JP2016031472A - 電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶剤への溶解性及び/又はバインダー樹脂への相溶性に優れる化合物を含有することで、感光層の結晶化を抑制しつつ、感度特性に優れる電子写真感光体を提供する。【解決手段】電子写真感光体は、感光層を備える。感光層は、下記一般式(I)で表される化合物を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体に関する。
電子写真方式のプリンター又は複合機には、像担持体として電子写真感光体が用いられる。一般に、電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体の上に直接又は間接に設けられた感光層とを備える。電荷発生剤、電荷輸送剤、及びこれらの剤を結着させる樹脂(有機材料)を含有する感光層を備える感光体は、電子写真有機感光体と呼ばれる。電子写真有機感光体のうち、主に電荷輸送剤を含有することによる電荷輸送機能と、主に電荷発生剤を含有することによる電荷発生機能とを、別々の層にもたせる電子写真有機感光体は、積層型電子写真感光体と称される。電荷輸送剤と電荷発生剤とを同一の層に含み、電荷発生と電荷輸送の両方の機能を同一の層で実現する電子写真有機感光体は、単層型電子写真感光体と称される。
一方、感光体として、無機材料(例えば、セレン、又はアモルファスシリコン)を用いた電子写真無機感光体も挙げられる。電子写真有機感光体は、電子写真無機感光体と比較して、環境への影響が比較的小さく、成膜及び製造が容易であるといった利点を有する。そのため、現在多くの画像形成装置に用いられている。
電子写真有機感光体に使用可能な化合物として、トリス(4−スチリルフェニル)アミン誘導体が知られている(特許文献1)。
特開2012−27139号公報
しかしながら、特許文献1に記載された誘導体を用いたとしても、誘導体の溶剤への溶解性及びバインダー樹脂への相溶性を確保しつつ、感度特性及び表面外観に優れた電子写真感光体を得ることは難しい。
上記課題に鑑み、本発明は、溶剤への溶解性及び/又はバインダー樹脂への相溶性に優れる化合物を含有することで、感光層の結晶化を抑制しつつ、感度特性に優れる電子写真感光体を提供する。
本発明の電子写真感光体は、感光層を備える。感光層は、下記一般式(I)で表される化合物を含有する。
Figure 2016031472
前記一般式(I)中、
1及びR2は、独立して互いに同一又は異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及び置換基を有してもよい炭素原子数6以上12以下のアリール基からなる群から選択され、
l及びmは、それぞれ、0以上4以下の整数を表し、
lが2以上の整数を表す場合、同一の芳香環に存在する複数のR1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、
mが2以上の整数を表す場合、同一の芳香環に存在する複数のR2は、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、
nは、1以上3以下の整数を表し、
oは、0又は1の整数を表す。
本発明の電子写真感光体は、溶剤への溶解性及び/又はバインダー樹脂への相溶性に優れる一般式(I)で表される化合物を含有する。このような化合物を含有することで、感光層の結晶化を抑制しつつ、感度特性に優れる電子写真感光体を得ることができる。このような電子写真感光体は、長期にわたって高画質な画像を形成できると考えられる。
(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る積層型電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る単層型電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。
本発明の実施形態に係る電子写真感光体は、感光層を備える。感光層は、下記一般式(I)で表される化合物を含有する。
Figure 2016031472
一般式(I)中、
1及びR2は、独立して互いに同一又は異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及び置換基を有してもよい炭素原子数6以上12以下のアリール基からなる群から選択され、
l及びmは、それぞれ、0以上4以下の整数を表し、
lが2以上の整数を表す場合、同一の芳香環に存在する複数のR1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、
mが2以上の整数を表す場合、同一の芳香環に存在する複数のR2は、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、
nは、1以上3以下の整数を表し、
oは、0又は1の整数を表す。
一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」と記載する場合がある)において、トリフェニルアミン部位は3個の置換基を有している。これらの置換基に存在する二重結合の数が増えると、化合物の溶剤への溶解性及び/又はバインダー樹脂への相溶性は向上する傾向にある。二重結合中のπ結合に起因する電子雲の広がりが、溶解性及び/又は相溶性に影響すると考えられるからである。また、トリフェニルアミン部位が有する3個の置換基のうち、1個の置換基の構造は、他の2個の置換基の構造とは異なっている。このような非対称構造を有する化合物は、溶剤への溶解性及び/又はバインダー樹脂への相溶性に優れる傾向にある。従って、二重結合を含む置換基と、非対称構造とを有する化合物(I)は、溶剤への溶解性及び/又はバインダー樹脂への相溶性に優れると考えられる。
化合物(I)は、上述のように、溶剤への溶解性及び/又はバインダー樹脂への相溶性に優れる。そのため、感光層の成膜時に、化合物(I)が感光層中で結晶化することを抑制することができる。その結果、結晶化された部分が観察されにくく、感光体表面の外観に優れる電子写真感光体を効果的に得ることができる。
化合物(I)は、上述のように、溶剤への溶解性及び/又はバインダー樹脂への相溶性に優れる。そのため、化合物(I)を感光層中で均一に分散させやすい。化合物(I)が均一に分散している感光層は、優れた電気特性(特に、残留電位の抑制)を有する傾向にある。これにより、感度特性に優れた電子写真感光体を効果的に得ることができる。
[化合物(I)]
以下、本実施形態の電子写真感光体が備える感光層に含有される、化合物(I)について説明する。
一般式(I)のR1及びR2において、ハロゲン原子とは、例えば、フッ素、塩素又は臭素である。
一般式(I)のR1及びR2において、炭素原子数1以上6以下のアルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、又はヘキシル基である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基として、好ましくは炭素原子数1以上3以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基が挙げられる。
一般式(I)のR1及びR2において、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基として、好ましくは炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基が挙げられ、より好ましくはメトキシ基が挙げられる。
一般式(I)のR1及びR2において、炭素原子数6以上12以下のアリール基とは、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基である。
上述のアルキル基、アルコキシ基、又はアリール基は、置換基にて置換されていてもよい。置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数6以上12以下のアリール基が挙げられる。置換基としての炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例としては、一般式(I)のR1及びR2における炭素原子数1以上6以下のアルキル基として例示される基と同様の基が挙げられる。置換基としての炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基の例としては、一般式(I)のR1及びR2における炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基として例示される基と同様の基が挙げられる。置換基としての炭素原子数6以上12以下のアリール基の例としては、一般式(I)のR1及びR2における炭素原子数6以上12以下のアリール基として例示される基と同様の基が挙げられる。
