JP2016131902A - ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法 - Google Patents

ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紙オムツ等の吸収性物品の使用時及び使用後の廃棄時の両方で、優れた消臭性能及び防カビ性能を発揮する、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法を提供する。
【解決手段】単量体水溶液の重合工程、乾燥工程、及び表面架橋工程を含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法であって、単量体又はその重合体に含まれる酢酸及びプロピオン酸の合計量を200〜2500ppmとし、表面架橋された吸水性樹脂粒子に対して、殺菌成分を含む水性液を添加する工程を更に含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法に関する。更に詳しくは、微量の殺菌成分を有する水性液を吸水性樹脂粒子に添加することで、消臭機能や防カビ機能を向上させた、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法に関する。
吸水性樹脂(SAP/Super Absorbent Polymer)は、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を指し、紙オムツや生理用ナプキン等の吸収性物品、農園芸用の保水剤、工業用の止水剤等、様々な分野で多用されている。
上記吸水性樹脂は、その原料として多くの単量体や親水性高分子が使用されている。例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋重合体、澱粉−アクリル酸グラフトポリマーの加水分解物、及び酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の鹸化物等が挙げられる。中でも吸水性能の観点から、アクリル酸及び/又はその塩を単量体として用いたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が、工業的にもっとも多く生産されている。
上記吸水性樹脂は、主用途である紙オムツの高性能化に伴い、様々な機能(高物性化)が求められている。具体的には、基本物性である無加圧下吸水倍率や加圧下吸水倍率の他に、ゲル強度、水可溶分、含水率、吸水速度、通液性、粒度分布、耐尿性、抗菌性、耐ダメージ性、粉体流動性、消臭性、耐着色性、低粉塵、低残存モノマー等が挙げられる。
上記物性の中でも、近年では「消臭性」や「抗菌性」等の機能を吸水性樹脂に対して付加することが求められており、これまで、消臭剤、抗菌剤等の化合物を吸水性樹脂に添加することが検討されてきた。
具体的には、わさび抽出物、からし抽出物等と、抗菌消臭作用の持続剤(吸水ゲル化剤)とからなる持続性抗菌消臭剤(特許文献1)、吸水性樹脂、アンモニア産生菌に対して抗菌機能を有する化合物、及びアンモニアに対して中和能、又は中和能及び吸着能を有する薬剤とからなる粉末状の消臭性/抗菌性吸水剤(特許文献2)等が提案されている。
また、消臭や抗菌の機能が付与された吸水性樹脂組成物(吸水剤)及びその製造方法として、吸水性樹脂表面に抗菌性被膜を形成する吸水性樹脂組成物の製造方法(特許文献3)、抗菌性リン酸塩を含む吸水性樹脂組成物(特許文献4、5)、グレープフルーツ種子及び/又はハーブから抽出された天然抗菌成分を含む吸水剤(特許文献6)、表面処理時又は処理後に、抗菌剤とポリオールと共に添加する製造方法(特許文献7)等が提案されている。
更に、抗菌(制菌)機能及び消臭機能を有した安全性の高い吸水剤として、竹と緑茶の還流エキスを吸水性樹脂に配合した吸水性樹脂組成物(特許文献8)等が提案されている。
一方、吸収性物品に対して消臭機能や抗菌機能を付与する試みとして、塩化ベンザルコニウム及び/又はグルコン酸クロルヘキサシジンを含む吸水性樹脂を用いた使い捨てオムツ(特許文献9)等が提案されている。
また、吸水性樹脂の原材料に含まれる不純物、特にアクリル酸中の酢酸やプロピオン酸が多い場合、そのような原料酸を用いて製造した吸水性樹脂は、尿等の体液を吸収して膨潤した際、臭気を発生することがあった。そのため、アクリル酸中の酢酸やプロピオン酸の含有量を一定量以下にした吸水性樹脂(特許文献10)等が提案されている。
特開2000− 51339号公報 特開2000− 79159号公報 特開平3− 59075号公報 特開平5−179053号公報 特開平7−165981号公報 特開平9−208787号公報 特表2010−540004号公報 国際公開第2009/048145号パンフレット 特開昭63−135501号公報 国際公開第2003/095510号パンフレット
上述したように、「消臭性」や「抗菌性」等の機能を吸水性樹脂に対して付加することが求められており、消臭剤や抗菌剤等の化合物を吸水性樹脂に添加することや、不純物量を低減した原料を用いること等が検討されてきた。
しかしながら、上記特許文献は、何れも紙オムツ使用時に発生する臭気に着目してなされた発明であって、紙オムツ使用後の廃棄時に発生する臭気には着目されていなかった。
そこで、本発明の課題は、紙オムツ等の吸収性物品の使用時及び使用後の廃棄時の両方において、優れた消臭性能及び防カビ性能を発揮する、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、原料に含まれる不純物量を一定範囲内に制御し、更に表面架橋された吸水性樹脂粒子に微量の殺菌成分を含んだ水性液を添加することで、紙オムツ等の吸収性物品の使用時に発生する臭気のみならず、使用後の廃棄時に発生する臭気をも抑制できることを見い出し、本発明を完成した。
即ち、上記課題を解決するため、本発明に係る製造方法は、単量体水溶液の重合工程、乾燥工程、及び表面架橋工程を含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法であって、単量体又はその重合体に含まれる酢酸及びプロピオン酸の合計量を200〜2500ppmとし、表面架橋された吸水性樹脂粒子に対して、殺菌成分を含む水性液を添加する工程を更に含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法である。
本発明に係る製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水剤を、紙オムツ等の吸収性物品に用いることで、該吸収性物品の実使用時において、膨潤後に発生する臭気がなく快適に使用できると共に、該吸収性物品の廃棄時(最終処理、具体的にはゴミ回収)においても、臭気やカビの発生を抑えることができる。
更に、本発明に係る製造方法を採用することによって、製造装置でのトラブル発生が低減され、安定した運転を行うことができる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下に例示する以外にも、本発明の趣旨を損なわない範囲内で適宜変更して、実施することが可能である。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。複数の実施形態についてそれぞれ記載された技術的手段を、適宜組み合わせて得られる他の実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
〔1〕用語の定義
(1−1)「吸水性樹脂」「吸水剤」
本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を指し、下記の物性を満たすものをいう。即ち、水膨潤性としてERT441.2−02で規定されるCRC(遠心分離機保持容量)が5g/g以上であり、かつ、水不溶性としてERT470.2−02で規定されるExt(水可溶分)が50重量%以下である高分子ゲル化剤を指す。
上記吸水性樹脂は、その用途・目的に応じた設計が可能であり、特に限定されないが、カルボキシル基を有する不飽和単量体を架橋重合させた親水性架橋重合体であることが好ましい。また、全量が架橋重合体である形態に限定されず、上記の各物性(CRC、Ext)が上記数値範囲を満たす限り、添加剤等を含んだ組成物であってもよい。
本発明における「吸水性樹脂」は、出荷前の最終製品に限らず、吸水性樹脂の製造工程における中間体(例えば、重合後の含水ゲル状架橋重合体、乾燥後の乾燥重合体、表面架橋前の吸水性樹脂粉末等)を指す場合もある。これら全て(上記組成物も含む)を包括して「吸水性樹脂」と総称する。
