を含む。
下部電極12、EO導波路13、上部電極14は、基板11の上に、この順で積層されており、スピンコート法などで積層した材料薄膜に対する金属マスクを用いたウェットエッチングやリアクティブイオンプラズマエッチング、収束イオンビーム描画、電子線描画、レーザー描画、フォトリソグラフィー、インプリント、オフセット印刷やスクリーン印刷技術等の様々な方法で製造可能である。4本の上部電極14の長さはそれぞれ異なり、引き出し線15は、上部電極14の右端に接続されている。
このような光制御デバイス10において、EO導波路13には、図中左側の端部から光が入力され、図中右側の端部から光を出力する。下部電極12と上部電極14の間に印加する電圧を制御することにより、出力光を偏向あるいは収束・発散の制御をさせる。
ここで、引き出し線15は、光制御デバイス10の光入力部と干渉しないようにするために、上部電極14の右端に接続され、EO導波路13と直交する方向に配置されている。このため、電圧を印加したいEO導波路13以外のEO導波路13にも電圧が印加されることになる。
例えば、図1中の上側から3本目のEO導波路13に電圧を印加するために対応する引き出し線15に電圧を印加すると、この引き出し線15は、図1中の上側から1、2本目のEO導波路13の上に形成されているため、図1中の上側から1、2本目のEO導波路13にも電圧が印加されることになり、意図しない電気光学的な屈折率変化や熱による導波路材料物性のゆらぎによって位相整合を乱して光制御特性を著しく劣化させる。
これらを補正するには、例えば熱によるゆらぎを抑えるために冷却系を備えたデバイスにおいて厳しく温度管理を行うことが行われている。一方、電気的な補正を行うにおいては、余分の電圧Vaが印加されるEO導波路13を制御する上部電極14に対して、本来印加すべき電圧Vsに補正する電圧Vaを加えた電圧Vs+Vaを印加する必要があり、上部電極14、下部電極12、及びEO導波路13が容量Cを有する容量性負荷であるため、制御にかかる消費電力がC (2VsVa + Va2) / 2 上昇する問題を伴う。
このため、図1に示す個別の引き出し線を有する光制御デバイス10は、消費電力が大きいという問題があるため、ワイヤーボンディングなどの方法で個別の引き出し線を接続する技術などが提案されているが、コンパクトな平面型光回路に用いるデバイス構造は見られない。
そこで、消費電力を低減した光制御デバイスの構造を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の光制御デバイスは、基板と、前記基板の一方の面に形成される下部電極と、前記下部電極の上に形成される下部クラッドと、前記下部クラッドの上面のうち、平面視で前記下部電極と重複しない第1領域に形成される主導波路と、前記下部クラッドの上面のうち、平面視で前記下部電極と重複する第2領域において前記主導波路の伸延方向に対する幅方向に伸延するように形成され、入射端が光学的に前記主導波路に接続される複数の電気光学導波路と、前記主導波路及び前記電気光学導波路の上に形成される上部クラッドと、前記上部クラッドの上面において、前記電気光学導波路に沿って形成される上部電極とを含む。
本発明によれば、消費電力を低減した光制御デバイスを提供することができる。
以下、本発明の光制御デバイスを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
図2は、実施の形態1の光制御デバイス100を示す図である。
図2は、実施の形態1の光制御デバイス100を示す図である。
光制御デバイス100は、基板110、下部電極120、下部クラッド130、主導波路140、電気光学導波路(EO導波路)150、上部クラッド160、上部電極170を含む。以下では、図示するようにxyz座標系を定義する。
基板110は、ソーダガラスやパイレックス(登録商標)をはじめとする各種光学ガラスのような絶縁製の基板であればよいが、後述するコア材料・クラッド材料・プロセスに応じて適切なものを選べばよい。なお、基板110の屈折率はnsである。基板110は、yz平面に平行に配設される板状の部材である。
