JP2016102737A - 電子デバイス、物理量センサー、圧力センサー、振動子、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

電子デバイス、物理量センサー、圧力センサー、振動子、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた信頼性を有する電子デバイスおよび物理量センサーを提供すること、また、かかる電子デバイスを備える圧力センサー、振動子、高度計、電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】本発明の物理量センサー1は、基板2と、基板2の一方の面側に配置されているピエゾ抵抗素子5と、基板2の一方の面側に基板2の平面視でピエゾ抵抗素子5を囲んで配置されている壁部と、壁部に対して基板2とは反対側に配置されていて空洞部Sを壁部とともに構成している天井部と、を備え、天井部は、厚さ方向に貫通している細孔642を有する被覆層641と、被覆層641の基板2とは反対側に積層されて細孔642を塞いでいて、平面視で被覆層641との接触部661の外周縁662の少なくとも一部が空洞部Sよりも外側にある封止層66と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子デバイス、物理量センサー、圧力センサー、高度計、振動子、電子機器および移動体に関するものである。
半導体製造プロセスを用いて形成された空洞部を有する電子デバイスが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような電子デバイスの一例としては、例えば、特許文献1に係る電子装置が挙げられる。この電子装置は、特許文献1に記載されているように、基板と、基板上に形成された機能素子を構成する機能構造体と、機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆構造と、を備え、被覆構造が、空洞部の周囲を取り巻くように基板上に形成された層間絶縁膜と配線層の積層構造を含み、被覆構造のうち空洞部を上方から覆う上方被覆部が、空洞部に臨む貫通孔を備えた第1被覆層と、第1被覆層の貫通孔を閉鎖する第2被覆層と、を有する。
ここで、第1被覆層上には、第1被覆層の貫通孔が形成されている領域を露出させる開口部を有する保護膜が形成され、その保護膜の開口部を覆うように第2被覆層が設けられている。
しかし、特許文献1に係る電子装置では、保護膜により第1被覆層上に形成される段差が平面視で空洞部に重なる位置にあるため、熱収縮等により上方被覆部に外力が加わったときに、その段差部分に応力が集中し、上方被覆部に亀裂等の損傷が生じ、その結果、空洞部の気密性が低下してしまうという問題があった。
特開2008−114354号公報
本発明の目的は、優れた信頼性を有する電子デバイスおよび物理量センサーを提供すること、また、かかる電子デバイスを備える圧力センサー、振動子、高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
[適用例1]
本発明の電子デバイスは、基板と、
前記基板の一方の面側に配置されている機能素子と、
前記基板の前記一方の面側に前記基板の平面視で前記機能素子を囲んで配置されている壁部と、
前記壁部に対して前記基板とは反対側に配置されていて内部空間を前記壁部とともに構成している天井部と、
を備え、
前記天井部は、
貫通孔を有する第1層と、
前記第1層に対して前記基板とは反対側に積層されて前記貫通孔の開口部を塞いでいて、平面視で前記第1層との接触部の外周縁の少なくとも一部が前記内部空間よりも外側にある第2層と、
を有することを特徴とする。
このような電子デバイスによれば、第1層上の第1層と第2層との接触部よりも外側に保護膜(絶縁層)を形成した際、その保護膜により第1層上に形成される段差部を比較的剛性の高い壁部上に配置することができる。したがって、熱収縮等により天井部に外力が加わったとき、かかる段差部に応力が集中するのを緩和し、天井部の亀裂等の損傷を低減することができる。その結果、内部空間の気密性低下による特性悪化を低減し、信頼性を向上させることができる。
[適用例2]
本発明の電子デバイスでは、前記第1層の外周部と前記第2層の外周部との間に配置されている部分を有する絶縁層を備えることが好ましい。
これにより、電子デバイスの製造時において第1層の貫通孔を通じてエッチングを行う際等に、絶縁層を保護膜として用いることができる。また、このような絶縁層により第1層上に段差部が形成される。そして、その段差部を跨るように第2層を形成したとき、従来のように平面視で段差部の外周縁が内部空間の内側にあると、第2層の段差部を跨る部分において特に応力集中が生じやすい。したがって、このような場合において、本発明を適用すると、その効果が顕著となる。
[適用例3]
本発明の電子デバイスでは、前記天井部は、
前記壁部に含まれる第1材料と、
前記第1材料よりも熱膨張率の小さい第2材料と、
を有することが好ましい。
これにより、天井部の気密性を優れたものとするとともに、天井部の熱膨張による撓みを低減することができる。
[適用例4]
本発明の電子デバイスでは、前記壁部の前記天井部側の端部の内周縁が角部を有しており、
平面視で前記接触部の外周縁の少なくとも前記角部に対応する部分が前記内部空間よりも外側に配置されていることが好ましい。
壁部の天井部側の端部の内周縁が角部を有する場合、従来のように平面視で段差部の外周縁が内部空間の内側にあると、その角部に対応する天井部の部分において特に応力が集中しやすい。したがって、このような場合において、本発明を適用すると、その効果が顕著となる。
[適用例5]
本発明の電子デバイスでは、前記基板は、平面視で前記天井部と重なる位置に設けられていて、受圧により撓み変形するダイヤフラム部を有し、
前記機能素子は、歪みにより電気信号を出力するセンサー素子であることが好ましい。
これにより、圧力を検出可能な電子デバイス(物理量センサー)を実現することができる。
[適用例6]
本発明の物理量センサーは、受圧により撓み変形するダイヤフラム部を有する基板と、
前記ダイヤフラム部の一方の面側に配置されているセンサー素子と、
前記基板の前記一方の面側に前記基板の平面視で前記センサー素子を囲んで配置されている壁部と、