なお、上記吸水性樹脂の形状として、シート状、繊維状、フィルム状、粒子状、ゲル状等が挙げられるが、本発明では粒子状の吸水性樹脂が好ましい。
また、本発明における「吸水剤」とは、上述した吸水性樹脂のうち、表面架橋後の吸水性樹脂粒子に対して添加剤を添加した組成物や、硬化操作を施した後の吸水性樹脂のことをいう。
(1−2)「ポリアクリル酸(塩)」
本発明における「ポリアクリル酸(塩)」とは、ポリアクリル酸及び/又はその塩を指し、主成分としてアクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を繰り返し単位として含み、任意成分としてグラフト成分を含む架橋重合体を意味する。
上記「主成分」とは、アクリル酸(塩)の使用量(含有量)が、重合に用いられる単量体(内部架橋剤を除く)全体に対して、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%、特に好ましくは実質100モル%であることを意味する。
架橋重合体としての「ポリアクリル酸塩」は、ポリアクリル酸の水溶性塩を含み、好ましくは一価の塩、より好ましくはアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、更に好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩を含む。
(1−3)「EDANA」及び「ERT」
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。本発明では、特に断りのない限り、ERT原本(2002年改定)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
(a)「CRC」(ERT441.2−02)
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(「吸水倍率」と称する場合もある)を意味する。具体的には、吸水性樹脂0.2gを不織布製の袋に入れた後、大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬して自由膨潤させ、その後、遠心分離機(250G)で3分間、水切りした後の吸水倍率(単位;g/g)のことをいう。
(b)「AAP」(ERT442.2−02)
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、吸水性樹脂の加圧下吸水倍率を意味する。具体的には、吸水性樹脂0.9gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対して、1時間、21g/cm(2.06kPa)の荷重下で膨潤させた後の吸水倍率(単位;g/g)のことをいう。また、ERT442.2−02には、Absorption Under Pressureと表記されているが、実質的に同一内容である。
(c)「Ext」(ERT470.2−02)
「Ext」は、Extractablesの略称であり、吸水性樹脂の水可溶分(水可溶成分量)を意味する。具体的には、吸水性樹脂1.0gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに添加し、500rpmで16時間攪拌した後、水溶液に溶解した物質の量(単位;重量%)のことをいう。水可溶分の測定には、pH滴定が用いられる。
(d)「PSD」(ERT420.2−02)
「PSD」は、Particle Size Distributionの略称であり、篩分級により測定される吸水性樹脂の粒度分布を意味する。なお、D50(重量平均粒子径)及びσζ(粒度分布の対数標準偏差)は、米国特許第7638570号に記載された「(3)Mass−Average Particle Diameter (D50) and Logarithmic Standard Deviation (σζ) of Particle Diameter Distribution」と同様の方法で測定される。
(e)「Moisture Content」(ERT430.2−02)
「Moisture Content」は、吸水性樹脂の含水率を意味する。具体的には、吸水性樹脂4.0gを105℃で3時間乾燥した際の乾燥減量から算出した値(単位;重量%)のことをいう。なお、吸水性樹脂を1.0gに、乾燥温度を180℃に、それぞれ変更して測定する場合もある。
(f)「Residual Monomers」(ERT410.2−02)
「Residual Monomers」は、吸水性樹脂中に残存する単量体(モノマー)量を意味する。以下、吸水性樹脂中に残存する単量体を「残存モノマー」と称する。具体的には、吸水性樹脂1.0gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに添加し、500rpmで1時間攪拌した後、水溶液に溶解したモノマー量(単位;ppm)のことをいう。残存モノマー量の測定には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が用いられる。
(1−4)その他
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、特に注釈のない限り、重量の単位である「t(トン)」は「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。
また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」をそれぞれ意味する。
〔2〕ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法
以下、本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造工程(2−1)〜(2−9)について説明する。
(2−1)単量体水溶液の調製工程
本工程は、アクリル酸(塩)を主成分として含む水溶液(以下、「単量体水溶液」と称する)を調製する工程である。なお、上記「主成分」とは、アクリル酸(塩)の使用量(含有量)が、吸水性樹脂の重合反応に供される単量体(内部架橋剤は除く)全体に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上(上限は100モル%)であることをいう。また、得られる吸水剤の吸水性能が低下しない範囲で、単量体のスラリー液を使用することもできるが、本項では便宜上、単量体水溶液について説明を行う。
(アクリル酸(塩))
本発明では、得られる吸水剤の物性及び生産性の観点から、単量体としてアクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)が用いられる。該「アクリル酸」としては、重合禁止剤や不純物等の微量成分を含有する公知のアクリル酸を使用することができる。
上記重合禁止剤としては特に限定されないが、好ましくはフェノール類、より好ましくはメトキシフェノール類、更に好ましくはp−メトキシフェノール類が挙げられる。重合禁止剤のアクリル酸中での濃度は、アクリル酸の重合性や吸水性樹脂の色調の観点から、好ましくは200ppm以下、より好ましくは10〜160ppm、更に好ましくは20〜100ppmである。
上記不純物としては、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸等のカルボン酸や、アクロレインやフルフラール等のアルデヒド類が挙げられる。中でも、紙オムツ等、吸収性物品の使用時に発生する臭気の観点から、上記不純物の中でも、特に酢酸及びプロピオン酸の合計量を一定範囲内に制御することが必要である。
上記酢酸及びプロピオン酸の合計量は、200〜2500ppmであり、好ましくは250〜2000ppm、より好ましくは300〜1500ppmである。なお、該合計量は、アクリル酸、即ち、単量体中に含まれる量、又は、該単量体を重合させた重合体中に含まれる量である。つまり、単量体又はその重合体に含まれる酢酸及びプロピオン酸の合計量である。
上記合計量を上記範囲内に制御することで、得られた吸水剤を用いて作製された吸収性物品の使用時の臭気を抑制することができるため、好ましい。
また、上記「アクリル酸塩」は、上述したアクリル酸を下記の塩基性組成物で中和したものであるが、該アクリル酸塩として、市販のアクリル酸塩(例えば、アクリル酸ナトリウム)でもよいし、吸水性樹脂の製造プラント内でアクリル酸を中和処理して得られたものでもよい。
