JP2016113696A - アルミニウム基地複合材料の製造方法及びこれにより製造されたアルミニウム基地複合材料 - Google Patents

アルミニウム基地複合材料の製造方法及びこれにより製造されたアルミニウム基地複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な装備が必要ない全く新しい概念に基づいた単純なアルミニウム基地複合材料の製造方法及びこれにより製造されたアルミニウム基地複合材料を提供する。【解決手段】本発明のアルミニウム基地複合材料の製造方法は、アルミニウム製物質とセラミック強化相の混合物を含窒素雰囲気で加熱することを特徴とする。アルミニウム製物質が、純度99重量%以上のアルミニウム、又はアルミニウム含量が50重量%以上のアルミニウム合金、又はこれらを組み合わせであり、アルミニウム合金が、マグネシウム、ケイ素、銅、マンガン及び亜鉛からなるグループから選択された1種以上を含み、セラミック強化相が、酸化物、炭化物、硼化物、窒化物の少なくとも1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム基地複合材料の製造方法及びこれにより製造されたアルミニウム基地複合材料に係り、より詳しくは、水素又はアルゴン等の非酸化性ガスを混合して濃度を調節した窒素雰囲気又はアンモニアガス雰囲気下でセラミック強化相とアルミニウムの混合物を単純に加熱してアルミニウム基地複合材料を製造する方法及びこれにより製造されたアルミニウム基地複合材料に関する。
粒子、ウィスカー、ファイバー等の多様な形状のセラミック相で強化された金属基地複合材料(metal matrix composites:以下、MMCsと略す。)は、金属基地そのもの特性(軟性と靭性)とセラミック材料の特性(高強度と剛性率)を兼ね備えるため、各構成成分のみからなった材料より優れた特性を有する。特に両材料の諸性質(物理的、熱的、電気的及び機械的性質等)が非常に相違するため、MMCs性質は金属とセラミックの特性によって非常に広範に変化させることができる。これは、金属基地と強化相の種類及び強化相の大きさ、形状そして相対的な量を利用すると無数の組み合わせが可能であることに由来する。したがって、このような条件の適切な組み合わせによってMMCsの性質を最終用途に合う性質の複合材料を製造することができる。
最近では、MMCsに対する技術的な進歩により陸上輸送(自動車と鉄道)、熱管理、航空宇宙、産業用、レクリエーション及び基盤産業に至る先端産業分野や、我々の実生活においても多様に応用されている。
多様な金属の中で現在、商用化されたMMCs市場で70%を占めているものがアルミニウム基地複合材料(AIuminium matrix metal composites;以下、AIMMCsと略す。)である。これを製造するために、スターキャスティング(stircasting)法、液相侵入法及び粉末冶金法が主に使われている。基本的に、MMCsは、金属基地にセラミック強化相を融合させたものある。しかし、両材料の諸性質があまりにも相違するため、強化相を金属基地に融合させることは容易ではない。この問題からMMCsを商用的に大量製造するために、高いエネルギーを用いて混合(mixing)させたり(例:スターキャスティング法)、予備成形体を作った後、高い圧力を用いて加圧侵入させたり(例:液相侵入法)あるいは粉末を混合して圧力を加えて成形した後、焼結する方法(例:粉末冶金法)を行っている。しかし、このような工程は、MMCs製品を生産するために追加の設備を必要とするので最終製品の単価を上昇させる要因となっている。
また、上記商用工程にはその特性上、適用できる強化相の種類と体積分率の制限がある。その上、材料である合金の調達にもそれぞれの追加工程が必要となり、最終製品の普及に悪影響を及ぼす虞があった。
MMCs分野は、技術革新により、全世界のMMCs市場が2019年まで約6.6%の年平均成長率で拡大するものと予想しているが、一般的な材料に比してその市場は、相対的に非常に小さな規模である。このような状況の中、競合材料に比して高い価格となることは価格競争力が落ちることになり、致命的な問題となる。この問題を克服するために低コストで大量生産する技術についての研究が活発に進められている。
追加の設備が必要ない単純な製造工程が開発できれば、価格競争力を備えることになり、MMCsの応用範囲がさらに拡大することが期待される。
米国登録特許公報第4、713、360号 米国公開特許公報第4、824、008号 米国登録特許公報第5、856、025号
M.K.Surappa: Aluminium matrix composites: Challenges and opportunities Sadhana, 28 (2003) 319〜334. K.U.Kainer: Metal matrix composites. Custom−made materials for automotive and aerospace engineering Weinheim: Wiley−VCH; 2006. Transparency Market Research: Metal Matrix Composites (MMC) Market for Ground Transportation, Electronics/Thermal Management, Aerospace and Other End−users−Global Industry Analysis, Size, Share, Growth, Trends and Forecast, 2013〜2019. BCC Research: Metal Matrix Composites: The Global Market. M.Balog et al.: Materials Science & Engineering A 562 (2013) 190−195. Q.U.Xuanhui et al.: Progress in Natural Science: Materials International 21(2011) 189〜197). Sabuj Mallik et al.: Applied Thermal Engineering 31 (2011) 355−362. R.Prieto et al: Scripta Materialia 59 (2008) 11〜14. M.A.Occhionero et al.: Aluminium silicon carbide (AlSiC) for cost−effective thermal management and functional microelectric packaging design solutions 12th European Microelectronics and packaging Conference, June 7〜9 1999, S10〜S04 M.K. Aghajanian et al: SAMPE Q. 20 (1989) 43−6.
