JP2016140060A - 万能スピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】湾曲する曲面部を形成する振動板を備えた万能スピーカにおいて、薄厚化・小型化され、高周波域の出力が良好なものとする。
【解決手段】本発明の万能スピーカ10は、平板状をした振動板1と、入力された電気信号に応じて振動板を振動させるアクチュエータ2とを少なくとも備えている。アクチュエータは、平板状をした振動伝達板、及び該振動伝達板の一面側と他面側とにコイル線材が交互に巻回されたコイルを備えたボイスコイル3と、該ボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間して一対の硬磁性部材が配された反発型磁気回路4とから構成されている。ボイスコイルは、コイルが反発型磁気回路における一対の硬磁性部材とクリアランスをもって空間内に配されていると共に、振動板の面方向と同じ方向に駆動するように振動伝達板の一縁部が振動板の端縁部と連続するように接合されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の万能スピーカ10は、平板状をした振動板1と、入力された電気信号に応じて振動板を振動させるアクチュエータ2とを少なくとも備えている。アクチュエータは、平板状をした振動伝達板、及び該振動伝達板の一面側と他面側とにコイル線材が交互に巻回されたコイルを備えたボイスコイル3と、該ボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間して一対の硬磁性部材が配された反発型磁気回路4とから構成されている。ボイスコイルは、コイルが反発型磁気回路における一対の硬磁性部材とクリアランスをもって空間内に配されていると共に、振動板の面方向と同じ方向に駆動するように振動伝達板の一縁部が振動板の端縁部と連続するように接合されている。
【選択図】図1
Description
本願発明は、スピーカに係り、詳しくは、湾曲させた平板状の振動板を駆動するアクチュエータを用いたスピーカであって、難聴者が補聴器をつけることなく健聴者と共に聞き取ることができる万能スピーカに関する。
音響機器用の駆動装置の一つとしてムービングコイル型のアクチュエータが知られている。その主流は、円錐状をした振動板(以下、「コーン状振動板」と記す。)を駆動する構造が一般的である。このようなムービングコイル型アクチュエータは、磁気回路が構成する磁気ギャップ中にボイスコイルを挿入配置し、このボイスコイルに電気信号等を印加することで印加信号に伴った振動を起し、ボイスコイルと接続されたコーン状振動板に振動を伝達して駆動するものとなっている。すなわち、ボイスコイルの一端は磁気回路(磁界)の中に収まっており、他端は振動板に直結されていることから、入力された電気信号がボイスコイルを動かし、その動きが振動板に伝わって音響エネルギー(音)に変換されるものとなる。
具体的には、たとえば、図34に示すように、ボイスコイル503は、円筒状をしたコイルボビン531の外周端部に、所望径のコイル線材532を所望のターン数にて巻き付けることにより構成される。
一方、図35に示すように、磁気回路504は、ボイスコイル503を駆動するのに対応した形状になっており、最も多用されている一般的な構造は、リング形状のフェライトマグネット541と、良好な磁性材たる鉄材からなる円板の中央部に所定寸法直径の穴544aを設けたプレート544と、同じく鉄材からなる円板の中央部に円柱状の凸部(以下、「ポール」と記す)543を設けたヨーク542等の磁気回路部品で構成されている。
一方、図35に示すように、磁気回路504は、ボイスコイル503を駆動するのに対応した形状になっており、最も多用されている一般的な構造は、リング形状のフェライトマグネット541と、良好な磁性材たる鉄材からなる円板の中央部に所定寸法直径の穴544aを設けたプレート544と、同じく鉄材からなる円板の中央部に円柱状の凸部(以下、「ポール」と記す)543を設けたヨーク542等の磁気回路部品で構成されている。
磁気ギャップは、円筒状をしたフェライトマグネット541の上面にプレート544が配置装着されると共に、フェライトマグネット541の下面に、円柱状をしたポール543を備えるヨーク542の円板部が配置装着されることで形成される。すなわち、ポール543とプレート544は、ポール543の外径及びプレート穴544aの内径が芯合わせして装着されるため、ポール543の外面とプレート544の中央部の穴544a内面との間に、所定幅寸法を有したリング状の隙間、即ちギャップ505が構成される。また、ギャップ505の奥行き方向の寸法は、プレート544の厚さ寸法にて決定される。ゆえに、フェライトマグネット541が有する磁気が、ヨーク542及びプレート544によってギャップ505に導かれ、収束されるため、該ギャップ505に磁束が発生し、磁気ギャップが構成されることとなる。
このボイスコイル503は、図36に示すように、コーン状振動板501の中心部に設けられた所定寸法の穴(以下、「ネック部」と記す。)501a内に挿入され、コイルボビン531外周部とネック部501aの接触部分に接着剤を塗布して接続固定される。
したがって、リング状磁気ギャップ505の中心にボイスコイル503が配置されるため、必然的にボイスコイル503はリング形状となり、該ボイスコイル503の動きをコーン状振動板501に伝達せしめるコイルボビン531も必然的に薄い円筒状になる。このように構成されたスピーカ500は、ボイスコイル503と磁気回路504とから構成されたクチュエータ502によってコーン状振動板501を駆動して振動を伝達し放音する。
このようなムービングコイル型のアクチュエータを用いたスピーカシステムにおいては、FRPシートや金属シート等を短冊状に形成し、尚且つ、この短冊状シートを湾曲させた平板状の振動板(以下、「湾曲振動板」という。)を駆動して振動を起し、放音するようにしたものもある。このような湾曲振動板を用いたスピーカは、健聴者は勿論のこと、難聴者も聴くことのできる放音を成し得るものとして知られている。
そして、湾曲振動板を湾曲方向に沿って振動させる場合、従来型のボイスコイル及び磁気回路を備えるムービングコイル型アクチュエータでは、基本的に図37に示すように、湾曲振動板1の一端1aに、ボイスコイルにおけるコイルボビンの頂端部503aを接触せしめ固定結合し、ボイスコイルに電気信号等を引加して印加信号に伴った振動を起す。そうすると、コイルボビンの頂端部503aから接合点510を介して湾曲振動板1の湾曲方向に印加信号の振動を伝達することとなる。尚、図においては省いて記載しているが、ボイスコイルは、ダンパと称されるサスペンジョン部材によって磁気回路側に支えられており、磁気回路はフレーム等に付随しているのが一般的である。
ところが、従来のムービングコイル型アクチュエータは、ボイスコイル及び磁気回路が構造上大きく、スペースファクターが悪いものとなるため湾曲振動板を駆動するに適した形状であるとは言い難い。また、コイルボビンの頂端部と湾曲振動板との接合点が2ヶ所しかなく、接合面積が極端に小さいものとなってしまい、接合強度が不足すると共に、振動伝搬効率が大いに劣るものとなってしまう。
また、湾曲振動板を駆動することで放音するようにしたスピーカとして、軟鉄材より成るセンターヨーク(プレート)の後半部を介して2個のマグネットを同極で対向設置し、この両マグネットの他極側に軟鉄材より成る2枚の外側ヨークを、センターヨークを挟み込むように配設してセンターヨークと外側ヨークとの間に磁気ギャップを形成するようにした磁気回路を構成し、この磁気ギャップ中にボイスコイルを挿入配置し、このボイスコイルと連結された振動板を振動させるようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献1、2を参照)。
上記特許文献1に記載されたスピーカでは、ボビンがセンターヨークの前半部分に嵌挿されるように角形扁平状に形成されたものである。そのため、ボイスコイルが挿入配置される磁気ギャップを形成する磁気回路は平面的な構造となり、コーン状振動板を駆動する構造のスピーカにおいて用いられる一般的なボイスコイル及び磁気回路に比して、構造上薄厚化されたアクチュエータとすることができる。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたスピーカにおいても、磁気ギャップ内でボイスコイルを駆動する構成を用いるものであるため、磁気ギャップを形成する必要上、マグネットの幅に比してヨークを大きくする必要がある。ゆえに、構造上十分に小型化・軽量化されたものとは未だいえない。
さらに、湾曲振動板の微細振幅運動(振動)を許容しつつ、湾曲振動板が駆動することで裏面側に発した音波が、湾曲振動板の表面側に回り込んで表側で発生した音波と干渉してしまうことを防ぐ必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、湾曲する曲面部を形成する振動板を備えたスピーカにおいて、アクチュエータが薄厚化・小型化されて構造上小さくスペースファクターが改善され、かつ、軽量化することを可能とすると共に、振動板とアクチュエータとが実用的な接合強度を有し、振動伝搬効率を向上させることで、高周波域の出力が良好なものとした技術を提供することを目的とする。
また、本発明は、振動板の裏面側に発した音波が振動板の表面側に発生した音波と干渉することを防ぎ、尚且つ、振動板の裏面側に発生する音波の音響共振を制御し易いものとした技術を提供することを目的とする。
また、本発明は、振動板の裏面側に発した音波が振動板の表面側に発生した音波と干渉することを防ぎ、尚且つ、振動板の裏面側に発生する音波の音響共振を制御し易いものとした技術を提供することを目的とする。
本発明に係る第一の万能スピーカは、平板状をした振動板と、入力された電気信号に応じて前記振動板を振動させるアクチュエータと、を少なくとも備え、前記アクチュエータは、平板状をした振動伝達板、及び該振動伝達板の一面側と他面側とにコイル線材が交互に巻回され、扁平長円筒状に形成されたコイルを備え、該コイルは、長手方向が前記振動伝達板の表面とクリアランスをもって配されているボイスコイルと、前記ボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間し、かつ、同じ極性を有する一極側同士が対向して前記空間内に反発磁界を形成するように配された一対の硬磁性部材、及び該一対の硬磁性部材を挟持するように他極側にそれぞれ配され、互いに接合されて前記一対の硬磁性部材を支持する一対の軟磁性部材を備え、前記一対の軟磁性部材は、前記一対の硬磁性部材によって形成された前記空間において一軸方向に開口領域が形成されるように配されている反発型磁気回路とから構成され、前記ボイスコイルは、コイルが前記反発型磁気回路における一対の硬磁性部材とクリアランスをもって前記硬磁性部材が形成する空間内に配されていると共に、前記振動板の面方向と同じ方向に駆動するように振動伝達板の一縁部が前記振動板の端縁部と連続するように接合され、前記振動板は、前記アクチュエータの振動伝達板と接合された一端側から対向する他端側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成するように配されていることを特徴とする。
また、本発明に係る第二の万能スピーカは、上記第一の万能スピーカにおいて、前記振動板の駆動方向に沿う両側縁部を支持する筐体をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る第三の万能スピーカは、上記第二の万能スピーカにおいて、前記振動板の両側縁部は、対向する二方向より挟持する弾性部材を介して前記筐体に支持されていることを特徴とする。
また、本発明に係る第四の万能スピーカは、上記第三の万能スピーカにおいて、前記弾性部材は、前記振動板に対して圧力を加えて支持することを特徴とする。
また、本発明に係る第五の万能スピーカは、上記第一から第四までの何れかの万能スピーカにおいて、前記振動板と前記振動伝達板との接合部に跨ぐようにシート状部材が貼着されていることを特徴とする。
また、本発明に係る第六の万能スピーカは、上記第五の万能スピーカにおいて、前記振動板と前記振動伝達板は、異なる材により別々に成形されていることを特徴とする。
また、本発明に係る第七の万能スピーカは、上記第一から第四までの何れかの万能スピーカにおいて、前記振動板と前記振動伝達板は、同一部材により一体的に成形されていることを特徴とする。
また、本発明に係る第八の万能スピーカは、上記第一から第七までの何れの万能スピーカにおいて、前記振動板は、前記一端側へ向かうにしたがって徐々に幅狭となっていることを特徴とする。
また、本発明に係る第九の万能スピーカは、上記第一から第八までの何れかの万能スピーカにおいて、前記振動板は、前記一端側の両側上縁角部が丸みを帯びていることを特徴とする。
