JP2016132007A - レーザ・アークハイブリッド溶接方法及びレーザ・アークハイブリッド溶接構造体 - Google Patents

レーザ・アークハイブリッド溶接方法及びレーザ・アークハイブリッド溶接構造体 Download PDF

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Shozo Ono
昇造 小野
陵介 木村
Ryosuke Kimura
陵介 木村
彦太郎 落合
Hikotaro Ochiai
彦太郎 落合
雅之 赤瀬
Masayuki Akase
雅之 赤瀬
佐野 智一
Tomokazu Sano
智一 佐野
明夫 廣瀬
Akio Hirose
明夫 廣瀬
智 小椋
Tomo OGURA
智 小椋
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Kaoru Takezaki
馨 竹崎
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Seiji Katayama
聖二 片山
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Abstract

【課題】レーザ・アークハイブリッド溶接法により鋼材を開先溶接する際に、溶接部におけるポロシティの発生を抑制または回避し、信頼性の高い溶接構造体を得ることができるレーザ・アークハイブリッド溶接方法を提供する。
【解決手段】レーザ溶接とアーク溶接の両方を用いて鋼材を開先溶接するレーザ・アークハイブリッド溶接方法において、前記鋼材の開先面の少なくとも一方に、粉末の脱酸剤を有機溶媒に混合した脱酸剤ペーストを塗布する脱酸剤塗布工程を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ溶接とアーク溶接を組み合わせたレーザ・アークハイブリッド溶接方法及びレーザ・アークハイブリッド溶接構造体に関するものである。
レーザに代表される高パワー密度の熱源を用いた溶接として、レーザ溶接法とアーク溶接法の両方を用いるレーザ・アークハイブリッド溶接法が、船舶等の輸送機械や産業機械等の重工業分野に用いられる鋼板に対する溶接方法として実用化されている。
前記レーザ・アークハイブリッド溶接法は、アーク溶接法だけを用いる場合に比べて溶接部の溶融深さが大きく、且つ溶融幅が狭い溶融形状となり、変形および熱影響の小さい溶接が可能となる。
一方で、その溶融幅(溶融領域)の狭さのため、系外から異物の混入の影響を受けやすくなる虞がある。
より具体的には、レーザ切断のような熱加工法を用いて母材となる鋼板の開先加工を行うと、その開先面に酸化膜が生成する。当該酸化膜を開先面に残したままレーザ・アークハイブリッド溶接を行うと、溶接時に、Fe、Fe等で構成される前記酸化膜が前記レーザの高パワー密度の熱によってFeとOに解離するとともに、解離したOが溶融金属中に溶解する。その結果、溶融金属中において母材由来のCと前記開先面の酸化膜由来のOが反応してCOガスが発生し、溶融金属の凝固時に前記COガスが大気中に放出されずに金属内に残るとポロシティ(ブローホールとも言う)となる。
ここで、レーザ溶接法においては、特許文献1や特許文献2に示すような溶接部におけるポロシティ(ブローホール)対策が行われている。
例えば、特許文献1には、熱間圧延した鋼材の接合(熱間接合)を行うにあたり、アルミニウム、シリコン、チタン等を含む鉄合金の粉末の脱酸剤を脱酸剤供給装置等を用いて開先部に供給しつつ、レーザ溶接する方法が開示されている。
特許文献2には、厚板のレーザ溶接において、前記厚板の裏面にアルミニウム、シリコン、チタン等を含む合金の粉末を塗布して溶接を行うことが開示されている。
