JP2016102792A - 原子力発電所のためのフィルタ付き格納容器ベントシステム - Google Patents

原子力発電所のためのフィルタ付き格納容器ベントシステム Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタ付き格納容器ベントシステム内での可燃性混合物の形成を静的に阻止するための手段を、所要の空間設置面積をできるだけ縮小しつう、いかなる補助システムにも頼ることなく提供する。【解決手段】格納容器の外側へと通じている、ろ過すべきガス流のための導流管と、前記上流吸気口と前記下流排気口との間に配置されたエアロゾルフィルタ40とを有し、エアロゾルフィルタ40は、デミスタユニット42と、少なくとも2つの連続したフィルタユニット44,46,48とを含み、ろ過すべきガス流52中の水素と一酸化炭素とを再結合させるために、少なくとも1つのPAR(静的自動触媒式再結合器)カートリッジがエアロゾルフィルタ40に設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、原子力発電所のためのフィルタ付き格納容器ベントシステムであって、格納容器の内側に設けられた上流吸気口と、前記格納容器の縁部に設けられた下流排気口とを備え、前記格納容器の外側へと通じている、ろ過すべきガス流のための導流管と、前記上流吸気口と前記下流排気口との間に配置されたエアロゾルフィルタと、を有し、前記エアロゾルフィルタは、デミスタユニットと、少なくとも2つの連続したフィルタユニットとを含む、フィルタ付き格納容器ベントシステムに関する。
原子力発電所には、事故発生時に環境や大気に対するいかなる危険をも最小限に抑えるために、多数の安全機能が設けられていることが知られている。対処すべき1つの危険な状況は、重大な事故中における原子炉を包囲する格納容器内での緩慢な過圧の発生である。
このような過圧状況に対処するために、原子力発電所にフィルタ付き格納容器ベントシステム(FCVS)を設置することができる。このようなフィルタ付き格納容器ベントシステム(FCVS)に関しては、幾つかの技術が存在する。そのうちの1つは乾式フィルタ法(DFM)であり、この乾式フィルタ法は、格納容器の内側から外側へと通じる導流管内に配置されたエアロゾルフィルタ及びヨウ素フィルタの使用に基づいている。エアロゾルフィルタは、格納容器の内側又は外側に配置することができる。
原子力発電所の通常運転時には、この導流管は、格納容器の縁部に設けられた隔離弁によって閉鎖されている。これらの弁は、格納容器内で過圧状況が発生した場合にのみ開弁され、これによってガス流が格納容器の外に流出し、これに伴って内部圧力が減少する。放射性粒子の量を低減するために、ベントされるガス流は、エアロゾルフィルタ及びヨウ素フィルタによってろ過される。例えば国際公開第2013/135374号には、それぞれのフィルタ付きベントシステムが記載されている。
重大な事故中にベントされたガス流は、可燃性のガス、特に水素を含んでいる可能性があるが、一般的にベント時には、格納容器の雰囲気の水蒸気含有物に基づいて不活性化されている。
主にベントサイクルの開始時における、フィルタ付き格納容器ベントシステム(FCVS)内での凝縮の結果、ベントガス中にて可燃性混合物が形成される可能性がある(蒸気が凝縮されるにつれて酸素濃度が増加し、水素の可燃限界を超過するおそれがある)。フィルタ付き格納容器ベントシステム(FCVS)内での可燃性混合物の形成は、システムの完全な保全性を保証するために回避すべきである。
フィルタ付き格納容器ベントシステム(FCVS)の内側での可燃性混合物の形成を阻止するためには、種々の方法が公知である。そのうちの1つは、
・例えば独国実用新案第202009009405号明細書に記載されているように、格納容器内に静的自動触媒式再結合器(PAR)を設置し、
・点火装置を設置し、及び/又は、
・その他の重大な事故を緩和する手段を実現すること
によって、格納容器の内側での可燃性混合物の形成を回避することである。
また別の方法は、能動的な補助システムに基づくものであり、例えばフィルタ付き格納容器ベントシステム(FCVS)内での凝縮を阻止するための加熱システム、及び/又は、凝縮効果を打ち消すための窒素注入システム(凝縮された蒸気を補償するシステムへと窒素を注入し、これによって水素濃度を爆発限界未満に抑える)のようなものがある。
従来技術における欠点は、これらのシステムが、凝縮を回避するために加熱システムのような能動的な構成要素を必要とすること、及び/又は、この能動的な構成要素が、無視できない空間設置面積を必要とすることである。
国際公開第2013/135374号 独国実用新案第202009009405号明細書
このような従来技術に基づき、本発明の課題は、フィルタ付き格納容器ベントシステム内での可燃性混合物の形成を静的に阻止するための手段を、いかなる補助システムにも頼ることなく提供することであり、この際に、所要の空間設置面積をできるだけ縮小すべきである。
本発明の課題は、上述した形式のフィルタ付き格納容器ベントシステムによって解決される。本発明は、ろ過すべきガス流中の水素と一酸化炭素とを再結合させるために、前記導流管の前記上流吸気口と前記下流排気口との間に、少なくとも1つのPAR(静的自動触媒式再結合器)カートリッジが設けられていることを特徴とする。