下部電極120は、基板110の一方の面において、平面視でEO導波路150が形成される領域であって、かつ、主導波路140が形成されない領域に形成される。下部電極120は、AgやAlなど伝搬光の周波数領域における反射率が高い金属材料で形成することができ、あるいはITO(酸化インジウムスズ)をはじめとする透明伝導体、あるいはTTF-TCNQ(テトラチアフルバレン―テトラシアノキノジメタン)をはじめとする有機伝導体などで形成してもよく、コア材料・クラッド材料に対して不活性であり、かつコア・クラッドの形成プロセスにおいて変質しないものを選べばよい。
なお、下部電極120は、EO導波路150が形成される領域以外の領域に形成してもよい。
下部クラッド130は、平面視で主導波路140とEO導波路150が形成される領域において、基板110及び下部電極120の上に形成される。下部クラッド130は、例えば、SiO2やMgFなど本デバイスで用いる波長域における光吸収が少ない材料で形成すればよいが、下部クラッド130の屈折率であるnkが、nk>nsであることが好ましく、かつ後述コア材料の屈折率 nm に対して nm>nk である必要があり、これらを満たす範囲であり、かつ、プロセス耐性の条件が合致する範囲において、PMMAなどのポリマー材料や前記SiO2などのアモルファスあるいは結晶、ゲルなどの形態をとる材料を用いることができる。
主導波路140は、平面視で下部電極120が形成されていない領域内において、下部クラッド130の上に形成される。主導波路140は、y軸方向に伸延している。主導波路140の一端140Aは、図示しない光入力部に接続され、光入力部から矢印で示すように光が入力される。ここでは、一例として波長1.3μmの単色光を用いる。
主導波路140は、光の伝搬方向(y軸方向)と垂直な断面(xz平面に平行な断面)が矩形であり、平面視でy軸方向に沿った長手方向を有する。主導波路140は、下部クラッド130及び上部クラッド160に対するコアであり、屈折率はnm(> nk)である。
主導波路140は、EO導波路150と光学的に接続、すなわち主導波路140の伝搬光の進行方向を有限角度変更する手段を備えており、一端140Aから入力される光をEO導波路150に出力する。この手段を実現するために、例えば、主導波路140のz軸正方向側でy軸に延在する側面に沿って、回折格子等のカップラが設けられる。
カップラは、EO導波路150の位置及び数等に応じて、主導波路140のz軸正方向側の側面、z軸負方向側の側面、x軸正方向側の面(上面)、及び、x軸負方向側の面(下面)の少なくともいずれか一つに形成されていればよく、これらすべての面に形成されていてもよい。
カップラは、主導波路140の内部を伝搬する光の一部または全部を、EO導波路150に出力する。なお、カップラは、y軸負方向に格子ベクトル成分を有する回折格子、又は、主導波路140の側面を光軸に対して傾けた、いわゆるテーパ構造であればよい。テーパ構造は、例えば、「光集積回路」「光集積回路」オーム社(ISBN 4-274-03064-4 (1985))の第260頁に記載されているようなものを用いればよい。
カップラに用いる回折格子は、主導波路140の側面に形成された周期構造ばかりでなく、EO導波路150の入力端に形成される周期構造、あるいは主導波路140の側面とEO導波路150の入力端の間に配置された周期構造物でもよく、主導波路140の内部で垂直方向(x軸方向)に電界の主たる成分を有するExモードを、EO導波路150におけるExモードに結合し得る特性を有することが好ましい。
回折格子からなるカップラの形成面は、主導波路140の側面に対して傾いていても構わないが、回折格子形成面と主導波路140の側面とがなす角は、sin-1(nc/nm)を超えてはならない。
なお、主導波路140は、断面が円形であってもよい。また、主導波路140の基板110と平行な断面の形状は、矩形、S字型、コの字型、円環状、渦状に蛇行させた形状等であってもよい。
