JP2016126064A - フィルターおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Takashi Okada
崇嗣 岡田
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Abstract

【課題】液晶表示体の視認側に配置することで該液晶表示体の色再現性を十分に向上させることが可能なフィルターおよび色再現性が十分に改善された液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示体の視認側に配置されるフィルターであって、波長300〜1000nmの光に対する吸光スペクトルは、液晶表示体の視認側表面が発する発光スペクトルが有する赤色発光ピークの極大発光波長未満、緑色発光ピークの極大発光波長超の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有し、かつ発光スペクトルが有する緑色発光ピークの極大発光波長未満、青色発光ピークの極大発光波長超の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク、および/または、発光スペクトルが有する青色発光ピークの極大発光波長以下400nm以上の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有するフィルター。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示体の視認側に配置されるフィルターおよび液晶表示装置に関する。
従来から、画像表示装置の画像を表示する表示体、いわゆるディスプレイパネルにおいては、表示体本体だけでは色の純度が悪く色の再現性が十分ではない、言い換えると色域が狭いことから、色域を拡大して色再現性を向上しようとする試みがなされている。
これらのうちでも液晶表示装置に用いられる液晶表示体は、基本的にバックライトと、カラーフィルターを含む液晶パネルとが積層された構成を有し、上記のような色再現性の改善は、主としてカラーフィルターを調整することで行われていた。
また、液晶表示体の視認側に、色調補正機能を有するフィルターを配置して色再現性を向上する技術も開発されている。例えば、特許文献1においては、液晶表示体のバックライトとして用いられる冷陰極管の色再現性に悪影響をおよぼす波長585nmの発光ピークに注目して、この波長付近に吸収を有する光学フィルターを液晶表示体の視認側に配置する試みがなされている。
しかしながら、近年、液晶表示体のバックライトとして冷陰極管に代わって高輝度、省エネルギーを実現できるLEDが用いられるようになってきている。バックライトがLEDの場合、液晶表示体に特許文献1に記載の光学フィルターを組み合せても、色再現性を向上させる効果は殆ど期待できない。そこで、バックライトの種類に関係なく広く色再現性の向上が図れる液晶表示体用の光学フィルターが望まれていた。
特開2007−108535号公報
本発明は上記観点からなされたものであって、液晶表示体の視認側に配置することで該液晶表示体の色再現性を十分に向上させることが可能なフィルターおよび色再現性が十分に改善された液晶表示装置の提供を目的とする。
本発明のフィルターは、液晶表示体の視認側に配置されるフィルターであって、前記フィルターの波長300〜1000nmの光に対する吸光スペクトルは、
前記液晶表示体の視認側表面が発する発光スペクトルが有する赤色発光ピークの極大発光波長未満、緑色発光ピークの極大発光波長超の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有し、かつ
前記発光スペクトルが有する緑色発光ピークの極大発光波長未満、青色発光ピークの極大発光波長超の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク、および/または、前記発光スペクトルが有する青色発光ピークの極大発光波長以下400nm以上の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有する。
本発明の液晶表示装置は、液晶表示体と、前記液晶表示体の視認側に配置された上記本発明のフィルターとを有する。
なお、本明細書において、視認側とは液晶表示を視認する人間が存在する側をいい、上記視認側の反対側を、非視認側という。
本発明のフィルターは、液晶表示体の視認側に配置することで該液晶表示体の色再現性を十分に向上させることができる。また、本発明によれば色再現性が十分に改善された液晶表示装置が提供できる。
本発明のフィルターの実施形態の一例の吸光スペクトルを示す図である。 本発明のフィルターの実施形態の別の一例の吸光スペクトルを示す図である。 本発明のフィルターの実施形態の一例を示す断面図である。 本発明のフィルターの実施形態の別の一例を示す断面図である。 図3に示すフィルターを用いた本発明の液晶表示装置の実施形態の一例を示す断面図である。 図4に示すフィルターを用いた本発明の液晶表示装置の実施形態の別の一例を示す断面図である。
本発明のフィルターおよび液晶表示装置の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
[フィルター]
本発明のフィルターは、液晶表示体の視認側に配置されるフィルターであって、前記フィルターの波長300〜1000nmの光に対する吸光スペクトルは、前記液晶表示体の視認側表面が発する発光スペクトルに対応する以下の(1)の吸光ピークを有するとともに、(2)の吸光ピークおよび/または(3)の吸光ピークを有する。以下、液晶表示体の視認側表面が発する発光スペクトルを「液晶表示体の発光スペクトル」という。また、極大発光波長および極大吸光波長をいずれも「λmax」で示すこともある。
(1)液晶表示体の発光スペクトルが有する赤色発光ピークの極大発光波長未満、緑色発光ピークの極大発光波長超の波長領域(以下、「第1の波長領域」ともいい、「λ1」で示す場合もある。)に極大吸光波長を有する吸光ピーク。
(2)液晶表示体の発光スペクトルが有する緑色発光ピークの極大発光波長未満、青色発光ピークの極大発光波長超の波長領域(以下、「第2の波長領域」ともいい、「λ2」で示す場合もある。)に極大吸光波長を有する吸光ピーク。
(3)液晶表示体の発光スペクトルが有する青色発光ピークの極大発光波長以下400nm以上の波長領域(以下、「第3の波長領域」ともいい、「λ3」で示す場合もある。)に極大吸光波長を有する吸光ピーク。
ここで、本発明でいう吸光ピークとは、吸光スペクトルにおいて半値幅が50nm以下となるようなシャープな波形を形成している領域をいう。すなわち、半値幅が50nmを超えるようなブロードな吸光波形には、吸光ピークという用語を適用しない。
図1および図2に、それぞれ本発明のフィルターの実施形態の一例および別の一例の吸光スペクトルを、組み合わせて用いる液晶表示体の発光スペクトルと併せて示す。図1および図2において、フィルターの吸光スペクトルを実線で示し、組み合わせて用いる液晶表示体の発光スペクトルを破線で示す。なお、図1および図2に発光スペクトルを示した液晶表示体は、同一の液晶表示体(ソニー社製、商品名:BRAVIA(HX920シリーズ、KDL−46HX920))である。
図1に吸光スペクトルを示すフィルターは、該吸光スペクトルにおいて、第1、第2および第3の各波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを1つずつ有するフィルターである。また、図2に吸光スペクトルを示すフィルターは、該吸光スペクトルにおいて、第1および第2の各波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを1つずつ有し、第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有しないフィルターである。
表1に、図1および図2に示す液晶表示体の赤色、緑色、青色の各発光ピークの極大発光波長と、組み合わせて使用されるフィルターの吸光スペクトルにおける第1〜第3の各波長領域を示す。また、表2に上記第1〜第3の各波長領域と、図1および図2に示すフィルターの吸光ピークの極大吸光波長を示す。図1、図2および表1中、λmax(R)は液晶表示体の発光スペクトルにおける赤色発光ピークの極大発光波長を、λmax(G)は同発光スペクトルにおける緑色発光ピークの極大発光波長を、λmax(B)は同発光スペクトルにおける青色発光ピークの極大発光波長を示す。図1、図2および表2中、λmax(1)、λmax(2)およびλmax(3)は、フィルターの吸光スペクトルにおいて、第1、第2、第3の各波長領域に存在する吸光ピークの極大吸光波長をそれぞれ示す。
以下、必要に応じて、上記と同様の意味で、λmax(1)、λmax(2)、λmax(3)、λmax(R)、λmax(G)、λmax(B)の略称を用いる。
Figure 2016126064
Figure 2016126064
本発明のフィルターは、例えば、図1に示すような、第1、第2および第3の各波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを1つずつ有するフィルターであってもよく、図2に示すような、第1および第2の各波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを1つずつ有するフィルターであってもよく、図示しないが、第1および第3の各波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを1つずつ有するフィルターであってもよい。また、第1、第2および第3の各波長領域においては、それぞれ独立して、極大吸光波長を有する吸光ピークを1つ有していてもよく、さらに複数個有していてもよい。