静的自動触媒式再結合器(PAR)は、水素(H)又は一酸化炭素(CO)のような可燃性ガスと酸素(O)との混合気が、PARカートリッジが取り付けられた管状のケーシングの下側端部へと供給されるという機能原理に基づいている。PARカートリッジは、比較的低温で炎なしにOによるH/COの発熱酸化を可能にする触媒物質を含む。このプロセス中に発生する熱エネルギは、上方へ流れるガス流を加熱し、このガス流は、管状のケーシングの頂部から排出される。ケーシングの管状の形状は、PARカートリッジの周囲に充分な空気循環を提供する煙突効果を発生させるために重要である。
本発明の基礎となる着想は、ベントシステムの導流管の中に直接的に、追加的なPARカートリッジを組み込むことにある。従って、これらのPARカートリッジのための別個の管状のケーシングは必要なくなり、これによって有利にも、格納容器内の所要スペースが縮小される。本発明によれば、PARカートリッジは、フィルタ付き格納容器ベントシステム(FCVS)に流入する水素と一酸化炭素とを再結合させるために、エアロゾルフィルタの内側又は外側にあるベント流路内に直接配置される。
本発明の利点は、本システムが完全に静的(受動的)であり、能動的な要素を必要としないことである。従って、これによって信頼性が向上する。これに加えて、PARカートリッジは、既存のフィルタ格納容器ベントシステム(FCVS)に格別の労力なく容易に設置することが可能である。特にエアロゾルフィルタによる重量増加は無視できる程度であり、設置面積の増加量も非常に小さい(長さ約100mm)。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記ろ過すべきガス流のための前記導流管の前記下流排気口に、格納容器隔離弁が設けられている。下流排気口は、格納容器の縁部に配置されている。このようにして、原子力発電所の通常運転中に格納容器からガス流が流出しないことが保証される。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記少なくとも1つのPARカートリッジは、前記エアロゾルフィルタ内に配置されている。エアロゾルフィルタは、典型的には複数の連続したフィルタユニットを含み、これらのフィルタユニットは、残りの導流管よりも大きい断面積を有する。エアロゾルフィルタは、1.5m×1.5m×1.5mの寸法部分を有することができ、PARカートリッジの寸法は、例えば4cm×2cm×1cmである。
本発明の別の実施形態によれば、前記少なくとも1つのPARカートリッジは、前記エアロゾルフィルタの前記デミスタユニット内に配置されている。このデミスタユニットは、エアロゾルフィルタの上流吸気口であり、簡単にアクセス可能である。これによって、既存のエアロゾルフィルタへのPARカートリッジの後付けが特に簡単になる。
本発明の別の実施形態によれば、前記少なくとも1つのPARカートリッジは、前記エアロゾルフィルタの最下流のフィルタユニット内に配置されており、好ましくは最下流のフィルタユニットの下流側に配置されている。この最下流のフィルタユニットは、エアロゾルフィルタの下流出力部であり、簡単にアクセス可能である。この場合にも、これによって、既存のエアロゾルフィルタへのPARカートリッジの後付けが特に簡単になる。
本発明のフィルタ付き格納容器ベントシステムの別の実施形態によれば、複数のPARカートリッジが、一列に又はマトリクス状に配置されている。本発明のさらなる特別な実施形態によれば、前記複数のPARカートリッジは、前記エアロゾルフィルタの少なくとも1つのユニットの断面を覆っている。従って、エアロゾルフィルタのフィルタユニットの断面全体にPARカートリッジが均一に取り付けられ、これによって各PARカートリッジを通るガス流がほぼ均等になる。
本発明の別の実施形態によれば、前記少なくとも1つのPARカートリッジは、前記エアロゾルフィルタの下流に設けられた別個のハウジング内に配置されている。原子力発電所内の現場の構造フレームの状況によっては、このことが有利な解決方法となり得る。PARカートリッジは、好ましくは格納容器隔離弁の上流に設けるべきである。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記PARカートリッジは、触媒活性面が直接通過されるように、前記ろ過すべきガス流の流れ方向に対して垂直な向きに配置されている。このことは、PARカートリッジの最も面積が大きい面が、ガス流の流れ方向に対して垂直な向きに配置されるということを意味しており、これによって触媒効果が最大になる。
本発明の別の実施形態によれば、前記PARカートリッジは、流れ断面の著しい閉塞が生じないように、前記ろ過すべきガス流の流れ方向に対して平行な向きに配置されている。このことは、PARカートリッジの最も面積が大きい面ではない面が、流れ方向に対して垂直な向きに配置されているということを意味する。
本発明の別の実施形態によれば、前記PARカートリッジの個数は、最悪の場合を考慮して、前記PARカートリッジの下流における水素濃度が爆発限界未満に保たれるように決定されている。このようにして、水素火災又は水素爆発の危険性が排除される。