EO導波路150は、平面視で下部電極120が配置される領域に、4本形成される。4本のEO導波路150は、互いに平行であり、z軸に沿って伸延している。すなわち、4本のEO導波路150は、主導波路140に対して平面視(yz平面視)で直角な方向に伸延している。ただし、必ずしも直角である必要はなく、主導波路140の伝搬光がカップラによりEO導波路150の伝搬光に変換される範囲において、EO導波路150は、主導波路140の幅方向に伸延していればよい。4本のEO導波路150は、対称軸Dに対して線対称に配置されている。
EO導波路150は、電気光学(EO)材料で形成される。電気光学(EO)材料としては、例えばEOポリマーを用いることができる。EO導波路150の屈折率はnc(>nk)であり、x軸方向の電気光学(EO)係数はrである。EO導波路150は、下部クラッド130及び上部クラッド160に対するコアである。EOポリマーとしては、例えばトリシアノフラン(TCF)をアクセプタ(電子吸引基)とすることで大きな超分極率を得たEO色素であるFTCなど、アクセプタをニトロ基やジシアノビニル基、トリシアノビニル基、あるいはTCFやその誘導体、ドナ(電子供与基)をアルキルアミノ基やその誘導体、それらがアゾベンゼンやスチルベンゼン、スチリルチオフェンなどのπ共役骨格によって繋がれたD−π−A構造のEO色素が大きな電気光学係数を有することが知られているが、ホスト材料への分散・硬化プロセスにより性能劣化を生じないEO色素であれば、本デバイスのコア材料として用いることができる。
EO導波路150は、光の伝搬方向(z軸方向)と垂直な断面が矩形であり、z軸負方向側の一端が主導波路140と光学的に接続される。EO導波路150は、EO導波路アレイを構成する。なお、EO導波路150の断面は、円形であってもよい。
EO導波路150のz軸負方向側の端部(入力端)には、主導波路140から光が入力される。EO導波路150は、z軸正方向側の端部(EO出力端)から光を出力する。入力端には、上述のようにカップラが設けられていてもよい。
なお、EO導波路150は、少なくとも2本以上あればよく、EO導波路150の延伸方向と直交する方向の中心たるEO導波路もしくはEO導波路の間隙における対称軸Dに対して線対称に配設されていることが好ましい。
各EO導波路150の入力端における光の位相差は、屈折率nmと、主導波路140の形状から決まる伝搬定数βmと、カップラたる回折格子の格子間隔pgと、主導波路140におけるEO導波路150の入力端の間隔piで決まる光路長の差によって決定される。
上部クラッド160は、主導波路140とEO導波路150の一部または全部の上面に形成される。図2では、上部クラッド160は、主導波路140については、一端140A以外を覆っている。また、上部クラッド160は、EO導波路150については、EO出力端以外を覆っている。上部クラッド160は、下部クラッド130と同様の特性を有するものを使用できる。
上部電極170は、上部クラッド160の上面の4本のEO導波路150に対応する位置に形成される。上部電極170のz軸負方向側の一端は、平面視で上部クラッド160よりもz軸負方向側に突出するように形成される。
上部電極170は、EO導波路150と同数又はそれ以下に分割された金属電極であり、上部電極170のz軸負方向側の一端は、主導波路140の上面又は側面を経由して、上部電極170への印加電圧を制御する制御電源回路(図示せず)に接続される。
図2には、4本のEO導波路150に対応する4本の上部電極170を示す。上部電極170は、下部電極120と同様の特性を有する材料で形成することができる。
上部電極170によって上面が被覆されたEO導波路アレイの光の伝搬方向(z軸方向)の長さLjは、EO導波路150ごとに異なっていてもよい。ここで、jはEO導波路150に固有の番号(ここでは1〜4)である。
上部電極170と下部電極120の間隔をT、上部クラッド160と下部クラッド130の厚さをtとして、j番目のEO導波路150に対応する上部電極170と、下部電極120との間に電位差Vjを印加したとき、j番目のEO導波路150に対応する上部電極170と下部電極120に挟まれた領域の屈折率ncは、電気光学効果により次式で与えられるΔn(Vj)だけ変化する。
Δn(Vj) = nc 3 r Vj / {4 t (nc / nk)2 + 2 T} ・・・(1)
