JP2016098794A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、自着火温度が比較的高い燃料を使用する内燃機関において、スモークの発生量を抑制しつつディーゼル燃焼を実現することを目的とする。
【解決手段】本発明では、圧縮工程中に火花点火によるプレ燃焼が行われる。その後、圧縮行程上死点前に、筒内噴射弁によるメイン噴射が実行される。これにより、プレ燃焼によって生じた火炎を起点として、メイン噴射によって噴射された燃料の燃焼が開始され、さらに燃料の自着火および拡散燃焼が生じる。そして、本発明では、内燃機関の機関負荷が所定負荷以下の運転領域においては、プレ燃焼のための燃料噴射を筒内噴射弁によるプレ噴射によって行う。また、内燃機関の機関負荷が所定負荷より高い運転領域においては、プレ燃焼のための燃料噴射をポート噴射弁によるポート噴射および筒内噴射弁によるプレ噴射によって行う。
【選択図】図9
【解決手段】本発明では、圧縮工程中に火花点火によるプレ燃焼が行われる。その後、圧縮行程上死点前に、筒内噴射弁によるメイン噴射が実行される。これにより、プレ燃焼によって生じた火炎を起点として、メイン噴射によって噴射された燃料の燃焼が開始され、さらに燃料の自着火および拡散燃焼が生じる。そして、本発明では、内燃機関の機関負荷が所定負荷以下の運転領域においては、プレ燃焼のための燃料噴射を筒内噴射弁によるプレ噴射によって行う。また、内燃機関の機関負荷が所定負荷より高い運転領域においては、プレ燃焼のための燃料噴射をポート噴射弁によるポート噴射および筒内噴射弁によるプレ噴射によって行う。
【選択図】図9
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
燃焼室内の圧縮空気に対して燃料を直接噴射して該燃料を自着火させ拡散燃焼させる燃焼形態である、いわゆるディーゼル燃焼は、火花点火による燃焼と比べて熱効率が高い。近年、このようなディーゼル燃焼の利点をガソリンエンジンにおいても享受すべく、ガソリンの自着火および拡散燃焼による燃焼を成立させるための技術が開発されている。
例えば、特許文献1に開示の技術では、先ず、筒内噴射弁によって圧縮行程前半に第1の燃料噴射を行うことで燃焼室内全域にほぼ均質な混合気を形成する。そして、第1の燃料噴射によって形成された混合気に対し火花点火を行う。その後に第2の燃料噴射を行って噴射された燃料を燃焼させ、さらに、この燃焼による燃焼室内の温度および圧力上昇により残りの燃料を自着火させる。
また、特許文献2には、自着火温度が比較的高い天然ガス等を燃料としてディーゼル燃焼を実現させるための技術が開示されている。この特許文献2に開示の技術では、先ず、燃焼室内の所定の火花点火領域において圧縮行程の初期又は中期に燃料噴射を行うことで火花点火可能な混合気を形成する。そして、この火花点火領域に形成された混合気に対して圧縮行程上死点直前の時期に点火することで火花点火燃焼を行う。これによって、燃焼室内が天然ガスの自着火が可能な高温且つ高圧の状態となる。その後、高温高圧状態の燃焼室内に直接燃料を噴射して該燃料をディーゼル燃焼させる。
また、特許文献3には、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁と、気筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁とを有し、気筒内に供給された燃料と空気との混合気を自着火によって燃焼させる内燃機関において、筒内噴射弁からの燃料噴射量を総燃料噴射量の3〜11%に設定する技術が開示されている。
ガソリンのように自着火温度が比較的高い燃料を用いてディーゼル燃焼を行う場合、機関負荷の上昇に従って燃焼室内への燃料噴射量が増加すると、局所的に燃料に対する酸素の量が不足した状態が生じ、その結果、スモークの発生量が増加する虞がある。本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、自着火温度が比較的高い燃料を使用する内燃機関において、スモークの発生量を抑制しつつディーゼル燃焼を実現することを目的とする。
第一の発明では、圧縮工程中に火花点火によるプレ燃焼が行われる。その後、圧縮行程上死点前に、筒内噴射弁によるメイン噴射が実行される。これにより、プレ燃焼によって生じた火炎を起点として、メイン噴射によって噴射された燃料の燃焼が開始され、さらに
燃料の自着火および拡散燃焼が生じる。そして、本発明では、内燃機関の機関負荷が所定負荷以下の運転領域においては、プレ燃焼のための燃料噴射を筒内噴射弁によるプレ噴射によって行う。そして、内燃機関の機関負荷が所定負荷より高い運転領域においては、プレ燃焼のための燃料噴射を、ポート噴射弁によるポート噴射および筒内噴射弁によるプレ噴射によって行う。
燃料の自着火および拡散燃焼が生じる。そして、本発明では、内燃機関の機関負荷が所定負荷以下の運転領域においては、プレ燃焼のための燃料噴射を筒内噴射弁によるプレ噴射によって行う。そして、内燃機関の機関負荷が所定負荷より高い運転領域においては、プレ燃焼のための燃料噴射を、ポート噴射弁によるポート噴射および筒内噴射弁によるプレ噴射によって行う。
なお、本発明において使用される、「プレ」、「メイン」の用語は、各燃料噴射または各燃焼の時間的な前後関係を表す表現にすぎず、以下に示す技術的意義を有するもの以外に限定解釈されるべきではない。また、以下においては、筒内噴射弁によるプレ噴射によって噴射された燃料を「プレ噴射燃料」と称し、筒内噴射弁によるメイン噴射によって噴射された燃料を「メイン燃料噴射」と称し、ポート噴射弁によるポート噴射によって噴射された燃料を「ポート噴射燃料」と称する場合もある。
より詳しくは、第一の発明に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射可能な筒内噴射弁と、内燃機関の吸気ポート内に燃料を噴射可能なポート噴射弁と、前記筒内噴射弁から噴射された噴霧が点火可能領域を通過し該噴霧に直接に点火可能となるように、該筒内噴射弁に対する相対位置が決定された点火装置と、内燃機関の機関負荷が所定負荷以下の運転領域において、圧縮行程中に前記筒内噴射弁によってプレ噴射を実行するとともに該プレ噴射によって形成されるプレ噴霧に対し前記点火装置によって点火を行うことで該プレ噴射によって噴射された燃料の一部を燃焼させて第1プレ燃焼を行う第1プレ燃焼部と、内燃機関の機関負荷が前記所定負荷より高い運転領域において、排気行程または吸気行程中に前記ポート噴射弁によってポート噴射を実行することで混合気を形成させるとともに、圧縮行程中に前記筒内噴射弁によってプレ噴射を実行することで該混合気中にプレ噴霧を形成させ、さらに、該プレ噴霧に対し前記点火装置によって点火を行うことで該第プレ噴射によって噴射された燃料の一部および該ポート噴射によって噴射された燃料の一部を燃焼させて第2プレ燃焼を行う第2プレ燃焼部と、前記第1プレ燃焼または前記第2プレ燃焼の発生後であり且つ圧縮行程上死点前の時期であって、前記第1プレ燃焼または前記第2プレ燃焼によって生じた火炎を起点として噴射燃料の燃焼が開始されるように設定されたメイン噴射時期に前記筒内噴射弁によるメイン噴射の実行を開始することで、燃料の自着火を発生させるとともに少なくとも該メイン噴射によって噴射された燃料の一部を拡散燃焼させてメイン燃焼を行うメイン燃焼部と、を備える。
本発明では、内燃機関の機関負荷が所定負荷以下の運転領域では、先ず、圧縮行程中における筒内噴射弁によるプレ噴射と、プレ噴射燃料により形成されたプレ噴霧への点火装置による点火とによって第1プレ燃焼が行われる。その後、圧縮行程上死点前にメイン噴射の実行が開始されることで、燃料の自着火および拡散燃焼(メイン燃焼)が生じる。なお、メイン噴射は、圧縮行程上死点前に実行が開始される噴射であるが、圧縮行程上死点以降までその実行が継続されてもよい。
ここで、プレ噴射、点火、およびメイン噴射の時期は、第1プレ燃焼によって生じた火炎を起点としてメイン噴射燃料の燃焼が開始されるように設定されている。そして、メイン噴射燃料の燃焼が開始されると、燃焼室内の温度および圧力が上昇することで、燃料の自着火が発生し、さらには少なくともメイン噴射燃料の一部が拡散燃焼することとなる。また、プレ噴射燃料のうち、点火装置による点火によって燃焼する燃料は一部であって、その多くは、メイン噴射の実行開始後に自着火または拡散燃焼によって燃焼する。したがって、プレ噴射燃料およびメイン噴射燃料のいずれも内燃機関の出力に寄与することとなる。そのため、熱効率の高いディーゼル燃焼を実現することが可能となる。
ここで、内燃機関の機関負荷が上昇すると、燃焼室内に供給する燃料を増量する必要がある。しかしながら、メイン噴射は、圧縮行程上死点近傍の燃焼室内の圧力が高い時に行
われるため、筒内噴射弁から噴射された燃料噴霧のペネトレーションが小さくなる。つまり、メイン噴射によって噴射された燃料噴霧は広範囲に広がり難い。そのため、メイン噴射燃料量が過剰に増量されると、メイン噴射燃料の噴霧の周囲に存在する酸素、即ち、メイン噴射燃料の燃焼に供される酸素の量が燃料に対して不足した状態となり、その結果、スモークの発生量が増加する虞がある。
われるため、筒内噴射弁から噴射された燃料噴霧のペネトレーションが小さくなる。つまり、メイン噴射によって噴射された燃料噴霧は広範囲に広がり難い。そのため、メイン噴射燃料量が過剰に増量されると、メイン噴射燃料の噴霧の周囲に存在する酸素、即ち、メイン噴射燃料の燃焼に供される酸素の量が燃料に対して不足した状態となり、その結果、スモークの発生量が増加する虞がある。
また、上記のように、プレ噴射燃料の多くは点火装置による点火では燃焼せずに燃え残り、メイン噴射が実行される時にも未燃の状態で燃焼室内に存在している。そのため、メイン噴射燃料に代えて又はメイン噴射燃料とともにプレ噴射燃料が増量されると、メイン噴射が実行される時に燃焼室内に存在しているプレ噴射燃料の燃え残り量が増加することになる。しかしながら、プレ噴射燃料が過剰に増量されると、メイン噴射が実行された時に、燃焼室内においてプレ噴射燃料の燃え残りとメイン噴射燃料とが重なり合った部分では、燃料濃度が過剰に高くなる場合がある。この場合、当該部分の周囲に存在する酸素、即ち、当該部分に存在する燃料の燃焼に供される酸素の量が燃料に対して不足した状態となり、その結果、スモークの発生量が増加する虞がある。
つまり、プレ噴射およびメイン噴射のいずれにおいても、その噴射量が過剰に増量されると、スモークの発生量が増加する虞がある。そこで、本発明では、内燃機関の機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、プレ噴射のみを用いた第1プレ燃焼に代えて、ポート噴射弁によるポート噴射と筒内噴射弁によるプレ噴射とを併用する第2プレ燃焼を行う。ここでの所定負荷とは、一燃焼サイクル中における総燃料噴射量が比較的多く必要となる機関負荷であって、プレ噴射燃料量またはメイン噴射燃料量の増量に伴うスモークの発生量が過剰に増加することが懸念される機関負荷の閾値である。
第2プレ燃焼を行う際には、排気行程または吸気行程中にポート噴射弁によってポート噴射を実行する。つまり、ポート噴射は、吸気弁が閉弁状態の時に実行されてもよく、また、吸気弁が開弁状態の時に実行されてもよい。ポート噴射が実行されると、ポート噴射燃料によって、燃焼室内に混合気が形成されることになる。次に、圧縮行程中に筒内噴射弁によってプレ噴射を実行する。これにより、ポート噴射燃料によって形成された混合気中に、プレ噴射燃料によってプレ噴霧が形成されることになる。そして、このプレ噴霧に対し点火装置によって点火が行われる。この点火によりプレ噴射燃料の一部およびポート噴射燃料の一部が燃焼する。ここで、第2プレ燃焼では、第1プレ燃焼と同様、メイン燃料の燃焼のための火種となる火炎が形成される程度の燃焼が行われればよい。そのため、本発明では、ポート噴射燃料によって形成される混合気の空燃比が、点火装置によるプレ噴霧への点火によって生じる火炎の伝播により燃焼するポート噴射燃料がポート噴射燃料量のうちの一部に抑えられる空燃比となるように、ポート噴射燃料量が設定されている。