本発明のさらに有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
以下、本発明を、実施例に基づいて添付図面を参照しながら説明する。
原子力発電所内のフィルタ付き格納容器ベントシステムを示す図である。 1つの実施例によるエアロゾルフィルタを示す図である。 1つの実施例による垂直のPARカートリッジを備える導流管を示す図である。 1つの実施例による平行なPARカートリッジを備える導流管を示す図である。 1つの実施例によるPARカートリッジを示す図である。
図1は、原子力発電所内のフィルタ付き格納容器ベントシステム10の概略図を示す。格納容器18の中心には原子炉32が設けられている。格納容器18の内部にはさらに、フィルタ付き格納容器ベントシステムの以下の要素が配置されている。すなわち、上流吸気口14から、格納容器18の縁部にある下流排気口16へとガス流を導くための導流管12が配置されている。上流吸気口14と下流排気口16との間には、プレフィルタ20とエアロゾルフィルタ22とが設けられており、これらにおいて導流管12が貫通している。エアロゾルフィルタ22内には多数のPARカートリッジが配置されているが、この概略図では見ることができない。これによって、ガス流中の水素と一酸化炭素とが、エアロゾルフィルタを通過する際に再結合される。
導流管12は、格納容器18の壁部を通って建屋34へと通じる貫通孔24で終端している。ここでは導流管がさらに続いており、上流吸気口14から導流管12に流入したガス流30がろ過済みのガス流として環境へ排出される前に、隔離弁26とヨウ素フィルタ28とが設けられている。
図2は、1つの実施例によるエアロゾルフィルタ40を示す。エアロゾルフィルタの出力導流管50の2つの相対する側には、3つのフィルタユニット44,46,48と、デミスタユニット42とが連続して配置されている。流入ガス流52は、デミスタユニット42を通ってエアロゾルフィルタに流入し、フィルタユニット44,46,48を通過した後、出力導流管50に流入し、そして、ろ過済みのガス流62としてエアロゾルフィルタから排出される。外側に位置する要素であるデミスタユニット42は、良好にアクセス可能であり、従って、既存のエアロゾルフィルタにPARカートリッジを後付けするために適したユニットである。従って、それぞれデミスタユニット42の上流位置54及び下流位置56は、PARカートリッジを配置するために適している。同じ理由で、最下流のフィルタユニット48の上流位置58及び下流位置60も適している。なぜなら、この最下流のフィルタユニット48もまた、良好にアクセス可能だからである。
図3は、1つの実施例による垂直のPARカートリッジを備える導流管の概略図70を示す。周壁74によって形成された導流管の管状部分72の内部には、幾つかのPARカートリッジ76,78,80が、流入ガス流82の流れ方向に対して垂直な向きに配置されている。このようにすると、PARカートリッジ76,78,80の触媒活性面が直接通過される。
図4は、1つの実施例による、ガス流の流れ方向に対して平行な向きに配置されたPARカートリッジ92,94,96を備える導流管の概略図90を示す。
図5は、1つの実施例によるPARカートリッジの断面図100を示す。透過性の中空のカートリッジ102のホルダの内部には、パラジウムで被覆された幾つかのペレット104が配置されている。
10 原子力発電所内のフィルタ付き格納容器ベントシステム
12 ガス流のための導流管
14 上流吸気口
16 下流排気口
18 格納容器
20 プレフィルタ
22 エアロゾルフィルタ
24 貫通孔
26 隔離弁
28 ヨウ素フィルタ
30 流入ガス流
32 排出ガス流
34 建屋
40 1つの実施例によるエアロゾルフィルタ
42 デミスタユニット
44 エアロゾルフィルタの第1のフィルタユニット
46 エアロゾルフィルタの第2のフィルタユニット
48 エアロゾルフィルタの最下流のフィルタユニット
50 エアロゾルフィルタの出力導流管
52 ろ過すべき流入ガス流
54 デミスタユニットの上流における、PARカートリッジのための第1の位置
56 デミスタユニットの下流における、PARカートリッジのための第2の位置
58 最下流のフィルタユニットの上流における、PARカートリッジのための第3の位置
60 最下流のフィルタユニットの下流における、PARカートリッジのための第4の位置
62 ろ過済みの排出ガス流
70 1つの実施例による垂直のPARカートリッジを備える導流管
72 導流管の一部分
74 導流管の壁
76 第1の垂直のPARカートリッジ
78 第2の垂直のPARカートリッジ
80 第3の垂直のPARカートリッジ
82 流入ガス流
90 1つの実施例による平行なPARカートリッジを備える導流管
92 第1の平行のPARカートリッジ
94 第2の平行のPARカートリッジ
96 第3の平行のPARカートリッジ
100 1つの実施例によるPARカートリッジ
102 カートリッジホルダ
104 パラジウムで被覆されたペレット

Claims (11)

  1. 原子力発電所のためのフィルタ付き格納容器ベントシステムであって、
