以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による警報器100の全体構成について説明する。
本発明の一実施形態による警報器100は、4種のガス(可燃性ガス(combustible gas、COMB)、酸素(O2)、硫化水素(H2S)、および、一酸化炭素(CO))を検知可能なガス警報器である。この警報器100は、可搬型であり図示しない電池によって駆動される。
警報器100は、図1に示すように、携帯可能な大きさの警報器本体1と、警報器本体1の下側(Z2側)に設けられたセンサ部2と、警報器本体1の正面側(X1側)に設けられた表示部3、LED部4、警報ランプ部5および操作部6とを備えている。また、図2に示すように、警報器本体1の内部には、ブザー部7と、制御部8と、記憶部9とが配置されている。なお、センサ部2は、本発明の「ガス検知部」の一例である。
警報器本体1は、図1に示すように、直方体の外観形状を有している。また、センサ部2は、可燃性ガスを検知する接触燃焼式の可燃性ガスセンサ21と、一酸化炭素を検知する定電位電解式のCOセンサ22と、硫化水素を検知する定電位電解式のH2Sセンサ23と、酸素を検知するガルバニ電池式のO2センサ24とを含んでいる。この結果、センサ部2は、複数(4種)のガスを検知可能に構成されている。なお、4つのセンサ21〜24は、警報器本体1の下側(Z2側)にY方向に並ぶように設けられた4つのガス検知口2aの内部にそれぞれ配置されている。
ここで、4種のガスのうち、可燃性ガス、硫化水素および一酸化炭素に関しては、濃度が大きくなるにしたがって危険性が大きくなる一方、酸素に関しては、所定の濃度よりも濃度が小さくなるにしたがって危険性が大きくなる。
表示部3は、X1側から見て、横方向(Y方向)に長い矩形形状を有している。また、表示部3には、暗所であっても表示部3の表示を確認可能にするためのバックライト3a(図2参照)が設けられている。
LED部4は、表示部3の下方(Z2側)に設けられている。このLED部4では、4つの色の異なるLED41〜44がY方向に並ぶように配置されている。具体的には、LED部4では、Y1側からY2側に向かって、可燃性ガスに対応する可燃性ガス用LED41、一酸化炭素に対応するCO用LED42、硫化水素に対応するH2S用LED43、および、酸素に対応するO2用LED44がこの順に配置されている。なお、この4つのLED41〜44には、それぞれ、可燃性ガス、酸素、硫化水素および一酸化炭素に対応する色のLEDが用いられている。このLED部4は、ガスに対応するLEDを点灯または点滅させることによって、LEDに対応するガスが何らかの状態であることをユーザに認識させやすくする機能を有している。
警報ランプ部5は、Y方向の両側端部にそれぞれ設けられている。この警報ランプ部5は、赤色LED(図示せず)を含んでおり、警報時に赤色LEDが点灯または点滅することによって、警報をユーザに報知する機能を有している。
操作部6は、表示部3とLED部4との間に設けられている。この操作部6は、一対のボタン部61を含んでいる。ユーザは、ボタン部61を操作することによって、警報器100に対する種々の指示を行うことが可能である。特に、警報器100では、ユーザが操作部6を操作することによって、4種のガスのうち表示部3に検知結果を表示するガス(表示対象ガス)を選択可能なように構成されている。この際、表示部3に表示される図示しないメニュー画面などからユーザは表示対象ガスを選択するように構成されている。
図2に示すように、ブザー部7は、警報時にブザー音を発生させることによって、警報をユーザに報知する機能を有している。制御部8は、図示しないCPUなどを含み、後述する拡大表示(第2の表示状態)に関する制御を含む警報器100全体の制御を行うように構成されている。また、制御部8は、所定の時間(たとえば、1分)毎に、センサ部2から4種のガスの検知結果を取得して、取得したガスの検知結果を表示部3に表示するように構成されている。なお、表示部3における検知結果の具体的な表示については後述する。記憶部9は、図示しないROMやRAMを含み、制御部8の制御において用いられる各種データやプログラムなどが記憶されている。
次に、図3を参照して、表示部3の表示内容の詳細について説明する。
表示部3は、図3に示すように、所定の位置に各々配置された複数のセグメント3bから構成されている。このセグメント3bは、線状、点状、文字状、アイコン形状などの種々の形状を有している。また、セグメント3bは、図示しない液晶を有しており、液晶が切り替えられることによって、対応する形状(図3〜図8では、黒塗り部分に該当)が表示部3に表示されるように構成されている。なお、表示部3を複数のセグメント3bから構成することによって、複数の微細な画素がマトリックス状に配置された一般的な表示部と比べて、駆動電圧を低くすることができるので、例えば容易に防爆仕様とすることができる。