一般式(I)において、ベンゼン環における電子の共鳴効果があることから、R1及びR2は、独立して互いに同一又は異なって、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群から選択されることが好ましい。
一般式(I)において、分子構造の安定性が確保できることから、lは、0又は1の整数を表すことが好ましい。
一般式(I)において、分子構造の安定性が確保できることから、mは、0の整数を表すことが好ましい。
一般式(I)において、nは、2又は3の整数を表すことが好ましい。これにより、化合物(I)中のトリフェニルアミン部位が有する置換基において、二重結合の数を増加させることができるからである。また、以下の構造に起因して、化合物(I)の構造の非対称性を高めることができるからである。即ち、トリフェニルアミン部位が有する3個の置換基のうち、1個の置換基は1個又は2個の二重結合を含み(つまり、оが0又は1の整数を表し)、他の2個の置換基は2個又は3個の二重結合を含む(つまり、nが2又は3の整数を表す)という構造である。このような二重結合の数の増加と、非対称性の高まりとから、化合物(I)の溶剤への溶解性及び/又はバインダー樹脂への相溶性が一層向上すると考えられる。
化合物(I)の具体例は、下記式(HT−1)〜(HT−6)で表される化合物である。以下、下記式(HT−1)〜(HT−6)で表される化合物を、各々、化合物(HT−1)〜(HT−6)と記載する場合がある。
Figure 2016031472
Figure 2016031472
Figure 2016031472
Figure 2016031472
Figure 2016031472
Figure 2016031472
化合物(I)は、下記の反応式(R−1)〜(R−9)で表される反応に従って、あるいはこれに準ずる方法によって、製造することができる。以下、反応式(R−1)〜(R−9)で表される反応を、各々、反応(R−1)〜(R−9)と記載する場合がある。反応(R−1)〜(R−9)以外に、必要に応じて適宜な反応が含まれてもよい。以下、反応(R−1)〜(R−9)について説明する。
Figure 2016031472
反応式(R−1)〜(R−5)中、R1及びlは各々、一般式(I)におけるR1及びlと同義である。Xは、ハロゲン原子を示す。
[反応(R−1)]
反応(R−1)では、ベンゼン誘導体(1−1)と、化合物(2)である亜リン酸トリエチルとを反応させて、ホスホナート誘導体(3−1)を得る。
ベンゼン誘導体(1−1)と、化合物(2)である亜リン酸トリエチルとの反応比[(1−1):(2)]は、モル比で、1:1〜1:2.5であることが好ましい。ベンゼン誘導体(1−1)のモル数に対して、亜リン酸トリエチルのモル数が少な過ぎると、ホスホナート誘導体(3−1)の収率が過度に低下する場合がある。一方、ベンゼン誘導体(1−1)のモル数に対して、亜リン酸トリエチルのモル数が多すぎると、反応後に、未反応の亜リン酸トリエチルが過度に残留し、ホスホナート誘導体(3−1)の精製が困難となることがある。
ベンゼン誘導体(1−1)と亜リン酸トリエチルとの反応に関し、反応温度は160℃以上200℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。
[反応(R−2)]
反応(R−2)では、ホスホナート誘導体(3−1)と、ベンズアルデヒド誘導体(4−1)とを反応させて、ジフェニルエテン誘導体(5−1)を得る(Wittig反応)。
ホスホナート誘導体(3−1)とベンズアルデヒド誘導体(4−1)との反応比[(3−1):(4−1)]は、モル比で、1:1〜1:2.5であることが好ましい。ホスホナート誘導体(3−1)のモル数に対して、ベンズアルデヒド誘導体(4−1)のモル数が少な過ぎると、ジフェニルエテン誘導体(5−1)の収率が過度に低下することがある。ホスホナート誘導体(3−1)のモル数に対して、ベンズアルデヒド誘導体(4−1)のモル数が多すぎると、未反応のベンズアルデヒド誘導体(4−1)が過度に残留し、ジフェニルエテン誘導体(5−1)の精製が困難となることがある。
Wittig反応には、触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、ナトリウムアルコキシド(具体的には、ナトリウムメトキシド、又はナトリウムエトキシド)、金属水素化物(具体的には、水素化ナトリウム、又は水素化カリウム)、又は金属塩(具体的には、n−ブチルリチウム)が挙げられる。これらの触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
こうした触媒の添加量は、ホスホナート誘導体(3−1)1モルに対して、1モル以上2モル以下であることが好ましい。こうした触媒の添加量が過少であると、反応性が著しく低下することがある。一方、こうした触媒の添加量が過多であると、反応の制御が困難になることがある。
反応(R−2)には、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、エーテル類(具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、又はジオキサン)、ハロゲン化炭化水素(具体的には、塩化メチレン、クロロホルム、又はジクロロエタン)、又は芳香族炭化水素(具体的には、ベンゼン、又はトルエン)が挙げられる。
ホスホナート誘導体(3−1)とベンズアルデヒド誘導体(4−1)との反応に関し、反応温度は0℃以上50℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上24時間以下であることが好ましい。
[反応(R−3)]
反応(R−3)では、ホスホナート誘導体(3−1)と、シンナムアルデヒド誘導体(4−2)とを反応させて、ジフェニルブタジエン誘導体(5−2)を得る(Wittig反応)。
ホスホナート誘導体(3−1)とシンナムアルデヒド誘導体(4−2)との反応比[(3−1):(4−2)]は、モル比で、1:1〜1:2.5であることが好ましい。ホスホナート誘導体(3−1)に対して、シンナムアルデヒド誘導体(4−2)のモル数が少な過ぎると、ジフェニルブタジエン誘導体(5−2)の収率が過度に低下することがある。ホスホナート誘導体(3−1)のモル数に対して、シンナムアルデヒド誘導体(4−2)のモル数が過大であると、未反応のシンナムアルデヒド誘導体(4−2)が過度に残留し、ジフェニルブタジエン誘導体(5−2)の精製が困難となることがある。
Wittig反応には、触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、反応(R−2)で例示される触媒が挙げられる。これらの触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
こうした触媒の添加量は、ホスホナート誘導体(3−1)1モルに対して、1モル以上2モル以下であることが好ましい。こうした触媒の添加量が過少であると、反応性が著しく低下することがある。一方、こうした触媒の添加量が過多であると、反応の制御が困難になることがある。
反応(R−3)には、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、反応(R−2)で例示される溶剤が挙げられる。
ホスホナート誘導体(3−1)とシンナムアルデヒド誘導体(4−2)との反応に関し、反応温度は0℃以上50℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上24時間以下であることが好ましい。
[反応(R−4)]
反応(R−4)では、ベンゼン誘導体(1−3)と、化合物(2)である亜リン酸トリエチルとを反応させて、ホスホナート誘導体(3−3)を得る。
ベンゼン誘導体(1−3)と、化合物(2)である亜リン酸トリエチルとの反応比[(1−3):(2)]は、モル比で、1:1〜1:2.5であることが好ましい。ベンゼン誘導体(1−3)のモル数に対して、亜リン酸トリエチルのモル数が少な過ぎると、ホスホナート誘導体(3−3)の収率が過度に低下する場合がある。一方、ベンゼン誘導体(1−3)のモル数に対して、亜リン酸トリエチルのモル数が多過ぎると、反応後に、未反応の亜リン酸トリエチルが過度に残留し、ホスホナート誘導体(3−3)の精製が困難となることがある。
ベンゼン誘導体(1−3)と亜リン酸トリエチルとの反応に関し、反応温度は160℃以上200℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。
[反応(R−5)]
反応(R−5)では、ホスホナート誘導体(3−3)と、シンナムアルデヒド誘導体(4−3)とを反応させて、ジフェニルヘキサトリエン誘導体(5−3)を得る(Wittig反応)。
