JP2016100290A - X線発生装置及びそれを用いたx線撮影システム - Google Patents
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Abstract
【課題】X線発生管の周囲に設けられる絶縁性容器に開閉可能な構造を付与すると共に、この構造を付与した際に生じる耐電圧特性の低下を防止できるようにするX線発生を提供する。
【解決手段】X線発生管21を収納する絶縁性容器2と、前記絶縁性容器2を収納する収納容器6と、前記絶縁性容器2と収納容器6の中を満たす絶縁性液体16とを備えたX線発生装置1において、絶縁性容器2が、容器本体3と、容器本体3に開放可能に嵌め合わされた蓋体4と、絶縁性容器2の内外を連通する連通孔5とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】X線発生管21を収納する絶縁性容器2と、前記絶縁性容器2を収納する収納容器6と、前記絶縁性容器2と収納容器6の中を満たす絶縁性液体16とを備えたX線発生装置1において、絶縁性容器2が、容器本体3と、容器本体3に開放可能に嵌め合わされた蓋体4と、絶縁性容器2の内外を連通する連通孔5とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば医療機器、非破壊検査装置等に適用できるX線発生管を備えた放射線発生装置とX線撮影システムに関する。
X線発生管は、陰極、陽極及び管状の絶縁管からなる真空管であって、陰極と接続された電子放出源から放出された電子を、管電圧で加速し、陽極に設けられた金属ターゲットに照射して、X線を発生させるものである。このようなX線発生管は、絶縁油で満たされた金属製の収納容器内に封入されてX線発生装置を構成するが、X線発生管と、接地電位に規定される収納容器との間で放電し、耐圧不良となる恐れがある。特許文献1には、収納容器の内側に、絶縁スリーブと絶縁カップで構成されたコップ状の絶縁性容器を配置し、絶縁油と共にX線発生管をこの絶縁容器内に収容しておくことで、X線発生管と収納容器との間で生じる放電を抑制する構造が開示されている。
ところで、X線発生装置においては、内部のX線発生管の交換等のメンテナンスを行う場合がある。しかし、特許文献1に開示される絶縁性容器は、容易に開閉できる構成とはなっていないため、メンテナンスが困難であった。絶縁性容器を分割して開閉可能とすることもできるが、分割容器間の継ぎ目に微小な隙間を生じることになる。高電界下において、この絶縁性容器の継ぎ目の微小な隙間は、X線発生管と、その外側の収納容器との間での放電の原因となる恐れがあった。
本発明は、X線発生装置において、X線発生管の周囲に設けられる絶縁性容器に開閉可能な構造を付与すると共に、このような構造を付与した際に生じる耐電圧特性の低下を抑制しできるようにすることを目的とする。更に、係るX線発生装置を用いたX線撮影システムを提供するものである。
本発明は、上記目的のために、X線発生管を収納する絶縁性容器と、前記絶縁性容器を収納する収納容器と、前記絶縁性容器と収納容器の中を満たす絶縁性液体とを備えたX線発生装置において、
前記絶縁性容器が、容器本体と、前記容器本体に開放可能に嵌め合わされた蓋体と、前記絶縁性容器の内外を連通する連通孔とを備えていることを特徴とするX線発生装置を提供するものである。
前記絶縁性容器が、容器本体と、前記容器本体に開放可能に嵌め合わされた蓋体と、前記絶縁性容器の内外を連通する連通孔とを備えていることを特徴とするX線発生装置を提供するものである。
また、本発明は、上記X線発生装置と、前記X線発生装置から放出され、被検体を透過したX線を検出するX線検出装置と、前記X線発生装置と前記X線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とするX線撮影システムを提供するものでもある。
本発明における絶縁性容器は、容器本体に蓋体を開放可能に嵌め合せることで構成されている。容器本体と蓋体との間には、蓋体を開放可能とするために、密閉接合されていない継ぎ目を生じる。本発明においては、容器本体と蓋体との嵌め合わせ長さに応じた長さの継ぎ目を有するものとなるので、継ぎ目を介した沿面放電を抑制することができる。