また、表示部3は、4種のガスの検知結果がそれぞれ表示される4つの表示領域31〜34と、電池(電源)の状態などの情報に対応するアイコンが表示されるアイコン表示領域35と、その他の情報が表示される情報表示領域36とを含んでいる。具体的には、4つの表示領域31〜34として、可燃性ガスの検知結果が表示される可燃性ガス表示領域31、酸素の検知結果が表示されるO2表示領域32、硫化水素の検知結果が表示されるH2S表示領域33、および、一酸化炭素の検知結果が表示されるCO表示領域34が表示部3に設けられている。なお、可燃性ガス表示領域31、O2表示領域32、H2S表示領域33、および、CO表示領域34は、本発明の「表示領域」の一例である。
可燃性ガス表示領域31は、表示部3のY1側で、かつ、Z1側に設けられている。また、可燃性ガス表示領域31は、Z2側の結果表示領域31aと、Z1側の文字表示領域31bとを含んでいる。結果表示領域31aは、7つのセグメント3bが組み合わされて、アラビア数字の「8」の形状を有する4つの7セグメントと、7セグメントの間に一対配置される点部とを表示可能に構成されている。なお、4つの7セグメントは、Y方向に並んで配置されている。
また、7つのセグメント3bの液晶が各々制御されることによって、結果表示領域31aの4つの7セグメントは、各々、0〜9までのアラビア数字やアルファベットを表示可能なように構成されている。これにより、結果表示領域31aでは、4つのセグメントと点部とを用いることによって、小数点第3桁(たとえば、0.000)から4桁(たとえば、9999)までの数字を表示することが可能であり、この結果、結果表示領域31aは、可燃性ガスの検知結果(濃度)の数値(0〜100(%LEL))を表示可能に構成されている。
文字表示領域31bは、可燃性ガスを意味する「COMB」と、検知された可燃性ガスの濃度(%LEL)が可燃性ガスに設定された第1の警報閾値を超える場合(第1段階の警報の場合)に点灯される「AL1」と、第1の警報閾値よりも大きな第2の警報閾値を超える場合(第2段階の警報の場合)に点灯される「AL2」と、可燃性ガスの単位「%LEL」とを表示可能に構成されている。なお、第2段階の警報は、第1段階の警報よりも、ブザーの周期や音量を変更、例えばブザー周期を短くしたり、音量を大きくしたりするなどユーザにより認識されやすいように設定されている。
O2表示領域32は、表示部3のY1側で、かつ、Z2側に設けられている。また、O2表示領域32は、Z1側の結果表示領域32aと、Z2側の文字表示領域32bとを含んでいる。結果表示領域32aは、結果表示領域31aと略同様の構成を有しており、この結果、結果表示領域32aは、酸素の検知結果(濃度)の数値(00.0〜50.0(vol%))を表示可能に構成されている。文字表示領域32bは、酸素を意味する「O2」と、検知された酸素濃度(vol%)が酸素に設定された第1の警報閾値を下回る場合(第1段階の警報の場合)に点灯される「AL1」と、第1の警報閾値よりも小さな第2の警報閾値を下回る場合(第2段階の警報の場合)に点灯される「AL2」と、酸素の単位「vol%」とを表示可能に構成されている。
H2S表示領域33は、表示部3のY2側で、かつ、Z1側に設けられている。また、H2S表示領域33は、Z2側の結果表示領域33aと、Z1側の文字表示領域33bとを含んでいる。結果表示領域33aは、結果表示領域31aと略同様の構成を有しており、この結果、結果表示領域33aは、硫化水素の検知結果(濃度)の数値(000.0〜150.0(ppm))を表示可能に構成されている。文字表示領域33bは、硫化水素を意味する「H2S」と、検知された硫化水素濃度(ppm)が硫化水素に設定された第1の警報閾値を超える場合(第1段階の警報の場合)に点灯される「AL1」と、第1の警報閾値よりも大きな第2の警報閾値を超える場合(第2段階の警報の場合)に点灯される「AL2」と、硫化水素の単位「ppm」とを表示可能に構成されている。
CO表示領域34は、表示部3のY2側で、かつ、Z2側に設けられている。また、CO表示領域34は、Z1側の結果表示領域34aと、Z2側の文字表示領域34bとを含んでいる。結果表示領域34aは、結果表示領域31aと略同様の構成を有しており、この結果、結果表示領域34aは、一酸化炭素の検知結果(濃度)の数値(0000〜2000(ppm))を表示可能に構成されている。文字表示領域34bは、一酸化炭素を意味する「CO」と、検知された一酸化炭素濃度(ppm)が一酸化炭素濃度に設定された第1の警報閾値を超える場合(第1段階の警報の場合)に点灯される「AL1」と、第1の警報閾値よりも大きな第2の警報閾値を超える場合(第2段階の警報の場合)に点灯される「AL2」と、一酸化炭素の単位「ppm」とを表示可能に構成されている。なお、文字表示領域34bでは、一酸化炭素の単位(硫化水素の単位、ppm)の他に、可燃性ガスの単位(%LEL)および酸素の単位(vol%)も表示可能に構成されている。