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、複雑な装備が必要ない全く新しい概念に基づいた単純なアルミニウム基地複合材料の製造方法及びこれにより製造されたアルミニウム基地複合材料を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明のアルミニウム基地複合材料の製造方法は、アルミニウム製物質とセラミック強化相の混合物を含窒素雰囲気で加熱することを特徴とする。
本発明において、アルミニウム製物質が、純度99重量%以上のアルミニウム、又はアルミニウム含量が50重量%以上のアルミニウム合金、又はこれらを組み合わせであることが好ましい。
アルミニウム合金が、マグネシウム、ケイ素、銅、マンガン及び亜鉛からなるグループから選択された1種以上を含むことができる。
アルミニウム製物質は、粉末形状、粒子形状、フレーク形状のいずれか1つであるか、又はこれらの2つ以上を混合したものであることがよい。
セラミック強化相が、酸化物、炭化物、硼化物、窒化物の少なくとも1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることが好ましい。
ここで、酸化物が、AI、MgO、TiO、ZrOの少なくとも1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることがよく、炭化物が、SiC、TiC、BCの少なくとも1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることがよく、硼化物が、TiBであることが好ましく、窒化物が、AIN、TiN、Siの少なくとも1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることが好ましい。
セラミック強化相が、粉末形態、粒子形態、ファイバー形態、ウィスカー形態のいずれか一つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることがよい。
セラミック強化相が、混合物全体の0乃至80体積%であることよく、60体積%以下であることがより好ましい。
含窒素雰囲気が、窒素ガス雰囲気及びアンモニアガス雰囲気の少なくとも1つを含むことがよく、窒素ガス又はアンモニアガスをアルゴンガス又は水素ガスで希釈したものであることが好ましい。
含窒素雰囲気の中、窒素ガス又はアンモニアガスの濃度は10体積%乃至100体積%であることがよい。
加熱温度が、590℃乃至1000℃であることが好ましく、600℃乃至800℃であることがより好ましい。
また、加熱時間は、60〜120分であることが好ましい。
本発明の他の側面は、本発明のアルミニウム基地複合材料が上記のアルミニウム基地複合材料の製造方法によって製造されたアルミニウム基地複合材料であることを特徴とする。
本発明のアルミニウム基地複合材料の製造方法は、均質に混合されたアルミニウム粉末とセラミック強化相の混合物を窒素を供給できる雰囲気下で熱処理する段階と、加熱する時、アルミニウム粉末の表面で発生する窒化反応により複合材の内部に均質にアルミニウム窒化物を形成する段階とを含み、加熱温度は、600℃乃至1000℃であり、前記加熱時間は、60分乃至120分であることを特徴とする。
本発明によれば、アルミニウムとセラミック強化相を混合した混合物を含窒素雰囲気で加熱する単純な工程によってセラミック強化相が均一に分布したアルミニウム基地複合材料を製造することができる。
また、アルミニウムの溶融点より低い温度で加熱しても窒化反応時に発生する熱がアルミニウムを溶融させてアルミニウム基地複合材料を製造することができ、複雑な装備が必要ない全く新しい概念に基づいた方法で、アルミニウム基地複合材料を製造することができ、この方法により製造されたアルミニウム基地複合材料を提供することができる。
さらに、アルミニウムの窒化反応により形成された窒化アルミニウムがまた一つの強化相と作用し、既存の工程に比して相対的に低い温度で複合材料を製造することができるため、アルミニウム基地とセラミック強化相の間の界面で発生する、好ましくない炭化アルミニウム(AI)等の生成を大きく抑制でき、優れた特性のアルミニウム基地複合材料を得ることができる。
実施例2で製造した複合材料の微細組織を観察した光学顕微鏡写真である。 実施例2で製造した複合材料のXRD分析パターンである。 実施例7で製造した複合材料の微細組織を観察した光学顕微鏡写真であり、(a)は低倍率画像、(b)は高倍率画像である。 実施例45で製造した複合材料の走査電子顕微鏡写真であり、(a)は低倍率画像、(b)は高倍率画像である。 実施例53で製造した複合材料の引張破壊面を観察した走査電子顕微鏡写真である。 比較例4で製造した複合材料の微細組織を観察した光学顕微鏡写真であり、(a)は低倍率画像、(b)は高倍率画像である。