(塩基性組成物)
本発明において「塩基性組成物」とは、塩基性化合物を含有する組成物を指し、例えば、市販の水酸化ナトリウム水溶液等が該当する。
上記塩基性化合物として、具体的には、アルカリ金属の炭酸塩や炭酸水素塩、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミン等が挙げられる。中でも、得られる吸水剤の物性の観点から、強塩基性であることが好ましい。即ち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物がより好ましく、水酸化ナトリウムが更に好ましい。
(中和)
本発明では、アクリル酸塩を得るため、アクリル酸を塩基性組成物で中和することもできる。なお、該中和は、アクリル酸に対する中和(重合前)又はアクリル酸を架橋重合して得られる含水ゲル状架橋重合体に対する中和(重合後)(以下、「後中和」と称する)の何れか一方を選択してもよいし、又は併用することもできる。
上記中和は、連続式でもバッチ式でもよく、何れも採用することができるが、生産効率等の観点から好ましくは連続式である。なお、中和を行う装置、中和温度、滞留時間等の条件については、国際公開第2009/123197号や米国特許出願公開第2008/0194863号に記載された条件が本発明にも適用される。
本発明での中和率は、単量体の酸基に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは40〜85モル%、更に好ましくは50〜80モル%、特に好ましくは60〜75モル%である。
上記中和率が10モル%未満の場合、吸水倍率が著しく低下することがあるため、好ましくない。一方、上記中和率が90モル%を超える場合、加圧下吸水倍率の高い吸水性樹脂が得られないことがあるため、好ましくない。
なお、上記中和率は、後中和の場合でも同様である。また、最終製品としての吸水剤の中和率についても、上記の中和率が適用される。
(他の単量体)
本発明では、「他の単量体」として米国特許出願公開第2005/0215734号に記載された化合物(但し、アクリル酸は除く)を、上記アクリル酸(塩)と併用して吸水剤を製造してもよい。なお、本発明に係る製造方法で得られる吸水剤には、親水性又は疎水性の不飽和単量体を共重合成分とする吸水剤も含まれる。
(内部架橋剤)
本発明で使用される内部架橋剤として、米国特許第6241928号に記載された化合物が本発明にも適用される。これらの中から反応性を考慮して1種又は2種以上の化合物が選択される。
また、得られる吸水剤の吸水性能等の観点から、好ましくは重合性不飽和基を2個以上有する化合物、より好ましくは下記乾燥温度で熱分解性を有する化合物、更に好ましくは(ポリ)アルキレングリコール構造単位を有する重合性不飽和基を2個以上する化合物が、内部架橋剤として用いられる。
上記重合性不飽和基として、好ましくはアリル基、(メタ)アクリレート基、より好ましくは(メタ)アクリレート基が挙げられる。また、上記(ポリ)アルキレングリコール構造単位としてポリエチレングリコールが好ましく、n数として好ましくは1〜100、より好ましくは6〜50である。
したがって、本発明では、好ましくは(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート又は(ポリ)アルキレングリコールトリ(メタ)アクリレート、より好ましくは(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが用いられる。
上記内部架橋剤の使用量は、単量体全体に対して、好ましくは0.0001〜10モル%、より好ましくは0.001〜1モル%である。該使用量を上記範囲内とすることで所望する吸水剤が得られる。なお、該使用量が少なすぎる場合、ゲル強度が低下し水可溶分が増加する傾向にあり、該使用量が多すぎる場合、吸水倍率が低下する傾向にあるため、好ましくない。
本発明では、所定量の内部架橋剤を予め単量体水溶液に添加しておき、重合と同時に架橋反応する方法が好ましく適用される。一方、該手法以外に、重合中や重合後に内部架橋剤を添加して後架橋する方法や、ラジカル重合開始剤を用いてラジカル架橋する方法、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を用いた放射線架橋する方法等を採用することもできる。また、これらの方法を併用することもできる。
(その他、単量体水溶液に添加される物質)
本発明において、得られる吸水剤の物性向上の観点から、下記の物質を単量体水溶液の調製時に添加することもできる。
具体的には、澱粉、澱粉誘導体、セルロース、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子を、好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下(下限は0重量%)で添加したり、炭酸塩、アゾ化合物、気泡等の発泡剤、界面活性剤、キレート剤、連鎖移動剤等を、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下(下限は0重量%)で添加したりすることができる。
また、上記の物質は、単量体水溶液に添加される形態のみならず、重合途中で添加される形態でもよいし、これらの形態を併用することもできる。
なお、親水性高分子として水溶性樹脂又は吸水性樹脂を使用する場合には、グラフト重合体又は吸水性樹脂組成物(例えば、澱粉−アクリル酸重合体、PVA−アクリル酸重合体等)が得られる。これらの重合体や吸水性樹脂組成物も、本発明の範疇である。
(単量体成分の濃度)
本発明において、単量体水溶液を調製する際に、上記の各物質が添加される。該単量体水溶液中の単量体成分の濃度(以下、「モノマー濃度」と称する場合がある)としては特に限定されないが、吸水剤の物性及び生産性の観点から、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜75重量%、更に好ましくは30〜70重量%である。
また、重合形態として、水溶液重合又は逆相懸濁重合を採用する場合、水以外の溶媒を必要に応じて併用することもできる。この場合、使用される溶媒の種類は特に限定されない。
なお、上記「単量体成分の濃度」とは、下記(式1)で求められる値であり、単量体水溶液の重量には、グラフト成分や吸水性樹脂、逆相懸濁重合における疎水性溶媒の重量は含まれない。
Figure 2016131902
(2−2)重合工程
本工程は、上記単量体水溶液の調製工程で得られたアクリル酸(塩)系単量体水溶液を重合させて、含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」と称する)を得る工程である。
(重合開始剤)
本発明で使用される重合開始剤は、重合形態等によって適宜選択されるため、特に限定されないが、例えば、熱分解性ラジカル重合開始剤、光分解性ラジカル重合開始剤、又はこれらの重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用したレドックス系重合開始剤等が挙げられる。具体的には、米国特許第7265190号に記載された重合開始剤のうち、1種又は2種以上の化合物が用いられる。なお、重合開始剤の取扱性や吸水剤の物性の観点から、好ましくは過酸化物又はアゾ化合物、より好ましくは過酸化物、更に好ましくは過硫酸塩が用いられる。
上記重合開始剤の使用量は、単量体に対して、好ましくは0.001〜1モル%、より好ましくは0.001〜0.5モル%である。また、上記還元剤の使用量は、単量体に対して、好ましくは0.0001〜0.02モル%である。重合開始剤や還元剤の使用量を上記範囲内とすることで、所望する吸水剤が得られる。
なお、上記重合開始剤に代えて、放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合反応を実施してもよく、これらの活性エネルギー線と重合開始剤を併用してもよい。
(重合形態)
本発明に適用される重合形態としては、特に限定されないが、吸水特性や重合制御の容易性等の観点から、好ましくは噴霧重合、液滴重合、水溶液重合、逆相懸濁重合、より好ましくは水溶液重合、逆相懸濁重合、更に好ましくは水溶液重合が挙げられる。中でも、連続水溶液重合が特に好ましく、連続ベルト重合、連続ニーダー重合の何れでも適用される。
具体的な重合形態として、連続ベルト重合は米国特許第4893999号、同第6241928号、米国特許出願公開第2005/0215734号等に、連続ニーダー重合は米国特許第6987151号、同第6710141号等に、それぞれ記載されている。これらの連続水溶液重合を採用することで、吸水剤の生産効率が向上する。