また、図3に示すように、結果表示領域31a〜34aは、共に、表示部3の中央部側に設けられている。これにより、可燃性ガス表示領域31の結果表示領域31aは、Z2側でO2表示領域32の結果表示領域32aと隣接するとともに、Y2側でH2S表示領域33の結果表示領域33aと隣接している。また、O2表示領域32の結果表示領域32aは、Y2側でCO表示領域34の結果表示領域34aと隣接している。また、H2S表示領域33の結果表示領域33aは、Z2側でCO表示領域34の結果表示領域34aと隣接している。
アイコン表示領域35は、表示部3のY1側の側端部近傍に設けられている。また、アイコン表示領域35は、Z1側からZ2側に向かって順に、電池の残量を示す電池アイコン、ガスの検知結果のうちの最大の検知結果の値のみを表示するモードがユーザに選択された際に表示されるPEAKアイコン、消費電力を削減するモードがユーザに選択された際に表示されるecoアイコン、ブザー音を発生させないモードがユーザに選択された際に表示されるミュートアイコン、および、図示しない無線部を用いた無線通信状態であることを示す通信アイコンが表示可能に構成されている。
情報表示領域36は、表示部3のZ2側の側端部近傍に設けられている。また、情報表示領域36は、16つのセグメント3bが組み合わされた8つの16セグメントと、16セグメントの間などに配置される点部とを表示可能に構成されている。なお、8つの16セグメントは、Y方向に並んで配置されている。この結果、16つのセグメント3bの点灯の有無が各々制御されることによって、情報表示領域36の8つの16セグメントは、各々、0〜9までのアラビア数字やアルファベットを7セグメントよりも緻密に表示可能なように構成されている。なお、図4に示すように、情報表示領域36には、日時や気温、後述する拡大表示された表示対象ガスまたは警報対象ガスの種別(図5および図8参照)などが表示可能なように構成されている。
また、情報表示領域36のY2側には、丸形状表示部37が設けられている。この丸形状表示部37は、警報器100に後付の機能を追加した場合に、丸形状表示部37の有無によって、追加した機能が稼働しているか否かをユーザが認識可能なように構成されている。
この結果、図4に示すように、警報器100(図1参照)では、表示部3において、4種のガスの各々の検知結果が同時に表示部3に表示される第1の表示状態で表示することが可能に構成されている。この第1の表示状態では、4つの結果表示領域31a〜34aのそれぞれに、対応するガスの検知結果が数値として表示されている。また、情報表示領域36には、日時や温度が表示され、文字表示領域31b〜34bには、それぞれ、対応するガスの種別および単位が表示される。
ここで、表示部3では、結果表示領域31a〜34aの複数のセグメント3bを組み合わせて、ガスの検知結果を第1の表示状態における表示よりも拡大して表示することが可能に構成されている。具体的には、1種のガス(たとえば、酸素)の検知結果のみが拡大表示される第2の表示状態では、図5に示すように、結果表示領域31a〜34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、ガス(酸素)の検知結果(濃度)の数値(20.0(vol%))が拡大表示される。この際、情報表示領域36には、拡大表示された表示対象ガス(酸素)の種別(O2)が表示され、文字表示領域34bには、拡大表示された表示対象ガスの単位が表示される。
また、2種のガス(たとえば、可燃性ガスおよび硫化水素)の検知結果が上下方向(Z方向)に拡大表示される第2の表示状態では、図6に示すように、2種のガスの検知結果がY方向に並んで拡大表示される。具体的には、Z方向に隣接する結果表示領域31aおよび32aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、一方の表示対象ガス(可燃性ガス)の検知結果(9(%LEL))がZ方向に拡大表示されるとともに、Z方向に隣接する結果表示領域33aおよび34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、他方の表示対象ガス(硫化水素)の検知結果(4.0(ppm))がZ方向に拡大表示される。この際、情報表示領域36には、日時や温度が表示され、2種の表示対象ガス(可燃性ガスおよび硫化水素)にそれぞれ対応する2つの文字表示領域(文字表示領域34aおよび34c)には、対応する表示対象ガスの単位がそれぞれ表示される。