一方、絶縁性容器内を絶縁性液体で満たした状態に組み上げるためには、容器本体と蓋体を絶縁性液体に沈めた状態で、容器本体に蓋体を嵌め合せるのが効率的である。しかし、このようにして容器本体に蓋体を嵌め合せた場合、それぞれの内部を満たしている絶縁性液体が閉じ込められた状態となって、内容積変化を伴う嵌め合せ作業が困難になる。また、内部が絶縁性液体で満たされた状態で上記嵌め合わせを解除して容器本体を開放する作業も困難となる。本発明においては、容器本体と蓋体の少なくとも一方が連通孔を有しているので、容器本体への蓋体の嵌め合せ時及び容器本体の開放時にこの連通孔から絶縁性液体を流入出させることができる。従って、本発明においては、容器本体への蓋体の嵌め合せやこの嵌め合せの解除を伴う容器本体の開放が妨げられることがない。また、連通孔は、形成位置の選択自由度が高いので、X線発生管の陽極・陰極のうち少なくとも非接地側の極に対する距離を確保して連通孔を設けることで、連通孔を介しての放電を抑制することができる。
本発明によれば、絶縁性容器に開閉可能な構造を付与するために、絶縁性容器を容器本体と蓋体で構成し、容器本体に蓋体を開放可能に嵌め合せており、嵌め合せ長さによって高い耐電圧特性を維持できるようにしている。また、嵌め合せを採用したことにより生じる、蓋体開閉時の絶縁性容器の内容積変化に伴う問題を、絶縁性容器の一部に連通孔を設け、絶縁性液体の出入りを可能とすることで解決している。これらにより、高い耐電圧特性を維持したまま、メンテナンスが容易なX線発生装置を提供することができる。さらに、本発明では係るX線発生装置を用いて、信頼性の高いX線撮影システムを提供することができる。
以下、図面を参照し、本発明のX線発生装置について好適な実施形態を挙げて説明する。但し、本発明は係る実施形態に限定されるものではない。また、係る実施形態に記載されていない事項については、公知の技術が好ましく適用される。なお、以下に参照する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
まず、図1(a)〜(e)に基づき、本発明のX線発生装置に用いる、X線発生管を内包した絶縁性容器の第1の実施形態を説明する。
図1に示されるように、基板10上へ取り付けられたX線発生管21が、余空間が絶縁性液体16で満たされた状態の絶縁性容器2の中に収納された構成となっている。
X線発生管21としては、反射型、透過型のいずれでも用いることができるが、本例では円筒形の透過型X線発生管を用いた構成となっている。一般にX線発生管21は、陰極15と陽極14との間に40kV乃至150kV程度の管電圧が印加され、電子放出源11から放出された電子を加速させて、陽極14の一部であるX線透過基板13上のターゲット12へ照射させることによりX線を発生させる。透過型X線発生管においては、電子線の照射面とは反対側から外部へX線が出射される。
絶縁性容器2は、容器本体3に蓋体4を開放可能に嵌め合わせたものとなっている。容器本体3は、底面部3aと、この底面部3aの周囲に立設された側壁3bとを有する、底面部3aの対向側が開放された箱形をなしている。また、蓋体4は、天面部4aと、この天面部4aの縁部に突出した突出壁4bとを有する、天面部4aの対向側が開放された箱形をなしている。容器本体3と蓋体4は、側壁3bと突出壁4bの先端が向き合う方向に向き合わされ、側壁3bの外側を突出壁4bが囲むように両者を近接させることで、容器本体3に蓋体4が嵌め合わされている。容器本体3と蓋体4は、嵌め合せを解除することで容器本体3を開放可能に嵌め合わされており、両者の継ぎ目は密閉された接合部とはなっていない。しかし、容器本体3と蓋体4との間の嵌め合せ長さ9を長くとることにより高い耐電圧特性を維持することができる。なお、本例においては、側壁3bの外側を突出壁4bが囲むように両者を近接させることで、容器本体3に蓋体4が嵌め合わされている。しかし、側壁3bの内側に突出壁4bが入り込んでその外側が側壁3bで囲まれるように両者を近接させることで、容器本体3に蓋体4を嵌め合わすようにしてもよい。