また、上記連続水溶液重合の好ましい形態として、「高温開始重合」や「高濃度重合」が挙げられる。「高温開始重合」とは、単量体水溶液の温度を好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上、更に好ましくは40℃以上、特に好ましくは50℃以上(上限は沸点)の温度で重合を開始する形態をいい、「高濃度重合」とは、単量体濃度を好ましくは30重量%以上、より好ましくは35重量%以上、更に好ましくは40重量%以上、特に好ましくは45重量%以上(上限は飽和濃度)で重合を行う形態をいう。これらの重合形態を併用することもできる。
また、本発明においては、空気雰囲気下で重合を行うこともできるが、得られる吸水剤の色調の観点から、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で重合を行うことが好ましい。この場合、例えば、酸素濃度を1容積%以下に制御することが好ましい。なお、単量体水溶液中の溶存酸素についても、不活性ガスで置換(例えば、溶存酸素;1mg/l未満)しておくことが好ましい。
また、本発明では、単量体水溶液に気泡(特に上記不活性ガス等)を分散させて重合を行う発泡重合とすることもできる。
また、本発明においては、重合中に固形分濃度を上昇させてもよい。このような固形分濃度の上昇の指標として固形分上昇度は下記(式2)により定義される。なお、該固形分濃度の上昇度としては、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上である。
Figure 2016131902
ただし、単量体水溶液の固形分濃度とは下記(式3)で求められる値であり、重合系内の成分とは、単量体水溶液とグラフト成分、吸水性樹脂、その他固形物(例えば水不溶性微粒子等)であり、逆相懸濁重合における疎水性溶媒は含めない。
Figure 2016131902
(2−3)ゲル粉砕工程
本工程は、上記重合工程で得られた含水ゲルをニーダー、ミートチョッパー等のスクリュー押出し機、カッターミル等のゲル粉砕機でゲル粉砕し、粒子状の含水ゲル(以下、「粒子状含水ゲル」と称する)を得る工程である。なお、上記重合工程がニーダー重合の場合、重合工程とゲル粉砕工程が同時に実施されている。また、重合工程が逆相懸濁重合等、粒子状含水ゲルが重合過程で直接得られる場合には、該ゲル粉砕工程が実施されないこともある。
上記以外のゲル粉砕条件や形態については、国際公開第2011/126079号に開示される内容が、本発明に好ましく適用される。
(2−4)乾燥工程
本工程は、上記重合工程及び/又はゲル粉砕工程で得られた粒子状含水ゲルを所定の固形分まで乾燥させて「乾燥重合体」を得る工程である。なお、乾燥後の固形分は、乾燥減量(乾燥重合体1gを180℃で3時間加熱した際の重量変化)から求められる値であり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85〜99重量%、更に好ましくは90〜98重量%、特に好ましくは92〜97重量%である。
本工程において、採用される乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、流動層乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸脱水による乾燥、高温の水蒸気を利用した高湿乾燥等が挙げられる。中でも乾燥効率の観点から、熱風乾燥が好ましく、通気ベルト上で熱風乾燥を行うバンド乾燥がより好ましい。
本工程における乾燥温度(熱風乾燥の場合は熱風の温度で規定)としては、得られる吸水剤の色調や乾燥効率の観点から、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜250℃、更に好ましくは150〜200℃である。また、乾燥時間としては、所望する吸水剤の物性に応じて適宜決定されるが、好ましくは1分〜10時間、より好ましくは5分〜3時間、更に好ましくは10分〜1時間である。更に、熱風乾燥の場合、熱風の風速としては、好ましくは3.0m/s以下、より好ましくは0.5〜2.0m/sである。なお、その他の乾燥条件については、乾燥を行う粒子状含水ゲルの含水率や総重量、目的とする固形分等に応じて、適宜設定すればよい。
上記乾燥の諸条件を上記範囲内に制御することで、乾燥重合体の物性にムラが生じにくく、固形分を所定の範囲に制御することができ、更に得られる吸水剤の色調悪化や吸水性能の低下を抑えることができる。なお、バンド乾燥を行う場合、国際公開第2006/100300号、同第2011/025012号、同第2011/025013号、同第2011/111657号等に記載される諸条件が適宜適用される。
(2−5)粉砕工程、分級工程
本工程は、上記乾燥工程で得られた乾燥重合体を粉砕(粉砕工程)し、所定範囲の粒度に調整(分級工程)して、吸水性樹脂粉末(表面架橋を施す前の、粉末状の吸水性樹脂を便宜上「吸水性樹脂粉末」と称する)を得る工程である。
本発明の粉砕工程で使用される機器としては、特に限定されないが、例えば、ロールミル、ハンマーミル、スクリューミル、ピンミル等の高速回転式粉砕機、振動ミル、ナックルタイプ粉砕機、円筒型ミキサー等が挙げられ、必要により併用される。
また、本発明の分級工程での粒度調整方法としては、特に限定されないが、例えば、JIS標準篩(JIS Z8801−1(2000))を用いた篩分級や気流分級等が挙げられる。なお、粒度調整は、上記粉砕工程、分級工程に限定されず、重合工程(特に逆相懸濁重合や噴霧重合、液滴重合)や、その他の工程(例えば、造粒工程、微粉回収工程等)で適宜実施することができる。
(吸水性樹脂粉末の物性)
(固形分)
本工程で得られる吸水性樹脂粉末の固形分は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは93重量%以上、更に好ましくは95重量%以上である。該固形分の上限としては粉砕効率の観点から、好ましくは98重量%以下、より好ましくは97重量%以下である。
(粒度)
本工程で得られる吸水性樹脂粉末は、D50(重量平均粒子径)として、好ましくは200〜600μm、より好ましくは200〜550μm、更に好ましくは250〜500μm、特に好ましくは250〜450μmである。また、粒子径が150μm未満の粒子の割合は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、粒子径が850μm以上の粒子の割合は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。なお、これらの粒子の割合の下限値としては、何れの場合も少ないほど好ましく、0重量%が望まれるが、0.1重量%程度であってもよい。更に、σζ(粒度分布の対数標準偏差)は、好ましくは0〜0.50、より好ましくは0.20〜0.50、更に好ましくは0.25〜0.45、特に好ましくは0.30〜0.40である。なお、これらの粒度は、米国特許第7638570号やERT420.2−02に記載されている測定方法に準じて、標準篩を用いて測定される。
上記粒度は、表面架橋後の吸水性樹脂(以下、便宜上「吸水性樹脂粒子」と称する)のみならず、最終製品としての吸水剤についても適用される。そのため、上記範囲の粒度を維持するように、表面架橋されることが好ましく、表面架橋工程以降に整粒工程を設けて粒度調整されることがより好ましい。
(2−6)表面架橋工程
本工程は、乾燥や分級した後の吸水性樹脂粉末について、通液性や吸水速度を向上させることを目的として行われる工程であり、上述した工程を経て得られる吸水性樹脂粉末の表面層(吸水性樹脂粉末の表面から数10μmの部分)に、更に架橋密度の高い部分を設ける工程である。
本工程は、混合工程、加熱処理工程及び冷却工程(任意)から構成される。なお、逆相懸濁重合や気相重合、噴霧重合、液滴重合のように、重合時に粒度制御がなされている場合には、表面架橋工程の前の粉砕工程や分級工程は不要であり、下記加熱処理工程を乾燥工程と同時に行ってもよい。
また、上記表面架橋工程において、吸水性樹脂粉末表面でのラジカル架橋や表面重合、表面架橋剤との架橋反応等により表面架橋された吸水性樹脂粒子が得られる。
(表面架橋剤)