また、本発明に係る第十の万能スピーカは、上記第一から第九までの何れかの万能スピーカにおいて、前記振動板の一端側に前記アクチュエータが複数取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る第十一の万能スピーカは、上記第一から第十までの何れかの万能スピーカにおいて、前記振動板の他端側にもさらに前記アクチュエータが取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る第十二の万能スピーカは、上記第一から第十一までの何れかの万能スピーカにおいて、前記振動板は、前記曲面部に圧電体を利用したアクチュエータをさらに備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る第十三の万能スピーカは、上記第十二の万能スピーカにおいて、前記アクチュエータは、曲面部中央に取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る第十四の万能スピーカは、上記第十二の万能スピーカにおいて、前
記アクチュエータは、曲面部他端側に取り付けられていることを特徴とする。
記アクチュエータは、曲面部他端側に取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る第十五の万能スピーカは、上記第十一から第十四までの何れかの万能スピーカにおいて、前記電気信号を幾つかの周波数帯域に分割する手段をさらに備え、分割した各電気信号を互いに異なるアクチュエータにそれぞれ入力することを特徴とする。
また、本発明に係る第十六の万能スピーカは、上記第一から第十五までの何れかの万能スピーカにおいて、前記振動板は、曲面部の曲げ角度が90°から130°までであることを特徴とする。
さらに、本発明に係る第十七の万能スピーカは、上記第二から第十六までの何れかの万能スピーカにおいて、前記筐体は、第二のスピーカユニットをさらに備えていることを特徴とする。
本発明に係る万能スピーカは、平板状をした振動伝達板の一面側と他面側とに交互にコイル線材が巻回されたコイルを備えたボイスコイルと、このボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間し、かつ、この空間内に反発磁界を形成するように同一極性面が対向(反発)するように配された一対の硬磁性部材を少なくとも備えた反発型磁気回路とから構成されたアクチュエータを用いたものなっている。このアクチュエータは、振動伝達板の一縁部が平板状をした振動板の端縁部と連続するように接合され、振動板の面方向と同じ方向に駆動するように配されている。また、振動板は、振動伝達板と接合された一端側から対向する他端側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成するように配されている。また、ボイスコイルは、コイルが反発型磁気回路における一対の硬磁性部材とクリアランスをもって前記空間内に配されている。さらに、一対の軟磁性部材が、磁気ギャップを構成せずに、一対の硬磁性部材を挟持するように他極面側にそれぞれ配され、かつ、前記空間において一軸方向に開口領域が形成されるように、一軸方向と直行する方向の少なくとも一方において互いに接合されたものとなっている。ゆえに、硬磁性部材の表面より放出している磁気をコイルに有効に及ぼすことができ、アクチュエータが薄厚化・小型化されて構造上小さくスペースファクターが改善され、かつ、軽量化することが可能であると共に、難聴者と健聴者とが共に聞き取ることができる音波を発生させるものとすることができる。
また、振動板の面方向と同じ方向に駆動するように振動伝達板の一縁部が振動板の端縁部と連続するように接合されて配されている。ゆえに、振動板と振動伝達板(ボイスコイル)との接合面積が大きく、十分な接合強度が得られると共に、振動伝搬効率が向上して再生周波数帯域を広げるものとすることができる。
次に、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
本実施の形態における万能スピーカ10は、難聴者と健聴者とが共に聞き取ることができるものであり、図1に示すように、平板状をした振動板1と、入力された電気信号に応じて振動板に効率良く振動伝達を果たすべく対応したアクチュエータ2とを少なくとも備えることにより構成されている。
振動板1は、アクチュエータ2と接合された一端側から対向する他端側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成するように配されている。この振動板1は、フィルムやシートのように平たい薄厚の部材であって、たとえば、カーボン紙などの紙、ポリイミドやポリエステルなどの可撓性を有するプラスチック、バルサ材などの木材、アルミニウムやベリリウム、ボロンなどの金属、ガラス等の材料を用いることができる。
また、振動板1は、平面視して略矩形状であるが、これに限らず、たとえば、平面視して略円形状あるいは略多角形状等であってもよい。さらに、振動板1は、予め湾曲する曲面部を有するように成形されているもののほか、柔軟性を有すると同時に張りのある性質を備えて湾曲する曲面部を形成することができるものをいう。なお、振動板1の厚みは、曲面部を有するように成形したり、弾性的に曲げて変形させたりすることができれば特に限定されない。
アクチュエータ2は、入力(通電)された電気信号(音声信号)に応じて振動板1を振動させる音響機器用の駆動装置であって、図2から図7までに示すように、ボイスコイル3と、磁気回路4とから構成されている。
ボイスコイル3は、平板状をした振動板1を駆動するアクチュエータ用のボイスコイルであって、図2及び図3に示すように、振動伝達板31と、 この振動伝達板31の周囲に巻回されたコイル32とを備える。
振動伝達板31は、コイル線材が巻回される平板状をした捲芯部材である。すなわち、ボイスコイル3は、湾曲振動板へ効率良く振動を伝達せんがため、従来のスピーカに用いられている円筒状のボビン形態を用いず、平板状の捲芯部材からなるボビン形態を用いる。ゆえに、ボビン相当部材は、円筒形状に比して構造上小さく薄厚化された平面的なものとなっている。
振動伝達板31の材質は特に限定されるものではなく、世間一般に多用されているボイスコイルボビン材で良い。本実施の形態では、たとえば、ガラス繊維を平織りした布に、ポリイミド樹脂をコートし含浸させ、熱硬化せしめてシート状にしたものを用いることができる。また、振動伝達板31の大きさも特に限定されるものではなく、たとえば、厚さ寸法0.2mmのシートを、40mm角に切断して振動伝達板31として用いることができる。なお、本実施の形態では、振動板1と接続される端辺を振動板接続部31aとし、その逆側の端辺をコイルリード線端末部31bとする。
コイル32は、コイル線材が振動伝達板31の一面側と他面側とに交互に巻回される、扁平長円筒状に形成されものとなっている。すなわち、コイル32の外形は、世間一般に呼ばれているところの小判型(長円型)空芯タイプとすることができる。
このコイル32としては、たとえば、直径が0.2mmのコイル用線材を用い、ターン数は1層30ターンで2層仕様とし、寸法は、40mm角の振動伝達板31に装着する場合、コイル内側寸法であるが、長手方向長さ40mm×短手(厚み)方向長さ3mm×巻き幅6mm、直流抵抗が約3.4Ω〜3.5Ωとすることができる。
コイル32の形成後、図2(A)において点線矢印で示すように、その内側(空芯部)には、振動伝達板31が挿入される。
このように、コイル32の形状が、コイル線材の巻き方向に対して直交する方向から見て小判(長穴)形状、若しくは長円形状であり、コイル32の中心空間内に振動伝達板31を配置したボイスコイル構造とすることにより、磁気の流れをより効果的に用いることが可能となる利点を有する。また、振動伝達板31は、コイル32の巻き幅方向の双方において延出露呈した状態に配され、延出した側の一辺(前端部)が、振動板接続部31aとなる。
このように、コイル32の形状が、コイル線材の巻き方向に対して直交する方向から見て小判(長穴)形状、若しくは長円形状であり、コイル32の中心空間内に振動伝達板31を配置したボイスコイル構造とすることにより、磁気の流れをより効果的に用いることが可能となる利点を有する。また、振動伝達板31は、コイル32の巻き幅方向の双方において延出露呈した状態に配され、延出した側の一辺(前端部)が、振動板接続部31aとなる。
振動伝達板31の寸法とコイル32の内側寸法とを同じにした場合、振動伝達板31はコイル32の短手側内面、つまりコイル32の長手方向両端部内面に振動伝達板31の二辺(両側端部)を接触させつつ挿入されたものとなる。すなわち、振動伝達板31の対向する一対の側辺がコイル32の長手方向両端部の頂点近傍にそれぞれ密着した状態で配置され、コイル32が振動板伝達板31からむやみに脱落しないものとなっている。ゆえに、コイル32の長手方向内側寸法は、振動板伝達板31の対向する一対の側辺間の長さと略等しくなるように設計することが望ましい。
また、コイル32の短手領域側において適切な寸法を得ることにより、コイル線材の巻き工程に用いる巻き線冶具が、必要強度を得るに充分な板厚寸法を確保することができ、その結果、量産を前提としたコイルの作製が、極めて容易なものとなる利点を有する。
そして、図2(B)に示すように、コイル32の内側に振動伝達板31を挿入装着した後、振動伝達板31とコイル32とを接合し、振動板駆動用のボイスコイル3を完成させる。この際、図3に示すように、コイル32は、長手方向が振動伝達板31の表面とクリアランス(隙間)33,33をもって配されたものとなっていることが望ましい。すなわち、振動伝達板31は、小判型(長円型)空芯タイプのコイル32において長手方向両端部となる二ヶ所のR状端部の中心を通過する線上に設置されることで、コイル32の長手方向領域は、振動伝達板31の一面側及び他面側の表面と直に接しておらず、離間して巻回されたものとなる。
具体的には、長手方向内側長さ40mm×短手方向内側長さ3mm×巻き幅6mmのコイル32の内側に、40mm角で厚さ0.2mmの振動伝達板31を挿入装着した場合、コイル32の長手方向が、約1.4mmの距離寸法のコイル内側クリアランス(隙間)33を有して配置されたものとなる。
このように、振動伝達板31の表面とコイル32の長手方向領域内側との間に適切な寸法幅のクリアランス(空間)33を設けることで、磁気の流れをより一層効果的に用いることが可能となる利点を有する。
また、振動伝達板31とコイル32との接合方法は特に限定されるものではなく、たとえば、図3に示すように、振動伝達板31の端縁部とコイル32のR状端部(すなわち、長手方向両端部)内側との接触(密着)部に充填材34としての耐熱接着剤を塗布する。次いで、塗布した耐熱接着剤を熱硬化せしめることで、振動伝達板31とコイル32の接着による装着を完了することができる。
具体的は、振動伝達板31とコイル32の長手方向両端部内側との接触部に、耐熱接着剤34としてエポキシ系の接着剤を塗布し、熱硬化せしめる。接着剤の塗布量は、たとえば、1ヶ所につき約0.02g〜0.04gとすることができる。なお、接着剤はエポキシ系に限らず、目的を適える接着剤で有れば、アクリル系等の接着剤等どの様な種類の接着剤を用いても一向に構わない。
このように、コイル32のR状端部の内側に振動伝達板31を接触せしめ、振動伝達板31とコイル32との接触部分を接着等の手法で接続固定し、振動伝達板31にコイル32を装着することで、完成したボイスコイル3自体の強度を増し、尚且つコイル32の変形防止に有効な利点を有する。
また、小判型(長円型)コイル32を作製するにおいて、巻き付けるコイル線材の張力(テンション)がコイル32の短辺領域に集中し、通常一般の円(丸)型コイルを作製するが如く一定にはならない。そのため、コイル32の長手方向領域に均等な張力が及ばず、長手方向中央部に向かうに従い張力は弱いものとなり、当然のことながらコイル32の長手方向の線材の張りは緩くなって、コイル32の形態の維持能力が一般的な円(丸)型コイルよりも不安定なものになり易い。
つまり、小判型(長円型)コイル32における長手方向中央部は、円(丸)型コイルよりも変形し易い、或いはバラケやすい等の構造的性格を有する。ゆえに、この性格を未然に防ぐ目的で、たとえば、図3に示すように、コイル32の長手方向の一部が充填材34としての耐熱接着剤を介して振動伝達板31の表面に固定されたものとすると望ましい。
このようにコイル32の長手領域における振動伝達板31の表面との隙間33の適宜箇所に耐熱接着剤34を充填塗布することにより、コイル32の長手方向の品質を安定化することが可能となる。また、ボイスコイル3としての振動伝搬効率も向上し、音質調整が容易に行える利点を有しているので、充填材34の塗布重量を鑑みつつ、振動伝達板31の表面とコイル32の長手方向との隙間に所望量の耐熱接着剤34を充填塗布することができる。
図3において、振動伝達板31の一面側中央部とコイル32の長手方向中央部の隙間33、及び振動伝達板31の他面側中央部とコイル32の長手方向中央部の隙間33に接着剤34がそれぞれ充填塗布され、振動伝達板31の一面側及び他面側においてコイル32の長手方向の一箇所がそれぞれ固定されたものとして示されている。
なお、コイル32の長手領域における振動伝達板31表面への固定は、長手方向中央部の一箇所に限定されない。ゆえに、コイル32の長手領域に均等な張力が得られるのであれば、長手方向において複数個所において充填材34により固定されたものとしても良い。