ホスホナート誘導体(3−3)とシンナムアルデヒド誘導体(4−3)との反応比[(3−3):(4−3)]は、モル比で、1:1〜1:2.5であることが好ましい。ホスホナート誘導体(3−3)のモル数に対して、シンナムアルデヒド誘導体(4−3)のモル数が少な過ぎると、ジフェニルヘキサトリエン誘導体(5−3)の収率が過度に低下することがある。ホスホナート誘導体(3−3)のモル数に対して、シンナムアルデヒド誘導体(4−3)のモル数が多過ぎると、未反応のシンナムアルデヒド誘導体(4−3)が過度に残留し、ジフェニルヘキサトリエン誘導体(5−3)の精製が困難となることがある。
Wittig反応には、触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、反応(R−2)で例示される触媒が挙げられる。これらの触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
こうした触媒の添加量は、ホスホナート誘導体(3−3)1モルに対して、1モル以上2モル以下であることが好ましい。こうした触媒の添加量が過少であると、反応性が著しく低下することがある。一方、こうした触媒の添加量が過多であると、反応の制御が困難になることがある。
反応(R−5)には、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、反応(R−2)で例示される溶剤が挙げられる。
ホスホナート誘導体(3−3)とシンナムアルデヒド誘導体(4−3)との反応に関し、反応温度は0℃以上50℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上24時間以下であることが好ましい。
Figure 2016031472
反応式(R−6)〜(R−7)中、R2及びmは各々、一般式(I)におけるR2及びmと同義である。Xは、ハロゲン原子を示す。
[反応(R−6)]
反応(R−6)では、ベンズアルデヒド誘導体(4−4)と、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)とを反応させて、ヒドラゾン誘導体(7−1)を得る。
ベンズアルデヒド誘導体(4−4)と、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)との反応比[(4−4):(6)]は、モル比で、1:1〜1:2.5であることが好ましい。ベンズアルデヒド誘導体(4−4)のモル数に対して、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)のモル数が少な過ぎると、ヒドラゾン誘導体(7−1)の収率が過度に低下する場合がある。一方、ベンズアルデヒド誘導体(4−4)のモル数に対して、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)のモル数が多過ぎると、反応後に、未反応のジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)が過度に残留し、ヒドラゾン誘導体(7−1)の精製が困難となることがある。
反応(R−6)には、触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、酸触媒が挙げられ、好ましくは、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、又はピリジニウム−p−トルエンスルホン酸が挙げられる。これらの触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
こうした触媒の添加量は、ベンズアルデヒド誘導体(4−4)1モルに対して、少量であり、具体的には0.01モル以上0.5モル以下であることが好ましい。こうした触媒の添加量が過少であると、反応性が著しく低下することがある。一方、こうした触媒の添加量が過多であると、反応の制御が困難になることがある。
反応(R−6)には、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、反応(R−2)で例示される溶剤が挙げられる。
ベンズアルデヒド誘導体(4−4)と、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)との反応に関し、反応温度は80℃以上150℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。
[反応(R−7)]
反応(R−7)では、シンナムアルデヒド誘導体(4−3)と、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)とを反応させて、ヒドラゾン誘導体(7−2)を得る。
シンナムアルデヒド誘導体(4−3)と、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)との反応比[(4−3):(6)]は、モル比で、1:1〜1:2.5であることが好ましい。シンナムアルデヒド誘導体(4−3)のモル数に対して、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)のモル数が少な過ぎると、ヒドラゾン誘導体(7−2)の収率が過度に低下する場合がある。一方、シンナムアルデヒド誘導体(4−3)のモル数に対して、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)のモル数が多過ぎると、反応後に、未反応のジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)が過度に残留し、ヒドラゾン誘導体(7−2)の精製が困難となることがある。
反応(R−7)には、触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、反応(R−6)で例示される触媒が挙げられる。これらの触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
こうした触媒の添加量は、シンナムアルデヒド誘導体(4−3)1モルに対して、少量であり、具体的には0.01モル以上0.5モル以下であることが好ましい。こうした触媒の添加量が過少であると、反応性が著しく低下することがある。一方、こうした触媒の添加量が過多であると、反応の制御が困難になることがある。
反応(R−7)には、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、反応(R−2)で例示される溶剤が挙げられる。
シンナムアルデヒド誘導体(4−3)と、ジフェニルヒドラジン誘導体の塩酸塩(6)との反応に関し、反応温度は80℃以上150℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。
Figure 2016031472
反応式(R−8)〜(R−9)中、R1、R2、l、m、n、及びoは各々、一般式(I)におけるR1、R2、l、m、n、及びoと同義である。Xはハロゲン原子を示す。
[反応(R−8)]
反応(R−8)では、ジフェニルエテン誘導体(5−1)、ジフェニルブタジエン誘導体(5−2)、又はジフェニルヘキサトリエン誘導体(5−3)と、リチウムアミドとを反応させて、中間体化合物を得る(カップリング反応)。
反応(R−8)では、ジフェニルエテン誘導体(5−1)、ジフェニルブタジエン誘導体(5−2)、又はジフェニルヘキサトリエン誘導体(5−3)と、リチウムアミドとの反応比[誘導体(5−1)、(5−2)、又は(5−3):リチウムアミド]は、モル比で、5:1〜1:1であることが好ましい。
誘導体(5−1)、(5−2)、又は(5−3)のモル数に対して、リチウムアミドのモル数が少な過ぎると、中間体化合物の収率が過度に低下することがある。一方、誘導体(5−1)、(5−2)、又は(5−3)のモル数に対して、リチウムアミドのモル数が多過ぎると、反応終了後に、過剰のリチウムアミドが未反応のまま過度に残留し、中間体化合物の精製が困難となることがある。
反応(R−8)に関し、反応温度は80℃以上140℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。
反応(R−8)には、触媒としてパラジウム化合物を用いることが好ましい。これにより、反応の活性化エネルギーを低下させることができる。その結果、中間体化合物の収率をより向上させることができる。
パラジウム化合物としては、例えば、四価パラジウム化合物類、二価パラジウム化合物類、又はその他のパラジウム化合物類が挙げられる。四価パラジウム化合物類としては、例えば、ヘキサクロルパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、又はヘキサクロルパラジウム(IV)酸カリウム四水和物が挙げられる。二価パラジウム化合物類としては、例えば、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウムアセチルアセテート(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラミンパラジウム(II)、又はジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)が挙げられる。その他のパラジウム化合物類としては、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(0)、又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が挙げられる。パラジウム化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