本発明で使用される表面架橋剤としては、特に限定されないが、有機又は無機の表面架橋剤が挙げられる。中でも、得られる吸水剤の物性や表面架橋剤の取扱性の観点から、カルボキシル基と反応する有機表面架橋剤が好ましい。例えば、米国特許第7183456号に記載される1種又は2種以上の表面架橋剤が挙げられる。より具体的には、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、ハロエポキシ化合物、多価アミン化合物又はそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、オキサゾリジノン化合物、多価金属塩、アルキレンカーボネート化合物、環状尿素化合物等が挙げられる。
上記表面架橋剤の使用量(複数使用の場合は合計使用量)は、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部である。また、該表面架橋剤は水溶液として添加することが好ましく、この場合、水の使用量は、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。更に必要に応じて、親水性有機溶媒を使用する場合、その使用量は、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
また、後述の「再加湿工程」で添加される各添加剤をそれぞれ5重量部以下の範囲内で該表面架橋剤(水溶液)に混合して添加したり、別途、混合工程で添加したりすることもできる。
(混合工程)
本工程は、吸水性樹脂粉末と上記表面架橋剤とを混合する工程である。該表面架橋剤の混合方法については、特に限定されないが、予め表面架橋剤溶液を作成しておき、該溶液を吸水性樹脂粉末に対して、好ましくは噴霧又は滴下して、より好ましくは噴霧して混合する方法が挙げられる。
上記混合を行う装置としては、特に限定されないが、好ましくは高速撹拌型混合機、より好ましくは高速撹拌型連続混合機が挙げられる。
(加熱処理工程)
本工程は、上記混合工程から排出された混合物に熱を加えて、吸水性樹脂粉末の表面上で架橋反応を起させる工程である。
上記架橋反応を行う装置としては、特に限定されないが、好ましくはパドルドライヤーが挙げられる。該架橋反応での反応温度は、使用される表面架橋剤の種類に応じて適宜設定されるが、好ましくは50〜300℃、より好ましくは100〜200℃である。
(冷却工程)
本工程は、上記加熱処理工程後に必要に応じて設置される任意の工程である。
上記冷却を行う装置としては、特に限定されないが、好ましくは加熱処理工程で使用される装置と同一仕様の装置であり、より好ましくはパドルドライヤーである。熱媒を冷媒に変更することで、冷却装置として使用できるためである。なお、上記加熱処理工程で得られた吸水性樹脂粒子は、該冷却工程において、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃に、必要に応じて強制冷却される。
(2−7)再加湿工程(硬化工程)
本工程は、上記表面架橋工程で得られた吸水性樹脂粒子に、殺菌成分を含む水性液を添加する工程である。また、本工程では、殺菌成分を含む水性液の添加と同時に、多価金属塩、カチオン性ポリマー、キレート剤、無機還元剤、α−ヒドロキシカルボン酸化合物及び消臭剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を添加することもできる。
なお、本工程において、表面架橋された吸水性樹脂粒子に水性液を添加するため、該吸水性樹脂粒子は再度、水膨潤することになる。そのため、本工程を「再加湿工程」と称する。一方で、吸水性樹脂粒子び表面に存在している水を内部まで浸透させることも行っていることから、該操作を「硬化」と称することもある。この場合、「硬化工程」という。
また、上記添加剤の添加は、上記冷却工程と同時に行うこともでき、表面架橋された吸水性樹脂粒子を再加湿できれば、何れのタイミングでもよい。
(殺菌成分を含む水性液)
本発明で得られる吸水剤を用いて作製した吸収性物品(特に紙オムツ)について、その廃棄時の衛生面、及び再加湿工程における装置の安定稼働の観点から、表面架橋された吸水性樹脂粒子に対して、殺菌成分を含む水性液が必須に添加される。
上記殺菌成分としては、特に限定されないが、好ましくは次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、ヨードチンキ、ポビドンヨードからなる群から選ばれる少なくとも1であり、より好ましくは次亜塩素酸ナトリウムである。
また、上記殺菌成分の濃度として、上記殺菌成分を含む水性液に含まれる遊離残留塩素量が、好ましくは0.1〜5.0mg/l、より好ましくは0.2〜3.0mg/l、更に好ましくは0.5〜1.5mg/lである。
上記遊離残留塩素量を上記範囲内とすることで、吸収性物品の使用時における臭気を抑制することができるため、好ましい。更に、製造装置の安定稼働の観点から、製品の品番切り替えに伴う装置トラブルを低減することができるため、好ましい。つまり、水性液を添加しない製品タイプでは、再加湿工程(硬化工程)を実施しない場合があり、そのため、従来であれば、装置の停止期間が長期間になると配管等に水性液が滞留し、詰まりを生じることがあったが、殺菌成分を含む水性液を添加することで解決できるため、好ましい。
また、上記殺菌成分を含む水性液の添加量は、吸水性樹脂粒子に対して、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%、更に好ましくは3〜7重量%である。
上記殺菌成分を含む水性液の添加方法については、特に限定されないが、好ましくは噴霧添加である。
また、上記殺菌成分を含む水性液を添加する際、吸水性樹脂粒子の温度は、好ましくは30〜70℃、より好ましくは35〜65℃、更に好ましくは40〜60℃である。該吸水性樹脂粒子の温度が30℃未満の場合、水性液の吸水性樹脂粒子への浸透速度が遅くなるため、逆に70℃を超える場合は、浸透速度が速くなり過ぎるため、水性液の吸水性樹脂粒子への適度な浸透性と均一な分散性が悪化するため、好ましくない。
殺菌成分を含む水性液を添加する工程を1日間以上停止した後に、再度、殺菌成分を含む水性液を添加する工程を稼働させることが好ましい。
以下、本工程で添加される添加剤の一例として、多価金属塩、カチオン性ポリマー、キレート剤、無機還元剤、α−ヒドロキシカルボン酸化合物及び消臭剤について、説明する。
(多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー)
本発明において、得られる吸水剤の吸水速度、通液性、吸湿流動性等の観点から、多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーを添加することが好ましい。
上記多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーとして、具体的には、国際公開第2011/040530号の「〔7〕多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー」に記載された化合物及びその使用量が、本発明に適用される。
(キレート剤)
本発明において、得られる吸水剤の色調(着色防止)、劣化防止等の観点から、キレート剤を添加することが好ましい。
上記キレート剤として、具体的には、国際公開第2011/040530号の「〔2〕キレート剤」に記載された化合物及びその使用量が、本発明に適用される。
(無機還元剤)
本発明において、得られる吸水剤の色調(着色防止)、劣化防止、残存モノマー低減等の観点から、無機還元剤を添加することが好ましい。
上記無機還元剤として、具体的には、国際公開第2011/040530号の「〔3〕無機還元剤」に記載された化合物及びその使用量が、本発明に適用される。
(α−ヒドロキシカルボン酸化合物)
本発明において、得られる吸水剤の色調(着色防止)等の観点から、α−ヒドロキシカルボン酸化合物を添加することが好ましい。なお、「α−ヒドロキシカルボン酸化合物」とは、分子内にヒドロキシル基を有するカルボン酸又はその塩のことで、α位にヒドロキシル基を有するヒドロキシカルボン酸である。
上記α−ヒドロキシカルボン酸化合物として、具体的には、国際公開第2011/040530号の「〔6〕α−ヒドロキシカルボン酸化合物」に記載された化合物及びその使用量が、本発明に適用される。
(消臭剤)
本発明において、得られる吸収性物品(特に紙オムツ)使用時の消臭等の観点から、消臭剤を添加することが好ましい。
上記消臭剤としては、天然物由来の消臭剤が好ましく、具体的には、特開2001−285021号公報に記載された化合物及びその使用量が、本発明に適用される。
(2−8)その他の添加剤添加工程