絶縁性容器2は、通常、容器本体3と蓋体4とを絶縁性液体16中に浸漬させた状態で嵌め合わせを行い、中が絶縁性液体16が満たされた状態で組み立てられる。この嵌め合せは、容器本体3に基板10を取り付け、X線発生管21を収納させた状態で行われる。また、内部に絶縁性液体16が満たされた状態から分解作業が行われる。本発明においては、組立と分解作業を可能とし、メンテナンス性を付与するために、上記嵌め合わせの採用と共に、容器本体3と蓋体4の少なくとも一方に、絶縁性容器2の内外を連通する連通孔5を設けている。図1(e)に示されるように、容器本体3と蓋体4とを、気泡を除去した絶縁性液体16中に浸漬させた状態で、蓋体4を白抜き矢印の方向に嵌め合せることで、絶縁性容器2の組み立てが行われる。この時、絶縁性容器2の中の絶縁性液体16が、連通孔5から、黒塗り矢印で示すように押し出されることで、滑らかな嵌め合せが可能となる。また、蓋体4が容器本体3へ最深部まで嵌め合わせられた状態からの開放を大気中で行う場合、連通孔5から内部へ空気が流入することで、滑らかな開放が可能である。絶縁性容器21に対して基板10を着脱可能とし、X線発生管21を、基板10ごと絶縁性容器2から着脱できるようにしておくと、一層メンテナンス性が向上する。
連通孔5は、連通孔5を介しての放電抑制のため、X線発生管21から離れた位置に設けることが好ましい。例えば、X線発生管21を絶縁性容器2の中央より一方に片寄せて設け、連通孔5は絶縁性容器の中央より他方に片寄った位置に形成することが好ましい。また、容器本体3と蓋体4を嵌め合せた状態において、連通孔5を容器本体3と蓋体4が重なり合っていない領域に設けると、連通孔5の形成作業がいずれか一方のみで済み、形成作業が容易となる。
本発明に係る絶縁性容器2(容器本体3及び蓋体4)の構成材料としては、電気的絶縁性、X線透過性、耐油性を備えた合成樹脂が好ましく用いられる。具体的には、アクリル樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、PEEK樹脂、ガラス繊維の入ったガラスエポキシ等が使用可能である。絶縁性容器2を構成する容器本体3及び蓋体4は、体積抵抗において、1E+6Ωm以上であることが好ましく1E+8Ωm以上であることがより一層好ましい。
X線発生管21を収容した絶縁性容器2は、例えば図2で説明する収納容器6内に、絶縁性容器2内及び収納容器6内の余空間が絶縁性液体16で満たされた状態で収納されてX線発生装置を構成する。絶縁性液体16は、電気絶縁性を有する液体で、収納容器6の内部の電気的絶縁性を維持する役割と、X線発生管21の冷却媒体としての役割とを有する。絶縁性液体16としては、電気絶縁性が高く、冷却能力の高いものが好ましい。また、熱やX線による変質の少ないものが好ましく、例えば鉱油、シリコーン油、パーフルオロ系オイル等の電気絶縁油を用いることが好ましい。絶縁性液体16は、体積抵抗において、1E+6Ωm以上であることが好ましく1E+8Ωm以上であることがより一層好ましい。
図2(a),(b)に基づき、本発明に係るX線発生装置の第1の実施形態を説明する。図2(a),(b)の縦断面位置は、図1(a)におけるB−Bに対応する。
図2(a)に示されるように、絶縁性容器2内には、X線発生管21、昇圧回路22、電源回路23が収納されている。このX線発生管21、昇圧回路22、電源回路23は、それぞれ基板10上に設けられている。また、絶縁性容器2は、導電性材料で構成された収納容器6内に収納されており、絶縁性容器2と収納容器6内の余空間は絶縁性液体16で満たされている。基板10を絶縁性容器2に対して着脱可能としておくと、メンテナンス性を向上させることができる。