パラジウム化合物の添加量は、誘導体(5−1)、(5−2)、又は(5−3)1モルに対して、好ましくは0.0005モル以上20モル以下であり、より好ましくは0.001モル以上1モル以下である。
このようなパラジウム化合物は、配位子を含む構造であってもよい。これにより、反応性を向上させることができる。配位子としては、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフリルホスフィン、トリ(o−トル)ホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ(t−ブチル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、又は2,2’−ビス[(ジフェニルホスフィノ)ジフェニル]エーテルが挙げられる。配位子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。配位子の添加量は、誘導体(5−1)、(5−2)、又は(5−3)1モルに対して、0.0005モル以上20モル以下であることが好ましく、より好ましくは0.001モル以上1モル以下である。
反応(R−6)には、塩基を用いることが好ましい。これにより、反応系中で発生するハロゲン化水素がすみやかに中和され、触媒活性を向上させることができる。その結果、中間体化合物の収率を向上させることができる。
塩基は、無機塩基であってもよいし、有機塩基であってもよい。有機塩基としては、例えば、アルカリ金属アルコシド(具体的には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、又はカリウムtert−ブトキシド)が挙げられ、好ましくはナトリウムtert−ブトキシドである。無機塩基としては、例えば、リン酸三カリウム、又はフッ化セシウムが挙げられる。
誘導体(5−1)、(5−2)、又は(5−3)1モルに対して、パラジウム化合物0.0005モル以上20モル以下を加えた場合、塩基の添加量は、1モル以上50モル以下であることが好ましく、1モル以上10モル以下であることがより好ましい。
反応(R−8)には、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、キシレン(具体的には、o−キシレン)、トルエン、テトラヒドロフラン、又はジメチルホルムアミドが挙げられる。
[反応(R−9)]
反応(R−9)では、得られた中間体化合物と、ヒドラゾン誘導体(7−1)又は(7−2)とを反応させて、目的化合物である化合物(I)を得る(カップリング反応)。
中間体化合物と、ヒドラゾン誘導体(7−1)又は(7−2)との反応比[中間体化合物:誘導体(7−1)又は(7−2)]は、モル比で、5:1〜1:1であることが好ましい。
中間体化合物のモル数に対して、ヒドラゾン誘導体(7−1)又は(7−2)のモル数が少な過ぎると、化合物(I)の収率が過度に低下することがある。一方、中間体化合物のモル数に対して、ヒドラゾン誘導体(7−1)又は(7−2)のモル数が多過ぎると、反応終了後に、過剰のヒドラゾン誘導体(7−1)又は(7−2)が未反応のまま過度に残留し、化合物(I)の精製が困難となることがある。
反応(R−9)に関し、反応温度は80℃以上140℃以下であることが好ましく、反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。
反応(R−9)には、触媒としてパラジウム化合物を用いることが好ましい。これにより、反応の活性化エネルギーを低下させることができる。その結果、化合物(I)の収率をより向上させることができる。
パラジウム化合物としては、例えば、反応(R−8)で例示されるパラジウム化合物が挙げられる。パラジウム化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
パラジウム化合物の添加量は、ヒドラゾン誘導体(7−1)又は(7−2)1モルに対して、好ましくは0.0005モル以上20モル以下であり、より好ましくは0.001モル以上1モル以下である。
このようなパラジウム触媒は、配位子を含む構造であってもよい。これにより、反応性を向上させることができる。配位子としては、例えば、反応(R−8)で例示される配位子が挙げられる。配位子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。配位子の添加量は、ヒドラゾン誘導体(7−1)又は(7−2)1モルに対して、好ましくは0.0005モル以上20モル以下であり、より好ましくは0.001モル以上1モル以下である。
反応(R−9)には、塩基を用いることが好ましい。これにより、反応系中で発生するハロゲン化水素がすみやかに中和され、触媒活性を向上させることができる。その結果、化合物(I)の収率を向上させることができる。
塩基は、無機塩基であってもよいし、有機塩基であってもよい。有機塩基及び無機塩基としては、例えば、反応(R−8)で例示される有機塩基及び無機塩基が挙げられる。
ヒドラゾン誘導体(7−1)又は(7−2)1モルに対して、パラジウム化合物0.0005モル以上20モル以下を加えた場合、塩基の添加量は、好ましくは1モル以上10モル以下であり、より好ましくは1モル以上5モル以下である。
反応(R−9)には、溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えば、反応(R−8)で例示される溶剤が挙げられる。
[電子写真感光体]
以下、本実施形態の電子写真感光体(以下、単に「感光体」と記載する場合がある)を説明する。本実施形態の電子写真感光体は、感光層を備える。感光層は、積層型感光層、又は単層型感光層であってもよい。
本実施形態の電子写真感光体は、積層型感光層を有する、いわゆる積層型電子写真感光体であってもよい。積層型感光層は、少なくとも、電荷発生層と電荷輸送層とを含み、電荷輸送層が最表面に配置される構成を有する。電荷発生層は、少なくとも、電荷発生剤を含有する。電荷輸送層は、少なくとも、正孔輸送剤を含有する。
又、本実施形態の電子写真感光体は、単層型感光層を有する、いわゆる単層型電子写真感光体であってもよい。単層型感光層は、同一層に、少なくとも電荷発生剤、及び正孔輸送剤を含有する。
<積層型電子写真感光体>
以下、図1を参照して、積層型感光層を備える積層型電子写真感光体について説明する。図1(a)に示すように、積層型電子写真感光体10は、基体11上に積層型感光層12を備える。積層型感光層12には、電荷発生層13及び電荷輸送層14が、記載された順に積層される。電荷輸送層14が最表面に設けられることにより、優れた電気特性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させることが容易となる。
電荷発生層13は電荷発生剤を含有する。電荷輸送層14は、電荷輸送剤を含有し、必要に応じてバインダー樹脂を含有してもよい。電荷輸送剤は、正孔輸送剤だけであってもよく、正孔輸送剤と必要に応じて電子アクセプター化合物とが併用されてもよい。
積層型電子写真感光体10は、基体11と、積層型感光層12とを備えている限り、特に限定されない。図1(b)に示すように、基体11と積層型感光層12との間に、中間層15が設けられてもよい。
電荷発生層13及び電荷輸送層14の各層の厚さは、それぞれの層としての機能を十分に発現できる限り、特に限定されない。電荷発生層13の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層14の厚さは、具体的には、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
<単層型電子写真感光体>
以下、図2を参照して、単層型感光層を備える単層型電子写真感光体について説明する。図2(a)に示すように、単層型電子写真感光体20は、基体21と、単層型感光層22とを備える。単層型感光層22は、基体21上に設けられる。単層型感光層22は、電荷発生剤と電荷輸送剤とを含有し、必要に応じてバインダー樹脂を含有してもよい。電荷輸送剤は、正孔輸送剤及び電子輸送剤であることが好ましい。
単層型電子写真感光体20は、基体21と、単層型感光層22とを備えている限り、特に限定されない。例えば、図2(a)に示すように、単層型感光層22が、基体21上に直接設けられてもよい。又は、図2(b)に示すように、基体21と単層型感光層22との間に、中間層23が設けられてもよい。