このとき、j番目のEO導波路150を伝搬する光の位相には、電圧印加がなされない場合に比べて、おおむねΔφj = 2π Δn(Vj) Lj / λの遅れが生じる。
Δn(Vj) = nc 3 r Vj / {4 t (nc / nk)2 + 2 T} ・・・(1)
このとき、j番目のEO導波路150を伝搬する光の位相には、電圧印加がなされない場合に比べて、おおむねΔφj = 2π Δn(Vj) Lj / λの遅れが生じる。
ただし、λ は伝搬光の波長である。
j番目のEO導波路150のEO出力端(z軸正方向側の端部)に、4つの入射口と4つの出射口とを両端とする4つの光路を有する光出力部のj番目の入射口を接続した場合に、光出力部のj番目の入射口に入射する光の位相は、印加電圧 Vj における位相と、印加電圧 Vj によって決まる。すなわち、 Vj = 0 のときに全ての入射口に入射する光の位相が同一であれば、EO導波路アレイからの入射光には Vj の分布に応じた位相分布が生じる。
ここで、光出力部はEO導波路アレイと同数の入射口からなる入射口アレイを有し、EO導波路アレイの出力端より入射した光を、出射口より放射し得る光学素子である。出射口は間隔 po をもって配置される開口アレイであり、間隔 po は等間隔であってもよいし、等間隔ではなくてもよい。
EO導波路150のEO出力端と光出力部との接続には、レンズや回折格子などの光学素子を用いてもよく、EO導波路アレイから光出力部に向かって導波路の間隔が狭まるテーパ構造の導波路アレイであってもよい。
以上のような構成の光制御デバイス100は、EO導波路150と一対一に対応した上部電極170が、主導波路140上を経由して基板110の外縁に取り出されるため、図1に示すように他のEO導波路13に接する引き出し線15を設置する必要がなく、余分の電圧に関する補正を行う必要が生じない。
このため、消費電力を低減した光制御デバイス100を提供することができる。
ここで、図3を用いて、光制御デバイス100の製造方法について説明する。
図3は、光制御デバイス100の製造工程を示す図である。
まず、図3(A)に示すように、基板110の表面に、下部電極120を形成する。下部電極120は、平面視で後にEO導波路150が形成される領域であって、かつ、後に主導波路140が形成されない領域に形成される。
次に、図3(B)に示すように、平面視で後に主導波路140とEO導波路150が形成される領域において、基板110及び下部電極120の上に下部クラッド130を形成する。
次に、図3(C)に示すように、平面視で下部電極120が形成されていない領域内において、下部クラッド130の上に主導波路140を形成するとともに、平面視で下部電極120が配置される領域に、4本のEO導波路150を形成する。主導波路140には回折格子141を形成する。
次に、図3(D)に示すように、主導波路140とEO導波路150の上面に上部クラッド160を形成する。
図3(E)に示すように、上部クラッド160の上面の4本のEO導波路150に対応する位置に上部電極170を形成する。上部電極170はグランド電位に保持される。
最後に、図3(F)に示すように、下部電極120に電源Vを接続して下部電極120と上部電極170との間に電圧を印加することにより、EO導波路150に対して電場配向処理を行う。
以上により、光制御デバイス100が完成する。図3(A)〜(E)に示す工程は、すべて一般的な有機デバイスと同様に、スピンコートとエッチングの繰り返しで実現できるため、平面的な光制御デバイス100を製造することができる。
<実施例>
本実施例では、主導波路140をシングルモードの埋め込み型光導波路として作用させるために、断面形状を厚さT=1μm、幅W=2μm の矩形とし、EOポリマー材料の屈折率nc=1.6に対して、上部クラッド160および下部クラッド130には屈折率nk=1.444のシリカを選び、その厚さは1μmとした。
本実施例では、主導波路140をシングルモードの埋め込み型光導波路として作用させるために、断面形状を厚さT=1μm、幅W=2μm の矩形とし、EOポリマー材料の屈折率nc=1.6に対して、上部クラッド160および下部クラッド130には屈折率nk=1.444のシリカを選び、その厚さは1μmとした。