特開平09−174265号公報 特開2004−25278号公報
本発明は、レーザ・アークハイブリッド溶接法により鋼材を開先溶接する際に、溶接部におけるポロシティの発生を抑制または回避し、信頼性の高い溶接構造体を得ることができるレーザ・アークハイブリッド溶接方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の第1の態様に係るレーザ・アークハイブリッド溶接方法は、レーザ溶接とアーク溶接の両方を用いて鋼材を開先溶接するレーザ・アークハイブリッド溶接方法において、前記鋼材の開先面の少なくとも一方に、粉末の脱酸剤を有機溶媒に混合した脱酸剤ペーストを塗布する脱酸剤塗布工程を有することを特徴とするものである。
本発明において「脱酸剤」とは、脱酸反応(還元)を示す金属元素を含む材料である。
また「粉末」とは、細かい粒子の集合体を意味する。前記粒子は球状、粒状等のほぼ同一形状の粒子の集合体である場合の他、不規則形状の粒子の集合体であってもよい。
前述したように、前記開先面に酸化膜(Fe、Fe等)があると、溶接時のレーザの熱によって、前記酸化膜から解離したOと母材の鋼材由来のCが反応して溶融金属中にCOガスが発生する。
本態様においては、前記鋼材の開先面の少なくとも一方に、粉末の脱酸剤を有機溶媒に混合した脱酸剤ペーストが塗布されていることにより、溶接時に、鋼板の厚さ方向全体の溶融金属中に脱酸剤を分散させることが可能となる。
前記脱酸剤は、溶融金属中において発生した前記COガスと反応してスラグ(固体の酸化物)を形成する。前記スラグは溶融金属中を浮上して当該溶融金属外に排出される。
脱酸剤が鋼板の厚さ方向全体の溶融金属中に分散されていることにより、該脱酸剤は、前記溶融金属中において発生したCOガスと速やかに反応することができる。以って、溶融金属中に発生したCOガスが高効率に系外に除去されるので、溶融金属が凝固して形成される溶接部(溶接金属)におけるポロシティの発生を効果的に抑制または回避することができる。
尚、前記脱酸剤ペーストは、液体よりも粘性が高く流動性が少ない状態で、溶接時に開先面に保持させることが可能な粘度を有するものが好ましい。また、開先面への塗布時には流動性があるが、前記有機溶媒を蒸発させることによって溶接時には開先面に保持されるものでもよい。
本発明の第2の態様に係るレーザ・アークハイブリッド溶接方法は、第1の態様において、前記鋼材の厚さは6.0mm以上であることを特徴とするものである。
一般的に、鋼材の厚さが厚くなると、その厚みのために溶融金属中に発生したCOガスが系外に除去され難くなるのでポロシティは発生し易くなる。厚さ6.0mm以上の鋼材では、特にポロシティが溶接部の強度に影響を及ぼす虞が高くなる。
本態様によれば、厚さ6.0mm以上の鋼材をレーザ・アークハイブリッド法により溶接する際に、ポロシティの発生を効果的に抑制または回避し、より信頼性の高い溶接を行うことができる。
本発明の第3の態様に係るレーザ・アークハイブリッド溶接方法は、第1の態様または第2の態様において、前記脱酸剤塗布工程の後に、前記脱酸剤ペーストに含まれる有機溶媒を蒸発させる溶媒蒸発工程を有することを特徴とするものである。
本態様によれば、前記脱酸剤塗布工程の後に溶媒蒸発工程を行うことにより、溶接部への前記有機溶媒由来の炭素の混入を低減することができる。
本発明の第4の態様に係るレーザ・アークハイブリッド溶接方法は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記鋼材の開先面をレーザ切断により形成することを特徴とするものである。
レーザ切断は高速切断が可能であり、形状精度の高い切断部とすることができるため、母材となる鋼材の開先加工を高効率且つ高精度に行うことができる。