なお、コイル32の長手領域における振動伝達板31表面への固定は、長手方向中央部の一箇所に限定されない。ゆえに、コイル32の長手領域に均等な張力が得られるのであれば、長手方向において複数個所において充填材34により固定されたものとしても良い。
また、ボイスコイル32の配線においては、図2(A)に示すように、コイル線材の巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bから引き出された線(以下、「コイルリード線」という。)35a,35bの位置が、コイル32の長手領域に位置するように設定する。さらに、図2(B)に示すように、振動伝達板31にコイル32を装着する際、コイル線材の巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bが、振動板接続部31aを構成する端辺とは反対側の端辺、すなわち、コイルリード線端末部31b側を向いて位置するように、振動伝達板31の表面上に配されたものとすると望ましい。
そして、巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bに及んでいる2本のコイルリード線35a,35bをそれぞれコイルリード線端末部31b側の端辺近傍まで及ぼし、この端辺部にて、コイルリード線35a,35bと錦糸線としての音声信号入力線37a,37bとをそれぞれ半田付けして配線を行う。
この際、2本のコイルリード線35a,35bの間隔は、設計目的に応じて適宜調整することができ、たとえば、16mmとすることができる。また、半田付け配線近傍にアンプ基盤等の出力端子を設けた場合などは、この出力端子のピッチ幅等に対応して、音声信号入力線37a,37bとの配線作業をやり易くする等の変更も可能である。
また、2本のコイルリード線35a,35bと音声信号入力線37a,37bとの半田付けした半田コート部38の位置は、図2(B)に示すように、コイルリード線端末部31b側の辺端部に限らず、音声信号入力線37a,37bの太さや、半田鏝先のサイズによって辺端部より内側の位置にしても良く、自由に設定出来るものである。
ここで、40mm角の大きさをした振動伝達板31に取り付けたボイスコイル32に対して、音声信号入力線37a,37bを半田付けする配線を行う場合、たとえば、次のようにして行うことができる。まず、ボイスコイル32におけるコイル線材の巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bのそれぞれより約15mmの位置から、2本のコイルリード線35a,35bの絶縁層を剥離し、この剥離個所に半田コート処理を施す。
次いで、概ね60mmの長さでコイルリード線35a,35bを切断すると共に、巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bより概ね20mmの位置までゴム系接着剤36,26にて覆い、コイルリード線35a,35bが振動伝達板31の表面に接着固定されるまで放置する。この接着剤36を塗布することにより、コイル線材の巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bの強度が増すと共に、コイル長手方向の補強効果も得られる。このとき、コイルリード線35a,35bの端部が振動伝達板31の端部近傍表面上にフリー状態で配置される。
引き続き、振動伝達板31のコイルリード線端末部31bに音声信号入力線37a,37bを配置し、コイルリード線35a,35bのフリー状態となっている端部を音声信号入力線37a,37bの端部に絡めて半田付けする。半田付け完了後、コイルリード線35a,35bの余分な部分をカットし、この半田付け部分にゴム系接着剤を塗布して覆う。そして、接着剤塗布時に、振動伝達板31の表面に這わせたコイルリード線35a,35bの半田コート部38の残りの露出部にも接着剤を塗布して全てのコイルリード線35a,35bを覆い、最終的にコイルリード線35a,35b及び音声信号入力線37a,37bを振動伝達板31に接着して装着することにより、配線作業を完了する。
なお、設計目的によっては、コイルリード線35a,35bへの接着剤塗布を省いても構わない。また、接着剤塗布に代えて、コイルリード線35a,35bを粘着(接着)テープ等にて覆って伝達振動板31の表面に密着せしめても一向に構わない。
音声信号入力線(錦糸線)37a,37bは、世間一般で呼ばれている丸型編み線である。すなわち、素線を任意の偶数本数にて組編みした編組線であって、通常のスピーカの入力端子からボイスコイル間に用いられる配線材である。この丸型編み線は、振幅するボイスコイルの激しい動きに対応可能で、耐振幅性能が一般線材より遥かに優れている。したがって、本発明の万能スピーカシステムにおいても、従来のスピーカと同等の耐振幅性能を確保出来る。
このように、ボイスコイル3の振動伝達板31の表面にコイルリード線35a,35bを這わし、この這わせ部分をコイルリード線端末部31bまで及ぼして音声信号入力線(錦糸線)37a,37bと接続配線することにより、振動に対する給電線の信頼性が確保できるものとなる。また、コイルリード線35a,35bの這わせ部分及び音声信号入力線(錦糸線)37a,37bが、振動板接続部31aと反対側方向、すなわち、コイルリード線端末部31bに配置する配線構造にすることにより、配線作業が容易になり、メンテナンス性も向上するものとなる。
なお、コイル線材の巻き始め端部32a及び巻き終わり端部32bよりコイルリード線35a,35bを引き出し、音声信号入力線37a,37bを配線する場合、従来のスピーカの配線構造と同じように、振動板接続部31a側にコイルリード線や他の入力線等を配する必要性は全く無い。つまり、本発明では、コイルリード線端末部31b側にコイルリード線や他の入力線等を配する新たな配線構造で対応することができるので、工数削減、並びに品質の向上につながるものとなる。
一方、磁気回路4は、平板状をした振動板を駆動するアクチュエータ用の反発型磁気回路であって、図4及び図5に示すように、一対の硬磁性部材41A,41Bと、一対の軟磁性部材42A,42Bを備える。
硬磁性部材41A,41Bは、ボイスコイル3を配することが可能な空間43を形成するように離間し、かつ、同じ極性を有する一極側同士が対向して空間43内に反発磁界を形成するように配されている。この硬磁性部材41A,41Bとしては、たとえば、細長長方体をしたマグネットとすることができる。具体的には、たとえば、外形寸法が長さ40mm×幅10mm×厚さ2mmで、耐熱性能180℃タイプの長方形状をしたネオジムマグネットを用いるものとすることができる。
また、硬磁性部材41A,41Bの幅は、ボイスコイル3におけるコイル32の巻き幅より大であることが望ましい。言い換えれば、反発型磁気回路4における硬磁性部材41A,41Bの幅とボイスコイル3おけるコイル32の巻き幅は等しい寸法であっても良いが、コイル32の巻き幅は、硬磁性部材41A,41Bの幅より小であると良い。すなわち、硬磁性部材41A,41Bの幅がボイスコイル3におけるコイル32の巻き幅より大であるので、ボイスコイル3が硬磁性部材41A,41Bにおける空間43内からはみ出さないように、ボイスコイル3の駆動を制限することができる。これにより、硬磁性部材41A,41Bにおける空間43内においてボイスコイル3が効率良く適切に駆動することができるものとなる。
また、軟磁性部材42A,42Bは、一対のマグネット41A,41Bを挟持するように他極面側にそれぞれ配された、いわゆるヨークであって、互いに接合されて一対のマグネット41A,41Bを支持する。すなわち、一対のヨーク42A,42Bは、一対のマグネット41A,41Bを二方向より挟持するように支持する。
このヨーク42A,42Bは、当然のことながら、良好な磁性材たる鉄材からなるものであって、本実施の形態において、長手方向の表面を切削加工することで形成された細長凹状をしたマグネット装着部421A,421Bを備えるものとなっている。
このヨーク42A,42Bは、当然のことながら、良好な磁性材たる鉄材からなるものであって、本実施の形態において、長手方向の表面を切削加工することで形成された細長凹状をしたマグネット装着部421A,421Bを備えるものとなっている。
一対のヨーク42A,42Bは同じ形状であり、たとえば、外形寸法が長さ72mm×幅10mm×厚さ6mmであって、マグネット装着部421A,421Bとして、長手方向の表面にセンター振り分けで切削加工を施すことで、マグネット41A,41Bを装着可能とする長さ42mm×幅10mmの窪み平坦部が設けられている。
マグネット装着部421A,421Bの肉厚は、ヨーク42A,42Bの厚さを6mmとした場合、たとえば、2mmとすることができる。また、切削加工は、マグネット装着部421A,421Bの両端部に半径3mmの曲面加工をそれぞれ施し、さらに、この曲面加工部端から1mmの垂直部を経て、厚さ6mm位置の上面に達するものとしても良い。
ここで、ヨーク42A,42Bの外形寸法を、長さ72mm×幅10mm×厚さ6mmとし、マグネット装着部421A,421Bの両端部にR3mmの曲面加工をそれぞれ施した場合、このヨーク42A,42Bの両端部には、長さ12mm、幅10mmの平面部424A,424Bがそれぞれ形成される。この平面部424A,424Bは、一対のヨーク42A,42Bが組み合わされる合わせ面となる。
また、一対のヨーク42A,42Bは、一対のマグネット41A,41Bによって形成された空間43において一軸方向に開口領域が形成されるように配されている。この一軸方向は、ボイスコイル3が駆動する向きとなるものである。
一対のマグネットは着磁されており、それぞれのS極面をヨーク42A,42Bのマグネット装着部421A,421Bに密着するようにそれぞれ装着する。ヨーク42A,42Bに対するマグネット41A,41Bの装着方法は特に限定せず、たとえば、接着剤を用いることで装着することができる。接着剤は、目的に適うものであれば何を使っても一向に差支えなく、たとえば、世間一般に用いられている、2液混合タイプのエポキシ系接着剤や、アクリル系接着剤等を用いてもよい。
そして、マグネット41A,41BのS極面がマグネット装着部421A,421Bに装着されたヨーク42A,42Bの各両端部に設けた合わせ面(平面部)424A,424B同士を互いに密着する。そうすると、マグネット41A,41BのN極面同士を向き合わせた状態にて磁気回路が構成され、世間一般で呼ばれている反発磁気を利用した磁気回路、通称、反発磁気回路を形成することができる。
ヨーク42A,42Bの組み合わせについては、たとえば、それぞれのヨーク42A,42Bに対応したビス穴(M3貫通)425A,425Bを設けておき、取り付けネジにて互いのヨーク42A,42B同士を締結して組み合わせる。
したがって、本発明に係るアクチュエータ2は、図6及び図7に示すように、ボイスコイル3と反発型磁気回路4から構成され、ボイスコイル3は、コイル32が反発型磁気回路4における一対のマグネット41A,41Bとクリアランス23,23をもって空間43内に配されている。すなわち、ボイスコイル3は、反発型磁気回路4における反発磁界内において、マグネット41A,41Bと接触することなく可動自在なものとなっている。
これにより、ボイスコイル3がマグネット41A,41Bと接することのない安定した可動が維持され、振動伝達板31を介して連なった湾曲振動板1が正常且つ安定した振動状態を得ることができ、湾曲振動板1が有する音波を適切に発することができる。また、アクチュエータ2は、薄厚化・小型化されて構造上小さくスペースファクターを改善し、かつ、軽量化することが可能なものとすることができる。
ヨーク42A,42Bにそれぞれ接着されたマグネット41A,41Bは、同極(N極)同士が向きあうように装着されて反発磁気回路が形成しているので、この反発型磁気回路4の中にボイスコイル3を配置すると、マグネット41A,41Bの表面よりボイスコイル3の振動伝達板31方向に向かって磁気が放出されるものとなる。
このマグネット41A,41B表面(N極面)からの磁気の流れは、次のとおりとなる。まず、コイル32の長手方向を横切った後、水平方向(左右横方向)に向きを変えてヨーク42A,42Bの両端部に向かい、さらに、コイル32の長手方向両端部をそれぞれ横切る。その後、それぞれのヨーク42A,42Bが磁路となって、ヨーク42A,42Bの底部に設けてあるマグネット装着部421A,421Bに向かい、このマグネット装着部421A,421Bに密着しているマグネット41A,41BのS極面に流れ込む。そして、マグネット41A,41BのS極面からの磁気はN極側に向かい、再びマグネット41A,41B表面(N極面)から放出される一連の流れを構成している。
反発型磁気回路4においてボイスコイル3の駆動効率を向上させるには、マグネット41A,41B表面から垂直に放出している磁気の流れを有効に使うことが肝要である。すなわち、マグネット41A,41Bの片方の極の表面(N極表面)から大気中に放出した磁気は、弧を描くように、直ちに放出した反対の極の表面(S極表面)へ最も近い経路で戻るので、垂直方向の磁気分布は表面から極めて短い距離(高さ)でしか分布しない。ゆえに、コイル32を効率良く稼働させるためには、マグネット41A,41Bの表面に可能な限り接近した設置状態が好ましい。