以下、添付した図面を基に、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
本発明は、セラミック強化相が均一に分散されたアルミニウム基地複合材料の製造方法及びこれにより製造されたアルミニウム基地複合材料に関する。
本発明の一側面は、アルミニウム製物質とセラミック強化相の混合物を含窒素雰囲気で加熱することを特徴とするアルミニウム基地複合材料の製造方法である。
本発明の他側面は、アルミニウムの窒化反応により発生する追加的な熱によりアルミニウムの溶融以下の温度でもアルミニウムの溶融による複合材の製造を可能にする製造方法である。
アルミニウムの窒化反応により生成されたアルミニウム窒化物は、他の複合材の強化相で作用できる。複合材は、一般の製造方法より低い温度で製造されるため、アルミニウムとセラミック強化相の間の界面で反応物の形成を制限することができ、これにより、アルミニウム基地複合材の特性を改質できる。
本側面は、追加の工程や設備を利用しなくても、アルミニウム製物質及びセラミック混合物を単に加熱することによってアルミニウム基地複合材料を製造することができる特徴を有し、この方法により、工程効率を高めることができ、生産費用を顕著に節減できる効果を有する。
窒素雰囲気で加熱工程は、1)アルミニウム粉末表面を囲む酸化膜が窒素と反応して窒化層を形成する段階と、2)窒化反応時、発生した熱によってアルミニウムが溶融され、溶融アルミニウムの移動が容易となる段階と、3)強化相が持続に窒素供給の経路を提供して、加圧なく溶融アルミニウムが空隙を埋めて焼結される段階と、を含むことを特徴とする。
以下、本側面について詳細に説明する。
まず、アルミニウム粉末とセラミック強化相を混合した混合物を準備する。
アルミニウム粉末とセラミック強化相を混合するために一般の粉末混合方法(例:ロールミキシング(roll mixing)、ボールミキシング(ball mixing)等)を使用することができる。しかし、これに限定されるのではなく、この場合、アルミニウム粉末とセラミック強化相が均一に混合されることが重要であり、均一の混合粉末を得るためのあらゆる方法を使用することができる。セラミック強化相がアルミニウム基地に均一に分散されて優れた特性のアルミニウム基地複合材料を得ることができる。
アルミニウムは粒子状、ロード状、フレーク状等の形態であるか又はこれらが混在されたものでもよいが、アルミニウム粉末を使用することがより好ましい。
アルミニウムとしては、純度99重量%以上のアルミニウム、アルミニウム含量が50重量%以上のアルミニウム合金又はこれらを組み合わせて使用することができる。
アルミニウム合金には、マグネシウム、ケイ素、銅、マンガン、亜鉛又はこれらの混合物より選択される1種以上が含まれる。アルミニウム合金の粉末としては、国際アルミニウム合金名でA5052、A6061、A356、A7075等の合金粉末を使用することができる。さらにそれぞれの合金を構成する各成分の粉末を混合した混合粉末も用いることができる。
セラミック強化相は、粒子状、ロード状、ファイバー状又はウィスカー状形態であるか又はこれらが混在されたものでよい。セラミック強化相は、セラミック粉末を使用することがより好ましい。
セラミック強化相は、最終製品で要求される複合材料の特性によって酸化物、炭化物、硼化物、窒化物の内の少なくとも1つ以上を選択するか、又はこれらの2つ以上を混合して使用することができる。しかし、これに限定されるものではなく、多様なセラミック材料を使用することができる。
酸化物としては、AI、MgO、TiO、ZrO又はこれらの混合物を使用することができる。炭化物としては、SiC、TiC、BC又はこれらの混合物して使用することができる。硼化物としては、TiBを使用することができ、窒化物としては、AIN、TiN、Si及びこれらの混合物から選択して使用することができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、その他の強化相を使用することができる。
本発明により製造された複合材料はアルミニウム基地にセラミック相が分布している微細構造を有し、強化相として添加されるセラミック相の種類と形状、大きさ及び相対的な量を調節することによって最終複合材料の物性を選択することができる。
セラミック強化相は、混合物全体の0乃至80体積%になるように添加することが好ましい。強化相の添加量が80体積%より大きい場合には、過度の窒化物が生成して健全な複合材料を製造できない虞がある。強化相の含有量は、60体積%にすることがより好ましい。
製造された複合材料に含まれるセラミック強化相の量は、混合粉末に添加された量によって決定されるが、セラミック強化相の量を上記範囲内において自由に調節することができ、各用途に適した物性を有する複合材料を製造することができる。