前記壁部に対して前記基板とは反対側に配置されていて内部空間を前記壁部とともに構成している天井部と、
を備え、
前記天井部は、
貫通孔を有する第1層と、
前記第1層の前記基板とは反対側に積層されて前記貫通孔の開口部を塞いでいて、平面視で前記第1層との接触部の外周縁の少なくとも一部が前記内部空間よりも外側にある第2層と、
を有する。
このような物理量センサーによれば、第1層上の第1層と第2層との接触部よりも外側に保護膜(絶縁層)を形成した際、その保護膜により第1層上に形成される段差部を比較的剛性の高い壁部上に配置することができる。したがって、熱収縮等により天井部に外力が加わったとき、かかる段差部に応力が集中するのを緩和し、天井部の亀裂等の損傷を低減することができる。その結果、内部空間の気密性低下による特性悪化を低減し、信頼性を向上させることができる。
[適用例7]
本発明の圧力センサーは、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する圧力センサーを提供することができる。
[適用例8]
本発明の振動子は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する振動子を提供することができる。
[適用例9]
本発明の高度計は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する高度計を提供することができる。
[適用例10]
本発明の電子機器は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子デバイスを備える電子機器を提供することができる。
[適用例11]
本発明の移動体は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子デバイスを備える移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る電子デバイス(物理量センサー)を示す断面図である。 図1に示す物理量センサーのピエゾ抵抗素子(センサー素子)および保護膜(絶縁層)の配置を示す平面図である。 図1に示す物理量センサーの作用を説明するための図であって、(a)は加圧状態を示す断面図、(b)は加圧状態を示す平面図である。 図1に示す物理量センサーの部分拡大断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電子デバイス(振動子)を示す断面図である。 図7に示す振動子が備える共振子を説明するための図であって、(a)は、断面図、(b)は、平面図である。 本発明の圧力センサーの一例を示す断面図である。 本発明の高度計の一例を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例を示す正面図である。 本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の電子デバイス、物理量センサー、圧力センサー、振動子、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す各実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.物理量センサー
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーを示す断面図、図2は、図1に示す物理量センサーのピエゾ抵抗素子(センサー素子)および保護膜(絶縁層)の配置を示す平面図である。図3は、図1に示す物理量センサーの作用を説明するための図であって、図3(a)は加圧状態を示す断面図、図3(b)は加圧状態を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」という。
図1に示す物理量センサー1は、ダイヤフラム部20を有する基板2と、ダイヤフラム部20に配置されている機能素子である複数のピエゾ抵抗素子5(センサー素子)と、基板2とともに空洞部S(圧力基準室)を形成している積層構造体6と、基板2と積層構造体6との間に配置されている中間層3と、を備えている。
以下、物理量センサー1を構成する各部を順次説明する。
−基板−
基板2は、半導体基板21と、半導体基板21の一方の面上に設けられた絶縁膜22と、絶縁膜22の半導体基板21とは反対側の面上に設けられた絶縁膜23と、を有している。
半導体基板21は、単結晶シリコンで構成されているシリコン層211(ハンドル層)と、シリコン酸化膜で構成されている酸化シリコン層212(ボックス層)と、単結晶シリコンで構成されているシリコン層213(デバイス層)とがこの順で積層されたSOI基板である。なお、半導体基板21は、SOI基板に限定されず、例えば、単結晶シリコン基板等の他の半導体基板であってもよい。
絶縁膜22は、例えば、シリコン酸化膜であり、絶縁性を有する。また、絶縁膜23は、例えば、シリコン窒化膜であり、絶縁性を有するとともに、フッ酸を含むエッチング液に対する耐性をも有する。ここで、半導体基板21(シリコン層213)と絶縁膜23(シリコン窒化膜)との間に絶縁膜22(シリコン酸化膜)が介在していることにより、絶縁膜23の成膜時に生じた応力が半導体基板21に伝わるのを絶縁膜22により緩和することができる。また、絶縁膜22は、半導体基板21およびその上方に半導体回路を形成する場合、素子間分離膜として用いることもできる。なお、絶縁膜22、23は、前述した構成材料に限定されず、また、必要に応じて、絶縁膜22、23のうちのいずれか一方を省略してもよい。
このような基板2の絶縁膜23上には、パターニングされた中間層3が配置されている。この中間層3は、平面視でダイヤフラム部20の周囲を囲むように形成されており、中間層3の上面と基板2の上面との間であって、ダイヤフラム部20の中心側(内側)に中間層3の厚さ分の段差部を形成する。これにより、ダイヤフラム部20が受圧により撓み変形したとき、ダイヤフラム部20の段差部との間の境界部分に応力を集中させることができる。そのため、かかる境界部分(またはその付近)にピエゾ抵抗素子5を配置することにより、検出感度を向上させることができる。