ここで、レーザ切断は、一般的にアシストガスとして酸素が使われるため、前記鋼材の開先面をレーザ切断により形成すると、開先面となる切断部に酸化膜が形成される。
本態様によれば、レーザ切断によって開先面を形成し、該開先面に酸化膜を有する場合に、ポロシティの発生を抑制または回避することができる。
本発明の第5の態様に係るレーザ・アークハイブリッド溶接方法は、第1の態様から第4の態様のいずれかにおいて、前記脱酸剤は、純アルミニウム、アルミニウム合金から選択される材料であることを特徴とするものである。
本態様によれば、前記脱酸剤とCOガスを効果的に反応させ、前記溶融金属中に生じたCOガスを高効率で除去することができる。
本発明の第6の態様に係るレーザ・アークハイブリッド溶接構造体は、レーザ溶接とアーク溶接の両方を用いて鋼材を開先溶接したレーザ・アークハイブリッド溶接部を有する溶接構造体であって、前記鋼材の厚さは6.0mm以上であり、前記溶接部のうち、前記アーク溶接による溶接金属のミクロ組織において、ベイナイトの体積分率に対する粒界フェライトの体積分率が25%以下であることを特徴とするものである。
後の実施例に示すように、開先面に前記脱酸剤ペーストを塗布してレーザ・アークハイブリッド溶接を行うと、その溶接部のうち、アーク溶接による溶接金属のミクロ組織において、ベイナイトの体積分率に対する粒界フェライトの体積分率が25%以下であることが分かった。すなわち、前記溶接金属のミクロ組織において、ベイナイトの体積分率に対する粒界フェライトの体積分率が25%以下であるレーザ・アークハイブリッド溶接部は、開先面に前記脱酸剤ペーストを塗布してレーザ・アークハイブリッド溶接を行った溶接部であると言える。
本態様に係るレーザ・アークハイブリッド溶接構造体は、開先面に前記脱酸剤ペーストを塗布してレーザ・アークハイブリッド溶接が行われたレーザ・アークハイブリッド溶接部を有するので、当該溶接部におけるポロシティの発生が抑制または回避され、信頼性の高い溶接構造体とすることができる。
本発明に係るレーザ・アークハイブリッド方法について説明する図。 脱酸剤塗布工程について説明する図であり、(A)は開先面と同一面を成す支持板を配設した図、(B)は支持板上に枠板を配設した図、(C)は開先面に脱酸剤ペーストを塗布した図。 レーザ・アークハイブリッド法による溶接部を示す図。 溶接部断面のマクロ観察写真であり、(A)は実施例1の溶接部であり、(B)は比較例1の溶接部であり、(C)は比較例2の溶接部である。 溶接部の放射線透過検査の結果を示す図であり、(A)は実施例1の溶接部であり、(B)は比較例1の溶接部であり、(C)は比較例2の溶接部である。 溶接部の光学顕微鏡によるミクロ組織観察の結果を示す図であり、(A)は実施例1の溶接部であり、(B)は比較例1の溶接部であり、(C)は比較例2の溶接部である。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれる。
<レーザ・アークハイブリッド溶接方法の概要>
本発明に係るレーザ・アークハイブリッド溶接方法の概要について図に基づいて説明する。図1は、本発明に係るレーザ・アークハイブリッド方法について説明する図である。
図1において符号3はレーザ溶接を行うレーザトーチであり、符号4はアークトーチである。符号5は溶接ワイヤである。鋼材1a、鋼材1bをレーザ・アークハイブリッド溶接する場合、アークトーチ4によるアーク溶接が先行して行われ、続いてレーザトーチ3によるレーザ溶接が行われる。
本発明は、レーザ溶接とアーク溶接の両方を用いて鋼材1a、鋼材1bを開先溶接するレーザ・アークハイブリッド溶接方法において、溶接される鋼材1aの開先面2aに粉末の脱酸剤を有機溶媒に混合した脱酸剤ペースト10を塗布して(脱酸剤塗布工程)、レーザ・アークハイブリッド溶接を行う点が特徴である。