    ・格納容器(18)の内側に設けられた上流吸気口(14)と、前記格納容器(18)の縁部に設けられた下流排気口(16)とを備え、前記格納容器の外側へと通じている、ろ過すべきガス流(30,82)のための導流管(12,50,72)と、
    ・前記上流吸気口(14)と前記下流排気口(16)との間に配置されたエアロゾルフィルタ(22,40)と、
    を有し、
    前記エアロゾルフィルタ(22,40)は、デミスタユニット(42)と、少なくとも2つの連続したフィルタユニット(44,46,48)とを含む、
    フィルタ付き格納容器ベントシステムにおいて、
    前記ろ過すべきガス流(30,82)中の水素と一酸化炭素とを再結合させるために、前記導流管(12,50,72)の前記上流吸気口(14)と前記下流排気口(16)との間に、少なくとも1つのPAR(静的自動触媒式再結合器)カートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)が設けられている
    ことを特徴とする、フィルタ付き格納容器ベントシステム。
  2. 前記ろ過すべきガス流(30,82)のための前記導流管(12,50,72)の前記下流排気口(16)に、格納容器隔離弁(26)が設けられている
    請求項1記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
  3. 前記少なくとも1つのPARカートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)は、前記エアロゾルフィルタ(22,40)内に配置されている
    請求項1又は2記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
  4. 前記少なくとも1つのPARカートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)は、前記エアロゾルフィルタ(22,40)のデミスタユニット(42)内に配置されている
    請求項3記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
  5. 前記少なくとも1つのPARカートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)は、前記エアロゾルフィルタ(22,40)の最下流のフィルタユニット(48)内に配置されており、好ましくは最下流のフィルタユニット(48)の下流側に配置されている
    請求項3又は4記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
  6. 複数のPARカートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)が、一列に又はマトリクス状に配置されている
    請求項3から5のいずれか一項記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
  7. 前記複数のPARカートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)は、前記エアロゾルフィルタ(22,40)の少なくとも1つのユニット(42,44,46,48)の断面を覆っている
    請求項6記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
  8. 前記少なくとも1つのPARカートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)は、前記エアロゾルフィルタ(22,40)の下流に設けられた別個のハウジング内に配置されている
    請求項1から7のいずれか一項記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
  9. 前記PARカートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)は、触媒活性面が直接通過されるように、前記ろ過すべきガス流(30,82)の流れ方向に対して垂直な向きに配置されている
    請求項1から8のいずれか一項記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
  10. 前記PARカートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)は、流れ断面の著しい閉塞が生じないように、前記ろ過すべきガス流(30,82)の流れ方向に対して平行な向きに配置されている
    請求項1から9のいずれか一項記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
  11. 前記PARカートリッジ(76,78,80,92,94,96,100)の個数は、最悪の場合を考慮して、前記PARカートリッジの下流における水素濃度が爆発限界未満に保たれるように決定されている
    請求項1から10のいずれか一項記載のフィルタ付き格納容器ベントシステム。
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