また、2種のガス(たとえば、硫化水素および一酸化炭素)の検知結果が左右方向(Y方向)に拡大表示される第2の表示状態では、図7に示すように、2種のガスの検知結果がZ方向に並んで拡大表示される。具体的には、Y方向に隣接する結果表示領域31aおよび33aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、一方の表示対象ガス(硫化水素)の検知結果(9.5(ppm))がY方向に拡大表示されるとともに、Y方向に隣接する結果表示領域32aおよび34aの7セグメントおよび点部が組み合わされることによって、他方の表示対象ガス(一酸化炭素)の検知結果(37(ppm))がY方向に拡大表示される。なお、情報表示領域36と2つの文字表示領域とに表示される内容は、図6と同様である。
この結果、表示部3では、結果表示領域31a〜34aの複数のセグメント3bを組み合わせて拡大表示可能なガスの検知結果の数(拡大表示可能数)は、2つ以下になる。なお、表示部3において拡大表示する際には、拡大表示されたガスに対応するLED部4のLED41〜44を点灯または点滅させるように構成してもよい。これにより、拡大表示されたガスの種類をユーザにより確実に認識させることが可能である。
また、4種のガスのうち酸素を除く所定のガスの濃度が対応する第1の警報閾値を超えた場合、または、酸素の濃度が対応する第1の警報閾値を下回った場合(警報時)には、警報器100では、図8に示すように、警報表示状態に切り替わるように構成されている。なお、警報表示状態では、警報対象ガス(たとえば、硫化水素)の検知結果(94.0(ppm))のみが表示部3に拡大表示される拡大表示状態と第1の表示状態とが、所定時間(たとえば、1秒)毎に切り替わるように構成されている。
なお、警報対象ガスの数が2つ(拡大表示可能数以下)の場合には、2種の警報対象ガスの検知結果が表示部3に同時に拡大表示される拡大表示状態と第1の表示状態とが、所定時間毎に切り替わるように構成されている。また、警報対象ガスの数が拡大表示可能数を超える(3つ以上)場合には、所定の期間だけ拡大表示状態になり、所定の期間経過後に第1の表示状態に切り替わるように構成されている。なお、所定の期間における拡大表示状態では、1種の警報対象ガスの検知結果が拡大表示される状態が警報対象ガス毎に切り替わる。
ここで、本実施形態では、警報器100は、ユーザにより所定のガス以外のガスが表示対象ガスとして選択された場合に、制御部8の制御により、図5〜図7に示す所定のガス(非表示対象ガス)の検知結果は表示部3に表示されずに非表示対象ガス以外の表示対象ガスの検知結果が表示部3に拡大表示される第2の表示状態に、図4に示す4種のガスの各々の検知結果を同時に表示する第1の表示状態から切り替わるように構成されている。なお、第2の表示状態には、第1の表示状態におけるガスの検知結果よりもガスの検知結果が拡大して表示される場合の全てが含まれる。
また、警報器100は、4種のガスのうちの所定のガスの濃度が所定のガスに対応する表示範囲を超える場合で、かつ、所定のガスの濃度が表示範囲を超える状態が非表示判断時間(たとえば、40時間)継続した場合に、制御部8の制御により、第2の表示状態に第1の表示状態から切り替わるように構成されている。なお、4種のガスのうち酸素を除く所定のガスにおいて、表示範囲は、0から表示閾値までの範囲に設定されている。ここで、酸素を除く所定のガスの各々の表示閾値は、酸素を除く所定のガスの各々の第1の警報閾値よりも小さい値にそれぞれ設定されている。また、酸素において、表示範囲は、表示閾値から所定の上限値(たとえば、50.0(vol%))までの範囲に設定されている。なお、酸素の表示閾値は、第1の警報閾値よりも大きな値に設定されている。また、表示範囲は、本発明の「第1の範囲」および「第2の範囲」の一例であり、非表示判断時間は、本発明の「第1時間」の一例である。
言い換えると、4種のガスのうち酸素を除く所定のガスにおいては、所定のガスの濃度が所定のガスに対応する表示閾値を超える場合で、かつ、所定のガスの濃度が表示閾値を超える状態が非表示判断時間継続した場合に、第2の表示状態に切り替わるように構成されている。また、酸素においては、酸素の濃度が酸素に対応する表示閾値を下回る場合で、かつ、酸素の濃度が表示閾値を下回る状態が非表示判断時間継続した場合に、第2の表示状態に切り替わるように構成されている。
ここで、表示対象ガスが1種の場合には、図5に示すように、1種の表示対象ガスの検知結果のみが拡大表示される第2の表示状態になる。また、表示対象ガスが2種の場合には、図6または図7に示すように、2種の表示対象ガスの検知結果が同時に拡大表示される第2の表示状態になる。また、表示対象ガスが3種または4種の場合には、図5に示すような1種の表示対象ガスの検知結果が拡大表示される状態が、表示対象ガス毎に切り替わる第2の表示状態になる。
次に、図9を参照して、本実施形態の警報器100における表示部3の表示制御処理について具体的に説明する。なお、この制御処理は、制御部8によって行われる。