以下において、脱酸剤ペースト10を構成する脱酸剤と有機溶媒および脱酸剤ペースト10について説明し、続いて前記脱酸剤塗布工程について説明する。
[脱酸剤]
前記脱酸剤としては、溶融金属中に含まれるOと反応して固体の酸化物(スラグ)を生成させるAl、Mn、Si、Ti、Mg等の金属元素を含む材料が用いられる。
特に、純アルミニウム、アルミニウム合金等が好ましい。
[有機溶媒]
前記脱酸剤を混合する有機溶媒としては、前記脱酸剤と混合してペースト状になる有機溶媒を用いる。有機溶媒は、粘度が高く、室温で気化し易いものが好ましい。
例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコール系の溶媒が挙げられる。
[脱酸剤ペースト]
脱酸剤ペースト10は、前記脱酸剤を前記有機溶媒に混合して調製することができる。
脱酸剤ペースト10は、液体よりも粘性が高く流動性が少ない状態で、溶接時、すなわち開先面2aがほぼ鉛直方向(図1における上下方向)に沿うように配置された場合に、脱酸剤ペースト10を開先面に保持させることが可能な粘度を有するものが好ましい。
また、後述する脱酸剤塗布工程における塗布時(例えば開先面2aを水平にして塗布する場合)には流動性があるが、前記有機溶媒を蒸発させることによって、溶接時(開先面2aがほぼ鉛直方向に沿って配置される)には開先面2aに保持されるようにしてもよい。
[脱酸剤塗布工程]
次に、脱酸剤塗布工程について説明する。本説明では、図1における一方の鋼材1aの開先面2aに脱酸剤ペースト10を塗布する場合について説明する。
脱酸剤塗布工程は、母材となる鋼材1aの開先面2aに脱酸剤ペースト10を塗布する工程である。脱酸剤ペースト10は、開先面2aにほぼ均一に塗布されることが好ましい。脱酸剤ペースト10を開先面2aに均一に塗布方法の一例としては、図2に示す方法が挙げられる。図2は、脱酸剤塗布工程について説明する図であり、(A)は開先面と同一面を成す支持板を配設した図、(B)は支持板上に枠板を配設した図、(C)は開先面に脱酸剤ペーストを塗布した図である。
図2(A)に示すように、支持板11は開先面2aが嵌まる大きさの開口部12を備えており、開先面2aを開口部12に嵌め込んで支持板11の面と開先面2aとが同一面を成すように配設する。
続いて図2(B)に示すように、支持板11の上に枠板13を配設する。枠板13には開先面2aと同じ大きさの開口部14が設けられており、図2(C)に示すように、配設された枠板13の開口部14を埋めるように脱酸剤ペースト10を塗布することにより、枠板13の厚さに脱酸剤ペースト10を塗布することができる。支持板11、枠板13としては、例えばアクリル板やSUS板を用いることができる。
塗布される脱酸剤ペースト10が多いと、溶接金属中のアルミニウム含有量が過多となって、溶接部の靭性が低下する虞があるため、枠板13の厚さを100μmにして、脱酸剤ペースト10を開先面2aに対して約100μmの厚さに塗布することが望ましい。
脱酸剤ペースト10は、図1のように少なくとも一方の鋼材1aの開先面2aに塗布されていればよいが、溶接される両方の鋼材1a、鋼材1bのそれぞれの開先面2a、開先面2bに塗布してもよい。
尚、両方の開先面2a、開先面2bに脱酸剤ペースト10を塗布する場合には、例えば、一方の開先面にのみに塗布する場合の約半分ずつの脱酸剤ペースト10を二つの開先面2a、開先面2bに分けて塗布するなどして、開先面2a、開先面2bに塗布した脱酸剤ペースト10のトータルの厚さが約100μmとなるようにするとよい。
また、脱酸剤塗布工程の後に、脱酸剤ペースト10に含まれる有機溶媒を蒸発させる溶媒蒸発工程を行うことができる。
溶媒蒸発工程を行い、脱酸剤ペースト10に含まれる有機溶媒を減らすことにより、溶接部への前記有機溶媒由来の炭素の混入を低減することができる。