単層型感光層22の厚さは、感光層としての機能を十分に発現できる限り、特に限定されない。具体的には、単層型感光層22の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
画像流れの発生及び製造コストを抑制するために、本実施形態に係る電子写真感光体(例えば、単層型電子写真感光体、又は積層型電子写真感光体)においては、感光層(例えば、単層型感光層、又は積層型感光層)が最外層として配置されることが好ましい。
<共通の構成要素>
以下、単層型電子写真感光体及び積層型電子写真感光体を構成する要素について詳細に説明する。
[基体]
本実施形態において、基体は、少なくとも表面部が導電性を有する基体である限り、特に限定されない。具体的には、基体は、導電性を有する材料から構成される基体であってもよい。又は、プラスチック材料若しくはガラスの表面を、導電性を有する材料で被覆若しくは蒸着した構成を有する基体であってもよい。ここで、導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドニウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼若しくは真鍮のような金属、又はこれらの金属の合金が挙げられる。これらの導電性を有する材料を、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上述のように例示される基体のうち、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む基体を用いることが好ましい。なぜなら、こうした基体を用いる場合は、感光層から基体への電荷の移動が良好となる傾向があるため、より好画質な画像を形成できる感光体を提供できるからである。
基体の形状は、適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、シート状であってもよいし、又はドラム状であってもよい。また、基体は、使用に際して、十分な機械的強度を有することが望ましい。
[電荷発生剤]
電荷発生剤は、電子写真感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)、Y型チタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンのような無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。
所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。更に、例えば、デジタル光学系の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター、又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。そのため、例えば、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)又はY型チタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)のような、フタロシアニン系顔料が好適に用いられる。なお、フタロシアニン系顔料の結晶形状については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。
短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下程度の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料、又はペリレン系顔料が好適に用いられる。
積層型電子写真感光体において、電荷発生剤の含有量は、電荷発生層13に含まれるベース樹脂100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、30質量部以上500質量部以下であることがより好ましい。なお、ベース樹脂については後述する。
単層型電子写真感光体において、電荷発生剤の含有量は、単層型感光層22に含まれるバインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。なお、バインダー樹脂については後述する。
[電荷輸送剤]
本実施形態において、感光層は電荷輸送剤を含有することが好ましい。電荷輸送剤は、特に正孔輸送剤である。
(正孔輸送剤)
本実施形態において、感光層は、一般式(I)で表される化合物を正孔輸送剤として含有することが好ましい。
積層型電子写真感光体において、正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
単層型電子写真感光体において、正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
(電子輸送剤及び電子アクセプター化合物)
感光層は、必要に応じて、電子輸送剤又は電子アクセプター化合物を含有してもよい。単層型電子写真感光体の単層型感光層は、電子輸送剤を含有することができる。これにより、単層型感光層は電子を輸送することができ、単層型感光層にバイポーラー(両極性)の特性を付与しやすくなる。一方、積層型電子写真感光体の積層型感光層は、電子アクセプター化合物を含有することができる。これにより、正孔輸送剤の正孔輸送能を向上させることができる。
電子輸送剤又は電子アクセプター化合物としては、例えば、キノン系化合物(具体的には、ナフトキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アゾキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、又はジニトロアントラキノン系化合物)、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。電子輸送剤又は電子アクセプター化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
積層型電子写真感光体において、電子アクセプター化合物の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
単層型電子写真感光体において、電子輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。
[樹脂]
(ベース樹脂)
積層型感光層に含まれる電荷発生層は、ベース樹脂(電荷発生層用結着樹脂)を含んでもよい。
電荷発生層用結着樹脂は、積層型電子写真感光体の電荷発生層用の樹脂である限り、特に限定されない。
通常、積層型電子写真感光体においては、電荷発生層及び電荷輸送層がこの順番に形成されている。そのため、電荷輸送層を形成する際の塗布液に用いられる溶剤に溶解しないように、積層型電子写真感光体においては、電荷発生層用結着樹脂は、バインダー樹脂とは異なる樹脂であることが好ましい。
電荷発生層用結着樹脂の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、又はウレタン−アクリレート樹脂が挙げられる。電荷発生層用結着樹脂としては、ポリビニルブチラールが好適に使用される。電荷発生層用結着樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、単層型電子写真感光体の単層型感光層、又は積層型電子写真感光体の電荷輸送層に用いられる。バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂(具体的には、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂)、熱硬化性樹脂(具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂)、又は、光硬化性樹脂(具体的には、エポキシアクリレート樹脂、又はウレタン−アクリレート共重合樹脂)が挙げられる。これらのバインダー樹脂は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
バインダー樹脂の分子量は、粘度平均分子量で40000以上であることが好ましく、40000以上52500以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の分子量が低過ぎると、バインダー樹脂の耐摩耗性を十分に高めることができず、電荷輸送層又は単層型感光層が摩耗し易くなる。また、バインダー樹脂の分子量が高過ぎると、電荷輸送層又は単層型感光層の形成時にバインダー樹脂が溶剤に溶解しにくくなり、塗布液の粘度が高くなり過ぎるため、電荷輸送層又は単層型感光層の形成が困難になる傾向がある。
[添加剤]