まず、ステップS1において、前回のガスの検知結果取得から所定の時間経過したか否かを判断するとともに、所定の時間経過するまでこの判断を継続する。そして、所定の時間経過したと判断した場合には、ステップS2おいて、ガス検知処理として、センサ部2から4種のガスの検知結果が取得されるとともに、各々のガスに対応する閾値(第1(第2)警報閾値および表示閾値)が記憶部9から読み出される。
そして、ステップS3において、4種のガスのうち酸素を除く各々のガスにおいて、濃度が対応する第1の警報閾値を超えるか否かが判断されるとともに、酸素において、濃度が対応する第1の警報閾値を下回るか否かが判断されることによって、警報対象ガスがあるか否かが判断される。警報対象ガスがあると判断された場合には、ステップS4において、警報処理が行われる。なお、警報器100では、警報処理として、LED部4のLED41〜44のうち、警報対象ガスに対応するLEDを点灯または点滅させること、警報ランプ部5の赤色LEDを点灯または点滅させること、および、ブザー部7により、ブザー音を発生させることなどが行われる。
その後、ステップS5において、表示部3において図8に示す警報表示状態で警報対象ガスの検知結果が拡大表示されて、ステップS1に戻る。なお、警報表示状態は、警報状態が解除されるまで継続される。つまり、警報表示状態では、ユーザによって表示対象ガスが選択された場合や、表示範囲を超えた表示対象ガスが存在する場合であっても、表示部3の表示は警報対象ガスの検知結果が拡大表示される警報表示状態で維持される。
また、ステップS3において、警報対象ガスがないと判断された場合には、ステップS6〜S15において、表示対象ガスの検知結果を拡大表示するか否かの表示制御処理が行われる。
具体的には、まず、ステップS6において、新たな表示対象ガスがユーザにより選択されたか否かが判断される。新たな表示対象ガスがユーザにより選択されていないと判断された場合には、ステップS8に進む。新たな表示対象ガスがユーザにより選択されたと判断された場合には、表示対象ガスおよび非表示対象ガスがユーザの選択によって変更される。そして、ステップS7において、変更された表示対象ガス数が記憶部9に記録される。そして、ステップS8に進む。これにより、ステップS6およびS7において、ユーザの選択に基づいて表示対象ガスおよび非表示対象ガスが定められる。
次に、ステップS8において、非表示対象ガスであるガスの濃度が対応する表示範囲内か否かが判断される。なお、複数の非表示対象ガスが存在する場合には、各々、対応する表示範囲内か否かが判断される。非表示対象ガスの濃度が表示範囲を超えると判断された場合には、ステップS9において、表示対象ガスであるガスの濃度が対応する表示範囲を超えるか否かが判断される。表示対象ガスの濃度が表示範囲を超えると判断された場合には、ステップS10において、表示対象ガスの濃度が表示範囲を超える状態が非表示判断時間継続しているか否かが判断される。表示対象ガスの濃度が表示範囲を超える状態が非表示判断時間継続していると判断された場合には、表示対象ガスが非表示対象ガスになったと判断される。なお、複数の表示対象ガスが存在する場合には、各々、表示対象ガスが非表示対象ガスになったか否かが判断される。そして、ステップS11において、表示対象ガス数が減少したことが記憶部9に記録される。その後、ステップS12に進む。これにより、ステップS8〜S10において、ガスの濃度に基づいて表示対象ガスおよび非表示対象ガスが定められる。
なお、ステップS9において、表示対象ガスの濃度が表示範囲内であると判断された場合、または、ステップS10において、表示対象ガスの濃度が表示範囲を超える状態が非表示判断時間継続していないと判断された場合には、そのままステップS12に進む。
そして、ステップS12において、記憶部9に記録されている表示対象ガス数が最大拡大表示数(2つ)を超えるか否かが判断される。表示対象ガス数が最大拡大表示数以下であると判断された場合(表示部3に拡大表示可能な表示対象ガス数である場合)には、ステップS13において、表示部3に表示対象ガスの検知結果が拡大表示される第2の表示状態(図5または図6参照)で表示されるとともに、表示対象ガス数が最大拡大表示数を超えるまで第2の表示状態が維持される。そして、ステップS1に戻り、この制御処理が繰り返される。
また、ステップS12において、表示対象ガス数が最大拡大表示数を超えると判断された場合(表示部3に拡大表示可能な表示対象ガス数を超えた場合)には、ステップS14において、表示対象ガス数が最大拡大表示数を超えると新たに判断されてから拡大表示時間(たとえば、1分など)経過したか否かが判断される。拡大表示時間経過していないと判断された場合には、ステップS13において、表示部3に第2の表示状態(図5参照)で表示される。また、ステップS14において、拡大表示時間経過したと判断された場合には、第1の表示状態(図4参照)で表示される。この結果、表示部3に拡大表示可能な表示対象ガス数を超えた場合には、拡大表示時間だけ表示対象ガスの検知結果が表示部3に拡大表示される第2の表示状態に切り替えられるとともに、拡大表示時間経過後には、4種のガスの検知結果が同時に表示部3に表示される第1の表示状態に戻される。そして、ステップS1に戻り、この制御処理が繰り返される。なお、拡大表示時間は、本発明の「第2時間」の一例である。