次に、前記脱酸剤塗布工程を行ってレーザ・アークハイブリッド溶接を行うことによる作用効果について説明する。図3は、レーザ・アークハイブリッド法による溶接部を示す図である。
開先面2a、開先面2b(図1を参照)には、鋼材1a、鋼材1bの切断時に酸化膜ができる場合や、酸化膜を取る開先加工を行っても時間が経って再び酸化膜ができる場合がある。
酸化膜(Fe、Fe等)があると、レーザ溶接を行った時に、そのレーザの高パワー密度の熱によって前記酸化膜から解離したOと鋼材1a、鋼材1b由来のCが反応して溶融金属21中にCOガスが発生する(図3)。溶融金属21中に残ったCOガスは、溶融金属21が凝固した溶接金属24においてポロシティ25となり、溶接部20の欠陥となる。
図3に示すように、溶接部20のうち、レーザ溶接部22にポロシティ25は生じやすい。
本レーザ・アークハイブリッド溶接方法においては、開先面2aに粉末の脱酸剤を含む脱酸剤ペースト10が塗布されていることにより、溶接時に、鋼板1a、鋼板1bの厚さ方向(図3の矢印Zで示す方向)全体の溶融金属21中に脱酸剤を分散させることができる。
前記脱酸剤は、溶融金属21中において発生したCOガスと反応してスラグと称される固体の酸化物を形成するとともに、該スラグは溶融金属21中を浮上して溶融金属21外に排出される。脱酸剤が鋼板1a、鋼板1bの厚さ方向全体の溶融金属21中に分散されていることにより、該脱酸剤は、溶融金属21中において発生したCOガスと速やかに反応することができる。以って、溶融金属21中に発生したCOガスが高効率に系外に除去され、溶融金属21が凝固して形成される溶接部20(溶接金属24)におけるポロシティの発生を効果的に抑制することができる。
本レーザ・アークハイブリッド溶接方法は、厚さ6.0mm以上の鋼材1a、鋼材1bを溶接する際に行うと、特に効果的に上記作用効果を奏する。
溶接される鋼材の厚さが厚くなると、その厚みのために溶融金属21中に発生したCOガスが系外に除去され難くなるのでポロシティ25は発生し易くなる。
更に、板厚L(図3)が厚い鋼板に対してレーザ・アークハイブリッド溶接を行った場合、アーク溶接部23の深さ(3〜6mm程度)は板厚Lが薄い場合と大きくは変わらず、レーザ溶接部22のみが深くなる。溶融幅が狭いレーザ溶接部22が深くなると溶融金属21の凝固速度が速くなるので、COガスはレーザ溶接部22から一層除去され難くなり、以ってポロシティ25が生じ易くなる。
このため、厚さ6.0mm以上の鋼材では、ポロシティ25による溶接部20の強度低下の虞が特に高くなるが、本方法を用いることによって、溶接部20におけるポロシティ25の発生を抑え、より信頼性の高いレーザ・アークハイブリッド溶接を行うことができる。
また、本レーザ・アークハイブリッド溶接方法において、鋼材1a、鋼材1bの開先面2a、開先面2bは、レーザ切断により形成することが好ましい。レーザ切断は鋼材1a、鋼材1bの高速切断が可能であり、形状精度の高い切断部とすることができるため、開先面2a、開先面2bの加工を高効率且つ高精度に行うことができる。
レーザ切断は、一般的にアシストガスとして酸素が使われるため、開先面2a、開先面2bとなる切断部には酸化膜が形成されるが、本発明に係るレーザ・アークハイブリッド溶接方法を用いて溶接することにより、開先面2a、開先面2bに酸化膜があってもポロシティの発生を抑制または回避することができる。
[具体例]
レーザ・アークハイブリッド構造体を以下の手順で作成した(実施例1)。比較例は、開先面への脱酸剤塗布工程を行わないレーザ・アーク溶接によってレーザ・アークハイブリッド構造体を作製した(比較例1および比較例2)。
(実施例1)
<レーザ・アークハイブリッド溶接構成>
レーザ:ディスクレーザ発振器(波長1030nm)