このような、本発明のフィルターは、組み合わせる液晶表示体の発光スペクトルにおける色再現性にとって好ましくない発光(以下、「不要光」ということもある。)をバランスよく吸収することが可能である。これにより、液晶表示体の発光スペクトルに比べて、液晶表示体の視認側から発光されフィルターを通過した後の発光スペクトルは色再現性が向上したものとなる。
なお、画像表示装置の色再現性は、例えば、CIE XYZ表色系(JIS Z8701(1999年))によるxy色座標におけるDCI規格の色域面積に対する、該画像表示装置の上記同様の色域面積の割合で評価できる。本明細書においては、この色域面積の割合を「DCI色域面積比」といい、百分率で示す。本発明のフィルターを液晶表示体に組み合わせれば、液晶表示体のみの場合に比べて発光スペクトルのDCI色域面積比を、人間の目で見た際に明らかに差別化できる程度に大きくできる。
ここで、DCI規格は、高解像度のデジタルシネマ用に定められた色再現性の規格であり、CIE1931色座標であるXYZ(JIS Z8701(1999年))によって色表現がなされる。DCI規格の赤、緑、青の色座標は赤座標(x=0.680、y=0.320)、緑座標(x=0.265、y=0.690)、青座標(x=0.150、y=0.060)で示される。DCI規格の色域面積は、上記赤、緑、青それぞれの色度座標(x、y)を結んだ三角形(以下、色三角形ともいう)の面積であり、0.152である。
なお、本発明において、液晶表示装置の上記色三角形の3つの頂点のうち、たとえば赤座標方向に色域面積を大きくする場合、単に赤方向に色域拡大ともいう。色域拡大は、たとえば特定の1つの色方向に拡大するのみでも実現可能であるが、その場合でも、通常、液晶表示装置における色域拡大とともに、フィルターにおけるC光源の透過色が所定の設定からずれる。そのずれが所定の範囲を超える場合には、色調補正を同時に行うことが好ましい。
色調補正は、フィルターにおける透過率とC光源の透過色とを、それぞれ所定の範囲内に調整することに相当する。ここで透過率はパネル発光に対するフィルターの透過率であって、75%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。フィルターにおける、C光源の透過色の好ましい範囲は、xが0.280以上0.340以下、yが0.285以上0.345以下であり、より好ましくはxが0.295以上0.325以下、yが0.300以上0.330以下である。
以下、実施形態のフィルターの波長300〜1000nmの光に対する吸光スペクトルにおける第1〜第3の波長領域における吸光ピークについて詳細に説明する。
(1)第1の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク
実施形態のフィルターは、その吸光スペクトルにおいて、λmax(G)[nm]<λ1<λmax(R)[nm]で波長範囲が示される第1の波長領域(λ1)に極大吸光波長を有する吸光ピーク(以下、吸光ピーク(P1)ともいう。)を必ず有する。吸光ピーク(P1)は、組み合わせる液晶表示体の発光スペクトルにおける、主として赤色の発光ピークの短波長側および緑色の発光ピークの長波長側に存在する不要光を吸収する役割を有する。
一般に液晶表示体の赤色発光ピークは緑色発光ピークや青色発光ピークに比べてブロードであり、赤色発光ピーク波長の周辺には不要光が多い。特に、赤色発光ピークの短波長側では視感度が高く、この領域に不要光が存在すると、色再現性が大きく低下する。よって、実施形態のフィルターにおいては、このような不要光が吸収可能な吸光ピーク(P1)を設計することが好ましい。
具体的には、吸光ピーク(P1)は、下記式(1)で示す、液晶表示体の赤色発光ピークと緑色発光ピークの間の発光スペクトルの極小点の波長(以下、λmin(RG)ともいう。)を超え、λmax(R)−5nm以下の波長領域(λ11)に極大吸光波長を有することが好ましい。さらに、下記式(2)で示す、波長領域(λ12)に極大吸光波長を有することがより好ましい。
λmin(RG)[nm]<λ11≦λmax(R)−5[nm] …(1)
λmin(RG)+5[nm]≦λ12≦λmax(R)−15[nm] …(2)
この関係を、上記図1、2および表1に示す液晶表示体と組み合わせて用いるフィルターに適用した場合、第1の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P1)の極大吸光波長λmax(1)は、537nmを超え616nm未満の範囲にある。また、λmin(RG)が581nmであることから、吸光ピーク(P1)の極大吸光波長λmax(1)は、581nmを超え、611nm以下の範囲にあることが好ましく、586nm以上、601nm以下の範囲にあることがさらに好ましい。
第1の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P1)の数は1個でもよく複数個でもよい。フィルターの吸光スペクトルは、第1の波長領域においては、上記λ12の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークの1個のみを有することが好ましい。
第1の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P1)の半値幅は5nm以上、50nm以下が好ましく、10nm以上、40nm以下がさらに好ましい。組み合わせて用いる液晶表示体の発光スペクトルによるが、第1の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P1)の半値幅が50nmを超えて大きいと、色再現性を確保するために必要な光をカットする可能性が高まり、本発明による効果が達成されないことがある。また、吸光ピーク(P1)の半値幅が5nm未満では、ひとつの吸光ピークでは不要光を十分に吸収できない可能性が生じる。その場合、複数の吸光ピーク(P1)が必要とされ、設計上困難を伴う場合がある。
ここで、本明細書における半値幅とは、半値全幅のことであり、吸収スペクトルの特定の吸光ピークにおいて、その極大吸光波長の吸光係数値(εg)の1/2の値の位置で横軸に平行な直線を引いた場合に、この直線と該吸光ピークの曲線が交わる2つの交点の間の距離(nm)で表される。
第1の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P1)の吸光強度は、例えば、極大吸光波長λmax(1)と半値幅を上記範囲に調整した上で、液晶表示装置に求められる透過率や色調を勘案して適宜調整される。具体的には、第1の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P1)の吸光強度は、極大吸光波長λmax(1)における透過率で10%〜80%程度が好ましく、10%〜70%程度がより好ましい。
(2)第2の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク
実施形態のフィルターは、その吸光スペクトルが後述の第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(以下、吸光ピーク(P3)ともいう。)を有しない場合は、λmax(B)[nm]<λ1<λmax(G)[nm]で波長範囲が示される第2の波長領域(λ2)に極大吸光波長を有する吸光ピーク(以下、吸光ピーク(P2)ともいう。)を必ず有する。
実施形態のフィルターは、その吸光スペクトルが後述の吸光ピーク(P3)を有する場合は、吸光ピーク(P2)を任意で有する。実施形態のフィルターは、その吸光スペクトルが吸光ピーク(P1)を有し、吸光ピーク(P2)および/または吸光ピーク(P3)を有する。
吸光ピーク(P2)は組み合わせる液晶表示体の発光スペクトルにおける、主として緑色の発光ピークの短波長側および青色の発光ピークの長波長側に存在する不要光を吸収する役割を有する。また、吸光ピーク(P3)は組み合わせる液晶表示体の発光スペクトルにおける、主として青色の発光ピークの短波長側に存在する不要光を吸収する役割を有する。
一般に液晶表示体の緑色発光ピークおよび青色ピークは赤色発光ピークに比べればシャープな形状を有することが多く、不要光となる発光が相対的に少ない。しかしながら、本発明においては、フィルターをその吸光スペクトルにおいて第2の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P2)および/または第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P3)を有する構成とすることで、吸光ピーク(P1)のみを有する場合に比べて、色再現性をより一層向上させたものである。
組み合わせて用いる液晶表示体の不要光の波長や強度にもよるが、実施形態のフィルターの吸光スペクトルは、好ましくは吸光ピーク(P1)と共に吸光ピーク(P2)を有し、より好ましくは、吸光ピーク(P1)と共に吸光ピーク(P2)および吸光ピーク(P3)を有する。青色発光ピーク付近における不要光の吸収は、この波長領域での視感度が比較的低いため改善効果がわかりにくいが、色再現性は確実に改善する。