また、ステップS8において、非表示対象ガスの濃度が表示範囲内であると判断された場合には、非表示対象ガスが表示対象ガスになったと判断される。そして、ステップS16において、表示対象ガス数が増加したことが記憶部9に記録される。その後、ステップS17において、ステップS12と同様に、記憶部9に記録されている表示対象ガス数が最大拡大表示数を超えるか否かが判断される。表示対象ガス数が最大拡大表示数を超えると判断される場合には、4種のガスの各々の検知結果が同時に表示部3に表示される第1の表示状態で表示される。この結果、第2の表示状態において、非表示対象ガスの濃度が表示範囲内になった場合に第1の表示状態に戻ることによって、既に表示対象ガスであったガスの検知結果に加えて新たに表示範囲内になった非表示対象ガスの検知結果も表示部3に表示される。そして、ステップS1に戻り、この制御処理が繰り返される。
また、ステップS17において、表示対象ガス数が最大拡大表示数以下であると判断される場合には、ステップS13に進み、第2の表示状態で表示される。そして、ステップS1に戻り、この制御処理が繰り返される。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、所定のガスの濃度が表示範囲を超える場合に、所定のガス(非表示対象ガス)の検知結果は表示部3に表示されずに非表示対象ガス以外の表示対象ガスの検知結果が表示部3に拡大表示される第2の表示状態に切り替わるように構成する。これにより、非表示対象ガスの濃度が表示範囲を超えており、ユーザに非表示対象ガスの検知結果を示して濃度を認識させる必要性が低い場合には、非表示対象ガスを表示せずに表示対象ガスの検知結果を表示部3に拡大表示することができるので、ユーザに濃度を認識させる必要性の高い表示対象ガスの検知結果を認識させやすくすることができる。
また、本実施形態では、表示対象ガスをユーザが選択した場合に、第2の表示状態に切り替わるように構成することによって、ユーザ自身が濃度を認識する必要性の高いと判断した表示対象ガスの検知結果をユーザに認識させやすくすることができる。
また、本実施形態では、第2の表示状態において、所定のガス(非表示対象ガス)の濃度が表示範囲内になった場合には、表示対象ガスの検知結果に加えて、非表示対象ガスであった所定のガスの検知結果も表示部3に表示される第1の表示状態に戻るように構成する。これにより、表示部3に表示されていない非表示対象ガスの濃度が表示範囲内になってユーザに認識させる必要が生じる程度まで大きくなった場合に、所定のガスの検知結果が表示部3に表示される第1の表示状態に戻すことができるので、ユーザに濃度を認識させる必要性がある程度高くなった所定のガスの検知結果を認識させることができる。
また、本実施形態では、検知される所定のガスの濃度が表示範囲を超える場合が非表示判断時間継続した場合に、第2の表示状態に切り替わるように構成する。これにより、ユーザに所定のガスの濃度を認識させる必要性が低いことが十分に確認された後で第2の表示状態に切り替えることができるので、一時的な濃度の変動に起因して濃度を認識させる必要性の高いガスの検知結果が表示部3に表示されなくなるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、表示部3は、表示対象ガスの数が表示領域の複数のセグメントを組み合わせて拡大表示可能な数以下である場合には、結果表示領域31a〜34aの複数のセグメント3bを組み合わせて拡大表示可能なガスの検知結果の数(拡大表示可能数)を超える場合には、拡大表示時間の期間だけ第2の表示状態に切り替わるように構成する。このように構成すれば、表示対象ガスの検知結果を同時に拡大表示することができる場合には、表示対象ガスの検知結果を拡大表示するとともに拡大表示を維持することによって、ユーザに濃度を認識させる必要性の高い表示対象ガスの検知結果を認識させやすくすることができる。また、表示対象ガスの検知結果を同時に拡大表示することができない場合には、拡大表示時間だけ表示対象ガスの検知結果を拡大表示してユーザに表示対象ガスの検知結果を容易に認識させつつ、拡大表示時間の期間経過後には、表示対象ガスを含む全てのガスの検知結果を表示部3に同時に表示することにより、全ての表示対象ガスの検知結果をユーザに同時に認識させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、表示部3を、4種のガスの検知結果を同時に表示する第1の表示状態と表示対象ガスの検知結果を拡大表示する第2の表示状態とで表示可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、表示部を、4種以外の複数種のガス(たとえば、6種のガス)の検知結果を同時に表示する第1の表示状態と第2の表示状態とで表示可能なように構成してもよい。
