JP2016031994A - 積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストおよびその製造方法、ならびに、積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性粉末と、ビヒクルと、石油系炭化水素からなる粘度調整剤とを含む導電性ペーストに、熱分解抑制添加剤として、変性ポリウレタン、変性ポリアミドおよびリン酸アンモニウムから選択される1種以上の化合物を、導電性粉末100質量部に対して、0.1質量部〜1質量部添加する。
【選択図】図1
Description
以下、本発明の導電性ペーストについて、その構成成分ごとに分けて説明する。
本発明の導電性ペーストを構成する導電性粉末としては、従来技術と同様に、ニッケル(Ni)粉末、パラジウム(Pd)粉末、Niを含む合金粉末およびPdを含む合金粉末から選択される少なくとも1種を用いることができる。これらの中でも、低コストのNi粉末を用いることが好ましい。
本発明の導電性ペーストを構成するビヒクルは、特に制限されることはなく、従来技術と同様に、溶剤とバインダとを均一に混合したものを使用することができる。たとえば、溶剤としては、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテートなどを使用することができる。また、バインダとしては、エチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルブチラールなどを使用することができる。
粘度調整剤は、セラミックグリーンシートなどの対象物に良好に印刷されるように、導電性ペーストの粘度を調整するために添加される成分である。
本発明の導電性ペーストは、上述した成分に加えて、熱分解抑制添加剤として、変性ポリウレタン、変性ポリアミドおよびリン酸アンモニウムから選択される1種以上の化合物を、導電性粉末100質量部に対して、0.1質量部〜1質量部含むことを特徴とする。
本発明の導電性ペーストにおいては、上述した添加剤のほかに、その用途に応じて、分散剤、難燃剤、沈降防止剤などの添加剤(以下、「他の添加剤」という)を添加することもできる。これらの他の添加剤は、分解温度が150℃〜350℃の範囲にあるものが好ましい。分解温度が150℃未満では、混合または混練時に容易に分解し、他の添加剤を添加することによる効果を得ることができない場合がある。一方、分解温度が350℃を超えると、脱バインダ工程以降にも残留し、焼成工程においてこれらの他の添加剤が熱分解することで発生するガスによって、上述したクラックや層間剥離などの構造欠陥が発生するおそれがある。
(1)導電性ペーストの製造方法
本発明の導電性ペーストは、上述した構成成分を均一に分散させることができる限り、従来技術と同様の方法により製造することができる。たとえば、上述した各構成成分を、3本ロールミルなどにより均一に混練することにより製造することができる。
上述したように本発明の導電性ペーストによれば、脱バインダ工程における導電性粉末の触媒作用が抑制されるため、このペースト中のバインダの熱分解温度が過度に低下することを防止することができる。したがって、本発明の導電性ペーストを用いて、積層セラミックコンデンサの内部電極層を構成した場合には、層間剥離やクラックなどの構造欠陥の発生を効果的に防止することができる。
熱分解強度比:α=ΔTG1a/ΔTG3 (a)
粘度の上昇率:β=(η2ーη1)/η1×100 (b)
ΔTG=(熱重量TGの変化量)/(加熱時間) (c)
導電性粉末として、平均粒径が0.2μmのNi粉末(住友金属鉱山株式会社製)を用意し、このNi粉末100質量部に対して、上述したビヒクルを60質量部(エチルセルロース:3質量部)、粘度調整剤(出光興産株式会社製、Aソルベント)を40質量部、熱分解抑制添加剤として、ディスパロンDA−1401(楠本化成株式会社製)を0.1質量部、秤量した。次に、これらの構成成分を同時に混合し、3本ロールミル(株式会社井上製作所、43/4×11S型ロール機)を用いて、FOGゲージ(粒ゲージ)によって測定される粒径が10μm以下となるまで混練し、導電性ペーストを作製した。
この導電性ペーストに含まれるエチルセルロースの熱分解ピーク温度を、上述したビヒクル中のエチルセルロースの熱分解ピーク温度と同様にして測定することで、熱分解ピーク温度T1aを特定し、式(a)により、熱分解強度比αを算出した。また、この結果に基づき、実施例1の導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。