この条件を用いると、主導波路140の伝搬モードを求めることが可能である。より正確には数値的なモード解析を行うことが望ましいが、文献「光集積回路」(ISBN 4-274-03064-4 (1985))の第14~18頁および第34~36頁に記載の等価屈折率方法を用いることで、近似的な伝搬モードを簡便に求めることが可能である。
本実施例では前記近似解法と数値解析を併用して説明を行う。
本実施例の電極構成(下部電極120及び上部電極170)のもとで、EO導波路150における電気光学効果を効率よく利用するためには、電気光学効果による屈折率変化がx方向に強く生じることから、EO導波路150の伝搬光がx方向に主たる電界成分を持つEx モードであることが好ましい。
そこで、前記近似解法によるExモードを対象とした解析を行う。
まずx方向に一様、z方向には主導波路140と同様の構成による光の閉じ込めがある、y方向に光を伝搬しうる光導波路を考えると、これはコア(EO導波路150)の屈折率nc、コアの厚さW、クラッド(下部クラッド130及び上部クラッド160)の屈折率nk であるステップ型二次元光導波路と見なすことができる。
主導波路140のEzモードは、ステップ型二次元光導波路のTEモードと等価であるため、その固有値方程式は次式で与えられる。
2 π (nc 2 - nemz 2)1/2 T / λ = (mz + 1) π ・・・(2)
ただしmzはモード番号 (mz = 0, 1, 2,・・・) を表し、 nemz は mz に対応する主導波路140の伝搬モードにおける伝搬定数 βmzmz = 2 π nemz / λ を与える実効屈折率である。
2 π (nc 2 - nemz 2)1/2 T / λ = (mz + 1) π ・・・(2)
ただしmzはモード番号 (mz = 0, 1, 2,・・・) を表し、 nemz は mz に対応する主導波路140の伝搬モードにおける伝搬定数 βmzmz = 2 π nemz / λ を与える実効屈折率である。
式(2)を用いて前記条件のもとでの nemz を求めると、 ne0 = 1.543 (mz = 0) のみが存在を許される。
次に、z方向に一様、x方向には主導波路140と同様の構成であるが、コア(EO導波路150)の屈折率がEzモードにおける実効屈折率に等しく、y方向に光を伝搬しうる光導波路を考えると、これはコア(EO導波路150)の屈折率nemz、コアの厚さT、クラッド(下部クラッド130及び上部クラッド160)の屈折率nk であるステップ型二次元光導波路になる。
主導波路140のExモードは、ステップ型二次元光導波路のTMモードと等価であり、その固有値方程式は式(2)における mz を mx (mx = 0, 1, 2,・・・)、 nemz を nemxに置き換えるとともに、βmzmzを βmxmx = 2 π nemx / λ に置き換えることで得られる。
なお、本実施例では下部クラッド130及び上部クラッド160の屈折率を同一としたため計算式が簡略化されたが、一般的には下部クラッド130及び上部クラッド160の各々と主導波路140の屈折率との比がTMモードの固有値方程式に含まれるため、やや複雑な式になる。そのような場合の式等は、文献「光集積回路」(ISBN 4-274-03064-4 (1985))に記載されている通りである。
式を用いて前記条件のもとでの nemx を求めると、 mz = 0、すなわち ne(mz=0) = 1.543 に対して ne0 = 1.501 のみが nk < nemxを満たし、単一モードの光導波路となる。このとき伝搬定数は βmx0 = 7.255x106 [m-1] となる。
なお、以上の結果により、基板平面(yz面)において入射角度αi = sin-1[(nc 2 - ne 2)1/2] = sin-1[ λ / 2 T] をもって照射されるとき、もっとも光利用効率の高い構成となることは明らかである。
簡単のため、本実施例におけるEO導波路150の厚さ・幅をともに主導波路と同一とし、下部クラッド130及び上部クラッド160の材料と厚さが全体で同一とすると、主導波路140と同様の方法により、電圧が印加されていない状態のEO導波路150には同じ伝搬定数をもつEx0モードのみ存在することがわかる。