アルミニウム粉末及びセラミック強化相の混合物は、粉末ベッドでありうる。しかし、これに限定されるものではなく、予備成形体のように(preform)特定の形態に成形された混合粉末体であってよい。混合物には、雰囲気に含まれる窒素がその内部に侵入してアルミニウムと反応して窒化アルミニウムを形成することができるものであれば、いかなる形態でも使用することができる。
次に、アルミニウム粉末とセラミック強化相の混合物を含窒素雰囲気で加熱してアルミニウム基地複合材料を製造する。
含窒素雰囲気を形成するために窒素ガス(N)又はアンモニアガス(NH)を使用することができる。
窒素ガス(N)としては、99.9%以上の純粋な窒素ガス(N)を使用することができる。窒素ガス(N)又はアンモニアガス(NH)に非酸化性ガスであるアルゴンガス(Ar)又は水素ガス(H)を混合希釈して使用することができる。ここで、非酸化性ガスとは、製造条件下でアルミニウムと反応しない不活性ガス又は還元性ガスをいう。
加熱過程において雰囲気に含まれる窒素が混合粉末の中のアルミニウムと反応して窒化アルミニウム(AIN)を生成する窒化反応が起こる。この窒化反応は発熱反応であるため、反応時に発生した反応熱によってアルミニウムが溶融する。このように、混合物の中のアルミニウムが溶融して基地を形成し、アルミニウム基地にセラミックが分布したアルミニウム基地複合材料(AIMMCs;AIuminium matrix metal composites)が形成される。
混合物を常温で炉に裝入するだけでなく、設定温度で加熱した炉に裝入することも可能である。窒素を含むガスも常温で注入することができ、又は、加熱した任意の温度で注入することもできる。
加熱は、次のように遂行される。例えば、常温で5℃/minの昇温率で設定温度まで昇温した後、設定温度で維持する。維持時間は、少なくとも30分以上が必要であり、通常、60〜120分の間が好ましい。
設定温度は、590℃乃至1000℃であればよい。温度が590℃より低い場合には、不十分な窒化反応によって発熱量が小さいため、アルミニウム粉末が完全に溶融せず、多くの気孔を有する不健全な複合材料が製造される。1000℃より高い場合には、過度の界面反応が発生して製造された複合材料の性質を低下させた上、製造費用の上昇をもたらすという問題がある。より好ましい設定温度は、600℃乃至800℃である。
含窒素雰囲気でアルミニウムとセラミック強化相の混合物を加熱すると、混合物の中のアルミニウムと雰囲気の中の窒素とが反応してアルミニウムが窒化される。このアルミニウムの窒化反応は、アルミニウムの直接窒化法によって窒化アルミニウムを製造する過程とメカニズムが同一であり、激烈な発熱反応であることが知られている。
本発明によるとアルミニウムの溶融温度(660℃)より遥かに低い温度(例:590℃)だけでなく、高温(例:1000℃)領域でも複合材料を製造することができる。アルミニウムの溶融温度以下でも複合材料の製造が可能であることは、まさにこの窒化反応に起因した発熱反応によるものである。本発明において、アルミニウム基地複合材料を製造できる最低温度は存在するが、最高温度には制限がない。しかし、経済性及びアルミニウム基地とセラミック強化相の間の好ましくない界面反応を抑制することを考慮すると、できるだけ製造温度が低いことが好ましい。
セラミック強化相の種類、大きさと量、アルミニウム粉末の大きさと量及び合金組成成分の添加、温度、時間、窒素の濃度と量等を調節して窒化率を調節することができる。また、同じ製造条件においてもセラミック強化相とアルミニウム粉末の大きさ及び相対的な量を調節することによって窒化率を調節することができる。これは、上記条件によって発熱程度が決まり、この発熱程度によって窒化率が決まるためである。この窒化率は、最終複合材料の性能に影響を及ぼす可能性がある。
窒化率は、アルミニウムが窒化アルミニウムに転換される比率を表す。理論的にアルミニウムが窒化アルミニウムに完全に転換されると約52%の重さが増加する。窒化率は加熱前後のるつぼの重さの変化から計算することができる。
アルミニウムの溶融温度以下で加熱する場合、アルミニウムの窒化が先に起き、その窒化反応により発生した熱によってアルミニウムが溶融されてアルミニウム基地複合材料が製造されるため、アルミニウムの窒化率を適切に調節する必要がある。アルミニウムの窒化率が低い場合には、発熱量が少なく、アルミニウム粉末が溶融されないか、又は、部分的な溶融のみが起こり健全な複合材料が製造されない虞がある。一方、アルミニウムの窒化率が50%以上になると、ほとんど全てのアルミニウムが窒化されて窒化アルミニウムに変わるため、溶融されるアルミニウムが不足して複合材料が製造されない虞がある。
アルミニウム窒化率は、多様な工程変数によって調節できる。この工程変数にはアルミニウム粉末の大きさと量、合金元素の存在可否、セラミック強化相の種類、大きさと量、窒素ガスの量と濃度、製造温度及び時間等の多様な条件が含まれる。
このように多様な変数の組み合わせが可能であるために、同じアルミニウム基地のセラミック強化相システムでも、多様な性質の複合材料を製造することができる。これが本発明のもう1つの長所である。