点火装置による点火によって生じた火炎伝播では燃焼せずに燃え残ったポート噴射燃料は、プレ噴射の燃え残りとともにメイン燃料噴射後の自着火または拡散燃焼によって燃焼する。これにより、メイン噴射燃料およびプレ噴射燃料に加えポート噴射燃料も内燃機関の出力に寄与することとなる。そのため、第1プレ燃焼に代えて第2プレ燃焼を行った場合でも、熱効率の高いディーゼル燃焼を実現することができる。
また、本発明に係る第2プレ燃焼においては、プレ噴射に加えてポート噴射を用いるために、プレ噴射のみを用いる第1プレ燃焼に比べて、プレ噴射燃料を減量することができる。さらに、燃焼室内に混合気を形成するポート噴射燃料は、メイン噴射燃料よりも燃焼室内においてより広範囲に分布している。そのため、メイン燃焼時において、ポート噴射燃料の燃焼に必要な酸素を十分に確保することができる。また、該ポート噴射燃料は、プレ噴射燃料の燃え残りよりも、燃焼室内においてさらに広範囲に分布することなる。そのため、メイン噴射燃料とポート噴射燃料とが重なった部分の燃料濃度は、メイン噴射燃料
とプレ噴射燃料(燃え残り)とが重なった部分の燃料濃度より低くなる。したがって、ポート噴射燃料は、メイン噴射燃料およびプレ噴射燃料のいずれと比べてもスモークの発生原因となり難い。
とプレ噴射燃料(燃え残り)とが重なった部分の燃料濃度より低くなる。したがって、ポート噴射燃料は、メイン噴射燃料およびプレ噴射燃料のいずれと比べてもスモークの発生原因となり難い。
そのため、機関負荷が所定負荷よりも高い運転領域、すなわち、一燃焼サイクル中の総燃料噴射量が比較的多くなる運転領域では、第1プレ燃焼に代えて第2プレ燃焼を行うことで、スモークの発生量を抑制しつつディーゼル燃焼を実現することができる。
第二の発明では、プレ燃焼のための燃料噴射を、ポート噴射弁によるポート噴射のみによって行う。
より詳細には、第二の発明に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射可能な筒内噴射弁と、内燃機関の吸気ポート内に燃料を噴射可能なポート噴射弁と、前記筒内噴射弁から噴射された噴霧が点火可能領域を通過し該噴霧に直接に点火可能となるように、該筒内噴射弁に対する相対位置が決定された点火装置と、排気行程または吸気行程中に前記ポート噴射弁によってポート噴射を実行することで混合気を形成させるとともに、圧縮行程中に燃焼室内において該混合気に対し前記点火装置によって点火を行うことで該ポート噴射によって噴射された燃料の一部を燃焼させてプレ燃焼を行うプレ燃焼部と、前記プレ燃焼の発生後であり且つ圧縮行程上死点前の時期であって、前記プレ燃焼によって生じた火炎を起点として噴射燃料の燃焼が開始されるように設定されたメイン噴射時期に前記筒内噴射弁によるメイン噴射の実行を開始することで、燃料の自着火を発生させるとともに少なくとも該メイン噴射によって噴射された燃料の一部を拡散燃焼させてメイン燃焼を行うメイン燃焼部と、を備える。
本発明では、プレ燃焼を行う際に、排気行程または吸気行程中にポート噴射弁によってポート噴射を実行することで燃焼室内に混合気を形成する。このとき、ポート噴射は、吸気弁が閉弁状態の時に実行されてもよく、また、吸気弁が開弁状態の時に実行されてもよい。そして、ポート噴射燃料によって燃焼室内に形成された混合気に対して点火装置によって点火を行うことでプレ燃焼が行われる。なお、このプレ燃焼においても、メイン燃料の燃焼のための火種となる火炎が形成される程度の燃焼が行われればよい。そのため、ポート噴射燃料によって形成される混合気の空燃比が、点火装置による点火によって燃料が着火することで火炎は生じるが、該火炎の伝播ではポート噴射燃料の一部のみが燃焼する空燃比となるように、ポート噴射燃料量が設定されている。
点火装置による点火によって生じた火炎伝播では燃焼せずに燃え残ったポート噴射燃料は、プレ噴射の燃え残りとともにメイン燃料噴射後の自着火または拡散燃焼によって燃焼する。これにより、メイン噴射燃料に加えポート噴射燃料も内燃機関の出力に寄与することとなる。そのため、本発明に係るプレ燃焼を行った場合でも、熱効率の高いディーゼル燃焼を実現することができる。また、上述したように、ポート噴射燃料は、メイン噴射燃料のみならず、プレ噴射燃料と比べてもスモークの発生原因となり難い。
したがって、本発明によれば、ポート噴射のみを用いてプレ燃焼を行うことで、スモークの発生量を抑制しつつディーゼル燃焼を実現することができる。
また、本発明においては、前記プレ燃焼部を第2プレ燃焼部とし、前記プレ燃焼を第2プレ燃焼としてもよい。そして、本発明に係る内燃機関の制御装置は、圧縮行程中に前記筒内噴射弁によってプレ噴射を実行するとともに該プレ噴射によって形成されるプレ噴霧に対し点火装置によって点火を行うことで該プレ噴射によって噴射された燃料の一部を燃焼させて第1プレ燃焼を行う第1プレ燃焼部をさらに備えてもよい。この場合、内燃機関の機関負荷が所定負荷以下の運転領域では、第1プレ燃焼部が第1プレ燃焼を行い、内燃
機関の機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、第2プレ燃焼部が第2プレ燃焼を行ってもよい。そして、メイン燃焼部が、第1プレ燃焼または第2プレ燃焼の発生後であり且つ圧縮行程上死点前の時期であって、第1プレ燃焼または第2プレ燃焼によって生じた火炎を起点として噴射燃料の燃焼が開始されるように設定されたメイン噴射時期に筒内噴射弁によるメイン噴射の実行を開始することで、メイン燃焼を行ってもよい。
機関の機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、第2プレ燃焼部が第2プレ燃焼を行ってもよい。そして、メイン燃焼部が、第1プレ燃焼または第2プレ燃焼の発生後であり且つ圧縮行程上死点前の時期であって、第1プレ燃焼または第2プレ燃焼によって生じた火炎を起点として噴射燃料の燃焼が開始されるように設定されたメイン噴射時期に筒内噴射弁によるメイン噴射の実行を開始することで、メイン燃焼を行ってもよい。
これによれば、機関負荷が所定負荷よりも高い運転領域、すなわち、一燃焼サイクル中の総燃料噴射量が比較的多い運転領域では、第1プレ燃焼に代えて第2プレ燃焼を行うことで、スモークの発生量を抑制しつつディーゼル燃焼を実現することができる。また、機関負荷が所定負荷よりも低い運転領域、すなわち、一燃焼サイクル中の総燃料噴射量が比較的少ない運転領域では、十分な量のポート噴射燃料量を確保することが困難となり、ポート噴射燃料によって形成される混合気の空燃比が過剰に高くなる虞がある。この場合、プレ燃焼時における燃料の着火性が低下し、その結果、失火を招きやすくなる。上記によれば、機関負荷が所定負荷よりも低い運転領域では、第1プレ燃焼部によってプレ噴射を用いた第1プレ燃焼を行うことで、プレ燃焼時における燃料の着火性を向上させることができる。
本発明によれば、自着火温度が比較的高い燃料を使用する内燃機関において、スモークの発生量を抑制しつつディーゼル燃焼を実現することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明を適用する内燃機関およびその吸排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、複数の気筒を備えた4ストローク・サイクルの火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)である。なお、図1では、複数の気筒のうち1気筒のみが示されている。
内燃機関1の各気筒2には、ピストン3が摺動自在に内装されている。ピストン3は、コネクティングロッド4を介して図示しない出力軸(クランクシャフト)と連結されている。また、気筒2の内部は、吸気ポート7及び排気ポート8と連通している。気筒2内における吸気ポート7の開口端は、吸気弁9により開閉される。気筒2内における排気ポート8の開口端は、排気弁10により開閉される。吸気弁9と排気弁10は、図示しない吸気カムと排気カムとにより各々開閉駆動される。
また、各気筒2には、筒内噴射弁61、ポート噴射弁62、および点火プラグ5が設けられている。筒内噴射弁61は、気筒2内に形成される燃焼室の中央頂部に配置されており、筒内に燃料を直接噴射する。ポート噴射弁62は、吸気ポート7に設けられており、該吸気ポート7内においてその開口端の方向に燃料を噴射する。点火プラグ5は、気筒2の燃焼室内において、燃料(噴霧又は混合気)に対し点火を行う。
ここで、図2に基づいて、気筒2における点火プラグ5の配置について説明する。本実施例に係る筒内噴射弁61は、図2に示すように概ね放射状に16方向に燃料を噴射可能となるように噴孔61aを有している。そして、点火プラグ5の点火可能領域である電極間の領域5aに対して、噴孔61aから噴射された燃料噴霧の少なくとも一つが通過するように、且つ、その通過した噴霧に対して領域5aにおける電極間で生じた火花によって直接点火できるように、筒内噴射弁61に対する点火プラグ5の相対位置、特に筒内噴射弁61に対する領域5aの相対位置が決定されている。このように構成された点火プラグ5と筒内噴射弁61は、スプレーガイド燃焼を実現可能とする。すなわち、筒内噴射弁61および点火プラグ5は、内燃機関1の吸気弁9の開弁時期やピストン3の位置にかかわらず任意の時期に、領域5aを通過する燃料噴霧に対する点火を可能とする。なお、本実施例においては、点火プラグ5は、吸気弁9および排気弁10の動作に干渉しないように、2つの吸気ポート7の開口部の間に位置している。ただし、本発明に係る点火装置の位置は、2つの吸気ポートの開口部の間に限られるものではない。
ここで図1に戻ると、吸気ポート7は、吸気通路70と連通している。吸気通路70には、スロットル弁71が配置されている。スロットル弁71より上流の吸気通路70には、エアフローメータ72が配置されている。一方で、排気ポート8は、排気通路80と連通している。排気通路80には、内燃機関1から排出される排気を浄化するための排気浄化触媒81が配置されている。なお、後述するように、内燃機関1から排出される排気の空燃比は、ストイキ空燃比よりも高いリーン空燃比である。そのため、排気浄化触媒81としては、リーン空燃比の排気中のNOx浄化が可能な選択還元型のNOx触媒や排気中の粒子状物質(PM)を捕集可能なフィルタを採用することができる。
そして、内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。このECU20は内燃機関1の運転状態や排気浄化装置等を制御するユニットである。ECU20
には、上述したエアフローメータ72や、クランクポジションセンサ21及びアクセルポジションセンサ22が電気的に接続され、各センサの検出値がECU20に入力される。したがって、ECU20は、エアフローメータ72によって検出される吸入空気量、クランクポジションセンサ21の検出値に基づいて算出される機関回転速度、およびアクセルポジションセンサ22の検出値に基づく機関負荷等の内燃機関1の運転状態を把握可能である。また、ECU20には、筒内噴射弁61、ポート噴射弁62、点火プラグ5、およびスロットル弁71等が電気的に接続され、これらの各要素がECU20によって制御される。
には、上述したエアフローメータ72や、クランクポジションセンサ21及びアクセルポジションセンサ22が電気的に接続され、各センサの検出値がECU20に入力される。したがって、ECU20は、エアフローメータ72によって検出される吸入空気量、クランクポジションセンサ21の検出値に基づいて算出される機関回転速度、およびアクセルポジションセンサ22の検出値に基づく機関負荷等の内燃機関1の運転状態を把握可能である。また、ECU20には、筒内噴射弁61、ポート噴射弁62、点火プラグ5、およびスロットル弁71等が電気的に接続され、これらの各要素がECU20によって制御される。
<基本燃焼制御>