吸光ピーク(P2)は、具体的には、下記式(3)で示す、液晶表示体の緑色発光ピークと青色発光ピークの間の発光スペクトルの極小点の波長(以下、λmin(GB)ともいう。)付近の波長領域(λ21)に極大吸光波長を有することが好ましい。さらに、下記式(4)で示す、波長領域(λ22)に極大吸光波長を有することがより好ましい。緑色に対しては視感度が高く、特にわずかな光量低下も透過率に大きく影響を与えるため、上記λ21はλmin(GB)に対してやや青よりにあることが好ましい。
λmin(GB)−30[nm]≦λ21≦λmin(GB)+25[nm] …(3)
λmin(GB)−15[nm]≦λ22≦λmin(GB)+15[nm] …(4)
この関係を、上記図1、2および表1に示す液晶表示体と組み合わせて用いるフィルターに適用した場合、第2の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P2)の極大吸光波長λmax(2)は、446nmを超え537nm未満の範囲にある。また、λmin(GB)が492nmであることから、吸光ピーク(P2)の極大吸光波長λmax(2)は、462nm以上、517nm以下の範囲にあることが好ましく、477nm以上、507nm以下の範囲にあることがさらに好ましい。
第2の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P2)の数は1個でもよく複数個でもよい。フィルターの吸光スペクトルは、第2の波長領域においては、上記λ22の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを1〜3個有することが好ましい。
第2の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P2)の半値幅は5nm以上、50nm以下が好ましく、10nm以上、40nm以下がさらに好ましい。組み合わせて用いる液晶表示体の発光スペクトルによるが、第2の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P2)の半値幅が50nmを超えて大きいと、色再現性を確保するために必要な色純度の高い光をカットする可能性が高まり、本発明による効果が達成されないことがある。また、吸光ピーク(P2)の半値幅が5nm未満では、ひとつの吸光ピークでは不要光を十分に吸収できない可能性が生じる。その場合、複数の吸光ピーク(P2)が必要とされ、設計上困難を伴う場合がある。
第2の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P2)の吸光強度は、極大吸光波長λmax(2)における透過率で10%〜80%程度が好ましく、10%〜70%程度がより好ましい。
(3)第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク
実施形態のフィルターは、その吸光スペクトルが上記の第2の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P2)を有しない場合は、400[nm]≦λ3≦λmax(B)[nm]で波長範囲が示される第3の波長領域(λ3)に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P3)を必ず有する。
吸光ピーク(P3)が吸収する不要光については、上記(2)で説明したとおり、組み合わせる液晶表示体の発光スペクトルにおける、主として青色の発光ピークの短波長側に存在する不要光である。なお、青色発光の視感度が比較的低いことから、発光ピークの極大発光波長(λmax(B))と吸収ピーク(P3)の極大吸収波長(λmax(3))が同じであっても色再現性を改善する効果に大きく影響をおよぼすことはない。
なお、第3の波長領域の下端の波長400[nm]は、青色発光ピークの立ち上がる点の波長に概ね相当する。吸光ピーク(P3)は、具体的には、下記式(5)で示す、波長領域(λ31)に極大吸光波長を有することが好ましい。さらに、下記式(6)で示す、波長領域(λ32)に極大吸光波長を有することがより好ましい。
400[nm]≦λ31≦λmax(B)−5[nm] …(5)
400[nm]≦λ32≦λmax(B)−10[nm] …(6)
この関係を、上記図1、2および表1に示す液晶表示体と組み合わせて用いるフィルターに適用した場合、第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P3)の極大吸光波長λmax(3)は、400nm以上446nm以下の範囲にあり、400m以上、441nm以下の範囲にあることが好ましく、400nm以上、436nm以下の範囲にあることがさらに好ましい。
第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P3)の数は1個でもよく複数個でもよい。フィルターの吸光スペクトルは、第1の波長領域においては、上記λ32の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークの1個のみを有することが好ましい。
第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P3)の半値幅は5nm以上、50nm以下が好ましく、10nm以上、40nm以下がさらに好ましい。組み合わせて用いる液晶表示体の発光スペクトルによるが、第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P3)の半値幅が50nmを超えて大きいと、色再現性を確保するために必要な色純度の高い光をカットする可能性が高まり、本発明による効果が達成されないことがある。また、吸光ピーク(P3)の半値幅が5nm未満では、ひとつの吸光ピークでは不要光を十分に吸収できない可能性が生じる。その場合、複数の吸光ピーク(P3)が必要とされ、設計上困難を伴う場合がある。
第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク(P3)の吸光強度は、極大吸光波長λmax(3)における透過率で10%〜80%程度が好ましく、10%〜70%程度がより好ましい。
本発明のフィルターは、上記吸光特性を有し、液晶表示体の視認側に配置することで、該液晶表示体の色再現性を十分に向上させることができる。
実施形態のフィルターは、上記吸光特性を有するとともに、C光源による視感透過率が70%以上であることが好ましい。視感透過率は、さらに75%以上であることがより好ましい。
実施形態のフィルターは、人が視認する際に画像に影響を与えないように、C光源を用いて測定される透過光が無彩色であることが求められる。本発明のフィルターは、具体的には、C光源による透過光色度が、色座標(x,y)で、(x,y)=(0.310±0.100,0.316±0.100)が好ましい。上記のとおりフィルターにおける、C光源の透過色のより好ましい範囲は、xが0.280以上0.340以下、yが0.285以上0.345以下であり、特に好ましくはxが0.295以上0.325以下、yが0.300以上0.330以下である。
実施形態のフィルターはさらに、液晶表示体における画像の視認性、特に黒色表示における視認性を向上させるために、視認側から照射される光の反射を防止する反射防止機能を有することが好ましい。通常、液晶表示体等の画像表示体の黒色表示における視認性は、CIELAB色座標(JIS Z8781−4(2013年))における明度Lで評価される。液晶表示体の視認側にフィルターを配置することで、フィルターを配置しない場合に比べて、黒色表示時の明度Lを1%程度低下できる反射防止性能を有するフィルターが好ましい。なお、フィルターを液晶表示体の視認側に配置し液晶表示体を黒色表示した場合のフィルターの視認側表面における明度Lとしては、20未満が好ましい。
実施形態のフィルターは、本発明の効果を損なわない範囲で、上記各機能に加えてさらに、コントラスト向上機能、防眩機能(アンチグレア機能)等を有してもよい。
<フィルターの構造>
本発明のフィルターは、その波長300〜1000nmの光に対する吸光スペクトルにおいて上記吸光特性を達成できれば構造は特に制限されない。本発明のフィルターは視感透過率を上記範囲にできる構造であることが好ましく、さらには視認側表面において上記の反射防止機能を有する構造であることがより好ましい。
上記吸光特性を有するフィルターを得るには、例えば、所定の吸光ピークを有する色素を上に説明した吸光ピークを有するように透明樹脂中に分散させ層状に形成した樹脂フィルター層でフィルターを構成すればよい。樹脂フィルター層は、単独で用いて上記機能が果たせれば、単独で用いてもよい。ただし、単独で用いる場合には、強度が十分でない場合があり、自立性の点でも十分でない場合があるため、強度と自立性を持たせるために、通常、透明基板上に樹脂フィルター層を形成する。さらに、上記透明基板や樹脂フィルター層が反射防止機能を兼ね備えることは困難であることから、反射防止層をフィルターの視認側の最表面として設けることが好ましい。
上記透明基板、樹脂フィルター層および反射防止層の積層順については、視認側から反射防止層、透明基板、樹脂フィルター層の順であっても、反射防止層、樹脂フィルター層、透明基板の順であってもよい。この場合、必要に応じて各層の間に透明粘着剤からなる粘着層を設けてもよい。なお、フィルターを構成する各層という場合、透明基板も層として扱われる。
ここで、樹脂フィルター層については、色素を分散させる透明樹脂を透明粘着剤とすることで粘着層を兼ねることができるので、反射防止層、樹脂フィルター層、透明基板の順に積層する場合、各層間に粘着層を設けない構成のフィルターとすることができる。このような構成のフィルターは積層の層数を減少できることから、軽量化や視感透過率の観点から好ましい。