アルミニウムの溶融温度以下で複合材料を製造する場合、アルミニウム基地とセラミック強化相の間の界面反応を大きく抑制できる。基地と強化相の間の化学的な安定性は非常に重要であるが、複合材料の製造過程の中で発生する過度な界面反応は複合材料の強度を低下させることがある。
例えば、アルミニウム基地にSiCを強化相として添加し、アルミニウムの溶融点以上に加熱して複合材料を製造すると、アルミニウム基地とセラミック強化相の間の界面に炭化アルミニウム(AI)が形成されることを避けることができないが、炭化アルミニウム(AI)は水分と反応して分解するため複合材料の強度を低下させる。従来は、このようなAIの形成を防止するために臨界量(最小7重量%)以上のSiを添加しなければならなかった。
しかし、本発明は、工程温度がアルミニウムの融点よりはるかに低いため、界面に炭化アルミニウム(AI)がほとんど生成されず、堅牢な複合材料を製造することができる。
本発明の他の側面は、上記の方法によって製造されたアルミニウム基地複合材料である。
本発明のアルミニウム基地複合材料は、窒化反応により生成された窒化アルミニウムを含む。セラミックの種類、大きさ及び量、アルミニウム粉末の大きさと量、合金構成成分の存在可否、加熱温度及び時間、窒素の濃度等を調節することによって窒化反応により生成される窒化アルミニウムの量を調節することができる。窒化反応により形成された窒化アルミニウムは、追加的な強化相の役割を果たす。反応により形成した窒化アルミニウムと人為的に添加したセラミック強化相の適切な組み合わせを利用すると、人為的に添加したセラミック強化相のみを含むアルミニウム複合材料では得られない多様な特性を具現化できる。例えば、相対的に小さな体積分率のSiCを添加した場合にも反応により形成されるAIN量を調節すると高体積分率のSiCを添加したときと同等の効果が得られる。
本側面による複合材料において、窒化アルミニウムはアルミニウム基地に不連続に分布している可能性もある。
以下に、実施例及び比較例を開示して本発明についての詳細な説明をする。しかし、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
〔実施例1乃至13〕
まず、AI粉末(徳山薬品工業、CAS7429−90−5、325mesh、99.9%)とセラミック粉末としてSiC粉末(Showa Denko、C#600J)及び、AI粉末(Showa Denko、WA#600J)を出発物質として用意した。
次に、複数の出発物質を表1の造成比のとおりに秤量してプラスチック容器に投入した後、手で振って粉末混合物を得た。
次いで、粉末混合物をるつぼに注入して、満たしたるつぼを雰囲気を調節できる炉に裝入し、表1記載の条件により加熱した後、自然冷却してアルミニウム基地複合材料を製造した。
Figure 2016113696
図1には、実施例2で製造した複合材料の微細組織を観察した光学顕微鏡写真を示した。図2には、実施例2で製造した複合材料のXRD分析パターンを示した。
図1を基にすると、アルミナ粒子がアルミニウム基地に均一に分布していることが明確であり、これからアルミニウムの融点(660℃)より約20℃低い640℃の温度でもアルミニウム基地複合材料を製造することができることが確認された。
図2に示した実施例2で製造した複合材料のXRD分析パターンからは、アルミニウム(Al)、アルミナ(Al)及び窒化アルミニウム(AlN)のピークが検出された。このことから複合材料の製造過程においてアルミニウム粉末が窒化して窒化アルミニウムが形成されたことを立証された。
図3には、実施例7で製造した複合材料の微細組織を観察した光学顕微鏡写真で示した。図3(a)、(b)に基づくと、SiC強化相がアルミニウム基地に均一に分布していることが確認できる。
〔実施例14乃至20〕
アルミニウム(AI)粉末の代わりにアルミニウム合金(AI−3Mg;アルミニウム100重量部とマグネシウム3重量部)を使用し、セラミック強化相としてTiC、BC又はTiBを使用し、ガス量及び温度を除いては、実施例1の場合と同様の方法によってアルミニウム基地複合材料を製造した。表2に、使用したセラミック強化相の体積分率とガス量及び温度を示した。
全ての実施例で複合材料が製造された。
Figure 2016113696
表2を基にすると、混合粉末にMgを添加することによってアルミニウム融点(660℃)より低い温度(590〜600℃)においても複合材料を製造することができることが確認された。
〔実施例21乃至38〕
本実施例では、強化相の大きさ及び基地造成の変化による窒化度の違いを検討した。
表3に示す造成比によりアルミニウム粉末とSiC粉末をスペックスミルを用いて5分間混合して混合粉末を用意した。それぞれの実施例で使用したアルミニウム粉末量は40gと一定であったが、SiC粉末の大きさ及び体積分率を表3記載のとおりに変化させた。2L/分の流量で供給された含窒素雰囲気下、700℃で1時間加熱した後、室温で冷却して、加熱の前後の質量から窒化度を測定し、その結果を表3に示した。