この中間層3は、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン(ポリシリコン)またはアモルファスシリコンで構成されている。また、中間層3は、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン(ポリシリコン)またはアモルファスシリコンにリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)して構成されていてもよい。この場合、中間層3は、導電性を有するため、例えば、空洞部Sの外側において基板2上にMOSトランジスタを形成する場合、中間層3の一部をMOSトランジスタのゲート電極として用いることができる。また、中間層3の一部を配線として用いることもできる。
このような基板2には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイヤフラム部20が設けられている。ダイヤフラム部20は、半導体基板21の下面に有底の凹部24を設けることで形成されている。すなわち、ダイヤフラム部20は、基板2の一方の面に開口している凹部24の底部を含んで構成されている。このダイヤフラム部20は、その下面が受圧面25となっている。本実施形態では、図2に示すように、ダイヤフラム部20は、正方形(矩形)の平面視形状である。
本実施形態の基板2では、凹部24がシリコン層211を貫通しており、ダイヤフラム部20が酸化シリコン層212、シリコン層213、絶縁膜22および絶縁膜23の4層で構成されている。ここで、酸化シリコン層212は、後述するように、物理量センサー1の製造工程において凹部24をエッチングにより形成する際にエッチングストップ層として利用することができ、ダイヤフラム部20の厚さの製品ごとのバラツキを少なくすることができる。
なお、凹部24がシリコン層211を貫通せず、ダイヤフラム部20がシリコン層211の薄肉部、酸化シリコン層212、シリコン層213、絶縁膜22および絶縁膜23の5層で構成されていてもよい。
−ピエゾ抵抗素子(機能素子)−
複数のピエゾ抵抗素子5は、図1に示すように、それぞれ、ダイヤフラム部20の空洞部S側に形成されている。ここで、ピエゾ抵抗素子5は、半導体基板21のシリコン層213に形成されている。
図2に示すように、複数のピエゾ抵抗素子5は、ダイヤフラム部20の外周部に配置されている複数のピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dで構成されている。
基板2の厚さ方向から見た平面視(以下、単に「平面視」という)で四角形をなすダイヤフラム部20の4つの辺にそれぞれ対応して、ピエゾ抵抗素子5a、ピエゾ抵抗素子5b、ピエゾ抵抗素子5c、ピエゾ抵抗素子5dが配置されている。
ピエゾ抵抗素子5aは、ダイヤフラム部20の対応する辺に対して垂直な方向に沿って延びている。そして、ピエゾ抵抗素子5aの両端部には、1対の配線214aが電気的に接続されている。同様に、ピエゾ抵抗素子5bは、ダイヤフラム部20の対応する辺に対して垂直な方向に沿って延びている。そして、ピエゾ抵抗素子5bの両端部には、1対の配線214bが電気的に接続されている。
一方、ピエゾ抵抗素子5cは、ダイヤフラム部20の対応する辺に対して平行な方向に沿って延びている。そして、ピエゾ抵抗素子5cの両端部には、1対の配線214cが電気的に接続されている。同様に、ピエゾ抵抗素子5dは、ダイヤフラム部20の対応する辺に対して平行な方向に沿って延びている。そして、ピエゾ抵抗素子5dの両端部には、1対の配線214dが電気的に接続されている。
なお、以下では、配線214a、214b、214c、214dをまとめて「配線214」ともいう。
このようなピエゾ抵抗素子5および配線214は、それぞれ、例えば、リン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)したシリコン(単結晶シリコン)で構成されている。ここで、配線214における不純物のドープ濃度は、ピエゾ抵抗素子5における不純物のドープ濃度よりも高い。なお、配線214は、金属で構成されていてもよい。
また、複数のピエゾ抵抗素子5は、例えば、自然状態における抵抗値が互いに等しくなるように構成されている。
以上説明したようなピエゾ抵抗素子5は、配線214等を介して、ブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。このブリッジ回路には、駆動電圧を供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、このブリッジ回路では、ピエゾ抵抗素子5の抵抗値に応じた信号(電圧)として出力される。
−積層構造体−
積層構造体6は、前述した基板2との間に空洞部Sを画成するように形成されている。ここで、積層構造体6は、ダイヤフラム部20のピエゾ抵抗素子5側に配置されていてダイヤフラム部20(または基板2)とともに空洞部S(内部空間)を区画形成(構成)している。
この積層構造体6は、基板2上に平面視でピエゾ抵抗素子5を取り囲むように形成された層間絶縁膜61と、層間絶縁膜61上に形成された配線層62と、配線層62および層間絶縁膜61上に形成された層間絶縁膜63と、層間絶縁膜63上に形成され、複数の細孔642(開孔)を備えた被覆層641を有する配線層64と、配線層64および層間絶縁膜63上に形成された表面保護膜65と、被覆層641上に設けられた封止層66とを有している。
層間絶縁膜61、63は、それぞれ、例えば、シリコン酸化膜で構成されている。また、配線層62、64および封止層66は、それぞれ、アルミニウム等の金属で構成されている。また、封止層66は、被覆層641が有する細孔642を封止している。また、表面保護膜65は、例えば、シリコン窒化膜である。
このような積層構造体6において、被覆層641を除く配線層62および配線層64からなる構造体は、基板2の一方の面側に平面視でピエゾ抵抗素子5を囲んで配置されている「壁部」を構成している。また、被覆層641および封止層66からなる構造体は、この壁部に対して基板2とは反対側に配置されていて空洞部S(内部空間)を壁部とともに構成している「天井部」を構成している。また、被覆層641は、厚さ方向に貫通している貫通孔である細孔642を有する「第1層」を構成し、また、封止層66は、被覆層641の基板2とは反対側に積層されて細孔642の開口部を塞いでいる「第2層」を構成している。そして、封止層66は、平面視で被覆層641との接触部661の外周縁662が空洞部Sよりも外側にある。なお、壁部、天井部およびこれらに関連する事項については、後に詳述する。