はじめに、導電性ペーストの作製後、24時間経過した時点の粘度η1を、粘度計(ブルックフィールド社製、HBT型粘度計)を用いて測定した。次に、この導電性ペーストを25℃の恒温下で20日間保管し、この期間の経過後の粘度η2を、同様に測定した。そして、式(b)より、粘度の上昇率βを算出した。この結果に基づき、粘度の上昇率βが、15%未満であるものを「良(◎)」、15%以上20%未満であるものを「可(○)」、20%以上のものを「不可(×)」として評価した。これらの結果を表2に示す。
熱分解抑制添加剤の種類およびその含有量を表1および表2に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製するとともに、その熱分解ピーク温度T1aと熱分解強度比αを測定し、これらの導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。また、実施例1と同様にして、粘度の上昇率βを測定し、粘度の安定性を評価した。これらの結果を表2に示す。
粘度調整剤として、表1および表2に示すものを使用したこと以外は、実施例2と同様にして導電性ペーストを作製するとともに、その熱分解ピーク温度T1aと熱分解強度比αを測定し、これらの導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。また、実施例1と同様にして、粘度の上昇率βを測定し、粘度の安定性を評価した。これらの結果を表2に示す。
熱分解抑制添加剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製するとともに、その熱分解ピーク温度T1bと熱分解強度比αを測定し、これらの導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。また、実施例1と同様にして、粘度の上昇率βを測定し、粘度の安定性を評価した。これらの結果を表2に示す。
熱分解抑制添加剤の種類およびその含有量を表1および表2に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製するとともに、その熱分解ピーク温度T1aと熱分解強度比αを測定し、これらの導電性ペーストにおけるエチルセルロースの熱分解性と、それに伴うガス発生の程度を評価した。また、実施例1と同様にして、粘度の上昇率βを測定し、粘度の安定性を評価した。これらの結果を表2に示す。
表1および表2より、本発明の技術的範囲に含まれる実施例1〜10の導電性ペーストは、エチルセルロースの熱分解ピーク温度が300℃〜315℃の範囲にあり、かつ、熱分解強度比αが1未満となっており、バインダの熱分解が抑制されていることが確認された。また、粘度の安定性に関する評価も良好であることが確認された。したがって、これらの導電性ペーストを用いて内部電極層を形成した積層セラミックコンデンサは、脱バインダ工程や焼成工程における構造欠陥の発生を大幅に低減することができると考えられる。また、これらの導電性ペーストは、作製後、長期間経過後においても、支障なく内部電極層を形成することができると考えられる。なお、沸点が200℃を超える粘度調整剤を使用した実施例10では、他の実施例と比べて粘度の上昇率βが高かったが、実用上は問題のないレベルであった。
2 熱分解抑制添加剤を含まない導電性ペースト
3 ビヒクル
Claims (8)
- 導電性粉末と、ビヒクルと、石油系炭化水素からなる粘度調整剤と、熱分解抑制添加剤とを含む導電性ペーストであって、
前記熱分解抑制添加剤として、変性ポリウレタン、変性ポリアミドおよびリン酸アンモニウムから選択される1種以上の化合物を含み、かつ、該熱分解抑制添加剤の含有量が、前記導電性粉末100質量部に対して、0.1質量部〜1質量部である、導電性ペースト。 - 前記熱分解抑制添加剤は、変性ポリアミドである、請求項1に記載の導電性ペースト。
- 前記粘度調整剤は、沸点が150℃〜260℃である、請求項1および2のいずれかに記載の導電性ペースト。
- 前記導電性粉末の平均粒径が1μm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペースト。
- 前記導電性粉末は、Ni粉末、Pd粉末、Niを含む合金粉末およびPdを含む合金粉末から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト。
- 前記導電性粉末はNi粉末である、請求項5に記載の導電性ペースト。
- 前記ビヒクルに、前記導電性粉末と、前記粘度調整剤と、前記熱分解抑制添加剤とを添加し、これらの混合物を混練する、請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペーストの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペーストを用いて形成された内部電極層を備える、積層セラミックコンデンサ。
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