本実施形態に係る電子写真感光体においては、積層型感光層(具体的には、電荷発生層、電荷輸送層)、単層型感光層、及び中間層のうちの少なくとも一つが、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項クエンチャー、又は紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、可塑剤、増感剤、又はレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、BHT(ジ(tert−ブチル)p−クレゾール)、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン若しくはこれらの誘導体、有機硫黄化合物、又は有機燐化合物が挙げられる。
[中間層]
本実施形態に係る電子写真感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。単層型電子写真感光体において、中間層は、基体と単層型感光層との間に位置する。積層型電子写真感光体において、中間層は、基体と電荷発生層との間に介在する。中間層は、例えば、無機粒子、及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、電子写真感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(具体的には、アルミニウム、鉄、又は銅)、金属酸化物(具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、又は酸化亜鉛)の粒子、又は非金属酸化物(具体的には、シリカ)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
中間層用樹脂としては、中間層を形成するための樹脂である限り、特に限定されない。
<電子写真感光体の製造方法>
単層型電子写真感光体の製造方法について説明する。単層型電子写真感光体は、単層型感光層用塗布液(第一の塗布液)を基体上に塗布し、乾燥することによって製造される。第一の塗布液は、電荷発生剤、正孔輸送剤、バインダー樹脂及び必要に応じて電子輸送剤若しくは各種の添加剤を、溶剤に溶解又は分散させることにより製造される。
積層型電子写真感光体の製造方法について説明する。具体的には、まず、電荷発生層用塗布液(第二の塗布液)、及び電荷輸送層用塗布液(第三の塗布液)を調製する。第二の塗布液を基体上に塗布し、適宜な方法で乾燥することによって、電荷発生層を形成する。その後、第三の塗布液を電荷発生層に塗布し、乾燥することによって、電荷輸送層を形成し、積層型電子写真感光体を製造することができる。
第二の塗布液は、電荷発生剤、ベース樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。第三の塗布液は、正孔輸送剤、バインダー樹脂、及び必要に応じて、シリカ粒子、電子アクセプター化合物及び/又は各種の添加剤を、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。
塗布液(第一の塗布液、第二の塗布液、又は第三の塗布液)に含有される溶剤は、塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。具体的には、溶剤としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール)、脂肪族系炭化水素(例えば、n−ヘキサン、オクタン、又はシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、又はクロロベンゼン)、エーテル類(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、又はプロピレングリコールモノメチルエーテル)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン)、エステル類(例えば、酢酸エチル、又は酢酸メチル)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。感光体の製造過程における作業者の安全衛生を改善するためには、溶剤として非ハロゲン系溶剤を用いることが好ましい。
塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散機を用いることができる。
塗布液は、各成分の分散性を向上させるために、例えば、界面活性剤を含有してもよい。
塗布液を塗布する方法としては、塗布液を基体上に均一に塗布できる方法である限り、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、又はバーコート法が挙げられる。
塗布液を乾燥する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法である限り、特に限定されない。例えば、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
(1)化合物(I)の合成
[化合物(HT−1)の合成]
下記の反応スキームに従って、化合物(HT−1)を合成した。以下、反応スキームについて具体的に説明する。
Figure 2016031472
Figure 2016031472
Figure 2016031472
(化合物(3a)の合成)
200mL容のフラスコに、化合物(1a)(16.1g、0.1mol)と、化合物(2)である亜リン酸トリエチル(25g、0.15mol)とを加え、180℃で8時間攪拌した後、室温まで冷却した。その後、過剰な亜リン酸トリエチルを減圧留去し、化合物(3a)(収量:24.1g、収率:92モル%)を白色液体として得た。
(化合物(5a)の合成)
500mL容の二口フラスコに、得られた化合物(3a)(13g、0.05mol)を0℃で加えた。フラスコ内を、アルゴンガスで置換した。その後、フラスコ内に、乾燥テトラヒドロフラン(100mL)と28%ナトリウムメトキシド(9.3g、0.05mol)を加え、30分間攪拌した。その後、乾燥テトラヒドロフラン(300mL)中の化合物(4a)(7g、0.05mol)を加え、室温で12時間攪拌した。得られた混合物を、イオン交換水に注ぎ、トルエンで抽出した。得られた有機層を、イオン交換水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣を、トルエン/メタノール(20mL/100mL)で精製し、化合物(5a)(収量:9.8g、収率:80モル%)を白色結晶として得た。
(化合物(7a)の合成)
ディーン・スターク装置に、化合物(4e)(6.8g、0.05mol)、化合物(6a)であるジフェニルヒドラジン塩酸塩(10g、0.05mol)、トルエン(100mL)、及びp−トルエンスルホン酸(0.1g)を加えた。混合物を、120℃で4時間、還流しながら攪拌した。得られた混合物を、イオン交換水に注ぎ、トルエンで抽出した。得られた有機層を、イオン交換水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣を、トルエン/メタノール(体積比3:7)で晶析し、化合物(7a)(収量:12.1g、収率:82モル%)を白色結晶として得た。
(化合物(HT−1)の中間体化合物の合成)
三口フラスコに、得られた化合物(5a)(6g、0.02mol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.0662g、0.000189mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0864g、0.0000944mol)、ナトリウムtert−ブトキシド(4g、0.42mol)、リチウムアミド(0.24g、0.010mol)、及び蒸留したо−キシレン(500mL)を加えた。フラスコ内を、アルゴンガスで置換した。その後、内容物を、120℃で5時間攪拌し、室温まで冷却した。得られた混合物を、イオン交換水で3回洗浄し、有機層を得た。有機層に、無水硫酸ナトリウムと活性白土とを加え、乾燥処理及び吸着処理を行った。その後、得られた有機層を減圧留去し、о−キシレンを除去した。得られた残渣を、クロロホルム/ヘキサン(体積比2:8)で晶析し、化合物(HT−1)の中間体化合物(収量:2.6g)を得た。
(化合物(HT−1)の合成)