Figure 2016113696
表3を基にすると、強化相の粒子大きさが同じ場合に、強化相の体積分率が増加するほど窒化度も増加することが確認された。また、強化相の体積分率が同じ場合には、強化相の粒子大きさが大きくなるほど窒化度は減少することが確認された。
本発明において、製造した複合材料では強化相の大きさ、体積分率及びアルミニウム基地造成比等によって窒化度が変わることが確認された。例えば、セラミック強化相の内の大きさ5.5μmのSiCを分散する時、その体積分率が15%(実施例24)、20%(実施例25)、25%(実施例26)に増加することによって、 窒化度が4.9%、6.3%、27.9%に増加することが分かる。これは、セラミック強化相が窒素を供給できる通路を提供し、強化相の体積分率か増加するほどより多くの窒素が内部に供給できることを示唆している。
また、セラミック強化相の内のSiCを15%分散した場合、セラミック強化相の大きさが3(実施例21)、5.5(実施例24)、8μm(実施例27)に増加することによって、窒化度が20%、4.9%、3.2%に減少することが分かる。これは、強化相の大きさが減少することによって、単位体積分率あたり表面積が広くなり、より多くの窒素供給通路が確保されたためである。
このような結果は、本発明が既存工程では得られない独特の長所を有することを示している。すなわち、同じAI−SiC複合材料の場合にもSiCの大きさ、体積分率及びアルミニウム基地造成比を変化させることによって相違する窒化度を得ることができる。
このように、複合材料を製造する間に独自で形成された窒化アルミニウムは、人為的に添加した強化相と共に第2の強化相の役割を果たすため、窒化度の調節をすることにより複合材料の特性を向上させることが可能となる。
特に、窒化度の調節は、工程変数の変化で可能であり、工程変数の組み合わせは、無限に可能であるため所望の特性を有する複合材料を製造する方法は著しく多様になる。
〔実施例39乃至42〕
本実施例においては、大型複合材料の製造性能を把握するために、アルミニウム粉末とSiC混合粉末量を1kgに増加させた。SiC粉末(Showa Denko,C#320J)とアルミニウム粉末を表4の造成比によってロールミキシング(roll mixing;400rpm、2時間)で混合し、粉末混合物を用意した。
次に、粉末混合物をるつぼに注入して満たし、るつぼを炉に裝入し、表4の条件により加熱した後、自然冷却してアルミニウム基地複合材料を製造した。製造した複合材料については熱膨張係数及び熱伝導度を測定し、その結果を表4に示した。
Figure 2016113696
アルミニウムの融点(660℃)より若干高い665℃でも強化相の体積分率に関係なく大型複合材料を製造することができた。表4を参照すると、熱膨張係数値は、強化相の体積分率が増加するによって減少することが確認された。
〔実施例43乃至50〕
本実施例ではアルミニウム粉末の代わりに6063アルミニウム合金を構成する混合粉末を使用して大型複合材料を製造した。
まず、0.6重量%Si、0.1重量%Cu、0.9重量%Mg、及び0.1重量%Zn粉末をアルミニウム粉末に添加して6063アルミニウム合金の造成比を有する粉末を用意した。
次に、表5に示したとおり17.5〜50体積%のSiC粉末を混合してロールミキシング(roll mixing;400rpm、2時間)を用いて総重1kgの混合粉末を用意した。使用したSiC粉末(Showa Denko、C#320J、C#800J)の平均粒子径は14μmと40μmであった。
次に、粉末混合物をるつぼに注入して満たし、るつぼを炉に裝入し、表5に記載の条件により加熱した後、自然冷却してアルミニウム基地複合材料を製造した。表5においての弾性の係数(E)、引張強度(UTS)、降伏強度(YS)、延伸率(EL)は、T6熱処理(焼き戻し処理)後に測定されたものである。
Figure 2016113696
表5に、製造された複合材料の引張性質と熱膨張係数及び熱伝導度を表した。
本発明によって製造された複合材料の諸性質は、既存の製造工程を用いて得た性質と近似の結果を示した。本発明で提示した新しい工程は、既存工程に比して相対的に非常に単純な工程であるため、製造費用が大きく節減でき、経済的な工程であることを立証した。
図4は、実施例45で製造した複合材料の微細組織を走査電子顕微鏡で観察したものである。低倍率で観察した結果(図4−a)からSiC粒子がアルミニウム基地に均一に分布していることが確認された。一方、高倍率で観察した結果(図4−b)から、SiC粒子と基地の界面で炭化アルミニウム等の反応生成物が生成されていないことが確認された。
〔実施例51乃至54〕