収納容器6は、箱状の本体部7aと蓋部7bで構成されており、蓋部7bを例えばパッキングを介して本体部7aにネジ止めすること等により、収納容器6内を密封し、絶縁性液体16を漏洩させることなく完全に閉じ込めておくことが可能となっている。収納容器6は電気的に接地されており、内部に発生する高電圧が外部へ伝わることを防ぎ、安全を確保している。収納容器6を構成する導電性材料としては、例えば鉄、ステンレス、鉛、真鍮、銅等の金属の他、炭素繊維等の導電性材料を含有する導電性合成樹脂等も使用可能である。なお、収納容器6は、図示されていないが、X線発生管21のX線透過基板13と対向する位置にX線透過性材料で構成されたX線放出窓を有している。これは後述する他の例においても同様である。
本例における絶縁性容器2は、X線発生管21の他に昇圧回路22及び電源回路23を収納している他は図1で説明したものと同様で、同様の利益が得られるものである。図1で説明した例においては昇圧回路22及び電源回路23が設けられていないが、これらは絶縁性容器2及び収納容器6の外に設けることができる。
本例のX線発生装置の絶縁性容器2は、図2(b)に示されるように、絶縁性液体16に浸漬した状態で、容器本体3と蓋体4を、側壁3bと突出壁4bの先端が向き合う方向に嵌め合わすことで組み立てられる。この組み立ては、X線発生管21、昇圧回路22、電源回路23が設けられた基板10を容器本体3に取り付けた状態で、蓋体4を白抜き矢印で示す方向に嵌め合せることで行われる。容器本体3への蓋体4の嵌め合せ時に、絶縁性容器2内の絶縁性液体16が、連通孔5から黒塗り矢印で示されるように押し出されるので、滑らかに嵌め合せを行うことができる。組み立てられた絶縁性容器2を、絶縁性液体16に浸漬された状態のまま、絶縁性液体16に浸漬された収納容器6の本体部7aに収納する。そして、本体部7aにパッキングを介して蓋部7bを取り付けて収納容器6を密閉することで、X線発生装置1が組み立てられる。
図3(a),(b)に基づき、本発明のX線発生装置に用いる、X線発生管を内包した絶縁性容器の第2の実施形態を説明する。図3(a),(b)の縦断面位置は、図1(a)におけるB−Bに対応する。
本例の絶縁性容器2における連通孔5は、容器本体3の側壁3bの基部(底面部3a側の端部)に設けられている。このような位置に設けておくと、図3(b)に示すように、容器本体3と蓋体4を絶縁性液体16中に浸漬させた状態で、蓋体4を白抜き矢印の方向に嵌め合せる時に、黒抜き矢印のように絶縁性液体16を排出させることができる。これに加えて、最深部まで嵌め合せると、連通孔5を蓋体4の突出壁4bの先端部で覆って閉鎖することができる。図示される例においては、連通孔5は容器本体3の側壁3bの基部に設けられているが、蓋体4の突出壁4bの基部(天面部4a側の端部)に設けることもできる。この場合の連通孔5は、蓋体4を最深部まで嵌め合せた時に、容器本体3の側壁3bの先端部で覆って閉鎖することができる。
図4(a),(b)に基づき、本発明のX線発生装置に用いる、X線発生管を内包した絶縁性容器の第3の実施形態を説明する。図4(a),(b)の縦断面位置は、図1(a)におけるB−Bに対応する。
本例の絶縁性容器2においては、平面方形をなす容器本体3について、側壁3bの一部が不連続となって開放されており、この不連続部が連通孔5を構成している。このような不連続部を設けておくと、図4(b)に示すように、容器本体3と蓋体4を絶縁性液体16中に浸漬させた状態で、蓋体4を容器本体3に対して白抜き矢印の方向に嵌め合せる時に、黒抜き矢印のように絶縁性液体16を排出させることができる。これに加えて、最深部まで嵌め合せると、連通孔5を構成している不連続部全体が蓋体4の突出壁4bで覆われるので、連通孔5を閉鎖することができる。図示される例においては、容器本体3の側壁3bの一部を不連続としているが、蓋体4の突出壁4bの一部を不連続とすることもできる。蓋体4の突出壁4bの一部を不連続とすることによって形成される連通孔5は、容器本体3の側壁3bで覆うことで閉鎖可能である。側壁3b又は突出壁4bの一部を不連続とすることで連通孔5を形成すると、蓋体4の嵌め合せとその解除による開放時の抵抗を軽減することができ、より組み立てと開放が容易となる。また、連通孔5の位置から電源や制御のための電気配線を取り出しやすくなるため、設計の自由度を増すことができる。さらに、容器本体3と蓋体4を嵌め合せた状態において、側壁3bと突出壁4bの両者の互いに離間した領域を不連続とすることで、上記と同様にして閉鎖可能な連通孔5を側壁3b側と突出壁4b側とにそれぞれ設けることができる。