しかしながら、マグネット41A,41B同士を反発状態で近づけ過ぎると、垂直方向に出ている磁気の流れがお互い左右方向、つまり、ヨーク42A,42Bの端部方向に傾き、コイル32の駆動にロスを生じる。
一方、コイル32が振幅可動するには、マグネット41A,41Bとの間に当然適度なクリアランス23,23が必要であるので、コイル32の長手方向の外側に構成されるコイル外側クリアランス23は、ヨーク42A,42Bの合わせ面、及びマグネット装着部421A,421Bの厚さ寸法にて設定される。このクリアランスは、たとえば、機械加工公差寸法を含めて0.2mm〜0.3mmとすることができる。
したがって、前述したように、向かい合わせたマグネット41A,41Bの距離を適切な位置に配置することが肝要であり、コイル32の長手方向の内側と振動伝達板31の表面とに適度な隙間(コイル内側クリアランス)33を設けることが好ましい。このコイル内側クリアランス33の最適寸法は、磁気解析等の分析によって得られるが、コイル外側クリアランス23より大であることが望ましい。これにより、上述したように、マグネット41A,41B表面(N極面)からの磁気がボイスコイル3の振動伝達板31方向に向かって垂直に放出され、コイル32の長手方向を横切って有効に流れてボイスコイル3の駆動効率を向上させるものとすることができる。
なお、反発型磁気回路4は、一対の加工部品によって2分割可能な構造を有してなる磁気回路構造であることが好ましい。これにより、組み立て部品を筐体側に装着することが極めて容易になり、量産化が可能な利点を有する。
さらに、図8に示すように、ボイスコイル3を装着した湾曲振動板1と磁気回路4とを組み合わせ、磁気回路取付けベース21上に装着する。そして、ボイスコイル3に音声信号を引加することで、実用上充分な音圧を得ることができる。
磁気回路取付けベース21は、たとえば、長辺100mm×短辺70mm×厚さ6mmの長方形をしたアルミニウムの板材を用いて形成することができる。この磁気回路取付けベース21は、アルミニウム等の金属に限らず、たとえば木材や樹脂等、どの様な材料を用いても一向に構わない。
また、磁気回路取付けベース21は、後述するように、筐体11を構成する部品の一つとすることができる。すなわち、磁気回路取付けベース21に側板や背板等の筐体部品を取り付け、湾曲振動板1を装着する筐体11とすることができる。筺体11を構成する場合、たとえば、磁気回路取付けベース21の短辺側の板厚(木口)部分中心線上にネジ孔を設けると共に、側板にもこのネジ孔に対応する位置に穴を設け、この穴を介して取付けビスを用いて側板を締結装着する。他の筐体構成部品も取付けビスにて互いに装着することで筺体11とすることができる。
なお、側板等の筐体部品は、磁気回路取付けベース21と同様に、目的を適える材料であればアルミニウム等の金属に限らず、たとえば、木材や樹脂等、どの様な材料を用いても一向に構わない。
また、湾曲振動板1は、平板状をし、一端1a側から対向する他端1b側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成するように配される。すなわち、湾曲振動板1は、一端1aがアクチュエータ2のボイスコイル3を構成する振動伝達板31に取り付けられるものとなっている。
湾曲振動板1は、予め湾曲する曲面部を有するように成形された部材の場合は、この湾曲凸面が前方を向くようにアクチュエータ2に取り付けるものである。また、柔軟性を有する部材の場合は、起立した平板状態でボイスコイル3(振動伝達板31)に取り付けた後、この状態から弾性的に振動板1を曲げて変形させることにより曲面を形成し、この変形した湾曲凸面側を前方に向けてアクチュエータ2に取り付けるものである。
本実施の形態では、図9に示すように、湾曲振動板1と振動伝達板31とが別々に構成されたものとし、湾曲振動板1の一端1aと振動伝達板31の振動板接続部31aとを接合するものとすることができる。その場合、本発明では、図10に示すように、湾曲振動板1と振動伝達板31との接合部を跨ぐように貼り合わせシート51が貼着されているものとしても良い。
貼り合わせシート51は、たとえば、幅5mm×長さ40mmのクラフト紙を用いて形成することができる。この貼り合わせシート51は、単なるクラフト紙に限らず、たとえばFRP等の樹脂や、金属のシート状のもの、さらには、設計目的に適うものであれば厚さ3mm程のハニカム板等、何を用いても一向に構わない。また、貼り合わせシート51は、湾曲振動板1と振動伝達板31との接合部における表裏両面にそれぞれ貼着するように2枚用いるものや、設計目的を適える場合は何れか一面に貼着するように1枚だけ用いるものとしても構わない。
湾曲振動板1と振動伝達板31の接続は、たとえば、次のようにして行うことができる。まず、貼り合わせシート51の片面に接着材を塗布しておく。次いで、湾曲振動板1と振動伝達板31(ボイスコイル3)の接続部を所定の位置(たとえば、センター合わせ)で合わせ、接着剤塗布済みの貼り合わせシート51を合わせ部の中心に跨ぐように配した後、湾曲振動板1と振動伝達板31の表面に押し当てる。ゆえに、幅5mm×長さ40mmの貼り合わせシート51を用いた場合、合わせ部を中心とすることで貼り代部は、湾曲振動板1と振動伝達板31の表面にそれぞれ2.5mmずつ貼着されるものとなる。
貼り合わせシート51を貼着する接着剤は、たとえば、2液混合タイプのエポキシ系の接着剤とすることができる。このエポキシ系の接着剤は、所定量の主剤及び硬化剤を良く混合してから塗布するものであり、接着剤の塗布にはヘラを用いて行うことができる。
また、接着剤は、エポキシ系の接着剤以外に、ゴム系(溶剤系)接着剤や、水溶系の接着剤でも良い。これらの接着剤の場合、まず、貼り合わせシート51に接着剤を塗布した後、一旦接着剤を乾燥させる。次いで、湾曲振動板1と振動伝達板31(ボイスコイル3)の接続部を所定の位置に配置し、熱圧プレスにて貼り合わせシート部を加熱しつつ、所定時間加圧する。これにより、接着剤の熱再活性にて、湾曲振動板1と振動伝達板31が良好な接着状態を得ることができる。この手法は、接着剤はみ出し部分も少なく、仕上がり状態も良好である。
また、熱圧プレス方法の場合、熱再活性方法のみではなく、エポキシ系等の熱硬化性接着剤を貼り合わせシートに塗布してプリプレグ状態にしておき、この貼り合わせシートを用いて熱圧プレスすることで、湾曲振動板1と振動伝達板31とを接続するものとしても良い。つまり、これらの方法は、前もってシートに接着剤を塗布し、所望幅寸法幅に切断し、テープ状にして保管することが可能である。
したがって、貼り合わせ作業時には、この保管テープを製造現場に投入し、適宜切断しながら貼り合わせシートを用いることが可能となる。以上のことから、湾曲振動板1と振動伝達板31の接続工程の接着剤塗布のムラや、貼り合わせ作業の煩雑性を大いに解消し、品質の向上、並びに、工数削減を実現することが可能となる。
なお、貼り合わせシート51へは比較的均一に接着剤の塗布が可能であるが、振動伝達板31の振動板接続部31aの板厚部への塗布は、塗布個所の幅が狭いため塗布ムラが発生してしまうおそれがある。当然のことながら、接着剤の塗布部を湾曲振動板1の一端1a側の板厚部に押し当てると、接着剤の殆どが湾曲振動板1と振動伝達板31の表面側にはみ出すものとなる。しかしながら、本発明のように貼り合わせシート51を配することで、はみ出した接着剤は貼り合わせシート51の片面に塗布された接着剤に混じり込むものとなる。ゆえに、湾曲振動板1や振動伝達板31の板厚部であっても、接着剤がはみ出ることを気にせず、塗布ムラが発生しないように接着剤を十分に塗布することができる。
貼り合わせシート51の貼り合わせ作業においては、湾曲振動板1と振動伝達板31と貼り合わせシート51の位置関係が所望精度内に配置されることが肝要である。ゆえに、貼り合わせ作業においては、たとえば、簡易的な位置出し冶具を作製し、この冶具内に、湾曲振動板1と振動伝達板31と接着剤塗布済みの貼り合わせシート51を設置する。次いで、設置状態のまま冶具ごとプレス機等にて加圧し、湾曲振動板1と振動伝達板31の表裏面に貼り合わせシート51を圧定せしめる。さらに、室温にて所定時間(接着剤硬化時間)放置する。
そして、接着剤硬化後、加圧を解除して冶具から接着された湾曲振動板1及び振動伝達板31を外すと、湾曲振動板1と振動伝達板31とが貼り合わせシート51を介して接着装着されたものとすることができる。なお、貼り合わせシート51の外周部近傍には、接着剤塗布のムラの分だけ当然はみ出し部分が発生するが、剥離性の良い樹脂等で冶具を作製すると、貼り合わせシート51を介して接着装着された湾曲振動板1及び振動伝達板31をほとんど支障なく冶具から剥離することができる。また、金属等で冶具を作製した場合でも剥離用フィルム等を併用することで、接着剤がはみ出しても容易に冶具から外すことが可能となる。
このように、湾曲振動板1と振動伝達板31との接合部に貼り合わせシート51を貼着することで、湾曲振動板1と振動伝達板31との接続装着強度が大幅に向上し、搬送や、後述する筐体11への装着作業等において良好な作業性を得ることができると共に、歩留まり率が向上する効果を得ることができる。さらに、完成後の信頼性も大いに向上するものとなる。
本実施の形態における湾曲振動板1と振動伝達板31との接合方法では、その接合面積が円筒状をしたボイスコイルを用いる場合よりも大幅に増えるので、再生周波数帯域が増し、特に高音帯域側の再生に有効である。
また、湾曲振動板1は、振動伝達板31と同一部材(材質)により別々に形成されていても良いし、異なる部材(材質)により別々に形成されていても良い。この場合、それぞれ異なった部材によって形成することにより、目当ての音を得やすくなる利点があり、難聴度合いによって各個人に適合した音を提供することができる。
なお、一体化部品においてコイルを接合する場合、一体化部品の振動伝達板相当部分にコイルを装着した後、振動伝達板相当部分の両側辺外側部及びコイルの短手領域内側の接触部に接着剤を塗布し、接着剤を硬化せしめるためオーブンに投入するものとなる。ところが、一体化部品は当然のことながら、従来のボイスコイルの外形サイズより遥かに大きく占有面積が大きなものである。ゆえに、スペースファクターが悪化し、一個当たりの硬化効率が落ちる欠点が想定される。
ところが、簡単で安価なスペーサ等の冶具を用いることにより、一体化部品をオーブン内に立体的に積み重ね配置することを可能とし、スペースファクターが改善された良好なものとすることができる。したがって、本発明では、コストアップの要因はほとんど無く、一体化による工数削減、並びに軽量化が可能となり、音圧向上等より高性能化を計ることが可能となる。
また、難聴者と健聴者とが共に聞き取ることができるとされている剪断波は、振動板1の曲げにより発生し、この曲げ角度により発生音圧が変化するものである。ゆえに、湾曲振動板1は、曲面部の曲げ角度が90°又はこれより少し大きいと望ましく、たとえば、曲げ角度が90°から130°までであると良い。具体的には、発生音圧が一番大きくなるのは、110°±20°の曲げ角度を有する曲面部を持った湾曲振動板1である。
ここで曲面部の曲げ角度は、図11に示すように、湾曲振動板1の一端1a側に対する垂線と他端1b側に対する垂線とが交わることによって示される角度をいう。
ここで曲面部の曲げ角度は、図11に示すように、湾曲振動板1の一端1a側に対する垂線と他端1b側に対する垂線とが交わることによって示される角度をいう。
図11において、平面状態の振動板1は点線で示され、この振動板1が、図中一点鎖線矢印で示すように、一端1a側から対向する他端1b側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成するように折り曲げられた状態が実線で示されている。ゆえに、この時の湾曲振動板1の曲面部の曲げ角度は、その一端1a側に対する垂線と他端1b側に対する垂線とが交わる点Oでの角度θで示され、その角度θは90°から130°までとなっている。
本発明のアクチュエータ2を用いる場合、先ず、コイル線材の巻き端部を正面として、小判(長穴)形状、若しくは長方形に捲いてなるコイル形状とし、このコイル32の中心線近傍に、所定寸法を有した方形振動伝達板31を配置してなるボイスコイル2構造とする。
次いで、振動伝達板31の振動板接続部31aを構成する面と、湾曲振動板1の一端1aを構成する面とを接続固定する。すなわち、アクチュエータ2が湾曲振動板1に対して振動を加えるように、振動板接続部31aを構成する面が湾曲振動板1の一端1aを構成する面に接続されたものとする。
次いで、振動伝達板31の振動板接続部31aを構成する面と、湾曲振動板1の一端1aを構成する面とを接続固定する。すなわち、アクチュエータ2が湾曲振動板1に対して振動を加えるように、振動板接続部31aを構成する面が湾曲振動板1の一端1aを構成する面に接続されたものとする。
さらに、ボイスコイル2を駆動するために、一対のマグネット41A,41Bの極性面を対向(反発)するように配置するとともに、コイル32の長手方向外側に所定のクリアランス23,23を設けて、一対のマグネット41A,41Bが形成する反発磁界内にボイスコイル3を可動自在に配置する。