また、このような積層構造体6は、CMOSプロセスのような半導体製造プロセスを用いて形成することができる。なお、シリコン層213上およびその上方には、半導体回路が作り込まれていてもよい。この半導体回路は、MOSトランジスタ等の能動素子、その他必要に応じて形成されたコンデンサ、インダクタ、抵抗、ダイオード、配線(ピエゾ抵抗素子5に接続されている配線を含む)等の回路要素を有している。
基板2と積層構造体6とによって画成された空洞部Sは、密閉された空間である。この空洞部Sは、物理量センサー1が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。本実施形態では、空洞部Sが真空状態(300Pa以下)となっている。空洞部Sを真空状態とすることによって、物理量センサー1を、真空状態を基準として圧力を検出する「絶対圧センサー」として用いることができ、その利便性が向上する。
ただし、空洞部Sは、真空状態でなくてもよく、大気圧であってもよいし、大気圧よりも気圧が低い減圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が高い加圧状態であってもよい。また、空洞部Sには、窒素ガス、希ガス等の不活性ガスが封入されていてもよい。
以上、物理量センサー1の構成について簡単に説明した。
このような構成の物理量センサー1は、図3(a)に示すように、ダイヤフラム部20の受圧面25が受ける圧力Pに応じて、ダイヤフラム部20が変形し、これにより、図3(b)に示すように、ピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dが歪み、ピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dの抵抗値が変化する。それに伴って、ピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dが構成するブリッジ回路の出力が変化し、その出力に基づいて、受圧面25で受けた圧力の大きさを求めることができる。
より具体的に説明すると、前述したようなダイヤフラム部20の変形が生じる前の自然状態では、例えば、ピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dの抵抗値が互いに等しい場合、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値の積とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値の積とが等しく、ブリッジ回路の出力(電位差)はゼロとなる。
一方、前述したようなダイヤフラム部20の変形が生じると、図3(b)に示すように、ピエゾ抵抗素子5a、5bにその長手方向に沿った圧縮歪みおよび幅方向に沿った引張歪みが生じるとともに、ピエゾ抵抗素子5c、5dにその長手方向に沿った引張歪みおよびその幅方向に沿った圧縮歪みが生じる。したがって、前述したようなダイヤフラム部20の変形が生じたとき、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値とのうち、一方の抵抗値が増加し、他方の抵抗値が減少する。
このようなピエゾ抵抗素子5a、5b、5c、5dの歪みにより、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値の積とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値の積との差が生じ、その差に応じた出力(電位差)がブリッジ回路から出力される。このブリッジ回路からの出力に基づいて、受圧面25で受けた圧力の大きさ(絶対圧)を求めることができる。
ここで、前述したようなダイヤフラム部20の変形が生じたとき、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値とのうち、一方の抵抗値が増加し、他方の抵抗値が減少するため、ピエゾ抵抗素子5a、5bの抵抗値の積とピエゾ抵抗素子5c、5dの抵抗値の積との差の変化を大きくすることができ、それに伴って、ブリッジ回路からの出力を大きくすることができる。その結果、圧力の検出感度を高めることができる。
このように、物理量センサー1では、基板2が有するダイヤフラム部20が、平面視で被覆層641と重なる位置に設けられていて、受圧により撓み変形する。これにより、圧力を検出可能な物理量センサー1を実現することができる。また、ダイヤフラム部20に配置されているピエゾ抵抗素子5が歪みにより電気信号を出力するセンサー素子であるため、圧力の検出感度を向上させることができる。
(壁部および天井部)
以下、壁部および天井部について詳述する。
図4は、図1に示す物理量センサーの部分拡大断面図である。
前述したように、被覆層641(第1層)および封止層66(第2層)が「天井部」を構成しており、封止層66は、平面視で被覆層641との接触部661の外周縁662が空洞部Sよりも外側にある(図1、2、4参照)。これにより、被覆層641上の接触部661よりも外側に形成されている表面保護膜65(絶縁層)により被覆層641上に形成される段差部(すなわち、被覆層641の上面と表面保護膜65の内側側面と表面保護膜65の上面とで形成される段差部(以下、単に「段差部」ともいう))を比較的剛性の高い壁部(具体的には、配線層64の配線層62または層間絶縁膜63に下方から支持されている部分)上に配置することができる。したがって、熱収縮等により天井部に外力が加わったとき、かかる段差部に応力が集中するのを緩和し、天井部の亀裂等の損傷を低減することができる。その結果、空洞部Sの気密性低下による特性悪化を低減し、信頼性を向上させることができる。
本実施形態では、平面視で被覆層641との接触部661の外周縁662が、壁部の基板2側の端部の内周縁621よりも外側にあり、かつ、壁部の基板2とは反対側の端部の内周縁643よりも外側にある。これにより、壁部の剛性のより高い部分上に段差部を配置することができ、前述した効果を効率的に発揮させることができる。なお、平面視で被覆層641との接触部661の外周縁662が、少なくとも、壁部の基板2とは反対側の端部の内周縁643よりも外側にあれば、前述した効果を発揮させることができる。また、本実施形態では、平面視で外周縁662が内周縁643よりも内側にある場合を例に説明したが、平面視で外周縁662の少なくとも一部が内周縁643に一致または内周縁643よりも外側に位置していてもよい。