図3及び図4で説明した、X線発生管21を収容した絶縁性容器2は、例えば図2で説明した収納容器6内に、絶縁性容器2内及び収納容器6内の余空間が絶縁性液体16で満たされた状態で収納することでX線発生装置1を構成する。
図5に基づき、本発明に係るX線発生装置の第2の実施形態を説明する。図5の縦断面位置は、図1(a)におけるB−Bに対応する。
図5(a)に示されるように、本例のX線発生装置1においては、連通孔5が、絶縁性の栓8によって開閉可能となっている。その他の点は、図2で説明したX線発生装置1と同様である。栓8による連通孔5の閉鎖は、絶縁性液体16に浸漬した状態で容器本体3へ蓋体4を嵌め合せた後に行うことができる。このように構成すると、栓8を外した状態では絶縁性容器2の組み立てと開放が容易となり、栓8で連通孔5を閉鎖することで、連通孔5を介しての放電を抑制することができる。
上記第2の実施形態に係るX線発生装置1の分解は、図5に示す手順で行うことができる。図5(a)は分解前の状態であり、収納容器6により、絶縁性液体16は完全に密封された状態である。次に図5(b)のように収納容器6の本体部7と蓋部7bを分離して、中に収められている絶縁性容器2を取り出す。この際、栓8によって絶縁性容器2中の絶縁性液体16は密封されているため、漏洩させることなく作業を行うことができる。次に、図5(c)に示すように所定の位置まで絶縁性容器2を運び、栓8を外すことで、内部の絶縁性液体16を排出することが可能となる。その後図5(d)のように各部分の分解を行うことができる。このように栓8を設けることにより、不意な絶縁性液体16の飛散が低減され、メンテナンス時のハンドリングをより効率的に行うことができる。また、連通孔5は、栓8で開閉できるか否かに拘わらず、複数設けることもできる。連通孔5を複数有するものとすると、図5(b)のように連通孔5から絶縁性液体16を抜き取る時に、絶縁性液体16が流れ出易くすることができる。
図6に基づき、本発明に係るX線発生装置の第3の実施形態を説明する。図6の縦断面位置は、図1(a)におけるB−Bに対応する。
本例のX線発生装置1においては、連通孔5が蓋体4の天面部4aに設けられており、絶縁性容器2内の電源回路23等へ電力や制御信号を伝える電気ケーブル24の導入部を兼ねて設けられている。外部からの電気ケーブル24は、収納容器6に形成されたフィードスルー部25を通して内部へ導入され、絶縁性容器2に設けられた連通孔5を通して電源回路23へ接続されている。このように連通孔5を電気ケーブル24の導入部と兼用した構造とすることにより、内部の構造をより簡素化することができる。なお、本例において、連通孔5を介して絶縁性液体16が流動しやすいよう、基板10と蓋体4の天面部4aとの間には隙間が開けられている。
次に、図7に基づいて、本発明に係るX線撮影システムの一実施形態を説明する。
図7に示すように、本発明のX線発生装置1は、必要に応じてそのX線放出窓41部分に設けられた可動絞りユニット42を備えている。可動絞りユニット42は、放射線発生装置1から照射されるX線43の照射野の広さを調整する機能を有する。また、可動絞りユニット42として、X線43の照射野を可視光により模擬表示できる機能が付加されたものを用いることもできる。
システム制御装置202は、X線発生装置1とX線検出装置201とを連携制御する。昇圧回路22と電源回路23からなる駆動回路部分は、システム制御装置202による制御の下にX線発生管21に各種の制御信号を出力する。この制御信号により、X線発生装置1から放出されるX線43の放出状態が制御される。X線発生装置1から放出されたX線43は、被検体204を透過して検出器206で検出される。検出器206は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部205に出力する。信号処理部205は、システム制御装置202による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置202に出力する。