そして、図1において白抜き矢印が示すようにボイスコイル3に電気信号を引加することで、双方向矢印が示すように印加信号に伴った振動を起し、ボイスコイル3と接続された湾曲振動板1を駆動して音波を発生するものとなっている。なお、ボイスコイル3に印加される電気信号は、たとえば、テレビやラジオ、オーディオプレイヤー、パーソナルコンピュータ、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス、等より出力した音声信号を挙げることができる。
本実施の形態においてアクチュエータ2は、ボイスコイル3における振動伝達板31が、反発型磁気回路4において一対のマグネット41A,41Bが形成する空間43より一軸方向にはみ出る大きさを有するものとなっている。すなわち、振動伝達板31は、振動板接続部31a側がコイル32の巻き幅方向の片側より延出露呈するものとなっている。たとえば、振動板接続部31a側が、コイル32の巻き幅方向の片側より10mm程度延出露呈するものとした場合、対向するコイルリード線端末部31b側が、コイル32の巻き幅方向の他側より24mm程度延出露呈した状態で配置されたものとなる。
また、本発明では、振動伝達板31のはみ出た領域の一部を、対向する二方向より弾性的に挟持するものと望ましい。すなわち、本発明においてアクチュエータ2は、ボイスコイル3における振動伝達板31が、反発型磁気回路4において一対のマグネット41A,41Bが形成する空間43より一軸方向にはみ出る大きさを有するものとする。そして、図12に示すように、振動伝達板31の一方の端部、つまりコイルリード線端末部31b側の上面及び下面に、所望の厚さ寸法、所望の幅寸法、及び所望の長さ寸法を有するクッション材としての第一の支持部材6,6を配置する構造としても良い。
この第一の支持部材6,6はシンプルな構造にもかかわらず、振幅時におけるコイル支持機能を極めて有効に発揮し、ボイスコイル3を支持するに充分なサスペンション機能を有するものとなる。
また、本発明においては、図13に示すように、振動伝達板31のコイルリード線端末部31b側の上面及び下面に第一の支持部材6,6を配置すると共に、さらに振動伝達板31の他方の端部、つまり振動板接続部31a側の上面及び下面にも、所望の厚さ寸法、所望の幅寸法、及び所望の長さ寸法を有するクッション材としての第二の支持部材7,7を配置する構造としても良い。すなわち、本発明においてアクチュエータ2は、クッション材としての第一の支持部材6,6と第二の支持部材7,7とをサスペンションとして備えることにより、反発型磁気回路4を挟んで両側においてそれぞれ振動伝達板31を弾性的に挟持するものとすることもできる。
これらの支持部材6,7には、軟質でかつ振動を伝えにくい材料を適用することができ、たとえば、発泡ウレタン樹脂やゴム、不織布等のような弾力性に富むシート材を挙げることができる。また、支持部材6,7は、たとえば、長さ54mm×幅12mm×厚さ8mmの大きさをしたものとすることができる。
このように、反発型磁気回路4を挟んで一軸方向にはみ出た振動伝達板31の両側に支持部材6,7をそれぞれ備えるものとすると、より一層サスペンションの支持能力が向上する利点を有する。
このように、反発型磁気回路4を挟んで一軸方向にはみ出た振動伝達板31の両側に支持部材6,7をそれぞれ備えるものとすると、より一層サスペンションの支持能力が向上する利点を有する。
また、アクチュエータ2において、振動伝達板31の上面及び下面に支持部材(クッション材)6,7を配置して振動伝達板31を弾性的に挟持すると、ボイスコイル2の振幅移動時に、振動伝達板31が磁気回路内においてマグネット41A,41Bの表面との間に設けたクリアランス23,23寸法未満にて振幅移動が可能となる。これにより、ボイスコイル2の振幅移動中に、コイル32がマグネット41A,41Bの表面に接触して発する異常音が無くなるものとなる。
また、これらの支持部材6,7は、支持部材押さえ板22を用いて押さえ込みつつ装着される。支持部材押さえ板22は、たとえば、厚さ2mmのアルミニウム板を用い、幅32mm×長さ60mmの大きさをしたものとすることができる。支持部材6,7を押さえ込みつつの支持部材押さえ板22の装着については、たとえば、支持部材押さえ板22に穴をそれぞれ設けると共に、ヨーク42A,42Bにもこの穴に対応したビス穴(M3貫通)426A,426Bを設けておく。そして、取り付けネジ46にて支持部材押さえ板22をヨーク42Bの頂部平面に締結して装着する。
支持部材6,7を押さえ込みつつ支持部材押さえ板22を装着するため、支持部材6,7は圧縮されて振動伝達板31を上下両面から挟持する形態となる。具体的には、支持部材押さえ板22の下面と磁気回路取付けベース21の装着面との設計距離が12mm、振動伝達板31の厚さが0.2mm、支持部材6,7の厚さが8mmであるとすると、支持部材6,7は2.1mm圧縮されつつ装着される。そして、圧縮によって発生するスプリングバック力が振動伝達板31の装着位置を充分に保持しつつ、尚且つ、振幅運動を許容するサスペンション機能を充分に発揮することになる。
そして、振動伝達板31は、支持部材6,7によるスプリングバック力によって上下方向から押されつつ、12mmの寸法を有する空間の中心線上(6mm上)に保持される。これにより、コイル32及びマグネット41A,41Bの表面に構成されたコイル外側クリアランス23,23(たとえば、0.2mm〜0.3mm)を維持しつつ、コイル2の振幅移動を可能ならしめるサスペンション機能を極めて安価で且つシンプルな構造にて得ることができる。
また、本発明において支持部材押さえ板22は、熱伝導率の高い放熱機能を有する材料によって形成された放熱板とすると望ましい。これにより、ボイスコイル3の駆動に伴って発生する熱を、放熱板としての支持部材押さえ板22を介して表面より放熱させることができる。
また、従来のスピーカ用磁気回路では、磁気ギャップを構成し、この磁気ギャップ中にボイスコイルを配置する。そのため、ボイスコイルの振幅移動方向における空間はボイスコイルボビン側のみであって、ボイスコイルは、ボビンを介してサスペンションから離れた位置で磁気ギャップ中に保持された、いわゆる片持ち支持構造となっている。ゆえに、コイルが振幅する際、些細なことでコイルと磁気ギャップが接触し、異常音が発生し易い構造となる。
これに対し、本発明のアクチュエータ2では、反発磁気回路4は、磁気ギャップを構成してない構成である。そのため、ボイスコイル3の振幅移動方向における空間43が、磁気回路の両方向、すなわち一軸方向に解放状態となっており、ボイスコイル3におけるコイル32の近い位置に、支持部材6,7の装着が可能な構造となっている。ゆえに、ボイスコイル3の支持において極めて有利な構造であって、ボイスコイル3の振幅移動中にコイル32とマグネット41A,41Bとが接触し、異常音が発生してしまうことが無いものとすることができる。
また、本発明では、図14及び図15に示すように、湾曲振動板1の駆動方向に沿う両側縁1c,1cを支持する筐体11をさらに備える万能スピーカ20とすることもできる。すなわち、本発明の万能スピーカ20は、難聴者と健聴者とが共に聞き取ることができるものであり、湾曲振動板1と、アクチュエータ2と、筐体11とを少なくとも備えることにより構成される。本実施の形態の場合、筺体11は、底板12と、背板13と、左右2枚の側板14,14とを少なくとも備える。
2枚の側板14,14は、共に共通寸法であり、図16に示すように、背板13側に位置する縦辺部141と、底板12側に位置する横辺部142と、磁気回路取付けベース21側に位置する上辺部143を有する。また、上辺部143前方側から横辺部142前方側へ向けて、垂下する上辺段差部144、上辺段差部144から前方側に向かって弧状に突出するR部145、R部145から前方側に向かって略水平に突出する下辺段差部146、及び下辺段差部146から横辺部142へ達する下辺部147が連続して形成されるように有している。具体的には、縦辺部141が230mm、横辺部142が200mm、上辺部143が60mm、上辺段差部144が12mm、下辺部147が20mmであり、R部145の開角度θが110°とすることができる。なお、図中の符号148・・148は何れもネジ孔を示す。
本発明での筺体11はR部145を有することが大きな特徴の一つであり、このR部145が湾曲振動板1を支える基部となる。すなわち、湾曲振動板1を駆動して音波を発生するスピーカシステムの筐体構造においては、湾曲振動板1を装着する個所に、装着する湾曲振動板1が備える湾曲線に対応した曲線からなる曲線加工部(R部)145を設け、この曲線加工部145において湾曲振動板1の両側縁1c,1cを受けて支持する構造が望ましい。本発明では、筐体11を用いる場合、このような湾曲振動板1の装着が基本構造であって、極めて有効な筐体構造である。
したがって、図14から図16までに示すように、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、筐体11の左右の側板14を介して湾曲状に支持されている。具体的には、筐体11の左右に設けられた側板14,14の端面をそれぞれR状に形成したR部145を用いて支持するものとなっている。
これにより、アクチュエータ2に取り付けられた起立状態の振動板1の両側縁1c,1cは、R部145をガイドとしてその上面に沿って容易に曲折され、一端1aから対向する他端1bへ向かうにしたがって湾曲する曲面部の形成を容易なものとして湾曲振動板1を配することができるものとなる。また、湾曲振動板1の両側縁部1c,1cが筐体11に支持されることで、湾曲振動板1が外力等の影響を受けることなく、エネルギーの伝達効率を低下させてしまうおそれを低減させることができるものとなる。
また、筺体11は、図14及び図15に示すように、装着する湾曲振動板1の有する湾曲線に対応した曲線からなる切削加工等を側板14に施した場合、この曲線加工部(R部)145に、所望の厚さ寸法、所望の幅寸法、及び所望の長さ寸法を有する弾性部材8を配置し、湾曲振動板1を弾性部材8により線接触で支持するものとしても良い。すなわち、本発明では、湾曲振動板1の両側縁1c,1cの裏面に沿った状態で弾性部材8を密着させることが好ましい。
この弾性部材8には、支持部材6,7と同様に、軟質でかつ振動を伝えにくい材料を適用することができる。このような弾性部材8としては、たとえば、発泡ウレタン樹脂やゴム、不織布等のような弾力性に富むシート材を挙げることができる。
また、弾性部材8は、側板14のR部145の上面に全体的に配することが可能な長さを有していれば良く、この弾性部材8の上に湾曲振動板1を配することで、湾曲振動板1は、概ね弾性部材8の半径に馴染んだ形状になる。この弾性部材8の側板14のR部145表面への取り付けは、たとえば、R部145表面へ両面粘着テープ貼り付けた後、この粘着テープ上に弾性部材8を貼り付けることで簡単に装着することができる。
このように弾性部材8を介して湾曲振動板1を支持することで、湾曲振動板1が比較的自由に振動する反面、弾性部材8によって湾曲振動板1の側縁1c部分に発生する反射波を効果的に吸収する機能が発揮される。ゆえに、湾曲振動板1の振動エネルギーが筐体11へ伝わりにくくし、エネルギーの損失が少ないものとすることができる。また、湾曲振動板1と筐体11との間の密閉された空間が形成されたものとなるので、振動板の表面(前面)から出た音波と裏面(背面)から出た音波は弾性部材8により遮断され、表面や裏面での音波の干渉減衰が起こらないものとなる。ゆえに、安定した音圧と広い周波数帯域特性が得られるものとすることができる。
すなわち、本発明では弾性部材8が、湾曲振動板1の振動を許容しつつ、湾曲振動板1を支えるサスペンション機能を効果的に発揮し、尚且つ、湾曲振動板1の裏面側に発した音波が、湾曲振動板1の表面側に回り込み、湾曲振動板1の表面側に発生した音波と干渉することを防ぐシーリング機能を発揮する。ゆえに、本発明では、湾曲振動板1の側縁1cに弾性部材8を配置することで、音響効果を高めた、たとえば、バスレフ構造を有する万能スピーカ20とすることができる。しかも、弾性部材8は、湾曲振動板1と筐体11の支持面(たとえば、側板14のR部145上面)との接触による異音の発生等を防止するべく機能するものとなる。
また、本発明では、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、対向する二方向(一面側と他面側)より挟持する弾性部材8,8を介して筐体11に支持されているものとすると望ましい。すなわち、湾曲振動板1の両側縁1c,1cの表裏両面に沿った状態で、所望の厚さ寸法、所望の幅寸法、及び所望の長さ寸法を有する弾性部材8,8を配置し、この弾性部材8をサスペンションとする構造とすると良い。これにより、湾曲振動板1は弾性部材8,8を介して筐体11に確実に支持されるものとなる。
また、本発明では、湾曲振動板1の側縁1cの表裏両面に沿って弾性部材8,8を装着した場合は、湾曲振動板1を挟み込んだ方向から弾性部材8に対して適度な圧力を加えることが好ましい。すなわち、本発明では、湾曲振動板1の両側縁1c,1cの表裏両面に沿った状態で弾性部材8、8をそれぞれ密着させ、尚且つ、弾性部材8が側板14のR部145方向へ僅かに押し込まれ、湾曲振動板1に対して圧力を加えて支持する構造とすると良い。