三口フラスコに、得られた中間体化合物(2.6g、0.006mol)、化合物(7a)(1.7g、0.006mol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.019394g、5.541×10-5mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.02535g、2.771×10-5mol)、ナトリウムtert−ブトキシド(1g、0.010mol)、及び蒸留したо−キシレン(200mL)を加えた。フラスコ内を、アルゴンガスで置換した。その後、内容物を、120℃で5時間攪拌し、室温まで冷却した。得られた混合物を、イオン交換水で3回洗浄し、有機層を得た。有機層に、無水硫酸ナトリウムと活性白土とを加え、乾燥処理及び吸着処理を行った。その後、得られた有機層を減圧留去し、о−キシレンを除去した。得られた残渣を、展開溶媒としてクロロホルム/ヘキサン(体積比1:1)を用いて晶析し、化合物(HT−1)(収量:3.1g、収率:80モル%)を得た。
[化合物(HT−2)の合成]
化合物(4a)の代わりに下記化合物(4b)を用いた以外は、化合物(5a)の合成と同様の方法で、下記化合物(5b)(収率:85モル%)を得た。次いで、化合物(5a)の代わりに下記化合物(5b)を用いた以外は、化合物(HT−1)の中間体化合物の合成と同様の方法で、中間体化合物を得た。次いで、化合物(HT−1)の合成と同様の方法で、化合物(HT−2)(収率:82モル%)を得た。
Figure 2016031472
Figure 2016031472
[化合物(HT−3)の合成]
化合物(1a)の代わりに下記化合物(1b)を用いた以外は、化合物(3a)の合成と同様の方法で、下記化合物(3b)を得た。化合物(3a)の代わりに下記化合物(3b)を用い、化合物(4a)の代わりに下記化合物(4c)を用いた以外は、化合物(5a)の合成と同様の方法で、下記化合物(5c)(収率:40モル%)を得た。次いで、化合物(5a)の代わりに化合物(5c)を用いた以外は、化合物(HT−1)の中間体化合物の合成と同様の方法で、中間体化合物を得た。次いで、化合物(HT−1)の合成と同様の方法で、化合物(HT−3)(収率:65モル%)を得た。
Figure 2016031472
Figure 2016031472
Figure 2016031472
Figure 2016031472
[化合物(HT−4)の合成]
化合物(4e)の代わりに上述の化合物(4c)を用いた以外は、化合物(7a)の合成と同様の方法で、下記化合物(7b)(収率:80モル%)を得た。次いで、化合物(HT−1)の中間体化合物の合成と同様の方法で、中間体化合物を得た。次いで、化合物(7a)の代わりに化合物(7b)を用いた以外は、化合物(HT−1)の合成と同様の方法で、化合物(HT−4)(収率:70モル%)を得た。
Figure 2016031472
[化合物(HT−5)の合成]
化合物(4a)の代わりに下記化合物(4f)を用いた以外は、化合物(5a)の合成と同様の方法で、下記化合物(5f)(収率:70モル%)を得た。次いで、化合物(5a)の代わりに化合物(5f)を用いた以外は、化合物(HT−1)の中間体化合物の合成と同様の方法で、中間体化合物を得た。次いで、化合物(HT−1)の合成と同様の方法で、化合物(HT−5)(収率:75モル%)を得た。
Figure 2016031472
Figure 2016031472
[化合物(HT−6)の合成]
化合物(4a)の代わりに下記化合物(4d)を用いた以外は、化合物(5a)の合成と同様の方法で、下記化合物(5d)(収率:75モル%)を得た。次いで、化合物(5a)の代わりに化合物(5d)を用いた以外は、化合物(HT−1)の中間体化合物の合成と同様の方法で、中間体化合物を得た。次いで、化合物(HT−1)の合成と同様の方法で、化合物(HT−6)(収率:73モル%)を得た。
Figure 2016031472
Figure 2016031472
(2)単層型電子写真感光体の製造
[感光体(C−1)]
容器内に、電荷発生剤としてのX型無金属フタロシアニン(5質量部)、正孔輸送剤としての化合物(HT−1)(80質量部)、電子輸送剤としての下記化合物(ET−1)(50質量部)、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(帝人株式会社製、商品名「パンライト(登録商標)」)(100質量部)、及び溶剤としてのテトラヒドロフラン(800質量部)を投入した。内容物をボールミルで50時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、単層型感光層用塗布液(第一の塗布液)を得た。
Figure 2016031472
次に、基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長238.5mm)の表面に、得られた第一の塗布液をディップコート法を用いて塗布した。その後、100℃で30分間熱処理(熱風乾燥)して、単層型感光層(膜厚25μm)を形成し、単層型電子写真感光体である感光体(C−1)を得た。
[感光体(C−2)]
電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに下記化合物(ET−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−2)を製造した。
Figure 2016031472
[感光体(C−3)]
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−3)を製造した。
[感光体(C−4)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−2)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−4)を製造した。
[感光体(C−5)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−2)を用い、電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−5)を製造した。
[感光体(C−6)]
以下を変更した以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−6)を製造した。電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用いた。正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−2)を用いた。電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた。
[感光体(C−7)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−3)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−7)を製造した。
[感光体(C−8)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−3)を用い、電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−8)を製造した。
[感光体(C−9)]
以下を変更した以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−9)を製造した。電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用いた。正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−3)を用いた。電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた。
[感光体(C−10)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−10)を製造した。
[感光体(C−11)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−4)を用い、電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−11)を製造した。
[感光体(C−12)]
以下を変更した以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−12)を製造した。電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用いた。正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−4)を用いた。電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた。
[感光体(C−13)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−5)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−13)を製造した。