本実施例ではアルミニウム基地造成とSiCの粒子径を10μmにしたことを除いては、実施例43の場合と同じ方法によってアルミニウム基地複合材料を製造した。製造条件及び製造された複合材料の引張特性を表6に表した。表6においての弾性の係数(E)、引張強度(UTS)、降伏強度(YS)、延伸率(EL)は、T6熱処理(焼き戻し処理)後に測定されたものである、
Figure 2016113696
表6を参照すると、製造された複合材料は、強度を始め、軟性も比較的に優秀であることが確認できる。
図5には、実施例53で製造した7050AI基地複合材料の引張破壊面を走査電子顕微鏡で観察した写真を示した。図5を基にすると、良好な界面と軟性破壊挙動を示している。
〔比較例1乃至4〕
本実施例においては、雰囲気ガスとして窒素ガス代りにアルゴンガスを使用した。窒素ガス代りにアルゴンガスを使用したことを除いては、実施例21の場合と同様な方法によってアルミニウム基地複合材料を製造した。製造条件及び窒化度結果を表7に示した。
Figure 2016113696
表7の全ての実施例において窒化は、起きなかったが、複合材料は製造された。しかし、凝固が完了した後には、相当のアルミニウムが粉末ベッド表面で抜け出して金属状態で存在した。また、製造された複合材料の内部ではアルミニウムの不足により相当の気孔が観察され、健全な複合材料を製造することができなかった。
図6には、比較例4で製造した複合材料の微細組織を光学顕微鏡で観察した写真を示した。図6を基にすると、製造された複合材料には、気孔が多数存在することを確認できたが、これはアルミニウムの不足によるものである。このように気孔が多数存在する複合材料は、機械的性能を発揮することが出来ないため、商品として販売できない。
以上の結果から健全な微細組織を有する複合材料を製造するためにはガス雰囲気に一定量以上の窒素が存在しなければならないということを確認することができた。
以上、本発明について好ましい実施例を使って詳しく説明したが、本発明の範囲は特定の実施形態に限定されるのではなく、特許請求の範囲によって解釈されなければならない。また、この技術分野で通常の知識を習得した者なら、本発明の技術的範囲内で多くの修正と変形ができることはいうまでもない。

Claims (29)

  1. アルミニウム製物質とセラミック強化相の混合物を含窒素雰囲気で加熱することを特徴とするアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  2. 前記アルミニウム製物質が、純度99重量%以上のアルミニウム、又はアルミニウム含量が50重量%以上のアルミニウム合金、又はこれらを組み合わせであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  3. 前記アルミニウム合金が、マグネシウム、ケイ素、銅、マンガン及び亜鉛からなるグループから選ばれた1種以上を含むことを特徴とする請求項2記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  4. 前記アルミニウム製物質は、粉末形状、粒子形状、フレーク形状のいずれか1つであるか、又はこれらの2つ以上を混合したものであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  5. 前記セラミック強化相が、酸化物、炭化物、硼化物、窒化物の少なくとも1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  6. 前記酸化物が、AI、MgO、TiO、ZrOの少なくとも1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項5記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  7. 前記炭化物が、SiC、TiC、BCの少なくとも1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項5記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  8. 前記硼化物が、TiBであることを特徴とする請求項5記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  9. 前記窒化物が、AIN、TiN、Siの少なくとも1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項5記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  10. 前記セラミック強化相が、粉末状態、粒子形態、ファイバー形態、ウィスカー形態のいずれか1つであるか、又はこれらの2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  11. 