このように弾性部材8が適度な圧力で圧縮されつつ装着されると、この圧縮によって発生する弾性部材8のスプリングバック力が、湾曲振動板1の装着位置を充分に保持し、尚且つ、振幅運動を許容するサスペンション機能を有しつつ湾曲振動板1の筐体11への装着を可能とする。また、ボイスコイル3の振動伝達板31両面に均等に圧定力を加えることになり、より一層安定した保持能力を発揮し得て、ボイスコイル用サスペンションとしての機能が極めて向上する効果を奏することもできる。
また、弾性部材8での圧定力は、湾曲振動板1が振動するに充分な自由度を与えつつ、且つ、装着位置からのズレを防止するに充分な保持力を有するものである。しかも、弾性部材8が圧縮されたことにより、湾曲振動板11の裏面側に発生する音の漏れを防ぐシーリング効果をも有するものとなる。
図14及び図15において、弾性部材8は、断面矩形状をした細長棒状部材からなるものとして示され、筐体11の側板14に形成されたR部145の上面を覆うように2つ重ねて配されている。また、湾曲振動板1の外側部(側縁1c)は、表裏面が弾性部材8,8によって支持されたものとして示されている。ゆえに、2つの弾性部材8,8により湾曲振動板1の側縁1cを挟み込んで、湾曲振動板1と筐体11との間の密閉された空間が形成されるものとなる。
本発明のサスペンション構造における弾性部材8は、従来のスピーカに用いられている、一般的にエッジ等と称されているサスペンションの如く熱圧成型方法等を用いずとも、発泡材ブロックをカットするだけで入手可能である。そのため、弾性部材8は容易に作製が可能で、成形用の金型も不要となる利点があり、結果的に安価に入手可能で、コストダウンに大いに有効なサスペンション構造であるといえる。
また、弾性部材8を介して湾曲振動板1の両側縁1c,1cを支持し、弾性部材8に一定の圧力を加えてなる構造においては、たとえば、所望幅寸法、所望長さ寸法、及び所望厚さ寸法からなる押えシート9にて、弾性部材8を押さえるようにしてなるサスペンション構造とすることができる。
この押えシート9は、たとえば、側板14の上辺部143と下辺部147とに架け渡すことが可能な長さを有した細長帯状体であって、一端を側板14の上辺部143に、他端を側板14の下辺部147に、ビス等によってそれぞれ固定する。これにより、弾性部材8を押さえつつ湾曲振動板1の両側縁1c,1cを支持し、弾性部材8に一定の圧力を加えることができる。この押えシート9には、たとえば、細長帯状をしたポリプロピレン製シート材を用いることができる。
以上のように、湾曲振動板1を駆動して音波を発生するスピーカシステムにおいて、より安価で、大いに性能向上が果たせ、尚且つ、信頼性も向上し、しかも量産対応可能なスピーカシステムを提供することが可能となる。
尚、筺体11には、湾曲振動板1の他端1bと底板12との間に、筐体11内部で発生した音の響きを外部に放出するための開口部15が設けられているが、この開口部15は設計目的に応じて設けなくても一向に構わない。
尚、筺体11には、湾曲振動板1の他端1bと底板12との間に、筐体11内部で発生した音の響きを外部に放出するための開口部15が設けられているが、この開口部15は設計目的に応じて設けなくても一向に構わない。
本実施の形態における万能スピーカ20では、図15に示すように、アクチュエータ2を筐体11に設置した後、ボイスコイル3(振動伝達板31)の駆動振幅に対応した適度の緩みを設けるためのフォーミングを音声信号入力線37(37a,37b)に施す。また、音声信号入力線37の端部を、磁気回路取付けベース21に設けた切り欠き部16に導き通過させる。そして、音声信号入力線37を筺体11の背板13側に装着してあるスピーカシステム駆動用アンプ基盤17の出力端子に及ぼし、半田付けにて接続配線する。
また、本発明において、側板14のR部145上面を用いて湾曲振動板1の側縁1cを支持するようにした場合、たとえば、図17に示すように、弾性部材8に代えて、スパイクやインシュレータと呼ばれる円錐状、三角錐状、半球状をしたエッジ支持部材18をR部145の上面に多数配置し、湾曲振動板1をエッジ支持部材18により部分的に点接触で支持するものとしても良い。このエッジ支持部材18は、たとえば、ゴム等の弾性素材、又は木材や石材、金属等の硬質素材から構成することができる。
図17において、エッジ支持部材18は、円錐状をしたものとして示され、筐体11の側板14のR部145の上面に突出するように、均等間隔に17個配されたものとして示されている。なお、エッジ支持部材18の数は特に限定されるものではなく、適宜配することができる。
このようにエッジ支持部材18を介して湾曲振動板1を筐体11で支持することで、湾曲振動板1が比較的自由に振動する反面、エッジ支持部材18によって湾曲振動板1の振動エネルギーを吸収もしくは逃がして、振動が筐体11へ伝わりにくく、エネルギーの損失が少ないものとすることができる。
なお、図示しないが、湾曲振動板1を部分的に点接触で支持するものとする場合、筐体11の側板14から内側に向かって突出するように、側板14にエッジ支持部材18を直接取り付けるものとしても良い。この場合、エッジ支持部材18は、円錐状、三角錐状、半球状に限らず、円筒状とすることもできる。
このエッジ支持部材18は、側板14のR部145に限らず、後述するように、側板14に形成したガイド座グリ部171の上面や、ガイド凹部172内の上面と下面、ガイド凸部173の上面、ガイド枠部の両側縁の上面に多数配置されたものとしても良い。これにより、湾曲振動板1の外側部(側縁1c)の裏面もしくは表裏面は、それぞれを部分的に点接触で支持されるものとなる。
また、本発明では、湾曲振動板1は、一端1a側へ向かうにしたがって徐々に幅狭となっているものとしても良い。すなわち、湾曲振動板1と振動伝達板31との接続部が直角的にえぐれたような形状であると、支持部材7近傍からの反射波によって定在波が発生し易いものとなる。しかしながら、図18に示すように、湾曲振動板1と振動伝達板31との接続部を直線的に連続した形状とすることで、定在波の発生を防ぎ、音質を向上させることができる。
図18(A)において、湾曲振動板1と振動伝達板31とが別々の部品としてそれぞれ準備され互いに接合されると共に、湾曲振動板1の両側縁1c,1cの間隔が一端1a側へ向かうにしたがって直線状に徐々に幅狭となっている湾曲振動板1Bの一部が示されている。また、図18(B)において、湾曲振動板1と振動伝達板31とが別々の部品としてそれぞれ準備され互いに接合されると共に、湾曲振動板1の両側縁1c,1cの間隔が一端1a側へ向かうにしたがって曲線状に徐々に幅狭となっている湾曲振動板1Cの一部が示されている。
また、本発明では、湾曲振動板1の一端1a側を徐々に幅狭とするのではなく、振動伝達板31の振動板接続部31a側を湾曲振動板1の一端1a側へ向かうにしたがって徐々に幅広となるものとし、湾曲振動板1と振動伝達板31との接続部を直線的に連続した形状としても良い。
また、本発明では、湾曲振動板1は、一端側の両側上縁角部が丸みを帯びているものとしても良い。すなわち、湾曲振動板1の角部1dが直線的な尖ったものであると、支持部材7近傍からの反射波によって定在波が発生し易いものとなる。しかしながら、図19に示すように、湾曲振動板1の上縁角部1dを曲線的な丸みを帯びたものとすることで、より定在波の発生を防ぎ、音質を向上させることができる。
図19(A)において、湾曲振動板1と振動伝達板31とが別々の部品としてそれぞれ準備され互いに接合されると共に、湾曲振動板1の両側縁1c,1cの間隔が一端1a側へ向かうにしたがって直線状に徐々に幅狭となり、かつ、両側縁1c,1cの上縁角部1dが丸みを帯びている湾曲振動板1Dの一部が示されている。また、図19(B)において、湾曲振動板1と振動伝達板31とが別々の部品としてそれぞれ準備され互いに接合されると共に、湾曲振動板1の両側縁1c,1cの間隔が一端1a側へ向かうにしたがって曲線状に徐々に幅狭となり、かつ、両側縁1c,1cの上縁角部1dが丸みを帯びている湾曲振動板1Eの一部が示されている。
さらに、本発明では、湾曲振動板1と振動伝達板31は貼り合わせシート51を用いることにより一体化せず、予め湾曲振動板1と振動伝達板31とを同一部材により一体的に形成したもの(以下、「振動板伝達板一体化部品」という)としても良い。これにより、更なる高性能化と、信頼性を発揮し、接続部における接続作業の工数削減に大いに効果を発揮することができる。
図20において、予め湾曲振動板1領域と振動伝達板31領域とが一体的に形成され、湾曲振動板1領域の両側縁1c,1cの間隔が振動伝達板31領域側へ向かうにしたがって曲線状に徐々に幅狭となり、かつ、両側縁1c,1cの上縁角部1dが丸みを帯びている振動板伝達板一体化部品131が示されている。
本実施の形態においては、筐体11の側板14の厚さ部分、木工業界用語で呼ぶところの木口(こぐち)部分に曲線加工を施したが、たとえば、筐体11で多用されると想定される、木質板や合板、パーティクルボード等を加工する場合、本発明では、湾曲振動板1に対応した曲線加工部が、後述するように、ザグリ或いは溝等の加工形状であっても一向に構わない。しかも、これらの加工はルーター加工で容易に行え、安価に行える効果を有する。
すなわち、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、筐体11の左右の側板14の前面側端縁に形成されたR部145上に限らず、たとえば、図20に示すように、筐体11の左右の側板14の内面にそれぞれ設けられた、湾曲したガイド座グリ部171を用いて支持されているものとしても良い。
これにより、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、ガイド座グリ部171の上面に沿って容易に曲折されることで支持されるので、一端1aから対向する他端1bへ向かうにしたがって湾曲する曲面部の形成を容易なものとすることができる。
これにより、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、ガイド座グリ部171の上面に沿って容易に曲折されることで支持されるので、一端1aから対向する他端1bへ向かうにしたがって湾曲する曲面部の形成を容易なものとすることができる。
また、ガイド座グリ部171に弾性部材8を配し、この弾性部材8を介して湾曲振動板1の両側縁1c,1cを支持するものとすれば、湾曲振動板1が筐体11に固定されることなく比較的自由に振動することができる反面、弾性部材8によって湾曲振動板1の振動エネルギーが筐体11へ伝わりにくく、エネルギーの損失が少ないものとすることができる。
また、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、たとえば、図21に示すように、筐体11の左右の側板14の内面にそれぞれ設けられた、湾曲したガイド凹部172を用いて支持されているものとしても良い。
これにより、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、ガイド凹部172に挿し入れることで容易に曲折・支持されるので、一端1aから対向する他端1bへ向かうにしたがって湾曲する曲面部の形成を容易なものとすることができる。
これにより、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、ガイド凹部172に挿し入れることで容易に曲折・支持されるので、一端1aから対向する他端1bへ向かうにしたがって湾曲する曲面部の形成を容易なものとすることができる。
また、ガイド凹部172内の上面と下面に弾性部材8,8をそれぞれ配し、この弾性部材8を介して湾曲振動板1の両側縁1c,1cを挟持するように支持するものとすれば、湾曲振動板1が筐体11に固定されることなく比較的自由に振動することができる反面、ガイド凹部172によって湾曲振動板1の振動エネルギーが筐体11へ伝わりにくく、エネルギーの損失が少ないものとすることができる。
また、側板14に対して曲線加工が不可能な場合、湾曲振動板1の有する湾曲線に対応した形状の付加部品を作製しても一向に構わない。したがって、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、たとえば、図22に示すように、筐体11の左右の側板14の内面にそれぞれ設けられた、湾曲したガイド凸部173を用いて支持されているものとしても良い。
これにより、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、ガイド凸部173の上面に沿って容易に曲折されることで支持されるので、一端1aから対向する他端1bへ向かうにしたがって湾曲する曲面部の形成を容易なものとすることができる。
これにより、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、ガイド凸部173の上面に沿って容易に曲折されることで支持されるので、一端1aから対向する他端1bへ向かうにしたがって湾曲する曲面部の形成を容易なものとすることができる。
また、ガイド凸部173の上面に弾性部材8を配し、この弾性部材8を介して湾曲振動板1の両側縁1c,1cを支持するものとすれば、湾曲振動板1が筐体11に固定されることなく比較的自由に振動することができる反面、弾性部材8によって湾曲振動板1の振動エネルギーが筐体11へ伝わりにくく、エネルギーの損失が少ないものとすることができる。