本発明においては、上述した添加剤以外の添加剤を、吸水性樹脂に種々の機能を付加させるため、添加することもできる。該添加剤として、具体的には、界面活性剤、リン原子を有する化合物、酸化剤、有機還元剤、水不溶性無機微粒子、金属石鹸等の有機粉末、パルプや熱可塑性繊維等が挙げられる。なお、上記界面活性剤は、国際公開第2005/075070号に記載された化合物が、また、上記水不溶性無機微粒子は、国際公開第2011/040530号の「〔5〕水不溶性無機微粒子」に記載された化合物が、それぞれ本発明に適用される。
上記添加剤の使用量(添加量)は、得られる吸水剤の用途に応じて適宜決定されるため、特に限定されないが、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。また、該添加剤は、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の何れかの製造工程で添加することができる。
(2−9)その他の工程
本発明においては、上述した工程以外に、整粒工程、微粉除去工程、微粉の再利用工程等を必要に応じて設けることができる。また、輸送工程、貯蔵工程、梱包工程、保管工程等の1種又は2種以上の工程を更に含んでもよい。なお、「整粒工程」は、表面架橋工程以降の微粉除去工程や吸水性樹脂が凝集し、所望の大きさを超えた場合に分級、粉砕を行う工程を含む。また、「微粉の再利用工程」は、本発明のように微粉をそのまま添加する形態の他、大きな含水ゲルにして吸水剤の何れかの製造工程に添加する工程を含む。
〔3〕ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の物性
本発明に係る製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水剤は、以下の物性を満たすものが望まれる。なお、該吸水剤を紙オムツ等の吸収性物品に使用する場合、下記(3−1)〜(3−6)に掲げた物性のうち、少なくとも1つ以上、好ましくはAAPを含めた2つ以上、より好ましくはAAPを含めた3つ以上、更に好ましくはAAPを含めた4つ以上、特に好ましくはAAPを含めた5つ以上、最も好ましくは6つすべての物性を、所望する範囲に制御することが望まれる。これらの物性が下記の範囲を満たさない場合、本発明の効果が十分に得られず、吸収性物品(特に高濃度紙オムツ)において十分な性能を発揮しない虞がある。
本発明の吸水剤は、その形状について特に限定されないが、好ましくは粒子状である。本明細書では好ましい態様である粒子状の吸水剤について、その物性を説明する。なお、下記の物性は、特に断りのない限り、EDANA法に準拠して測定した。
(3−1)CRC(遠心分離機保持容量)
本発明の吸水剤のCRC(遠心分離機保持容量)は、通常5g/g以上であり、好ましくは20g/g以上、より好ましくは25g/g以上、更に好ましくは30g/g以上である。上限値については特に限定されず高値ほど好ましいが、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは70g/g以下、より好ましくは50g/g以下、更に好ましくは40g/g以下である。
したがって、上記CRC(遠心分離機保持容量)の代表的な範囲としては、上述した上限値及び下限値の範囲内で適宜選択することができる。例えば、5〜70g/g、20〜50g/g、25〜40g/g等、任意の範囲を選択することができる。
上記CRCが5g/g未満の場合、吸水剤の吸水量が小さく、紙オムツ等の吸収性物品の吸収体として適さない。また、上記CRCが70g/gを超える場合、尿や血液等の体液等を吸収する速度が低下するため、高吸水速度タイプの紙オムツ等への使用に適さない。なお、CRCは、内部架橋剤や表面架橋剤等で制御することができる。
(3−2)AAP(加圧下吸水倍率)
本発明の吸水剤のAAP(加圧下吸水倍率)は、好ましくは18g/g以上、より好ましくは20g/g以上、更に好ましくは23g/g以上、特に好ましくは24g/g以上、最も好ましくは25g/g以上である。上限値については特に限定されないが、好ましくは30g/g以下である。
したがって、上記AAP(加圧下吸水倍率)の代表的な範囲としては、上述した上限値及び下限値の範囲内で適宜選択することができる。例えば、18〜30g/g、22〜30g/g、25〜30g/g等、任意の範囲を選択することができる。
上記AAPが20g/g未満の場合、紙オムツ等で実際に使用される際、吸収体に圧力が加わった状態での吸収量が低下するため、紙オムツ等の吸収性物品の吸収体として適さない。なお、AAPは、粒度や表面架橋剤等で制御することができる。
(3−3)粒度(PSD(粒度分布)、D50(重量平均粒子径)、σζ(粒度分布の対数標準偏差))
本発明の吸水剤の粒度(PSD(粒度分布)、D50(重量平均粒子径)、σζ(粒度分布の対数標準偏差))は、表面架橋を施す前の吸水性樹脂粉末の粒度と同じになるように、制御される。
(3−4)Ext(水可溶分)
本発明の吸水剤のExt(水可溶分)は、通常50重量%以下であり、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下である。下限値については特に限定されないが、好ましくは0重量%、より好ましくは0.1重量%程度である。
したがって、上記Ext(水可溶分)の代表的な範囲としては、上述した上限値及び下限値の範囲内で適宜選択することができる。例えば、0〜50重量%、0.1〜50重量%、0.1〜35重量%等、任意の範囲を選択することができる。
上記Extが50重量%を超える場合、ゲル強度が弱く、液透過性に劣った吸水剤となる虞がある。更に、戻り量が多くなるため、紙オムツ等の吸収性物品の吸収体として適さない。なお、Extは、内部架橋剤等で制御することができる。
(3−5)含水率
本発明の吸水剤の含水率は、好ましくは1重量%を超えて15重量%以下、より好ましくは2〜15重量%、更に好ましくは2〜12重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
上記含水率を上記範囲内に制御することで、粉体特性(例えば、流動性、搬送性、耐ダメージ性等)に優れた吸水剤が得られる。なお、含水率は、表面架橋での加熱処理で制御することができる。
(3−6)残存モノマー
本発明の吸水剤に含有する残存モノマーは、安全性の観点から、好ましくは500ppm以下、より好ましくは400ppm以下、更に好ましくは300ppm以下である。下限値については特に限定されないが、好ましくは0ppm、より好ましくは10ppm程度である。
したがって、上記残存モノマーの代表的な範囲としては、上述した上限値及び下限値の範囲内で適宜選択することができる。例えば、0〜500ppm、0〜300ppm、10〜400ppm等、任意の範囲を選択することができる。
上記残存モノマーを上記範囲内に制御することで、人体の皮膚等への刺激が軽減される吸水剤が得られる。
〔4〕ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の用途
本発明の吸水剤の用途は、特に限定されないが、好ましくは紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品の吸収体用途が挙げられる。特に、原料由来の臭気、着色等が問題となっていた高濃度紙オムツ(紙オムツ1枚あたりの吸水剤の使用量が多いもの)の吸収体として使用することができる。更に、上記吸収体の上層部に使用される場合に、顕著な効果が期待できる。
また、上記吸収体として、吸水剤以外にパルプ繊維等の吸収性材料を使用することもできる。この場合、吸収体中の吸水剤の含有量(コア濃度)としては、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは40〜100重量%、更に好ましくは50〜100重量%、更により好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%、最も好ましくは75〜95重量%である。
上記コア濃度を上記範囲とすることで、該吸収体を吸収性物品の上層部に使用した場合、吸収性物品が清浄感のある白色状態を保つことができる。更に、尿や血液等の体液等の拡散性に優れるため、効率的な液分配によって吸収量の向上が見込める。
以下の実施例・比較例に従って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定解釈されるものではなく、各実施例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例も、本発明の範囲に含まれるものとする。