したがって、主導波路140からEO導波路150への光路変換を行うには、EO導波路150の入力端と対向する主導波路140の側壁に設けたカップラたる回折格子141(図3(C)参照)を、そのピッチpgが次式を満たすよう形成すればよい。
pg = 2π mg /{(4 nc 2 π2 / λ2 - βmy0 2)1/2 - βmy0} ・・・(3)
ただし、mg は整数である。
pg = 2π mg /{(4 nc 2 π2 / λ2 - βmy0 2)1/2 - βmy0} ・・・(3)
ただし、mg は整数である。
式(3)より、例えばmg = -1 として得られる pg=2μm を選ぶことにより、図4に示す通り主導波路140を伝搬する光が回折格子141で生じる -1次の回折光を、EO導波路のEx 0モードに結合することが可能である。
この結果、入力光は主導波路140よりEO導波路150の入力端を介して、各EO導波路150へ分配される。
なお、4つのEO導波路150の各々に入力される光の出力の分配比は、回折格子141の繰り返し個数で決まり、これを適切に選ぶことで、各EO導波路150へ均等に光エネルギーを分配する、あるいは中央部または片側端部に多くの光エネルギーを分配することが可能である。
EO導波路150には、例えば、情報通信研究機構研究報告 Vol.59 No.1 (2013)に記載の方法により電場配向処理がなされるが、本実施例で示す光制御デバイス100は、図3(C)に示すようにEO導波路150の左端(入力端)側を除いた中央部と右端(EO出力端)側にのみ下部電極120を有するため、電圧印加を下部電極120にのみ行うことにより、EO導波路150のうち上部電極170と下部電極120との間隙に配置された領域にのみ、有限の電気光学効果を付与することができる。
すなわち、上部電極170に対して電圧印加を行うと、電場配向処理を受けたEO導波路150である図5の中央に示す長さLjの領域でのみ屈折率変化が生じるため、4本のEO導波路150への適切な印加電圧V1〜V4を選ぶことにより、j番目のEO出力端における位相φejを個別に変化させ、出力光の偏向角度を制御することが可能になる。
簡単のため、EO出力端がピッチpoなるEO導波路アレイである場合を取り上げると、隣接するEO導波路150を伝搬する光のEO入力端における位相差をφij - φi(j-1) = φm (j = 2, 3, 4)、電圧印加時のj番目のEO導波路150の伝搬係数をβej とすると、j番目のEO導波路150と隣接するEO導波路150とのEO出力端における光の位相差は、φej - φe(j-1) = Lj βej - Lj-1 βe(j-1) - (Lj - Lj-1) βc + φm となる。
ここで、複数に分割された光に位相差を設けてEO導波路アレイの開口から射出するとき、得られる回折光(出力光)の方向は次式で与えられる。
po sin(αe) = { (Lj βej - Lj-1 βe(j-1) - (Lj - Lj-1)βc+φm) / 2π + ma} λ ・・・(4)
ただし、αeは図5に示すようにEO導波路150の伸延方向(z軸正方向:図2参照)に対して出力光がなす角度であり、maは整数である。
po sin(αe) = { (Lj βej - Lj-1 βe(j-1) - (Lj - Lj-1)βc+φm) / 2π + ma} λ ・・・(4)
ただし、αeは図5に示すようにEO導波路150の伸延方向(z軸正方向:図2参照)に対して出力光がなす角度であり、maは整数である。
一方、電場配向処理がなされたEO導波路150を伝搬する光の伝搬定数 βej は、光路長変化の影響を受ける。具体的には、伝搬モードの次数が変わらない程度の印加電圧変動に対して、Lj βej - Lj-1 βe(j-1) は式(1)より次式になる。
(Lj - Lj-1) βc + 2 π (Lj Vj - Lj-1 Vj-1) nc 3 r / [ λ {4 t (nc/nk)2 + 2 T}] ・・・(5)