また、表面保護膜65は、被覆層641の外周部と封止層66の外周部との間に配置されている部分を有する。これにより、後述する物理量センサー1の製造時において被覆層641の細孔642を通じてエッチングを行う際等に、表面保護膜65を保護膜として用いることができる。また、このような表面保護膜65により被覆層641上に前述したような段差部が形成される。そして、その段差部を跨るように封止層66が形成されている。このように封止層66を形成したとき、仮に、従来のように平面視で段差部が空洞部Sの内側にあると、封止層66の、段差部を跨る部分において特に応力集中が生じやすい。したがって、このように段差部を跨るように封止層66が形成されている場合において、平面視で外周縁662または段差部が空洞部Sよりも外側に位置することにより、前述したような効果が顕著となる。
被覆層641(天井部)を除く配線層62および配線層64からなる構造体(壁部)の基板2とは反対側(天井部側)の端部の内周縁643は、平面視で四角形をなしていて、4つの角部を有している。このように、壁部の天井部側の端部の内周縁643が角部を有する場合、仮に、従来のように平面視で段差部の外周縁が空洞部Sの内側にあると、その角部に対応する天井部の部分において特に応力が集中しやすい。したがって、このような場合において、平面視で接触部661の外周縁662の少なくとも角部に対応する部分が空洞部Sよりも外側にあることにより、前述したような効果が顕著となる。
本実施形態では、平面視で外周縁662がその全周にわたって空洞部Sよりも外側に位置している。これにより、設計を簡単化しつつ、前述したような効果を顕著に発揮させることができる。
また、平面視で外周縁662と内周縁643との間の距離Lは、特に限定されないが、封止層66の厚さよりも大きいことが好ましい。これにより、段差部の形状の影響を受けた封止層66の部分を壁部上に配置することができ、前述したような効果を高めることができる。また、距離Lは、大きすぎると、物理量センサー1の大型化を招くため、封止層66の厚さの10倍以下であることが好ましい。
また、本実施形態では、図4に示すように、配線層62は、チタン(Ti)で構成されたTi層622と、窒化チタン(TiN)で構成されたTiN層623と、アルミニウム(Al)で構成されたAl層624と、窒化チタン(TiN)で構成されたTiN層625とを有し、これらがこの順で積層されて構成されている。同様に、配線層64は、チタン(Ti)で構成されたTi層645と、窒化チタン(TiN)で構成されたTiN層646と、アルミニウム(Al)で構成されたAl層647と、窒化チタン(TiN)で構成されたTiN層648とを有し、これらがこの順で積層されて構成されている。
このように、配線層62、64は、それぞれ、異なる複数の材料を組み合わせて構成されている。ここで、被覆層641および封止層66で構成された天井部は、Al、TiおよびTiNを用いて構成されており、壁部に含まれる第1材料(例えばAl)と、この第1材料よりも熱膨張率の小さい第2材料(例えばTiN)と、を含む。これにより、天井部の気密性を優れたものとするとともに、天井部の熱膨張による撓みを低減することができる。例えば、厚膜化が容易なAlの層で気密性を優れたものとするとともに、熱膨張率が大きいAlの熱膨張を、熱膨張率が小さいTiNの層で低減して、天井部の熱膨張による撓みを低減することができる。
また、表面保護膜65は、シリコン酸化膜652と、シリコン窒化膜653と、を有し、これらがこの順で積層されて構成されている。
(物理量センサーの製造方法)
次に、物理量センサー1の製造方法を簡単に説明する。
図5および図6は、図1に示す物理量センサーの製造工程を示す図である。以下、物理量センサー1の製造方法を、これらの図に基づいて説明する。
[素子形成工程]
まず、図5(a)に示すように、SOI基板である半導体基板21を用意する。
そして、半導体基板21のシリコン層213にリン(n型)またはボロン(p型)等の不純物をドープ(イオン注入)することにより、図5(b)に示すように、複数のピエゾ抵抗素子5および配線214を形成する。
例えば、ボロンを+80keVでイオン注入を行う場合、ピエゾ抵抗素子5へのイオン注入濃度を1×1014atoms/cm程度とする。また、配線214へのイオン注入濃をピエゾ抵抗素子5よりも多くする。例えば、ボロンを10keVでイオン注入を行う場合、配線214へのイオン注入濃度を5×1015atoms/cm程度とする。また、前述したようなイオン注入の後、例えば、1000℃程度で20分程度のアニールを行う。
[絶縁膜等形成工程]
次に、図5(c)に示すように、シリコン層213上に絶縁膜22、絶縁膜23および中間層3をこの順で形成する。
絶縁膜22、23の形成は、それぞれ、例えば、スパッタリング法、CVD法等により行うことができる。中間層3は、例えば、多結晶シリコンをスパッタリング法、CVD法等により成膜した後、その膜に必要に応じてリン、ボロン等の不純物をドープ(イオン注入)し、その後、エッチングによりパターニングすることで形成することができる。
[層間絶縁膜・配線層形成工程]
次に、図5(d)に示すように、絶縁膜23上に、犠牲層41、配線層62、犠牲層42および配線層64をこの順で形成する。
この犠牲層41、42は、それぞれ、後述する空洞部形成工程により一部が除去され、残部が層間絶縁膜61、63となるものである。犠牲層41、42の形成は、それぞれ、シリコン酸化膜をスパッタリング法、CVD法等により形成し、そのシリコン酸化膜をエッチングによりパターニングすることにより行う。
また、犠牲層41、42の厚さは、それぞれ、特に限定されないが、例えば、1500nm以上5000nm以下程度とされる。