なお、実施例及び比較例で使用する電気機器(吸水性樹脂の物性測定も含む)は、特に注釈のない限り、200V又は100Vの電源を使用した。また、本発明の吸水剤の諸物性は、特に注釈のない限り、室温(20〜25℃)、相対湿度50%RHの条件下で測定した。
また、「リットル」を「l」又は「L」、「重量%」を「wt%」と便宜上、表記する場合がある。更に微量成分の測定において、検出限界以下を「N.D」(Non Detected)と表記する。
[吸水剤の物性測定]
以下、本発明に係る製造方法で得られる吸水剤の物性測定について説明する。なお、測定対象が、吸水剤以外の、例えば、吸水性樹脂粉末の場合、「吸水剤」を「吸水性樹脂粉末」に読み替えて適用する。
(a)CRC(遠心分離機保持容量)
本発明の吸水剤のCRC(遠心分離機保持容量)は、EDANA法(ERT441.2−02)に準拠して測定した。
(b)AAP(加圧下吸水倍率)
本発明の吸水剤のAAP(加圧下吸水倍率)は、EDANA法(ERT442.2−02)に準拠して測定した。
(c)粒度(PSD(粒度分布)、D50(重量平均粒子径)、σζ(粒度分布の対数標準偏差))
本発明の吸水剤の粒度(PSD(粒度分布)、D50(重量平均粒子径)、σζ(粒度分布の対数標準偏差))は、米国特許第7638570号に記載された「(3)Mass−Average Particle Diameter (D50) and Logarithmic Standard Deviation (σζ) of Particle Diameter Distribution」に準拠して測定した。
(d)Ext(水可溶分)
本発明の吸水剤のExt(水可溶分)は、EDANA法(ERT470.2−02)に準拠して測定した。
(e)含水率、樹脂固形分
本発明の吸水剤の含水率は、EDANA法(ERT430.2−02)に準拠して測定した。なお、本発明においては、試料量を1.0g、乾燥温度を180℃にそれぞれ変更して測定した。
なお、樹脂固形分(重量%)は、(100−含水率)(重量%)で規定した。
(f)残存モノマー
本発明の吸水剤の残存モノマーは、EDANA法(ERT410.2−02)に準拠して測定した。
(g)臭気試験及びカビ発生試験
先ず、臭気試験及びカビ発生試験用の人尿を用意した。該人尿は、成人10人から排泄後2時間以内のものを集め、人尿混合物とした。続いて、該人尿混合物10mlを採取し、容量120mlの蓋付きポリプロピレン製容器(商品名;パックエース、(株)テラオカ製/大きさ;口径58mm×下径54mm×高さ74mm)に入れた。
次に、吸水剤1gを上記人尿混合物10mlが入った容器に添加して、人尿を吸収させた膨潤ゲルを形成し、1分経過後に、その臭気を確認した(紙オムツ使用時の臭気)。
続いて、上記容器を密閉し、室温(25℃)下で冷暗所にて保管した。10日間経過後、上記膨潤ゲルの様子を確認した(紙オムツ廃棄時のカビ発生の確認)。
上記臭気の確認は、任意に選出したモニター(成人20名)によって行った。なお、臭気は、吸水剤を添加せずに人尿混合物のみで試験を行った際の臭気を「レベル5」として、吸水剤を添加した際の臭気を、許容できる範囲であれば「レベル3」、無臭であれば「レベル1」として評価した。
上記モニター全員の評価点を平均(四捨五入)して、レベル3以下であれば「臭気なし」として判定した。
[実施例1]
吸水剤の連続製造装置として、重合、ゲル粉砕、乾燥、粉砕、分級、表面架橋(表面架橋剤の混合、加熱処理、冷却)、水性液の添加及び整粒の各工程を行う製造装置を用意した。該製造装置はこの順序で構成されており、各装置間は輸送装置によって連結されていた。該連続製造装置を用いて、1500kg/hrで吸水剤を連続的に製造した。なお、該吸水剤の連続製造装置には、製品として得られる吸水剤の出荷容器への充填工程等も含まれる。
先ず、単量体水溶液(1)として、中和率75モル%、単量体濃度38重量%のアクリル酸部分ナトリウム塩水溶液を作成した。その際、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(平均n数;9)を、全単量体のモル数に対して0.03モル%となるように添加した。なお、「平均n数」とは、ポリエチレングリコール鎖中のメチレン鎖重合度の平均数を意味する。
次に、上記単量体水溶液(1)を、定量ポンプを用いて連続的に重合装置に供給(送液)した。その際、送液配管の途中から窒素ガスを連続的に吹き込み、単量体水溶液(1)中の溶存酸素の濃度を0.5mg/l以下とした。
続いて、重合開始剤として過硫酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸を別々の供給配管を用いて、単量体水溶液(1)に連続的に混合(ラインミキシング)した。過硫酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸の添加量は、単量体1モルに対して、それぞれ0.12g、0.005gであった。
実施例1で使用した連続製造装置における重合装置は、両端に堰を有する平面スチールベルト重合装置であり、該重合装置を用いて連続的に静置水溶液重合を行った。なお、該重合装置に供給された液は、平面スチールベルト上での厚みが約30mmであった。また、重合時間は30分間であった。該操作によって、帯状の含水ゲル状架橋重合体(含水ゲル)(1)を得た。
次に、上記帯状の含水ゲル(1)を、上記平面スチールベルトの進行方向に対して垂直に等間隔に切断した後に、孔径7mmのミートチョッパーに連続的に供給して、約2mmの粒子状にゲル粉砕した。該操作によって、粒子状の含水ゲル(1)を得た。
続いて、粒子状の含水ゲル(1)を、通気ベルト型乾燥装置の多孔板上に、厚みが50mmとなるように連続的に積載し、185℃で30分間、乾燥した。該操作によって、ブロック状の乾燥重合体(1)を得た。なお、上記重合装置から排出された含水ゲル(1)が上記通気ベルト型乾燥装置に投入されるまでの所要時間は約1分間であった。
続いて、上記ブロック状の乾燥重合体(1)全量を、3段ロールミル(ロールギャップ;上から順に1.0mm/0.55mm/0.32mm)に連続的に供給して粉砕した。該操作によって、粉砕重合体(1)を得た。なお、該3段ロールミルに供給された乾燥重合体(1)の温度は約60℃であった。また、粉砕工程での減圧度を0.29kPaに調整した。
続いて、上記粉砕重合体(1)全量を、分級装置(合計2枚の金属篩網から構成される篩い分け装置;目開きは上から順に850μm/150μm)に連続的に供給して分級した。該操作によって、吸水性樹脂粉末(1)を得た。なお、該分級装置に供給された粉砕重合体(1)の温度は約60℃であった。また、該分級装置が据え付けられている架台は接地抵抗値が5Ωの接地(除電)がなされていた。
上記一連の操作によって、粒子径が150μm以上850μm未満である粒子の割合が98重量%、CRC(遠心分離機保持容量)が43g/gである、吸水性樹脂粉末(1)を得た。
次に、上記重水性樹脂粉末(1)100重量部に対して、1,4−ブタンジオール0.3重量部、プロピレングリコール0.5重量部及びイオン交換水3重量部からなる表面架橋剤溶液(1)を用意した。なお、該イオン交換水の電気伝導度は0.5μS/cmであった。
上記吸水性樹脂粉末(1)を、上記分級装置から空気輸送を用いて、1500kg/hrで高速混合機(タービュライザー/1000rpm)に連続的に供給した。その際、上記表面架橋剤溶液(1)を該高速混合機内にスプレーで噴霧することで、均一に混合した。
次いで、上記操作で得られた混合物(1)を、横型攪拌装置(パドルドライヤー)に連続的に供給して、加熱処理した。該加熱処理時の温度は198℃、平均滞留時間は45分間であった。なお、該加熱処理時の温度は、2.5MPaの加圧蒸気を加熱源として使用し、該横型攪拌装置の排出部付近に設置した温度計を用いて、該装置内の混合物(1)の温度を測定し、その温度が198℃となるように、加圧蒸気の流量を制御した。また、平均充填率が75容積%となるように、排出堰の位置を調整した。
続いて、上記加熱処理で使用した横型攪拌装置(パドルドライヤー)と同一形式で容量が若干小さい横型攪拌装置を用いて、上記加熱処理された混合物(1)の温度が60℃となるまで強制的に冷却を行った。該操作によって、吸水性樹脂粒子(1)を得た。得られた吸水性樹脂粒子(1)に含まれる酢酸及びプロピオン酸の合計量は200mg/kgであった。
次に、上記吸水性樹脂粒子(1)100重量部に対して、殺菌成分である次亜塩素酸ナトリウムを加えた水(遊離残留塩素量;0.8mg/l(塩素換算))10重量部をスプレーで噴霧し、高速混合機を用いて混合した。なお、該混合は、吸水性樹脂粒子の表面に存在している水を内部まで浸透させることも行っており、該操作を「硬化」と称する場合がある。