システム制御装置202は、処理された画像信号に基づいて、表示装置203に画像を表示させるための表示信号を表示装置203に出力する。表示装置203は、表示信号に基づく画像を、被検体204の撮影画像としてスクリーンに表示する。なお、絶縁性容器2を構成する容器本体3と蓋体4との間の間隙を通過する絶縁性液体16の流動性に関わる開閉状態を変更可能な範囲において、容器本体3と蓋体4との間に不図示の連結部を有する形態も本願発明の態様に含まれる。連結部としては、紐、テープ、蛇腹、ヒンジ等の可橈性部材、および、蝶番、チェーン等の結合部材が含まれる。連結部は、容器本体3と蓋体4の少なくとも一方から連続な部材で構成されている形態も本願発明に含まれる。
本X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や手荷物検査、人体や動物の病理診断に用いることができる。
(実施例1)
本発明を用いた実施例を図2を用いて説明する。本実施例のX線発生装置1は、以下のような構成である。
本発明を用いた実施例を図2を用いて説明する。本実施例のX線発生装置1は、以下のような構成である。
X線発生管21は、内部が不図示のゲッター剤により真空に保たれている。陰極15及び陽極14はFe−Ni−Co合金であり、陰極15及び陽極14を隔てる胴部はアルミナであり、ろう付けにより陰極15及び陽極14に気密接合されている。X線発生管21の内部に設けられた電子放出源11として含浸型カソードを用いた。陽極14のターゲット12はタングステン膜であり、X線透過基板13であるダイヤモンド基板上に成膜されている。
昇圧回路22は、コッククロフト・ウォルトン回路であり、両極で+50kV、−50kVにまで昇圧した陽極電位、陰極電位を規定、X線発生管21の両極へ管電圧を印加する。電源回路23は、不図示のトランスにより昇圧した交流をコッククロフト・ウォルトン回路へ供給するとともに、不図示の絶縁トランスを介してX線発生管21が有する電子銃を制御可能なようにかかる電子銃に給電を行っている。X線発生管21、昇圧回路22、電源回路23は、ガラスエポキシからなる基板10上へ固定されている。
収納容器6は真鍮製であり、不図示のニトリルゴムパッキンを介してねじ止めされて封止され、直方体の外容器を形成している。絶縁性容器2は、厚さ2mmのガラスエポキシからなる直方体である。本発明の特徴である連通孔5は、直径5mmの丸穴として、2ヶ所にドリル加工により設けた。連通孔5を複数とすることで分解作業中の内部の絶縁油の排出をよりスムーズに行うことができる。絶縁性容器2を構成する容器本体3と蓋体4の各面の角部をエポキシ接着剤により接着し、それぞれ箱形の容器形状に成形した。絶縁性液体16としては、絶縁油A(JX日鉱日石エネルギー製)を真空脱泡、加熱脱水したものを用いた。以下絶縁性液体16の注入作業を説明する。
容器本体3と、内部に、基板10上に固定されたX線発生管21、昇圧回路22、電源回路23を設けた蓋体4とを、分離された状態で、真空排気できる減圧室内へ設置し、減圧室内部を真空排気した。次に減圧室内へ絶縁性液体16を注入し、全ての部材を絶縁性液体16中に浸漬した。これは微小な気泡がX線発生管21、昇圧回路22、電源回路23等の細部に取り残されることを防ぐためである。その後大気圧に戻した後、空気の混入を防ぐため、各部材を絶縁油に浸漬した状態で、容器本体3に蓋体4を嵌め合わせ、絶縁性容器2を組み立てた。この組立作業において、本発明による連通孔5により、容器本体3及び蓋体4内の絶縁性液体16がスムーズに外部へ排出されるため、極めて効率よく組立作業を行うことができた。なお、本実施例で用いた部材の25℃、湿度35%における体積抵抗は、容器本体3、蓋体4、エポキシ接着剤、絶縁性液体16の順に、3E10Ωm、3E10Ωm、4E10Ωm、2E11Ωmであった。
(実施例2)