反射防止層は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、たとえば物理蒸着法の一種である真空蒸着やスパッタ法によって、たとえば透明基板上に直接形成可能である。また、樹脂フィルム等の透明基体上に反射防止層が形成されたものを、粘着剤を介して透明基板または樹脂フィルター層上で一体化してもよい。
実施形態のフィルターは液晶表示体の視認側に配置されて用いられる。この際、フィルターは、液晶表示体と距離を置いて独立して配設されていてもよく、液晶表示体の視認側表面に貼付されて液晶表示体と一体となるように設置されてもよい。以下、液晶表示体と距離を置いて設置されるフィルターを「分離型のフィルター」といい、液晶表示体と一体となるように設置されるフィルターを「一体型のフィルター」という。
一体型のフィルターの場合、液晶表示体の視認側表面とフィルターの非視認側表面は互いに接着される。フィルターにおいて、視認側から反射防止層、樹脂フィルター層(粘着層を兼ねる)、透明基板の順に積層されている場合、例えば、透明基板の非視認側に粘着層をさらに設けて液晶表示体に貼付すればよい。この場合、必要に応じて、樹脂フィルター層(粘着層を兼ねる)と粘着層の積層位置を入れ替えてもよい。すなわち、視認側から反射防止層、樹脂フィルター層(粘着層を兼ねる)、透明基板、粘着層の構成のフィルターであってもよく、反射防止層、粘着層、透明基板、樹脂フィルター層(粘着層を兼ねる)の構成のフィルターであってもよい。
フィルターは、さらに、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、コントラスト向上層、防眩(アンチグレア)層等の機能層を有してもよい。また、設計によって、上記反射防止層にコントラスト向上機能、防眩機能(アンチグレア機能)等の機能を追加したものであってもよい。
フィルターは、公知のシミュレーションの手法により設計を行ってもよい。例えば、以下に示す具体的な方法により、実在する典型的な色素や透明樹脂および透明基板の透過または反射スペクトルについての実測データを用いて、構成や構造の変更、色素の設計や選択等を行うことができる。上記図1および図2に示すフィルターの吸光スペクトルは、シミュレーションの手法により設計されたフィルターの吸光スペクトルである。
以下に、本発明のフィルターの実施の形態について図面を参照しながら説明する。図3および図4は本発明のフィルターの実施形態の一例および別の一例を示す断面図である。図5および図6は、それぞれ、図3および図4に示すフィルターを用いた本発明の液晶表示装置の実施形態の一例および別の一例を示す断面図である。
図3に示すフィルター10Aは一体型のフィルターである。フィルター10Aは、例えば、図5に示す液晶表示装置20Aにおいて、液晶表示体21の視認側に、液晶表示体21の視認側表面21aとフィルター10Aの非視認側表面4aが直接接するように配設されて用いられる。図4に示すフィルター10Bは分離型のフィルターである。フィルター10Bは、図6に示す液晶表示装置20Bにおいて、液晶表示体21の視認側に、液晶表示体21と距離を置いて独立して配設されて用いられる。
なお、以下に説明するように画像の視認性を向上させる観点から、本発明においては、液晶表示体21とフィルター10Aが一体化された液晶表示装置20Aのような液晶表示装置が好ましい。
すなわち、液晶表示体の視認側にフィルターを配する場合において、これらの間に存在する界面の反射率が高いと、液晶表示体の特に黒色表示時におけるフィルターの視認側表面の明度Lの値が大きくなり画質が白っぽくなり、液晶表示体のコントラストを向上できない懸念がある。
一体型の液晶表示体21とフィルター10Aでは、フィルター10Aを構成する各層の材料および液晶表示体21の視認側最表層を構成する材料の相互間における屈折率の差をできるだけ小さくすることで、液晶表示体21の視認側表面21aとフィルター10Aの非視認側表面4aにおける界面の反射率、フィルター10Aを構成する各層の間に存在する界面の反射率を低く調整できる。よって、本発明の効果を損なわない範囲で材料を選択することで、液晶表示体の黒色表示時における画質をより向上できる。
一方、図6に示すように分離型のフィルター10Bを用いた場合、液晶表示体21とフィルター10Bの間には空気層が存在することになる。空気の屈折率は1.00であり、液晶表示体21やフィルター10Bの各層を構成する材料の屈折率、例えば、透明基板材料や液晶表示体の最表層の材料として好ましく使用されるガラスの1.46、粘着剤として好ましく使用されるアクリル樹脂の1.49との差が大きくなりがちであり、よって界面反射率が高くなることで、液晶表示体のコントラストを向上しにくい。
(一体型のフィルター)
図3に示す一体型のフィルター10Aは、視認側から順に反射防止層3、樹脂フィルター層2、透明基板1、粘着層4が積層された構成を有する。以下各層の形態や構成材料、機能等を説明する。なお、上記の界面の反射率を考慮すると、例えば、透明基板1と粘着層4の屈折率差をΔn1、液晶表示体21の最表層基材と粘着層4の屈折率差をΔn2とした場合、Δn1、Δn2ともに0.20以下が好ましく、0.15以下がさらに好ましい。
透明基板1は、透明性を有し、高い剛性を有するとともに軽量であることが好ましい。透明基板1を構成する材料としては、例えば、ガラスおよび樹脂が挙げられる。樹脂としては具体的に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリアクリレート、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレンメタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファンなどが好ましく挙げられる。上記の材料の中でも、ガラス、PET、PC、PMMAが好ましく、ガラスが特に好ましい。
ガラスとしては、通常のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリボロシリケートガラス、石英ガラス等が挙げられる。ガラスとしては、紫外線や赤外線を吸収するガラスや強化ガラスを用いることも可能である。上記のとおり透明基板1には強度と軽さが求められていることから、化学強化ガラスを用いることが好ましい。
透明基板1の厚さは、0.5〜10mmが好ましく、1〜5mmがより好ましい。透明基板1の厚さが0.5mm以上であることにより、液晶表示体21を十分に保護することができる。10mm以下であることで、フィルター10Aの重量を軽くできる。また、透明基板1のヤング率は、1×10Pa以上が好ましく、5×10Pa以上がより好ましく、1×1010Pa以上がさらに好ましい。ヤング率の上限は特に制限はないが、上限は5×1011Paが好ましい。透明基板1のヤング率が上記範囲内であると、液晶表示体21を保護するのに十分な硬度を有するフィルター10Aとできるため好ましい。
樹脂フィルター層2は、フィルター10Aに上に説明した本発明のフィルターが有する吸光特性を付与するために設けられる必須の層である。樹脂フィルター層2は、所定の吸光ピークを有する色素を、上に説明した吸光ピークを有するように透明樹脂中に分散させ層状に形成することで得られる。ここで、透明樹脂は層を形成するためのいわゆるバインダ樹脂である。
所定の吸光ピークを有する色素としては、第1の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有する色素(以下、色素(1)ともいう。)および、第2の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有する色素(以下、色素(2)ともいう。)および/または第3の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有する色素(以下、色素(3)ともいう。)を用いる。
すなわち、樹脂フィルター層2は、色素(1)を含有するとともに、色素(2)および/または色素(3)を含有する。
樹脂フィルター層2が含有する色素(1)は1種であっても、複数種であってもよい。また、色素(2)を含有する場合の色素(2)、および色素(3)を含有する場合の色素(3)は、それぞれ1種であっても、複数種であってもよい。これらの色素(1)、色素(2)および色素(3)がそれぞれ有する吸光ピークが、上記で説明したフィルターの吸光スペクトルにおける吸光ピーク(P1)、吸光ピーク(P2)および吸光ピーク(P3)に相当する。
色素(1)、色素(2)および色素(3)は、得られるフィルター10Aの吸光スペクトルが、これと組み合わせる液晶表示体の発光スペクトルに応じて設計される吸光ピーク(P1)と、吸光ピーク(P2)および/または吸光ピーク(P3)を有するように樹脂フィルター層2に配合される。上記のとおり樹脂フィルター層2は、少なくとも色素(1)を含有し、さらに色素(2)および/または色素(3)を含有する。樹脂フィルター層2における含有色素の組み合わせとしては、色素(1)および色素(2)の組み合わせが好ましく、色素(1)、色素(2)および色素(3)の全てを含有することがより好ましい。
なお、フィルター10Aにおいて樹脂フィルター層2以外の各層(透明基板を含む)は、基本的にフィルター10Aの吸光スペクトルに影響を与えるものではない。したがって、色素(1)、色素(2)および色素(3)は、樹脂フィルター層2における吸光スペクトルが吸光ピーク(P1)、吸光ピーク(P2)および吸光ピーク(P3)を有するように、樹脂フィルター層2に配合される。