続いて、目開き850μmのJIS標準篩網を有する篩い分け装置を用いて、上記吸水性樹脂粒子(1)全量が該篩網を通過するまで解砕した。なお、該「解砕」とは、上記硬化時に凝集した吸水性樹脂粒子(1)について、目開き850μmの篩網を通過するまで粉砕する操作のことを意味する。したがって、該篩網を通過しない粗大粒子(非通過物/on品)は再度粉砕されることになる。該操作によって、整粒された製品としての吸水剤(1)を得た。得られた吸水剤(1)のCRCは34.0g/g、AAPは24.0g/gであった。更に、得られた吸水剤(1)について、臭気試験及びカビ発生試験を行った。その結果を表1に示す。
次に、上記吸水剤(1)の生産を5日間連続して行った後、上記硬化操作を必要としないタイプの吸水剤(水の添加工程を休止させた状態)を10日間連続して生産し、その後、上記吸水剤(1)の生産を開始した。該吸水剤(1)の生産再開後の稼働状況について、表2に示した。
[比較例1]
実施例1において、殺菌成分である次亜塩素酸ナトリウムを加えた水の代わりに、殺菌成分を含まないイオン交換水を使用した以外は実施例1と同様の操作を行って、比較吸水剤(1)を得た。更に、得られた比較吸水剤(1)について、臭気試験及びカビ発生試験を行った。その結果を表1に示す。
次に、実施例1と同様、上記比較吸水剤(1)の生産を5日間連続して行った後、上記硬化操作を必要としないタイプの吸水剤を10日間連続して生産し、その後、上記吸水剤(1)の生産を開始した。該吸水剤(1)の生産開始時の稼働状況について、表2に示した。
[比較例2]
比較例1において、殺菌成分を含まないイオン交換水を混合する際に併せて酢酸を2800mg/kg添加した以外は、比較例1と同様の操作を行って、比較吸水剤(2)を得た。更に、得られた比較吸水剤(2)について、臭気試験及びカビ発生試験を行った。その結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例1において、殺菌成分を含まないイオン交換水を混合する際に併せてプロピオン酸を2800mg/kg添加した以外は、比較例1と同様の操作を行って、比較吸水剤(3)を得た。更に、得られた比較吸水剤(3)について、臭気試験及びカビ発生試験を行った。その結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1において、殺菌成分である次亜塩素酸ナトリウムを加えた水を混合する際に併せて酢酸を2800mg/kg添加した以外は実施例1と同様の操作を行って、比較吸水剤(4)を得た。更に、得られた比較吸水剤(4)について、臭気試験及びカビ発生試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2016131902
Figure 2016131902
(まとめ)
表1に示したように、吸水剤(1)は、人尿吸収後(紙オムツ使用時)では臭気がなく、10日間経過後(紙オムツ廃棄時)ではカビの発生も認められなかった。一方、殺菌成分を含まないイオン交換水で硬化させた比較吸水剤(1)では、人尿吸収後(紙オムツ使用時)では臭気がなかったものの、10日経過後(紙オムツ廃棄時)になるとカビの発生が認められた。これらのことから、硬化時に使用される水に殺菌成分を含ませることによって、紙オムツ廃棄時のカビ発生を抑えることが可能であることが分かる。
また、比較吸水剤(2)〜(4)の結果から、吸水剤中の酢酸及びプロピオン酸の合計量を2500mg/kg以上とすることで、人尿吸収後(紙オムツ使用時)に臭気が認められた。一方、該酢酸及びプロピオン酸の合計量が200mg/kgの吸水剤(1)や比較吸水剤(1)では、人尿吸収後(紙オムツ使用時)に臭気がしないことから、人尿吸収後の臭気は、吸水剤中の酢酸及びプロピオン酸に起因していると推定される。
一方、10日経過後(紙オムツ廃棄時)のカビ発生について、殺菌成分を含まないイオン交換水で硬化させた比較吸水剤(2)及び(3)であっても、カビの発生が認められなかった。このことから、10日経過後(紙オムツ廃棄時)のカビ発生に対しては、殺菌成分のみならず、吸水剤中の酢酸及びプロピオン酸が影響していると推定される。
以上の結果から、人尿吸収時(紙オムツ使用時)及び10日経過後(紙オムツ廃棄時)の両方において、臭気やカビの発生を抑えるためには、吸水剤中の酢酸及びプロピオン酸の合計量を低く抑え、かつ、微量の殺菌成分を含む水性液を添加することが必要であることが分かる。
また、表2に示したように、硬化時に使用される水に殺菌成分を含ませることによって、該水の添加用スプレーノズルや配管での詰まりを防止することができることが分かる。
以上の結果から、表面架橋後の吸水性樹脂粒子に対して水性液を添加する工程において、所定量以上の殺菌成分を含むイオン交換水を使用すれば、製品タイプ切り替え時の装置トラブルを防ぐことができ、生産ロスを抑えた安定稼働できることが明らかとなった。
本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法は、吸水剤の生産、特に大量生産に適用することができる。また、本発明によって得られるポリアクリル酸(塩)系吸水剤は、紙オムツ等の衛生用品の吸収体用途に適している。

Claims (12)

  1. 単量体水溶液の重合工程、乾燥工程、及び表面架橋工程を含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法であって、
    単量体又はその重合体に含まれる酢酸及びプロピオン酸の合計量を200〜2500ppmとし、
    表面架橋された吸水性樹脂粒子に対して、殺菌成分を含む水性液を添加する工程を更に含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法。
  2. 上記殺菌成分が、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、ヨードチンキ、ポビドンヨードからなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記殺菌成分を含む水性液に含まれる遊離残留塩素量が、0.1〜5.0mg/lである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 上記殺菌成分を含む水性液の添加量が、吸水性樹脂粒子に対して1〜10重量%である、請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 上記殺菌成分を含む水性液の添加が、噴霧添加である、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
  6. 上記吸水剤の含水率が、1〜15重量%となるように加熱処理する、請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法。
  7. 上記殺菌成分を含む水性液を添加する工程において、該水性液が添加される吸水性樹脂粒子の温度が、30〜70℃である、請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法。
  8. 上記殺菌成分を含む水性液を添加する工程を1日間以上停止した後に、再度、殺菌成分を含む水性液を添加する工程を稼働させる、請求項1〜7の何れか1項に記載に製造方法。
  9. 上記殺菌成分を含む水性液を添加する工程において、殺菌成分を含む水性液の添加と同時に多価金属塩、カチオン性ポリマー、キレート剤、無期還元剤、α−ヒドロキシカルボン酸化合物及び消臭剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を添加する、求項1〜8の何れか1項に記載の製造方法。
  10. 上記吸水剤の、CRC(遠心分離機保持容量)が30g/g以上、AAP(加圧下吸水倍率)が18g/g以上、D50(重量平均粒子径)が250〜600μm、及びσζ(粒度分布の対数標準偏差)が0〜0.50である、請求項1〜9の何れか1項に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の製造方法で得られた、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤。
  12. 請求項11に記載の吸水剤を含む、吸収性物品。
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