上記のように構成される内燃機関1において実行される基本的な燃焼制御である基本燃焼制御について、図3に基づいて説明する。図3は、図の左側から右側に進む時系列において、内燃機関1で行われる基本燃焼制御に関する燃料噴射及び点火の流れ(図3(a)の上段を参照)と、その燃料噴射及び点火により燃焼室で生じると想定される燃焼に関する事象の変遷(図3(a)の下段を参照)を模式的に示したものである。また、図3(b)には、図3(a)に示す燃料噴射であるプレ噴射とメイン噴射、および点火の時間的相関が示されている。なお、図3に示す形態は、あくまでも本実施例に係る基本燃焼制御を説明するために模式的に示したものであり、本発明をこの形態に限定して解釈すべきではない。
上記のように構成される内燃機関1において実行される基本的な燃焼制御である基本燃焼制御について、図3に基づいて説明する。図3は、図の左側から右側に進む時系列において、内燃機関1で行われる基本燃焼制御に関する燃料噴射及び点火の流れ(図3(a)の上段を参照)と、その燃料噴射及び点火により燃焼室で生じると想定される燃焼に関する事象の変遷(図3(a)の下段を参照)を模式的に示したものである。また、図3(b)には、図3(a)に示す燃料噴射であるプレ噴射とメイン噴射、および点火の時間的相関が示されている。なお、図3に示す形態は、あくまでも本実施例に係る基本燃焼制御を説明するために模式的に示したものであり、本発明をこの形態に限定して解釈すべきではない。
本実施例に係る基本燃焼制御では、1燃焼サイクルにおいて、筒内噴射弁61によってプレ噴射とメイン噴射とが実行される。プレ噴射は圧縮行程中に実行される燃料噴射である。メイン噴射は、プレ噴射よりも後の時期であって圧縮行程上死点(TDC)より前の時期に実行が開始される燃料噴射である。なお、メイン噴射は、TDCより前の時期に実行が開始されるが、TDC以降までその実行が継続されてもよい。そして、図3(b)に示すように、プレ噴射の噴射開始時期(以下、単に「プレ噴射時期」と称する)をTpとし、メイン噴射の噴射開始時期(以下、単に「メイン噴射時期」と称する)をTmとする。また、プレ噴射時期とメイン噴射時期との間隔(Tm−Tp)を第1噴射インターバルDi1と定義する。また、プレ噴射による燃焼は上述したスプレーガイド燃焼として実行される。つまり、プレ噴射によって噴射された燃料(以下、「プレ噴射燃料」と称する)によって形成されるプレ噴霧に対して点火プラグ5による点火が行われる。この点火時期を、図3(b)に示すようにTsとし、プレ噴射の実行が開始されてから点火が行われるまでの間隔(Ts−Tp)を点火インターバルDsと定義する。
次に、本発明に係る基本燃焼制御の流れについて説明する。
(1)プレ噴射
基本燃焼制御では、一燃焼サイクル中において、先ず、圧縮行程中のプレ噴射時期Tpにプレ噴射が行われる。なお、プレ噴射時期Tpは、後述するメイン噴射時期Tmとの相関に基づいて決定される。プレ噴射が実行されることで、図2に示すように、筒内噴射弁61から噴射されたプレ噴射燃料のプレ噴霧は、燃焼室内において点火プラグ5の点火可能領域5aを通過する。このようにプレ噴射の実行が開始された直後においては、プレ噴射燃料のプレ噴霧は燃焼室内に広く拡散はせずに、該噴霧の貫徹力によりその先端部において周囲の空気を巻き込みながら燃焼室内を進んでいく。そのため、プレ噴射燃料のプレ噴霧によって燃焼室内において成層混合気が形成される。
(1)プレ噴射
基本燃焼制御では、一燃焼サイクル中において、先ず、圧縮行程中のプレ噴射時期Tpにプレ噴射が行われる。なお、プレ噴射時期Tpは、後述するメイン噴射時期Tmとの相関に基づいて決定される。プレ噴射が実行されることで、図2に示すように、筒内噴射弁61から噴射されたプレ噴射燃料のプレ噴霧は、燃焼室内において点火プラグ5の点火可能領域5aを通過する。このようにプレ噴射の実行が開始された直後においては、プレ噴射燃料のプレ噴霧は燃焼室内に広く拡散はせずに、該噴霧の貫徹力によりその先端部において周囲の空気を巻き込みながら燃焼室内を進んでいく。そのため、プレ噴射燃料のプレ噴霧によって燃焼室内において成層混合気が形成される。
(2)プレ噴射燃料への点火
そして、上記のように成層化されたプレ噴射燃料のプレ噴霧に対して、プレ噴射時期から所定の点火インターバルDsが経過した点火時期Tsに、点火プラグ5による点火が行われる。上記の通り、プレ噴射燃料は成層化されているため、該プレ噴射燃料量が少量であっても点火プラグ5周囲の局所的な空燃比は、当該点火による燃焼が可能な空燃比とな
っている。この点火により、プレ噴射燃料によるスプレーガイド燃焼が行われることになる。換言すれば、スプレーガイド燃焼が可能となるように点火インターバルDsが設定されている。そして、ピストン3の圧縮作用による圧力上昇に加えて、このスプレーガイド燃焼が行われることで、燃焼室内の更なる温度上昇が得られることになる。ただし、プレ噴射燃料のうち、このスプレーガイド燃焼によって燃焼する燃料は一部であり、そのうちの多くは点火プラグ5の点火による燃焼には供されずに該点火以後も「燃え残り燃料」として燃焼室内に存在することになる。これは、プレ噴射燃料によって形成された成層混合気における点火プラグ5の電極間から比較的離れた部分においては、その空燃比が高いために火炎が伝播できなくなるためである。ただし、当該燃え残り燃料は、燃焼室内でプレ噴射燃料の一部が燃焼することで高温雰囲気に晒されることになる。そのため、燃え残り燃料の少なくとも一部は燃焼には至らない状況下での低温酸化反応により燃焼性が高められた物性に改質された状態となることが期待される。ただし、本発明におけるプレ噴射燃料の燃え残りは、プレ噴射燃料の一部が点火プラグ5の点火による燃焼に供されずに該点火以後も燃焼室内に未燃の状態で残った燃料を指すものであり、その燃え残った燃料が特定の物性を示す状態になっていることが必ずしも要求されるものではない。
そして、上記のように成層化されたプレ噴射燃料のプレ噴霧に対して、プレ噴射時期から所定の点火インターバルDsが経過した点火時期Tsに、点火プラグ5による点火が行われる。上記の通り、プレ噴射燃料は成層化されているため、該プレ噴射燃料量が少量であっても点火プラグ5周囲の局所的な空燃比は、当該点火による燃焼が可能な空燃比とな
っている。この点火により、プレ噴射燃料によるスプレーガイド燃焼が行われることになる。換言すれば、スプレーガイド燃焼が可能となるように点火インターバルDsが設定されている。そして、ピストン3の圧縮作用による圧力上昇に加えて、このスプレーガイド燃焼が行われることで、燃焼室内の更なる温度上昇が得られることになる。ただし、プレ噴射燃料のうち、このスプレーガイド燃焼によって燃焼する燃料は一部であり、そのうちの多くは点火プラグ5の点火による燃焼には供されずに該点火以後も「燃え残り燃料」として燃焼室内に存在することになる。これは、プレ噴射燃料によって形成された成層混合気における点火プラグ5の電極間から比較的離れた部分においては、その空燃比が高いために火炎が伝播できなくなるためである。ただし、当該燃え残り燃料は、燃焼室内でプレ噴射燃料の一部が燃焼することで高温雰囲気に晒されることになる。そのため、燃え残り燃料の少なくとも一部は燃焼には至らない状況下での低温酸化反応により燃焼性が高められた物性に改質された状態となることが期待される。ただし、本発明におけるプレ噴射燃料の燃え残りは、プレ噴射燃料の一部が点火プラグ5の点火による燃焼に供されずに該点火以後も燃焼室内に未燃の状態で残った燃料を指すものであり、その燃え残った燃料が特定の物性を示す状態になっていることが必ずしも要求されるものではない。
(3)メイン噴射
次に、プレ噴射時期から所定の第1噴射インターバルDi1が経過した圧縮行程上死点前のメイン噴射時期Tm(点火プラグ5による点火時期TsからDi1−Dsの時間が経過した時期Tm)に、筒内噴射弁61によるメイン噴射の実行が開始される。なお、内燃機関1においては、後述するようにメイン噴射燃料は自着火または拡散燃焼に供され、機関出力に寄与することになる。そのため、メイン噴射時期Tmは、機関負荷等によって決定される量のメイン噴射燃料の燃焼によって得られる機関出力が概ね最大となる時期(以下、「適正噴射時期」という)に設定される。ただし、メイン噴射燃料の燃焼は、プレ噴射燃料のプレ噴霧に対する点火によって生じた火炎を火種として開始される。つまり、メイン噴射時期Tmが適正噴射時期に設定されるとともに、プレ噴霧への点火によって生じた火炎を起点としてメイン噴射燃料の燃焼が開始されるように第1噴射インターバルDi1が設定されている。メイン噴射時期Tmと第1噴射インターバルDi1とがこのように設定されることで、プレ噴射時期Tpは必然的に決まることになる。そして、メイン噴射燃料の燃焼が開始されると燃焼室内の温度が更に上昇する。その結果、プレ噴射燃料の燃え残りとメイン噴射燃料とがその温度上昇場において自着火し、さらにはこれらの燃料が拡散燃焼に供されることになる。このとき、上記のようにプレ噴射燃料の燃え残りの燃焼性が高められている場合には、メイン噴射の実行開始後の燃料の自着火がより促進されることが期待される。
次に、プレ噴射時期から所定の第1噴射インターバルDi1が経過した圧縮行程上死点前のメイン噴射時期Tm(点火プラグ5による点火時期TsからDi1−Dsの時間が経過した時期Tm)に、筒内噴射弁61によるメイン噴射の実行が開始される。なお、内燃機関1においては、後述するようにメイン噴射燃料は自着火または拡散燃焼に供され、機関出力に寄与することになる。そのため、メイン噴射時期Tmは、機関負荷等によって決定される量のメイン噴射燃料の燃焼によって得られる機関出力が概ね最大となる時期(以下、「適正噴射時期」という)に設定される。ただし、メイン噴射燃料の燃焼は、プレ噴射燃料のプレ噴霧に対する点火によって生じた火炎を火種として開始される。つまり、メイン噴射時期Tmが適正噴射時期に設定されるとともに、プレ噴霧への点火によって生じた火炎を起点としてメイン噴射燃料の燃焼が開始されるように第1噴射インターバルDi1が設定されている。メイン噴射時期Tmと第1噴射インターバルDi1とがこのように設定されることで、プレ噴射時期Tpは必然的に決まることになる。そして、メイン噴射燃料の燃焼が開始されると燃焼室内の温度が更に上昇する。その結果、プレ噴射燃料の燃え残りとメイン噴射燃料とがその温度上昇場において自着火し、さらにはこれらの燃料が拡散燃焼に供されることになる。このとき、上記のようにプレ噴射燃料の燃え残りの燃焼性が高められている場合には、メイン噴射の実行開始後の燃料の自着火がより促進されることが期待される。
ここで、図4に本実施例に係る基本燃焼制御が行われたときの燃焼室での熱発生率の推移を示す。なお、図4においては、4つの異なる制御形態L1〜L4に対応する熱発生率の推移が示されている。これらの制御形態L1〜L4においては、プレ噴射時期Tp、プレ噴射燃料量(すなわち、プレ噴射の実行期間)、メイン噴射時期Tm、点火時期Tsは同一となっているが、メイン噴射燃料量(すなわち、メイン噴射の実行期間)が制御形態ごとに異なっている。すなわち、メイン噴射燃料量は、L1>L2>L3>L4となっている。つまり、図4には、プレ噴射時期Tp、プレ噴射燃料量、メイン噴射時期Tm、および点火時期Tsを同一としたときのメイン噴射燃料量の増減に応じた熱発生率の推移の変化が示されていることになる。
ここで、図4中、点線で囲まれたZ1の部分で、熱発生率の一次ピークが表れている。この一次ピークは、プレ噴射燃料が点火によって燃焼することで発生した熱(つまり、スプレーガイド燃焼によって発生した熱)を示している。この熱発生率の一次ピークが表れる時期においては、メイン噴射はまだ行われておらず、燃焼室内にはプレ噴射燃料に対する点火によって生じた火炎と、該点火では燃焼していないプレ噴射燃料である燃え残り燃
料が存在していることになる。ここで、図5に基づいてプレ噴射燃料の燃え残りについて説明する。図5は、基本燃焼制御でのプレ噴射における、プレ噴射燃料量と、プレ噴射燃料の燃焼効率(以下、プレ燃焼効率と称する)との相関を、3つの燃焼条件L5〜L7のそれぞれについて示した図である。具体的には、L5、L6、L7の順で、燃焼条件であるプレ噴射時期Tpと点火時期Tsとが、両時期のインターバルである点火インターバルDsを一定とした状態で進角されている。なお、図5においては、メイン噴射は行われずに、プレ噴射及び点火のみ(つまり、スプレーガイド燃焼のみ)が行われた場合の上記相関が示されている。