アーク:デジタルインバータ制御式CO/MAG/MIG自動溶接機
先行熱源:アーク
溶接ワイヤ:YGW11(JIS Z3312)、φ1.2mm
母材(鋼材):船級規格鋼板KA、板厚12.5mm
開先加工:レーザ切断(I形開先)
脱酸剤ペーストは、脱酸剤としての平均粒径20μmの純アルミニウム粉末(g)と、有機溶媒としてのエチレングリコールモノブチルエーテル(μl)を180μl/gの割合で混合し、10分間撹拌したものを用いた。鋼材をレーザ切断した切断面を開先面とし、開先面(前記レーザ切断によって酸化膜ができている)の一方に脱酸剤ペーストを100μmの厚さで均一に塗布し(脱酸剤塗布工程)、1時間室温に置いてエチレングリコールモノブチルエーテルを揮発させた(溶媒蒸発工程)。
脱酸剤ペーストを塗布した開先面と塗布しない開先面とを突き合わせ、表1に示す溶接条件によってレーザ・ハイブリッド溶接を行い、レーザ・ハイブリッド溶接構造体としての溶接継手を作製した。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と同じレーザ・アークハイブリッド溶接構成で、母材である鋼材の開先面への脱酸剤塗布工程を行わずにレーザ・アークハイブリッド溶接を行ったものである。
すなわち、脱酸剤ペーストが塗布されていない開先面(レーザ切断)同士を突き合わせ、表1に示す溶接条件によってレーザ・ハイブリッド溶接を行い、レーザ・ハイブリッド溶接構造体としての溶接継手を作製した。
(比較例2)
比較例2も比較例1と同様に、開先面への脱酸剤塗布工程を行わずにレーザ・アークハイブリッド溶接を行ったものであるが、比較例2は、ワイヤブラシを用いて開先面の酸化膜を機械的に除去し、開先面に酸化膜がほぼ形成されていない状態で溶接を行い、レーザ・ハイブリッド溶接構造体としての溶接継手を作製した。
尚、表2に実施例1と比較例1、比較例2の条件の違いを示す。
[溶接部の評価]
<溶接部断面のマクロ観察>
溶接部断面について、ポロシティの有無の確認を行った。実施例1、比較例1、比較例2の溶接部の溶接部断面のマクロ観察写真を図4に示す。図4は、溶接部断面のマクロ観察写真であり、(A)は実施例1の溶接部であり、(B)は比較例1の溶接部であり、(C)は比較例2の溶接部である。
<放射線透過検査>
溶接部に対し、放射線透過検査(RT)による溶接部内のポロシティの有無の確認を行った。実施例1、比較例1、比較例2の溶接部の放射線透過検査の結果を図5に示す。図5(A)は実施例1の溶接部であり、図5(B)は比較例1の溶接部であり、図5(C)は比較例2の溶接部である。尚、図5の画像は、図3における+Z側から−Z側に向けて撮影したものである。
図4(A)および図5(A)に示されるように、実施例1の溶接部にポロシティは観察されず、内部欠陥のない溶接部を得ることができた。一方、脱酸剤ペーストを塗布しない比較例1(開先面に酸化膜あり)では、溶接部にポロシティが発生していた[図4(B)および図5(B)]。
比較例2は、開先面に酸化膜がほぼない状態であるので、脱酸剤ペーストを塗布せずにレーザ・アークハイブリッド溶接を行っても溶接部にポロシティは発生していなかった[図4(C)および図5(C)]。
<ミクロ組織観察>
また、溶接部について、アーク溶接部とレーザ溶接部のそれぞれの溶接金属に対して光学顕微鏡によるミクロ組織観察を行った。その結果を図6に示す。図6(A)は実施例1の溶接部であり、図6(B)は比較例1の溶接部であり、図6(C)は比較例2の溶接部である。
図6(A)に示されるように、実施例1のレーザ・アークハイブリッド溶接構造体は、溶接部(図3における符号20の部分)のうち、アーク溶接部(アーク溶接による溶接金属:図3における符号23の部分)のミクロ組織において、粒界フェライトおよびフェライトサイドプレートが減少し、微細なベイナイトを多く有することが明らかとなった。これは、アルミニウムが優先的に酸素と結び付くことにより、粒界フェライトおよびフェライトサイドプレートの核生成サイトとなるSi、Mn酸化物の生成が抑制されるためと考えられる。