色素(1)としては、例えば、アゾ系、縮合アゾ系、ジイモニウム系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、メチン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、金属錯体系、ポルフィリン系、テトラアザポルフィリン系などの周知の有機顔料および有機染料、無機顔料のうち、樹脂フィルター層2の吸光スペクトルに吸光ピーク(P1)を与えるものが好ましく挙げられる。
色素(1)の中でも、耐候性が良好であるとともにバインダ樹脂との相溶性または分散性が良好な、例えばアンスラキノン系色素、キノフタロン系色素およびテトラアザポルフィリン系色素から選ばれる1種、または2種以上を適宜組み合わせて用いことが好ましい。アンスラキノン系色素およびテトラアザポルフィリン系色素から選ばれる1種、または2種以上を適宜組み合わせて用いことがより好ましい。色素(1)は単独で吸光ピーク(P1)を与えるものであってもよく、2種以上を組み合わせて吸光ピーク(P1)を与えるものであってもよい。上記条件を満たせば、色素(1)は、単独で用いることが視感透過率を高く維持しやすい点で好ましい。
例えば、上記図1および図2に示す発光スペクトルを有する液晶表示体と組み合わせる場合に用いられる色素(1)としては、アンスラキノン系色素については、例えば、日本化薬社製の商品名「Kayaset Violet A−R」((λmax;554nm、半値幅;118nm)、「Kayaset Blue N」(λmax;645 nm、半値幅;117nm)、「Kayaset Green A−B」(λmax; 642nm、半値幅;134nm)等の市販品が挙げられる。
また、テトラアザポルフィリン系色素について、例えば、山田化学社製の商品名「TAP−HTBX」(λmax;593nm、半値幅;27nm)、「TAP−2」(λmax;593nm、半値幅;27nm)、「TAP−18」(λmax;592nm、半値幅;25nm)、「TAP−45」等の市販品が挙げられる。
上記色素(1)の中でも、上記図1および図2に示す発光スペクトルを有する液晶表示体と組み合わせるフィルターにおける樹脂フィルター層2の吸光スペクトルにおいて、上に説明した好ましい態様の吸光ピーク(P1)を与える色素(1)として、TAP−HTBX、TAP−2、TAP−18等が挙げられる。
色素(2)としては、有機顔料および有機染料、無機顔料のうち、樹脂フィルター層2の吸光スペクトルに吸光ピーク(P2)を与えるものが好ましく挙げられる。
色素(2)は単独で吸光ピーク(P2)を与えるものであってもよく、2種以上を組み合わせて吸光ピーク(P2)を与えるものであってもよい。上記条件を満たせば、色素(2)は、単独で用いることが視感透過率を高く維持しやすい点で好ましい。
色素(3)としては、例えば、有機顔料および有機染料、無機顔料のうち、樹脂フィルター層2の吸光スペクトルに吸光ピーク(P3)を与えるものが好ましく挙げられる。
色素(3)は単独で吸光ピーク(P3)を与えるものであってもよく、2種以上を組み合わせて吸光ピーク(P3)を与えるものであってもよい。上記条件を満たせば、色素(3)は、単独で用いることが視感透過率を高く維持しやすい点で好ましい。
樹脂フィルター層2は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、色素(1)、色素(2)および色素(3)以外の色素を含有してもよい。以下、必要に応じて、色素(1)、色素(2)および色素(3)を「色素A」といい「色素A」以外の色素を「色素B」という。
上記色素Bとしては、例えば、先に説明した色調補正の目的で含有される色調補正色素等が挙げられる。色調補正色素は、例えば、色素Aの吸光ピークが存在する波長領域に吸収波長を有するものであってもよく、それ以外の波長領域に吸収波長を有するものであってもよい。
色調補正色素は、フィルターにおける上記透過率とC光源の透過色とを、それぞれ所定の範囲内に調整するように、その所定量が樹脂フィルター層2内に配合される。色調補正色素は、例えば、アンスラキノン系、キノフタロン系、C.I.ソルベントイエロー89などの周知の有機顔料および有機染料、無機顔料から上記調整が可能な色素Bが適宜選択されて使用される。
例えば、上記図1および図2に示す発光スペクトルを有する液晶表示体と組み合わせる場合に用いられる色調補正色素としては、例えば、色素Aの吸光ピークが存在する波長領域に吸収波長を有する色素Bとして以下のものが挙げられる。
キノフタロン系色素については、例えば、山本化成社製の商品名「MS Yellow HD−137」(λmax;449nm、半値幅;65nm)等、C.I.ソルベントイエロー89については、例えば、チバ・ジャパン社製の商品名「ORASOL YELLOW 2RLN」(λmax;468nm、半値幅;114nm)、アンスラキノン系色素については、例えば、日本化薬社製の商品名「Red R20」(λmax;506nm、半値幅;105nm、)等の市販品が挙げられる。
また、色調補正色素として、色素Aの吸光ピークが存在する波長領域以外に吸収波長を有する色素Bとしては、例えば、日本火薬社製、商品名「Blue B20」(λmax;631nm)等が挙げられる。ただし、視感透過率を高く維持する観点からは、樹脂フィルター層2は、色素A以外の色素を含有しないことが好ましい。
なお、用いられる色素Aおよび色素Bの吸光係数は、いずれの波長領域に極大吸収波長を有する色素Aおよび色素Bにおいても、極大吸収波長における吸光係数は10〜90が好ましく25〜75がより好ましい。
色素Aおよび色素Bとしては、ヒドロキシル基(−OH)およびアミノ基(−NH)を有しない色素が好ましい。本発明に係る樹脂フィルター層2を形成するための組成物中の色素は、実質的にヒドロキシル基(−OH)およびアミノ基(−NH)を有しない色素のみを含むことが好ましい。実質的に、ヒドロキシル基およびアミノ基を有しない色素のみを含むとは、ヒドロキシル基およびアミノ基を有しない色素を、樹脂フィルター層2を形成するための組成物中の色素全量に対して、95質量%以上含むことを意味し98質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。ヒドロキシル基およびアミノ基を有しない色素を用いることで、色素を含む樹脂フィルター層2を形成するための組成物が湿気により変色せず、退色等の劣化が抑えられる。
樹脂フィルター層2における色素Aの含有量は、樹脂フィルター層2の吸光スペクトルにおける吸光ピーク(P1)、吸光ピーク(P2)および吸光ピーク(P3)やフィルターに求められるC光源による視感透過率に合わせて調整される。色素Aの含有量は、用いる色素の種類により適宜選択され、バインダ樹脂100質量部に対して、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましい。
樹脂フィルター層2は、透明なバインダ樹脂に少なくとも上記色素(1)と、色素(2)および/または色素(3)が均一に分散されてなる層である。透明なバインダ樹脂としては、特に制限されず、フィルターに通常用いられる電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂材料が好ましく挙げられる。これら、樹脂材料に上記色素を均一に分散させフィルム状に成形する方法としては、従来公知の方法が使用できる。
樹脂フィルター層2は、具体的には、上記樹脂材料に少なくとも色素(1)と、色素(2)および/または色素(3)とを含む色素成分および後述の任意成分を均一に分散させた樹脂フィルター層形成用の組成物を調製し、該組成物を、例えば、透明基板1上またはセパレータ上に塗布し、乾燥、硬化させて作製される。
本発明のフィルターにおける樹脂フィルター層は、バインダ樹脂が粘着剤であってもよい。図3に示すフィルター10Aにおいては、樹脂フィルター層2のバインダ樹脂は粘着剤であり、樹脂フィルター層2は上記光学フィルターとしての役割を果たすと同時に透明基板1および反射防止層3を接着する役割を有する。樹脂フィルター層2に用いる粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ブタジエン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられ、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤としては、アクリル系単量体に基づく重合単位を主成分として含むアクリル系(共)重合体からなる粘着剤(E1)、および粘着剤の凝集力を高めるため、架橋点となりうる官能基(例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基等、以下、「架橋性基」ということもある)を有するアクリル系(共)重合体と架橋剤が架橋して得られる粘着剤(E2)が挙げられる。なお、粘着剤(E1)を構成するアクリル系(共)重合体は架橋性基を有するものであってもよい。
アクリル系(共)重合体を得るために用いるアクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、クロトン酸、これらのアルキルエステルが挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸を総称する。(メタ)アクリレートも同様である。なお、樹脂フィルター層2における粘着剤の凝集力を高めるために、架橋性基を有するアクリル系単量体の使用が好ましい。
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、架橋性基を有する(メタ)アクリル酸系の単量体としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられる。