式(5)の第1項は、式(4)の右辺の第2項によりキャンセルされるため、EO出力端における位相変化量 Δφ はEO導波路150の入力端において生じる φm λ / 2π と、電圧印加により生じる (Lj Vj - Lj-1 Vj-1) nc 3 r / [{4 t (nk/nc)1/2 + 2 T}] だけで決まる。
(Lj - Lj-1) βc + 2 π (Lj Vj - Lj-1 Vj-1) nc 3 r / [ λ {4 t (nc/nk)2 + 2 T}] ・・・(5)
式(5)の第1項は、式(4)の右辺の第2項によりキャンセルされるため、EO出力端における位相変化量 Δφ はEO導波路150の入力端において生じる φm λ / 2π と、電圧印加により生じる (Lj Vj - Lj-1 Vj-1) nc 3 r / [{4 t (nk/nc)1/2 + 2 T}] だけで決まる。
具体的には、EO導波路150の入力端が位相整合されている(φm=2π)とし、 po = 7μm、Lj = 125μm、 ma = -1 を選べば、V1 = 0 V、V2 = 70 V、 V3 = 140 V、 V4 = 210 V の電圧印加により、EO出力端における位相分布 φe1 = 0 [deg]、φe2 = 100 [deg]、 φe3 = 200 [deg]、 φe4 = 300 [deg] が得られ、出力光の偏向角度は αe = 3.0 [deg] となる。
これを確かめるために、与えられたEO出力端の位相分布のもとで光学シミュレーション(Diffract)を行い、偏向角度を求めた結果を図6に示す。隣接するOE導波路150に印加する電位差をΔV、光ビーム(出力光)の偏向角度は αe とすると、光学シミュレーション(Diffract)では、ΔV=0V でαe =0degree、ΔV=35V でαe =2.4degree、ΔV=70V でαe =4.2degreeであった。この結果、光学シミュレーション(Diffract)で求めた偏向角度αe と理論解析値とは、図6に示す通りである。
なお、光学シミュレーション(Diffract)の詳細は、例えば、インターネット〈URL:http://comets.jp/〉に開示されている(検索日2014年6月12日)。
なお、光制御デバイス100において、例えば φe4 - φe3 = φe1 - φe2 > 0、 φe2 = φe3 となるよう印加電圧V1〜V4を選べば、図7に示す通り、収束ビームを形成することも可能である。
電気光学効果を利用する偏向制御デバイスでは、一般的に小さな値であるrにより大きな偏向角度、すなわち大きな位相制御量を得るためには、EO層(EO導波路150の層)の厚さを小さくとる、印加電圧を大きくする、EO導波路150を長くとるなどの工夫が必要である。
しかしながら、実施の形態の光制御デバイス100に用いるEOポリマーは薄膜化に適しており、EO導波路150の層の厚さを薄くすることが容易である。
また、EO導波路150を長くとると、周辺温度やデバイス温度の変化の影響により、設計時の位相整合条件が成り立たなくなる場合があるが、実施の形態1によれば、EO導波路150の上部電極170を個別に駆動でき、位相整合条件からのずれを補正可能であり、長時間の安定動作が可能である。
さらに、印加電圧を大きくすると、一般的には誘電体で構成される主導波路140を挟む上部電極170と下部電極120の充放電に伴う消費電力増大が問題になるが、実施の形態1における電極配置によれば、EO導波路150に対する不必要な電圧印加による消費電力増加を抑制することが可能である。
従来、VsとVaは動作原理から同程度の電圧値となる。また、実施の形態1ではVaは不要になる。このため、実施の形態1の光制御デバイス100における消費電力は、従来の制御に必要な消費電力の半分以下となる。
このため、消費電力を低減した光制御デバイス100を提供することができる。
<実施の形態2>
図8は、実施の形態2の光制御デバイス200を示す図である。図8(A)は、図2(A)に対応する斜視図、図8(B)は、図2(C)に対応する断面図である。
図8は、実施の形態2の光制御デバイス200を示す図である。図8(A)は、図2(A)に対応する斜視図、図8(B)は、図2(C)に対応する断面図である。