また、配線層62、64の形成は、それぞれ、例えばアルミニウムよりなる層をスパッタリング法、CVD法等により形成した後、パターニング処理することにより行う。図示しないが、前述したTi層622、TiN層623、Al層624およびTiN層625を有する配線層62を形成する際には、Ti層およびTiN層をこの順で一様に形成した後にこれらの層をパターニングすることによりTi層622およびTiN層623を形成し、その後、Al層およびTiN層をこの順で一様に形成した後にこれらの層をパターニングすることによりAl層624およびTiN層625を形成する。ここで、TiN層623は、犠牲層41の貫通孔内へのAlの充填性を良好とするためにAlの濡れ性を高める機能を有し、Ti層622は、TiN層623と犠牲層41との密着性を高める機能を有する。また、Al層上に一様に形成されたTiN層は、パターニングによりAl層624およびTiN層625を形成する際にフォトリソグラフィの露光光の反射を防止する反射防止膜として機能する。同様にして配線層64も形成することができる。
ここで、配線層62、64の厚さは、それぞれ、特に限定されないが、例えば、300nm以上900nm以下程度とされる。
このような犠牲層41、42および配線層62、64からなる積層構造は、通常のCMOSプロセスを用いて形成され、その積層数は、必要に応じて適宜に設定される。すなわち、必要に応じてさらに多くの犠牲層や配線層が積層される場合もある。
[空洞部形成工程]
次に、犠牲層41、42の一部を除去することにより、図6(e)に示すように、絶縁膜23と被覆層641との間に空洞部S(キャビティ)を形成する。これにより、層間絶縁膜61、63が形成される。
空洞部Sの形成は、被覆層641に形成された複数の細孔642を通じたエッチングにより、犠牲層41、42の一部を除去することにより行う。ここで、かかるエッチングとしてウェットエッチングを用いる場合、複数の細孔642からフッ酸、緩衝フッ酸等のエッチング液を供給し、ドライエッチングを用いる場合、複数の細孔642からフッ化水素酸ガス等のエッチングガスを供給する。このようなエッチングの際、絶縁膜23がエッチングストップ層として機能する。また、絶縁膜23は、エッチング液に対する耐性を有することから、絶縁膜23に対して下側の構成部(例えば、絶縁膜22、ピエゾ抵抗素子5、配線214等)をエッチング液から保護する機能をも有する。
ここで、かかるエッチングの前に、スパッタリング法、CVD法等により表面保護膜65を形成する。これにより、かかるエッチングの際、犠牲層41、42の層間絶縁膜61、62となる部分を保護することができる。表面保護膜65の構成材料としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護するための耐性を有するものが挙げられ、特に、シリコン窒化膜が好適である。図示しないが、前述したシリコン酸化膜652およびシリコン窒化膜653を有する表面保護膜65を形成する際には、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜をこの順で一様に形成した後にこれらの層をパターニングすることにより形成する。表面保護膜65の厚さは、特に限定されないが、例えば、500nm以上2000nm以下程度とされる。
[封止工程]
次に、図6(f)に示すように、被覆層641上に、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜等からなる封止層66をスパッタリング法、CVD法等により形成し、各細孔642を封止する。これより、空洞部Sが封止層66により封止され、積層構造体6を得る。
ここで、封止層66の厚さは、特に限定されないが、例えば、1000nm以上5000nm以下程度とされる。
[ダイヤフラム形成工程]
次に、シリコン層211の下面を必要に応じて研削した後、シリコン層211の下面の一部をエッチングにより除去(加工)することにより、図6(g)に示すように、凹部24を形成する。これにより、空洞部Sを介して被覆層641に対向するダイヤフラム部20が形成される。
ここで、シリコン層211の下面の一部を除去する際、酸化シリコン層212がエッチングストップ層として機能する。これにより、ダイヤフラム部20の厚さを高精度に規定することができる。
なお、シリコン層211の下面の一部を除去する方法としては、ドライエッチングであっても、ウェットエッチング等であってもよい。
以上のような工程により、物理量センサー1を製造することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る電子デバイス(振動子)を示す断面図である。図8は、図7に示す振動子が備える共振子を説明するための図であって、図8(a)は、断面図、図8(b)は、平面図である。
以下、本発明の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、本発明の電子デバイスを振動子に適用した以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図7に示す電子デバイス1Aは、基板2およびピエゾ抵抗素子5に代えて、基板2Aおよび共振子5A(機能素子)を備えている以外は、前述した第1実施形態の物理量センサー1と同様に構成されている。すなわち、電子デバイス1Aは、基板2Aと、基板2Aに配置されている機能素子である共振子5Aと、基板2Aとともに空洞部S(内部空間)を形成している積層構造体6と、基板2Aと積層構造体6との間に配置されている中間層3と、を備えている。
ここで、基板2Aは、半導体基板21Aと、半導体基板21Aの一方の面上に設けられた絶縁膜22と、絶縁膜22の半導体基板21Aとは反対側の面上に設けられた絶縁膜23と、を有している。
半導体基板21Aは、平板であり、例えば、シリコン単結晶基板である。なお、半導体基板21AとしてSOI基板を用いてもよい。
共振子5Aは、4つの下部電極51と、下部電極52と、下部電極52に支持されている上部電極53と、を有している。
4つの下部電極51(固定電極)は、平面視で、下部電極52を挟んで第1方向(図8(b)中の左右方向)に沿って並んでいる2つの下部電極51a、51bと、下部電極52を挟んで第1方向に直交する第2方向(図8(b)中の上下方向)に沿って並んでいる2つの下部電極51c、51dと、で構成されている。また、4つの下部電極51は、それぞれ、平面視で、下部電極52に対して離間して配置されている。
2つの下部電極51a、51bは、図示しない配線を介して互いに電気的に接続されていて、互いに同電位となるように構成されている。同様に、2つの下部電極51c、51dは、図示しない配線を介して互いに電気的に接続されていて、互いに同電位となるように構成されている。