料が存在していることになる。ここで、図5に基づいてプレ噴射燃料の燃え残りについて説明する。図5は、基本燃焼制御でのプレ噴射における、プレ噴射燃料量と、プレ噴射燃料の燃焼効率(以下、プレ燃焼効率と称する)との相関を、3つの燃焼条件L5〜L7のそれぞれについて示した図である。具体的には、L5、L6、L7の順で、燃焼条件であるプレ噴射時期Tpと点火時期Tsとが、両時期のインターバルである点火インターバルDsを一定とした状態で進角されている。なお、図5においては、メイン噴射は行われずに、プレ噴射及び点火のみ(つまり、スプレーガイド燃焼のみ)が行われた場合の上記相関が示されている。
プレ燃焼効率は、プレ噴射燃料の燃え残り率と以下の式1に示す関連性を有する。つまり、プレ燃焼効率が高くなるほどプレ噴射燃料の燃え残り率は低くなる。
プレ噴射燃料の燃え残り率 = 1− プレ燃焼効率 ・・・(式1)
ここで、図5からは、プレ噴射燃料量が一定の場合に、プレ噴射時期Tpおよび点火時期Tsを進角させると(すなわち、第1噴射インターバルDi1を大きくすると)、プレ燃焼効率は下がり、故に燃え残り率は高くなる傾向が見出せる。また、プレ噴射燃料量を変化させた場合であっても、プレ噴射時期Tp及び点火時期Tsの進角量を調整することで、プレ燃焼効率と燃え残り率とを一定に制御することもできる。このように本実施例に係る基本燃焼制御では、プレ噴射燃料量と、プレ噴射時期Tpおよび点火時期Ts(すなわち、第1噴射インターバルDi)とを調整することで、プレ噴射燃料の燃え残り率を制御することができる。
プレ噴射燃料の燃え残り率 = 1− プレ燃焼効率 ・・・(式1)
ここで、図5からは、プレ噴射燃料量が一定の場合に、プレ噴射時期Tpおよび点火時期Tsを進角させると(すなわち、第1噴射インターバルDi1を大きくすると)、プレ燃焼効率は下がり、故に燃え残り率は高くなる傾向が見出せる。また、プレ噴射燃料量を変化させた場合であっても、プレ噴射時期Tp及び点火時期Tsの進角量を調整することで、プレ燃焼効率と燃え残り率とを一定に制御することもできる。このように本実施例に係る基本燃焼制御では、プレ噴射燃料量と、プレ噴射時期Tpおよび点火時期Ts(すなわち、第1噴射インターバルDi)とを調整することで、プレ噴射燃料の燃え残り率を制御することができる。
ここで、図4に戻ると、熱発生率の一次ピークが生じる時期よりも後であって圧縮行程上死点前の時期Tmにおいてメイン噴射の実行が開始される。このとき、メイン噴射燃料は、上述したように、先ずは、プレ噴射燃料のプレ噴霧に対する点火によって生じた火炎を火種として燃焼し始め、その後、プレ噴射燃料の燃え残りとともに自着火し、さらに拡散燃焼に供される。その結果、圧縮行程上死点を過ぎた時期に熱発生率の最大ピークである二次ピークが発生する。ここで、図4では、メイン噴射燃料量の増加にしたがって(すなわち、メイン噴射期間が長くなるのにしたがって)、熱発生率の二次ピークの値が大きくなるとともに、二次ピークの発生時期が遅くなっている。このことは、メイン噴射燃料量の増加にしたがってメイン噴射燃料の燃焼期間が長くなっていることを意味する。このことから、メイン噴射燃料およびプレ噴射燃料の燃え残りは、拡散燃焼もしくは実質的に拡散燃焼に同一視できる燃焼に供されているものと推察することができる。
更に、図6に基づいて、本実施例に係る基本燃焼制御において発生する燃料の自着火について説明する。図6は、本実施例に係る基本燃焼制御において、一燃焼サイクル中の合計噴射量(プレ噴射燃料量とメイン噴射燃料量との合計)を一定としたままプレ噴射燃料量とメイン噴射燃料量との比率を変更した2つの形態L8,L9それぞれの、燃焼室内での熱発生比率の推移を示している。また、L9の形態の方がL8の形態に比べてプレ噴射燃料量の比率が高くなっている。すなわち、L9の形態の方がL8の形態に比べて、プレ噴射燃料量が多く、その結果、プレ噴射燃料の燃え残り量も多くなっている。この場合、図6に示すように、L9の形態では、L8の形態に比べて、圧縮行程上死点後の熱発生率の二次ピーク値が大きくなっている。さらに、L9の形態では、L8の形態に比べて、熱発生率の二次ピーク値からの立ち下り速度(二次ピーク以後のグラフの傾き)が大きくなっている。これらは、メイン噴射開始後のプレ噴射燃料の燃え残りおよびメイン噴射燃料の燃焼において、L9の形態では、L8の形態に比べて、自着火による燃焼がより促進されている(すなわち、自着火によって燃焼する燃料の割合が高くなり、拡散燃焼によって燃焼する燃料の割合が低くなっている)ことを意味するものと推察される。このことから、プレ噴射燃料の燃え残りがメイン噴射後の燃料の自着火の促進に寄与していると考えられる。また、本実施に係る基本燃焼制御において、プレ噴射燃料量以外にプレ噴射時期Tpや点火時期Tsを調整することでプレ噴射燃料の燃え残り量を多くした場合もメイン噴
射後の燃料の自着火が促進されていることを、本発明の発明者は確認した。つまり、本実施例に係る基本燃焼制御においては、プレ噴射や点火に関するパラメータを調整してプレ噴射燃料の燃え残り率を高めることで、メイン噴射実行開始後のプレ噴射燃料の燃え残りとメイン噴射燃料との燃焼において自着火を促進させることが可能である。
射後の燃料の自着火が促進されていることを、本発明の発明者は確認した。つまり、本実施例に係る基本燃焼制御においては、プレ噴射や点火に関するパラメータを調整してプレ噴射燃料の燃え残り率を高めることで、メイン噴射実行開始後のプレ噴射燃料の燃え残りとメイン噴射燃料との燃焼において自着火を促進させることが可能である。
以上説明したように、本実施例に係る基本燃焼制御では、プレ噴射と点火プラグ5での点火とによるスプレーガイド燃焼ののちにメイン噴射が実行されることで燃料の自着火および拡散燃焼を生じさせる。そのため、当該基本燃焼制御による燃焼はいわゆるディーゼル燃焼に類似し、又は実質的に同一視できると考えられる。したがって、燃焼室内の混合気の空燃比を極めて高いリーン空燃比(20〜70程度)とすることができる。また、このようなリーン空燃比での燃焼を実現するため、本実施例に係る燃焼制御では、従来のガソリンエンジンの燃焼制御(均質ストイキ制御)に比べてスロットル弁71の開度が大きくされる。そのため、内燃機関1でのポンプ損失を小さくすることができる。さらに、機関出力に寄与する燃焼が自着火および拡散燃焼により行われることで内燃機関1での冷却損失も従来の均質ストイキ制御時と比べて小さくすることができる。したがって、本実施例に係る基本燃焼制御によれば、従来のガソリンエンジンの燃焼制御では実現され得ない高い熱効率を達成することができる。
また、上記のように、メイン噴射時期は内燃機関1の機関出力が概ね最大となる適正噴射時期に設定されている。そのため、メイン噴射燃料量を増量することによって機関負荷の上昇にある程度までは対応することができる。しかしながら、メイン噴射は、圧縮行程上死点近傍の燃焼室内の圧力が非常に高い時に行われるため、筒内噴射弁61から噴射された燃料噴霧のペネトレーションが小さくなる。つまり、メイン噴射によって噴射された燃料噴霧は広範囲に拡散し難い。そのため、メイン噴射燃料量が過剰に増量されると、メイン噴射燃料の噴霧の周囲に存在する酸素、即ち、メイン噴射燃料の燃焼に供される酸素の量が燃料に対して不足した状態となり、その結果、スモークの発生量が増加する虞がある。また、本実施例に係る基本燃焼制御では、メイン噴射後に燃料の自着火を生じさせる必要があるが、メイン噴射燃料量が過剰に多くなると、該メイン噴射燃料の気化潜熱によって燃焼室内の温度が低下し、燃焼が不安定となる虞もある。
一方、プレ噴射は圧縮行程中のプレ噴射時期Tpに行われる。そのため、プレ噴射燃料が点火プラグ5による点火によって燃焼すると内燃機関1の機関出力を妨げるように作用するとも考えられる。しかしながら、プレ噴射燃料のプレ噴霧への点火による燃焼では、メイン噴射燃料の燃焼のための火種となる火炎が形成されればよい。そのため、上記のように、プレ噴射燃料において、点火によって生じる火炎伝播による燃焼に供されるのは、そのうちの一部である。したがって、プレ噴射燃料のスプレーガイド燃焼による機関出力を妨げるような作用は小さい。そして、スプレーガイド燃焼には供されないプレ噴射燃料の燃え残りはメイン噴射後においてメイン噴射燃料とともに自着火または拡散燃焼に供されるため機関出力に寄与することになる。そのため、プレ噴射燃料量を増量するとともにその燃え残り率を上昇させることでも、機関負荷の上昇に対応することができる。
また、メイン噴射時期においては、プレ噴射燃料の燃え残りは燃焼室内においてメイン噴射燃料の燃料噴霧よりも広範囲に拡散している。そのため、プレ噴射燃料の燃え残りが自着火または拡散燃焼に供される際には十分な酸素を確保し易い状態となっている。したがって、プレ噴射燃料の増量およびその燃え残り率の上昇により機関負荷の上昇に対応した場合、メイン噴射燃料量を増量した場合に比べてスモークの発生量を抑制することができる。
<高負荷燃焼制御>
次に、本本実施例に係る内燃機関1での高負荷運転時における燃焼制御について説明す
る。本実施例に係る内燃機関1においては、機関負荷の上昇に従って燃焼室内への燃料噴射量を増量する必要がある。ただし、上述したように、メイン噴射燃料量が過剰に増量されると、スモークの発生量が増加したり、燃料の気化潜熱に起因して燃焼室内の温度が低下することで燃焼が不安定となったりする虞がある。また、上述したように、プレ噴射燃料量を増量する場合は、その増量とともにプレ噴射時期Tpを進角する、すなわち第1噴射インターバルDi1を大きくすることで、スモークの発生量を抑制することができる。しかしながら、プレ噴射燃料への点火によって生じる火炎をメイン噴射燃料の燃焼のための火種とする必要があることから、第1噴射インターバルDi1には上限値が存在する。
次に、本本実施例に係る内燃機関1での高負荷運転時における燃焼制御について説明す
る。本実施例に係る内燃機関1においては、機関負荷の上昇に従って燃焼室内への燃料噴射量を増量する必要がある。ただし、上述したように、メイン噴射燃料量が過剰に増量されると、スモークの発生量が増加したり、燃料の気化潜熱に起因して燃焼室内の温度が低下することで燃焼が不安定となったりする虞がある。また、上述したように、プレ噴射燃料量を増量する場合は、その増量とともにプレ噴射時期Tpを進角する、すなわち第1噴射インターバルDi1を大きくすることで、スモークの発生量を抑制することができる。しかしながら、プレ噴射燃料への点火によって生じる火炎をメイン噴射燃料の燃焼のための火種とする必要があることから、第1噴射インターバルDi1には上限値が存在する。
ここで、仮に、第1噴射インターバルDi1を当該上限値に維持した状態でプレ噴射燃料量を更に増量した場合、メイン噴射が実行された際に、燃焼室内においてメイン噴射燃料の噴霧が形成される位置に存在するプレ噴射燃料の燃え残り量が増加することになる。その結果、メイン噴射が実行された際にプレ噴射燃料の燃え残りとメイン噴射燃料とが重なり合うと、これらが重なり合った部分における燃料濃度が過剰に高くなる場合がある。この場合、当該部分の周囲に存在する酸素、即ち、当該部分に存在する燃料の燃焼に供される酸素の量が燃料に対して不足した状態となり、その結果、スモークが発生し易くなる。
つまり、メイン噴射燃料量が増量される場合のみならず、プレ噴射燃料量についても、過剰に増量されると、スモークの発生量の増加を招く虞がある。そこで、本実施例においては、一燃焼サイクル中に燃焼室内に噴射する燃料量が比較的多く必要となる高負荷領域では、スモークの発生量を抑制すべく、上述した基本燃焼制御に代えて高負荷燃焼制御が行われる。以下、本実施例に係る高負荷燃焼制御について、図7に基づいて説明する。図7は、図の左側から右側に進む時系列において、内燃機関1で行われる高負荷燃焼制御に関する燃料噴射及び点火の流れ(図7(a)の上段を参照)と、その燃料噴射及び点火により燃焼室で生じると想定される燃焼に関する事象の変遷(図7(a)の下段を参照)を模式的に示したものである。また、図7(b)には、図7(a)に示す燃料噴射であるポート噴射、プレ噴射、およびメイン噴射と、点火との時間的相関が示されている。なお、図7に示す形態は、あくまでも本実施例に係る高負荷燃焼制御を説明するために模式的に示したものであり、本発明をこの形態に限定して解釈すべきではない。