アクリル系(共)重合体を得るために用いる単量体の組成としては、上記アクリル系単量体の中でも、(メタ)アクリル酸、そのアルキルエステル、および架橋性基を有する(メタ)アクリル酸系単量体から選ばれる(メタ)アクリル酸系単量体を主成分とする組成が好ましい。ここで、主成分とするとは、(メタ)アクリル酸系単量体を、アクリル系(共)重合体全量に対して95質量%以上含むことを意味し、98質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。アクリル系(共)重合体における(メタ)アクリル酸系単量体以外の単量体は、アクリル系単量体以外の単量体であってもよいが、好ましくは(メタ)アクリル酸系単量体以外のアクリル系単量体である。
アクリル系(共)重合体の酸価は10mgKOH/g以下が好ましい。なお、酸価は0mgKOH/gであってもよい。アクリル系(共)重合体の酸価は0〜7mgKOH/gがより好ましく、0〜5mgKOH/gが特に好ましい。アクリル系(共)重合体の酸価が10mgKOH/g以下であることにより、耐湿試験後の変色を抑えることができる。ここでいう酸価とは、指示薬としてフェノールフタレインを用いたアルコール性水酸化カリウム(KOH)の滴定により求められる値である。
アクリル系(共)重合体の酸価を10mgKOH/g以下にするには、アクリル系単量体を重合する際に酸価がこの範囲になるように、共重合に用いるカルボキシル基を有する単量体の量を調整する。また、同様に、架橋の程度を所望の範囲とするためには、共重合に用いる架橋性基を有する単量体の量を調整すればよい。以下、本明細書において、架橋性基を有する単量体を含む共重合体からなるアクリル系粘着剤を架橋性アクリル系(共)重合体という。
酸価が10mgKOH/g以下の架橋性アクリル系(共)重合体は市販されており、その中から適宜選択して用いてもよい。例えば、商品名:「NCK101」東洋インキ社製(酸価=0mgKOH/g、有機溶剤含有量70質量部)、商品名:「EXK04−488」東洋インキ社製(酸価:6.2mgKOH/g)などが挙げられる。
また、アクリル系(共)重合体のガラス転移温度(Tg)は、−40〜40℃が好ましく、−30〜10℃がより好ましい。
アクリル系粘着剤を粘着剤(E1)の態様とする場合には、上記アクリル系(共)重合体のみを、上に説明した樹脂フィルター層形成用の組成物に含有させて樹脂フィルター層を得る。アクリル系(共)重合体は1種を単独で用いてもよく2種以上を組合せて用いてもよい。ただし、アクリル系(共)重合体のうちでも上記架橋性アクリル系(共)重合体を使用する場合には、粘着剤(E2)の態様とすることが好ましい。すなわち、樹脂フィルター層形成用の組成物に、架橋性アクリル系(共)重合体とともに架橋剤を含有させ、樹脂フィルター層を形成する際に架橋して得られる架橋アクリル樹脂をアクリル系粘着剤(粘着剤(E2))とする態様が好ましい。架橋性アクリル系(共)重合体および架橋剤はそれぞれ1種を単独で用いてもよく2種以上を組合せて用いてもよい。架橋性アクリル系(共)重合体の架橋性基に架橋剤を反応させて該アクリル系(共)重合体を架橋させることにより凝集力を確保できる。
架橋剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、金属酸化物、金属塩、金属水酸化物、金属キレート、ポリイソシアネート、カルボキシ基含有ポリマー、酸無水物、ポリアミンなどが挙げられ、架橋性基の種類に応じて適宜選択される。
架橋性アクリル系(共)重合体と組合せて用いる架橋剤としては、架橋性基がヒドロキシ基の場合、ポリイソシアネートが好ましく、例えば、商品名:「コロネートHL」日本ポリウレタン社製などの市販品を用いることができる。
粘着剤(E2)における、架橋性アクリル系(共)重合体に対する架橋剤の割合は、架橋性アクリル系(共)重合体における架橋性基のモル量に対して、架橋剤が有する反応基のモル量が0.01〜10倍となる量が好ましく、0.1〜5倍となる量がより好ましい。
樹脂フィルター層2におけるアクリル系粘着剤の含有量は、アクリル系粘着剤として、アクリル系(共)重合体からなる粘着剤(E1)を用いた場合、樹脂フィルター層形成用の組成物が含有する全固形分の質量に対するアクリル系(共)重合体の質量の割合として算出できる。また、架橋性アクリル系(共)重合体と架橋剤が架橋して得られる粘着剤(E2)の場合、樹脂フィルター層形成用の組成物が含有する全固形分の質量に対する架橋性アクリル系(共)重合体と架橋剤の合計質量の割合として算出できる。
樹脂フィルター層2におけるアクリル系粘着剤の含有量は、全固形分に対して80〜99.2質量%が好ましく、85〜98.2質量%がより好ましい。
本発明のフィルターにおいて、樹脂フィルター層2は、透明樹脂(粘着剤)および、少なくとも色素(1)と、色素(2)および/または色素(3)とを含む色素成分の他に必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤等の任意成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。また、樹脂フィルター層形成用の組成物は、これらの成分以外に、通常、有機溶剤を含有する。
樹脂フィルター層2が任意に含有する光安定剤としては、金属、例えば、銅またはニッケルを中心原子とする錯体からなる公知の光安定剤を用いることができる。樹脂フィルター層が、このような光安定剤を含有することにより、上記色素成分の耐光性が向上され、耐久性に優れる樹脂フィルター層を有するフィルターが得られる。
なお、金属、例えば、銅またはニッケルを中心原子とする錯体としては、配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる配位子が銅原子またはニッケル原子に配位する錯体が好ましい。配位子は単座配位子であっても、多座配位子であってもよい。
配位原子として酸素原子またはイオウ原子を有する有機配位子から選ばれる配位子が銅原子またはニッケル原子に配位する錯体として、具体的には、配位原子がイオウ原子である錯体についてはジチオール錯体が挙げられる。ジチオール錯体としては、ベンゼンジチオール錯体やジチオカルバミン酸塩が好ましい。
ベンゼンジチオール錯体として、具体的には、市販品として、住友精化社製、商品名「EST−3」(ジチオール銅錯体、ビス(4−ピペリジルスルホニル−1,2−ベンゼンジチオラート−S,S’)銅−テトラ−nブチルアンモニウム)、商品名「EST−5」(ジチオール銅錯体、ビス(4−モルホリノスルホニル−1,2−ジチオフェノレート)銅−テトラ−n−ブチルアンモニウム)、商品名「EST−5Ni」(ジチオールニッケル錯体、ビス(4−モルホリノスルホニル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム)等が挙げられる。
ニッケルや銅のジチオカルバミン酸塩として、具体的には、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)銅(II)、ビス(ジエチルジチオカルバミン酸)銅(II)、ビス(ジエチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)等が挙げられる。
また、配位原子が酸素原子である錯体として、サリチル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。配位原子が酸素原子である錯体として、さらに、フタル酸やその類縁化合物の塩等も使用可能である。
これらのうちでも、色素成分の耐光性改善の観点からビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)銅(II)、「EST−3」等が好ましく、ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)が特に好ましい。
光安定剤は、樹脂フィルター層2に求められる他の物性を確保しながら、光安定剤がその機能を発揮できる量(配合割合)の範囲として、バインダ樹脂100質量部に対して、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましい。
樹脂フィルター層2が任意に含有する紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤等が好ましく挙げられる。市販品として、チバ・ジャパン社製、商品名「TINUVIN 479」等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、樹脂フィルター層2に求められる他の物性を確保しながら、紫外線吸収剤がその機能を発揮できる量(配合割合)の範囲として、バインダ樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
樹脂フィルター層2の層厚は、吸光性能、フィルター10Aの視感透過率を高いレベルに維持する、成形時の有機溶剤の残留等の観点から0.3〜100μmが好ましく、0.5〜50μmがより好ましい。
フィルター10Aにおいて、透明基板1の非視認側に設けられる粘着層4は、透明粘着剤を必須成分とする層である。粘着剤としては、透明であって、透明基板1と液晶表示体21を接着可能な材料であれば特に制限されない。具体的には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ブタジエン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等の透明粘着剤から、透明基板1を構成する材料と液晶表示体21の視認側表面21aを構成する材料に応じて、接着性を勘案して適宜選択される。