図5を用いて本発明の第2の実施例を説明する。部材等の構成は、実施例1と同等とした。実施例1で使用した容器本体3の連通孔5を円形とし、連通孔5の内壁にねじ溝加工を施した。また、栓8を連通孔5に対応したねじ構造とし、リング状のシール材を根元部に取り付けた。このような構成にすることにより、実施例1における減圧容器内での注油、組立後に連通孔部5を完全に封止することができた。これにより絶縁性容器3中に絶縁性液体16を満たした状態で別の作業場所へ移動させることが容易にできるようになるため、電気ケーブルの接続などの付随作業をより容易に行うことが可能となり、更にメンテナンス性が向上した。
図5を用いて本発明の第2の実施例を説明する。部材等の構成は、実施例1と同等とした。実施例1で使用した容器本体3の連通孔5を円形とし、連通孔5の内壁にねじ溝加工を施した。また、栓8を連通孔5に対応したねじ構造とし、リング状のシール材を根元部に取り付けた。このような構成にすることにより、実施例1における減圧容器内での注油、組立後に連通孔部5を完全に封止することができた。これにより絶縁性容器3中に絶縁性液体16を満たした状態で別の作業場所へ移動させることが容易にできるようになるため、電気ケーブルの接続などの付随作業をより容易に行うことが可能となり、更にメンテナンス性が向上した。
(実施例3)
本発明を用いた第3の実施例を図4を用いて説明する。部材等の構成は、実施例1と同等とした。実施例1で使用した容器本体3の形状を、直方体の形状で、その側壁3bの一部を不連続として開放した形状とした。高電圧部位であるX線発生管21から十分な絶縁距離を有する部位においては、容器本体3と蓋体4の嵌め合わせ構造を設けなくとも絶縁性を確保することが可能であり、上記不連続部により連通孔5を形成することができる。この連通孔5は、嵌め合せの途中段階では開放されているが、嵌め合せの最終段階では蓋体4の突出壁4bで覆われて、実質的に閉鎖することができる。このような構成で作製したX線発生装置1の内部のX線発生管21の両極へ±60kVを印加してX線を発生させた状態においても、連通孔5の部分を通しての絶縁破壊が生じることは無かった。
本発明を用いた第3の実施例を図4を用いて説明する。部材等の構成は、実施例1と同等とした。実施例1で使用した容器本体3の形状を、直方体の形状で、その側壁3bの一部を不連続として開放した形状とした。高電圧部位であるX線発生管21から十分な絶縁距離を有する部位においては、容器本体3と蓋体4の嵌め合わせ構造を設けなくとも絶縁性を確保することが可能であり、上記不連続部により連通孔5を形成することができる。この連通孔5は、嵌め合せの途中段階では開放されているが、嵌め合せの最終段階では蓋体4の突出壁4bで覆われて、実質的に閉鎖することができる。このような構成で作製したX線発生装置1の内部のX線発生管21の両極へ±60kVを印加してX線を発生させた状態においても、連通孔5の部分を通しての絶縁破壊が生じることは無かった。
1:X線発生装置、2:絶縁性容器、3:容器本体、3a:底面部、3b:側壁、4:蓋体、4a:天面部、4b:突出壁、5:連通孔、6:収納容器、7a:本体部、7b:蓋部、8:栓、9:嵌め合せ長さ、10:基板、11:電子放出源、12:ターゲット、13:X線透過基板、14:陽極、15:陰極、16:絶縁性液体21:X線発生管、22:昇圧回路、23:電源回路、24:電気ケーブル、25:フィードスルー、40:駆動回路(高圧発生部)、43:X線、201:X線検出装置、202:システム制御装置、204:被検体
Claims (14)
- X線発生管を収納する絶縁性容器と、前記絶縁性容器を収納する収納容器と、前記絶縁性容器と収納容器の中を満たす絶縁性液体とを備えたX線発生装置において、
前記絶縁性容器が、容器本体と、前記容器本体に開放可能に嵌め合わされた蓋体と、前記絶縁性容器の内外を連通する連通孔とを備えていることを特徴とするX線発生装置。 - 前記容器本体の側壁の内側又は外側に、前記蓋体の縁部に突出した突出壁が嵌め合わされていることを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
- 前記連通孔は、前記側壁と前記突出壁の一方を不連続とすることで設けられていることを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置。