本実施例に係る高負荷燃焼制御は、プレ燃焼の形態が基本燃焼制御と異なっている。具体的には、基本燃焼制御では、上述したように、プレ燃焼のための燃料噴射を筒内噴射弁61によるプレ噴射によって行うのに対し、高負荷燃焼制御では、プレ燃焼のための燃料噴射をポート噴射弁62によるポート噴射および筒内噴射弁61によるプレ噴射を併用して行う。以下、基本燃焼制御に係るプレ燃焼を「第1プレ燃焼」と称し、高負荷燃焼制御に係るプレ燃焼を「第2プレ燃焼」と称する場合もある。
本実施例に係る高負荷燃焼制御では、図7に示すように、一燃焼サイクル中において、先ず、吸気行程中にポート噴射弁62によってポート噴射が実行される。ここで、図7(b)に示すように、ポート噴射の噴射開始時期(以下、単に「ポート噴射時期」と称する)をTptとする。ポート噴射時期Tptは、要求されているポート噴射燃料量を吸気行程中(すなわち、吸気弁9の開弁期間中)に噴射可能となる時期に設定される。このポート噴射が実行されることで、燃焼室内に混合気が形成されることになる。そして、次に、基本燃焼制御と同様、圧縮行程中のプレ噴射時期Tpに筒内噴射弁61によってプレ噴射が行われる。このプレ噴射が実行されることで、筒内噴射弁61から噴射されたプレ噴射燃料のプレ噴霧は、燃焼室内において点火プラグ5の点火可能領域5aを通過する。そして、この場合、ポート噴射燃料によって形成された混合気中にプレ噴霧が形成される。その結果、燃焼室内に成層混合気が形成されることになる。そして、圧縮行程における点火時期Tsにおいて、プレ噴霧に対して点火プラグ5による点火が行われる。この点火によ
って、プレ噴射燃料によるスプレーガイド燃焼が行われる。つまり、プレ噴射の実行が開始されてから点火が行われるまでの間隔である点火インターバルDsは、基本燃焼制御の場合と同様、スプレーガイド燃焼が可能となるように設定されている。
って、プレ噴射燃料によるスプレーガイド燃焼が行われる。つまり、プレ噴射の実行が開始されてから点火が行われるまでの間隔である点火インターバルDsは、基本燃焼制御の場合と同様、スプレーガイド燃焼が可能となるように設定されている。
ここで、第2プレ燃焼では、基本燃焼制御における第1プレ燃焼と同様、メイン燃料の燃焼のための火種となる火炎が形成される程度の燃焼が行われればよい。ただし、本実施例に係る第2プレ燃焼では、ポート噴射燃料によって形成された混合気中にプレ噴射燃料によってプレ噴霧が形成され、該プレ噴霧に対し点火が行われることでスプレーガイド燃焼が行われる。そのため、スプレーガイド燃焼によって生じる火炎伝播によりポート噴射燃料も燃焼すると考えられる。このとき、ポート噴射燃料によって形成される混合気の空燃比が低すぎると、プレ噴射燃料によるスプレーガイド燃焼によって生じる火炎伝播により、過剰に多くのポート噴射燃料が燃焼してしまう虞がある。この場合、第2プレ燃焼によって燃焼したポート噴射燃料は内燃機関1の出力には寄与しないため、熱効率が低下することになる。そのため、ポート噴射燃料によって形成される均質混合気の空燃比が、プレ噴射燃料によるスプレーガイド燃焼によって生じる火炎伝播により燃焼するポート噴射燃料がポート噴射燃料量のうちの一部に抑えられる空燃比となるように、ポート噴射燃料量が設定されている。
そして、プレ噴射時期から所定の第1噴射インターバルDi1が経過した圧縮行程上死点前のメイン噴射時期Tmに、筒内噴射弁61によるメイン噴射の実行が開始される。これにより、第2プレ燃焼によって生じた火炎を火種としてメイン噴射燃料の燃焼が開始される。メイン噴射燃料の燃焼が開始されると燃焼室内の温度が更に上昇する。その結果、ポート噴射燃料、プレ噴射燃料の燃え残り、および、メイン噴射燃料がその温度上昇場において自着火し、さらにはこれらの燃料が拡散燃焼に供されることになる。これにより、メイン燃焼が行われる。このとき、燃焼室内に存在するポート噴射燃料およびプレ噴射燃料の燃え残りが、第2プレ燃焼時に高温雰囲気に晒されることで燃焼性が高められている場合には、メイン噴射の実行開始後の燃料の自着火がより促進されることが期待される。
上記のように、本実施例に係る高負荷燃焼制御においては、点火プラグ5による点火によって生じた火炎伝播では燃焼せずに燃え残ったポート噴射燃料およびプレ噴射燃料が、メイン燃料噴射後の自着火または拡散燃焼によって燃焼する。これにより、メイン噴射燃料に加え、ポート噴射燃料およびプレ噴射燃料も内燃機関1の出力に寄与することとなる。
そして、プレ噴射に加えてポート噴射を用いて第2プレ燃焼を行うことで、基本燃焼制御のようにプレ噴射のみを用いて第1プレ燃焼を行う場合に比べて、プレ噴射燃料量を減量することができる。したがって、ポート噴射とプレ噴射とを併用することで、同量の燃料をプレ噴射のみによって噴射した場合に比べて、スモークの発生量を抑制することができる。
また、混合気を形成するポート噴射燃料は、メイン噴射燃料よりも燃焼室内においてより広範囲に分布している。そのため、メイン燃焼時において、燃焼室内に存在する酸素のより多くを用いることができる。したがって、ポート噴射燃料の燃焼に必要な酸素を十分に確保することが可能となる。さらに、該ポート噴射燃料は、プレ噴射燃料の燃え残りと比べても、燃焼室内においてより広範囲に分布することなる。そのため、メイン噴射燃料とポート噴射燃料とが重なった部分の燃料濃度は、第1プレ燃焼を行った場合にメイン噴射燃料とプレ噴射燃料(燃え残り)とが重なった部分の燃料濃度より低くなる。そのため、メイン噴射燃料とポート噴射燃料とが重なったとしても、これらの燃料が重なった部分に存在する燃料の燃焼に供される酸素の量が不足した状態となることが抑制される。したがって、ポート噴射燃料は、メイン噴射燃料およびプレ噴射燃料のいずれと比べてもスモ
ークの発生原因となり難い。
ークの発生原因となり難い。
図8は、基本燃焼制御および高負荷燃焼制御における、内燃機関1の機関負荷と熱効率との相関(図8(a)を参照)、および、内燃機関1の機関負荷とスモークの発生量との相関(図8(b)を参照)を示す図である。図8(a)における線L10および図8(b)における線12は、高負荷燃焼制御におけるそれぞれの相関を示している。図8(a)における線L11および図8(b)における線13は、基本燃焼制御におけるそれぞれの相関を示している。図8(b)に示すように、基本燃焼制御では、内燃機関1機関負荷が所定負荷Qe0を超えるとスモークの発生量が急増する。そして、これに伴って、図8(a)に示すように、熱効率が低下することになる。これに対し、高負荷燃焼制御では、内燃機関1機関負荷が所定負荷Qe0を超えても、ある程度の機関負荷に達するまでは、スモークの発生量の増加を抑制することができる。そのため、内燃機関1機関負荷が所定負荷Qe0を超えても、熱効率を向上させることができる。
以上説明したように、機関負荷が所定負荷よりも高い運転領域、すなわち、一燃焼サイクル中の総燃料噴射量が比較的多くなる運転領域では、第1プレ燃焼を行う基本燃焼制御に代えて、第2プレ燃焼を行う高負荷燃焼制御を実行することで、スモークの発生量を抑制しつつディーゼル燃焼を実現することができる。
<燃焼制御フロー>
ここで、本実施例に係る燃焼制御の制御フローについて図9に基づいて説明する。図9は、本実施例に係る燃焼制御の制御フローを示すフローチャートである。この制御フローは、ECU20に予め記憶されており、内燃機関1が稼働している間、ECU20に格納された制御プログラムが実行されることで、所定の間隔で繰り返し実行される。
ここで、本実施例に係る燃焼制御の制御フローについて図9に基づいて説明する。図9は、本実施例に係る燃焼制御の制御フローを示すフローチャートである。この制御フローは、ECU20に予め記憶されており、内燃機関1が稼働している間、ECU20に格納された制御プログラムが実行されることで、所定の間隔で繰り返し実行される。
また、図10は、本実施例に係る燃焼制御に用いられる制御マップの一例を示している。図10の上段(a)では、内燃機関1の機関負荷とプレ噴射燃料量の相関を線L21で示し、該機関負荷とメイン噴射燃料量との相関を線L22で示し、該機関負荷とポート噴射燃料量との相関を線L23で示し、該機関負荷と該機関負荷に対応した燃料噴射量である負荷対応噴射量との相関を線L20で示している。また、図10(a)において、S1は、運転領域R3(以下、低負荷領域R3と称する)とR4(以下、中負荷領域R4と称する)との境界となる機関負荷に対応する燃料噴射量を表している(以下、第1所定量S1と称する)。また、S2(>S1)は、中負荷領域R4と運転領域R5(以下、高負荷領域R5と称する)との境界となる機関負荷に対応する燃料噴射量を表している(以下、第2所定量S2と称する)。そして、本実施例では、内燃機関1の機関負荷が低負荷領域R3または中負荷領域R4に属する場合は上記の基本燃焼制御が行われ、内燃機関1の機関負荷が高負荷領域R5に属する場合は上記の高負荷燃焼制御が行われる。つまり、本実施例では、中負荷領域R4と高負荷領域R5との境界となる機関負荷Qe0が、本発明に係る「所定負荷」に相当する。
また、図10の下段(b)では、内燃機関1の機関負荷とプレ噴射時期Tpの相関を線L31で示し、該機関負荷と点火時期Tsとの相関を線L30で示し、該機関負荷とメイン噴射時期Tmとの相関を線L32で示し、該機関負荷とポート噴射時期Tptとの相関を線L33で示している。そして、線L31と線L32との間隔が第1噴射インターバルDi1を示し、線L31と線L30との間隔が点火インターバルDsを示している。なお、図10(b)の縦軸は圧縮行程上死点を基準としたクランク角(BTDC: Before Top Dead Center)を表しており、その値が大きくなるほど圧縮行程におけるより早い時期であることを意味する。
本実施例に係る制御フローでは、先ず、S101において、アクセルポジションセンサ
22の検出値に基づいて、内燃機関1の機関負荷Qeが算出される。また、別法として、吸気通路70を流れる空気流量、すなわちエアフローメータ72の検出値や、吸気通路70内の吸気圧力に基づいて、内燃機関1の機関負荷を算出することもできる。次に、S102において、S101で算出された機関負荷Qeに基づいて、負荷対応噴射量S0が算出される。具体的には、図10(a)で線L20に示す制御マップを利用して、機関負荷Qeに応じた負荷対応噴射量S0が算出される。なお、本実施例では、線L20で示すように、機関負荷が増加するに従い負荷対応噴射量S0が大きくなるように、両者の相関が制御マップ上に記録されている。
22の検出値に基づいて、内燃機関1の機関負荷Qeが算出される。また、別法として、吸気通路70を流れる空気流量、すなわちエアフローメータ72の検出値や、吸気通路70内の吸気圧力に基づいて、内燃機関1の機関負荷を算出することもできる。次に、S102において、S101で算出された機関負荷Qeに基づいて、負荷対応噴射量S0が算出される。具体的には、図10(a)で線L20に示す制御マップを利用して、機関負荷Qeに応じた負荷対応噴射量S0が算出される。なお、本実施例では、線L20で示すように、機関負荷が増加するに従い負荷対応噴射量S0が大きくなるように、両者の相関が制御マップ上に記録されている。
次に、S103において、S102で算出された負荷対応噴射量S0が第2所定量S2以下であるか否かが判別される。すなわち、S103において、内燃機関1の機関負荷Qeが、低負荷領域R3または中負荷領域R4に属しているのか、高負荷領域R5に属しているのかが判別される。S103において肯定判定された場合、すなわち、内燃機関1の機関負荷Qeが低負荷領域R3または中負荷領域R4に属している場合、基本燃焼制御を実行すべく、次にS104の処理が実行される。
S104では、図10に示す制御マップを用いて、基本燃焼制御を実現するための、プレ噴射燃料量Sp、メイン噴射燃料量Sm、プレ噴射時期Tp、メイン噴射時期Tm、および点火時期Tsが決定される。