上部電極53(振動体)は、4つの可動部531(可動電極)と、下部電極52に固定されている固定部532と、各可動部531と固定部532とを連結している連結部533と、を有している。
4つの可動部531は、前述した4つの下部電極51に対応して設けられており、各可動部531は、対応する下部電極51に対して間隔を隔てて対向している。すなわち、4つの可動部531は、固定部532を挟んで第1方向(図8(b)中の左右方向)に沿って並んでいる2つの可動部531a、531bと、固定部532を挟んで第1方向に直交する第2方向(図8(b)中の上下方向)に沿って並んでいる2つの可動部531c、531dと、で構成されている。
このような下部電極51、52および上部電極53は、それぞれ、単結晶シリコン、多結晶シリコン(ポリシリコン)またはアモルファスシリコンにリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)して構成されており、導電性を有する。また、下部電極51、52は、中間層3と一括して形成することができる。
このように構成された電子デバイス1Aでは、下部電極51a、51bと上部電極53との間に周期的に変化する第1電圧(交番電圧)が印加されるとともに、下部電極51c、51dと上部電極53との間に位相が180°ずれている以外は第1電圧と同様の第2電圧が印加される。
すると、可動部531a、531bが下部電極51a、51bに対して接近する方向と離間する方向とに交互に変位して屈曲振動するとともに、可動部531a、531bとは逆相で、可動部531c、531dが下部電極51c、51dに対して接近する方向と離間する方向とに交互に変位して屈曲振動する。すなわち、可動部531a、531bが下部電極51a、51bに対して接近する方向に変位しているとき、可動部531c、531dが下部電極51c、51dに対して離間する方向に変位し、一方、可動部531a、531bが下部電極51a、51bに対して離間する方向に変位しているとき、可動部531c、531dが下部電極51c、51dに対して接近する方向に変位する。
このように可動部531a、531bと可動部531c、531dとを逆相で振動させることにより、可動部531a、531bから固定部532に伝わる振動と、可動部531c、531dから固定部532に伝わる振動とを互いに相殺させることができる。その結果、これらの振動が固定部532を介して外部に漏れること、いわゆる振動漏れを低減し、電子デバイス1Aの振動効率を高めることができる。このように、電子デバイス1Aは、可動部531の数が複数であることにより、可動部531から外部への振動漏れを低減することができる。
このような電子デバイス1Aは、例えば、発振回路(駆動回路)と組み合わせることにより、所定の周波数の信号を取り出す発振器として用いることができる。なお、かかる発振回路は、基板2A上に半導体回路として設けることができる。
2.圧力センサー
次に、本発明の物理量センサーを備える圧力センサー(本発明の圧力センサー)ついて説明する。図9は、本発明の圧力センサーの一例を示す断面図である。
図9に示すように、本発明の圧力センサー100は、物理量センサー1と、物理量センサー1を収納する筐体101と、物理量センサー1から得た信号を圧力データに演算する演算部102とを備えている。物理量センサー1は、配線103を介して演算部102と電気的に接続されている。
物理量センサー1は、筐体101の内側に、図示しない固定手段により固定されている。また、筐体101には、物理量センサー1のダイヤフラム部20が、例えば大気(筐体101の外側)と連通するための貫通孔104を有している。
このような圧力センサー100によれば、貫通孔104を介してダイヤフラム部20が圧力を受ける。この受圧した信号を配線103を介して演算部に送信し、圧力データを演算する。この演算された圧力データは、図示しない表示部(例えば、パーソナルコンピューターのモニター等)を介して表示することができる。
3.高度計
次に、本発明の物理量センサーを備える高度計(本発明の高度計)の一例について説明する。図10は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、物理量センサー1(圧力センサー100)が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。
なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
4.電子機器
次に、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したナビゲーションシステムについて説明する。図11は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
ナビゲーションシステム300には、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、物理量センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。高度情報を得ることにより、例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲーションシステム300では、高度情報を物理量センサー1によって取得することができ、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
なお、表示部301は、例えば液晶パネルディスプレイや、有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、小型かつ薄型化が可能な構成となっている。
なお、本発明の物理量センサーを備える電子機器は、上記のものに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
5.移動体
次いで、本発明の物理量センサーを適用した移動体(本発明の移動体)について説明する。図12は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
図12に示すように、移動体400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような移動体400には、ナビゲーションシステム300(物理量センサー1)が内蔵されている。