前記セラミック強化相が、混合物全体の0乃至80体積%であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  12. 前記セラミック強化相が、混合物全体の0乃至60体積%であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  13. 前記含窒素雰囲気が、窒素ガス雰囲気及びアンモニアガス雰囲気の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  14. 前記含窒素雰囲気が、窒素ガス又はアンモニアガスをアルゴンガス又は水素ガスで希釈したものであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  15. 前記含窒素雰囲気の中の窒素ガス又はアンモニアガスの濃度が、10体積%乃至100体積%であることを特徴とする請求項13記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  16. 前記加熱温度が、590℃乃至1000℃であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  17. 前記加熱温度が、600℃乃至800℃であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  18. 前記加熱温度が、600℃乃至1000℃であり、前記加熱時間は、60分乃至120分であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  19. 請求項1に記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法によって製造されたことを特徴とするアルミニウム基地複合材料。
  20. アルミニウム基地複合材料の製造方法は、
    均質に混合されたアルミニウム粉末とセラミック強化相の混合物を窒素を供給できる雰囲気下で熱処理する段階と、
    加熱する時、前記アルミニウム粉末の表面で発生する窒化反応により複合材の内部に均質にアルミニウム窒化物を形成する段階と、を含み、
    加熱温度は、600℃乃至1000℃であり、加熱時間は、60分乃至120分であることを特徴とするアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  21. 前記セラミック強化相の大きさは、0.5μm乃至100μmであり、体積分率は、0体積%乃至60体積%であることを特徴とする請求項20記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  22. 前記セラミック強化相が酸化物、炭化物、硼化物、窒化物の少なくとも1つを含むか、又はこれらの2つ以上を組み合わせて用いることを特徴とする請求項20記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  23. 前記酸化物が、AI、MgO、TiO、ZrOの少なくとも1つを含むか、又はこれらの2つ以上を組み合わせて用いることを特徴とする請求項20記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  24. 前記炭化物が、SiC、TiC、BCの少なくとも1つを含むか、又はこれらの2つ以上を組み合わせて用いることを特徴とする請求項20記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  25. 前記硼化物が、TiBであることを特徴とする請求項20記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  26. 前記窒化物が、AIN、TiN、Siの少なくとも1つを含むか、又はこれらの2つ以上を組み合わせて用いることを特徴とする請求項20記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  27. 前記アルミニウム粉末の大きさは、0.5μm乃至100μmであり、体積分率は、0体積%乃至40体積%であることを特徴とする請求項20記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  28. 前記含窒素雰囲気が、窒素ガス又はアンモニアガスをアルゴンガス又は水素ガスで希釈したものであることを特徴とする請求項20記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法。
  29. 請求項20に記載のアルミニウム基地複合材料の製造方法によって製造されたことを特徴とするアルミニウム基地複合材料。
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