[感光体(C−14)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−5)を用い、電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−14)を製造した。
[感光体(C−15)]
以下を変更した以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−15)を製造した。電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用いた。正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−5)を用いた。電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた。
[感光体(C−16)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−6)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−16)を製造した。
[感光体(C−17)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−6)を用い、電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−17)を製造した。
[感光体(C−18)]
以下を変更した以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(C−18)を製造した。電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用いた。正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−6)を用いた。電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた。
[感光体(D−1)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに下記の化合物(HT−A)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(D−1)を製造した。
Figure 2016031472
[感光体(D−2)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−A)を用い、電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(D−2)を製造した。
[感光体(D−3)]
以下を変更した以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(D−3)を製造した。電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用いた。正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−A)を用いた。電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた。
[感光体(D−4)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに下記の化合物(HT−B)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(D−4)を製造した。
Figure 2016031472
[感光体(D−5)]
正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−B)を用い、電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(D−5)を製造した。
[感光体(D−6)]
以下を変更した以外は、感光体(C−1)の製造と同様の手法により、感光体(D−6)を製造した。電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用いた。正孔輸送剤として、化合物(HT−1)の代わりに化合物(HT−B)を用いた。電子輸送剤として、化合物(ET−1)の代わりに化合物(ET−4)を用いた。
上述のようにして得られた感光体のいずれかに対し、下記のような評価を行った。
(3)電気特性評価
単層型電子写真感光体(C−1)〜(C−18)及び(D−1)〜(D−6)のいずれかを、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、+700Vになるように帯電させ、電位を測定した。測定された電位を、初期表面電位(Vo)とした。次いで、バンドパスフィルターを用いて、ハロゲンランプの光から単色光(波長:780nm、半値幅:20nm、光強度:1.5μJ/cm2)を取り出し、取り出された単色光を単層型電子写真感光体の表面に照射した(照射時間:1.5秒)。照射が終了してから0.5秒経過した時の表面電位を測定した。測定された表面電位を、残留電位(VL)とした。測定環境は、温度23℃かつ湿度50%RHとした。
(4)電子写真感光体の外観評価
単層型電子写真感光体(C−1)〜(C−18)、及び感光体(D−1)〜(D−6)のうちのいずれかの表面全域を、光学顕微鏡を用いて観察し、結晶化した部分の有無を確認した。以下の基準で外観を評価した。
○(良い):結晶化した部分が観察されない。
×(悪い):結晶化した部分が観察される。
単層型電子写真感光体(C−1)〜(C−18)及び(D−1)〜(D−6)の各々について、単層型感光層に含有される電荷発生剤、正孔輸送剤及び電子輸送剤、並びに各種評価の結果を、表1に示す。
Figure 2016031472
表1から明らかなように、化合物(HT−1)〜(HT−6)を含有する感光層を備える感光体(C−1)〜(C−18)は、感光層の結晶化が抑制されているだけでなく、電気特性評価における残留電位が低い傾向にあった。従って、感光体(C−1)〜(C−18)は、化合物(HT−1)〜(HT−6)を含有する感光層を備えることで、感光層の結晶化を抑制しつつ、電気特性に優れることが示された。
本発明に係る電子写真感光体は、画像形成装置に好適に利用できる。
10 積層型電子写真感光体
11 基体
12 積層型感光層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 中間層
20 単層型電子写真感光体
21 基体
22 単層型感光層
23 中間層

Claims (4)

  1. 感光層を備える電子写真感光体であって、
    前記感光層が、下記一般式(I)で表される化合物を含有する、電子写真感光体。
    Figure 2016031472
    前記一般式(I)中、
    1及びR2は、独立して互いに同一又は異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、及び置換基を有してもよい炭素原子数6以上12以下のアリール基からなる群から選択され、
    l及びmは、それぞれ、0以上4以下の整数を表し、
    lが2以上の整数を表す場合、同一の芳香環に存在する複数のR1は、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、
    mが2以上の整数を表す場合、同一の芳香環に存在する複数のR2は、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、
    nは、1以上3以下の整数を表し、
    oは、0又は1の整数を表す。
  2. 前記一般式(I)中、
    1及びR2は、独立して互いに同一又は異なって、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、及び炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基からなる群から選択され、
    lは、0又は1の整数を表し、
    mは、0の整数を表す、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記一般式(I)中、
    nは、2又は3の整数を表す、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層が、
    電荷発生剤を含有する電荷発生層と、正孔輸送剤を含有する電荷輸送層とが積層され、前記電荷輸送層が最表面に配置される積層型感光層、又は、
    電荷発生剤、及び正孔輸送剤を含有する単層型感光層であり、
    前記感光層が、下記一般式(I)で表される化合物を、前記正孔輸送剤として含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
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