また、側板14に対して曲線加工が不可能な場合、たとえば、図23に示すように、湾曲振動板1に対応した曲線形状のバッフルを作製し、このバッフルを含んで筐体11を構成しても良い。バッフルは、木工技術、或いは樹脂成型技術、金属プレス技術等、目的に応じてバッフルの材料を使い分けることが可能な利点を有する。したがって、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、筐体11の左右の側板14の内面に架け渡すように設けられた、湾曲したガイド枠部174を用いて支持されているものとしても良い。
これにより、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、ガイド枠部174の上面に沿って容易に曲折されることで支持されるので、一端1aから対向する他端1bへ向かうにしたがって湾曲する曲面部の形成を容易なものとすることができる。
これにより、湾曲振動板1の両側縁1c,1cは、ガイド枠部174の上面に沿って容易に曲折されることで支持されるので、一端1aから対向する他端1bへ向かうにしたがって湾曲する曲面部の形成を容易なものとすることができる。
また、ガイド枠部174の両側縁の上面に弾性部材8を配し、この弾性部材8を介して湾曲振動板1の両側縁1c,1cを支持するものとすれば、湾曲振動板1が筐体11に固定されることなく比較的自由に振動することができる反面、弾性部材8によって湾曲振動板1の振動エネルギーが筐体11へ伝わりにくく、エネルギーの損失が少ないものとすることができる。
また、本発明の万能スピーカは、湾曲振動板1の一端側に、アクチュエータ2が複数取り付けられているものとしても良い。すなわち、図25に示すように、湾曲振動板1に対して2つのアクチュエータ2をそれぞれ取り付けた構造を有する万能スピーカ30とすることができる。
図25において、2つのアクチュエータ2,2は何れも磁気回路取付けベース21に固定して取り付けられ、また、湾曲振動板1は、その端縁部が2つのアクチュエータ2,2の各振動伝達板31,31と接合するように配されたものとして示されている。また、音声信号入力線37の端部は、磁気回路取付けベース21に設けた切り欠き部16を通過し、筺体11の背板13側に装着してあるスピーカシステム駆動用のアンプ基盤17の出力端子と接続配線したものとなっている。
このような万能スピーカ30は、同一の湾曲振動板1の端面部を、2つのアクチュエータ2,2によって駆動することにより、一つのアクチュエータ2では上限のある音声エネルギーを複数のアクチュエータ2,2で駆動し、より大きな剪断波、粗密波を湾曲振動板1から発生させることが出来る。ゆえに、音量が高く鮮明な放音をすることが期待できるものとなる。
また、本発明の万能スピーカは、湾曲振動板1の他端側にもさらに他のアクチュエータ2が取り付けられているものとしても良い。すなわち、図26に示すように、湾曲振動板1の一方の端縁部に対して第一のアクチュエータ2Aを取り付け、同他方の端縁部に対して第二のアクチュエータ2Bを取り付けた構造を有する万能スピーカ40とすることができる。なお、本発明においては、たとえば、第一のアクチュエータ2Aと第二のアクチュエータ2Bとを共に上述した本発明のアクチュエータ2としたり、何れか一方を公知のムービングコイル方式のアクチュエータやムービングマグネット方式のアクチュエータとしたりしても良い。
図26において、第一のアクチュエータ2Aは筺体11の背板13側に固定して取り付けられ、一方、第二のアクチュエータ2Bは筺体11の底板12側に固定して取り付けられたものとして示されている。また、湾曲振動板1は、その一方の端縁部が第一のアクチュエータ2Aの振動伝達板31と接合し、他方の端縁部が第二のアクチュエータ2Bの振動伝達板31と接合したものとなっている。
このような万能スピーカ40は、湾曲振動板1の異なる端面をそれぞれ異なるアクチュエータ2A,2Bで駆動することにより、一つのアクチュエータでは上限のある発音エネルギーを複数のアクチュエータ2(2A,2B)で駆動し、より大きな剪断波、粗密波を湾曲振動板1から発生させることが出来る。ゆえに、音量が高く鮮明な放音をすることが期待できるものとなる。
また、本発明では、万能スピーカ40において、図26に示すように、電気信号を幾つかの周波数帯域に分割する手段19をさらに備え、分割した各電気信号を互いに異なるアクチュエータにそれぞれ入力するものとしても良い。すなわち、図26において白抜き矢印で示すように、二つのアクチュエータ2A,2Bに入力される単一の音声信号の帯域を、アナログまたは電子的フィルター等の音声信号分割装置19によって二つの周波数帯域に分割する。
そして、出力の一方を第一の音声信号入力線37を介して第一のアクチュエータ2Aに入力し、出力の他方を第二の音声信号入力線57を介して第二のアクチュエータ2Bに入力する。そうすると、一つの湾曲振動板1が二つのアクチュエータ2A,2Bによって駆動されるものとなり、湾曲振動板1における一端側と他端側とで異なる再生帯域の剪断波、粗密波を同時に得て、全体的に再生帯域の広い剪断波、粗密波を得ることが出来る。
また、本発明では、湾曲振動板1の曲面部上に圧電体(圧電素子)を利用したアクチュエータをさらに備えているものとしても良い。すなわち、図27に示すように、湾曲振動板1の一端1aに対して本発明に係る第一のアクチュエータ2を取り付けると共に、湾曲振動板1の曲面部に対して圧電体を利用した第二のアクチュエータ52をさらに取り付けた構造を有する万能スピーカ50とすることができる。
図27において、第二のアクチュエータ52は、湾曲振動板1の曲面部中央裏面に貼着されたものとして示されている。この第二のアクチュエータ52は、湾曲振動板1の曲面部中央裏面に限らず、音声信号を入力するための配線に支障が無ければ湾曲振動板1の曲面部中央表面に貼着されたものとしても良い。
圧電体は、圧力を加えると、圧力に比例して自体変形する圧電効果を有する物質であり、アクチュエータは、加えられた電圧を力に変換する圧電効果を利用した圧電素子である。圧電素子は、電圧をかけることで一方向に伸縮(振動)する。ゆえに、図27に示すように、湾曲振動板1の一端1aに対して本発明に係る第一のアクチュエータ2を取り付け、湾曲振動板1の曲面部に対して圧電体を利用した第二のアクチュエータ52を貼り付けた構造を有する万能スピーカ50とすることができる。この圧電素子52は、セラミックスや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子、セラミックスと高分子との複合体などからなるものとすることができる。
このような万能スピーカ50は、湾曲振動板1の端面と曲面とをそれぞれ異なるアクチュエータ2,52で駆動することにより、一つのアクチュエータでは上限のある発音エネルギーを複数のアクチュエータ2,52で駆動し、より大きな剪断波、粗密波を湾曲振動板1から発生させることが出来る。ゆえに、音量が高く鮮明な放音をすることが期待できるものとなる。
また、本発明では、万能スピーカ50において、図28に示すように、電気信号を幾つかの周波数帯域に分割する手段19をさらに備え、分割した各電気信号を互いに異なるアクチュエータにそれぞれ入力するものとしても良い。すなわち、上述した万能スピーカ40と同様、図28において白抜き矢印で示すように、二つのアクチュエータ2,52に入力される単一の音声信号の帯域を、アナログまたは電子的フィルター等の音声信号分割装置19によって二つの周波数帯域に分割する。
そして、出力の一方を第一の音声信号入力線37を介して第一のアクチュエータ2に入力し、出力の他方を第二の音声信号入力線57を介して第二のアクチュエータ52に入力する。そうすると、一つの湾曲振動板1が二つのアクチュエータ2,52によって駆動されるものとなり、湾曲振動板1における一端側と他端側とで異なる再生帯域の剪断波、粗密波を同時に得て、全体的に再生帯域の広い剪断波、粗密波を得ることが出来る。
また、本発明では、圧電体を利用した第二のアクチュエータ52は、上述のように、湾曲振動板1の曲面部中央に限らず、図29及び図30に示すように、湾曲振動板1の一端1aに対して本発明に係る第一のアクチュエータ2を取り付けると共に、湾曲振動板1の曲面部他端1b側近傍に対して圧電体を利用した第二のアクチュエータ52をさらに取り付けた構造を有する万能スピーカ60とすることができる。
図29及び図30において、第二のアクチュエータ52は、湾曲振動板1の曲面部他端1b側裏面に貼着されているものとして示されている。また、二つのアクチュエータ2,52に入力される単一の音声信号の帯域を音声信号分割装置19によって二つの周波数帯域に分割し、出力の一方を第一の音声信号入力線37を介して第一のアクチュエータ2に入力し、出力の他方を第二の音声信号入力線57を介して第二のアクチュエータ52に入力するものとして示されている。この第二のアクチュエータ52は、湾曲振動板1の曲面部他端1b側裏面に限らず、音声信号を入力するための配線に支障が無ければ湾曲振動板1の曲面部他端1b側表面に貼着されたものとしても良い。
さらに、図示しないが、この第二のアクチュエータは、湾曲振動板の曲面部に対して1つに限らず、たとえば、湾曲振動板の曲面部中央と曲面部他端側にそれぞれ貼着するなど、2以上が貼着されたものとしても良い。
なお、図27乃至図30において、第二のアクチュエータ52は、長方形(短冊形)をした圧電素子として示されているが、丸形をした圧電素子としても良い。これにより、湾曲振動板1への取付け位置や取付け個数など、適宜設計変更をすることができる。
以上のように、本発明の万能スピーカは、アクチュエータが薄厚化・小型化されて構造上小さくスペースファクターが改善され、かつ、軽量化することを可能とすると共に、振動板とアクチュエータとが実用的な接合強度を有し、振動伝搬効率を向上させて高周波域の出力が良好なものとすることができる。
また、本発明では、図31に示すように、第二のスピーカユニット120をさらに備えるハイブリッド型の万能スピーカ70としても良い。すなわち、アクチュエータ2によって湾曲振動板1をその面方向と同じ方向に駆動させることで放音するスピーカユニット(以下、「第一のスピーカユニット」という。)110は、難聴者と健聴者とが共に聞き取ることができる音波を発生させることができるものの、再生帯域及び音質面から鑑みるに、健聴者においては明らかな喪失(不満)感を伴う状況が発生する場合がある。
そこで、本発明では、健聴者の喪失(不満)感を減少させるために、一般的な音響機器に組み込まれているスピーカユニットを第二のスピーカユニット120としてさらに、第一のスピーカユニット110を備える筐体11に組み込んだ(付加した)ものとしている。ゆえに、第一のスピーカユニット110は、難聴者向けの音声を放つスピーカユニットとして主に機能することになり、第二のスピーカユニット120は、健聴者向けの音声を放つスピーカユニットとして主に機能するものといえる。
この第二のスピーカユニット120は、音質面で健聴者の高音質感を満足させる広帯域再生が可能なスピーカユニットであり、たとえば、動電型スピーカユニットを挙げることができる。また、望ましい動電型スピーカユニットとしては、たとえば、ダイナミック型スピーカユニットを挙げることができる。さらに、望ましいダイナミック型スピーカユニットとしては、たとえば、コーン型スピーカユニットを挙げることができる。
この第二のスピーカユニット(たとえば、ダイナミックコーン型スピーカ)の取付位置は特に限定されず、湾曲振動板が配されている前面開口部を除く位置であれば、底板12、背板13、側板14、等の何れであっても良い。
図31において、第二のスピーカユニット120は、筐体11の底板12に取り付けられたものとして示されている。また、筺体11の内部は、第一のスピーカユニット110と第二のスピーカユニット120における音響的キャビティをそれぞれ形成するように隔壁によって区画されている。
図31において、第二のスピーカユニット120は、筐体11の底板12に取り付けられたものとして示されている。また、筺体11の内部は、第一のスピーカユニット110と第二のスピーカユニット120における音響的キャビティをそれぞれ形成するように隔壁によって区画されている。
また、本発明におけるハイブリッド型の万能スピーカ70は、音域を分割してそれぞれのスピーカユニットにて再生するもの、すなわち、音声信号を特定の周波数ごとに分けて再生されるように個々のスピーカユニットへ印加して再生するものではなく、分配器59によって単純に分けられた同一の音声信号を個々のスピーカユニットへ印加するものである。
このように、湾曲振動板を駆動させる方式のスピーカユニット(すなわち、第一のスピーカユニット)と、一般的な音響機器に組み込まれている動電型や圧電型のスピーカユニット(すなわち、第二のスピーカユニット)とを組み合わせたハイブリッド型の万能スピーカとすることにより、スピーカの万能性が向上し、難聴者と健聴者とが共に満足して聞くことのできるスピーカを提供することができる。
また、このようなハイブリッド型の万能スピーカとしては、第一のスピーカユニット110のアクチュエータを、たとえば、図32に示すように、ムービングマグネット方式もしくはムービングコイル方式のアクチュエータ82へ換えた導電振動スピーカユニットとするものや、図33に示すように、圧電体を利用したアクチュエータ92へ換えた圧電振動スピーカユニットとするものとしても良い。