また、上記実施形態では、警報器100において、ユーザにより所定のガス以外のガスが表示対象ガスとして選択された場合に第2の表示状態に切り替わるとともに、4種のガスのうちの所定のガスの濃度が所定のガスに対応する表示範囲を超える場合に第2の表示状態に切り替わる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ユーザにより所定のガス以外のガスが表示対象ガスとして選択された場合にのみ第2の表示状態に切り替わるように構成してもよい。また、4種のガスのうちの所定のガスの濃度が所定のガスに対応する表示範囲を超える場合にのみ第2の表示状態に切り替わるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、4種のガスのうちの所定のガスの濃度が表示範囲を超える状態が非表示判断時間継続した場合に、第2の表示状態に切り替わる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、所定のガスの濃度が表示範囲を超える状態が所定の検知回数(たとえば、1分毎にガスの検知処理を行う場合には、2400回)継続した場合に、第2の表示状態に切り替わるように構成してもよい。また、所定のガスの濃度が表示範囲を超える状態になったと判断された際に、すぐに第2の表示状態に切り替わるように構成してもよい。これにより、より迅速に、ユーザに濃度を認識させる必要性の高い表示対象ガスの検知結果を認識させることが可能である。
また、上記実施形態では、表示部3が、所定の位置に各々配置された複数のセグメント3bから構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部をセグメント以外から構成してもよい。たとえば、複数の微細な画素がマトリックス状に配置された一般的な表示部を用いてもよい。これにより、容易に、警報対象ガスまたは校正対象ガスの検知結果や、異常の情報を拡大表示することが可能である。
また、上記実施形態では、第1の表示状態から第2の表示状態に切り替わる際の所定のガスの濃度の判断基準である「第1の範囲」と、第2の表示状態から第1の表示状態に切り替わる際の所定のガスの濃度の判断基準である「第2の範囲」とを、同じ範囲(表示範囲)にした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1の範囲と第2の範囲とを異ならせてもよい。たとえば、濃度が大きくなるにしたがって危険性が大きくなるガスの場合には、第2の範囲の上限値を第1の範囲の上限値よりも小さな値に設定してもよい。この際、第1の範囲の上限値は、第1の警報閾値以下である必要がある。また、濃度が小さくなるにしたがって危険性が大きくなるガスの場合には、第2の範囲の下限値を第1の範囲の下限値よりも大きな値に設定してもよい。この際、第1の範囲の下限値は、第1の警報閾値以上である必要がある。
また、上記実施形態では、非表示対象ガスの濃度が表示範囲を超えると判断された場合において、表示対象ガス数が最大拡大表示数を超える場合に第1の表示状態で表示され、示対象ガス数が最大拡大表示数以下である場合に第2の表示状態で表示される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、非表示対象ガスの濃度が表示範囲を超えると判断された場合には、最大拡大表示数を考慮せずに、第1の表示状態で表示するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、第2の表示状態において、表示対象ガスが2種の場合には、2種の表示対象ガスの検知結果が同時に拡大表示される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示対象ガスが2種の場合であっても表示対象ガスが3種または4種の場合と同様に、第2の表示状態において、1種の表示対象ガスの検知結果が拡大表示される状態が表示対象ガス毎に切り替わるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、警報器100が4種のガスの各々に対応する4つのセンサ21〜24を含むセンサ部2と、4種のガスの検知結果を同時に表示可能な表示部3とを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部は4種のガスの検知結果を同時に表示可能である一方、センサ部が2種以下のガスしか検知することができない場合には、ユーザの選択により、センサ部が検知することができないガスの検知結果は表示せずに、検知することが可能なガスの検知結果のみを拡大表示するように構成してもよい。