つまり、開先面に脱酸剤ペーストを塗布してレーザ・アークハイブリッド溶接を行うと、アークによる溶接金属23(図3を参照)のミクロ組織において、粒界フェライトおよびフェライトサイドプレートが減少すると考えられる。
このようなレーザ・アークハイブリッド溶接構造体は、溶接部におけるポロシティの発生が抑制され、信頼性の高い溶接構造体であると言える。
次に、当該部のミクロ組織に及ぼす本発明の影響を定量的に評価するため、実施例1、比較例2、比較例3における当該部のミクロ組織を各10視野観察し、ベイナイトの体積分率に対する粒界フェライトの体積分率の割合を点算法によって計測した。各10視野平均値による定量結果を表3に示す。
実施例1におけるベイナイトの体積分率に対する粒界フェライトの体積分率の割合の10視野平均値は19.6%であるが、前記10視野における値の分布から、本発明の適用の有無を判定するための、当該部におけるベイナイトの体積分率に対する粒界フェライトの体積分率の割合の閾値としては、25%が妥当と判断される。
このようなレーザ・アークハイブリッド溶接構造体は、溶接部におけるポロシティの発生が抑制され、信頼性の高い溶接構造体であると言える。
1a、1b 鋼材、 2a、2b 開先面、
3 レーザトーチ、4 アークトーチ、5 溶接ワイヤ
10 脱酸剤ペースト、11 支持板、12 開口部、13 枠板、14 開口部、
20 溶接部、21 溶融金属、22 レーザ溶接部、23 アーク溶接部、
24 溶接金属、 25 ポロシティ、L 板厚

Claims (6)

  1. レーザ溶接とアーク溶接の両方を用いて鋼材を開先溶接するレーザ・アークハイブリッド溶接方法において、
    前記鋼材の開先面の少なくとも一方に、粉末の脱酸剤を有機溶媒に混合した脱酸剤ペーストを塗布する脱酸剤塗布工程を有することを特徴とする、レーザ・アークハイブリッド溶接方法。
  2. 請求項1に記載のレーザ・アークハイブリッド溶接方法において、
    前記鋼材の厚さは6.0mm以上であることを特徴とする、レーザ・アークハイブリッド溶接方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のレーザ・アークハイブリッド溶接方法において、
    前記脱酸剤塗布工程の後に、前記脱酸剤ペーストに含まれる有機溶媒を蒸発させる溶媒蒸発工程を有することを特徴とする、レーザ・アークハイブリッド溶接方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレーザ・アークハイブリッド溶接方法において、
    前記鋼材の開先面をレーザ切断により形成することを特徴とする、レーザ・アークハイブリッド溶接方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーザ・アークハイブリッド溶接方法において、
    前記脱酸剤は、純アルミニウム、アルミニウム合金から選択される材料であることを特徴とする、レーザ・アークハイブリッド溶接方法。
  6. レーザ溶接とアーク溶接の両方を用いて鋼材を開先溶接したレーザ・アークハイブリッド溶接部を有する溶接構造体であって、
    前記鋼材の厚さは6.0mm以上であり、
    前記溶接部のうち、前記アーク溶接による溶接金属のミクロ組織において、ベイナイトの体積分率に対する粒界フェライトの体積分率が25%以下であることを特徴とする、レーザ・アークハイブリッド溶接構造体。
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