- 前記連通孔は、前記側壁と前記突出壁の少なくとも一方の基部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置。
- 前記連通孔は、前記容器本体と前記蓋体を嵌め合せた状態において、前記側壁と前記突出壁とが重なり合っていない領域に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置。
- 前記連通孔は、前記容器本体と前記蓋体を嵌め合せた状態において、前記側壁と前記突出壁の両者の互いに離間した領域を不連続とすることで設けられていることを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置。
- 前記連通孔を複数有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のX線発生装置。
- 前記連通孔が、外部からの電気配線の導入部を兼ねていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のX線発生装置。
- 前記連通孔は、開閉可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のX線発生装置。
- 前記連通孔の開閉が、絶縁性の栓によるものであることを特徴とする請求項9に記載のX線発生装置。
- 前記X線発生管が、前記絶縁性容器に対して着脱可能な基板上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のX線発生装置。
- 前記絶縁性容器に、X線発生管と共に昇圧回路、電源回路が内包されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のX線発生装置。
- 前記X線発生管、前記昇圧回路、前記電源回路が前記基板上に設けられていることを特徴とする請求項11に記載のX線発生装置。
- 請求項1乃至13のいずれか1項に記載のX線発生装置と、前記X線発生装置から放出され、被検体を透過したX線を検出するX線検出装置と、前記X線発生装置と前記X線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とするX線撮影システム。
Priority Applications (1)
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| JP2014238310A JP2016100290A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | X線発生装置及びそれを用いたx線撮影システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014238310A JP2016100290A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | X線発生装置及びそれを用いたx線撮影システム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016100290A true JP2016100290A (ja) | 2016-05-30 |
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2014238310A Pending JP2016100290A (ja) | 2014-11-26 | 2014-11-26 | X線発生装置及びそれを用いたx線撮影システム |
Country Status (1)
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-
2014
- 2014-11-26 JP JP2014238310A patent/JP2016100290A/ja active Pending
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