以上、本発明の電子デバイス、物理量センサー、圧力センサー、振動子、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、1つのダイヤフラム部に設けられるピエゾ抵抗素子(機能素子)の数は、前述した実施形態では4つである場合を例に説明したが、これに限定されず、例えば、1つ以上3つ以下、または、5つ以上であってもよい。また、ピエゾ抵抗素子の配置や形状等も前述した実施形態に限定されず、例えば、前述した実施形態において、ダイヤフラム部の中央部にもピエゾ抵抗素子を配置してもよい。
また、前述した実施形態では、ダイヤフラム部の撓みを検出するセンサー素子としてピエゾ抵抗素子を用いた場合を例に説明したが、かかる素子としては、これに限定されず、例えば、共振子であってもよい。
また、前述した実施形態では、振動子が備える共振子が複数の可動部を有する場合を説明したが、可動部の数は、これに限定されず、1つ以上3つ以下、または、5つ以上であってもよい。
また、本発明の電子デバイスは、前述した物理量センサーおよび振動子に限定されず、前述したように半導体製造プロセスを用いて基板上に壁部および天井部を形成し、基板、壁部および天井部により内部空間を形成する各種電子デバイスに本発明を適用することができる。
1‥‥物理量センサー
1A‥‥電子デバイス
2‥‥基板
2A‥‥基板
3‥‥中間層
5‥‥ピエゾ抵抗素子
5A‥‥共振子
5a‥‥ピエゾ抵抗素子
5b‥‥ピエゾ抵抗素子
5c‥‥ピエゾ抵抗素子
5d‥‥ピエゾ抵抗素子
6‥‥積層構造体
20‥‥ダイヤフラム部
21‥‥半導体基板
21A‥‥半導体基板
22‥‥絶縁膜
23‥‥絶縁膜
24‥‥凹部
25‥‥受圧面
41‥‥犠牲層
42‥‥犠牲層
51‥‥下部電極
51a‥‥下部電極
51b‥‥下部電極
51c‥‥下部電極
51d‥‥下部電極
52‥‥下部電極
53‥‥上部電極
61‥‥層間絶縁膜
62‥‥配線層
63‥‥層間絶縁膜
64‥‥配線層
65‥‥表面保護膜
66‥‥封止層
100‥‥圧力センサー
101‥‥筐体
102‥‥演算部
103‥‥配線
104‥‥貫通孔
200‥‥高度計
201‥‥表示部
211‥‥シリコン層
212‥‥酸化シリコン層
213‥‥シリコン層
214‥‥配線
214a‥‥配線
214b‥‥配線
214c‥‥配線
214d‥‥配線
300‥‥ナビゲーションシステム
301‥‥表示部
400‥‥移動体
401‥‥車体
402‥‥車輪
531‥‥可動部
531a‥‥可動部
531b‥‥可動部
531c‥‥可動部
531d‥‥可動部
532‥‥固定部
533‥‥連結部
621‥‥内周縁
622‥‥Ti層
623‥‥TiN層
624‥‥Al層
625‥‥TiN層
641‥‥被覆層
642‥‥細孔
643‥‥内周縁
645‥‥Ti層
646‥‥TiN層
647‥‥Al層
648‥‥TiN層
652‥‥シリコン酸化膜
653‥‥シリコン窒化膜
661‥‥接触部
662‥‥外周縁
L‥‥距離
P‥‥圧力
S‥‥空洞部

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板の一方の面側に配置されている機能素子と、
    前記基板の前記一方の面側に前記基板の平面視で前記機能素子を囲んで配置されている壁部と、
    前記壁部に対して前記基板とは反対側に配置されていて内部空間を前記壁部とともに構成している天井部と、
    を備え、
    前記天井部は、
    貫通孔を有する第1層と、
    前記第1層に対して前記基板とは反対側に積層されて前記貫通孔の開口部を塞いでいて、平面視で前記第1層との接触部の外周縁の少なくとも一部が前記内部空間よりも外側にある第2層と、
    を有することを特徴とする電子デバイス。
  2. 前記第1層の外周部と前記第2層の外周部との間に配置されている部分を有する絶縁層を備える請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記天井部は、
    前記壁部に含まれる第1材料と、
    前記第1材料よりも熱膨張率の小さい第2材料と、
    を有する請求項1または2に記載の電子デバイス。
  4. 前記壁部の前記天井部側の端部の内周縁が角部を有しており、
    平面視で前記接触部の外周縁の少なくとも前記角部に対応する部分が前記内部空間よりも外側に配置されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  5. 前記基板は、平面視で前記天井部と重なる位置に設けられていて、受圧により撓み変形するダイヤフラム部を有し、
    前記機能素子は、歪みにより電気信号を出力するセンサー素子である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  6. 受圧により撓み変形するダイヤフラム部を有する基板と、
    前記ダイヤフラム部の一方の面側に配置されているセンサー素子と、
    前記基板の前記一方の面側に前記基板の平面視で前記センサー素子を囲んで配置されている壁部と、
    前記壁部に対して前記基板とは反対側に配置されていて内部空間を前記壁部とともに構成している天井部と、
    を備え、
    前記天井部は、
    貫通孔を有する第1層と、
    前記第1層の前記基板とは反対側に積層されて前記貫通孔の開口部を塞いでいて、平面視で前記第1層との接触部の外周縁の少なくとも一部が前記内部空間よりも外側にある第2層と、
    を有することを特徴とする物理量センサー。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする圧力センサー。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする振動子。
  9. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする高度計。
  10. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
  11. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする移動体。
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