ここで、低負荷領域R3または中負荷領域R4において基本燃焼制御を実現するための各制御パラメータの値について説明する。負荷対応噴射量S0が第1所定量S1以下である場合、すなわち、内燃機関1の機関負荷が低負荷領域R3に属する場合、図10(a)で線L21に示すように、プレ噴射燃料量Spが最小プレ噴射燃料量Spminに設定される。ここで、最小プレ噴射燃料量Spminは、メイン噴射が実行された際にメイン噴射燃料の燃焼開始のための火種となる火炎を形成することが可能なプレ噴射燃料量の下限値である。ここで、プレ噴射燃料量Spが多くなると、点火プラグ5での点火による燃焼(即ちスプレーガイド燃焼)が促進され易くなるためプレ噴射燃料における燃え残り率が低下する虞があるが、プレ噴射燃料量Spを最小プレ噴射燃料量Spminとすることでその燃え残り率を可及的に高くすることができる。そのため、低負荷領域R3では、プレ噴射燃料量Spを最小プレ噴射燃料量Spminとすることで、安定した燃焼を確保しつつ高い熱効率を実現することができる。また、低負荷領域R3は、負荷対応噴射量が比較的少ないため、機関負荷の増加に対してメイン噴射燃料量Smのみの増量によって対応しても、スモークの発生量が増加したり、メイン噴射燃料の気化潜熱に起因して燃焼が不安定となったりする可能性が低い運転領域として設定されている。そこで、図10(a)に示すように、低負荷領域R3では、機関負荷の増加に対してはメイン噴射燃料量Smのみの増加によって対応し、プレ噴射燃料量Spは最小プレ噴射燃料量Spminで固定される。
また、メイン噴射時期Tmは、内燃機関1の熱効率を向上させるために圧縮行程上死点前の適正噴射時期に設定される。そして、低負荷領域R3では、適正噴射時期に設定されたメイン噴射時期Tmに対し、プレ噴射燃料量Spが最小プレ噴射燃料量Spminである場合に熱効率が好適な状態となる第1噴射インターバルDi1が確保されるように、プレ噴射時期Tpが設定される。なお、上述のように、低負荷領域R3では、プレ噴射燃料量Spは最小プレ噴射燃料量Spminで固定される。そのため、低負荷領域R3では、第1噴射インターバルDi1も一定に維持される。したがって、図10(b)に示すように、低負荷領域R3では、機関負荷が変動することでメイン噴射燃料量Smが変動し、それに伴ってメイン噴射時期Tmが変動した場合、当該メイン噴射時期Tmの変動に連動してプレ噴射時期Tpも変動することになる。
また、図10(b)に示すように、プレ噴射時期Tpと点火時期Tsとのインターバルである点火インターバルDsは一定に維持される。そのため、低負荷領域R3では、メイン噴射時期Tmの変動に連動してプレ噴射時期Tpが変動した場合、当該変動に連動して点火時期Tsも変動することになる。
また、低負荷領域R3では、線L22で示される負荷対応噴射量S0とメイン噴射燃料量Smとの相関は、以下の式2に従う。
Sm = S0 −Sp×α ・・・(式2)
α:プレ噴射燃料の燃え残り率
上記のとおり、本実施例に係る基本燃焼制御では、プレ噴射燃料の燃え残りはメイン噴射燃料とともに自着火し拡散燃焼に供されることで機関出力に寄与する。そのため、機関出力に寄与するという観点に立てば、プレ噴射燃料の燃え残りはメイン噴射燃料と同等と言うことができる。そこで、プレ噴射燃料の燃え残り率を示す係数αを予め実験等で求めておき、当該係数αを考慮した上記式2に従ってメイン噴射燃料量Smを算出することで、適切なメイン噴射燃料量Smを求めることができる。なお、プレ噴射燃料の燃え残り率は、点火インターバルDs及び第1噴射インターバルDi1に応じて変化する。従って、係数αはこれらに基づいて定まる値である。そして、低負荷領域R3では、点火インターバルDs及び第1噴射インターバルDi1はいずれも一定であるため、上記式2おける係数αも一定値となる。また、低負荷領域R3では、上記の理由によりプレ噴射燃料量Spは最小プレ噴射燃料量Spminに固定されるため、上記式2においてSp=Spminとなる。また、プレ噴射燃料量に対して点火プラグ5による点火によって燃焼する分の燃料量(すなわち第1プレ燃焼によって燃焼する分の燃料量)が非常に少ない場合は、制御上、係数α=1としてもよい。
Sm = S0 −Sp×α ・・・(式2)
α:プレ噴射燃料の燃え残り率
上記のとおり、本実施例に係る基本燃焼制御では、プレ噴射燃料の燃え残りはメイン噴射燃料とともに自着火し拡散燃焼に供されることで機関出力に寄与する。そのため、機関出力に寄与するという観点に立てば、プレ噴射燃料の燃え残りはメイン噴射燃料と同等と言うことができる。そこで、プレ噴射燃料の燃え残り率を示す係数αを予め実験等で求めておき、当該係数αを考慮した上記式2に従ってメイン噴射燃料量Smを算出することで、適切なメイン噴射燃料量Smを求めることができる。なお、プレ噴射燃料の燃え残り率は、点火インターバルDs及び第1噴射インターバルDi1に応じて変化する。従って、係数αはこれらに基づいて定まる値である。そして、低負荷領域R3では、点火インターバルDs及び第1噴射インターバルDi1はいずれも一定であるため、上記式2おける係数αも一定値となる。また、低負荷領域R3では、上記の理由によりプレ噴射燃料量Spは最小プレ噴射燃料量Spminに固定されるため、上記式2においてSp=Spminとなる。また、プレ噴射燃料量に対して点火プラグ5による点火によって燃焼する分の燃料量(すなわち第1プレ燃焼によって燃焼する分の燃料量)が非常に少ない場合は、制御上、係数α=1としてもよい。
また、中負荷領域R4は、機関負荷の増加に対してメイン噴射燃料量Smのみの増量によって対応した場合、スモークの発生量が増加したり、メイン噴射燃料の気化潜熱に起因して燃焼が不安定となったりする可能性が高い運転領域として設定されている。そのため、中負荷領域R4では、機関負荷の増加に対してメイン噴射燃料量Smのみならずプレ噴射燃料量Spも増量することで対応する。したがって、中負荷領域R4では、図10(b)で線L21に示すように、内燃機関1の機関負荷が高いほどプレ噴射燃料量Spは増量される。これにより、内燃機関1の機関負荷が高いほど、プレ噴射燃料の燃え残り量が多くなる。そして、内燃機関1の機関負荷が、中負荷領域R4における最大機関負荷である所定負荷Qe0のときに、プレ噴射燃料量Spが最大プレ噴射燃料量Spmaxとなる。
また、中負荷領域R4では、図10(a)で線L22に示すように、内燃機関1の機関負荷が高いほどメイン噴射燃料量Smも増量される。なお、中負荷領域R4でも、低負荷領域R3と同様に、線L22で示される負荷対応噴射量S0とメイン噴射燃料量Smとの相関は、上記式2に従う。また、上記のように、中負荷領域R4では、機関負荷の上昇に従いプレ噴射燃料量Spが増量される。そのため、図10(a)で線L22に示すように、該中負荷領域R4におけるメイン噴射燃料量Smの増量比率(機関負荷の上昇量に対するメイン噴射燃料量Smの増加量の比率)は、プレ噴射燃料量Spが固定されている低負荷領域R3におけるメイン噴射燃料量Smの増量比率よりも小さくなる。これにより、メイン噴射燃料量の増量に起因するスモークの発生量の増加や、メイン噴射燃料の気化潜熱の増加に起因する失火の発生を抑制することができる。
また、中負荷領域R4では、図10(b)に示すように、内燃機関1の機関負荷が高いほど、第1噴射インターバルDi1が大きくなるようにプレ噴射時期Tpが進角される。つまり、中負荷領域R4では、プレ噴射時期Tpが、メイン噴射時期Tmの進角量に連動した進角量以上に進角され、その進角量が、機関負荷が高いほど大きくなっている。このようにプレ噴射時期Tpを制御することで、プレ噴射燃料量Spが増量されることでその
燃え残り量が多くなっても、プレ噴射燃料の燃え残りとメイン噴射燃料とが重なった部分の燃料濃度をより低くすることができる。その結果、これらの燃料の重なりに起因するスモークの発生量を抑制することができる。
燃え残り量が多くなっても、プレ噴射燃料の燃え残りとメイン噴射燃料とが重なった部分の燃料濃度をより低くすることができる。その結果、これらの燃料の重なりに起因するスモークの発生量を抑制することができる。
また、図10(b)に示すように、中負荷領域R4においても、低負荷領域R3と同様、プレ噴射時期Tpと点火時期Tsとのインターバルである点火インターバルDsは一定に維持される。そのため、機関負荷の上昇に従い、プレ噴射時期Tpがメイン噴射時期Tmの進角量に連動した進角量以上に進角された場合、点火時期Tsもプレ噴射時期Tpと同程度に進角される。
図9に示すフローチャートの説明に戻り、S104において図10に示す制御マップを用いて基本燃焼制御を実現するための各制御パラメータの値が決定されると、次にS105の処理が実行される。S105においては、S104で決定されたプレ噴射燃料量Sp、メイン噴射燃料量Sm、プレ噴射時期Tp、メイン噴射時期Tm、および点火時期Tsに従って、筒内噴射弁61によるプレ噴射およびメイン噴射と、点火プラグ5による点火とが実行される。これにより、本実施例に係る基本燃焼制御が実現される。
一方、S103において否定判定された場合、すなわち、内燃機関1の機関負荷Qeが高負荷領域R5に属している場合、高負荷燃焼制御を実行すべく、次にS106の処理が実行される。
S106では、図10に示す制御マップを用いて、高負荷燃焼制御を実現するための、ポート噴射燃料量Spt、プレ噴射燃料量Sp、メイン噴射燃料量Sm、ポート噴射時期Tpt、プレ噴射時期Tp、メイン噴射時期Tm、および点火時期Tsが決定される。
ここで、高負荷領域R5において高負荷燃焼制御を実現するための各制御パラメータの値について説明する。図10(a)で線L21および線L22に示すように、高負荷領域R5では、プレ噴射量Spおよびメイン噴射量Smは一定量に固定される。このとき、プレ噴射量Spは、中負荷領域R4における最大プレ噴射燃料量Spmaxよりも最小ポート噴射量(内燃機関1の機関負荷がQe0のときのポート噴射量)分少ない量に固定される。また、メイン噴射量Smは、中負荷領域R4における最大メイン噴射燃料量Smmaxに固定される。そして、高負荷領域R5では、機関負荷の増加に対してメイン噴射燃料量Smの増加によって対応する。また、このときのポート噴射燃料量Sptは、ポート噴射燃料によって形成される混合気の空燃比が、プレ噴射燃料によるスプレーガイド燃焼によって生じる火炎伝播により燃焼するポート噴射燃料がポート噴射燃料量のうちの一部に抑えられる空燃比となるように設定されている。
ここで、図10(a)で線L23に示される、高負荷領域R5における負荷対応噴射量S0とポート噴射燃料量Sptとの相関は、以下の式3に従う。
Spt = (S0 −(Sp×α´ + Sm))/β´ ・・・(式3)
α´:プレ噴射燃料の燃え残り率
β´:ポート噴射燃料の燃え残り率
α´およびβ´はポート噴射とプレ噴射とを併用して第2プレ燃焼を行った場合のそれぞれの燃料の燃え残り率である。これらの燃え残り率は実験等に基づいて求めることができる。上記のとおり、ポート噴射燃料の多くはメイン噴射燃料とともに自着火または拡散燃焼に供されることで機関出力に寄与する。しかしながら、第2プレ燃焼において燃焼するポート噴射燃料の一部は機関出力には寄与しないこととなる。そこで、高負荷領域R5では、上記式3により、プレ噴射燃料の燃え残り率のみならずポート噴射燃料の燃え残り率(すなわち、ポート噴射燃料量における、点火プラグ5による点火では燃焼せずにメイン噴射後の自着火または拡散燃焼に供される分の割合)を考慮してポート噴射燃料量Sp
tが決定される。これにより、適切なポート噴射燃料量Sptを求めることができる。ただし、上記式2における係数αと同様、プレ噴射燃料量に対して点火プラグ5による点火によって燃焼する分の燃料量(すなわち第2プレ燃焼によって燃焼する分の燃料量)が非常に少ない場合は、制御上、係数α´=1としてもよい。また、ポート噴射燃料量に対して点火プラグ5によるプレ噴霧への点火によって燃焼する分の燃料量(すなわち第2プレ燃焼によって燃焼する分の燃料量)が非常に少ない場合は、制御上、係数β´=1としてもよい。
Spt = (S0 −(Sp×α´ + Sm))/β´ ・・・(式3)
α´:プレ噴射燃料の燃え残り率
β´:ポート噴射燃料の燃え残り率