また、上記実施形態において、所定のガスの濃度が表示範囲を超えることにより所定のガスが非表示対象ガスになる場合に、所定のガスが非表示対象ガスになる旨の通知をユーザに行うように構成してもよい。この際、表示部に所定のガスが非表示対象ガスになる旨を表示したり、LED部の非表示対象ガスに対応するLEDを点滅させたりすることにより、通知を行うことが可能である。
また、上記実施形態では、表示対象ガスの検知結果が拡大表示される第2の表示状態において、拡大表示されたガスに対応するLED部4のLED41〜44を点灯または点滅させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2の表示状態において、LED部の非表示対象ガスに対応するLEDを点滅させたり、バックライトを点滅させたりすることにより、非表示対象ガスが存在する旨の通知を行うように構成してもよい。
また、上記実施形態では、警報対象ガスの数が拡大表示可能数を超える場合には、所定の期間だけ拡大表示状態になり、所定の期間経過後に第1の表示状態に切り替わるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、警報対象ガスの数が拡大表示可能数を超える場合には、すぐに第1の表示状態に切り替わるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、ユーザが種々の指示を行うことが可能な操作部6を操作することによって、4種のガスのうち表示部3に検知結果を表示するガス(表示対象ガス)を選択可能なように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示対象ガスを選択するための専用の操作部(ボタン部)を設けてもよい。また、2種の表示対象ガスを選択した場合には、2種の表示対象ガスの検知結果を同時に拡大表示する(図6および図7参照)か、または、1種の表示対象ガスの検知結果を交互に拡大表示する(図5参照)かを選択可能に構成してもよい。
また、上記実施形態では、表示対象ガス数が最大拡大表示数を超えると判断された場合には、拡大表示時間だけ表示対象ガスの検知結果が表示部3に拡大表示される第2の表示状態に切り替えられるとともに、拡大表示時間経過後には、4種のガスの検知結果が同時に表示部3に表示される第1の表示状態に戻される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、一度第2の表示状態に切り替えられたら、第1の表示状態に戻された後、所定時間経過しないと第2の表示状態に切り替えることができないように構成してもよい。さらに、本発明では、表示対象ガス数が最大拡大表示数を超えると判断された場合には、第2の表示状態に切り替えずに第1の表示状態を維持してもよい。
また、上記実施形態では、警報表示状態においては、ユーザによって表示対象ガスが選択された場合や、表示範囲を超えた表示対象ガスが存在する場合であっても、表示部3の表示は警報対象ガスの検知結果が拡大表示される警報表示状態で維持される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、警報表示状態においても、ユーザによって表示対象ガスが選択された場合や、表示範囲を超えた表示対象ガスが生じた場合には、表示部の表示を警報表示状態から第1の表示状態や2種のガスが同時に表示される第2の表示状態などに切り替えてもよい。この際、警報対象ガスを含む表示対象ガスが3種以上である場合に、4種のガスの検知結果が同時に表示部に表示される第1の表示状態に切り替えるのが好ましく、警報対象ガスを含む表示対象ガスが2種である場合に、2種のガスの検知結果が同時に表示される第2の表示状態に切り替えるのが好ましい。また、上記場合には、所定の時間だけ第1の表示状態に切り替えるとともに、所定の時間経過後には、警報表示状態に戻るように構成してもよい。さらに、一度第1の表示状態に切り替えられたら、警報表示状態に戻された後、所定時間経過しないと第1の表示状態に切り替えることができないように構成してもよい。
また、上記実施形態では、警報器100が検知可能な4種のガスとして、可燃性ガス、酸素、硫化水素および一酸化炭素を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、警報器をオゾンやアンモニアなどの他のガスを検知可能なように構成してもよい。この際、濃度が大きくなるにしたがって危険性が大きくなるガスの場合には、可燃性ガス、硫化水素および一酸化炭素と同様に、第1(第2)の警報閾値および表示閾値が濃度の上限値として設定される。また、濃度が小さくなるにしたがって危険性が大きくなるガスの場合には、酸素と同様に、第1(第2)の警報閾値および表示閾値が濃度の下限値として設定される。