また、粘着層4を構成する粘着剤として、フィルター10Aを有する液晶表示体21の黒色表示時における画質を高めるために、透明基板1と粘着層4の屈折率差(Δn1)および、液晶表示体21の最表層基材と粘着層4の屈折率差(Δn2)がともに0.20以下、好ましくは0.15以下となる粘着剤を選択することが好ましい。透明基板1および液晶表示体21の最表層基材が共にガラスである場合、その屈折率は1.46であることから、粘着層4を構成する粘着剤としては、屈折率が概ね1.41〜1.51の範囲にあるアクリル系粘着剤が好ましい。
このような、アクリル系粘着剤を用いた粘着層4としては、例えば、樹脂フィルター層2のバインダ樹脂として説明したアクリル系粘着剤と、必要に応じて含有される任意成分(ただし、色素成分を除く)を含む粘着層が挙げられる。粘着層4は好ましくはアクリル系粘着剤のみからなる層である。または、市販の透明粘着シートを用いて粘着層4を構成してもよい。市販の透明粘着シートとしては、例えば、巴川製紙社製の商品名「TX48A粘着シート」(屈折率;1.49、厚さ;25μm)等が挙げられる。
粘着層4の層厚は、接着性、フィルター10Aの視感透過率を高いレベルに維持する等の観点から0.3〜100μmが好ましく、0.5〜50μmがより好ましい。
フィルター10Aにおいて、樹脂フィルター層2の視認側に設けられ、フィルター10Aの視認側の最表層となる反射防止層3としては、樹脂フィルム等の透明基体上に反射防止膜が形成されたものや、反射防止膜のみからなるものが挙げられる。反射防止膜としては、屈折率の低い無機化合物と屈折率の高い無機化合物とを交互に積層した積層体や、屈折率の低い無機化合物からなる層、屈折率の低い樹脂からなる層などが挙げられる。屈折率の低い樹脂としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂などが挙げられる。屈折率の低い無機化合物としては、二酸化珪素などが挙げられる。
反射防止層3が、樹脂フィルム等の透明基体上に反射防止膜を形成してなるものの場合、上記透明基板1を構成する樹脂と同様の樹脂からなる樹脂フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやトリアセチルセルロース(TAC)フィルムの片面に含フッ素重合体を含む低屈折率材料からなる反射防止膜(以下、「AR膜」ともいう)が形成されたものが特に好ましい。低屈折率とは、具体的には屈折率が1.1〜1.6であることが好ましく、1.2〜1.5がより好ましく、1.3〜1.48がさらに好ましい。
具体的には、AR膜付きPETフィルムとして、旭硝子社製の商品名:アークトップ(URP2199)や、日本油脂社製の商品名:リアルック(RL7800、RL9000、RL9200)、AR膜付きTACフィルムとして、大日本印刷社製、商品名:帯電防止低反射ハードコートTACフィルム(DSG−05SC(60))などの市販品が挙げられる。
反射防止層3の層厚は、25〜200μmの間で調整でき、貼り合わせの観点から50〜150μmが好ましい。
さらに、図3に示さないが、フィルター10Aは、例えば、上記樹脂フィルター層2と透明基板1の間にコントラスト向上機能を有するコントラスト向上層を有してもよい。コントラスト向上層としては、例えば、透明基体上に平行に並設された複数の直線状の暗色部と、これら暗色部間に配置される透光性領域とが形成されたものが挙げられる。透光性領域は、例えば、併設方向の断面において透明基体側に向けて徐々に幅が広がる台形状であり、透明基体側の端部において隣接する他の透光性領域と繋がるように形成されている。また、暗色部は、例えば、隣接する透光性領域間の凹部に暗色粒子と透明樹脂とが充填されることにより構成される。
また、フィルター10Aにおいて反射防止層3の代わりに防眩層を設けてもよい。防眩層(アンチグレア層)は、フィルターでの反射による映りこみを低減するため、表面に凹凸構造を有する機能層である。表面の凹凸構造があることで、反射像を拡散させて輪郭をぼかす効果がある。上記同様のシリカ等の無機微粒子、あるいはアクリル系樹脂やスチレン系樹脂等の有機微粒子をバインダ樹脂中に分散した溶液を樹脂フィルム等の透明基体にコーティングし、溶媒を揮発させる方法や、サンドブラスト、あるいはエッチング等により基材自身に凹凸を形成する方法がある。さらに最表層に反射防止処理を施してもよい。防眩層としては、例えば、大日本印刷社製の商品名「DS−LR」、「DS−21」、日油社製の商品名:リアルック(RL5500、RL7300)等の市販品が好ましく用いられる。
図3に示す一体型のフィルター10Aは、例えば、以下のように製造され、液晶表示装置の液晶表示体の視認側に配置され、図5に示すような本発明の実施形態の一例の液晶表示装置20Aが得られる。
例えば、樹脂フィルター層2が粘着剤を含有する場合は、透明基板1の視認側となる主面上に予め調製された樹脂フィルター層2を形成するための組成物を塗布し乾燥して樹脂フィルター層2を形成し、その上に反射防止層3を積層した積層体を作製する。またはセパレータ上に樹脂フィルター層2を形成するための組成物を塗布し乾燥して樹脂フィルター層2を形成し、その表面に反射防止層3を積層した後、セパレータを取り除き、樹脂フィルター層2の反射防止層3を積層した側と反対側の主面上に透明基板1の視認側となる主面を重ね合わせて積層体を得る。
樹脂フィルター層2が粘着剤を含有しない場合は、透明基板1上に、樹脂フィルター層2、反射防止層3を、透明基板1および各層の間に透明粘着剤層を介してその順に重ね合わせて、積層体を作製する。
次いで、得られた積層体を加圧台上に載置し、その上面の一端部側から他端部側にかけてゴム等の弾性材料によって被覆された加圧ローラーを移動させて加圧することにより各層を貼り合わせる。なお、このような加圧ローラーによる貼り合わせ後に、温度30〜80℃、圧力0.6〜1.2MPaの雰囲気下で20〜120分間程度の熱処理を行うことで、各機能フィルム間における気泡を消失させ、外観を良好にできる。
さらに、別に準備された非視認側表面4aにセパレータを有するセパレータ付き粘着層4の視認側を上記加圧処理された積層体の透明基板1の非視認側に貼り付ける。このようにして非視認側にセパレータを有する一体型のフィルター10Aが得られる。
フィルター10Aを液晶表示体21の視認側に配置する場合には、フィルター10Aからセパレータを取り外してフィルター10Aの非視認側表面である粘着層4の非視認側表面4aを液晶表示装置の液晶表示体21の視認側表面21aに貼付する。例えば、このようにして、一体型のフィルター10Aが液晶表示体の視認側に配置された液晶表示装置20Aが得られる。
(分離型のフィルター)
図4に示す分離型のフィルター10Bは、視認側から順に反射防止層3、樹脂フィルター層2、透明基板1が積層された構成を有する。本発明のフィルターが分離型のフィルターの場合、上記一体型のフィルターで通常用いられる粘着層4を有しないこと以外は全て上記一体型のフィルターと同様とできる。
また、分離型のフィルターにおける製造方法についても、上記一体型のフィルターにおいて、粘着層4を積層する前までの工程と同様にできる。
図6に示す本実施形態の別の一例である液晶表示装置20Bを得るには、例えば、液晶表示体21の視認側に所定の間隔を設けてフィルター10Bを配設すればよい。液晶表示装置20Bにおけるフィルター10Bの固定方法は常法による。
以上、図3および図4に示す液晶表示体用のフィルター10A、10Bを例にして本発明の実施の形態を説明したが、本発明のフィルターにおいては、本発明の趣旨に反しない限度において各層の積層順、各層の構成材料等を適宜変更できる。また、必要に応じて上に説明した以外の層を設けてもよい。なお、樹脂フィルター層が接着性を有する場合には、接着性を有しない層間に配設される。同様に、図5および図6に示す液晶表示装置20A、20Bを例にして本発明の実施の形態の液晶表示装置を説明したが本発明の本発明の趣旨に反しない限度において、その構成を適宜変更できる。
以下、本発明のフィルターについて、実施例を参照してより具体的に説明する。まず、実験例1〜7および計算例1〜5により、色素(1)〜(3)のうち色素(1)のみを含有しさらに必要に応じて色調補正色素を含む樹脂フィルター層を有するフィルターを実際に製造し、液晶テレビ(SONY社製、BRAVIA「KDL−46HX920」を用いて評価した。同様のフィルターをシミュレーションで設計し評価した結果と、上記実際の評価結果を比較し、シミュレーションの検証を行った。さらに、例1、例2により本発明のフィルターの実施例に係るシミュレーションを実行した。
実験例、計算例に用いた色素(1)、色調補正色素の市販品を、商品名、製造元、特性等と共に以下に示す。なお、各例の説明においては、商品名のみを記載した。
(色素(1))
山田化学社製の商品名「TAP−HTBX」(λmax;593nm、半値幅;27nm)、
山田化学社製の商品名「TAP−2」(λmax;593nm、半値幅;27nm)、
日本化薬社製の商品名「Kayaset Violet A−R」(λmax;554nm、半値幅;118nm)。
(色調補正色素)
山本化成社製の商品名「MS Yellow HD−137」(λmax;449nm、半値幅;65nm)、
チバ・ジャパン社製の商品名「ORASOL YELLOW 2RLN」(λmax;468nm、半値幅;114nm)、
日本化薬社製の商品名「Red R20」(λmax;506nm、半値幅;105nm)。
日本化薬社製、商品名「Blue B20」(λmax;631nm)
[実験例1]