α´およびβ´はポート噴射とプレ噴射とを併用して第2プレ燃焼を行った場合のそれぞれの燃料の燃え残り率である。これらの燃え残り率は実験等に基づいて求めることができる。上記のとおり、ポート噴射燃料の多くはメイン噴射燃料とともに自着火または拡散燃焼に供されることで機関出力に寄与する。しかしながら、第2プレ燃焼において燃焼するポート噴射燃料の一部は機関出力には寄与しないこととなる。そこで、高負荷領域R5では、上記式3により、プレ噴射燃料の燃え残り率のみならずポート噴射燃料の燃え残り率(すなわち、ポート噴射燃料量における、点火プラグ5による点火では燃焼せずにメイン噴射後の自着火または拡散燃焼に供される分の割合)を考慮してポート噴射燃料量Sp
tが決定される。これにより、適切なポート噴射燃料量Sptを求めることができる。ただし、上記式2における係数αと同様、プレ噴射燃料量に対して点火プラグ5による点火によって燃焼する分の燃料量(すなわち第2プレ燃焼によって燃焼する分の燃料量)が非常に少ない場合は、制御上、係数α´=1としてもよい。また、ポート噴射燃料量に対して点火プラグ5によるプレ噴霧への点火によって燃焼する分の燃料量(すなわち第2プレ燃焼によって燃焼する分の燃料量)が非常に少ない場合は、制御上、係数β´=1としてもよい。
また、高負荷領域R5では、プレ噴射燃料量Spおよびメイン噴射燃料量Smが一定量に固定されるため、図10(b)の線L31およびL32に示すように、プレ噴射時期Tpおよびメイン噴射時期Tmもそれぞれの噴射量に適した一定の時期に固定される。また、高負荷領域R5においても、点火インターバルDsは一定に維持される。そのため、図10(b)の線L30に示すように、点火時期Tsは一定の時期に固定される。これにより、高負荷領域R5におけるプレ噴射燃料の燃え残り量も概ね一定となる。また、上述したように、ポート噴射時期Tptは、要求されているポート噴射燃料量Sptを吸気行程中(すなわち、吸気弁9の開弁期間中)に噴射可能となる時期に設定される。そのため、図10(b)の線L33に示すように、ポート噴射時期Tptは、機関負荷の変動に伴うポート噴射量Sptの変動に応じて変動する。
図9に示すフローチャートの説明に戻り、S106において高負荷燃焼制御を実現するための各制御パラメータの値が決定されると、次にS107の処理が実行される。S107においては、S106で決定されたポート噴射燃料量Spt、プレ噴射燃料量Sp、メイン噴射燃料量Sm、ポート噴射時期Tpt、プレ噴射時期Tp、メイン噴射時期Tm、および点火時期Tsに従って、ポート噴射弁62によるポート噴射と、筒内噴射弁61によるプレ噴射およびメイン噴射と、点火プラグ5による点火とが実行される。これにより、本実施例に係る高負荷燃焼制御が実現される。
なお、図10は、あくまで、本実施例に係る燃焼制御に用いられる制御マップの一例であって、内燃機関の機関負荷と、基本燃焼制御および高負荷燃焼制御における各制御パラメータとの相関は該図10に示すものに限られるものではない。
本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例においても、実施例1と同様の基本燃焼制御が行われる。ただし、本実施例においては、高負荷領域において実行される高負荷燃焼制御の制御形態が実施例1とは異なっている。
以下、本実施例に係る高負荷燃焼制御について、図11に基づいて説明する。図11は、図の左側から右側に進む時系列において、内燃機関1で行われる高負荷燃焼制御に関する燃料噴射及び点火の流れ(図11(a)の上段を参照)と、その燃料噴射及び点火により燃焼室で生じると想定される燃焼に関する事象の変遷(図11(a)の下段を参照)を模式的に示したものである。また、図11(b)には、図11(a)に示す燃料噴射であるポート噴射およびメイン噴射と、点火の時間的相関が示されている。なお、図11に示す形態は、あくまでも本実施例に係る高負荷燃焼制御を説明するために模式的に示したものであり、本発明をこの形態に限定して解釈すべきではない。
本実施例に係る高負荷燃焼制御は、第2プレ燃焼の形態が実施例1に係る高負荷燃焼制御とは異なっている。具体的には、実施例1に係る高負荷燃焼制御においては、第2プレ燃焼のための燃料噴射をポート噴射弁62によるポート噴射および筒内噴射弁61によるプレ噴射の両方によって行うのに対し、本実施例に係る高負荷燃焼においては、第2プレ
燃焼のための燃料噴射をポート噴射弁62によるポート噴射のみによって行う。
燃焼のための燃料噴射をポート噴射弁62によるポート噴射のみによって行う。
本実施例に係る高負荷燃焼制御では、図11に示すように、一燃焼サイクル中において、先ず、吸気行程中のポート噴射時期Tptにポート噴射弁62によってポート噴射が実行される。ここで、ポート噴射時期Tptは、実施例1に係る高負荷燃焼制御の場合と同様、要求されているポート噴射燃料量を吸気行程中(すなわち、吸気弁9の開弁期間中)に噴射可能となる時期に設定される。このポート噴射が実行されることで、燃焼室内に混合気が形成されることになる。そして、圧縮行程における点火時期Tsにおいて、この混合気に対して点火プラグ5による点火が行われる。この点火によって混合気を形成するポート噴射燃料の一部が燃焼することで、第2プレ燃焼が行われることになる。
ここで、本実施例に係る第2プレ燃焼でも、実施例1に係る第2プレ燃焼と同様、メイン燃料の燃焼のための火種となる火炎が形成される程度の燃焼が行われればよい。しかしながら、ポート噴射燃料によって形成される混合気の空燃比が高すぎると点火プラグ5による点火が行われても、燃料が着火しない虞がある。この場合、メイン噴射を実行してもメイン燃焼を行うことができないため、失火してしまうことになる。一方で、該混合気の空燃比が低すぎると、点火プラグ5による点火によって生じる火炎伝播により、過剰に多くのポート噴射燃料が燃焼してしまう虞がある。この場合、第2プレ燃焼によって燃焼したポート噴射燃料は内燃機関1の出力には寄与しないため、熱効率が低下することになる。そのため、ポート噴射燃料によって形成される混合気の空燃比が、点火プラグ5による点火によって燃料が着火することで火炎は生じるが、該火炎の伝播ではポート噴射燃料の一部のみが燃焼する空燃比となるように、ポート噴射燃料量が設定されている。
そして、点火プラグ5による点火から所定の第2噴射インターバルDi2が経過した圧縮行程上死点前のメイン噴射時期Tmに、筒内噴射弁61によるメイン噴射の実行が開始される。これにより、第2プレ燃焼によって生じた火炎を火種としてメイン噴射燃料の燃焼が開始される。換言すれば、第2プレ燃焼によって生じた火炎を起点としてメイン噴射燃料の燃焼が開始されるように第2噴射インターバルDi2が設定されている。また、基本燃焼制御と同様、高負荷燃焼制御においても、メイン噴射時期Tmは適正噴射時期に設定される。メイン噴射時期Tmと第2噴射インターバルDi2とがこのように設定されることで、点火時期Tsは必然的に決まることになる。
メイン噴射燃料の燃焼が開始されると燃焼室内の温度が更に上昇する。その結果、ポート噴射燃料とメイン噴射燃料とがその温度上昇場において自着火し、さらにはこれらの燃料が拡散燃焼に供されることになる。これにより、メイン燃焼が行われる。このとき、燃焼室内に存在するポート噴射燃料が、第2プレ燃焼時に高温雰囲気に晒されることで、第1プレ燃焼におけるプレ噴射燃料の燃え残りと同様に燃焼性が高められている場合には、メイン噴射の実行開始後の燃料の自着火がより促進されることが期待される。
上記のように、高負荷燃焼制御においては、点火プラグ5による点火によって生じた火炎伝播では燃焼せずに燃え残ったポート噴射燃料は、基本燃焼制御におけるプレ噴射燃料の燃え残りと同様、メイン燃料噴射後の自着火または拡散燃焼によって燃焼する。これにより、メイン噴射燃料に加え、ポート噴射燃料も内燃機関1の出力に寄与することとなる。また、上述したように、ポート噴射燃料は、メイン噴射燃料のみならず、プレ噴射燃料と比べてもスモークの発生原因となり難い。そのため、ポート噴射を用いてプレ燃焼を行うことで、スモークの発生量を抑制することができる。
したがって、機関負荷が所定負荷よりも高い運転領域、すなわち、一燃焼サイクル中の総燃料噴射量が比較的多くなる運転領域では、上記のような高負荷燃焼制御を実行することで、実施例1に係る高負荷燃焼制御を実行した場合と同様に、スモークの発生量を抑制
しつつディーゼル燃焼を実現することができる。
しつつディーゼル燃焼を実現することができる。
<燃焼制御フロー>
ここで、本実施例に係る燃焼制御の制御フローについて図12に基づいて説明する。図12は、本実施例に係る燃焼制御の制御フローを示すフローチャートである。この制御フローは、ECU20に予め記憶されており、内燃機関1が稼働している間、ECU20に格納された制御プログラムが実行されることで、所定の間隔で繰り返し実行される。なお、本制御フローにおけるS101〜105は、図9に示すフローにおける各ステップと同一である。そのため、図9に示すフローと同一の処理が実行されるステップについては同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
ここで、本実施例に係る燃焼制御の制御フローについて図12に基づいて説明する。図12は、本実施例に係る燃焼制御の制御フローを示すフローチャートである。この制御フローは、ECU20に予め記憶されており、内燃機関1が稼働している間、ECU20に格納された制御プログラムが実行されることで、所定の間隔で繰り返し実行される。なお、本制御フローにおけるS101〜105は、図9に示すフローにおける各ステップと同一である。そのため、図9に示すフローと同一の処理が実行されるステップについては同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
また、図13は、本実施例に係る燃焼制御に用いられる制御マップの一例を示している。図13の上段(a)では、図10(a)と同様、内燃機関1の機関負荷とプレ噴射燃料量の相関を線L21で示し、該機関負荷とメイン噴射燃料量との相関を線L22で示し、該機関負荷とポート噴射燃料量との相関を線L23で示し、該機関負荷と該機関負荷に対応した燃料噴射量である負荷対応噴射量との相関を線L20で示している。また、図13の下段(b)では、図10(b)と同様、内燃機関1の機関負荷とプレ噴射時期Tpの相関を線L31で示し、該機関負荷と点火時期Tsとの相関を線L30で示し、該機関負荷とメイン噴射時期Tmとの相関を線L32で示し、該機関負荷とポート噴射時期Tptとの相関を線L33で示している。そして、線L31と線L32との間隔が第1噴射インターバルDi1を示し、線L31と線L30との間隔が点火インターバルDsを示している。また、図13の下段(b)においては、線L30と線L32との間隔が第2噴射インターバルDi2を示している。
本実施例においても、実施例1と同様、内燃機関1の機関負荷が、低負荷領域R3または中負荷領域R4に属する場合は、基本燃焼制御が行われ、高負荷領域R5に属する場合は高負荷燃焼制御が行われる。つまり、本実施例においても、中負荷領域R4と高負荷領域R5との境界となる機関負荷Qe0が、本発明に係る「所定負荷」に相当する。
本実施例に係る制御フローにおいても、S103で肯定判定された場合、すなわち、内燃機関1の機関負荷Qeが低負荷領域R3または中負荷領域R4に属している場合は、実施例1と同様、S104およびS105の処理が実行されることで基本燃焼制御が実現される。一方、S103で否定判定された場合、すなわち、内燃機関1の機関負荷Qeが高負荷領域R5に属している場合、高負荷燃焼制御を実行すべく、次にS206の処理が実行される。
S206では、図13に示す制御マップを用いて、高負荷燃焼制御を実現するための、ポート噴射燃料量Spt、メイン噴射燃料量Sm、ポート噴射時期Tpt、メイン噴射時期Tm、および点火時期Tsが決定される。