光制御デバイス200は、実施の形態1の光制御デバイス100のOA導波路150のOA出力端側の上面に、回折格子201を追加した構成を有する。その他の構成は、実施の形態1の光制御デバイス100と同様である。
回折格子201は、OA出力端に伝搬した光をx軸正方向に出力するために設けられている。
このため、光制御デバイス200は、OA導波路150のOA出力端側の上面から、光をx軸正方向に出力する。光制御デバイス200は、例えば、光ディスクのピックアップやコンピュータのボード内配線、オフチップ光配線、空間光通信等に利用可能である。
なお、回折格子201は、OA導波路150のOA出力端側の下面に設けられていて、OA導波路150のOA出力端側の上面から、光をx軸正方向に出力するように構成されていてもよい。
図9は、実施の形態2の光制御デバイス200の動作状態を説明する図である。
EO導波路150の上部または下部に形成したグレーティング(回折格子201)により伝搬光を放射光に変換する。グレーティングのピッチpgは、実施の形態1のカップラの回折格子141と同様に設計すればよい。グレーティングの高さhg、長さLgは、Tamirの摂動理論などで計算すればよい。
例えば、収束ビームを生成する場合には、EO導波路150のうちj=0とj=3、j=1とj=2を伝搬する光がそれぞれ同位相になり、かつj=0とj=3に対するj=1とj=2の位相に差が生じるように上部電極170及び下部電極120の印加電圧V1〜V4を選ぶことにより、光出力を図9(B)のように収束ビームとして得ることが可能である。
以上、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、消費電力を低減した光制御デバイス200を提供することができる。また、光をx軸正方向に出力することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の光制御デバイスについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100 光制御デバイス
110 基板
120 下部電極
130 下部クラッド
140 主導波路
150 EO導波路
160 上部クラッド
170 上部電極
200 光制御デバイス
201 回折格子
110 基板
120 下部電極
130 下部クラッド
140 主導波路
150 EO導波路
160 上部クラッド
170 上部電極
200 光制御デバイス
201 回折格子
Claims (5)
- 基板と、
前記基板の一方の面に形成される下部電極と、
前記下部電極の上に形成される下部クラッドと、
前記下部クラッドの上面のうち、平面視で前記下部電極と重複しない第1領域に形成される主導波路と、
前記下部クラッドの上面のうち、平面視で前記下部電極と重複する第2領域において前記主導波路の伸延方向に対する幅方向に伸延するように形成され、入射端が光学的に前記主導波路に接続される複数の電気光学導波路と、
前記主導波路及び前記電気光学導波路の上に形成される上部クラッドと、
前記上部クラッドの上面において、前記電気光学導波路に沿って形成される上部電極と
を含む、光制御デバイス。 - 前記複数の電気光学導波路の出力端側は、前記入射端から前記出力端に伸延する伸延方向において、平面視で前記上部電極よりも延出している、請求項1記載の光制御デバイス。
- 前記複数の電気光学導波路は、平面視において、3本以上あり、中心線に対して対称的に配置される、請求項1又は2記載の光制御デバイス。
- 前記電気光学導波路は、電気光学ポリマーで形成される、請求項1乃至3のいずれか一項記載の光制御デバイス。
- 前記電気光学導波路の出射端に、前記電気光学導波路の内部を伝搬する光を上面から出射する回折格子を有する、請求項1乃至4のいずれか一項記載の光制御デバイス。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2014-07-28 JP JP2014153131A patent/JP2016031433A/ja active Pending
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