以下の方法により図3に示される断面構造を有するフィルター10Aを製造した。
メチルエチルケトン(MEK)の14質量部に紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製、商品名「TINUVIN 479」)の2.625質量部、色素(1)としての「TAP−HTBX」の0.0203質量部、色調補正色素としての「ORASOL YELLOW 2RLN」の0.0157質量部、「Red R20」の0.0034質量部、光安定剤としてのビス(ジブチルジチオカルバミン酸)ニッケル(II)(和光純薬社製)の0.0769質量部を添加し、ミキサーで10分撹拌して溶解させて色素溶液を得た。
この色素溶液にアクリル系粘着剤(東洋インキ社製、商品名「NCK101」、酸価;0mgKOH/g、Tg:−20℃)の70質量部および架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートHL」)の0.82質量部を添加し、さらにミキサーで10分撹拌して溶解させて、樹脂フィルター層形成用組成物を得た。
シリコーンをPETに積層したセパレータ上に、アプリケーターを用いて上記で得られた樹脂フィルター層形成用組成物を塗布し、100℃のオーブンで5分乾燥させてセパレータ付き樹脂フィルター層2を得た。
その後、AR膜付きTACフィルム3(大日本印刷社製、商品名「DSG−05SC(60)」)にセパレータ付き樹脂フィルター層2を樹脂フィルター層2がAR膜付きTACフィルム3側となるようにラミネートした。次いで、セパレータを取り外し、樹脂フィルター層2を介して、1.1mm厚の化学強化ガラス(旭硝子社製、登録商標、ドラゴントレイル)板1にAR膜付きTACフィルム3を貼り合わせた。
さらに化学強化ガラス板1のAR膜付きTACフィルム3をラミネートした面とは反対側の面にアクリル粘着シート4(巴川製紙社製、TX48A粘着シート、屈折率1.49)をラミネートして、一体型のフィルター10Aを得た。
得られたフィルター10Aを、アクリル粘着シート4を介して、液晶テレビ(SONY社製、BRAVIA「KDL−46HX920」)の画面内に直貼りした。
[実験例2〜6]
実験例2〜4、実験例6については色素の配合を表3に示すとおりに変更した以外は実験例1と同様にしてフィルター10Aを作製し、実験例1と同様にして液晶テレビ(SONY社製、BRAVIA「KDL−46HX920」)の画面内に直貼りした。
実験例5については、アクリル粘着シート4のラミネートを行わなかった以外は実験例1と同様にして、アクリル粘着シート4有しない図4に示される断面構造を有する分離型のフィルター10Bを作製した。さらに、液晶テレビ(SONY社製、BRAVIA「KDL−46HX920」)の視認側に2mmの間隔をおいて得られたフィルター10Bを取り付けた。
[実験例7]
フィルターを配設しない液晶テレビ(SONY社製、BRAVIA「KDL−46HX920」)を準備した。
[評価]
実験例1〜6で得られたフィルターの光学特性(視感平均透過率、色度、パネル発光色度、パネル発光の色域面積、DCI色域面積比、パネルの黒味)、および耐久性(耐熱性、耐光性)を下記方法で評価した。また、実験例7の液晶テレビにおけるパネル発光色度、パネル発光の色域面積、DCI色域面積比、パネルの黒味を評価した。結果を表3に示す。
(光学特性)
分光光度計(島津製作所社製、SolidSpec−3700)を用い、各試料から切り出した20×20mm角の試験片のスペクトルを380〜780nmの範囲で測定した。JIS Z8701−1999に従い、視感平均透過率Tv、色度座標(x、y)を算出した。また、分光測色計(コニカミノルタ社製、CM−2600d)を用い、パネルのSCI明度(L)を測定した。
DCI色域面積比(%)が、80%以上であれば色再現性が十分であるといえる。パネルの黒味(パネル黒表示時の明度L;SCI)が、20未満であれば、黒味の表示は十分であり、20以上の場合は十分な黒味が出ていないと評価できる。
(耐熱性)
定温恒温器(ヤマト社製、DS−44)を用い、温度を80℃に設定し、250時間試験後の各試料の色座標(x,y)におけるx、yを測定し、試験前後の測定値を比較した。
試験前後の変化量がすべて0.003未満であるものは耐熱性に優れ、いずれか一つでも0.003以上〜0.005未満のものがある場合は耐熱性を有すると評価できる。いずれか一つでも0.005以上のものがある場合は耐熱性が不十分である。
(耐光性)
耐光性試験機(スガ試験機社製、キセノンウェザーメーター X25)を用い、380nm以上の光を300MJ/cm照射させた後の、各試料の色座標(x,y)におけるx、yを測定し、試験前後の測定値を比較した。
試験前後の変化量がすべて0.003未満であるものは耐光性に優れ、いずれか一つでも0.003以上〜0.005未満のものがある場合は耐光性を有すると評価できる。いずれか一つでも0.005以上のものがある場合は耐光性が不十分である。
Figure 2016126064
[計算例1〜5]
表4に示す組成の色素(1)、色調補正色素、光安定剤、紫外線吸収剤を上記実験例と同様のアクリル系粘着剤および架橋剤により樹脂フィルター層として上記同様のガラス基板上に形成した場合のフィルターを、上記同様に液晶テレビ(SONY社製、BRAVIA「KDL−46HX920」)の視認側に貼付した場合の光学特性を計算した。結果を表4に示す。
なお、計算例1は上記実験例1に、計算例2は上記実験例2に対応する例である。計算例3は色調補正色素を含有するが色素(1)を含有しない例であり、計算例4および計算例5は色素(1)を同様に含有するが一方(計算例4)は色調補正色素を含有し、他方は(計算例5)は色調補正色素を含有しない例である。
Figure 2016126064
表3の実験例1、2と表4の計算例1、2からわかるように、実測値とシミュレーションによる計算結果とはよく一致している。これにより、シミュレーションの妥当性が検証されたといえる。なお、表4のシミュレーション結果に、黒表示時の明度L(SCI)はないが、他の物性値が実測値とよく一致していることから、実測値と同等と想定できる。表3から、上記実験例においてはフィルターが光学接着層を有しかつこの光学接着層を介して液晶表示体の視認側表面に接着して配置される構成である場合に、黒表示時の明度L(SCI)は20未満であり、黒味の表示が十分であることがわかる。
また、計算例3、4、5からわかるように、色素(1)による色域拡大の効果は、色調補正色素の存在により、さらに向上することがわかる。ただし、以下の実施例に比べると、色素(2)および/または色素(3)を含有しないことから色域が十分に拡大されていないことがわかる。
[例1、例2]
表5に示す組成の色素(1)、色素(2)および色素(3)の混合物を上記実験例と同様のアクリル系粘着剤および架橋剤により樹脂フィルター層として上記同様のガラス基板上に形成した場合のフィルターを、上記同様に液晶テレビ(SONY社製、BRAVIA「KDL−46HX920」)の視認側に貼付した場合の光学特性を計算した。結果を表5に示す。なお、例1のフィルターの吸光スペクトルが図1に示される吸光スペクトルであり、例2のフィルターの吸光スペクトルが図2に示される吸光スペクトルである。
また、上記実験例7の結果を用いて、例1、例2のフィルターを用いた場合の、液晶表示体の発光色による色域面積に対する面積比(%)を求めて表5に示した。
Figure 2016126064
表5からわかるように、本発明の実施例によれば、DCI色域面積比が80%以上であり、かつ液晶表示装置の発光色による色域面積が液晶表示体の発光色による色域面積に対して10%以上大きい。
1…透明基板、2…樹脂フィルター層、3…反射防止層、4…粘着層、10A,10B…フィルター、20A,20B…液晶表示装置、21…液晶表示体

Claims (6)

  1. 液晶表示体の視認側に配置されるフィルターであって、
    前記フィルターの波長300〜1000nmの光に対する吸光スペクトルは、
    前記液晶表示体の視認側表面が発する発光スペクトルが有する赤色発光ピークの極大発光波長未満、緑色発光ピークの極大発光波長超の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有し、かつ
    前記発光スペクトルが有する緑色発光ピークの極大発光波長未満、青色発光ピークの極大発光波長超の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピーク、および/または、
    前記発光スペクトルが有する青色発光ピークの極大発光波長以下400nm以上の波長領域に極大吸光波長を有する吸光ピークを有するフィルター。
  2. 視感透過率が75%以上である請求項1記載のフィルター。
  3. 液晶表示体と、前記液晶表示体の視認側に配置された請求項1または2に記載のフィルターと、を有する液晶表示装置。
  4. 前記フィルターは、光学接着層を有し、かつ前記光学接着層を介して前記液晶表示体の視認側表面に接着して配置された請求項3記載の液晶表示装置。
  5. 前記液晶表示体が黒表示のときの、前記液晶表示装置の視認側表面でのCIELAB色座標における明度Lが、20未満である請求項3または4記載の液晶表示装置。
  6. 前記液晶表示体の発光色によるDCI色域面積比が80%以上であり、かつ前記液晶表示装置の発光色による色域面積が前記液晶表示体の発光色による色域面積に対して4%以上大きいことを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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