ここで、高負荷領域R5において高負荷燃焼制御を実現するための各制御パラメータの値について説明する。図13(a)で線L23に示すように、高負荷領域R5では、ポート噴射燃料量Sptは一定量に固定される。そして、上述したように、このときのポート噴射燃料量Sptは、ポート噴射燃料によって形成される混合気の空燃比が、点火プラグ5による点火によって燃料が着火することで火炎は生じるが、該火炎の伝播ではポート噴射燃料の一部のみが燃焼する空燃比となるように設定されている。また、高負荷領域R5において、ポート噴射燃料量Sptは一定量に固定されるため、ポート噴射時期Tptも一定時期に固定される。上述したように、このときのポート噴射時期Tptは、要求されているポート噴射燃料量Sptを吸気行程中(すなわち、吸気弁9の開弁期間中)に噴射可能となる時期に設定されている。
また、高負荷領域R5では、機関負荷の増加に対してメイン噴射燃料量Smの増加によって対応する。図13(a)で線L22に示される、高負荷領域R5における負荷対応噴射量S0とメイン噴射燃料量Smとの相関は、以下の式4に従う。
Sm = S0 −Spt×β ・・・(式4)
β:ポート噴射燃料の燃え残り率
βはポート噴射のみを用いて第2プレ燃焼を行った場合のポート噴射燃料の燃え残り率である。この燃え残り率は実験等に基づいて求めることができる。上記式4によれば、ポート噴射燃料の燃え残り率を考慮してメイン噴射燃料量Smが決定されている。これにより、適切なメイン噴射燃料量Smを求めることができる。ただし、上記式3における係数β´と同様、ポート噴射燃料量に対して点火プラグ5によるプレ噴霧への点火によって燃焼する分の燃料量(すなわち第2プレ燃焼によって燃焼する分の燃料量)が非常に少ない場合は、制御上、係数β=1としてもよい。
Sm = S0 −Spt×β ・・・(式4)
β:ポート噴射燃料の燃え残り率
βはポート噴射のみを用いて第2プレ燃焼を行った場合のポート噴射燃料の燃え残り率である。この燃え残り率は実験等に基づいて求めることができる。上記式4によれば、ポート噴射燃料の燃え残り率を考慮してメイン噴射燃料量Smが決定されている。これにより、適切なメイン噴射燃料量Smを求めることができる。ただし、上記式3における係数β´と同様、ポート噴射燃料量に対して点火プラグ5によるプレ噴霧への点火によって燃焼する分の燃料量(すなわち第2プレ燃焼によって燃焼する分の燃料量)が非常に少ない場合は、制御上、係数β=1としてもよい。
また、高負荷領域R5においても、メイン噴射時期Tmは圧縮行程上死点前の適正噴射時期に設定される。したがって、図13(b)で線L32に示すように、メイン噴射時期Tmは、機関負荷の変動に伴うメイン噴射燃料量Smの変動に応じて変動する。そして、高負荷領域R5においては、図13(b)に示すように、点火時期Tsとメイン噴射時期Tmとのインターバルである第2噴射インターバルDi2が一定に維持される。そのため、高負荷領域R5では、図13(b)で線L30に示すように、メイン噴射時期Tmの変動に連動して点火時期Tsが変動することになる。
図12に示すフローチャートの説明に戻り、S206において高負荷燃焼制御を実現するための各制御パラメータの値が決定されると、次にS207の処理が実行される。S207においては、S206で決定されたポート噴射燃料量Spt、メイン噴射燃料量Sm、ポート噴射時期Tpt、メイン噴射時期Tm、および点火時期Tsに従って、ポート噴射弁62によるポート噴射と、筒内噴射弁61によるメイン噴射と、点火プラグ5による点火とが実行される。これにより、本実施例に係る高負荷燃焼制御が実現される。
なお、図13は、あくまで、本実施例に係る燃焼制御に用いられる制御マップの一例であって、内燃機関の機関負荷と、基本燃焼制御および高負荷燃焼制御における各制御パラメータとの相関は該図13に示すものに限られるものではない。
また、上記実施例2においては、ポート噴射のみを用いた第2プレ燃焼を高負荷領域で行うものとした。しかしながら、第2プレ燃焼を低負荷領域または中負荷領域で行うこともできる。この場合、低負荷領域または中負荷領域でのスモークの発生量をより抑制することが可能となる。ただし、低負荷領域または中負荷領域では、一燃焼サイクル中の総燃料噴射量が比較的少ないため、十分な量のポート噴射燃料量を確保することが困難となり、ポート噴射燃料によって形成される混合気の空燃比が過剰に高くなる場合もある。この場合、プレ燃焼時における燃料の着火性が低下し、その結果、失火を招きやすくなる。したがって、プレ燃焼時における燃料の着火性の観点からすると、上記実施例2のように、低負荷領域または中負荷領域では、プレ噴射を用いた第1プレ燃焼を行うことが好ましい。
また、上記実施例1および2に係る高負荷燃焼制御では、ポート噴射を吸気行程中(すなわち、吸気弁9の開弁期間中)に実行するものとした。しかしながら、高負荷燃焼制御では、ポート噴射を実行することで燃焼室内に混合気が形成されればよい。そのため、第2プレ燃焼のためのポート噴射を排気行程中(すなわち、吸気弁9の閉弁期間中)に実行してもよい。この場合でも、ポート噴射弁62によって吸気ポート7内に噴射された燃料が、吸気行程において吸入空気と共に気筒2内に流入する。これにより、燃焼室内に混合
気が形成される。
気が形成される。
1・・・内燃機関
2・・・気筒
3・・・ピストン
5・・点火プラグ
61・・筒内噴射弁
62・・ポート噴射弁
7・・・吸気ポート
8・・・排気ポート
9・・・吸気弁
10・・排気弁
20・・ECU
21・・クランクポジションセンサ
22・・アクセルポジションセンサ
71・・スロットル弁
72・・エアフローメータ
2・・・気筒
3・・・ピストン
5・・点火プラグ
61・・筒内噴射弁
62・・ポート噴射弁
7・・・吸気ポート
8・・・排気ポート
9・・・吸気弁
10・・排気弁
20・・ECU
21・・クランクポジションセンサ
22・・アクセルポジションセンサ
71・・スロットル弁
72・・エアフローメータ
Claims (3)
- 内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射可能な筒内噴射弁と、
内燃機関の吸気ポート内に燃料を噴射可能なポート噴射弁と、
前記筒内噴射弁から噴射された噴霧が点火可能領域を通過し該噴霧に直接に点火可能となるように、該筒内噴射弁に対する相対位置が決定された点火装置と、
内燃機関の機関負荷が所定負荷以下の運転領域において、圧縮行程中に前記筒内噴射弁によってプレ噴射を実行するとともに該プレ噴射によって形成されるプレ噴霧に対し前記点火装置によって点火を行うことで該プレ噴射によって噴射された燃料の一部を燃焼させて第1プレ燃焼を行う第1プレ燃焼部と、
内燃機関の機関負荷が前記所定負荷より高い運転領域において、排気行程または吸気行程中に前記ポート噴射弁によってポート噴射を実行することで混合気を形成させるとともに、圧縮行程中に前記筒内噴射弁によってプレ噴射を実行することで該混合気中にプレ噴霧を形成させ、さらに、該プレ噴霧に対し前記点火装置によって点火を行うことで該第プレ噴射によって噴射された燃料の一部および該ポート噴射によって噴射された燃料の一部を燃焼させて第2プレ燃焼を行う第2プレ燃焼部と、
前記第1プレ燃焼または前記第2プレ燃焼の発生後であり且つ圧縮行程上死点前の時期であって、前記第1プレ燃焼または前記第2プレ燃焼によって生じた火炎を起点として噴射燃料の燃焼が開始されるように設定されたメイン噴射時期に前記筒内噴射弁によるメイン噴射の実行を開始することで、燃料の自着火を発生させるとともに少なくとも該メイン噴射によって噴射された燃料の一部を拡散燃焼させてメイン燃焼を行うメイン燃焼部と、を備える内燃機関の制御装置。 - 内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射可能な筒内噴射弁と、
内燃機関の吸気ポート内に燃料を噴射可能なポート噴射弁と、
前記筒内噴射弁から噴射された噴霧が点火可能領域を通過し該噴霧に直接に点火可能となるように、該筒内噴射弁に対する相対位置が決定された点火装置と、
排気行程または吸気行程中に前記ポート噴射弁によってポート噴射を実行することで混合気を形成させるとともに、圧縮行程中に燃焼室内において該混合気に対し前記点火装置によって点火を行うことで該ポート噴射によって噴射された燃料の一部を燃焼させてプレ燃焼を行うプレ燃焼部と、
前記プレ燃焼の発生後であり且つ圧縮行程上死点前の時期であって、前記プレ燃焼によって生じた火炎を起点として噴射燃料の燃焼が開始されるように設定されたメイン噴射時期に前記筒内噴射弁によるメイン噴射の実行を開始することで、燃料の自着火を発生させるとともに少なくとも該メイン噴射によって噴射された燃料の一部を拡散燃焼させてメイン燃焼を行うメイン燃焼部と、を備える内燃機関の制御装置。 - 前記プレ燃焼部が第2プレ燃焼部であり、前記プレ燃焼が第2プレ燃焼であって、
圧縮行程中に前記筒内噴射弁によってプレ噴射を実行するとともに該プレ噴射によって形成されるプレ噴霧に対し前記点火装置によって点火を行うことで該プレ噴射によって噴射された燃料の一部を燃焼させて第1プレ燃焼を行う第1プレ燃焼部をさらに備え、
内燃機関の機関負荷が所定負荷以下の運転領域では、前記第1プレ燃焼部が前記第1プレ燃焼を行い、
内燃機関の機関負荷が前記所定負荷より高い運転領域では、前記第2プレ燃焼部が前記第2プレ燃焼を行い、
前記メイン燃焼部が、前記第1プレ燃焼または前記第2プレ燃焼の発生後であり且つ圧縮行程上死点前の時期であって、前記第1プレ燃焼または前記第2プレ燃焼によって生じた火炎を起点として噴射燃料の燃焼が開始されるように設定されたメイン噴射時期に前記筒内噴射弁によるメイン噴射の実行を開始することで、前記メイン燃焼を行う請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014238943A JP2016098794A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014238943A JP2016098794A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016098794A true JP2016098794A (ja) | 2016-05-30 |
Family
ID=56076634
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2014238943A Pending JP2016098794A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | 内燃機関の制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2016098794A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11834983B2 (en) | 2019-07-15 | 2023-12-05 | The Research Foundation For The State University Of New York | Method for control of advanced combustion through split direct injection of high heat of vaporization fuel or water fuel mixtures |
-
2014
- 2014-11-26 JP JP2014238943A patent/JP2016098794A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11834983B2 (en) | 2019-07-15 | 2023-12-05 | The Research Foundation For The State University Of New York | Method for control of advanced combustion through split direct injection of high heat of vaporization fuel or water fuel mixtures |
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