ムービングマグネット方式のアクチュエータは、円筒凹状をしたカップ状のヨークの内壁面にボイスコイルが配されると共に、その内側にマグネット(永久磁石)が設けられた円柱状のポールピースが配された構成とするものである。この場合の第一のスピーカユニットは、ポールピースの上部に設けられた振動板駆動部を介して、電気信号の印加によるマグネット(ポールピース)の往復動としての運動エネルギーを湾曲振動板へ伝達し、湾曲振動板の面方向に対して平行な振動を加えて音声を発生させるものとなっている。
一方、ムービングコイル方式のアクチュエータは、円板状をしたヨークの中央部に円柱状のポールピースを設け、このポールピースが中心となるように、ヨーク上にリング形状のマグネット(永久磁石)と、中央部に穴を設けた円板状プレートを重ねて配し、さらに、ポールピースの外面とプレートの穴内面との間に形成されたリング状の隙間に、円筒状をしたボイスコイルが配された構成とするものである。この場合の第一のスピーカユニットは、ボイスコイルの上部に設けられた振動板駆動部を介して、電気信号の印加によるボイスコイルの往復動としての運動エネルギーを湾曲振動板へ伝達し、湾曲振動板の面方向に対して平行な振動を加えて音声を発生させるものとなっている。
ゆえに、この場合のハイブリッド型の万能スピーカ80は、たとえば、第一のスピーカユニット110と、第二のスピーカユニット120と、前記第一のスピーカユニット110及び前記第二のスピーカユニット120を収容する中空構造の筐体11と、を少なくとも備え、前記筐体11は、一面に開口部を有し、前記第一のスピーカユニット110は、平板状をした振動板1、及び入力された電気信号に応じて前記振動板1を振動させるムービングマグネット方式もしくはムービングコイル方式のアクチュエータ82を少なくとも備え、前記アクチュエータ82が、前記平板状をした振動板1の面方向と同じ方向に駆動するように当該振動板1の端縁部と当接し、かつ、前記筐体11に固定して取り付けられ、前記平板状をした振動板1は、前記アクチュエータ82が取り付けられた一端側から対向する他端側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成し、前記筐体11の開口部を被覆するように配されていると共に、両側縁部が前記筐体11に支持され、前記第二のスピーカユニット120は、前記筐体11の開口部を除く一面に固定して取り付けられるものとなっている。
また、圧電体を利用したアクチュエータは、加えられた電圧を力に変換する圧電効果を利用した平板状の圧電素子であって、電圧をかけることで一方向に伸縮(振動)する。この圧電素子は、セラミックスや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子、セラミックスと高分子との複合体などからなるものとすることができる。また、この場合の第一のスピーカユニットは、湾曲振動板の一方の端縁部に対して圧電素子を貼り付けた構造を有し、圧電素子の変化による運動エネルギーを効率良く湾曲振動板へ伝達し、湾曲振動板の面方向に対して平行な振動を加えて、音声を発生させるものである。
ゆえに、この場合のハイブリッド型の万能スピーカ90は、たとえば、第一のスピーカユニット110と、第二のスピーカユニット120と、前記第一のスピーカユニット110及び前記第二のスピーカユニット120を収容する中空構造の筐体11と、を少なくとも備え、前記筐体11は、一面に開口部を有し、前記第一のスピーカユニット110は、平板状をした振動板1、及び入力された電気信号に応じて前記振動板を振動させる圧電体を利用したアクチュエータ92を少なくとも備え、前記アクチュエータ92が、前記平板状をした振動板1の面方向と同じ方向に駆動するように当該振動板1の一方の端部側表面に貼り付けられ、前記平板状をした振動板1は、前記アクチュエータ92が取り付けられた一端側から対向する他端側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成し、前記筐体11の開口部を被覆するように配されていると共に、両側縁部が前記筐体11に支持され、前記第二のスピーカユニット120は、前記筐体11の開口部を除く一面に固定して取り付けられるものとなっている。
なお、ムービングマグネット方式もしくはムービングコイル方式のアクチュエータ82を備えたハイブリッド型の万能スピーカ80、及び圧電体を利用したアクチュエータ92を備えたハイブリッド型の万能スピーカ90においても、第二のスピーカユニット120の取付位置は特に限定されず、湾曲振動板1が配されている前面開口部を除く何れの位置であっても良い。
図32及び図33において、第二のスピーカユニット120は、筐体11の底板部12に取り付けられたものとして示されている。また、筺体11の内部は、第一のスピーカユニット110と第二のスピーカユニット120における音響的キャビティをそれぞれ形成するように隔壁によって区画されている。
図32及び図33において、第二のスピーカユニット120は、筐体11の底板部12に取り付けられたものとして示されている。また、筺体11の内部は、第一のスピーカユニット110と第二のスピーカユニット120における音響的キャビティをそれぞれ形成するように隔壁によって区画されている。
さらに、第一のスピーカユニットとしては、PVDFフィルムを湾曲振動板として用いて構成したものとし、僅かなバックキャビティを形成するように筐体表面に装着するものとしても良い。湾曲振動板として用いるPVDFフィルムは、その表面及び裏面に導電ポリマーを用いた導電材を被覆したものであって、導電材に給電するための電極を外側部に設けたものとなっている。また、PVDFフィルム端部には音声信号入力用のリード線が配線され、電極と電気的に接続したものとなっている。この電極は、たとえば、導電性ペースト或いは銀ペースト等と称されている導電性接着剤を用い、シルク印刷法にて約5mm幅に設けたものとすることができる。
ゆえに、この場合のハイブリッド型の万能スピーカは、たとえば、第一のスピーカユニットと、第二のスピーカユニットと、前記第一のスピーカユニット及び前記第二のスピーカユニットを収容(装着)する中空構造の筐体と、を少なくとも備え、前記第一のスピーカユニットは、PVDFフィルムからなる振動板であって、湾曲する曲面部を形成するようにバックキャビティを設けて筐体の表面に配されていると共に、周縁部が前記筐体に支持され、前記第二のスピーカユニットは、前記PVDFフィルム(振動板)が取り付けられている筐体の部位を除く一面に固定して取り付けられるものとなっている。
このように、湾曲したフィルム振動板を駆動させるスピーカユニット(すなわち、第一のスピーカユニット)と、一般的な音響機器に組み込まれている動電型や圧電型のスピーカユニット(すなわち、第二のスピーカユニット)とを組み合わせたハイブリッド型の万能スピーカとしても、難聴者と健聴者とが共に満足して聞くことのできるスピーカを提供することができる。
1 振動板、1a 一端、1b 他端、1c 側縁、2,82,92 アクチュエータ、3 ボイスコイル、4 反発磁気回路、6,7 支持部材(クッション材)、8 弾性部材(クッション材)、9 押えシート、10,20,30,40,50,60 万能スピーカ、70,80,90 ハイブリッド型の万能スピーカ、11 筺体、12 底板、13 背板、14 側板、14a 内面、15 開口部、16 切り欠き部、17 アンプ基盤、18 エッジ支持部材、19 音声信号分割手段、21 磁気回路取付けベース、22 支持部材押さえ板、23 (コイル外側)クリアランス、31 振動伝達板、31a 振動板接続部、31b コイルリード線端末部、32 コイル、32a 巻き始め端部、32b 巻き終わり端部、33 (コイル内側)クリアランス、34 充填材(接着剤)、35a,35b コイルリード線、36 接着剤、37(37a,37b) 音声信号入力線(錦糸線)、38 半田付け部、41A,41B マグネット(硬磁性部材)、42A,42B ヨーク(軟磁性部材)、43 空間、45,46 ビス、51 貼り合わせシート、52 圧電体、57 音声信号入力線、59 分配器、110 第一のスピーカユニット、120 第二のスピーカユニット、131 振動板伝達板一体化部品、141 縦辺部、142 横辺部、143 上辺部、144 上辺段差部、145 R部、146 下辺段差部、147 下辺部、148 ネジ孔、171 ガイド座グリ部、172 ガイド凹部、173 ガイド凸部、174 ガイド枠部、421A,421B マグネット装着部(窪み平坦部)、424A,424B 平面部(合わせ面)425A,425B,426A,426B ビス穴。
Claims (17)
- 平板状をした振動板と、入力された電気信号に応じて前記振動板を振動させるアクチュエータと、を少なくとも備え、
前記アクチュエータは、
平板状をした振動伝達板、及び該振動伝達板の一面側と他面側とにコイル線材が交互に巻回され、扁平長円筒状に形成されたコイルを備え、該コイルは、長手方向が前記振動伝達板の表面とスペースをもって配されているボイスコイルと、
前記ボイスコイルを配することが可能な空間を形成するように離間し、かつ、同じ極性を有する一極側同士が対向して前記空間内に反発磁界を形成するように配された一対の硬磁性部材、及び該一対の硬磁性部材を挟持するように他極側にそれぞれ配され、互いに接合されて前記一対の硬磁性部材を支持する一対の軟磁性部材を備え、前記一対の軟磁性部材は、前記一対の硬磁性部材によって形成された前記空間において一軸方向に開口領域が形成されるように配されている反発型磁気回路と、
から構成され、
前記ボイスコイルは、コイルが前記反発型磁気回路における一対の硬磁性部材とクリアランスをもって前記硬磁性部材が形成する空間内に配されていると共に、前記振動板の面方向と同じ方向に駆動するように振動伝達板の一縁部が前記振動板の端縁部と連続するように接合され、
前記振動板は、前記アクチュエータの振動伝達板と接合された一端側から対向する他端側へ向かうにしたがって湾曲する曲面部を形成するように配されていることを特徴とする万能スピーカ。 - 前記振動板の駆動方向に沿う両側縁部を支持する筐体をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の万能スピーカ。
- 前記振動板の両側縁部は、対向する二方向より挟持する弾性部材を介して前記筐体に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の万能スピーカ。
- 前記弾性部材は、前記振動板に対して圧力を加えて支持することを特徴とする請求項3に記載の万能スピーカ。
- 前記振動板と前記振動伝達板との接合部に跨ぐようにシート状部材が貼着されていることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の万能スピーカ。
- 前記振動板と前記振動伝達板は、異なる材により別々に成形されていることを特徴とする請求項5に記載の万能スピーカ。
- 前記振動板と前記振動伝達板は、同一部材により一体的に成形されていることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の万能スピーカ。
- 前記振動板は、前記一端側へ向かうにしたがって徐々に幅狭となっていることを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか1項に記載の万能スピーカ。
- 前記振動板は、前記一端側の両側上縁角部が丸みを帯びていることを特徴とする請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の万能スピーカ。
- 前記振動板の一端側に前記アクチュエータが複数取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項9までの何れか1項に記載の万能スピーカ。
- 前記振動板の他端側にもさらに前記アクチュエータが取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項10までの何れか1項に記載の万能スピーカ。
- 前記振動板は、前記曲面部に圧電体を利用したアクチュエータをさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項11までの何れか1項に記載の万能スピーカ。
- 前記アクチュエータは、曲面部中央に取り付けられていることを特徴とする請求項12に記載の万能スピーカ。
- 前記アクチュエータは、曲面部他端側に取り付けられていることを特徴とする請求項12に記載の万能スピーカ。
- 前記電気信号を幾つかの周波数帯域に分割する手段をさらに備え、分割した各電気信号を互いに異なるアクチュエータにそれぞれ入力することを特徴とする請求項11から請求項14までの何れか1項に
- 前記振動板は、曲面部の曲げ角度が90°から130°までであることを特徴とする請求項1から請求項15までの何れか1項に記載の万能スピーカ。
- 前記筐体は、第二のスピーカユニットをさらに備えていることを特徴とする請求項2から請求項16までの何れか1項に記載の万能スピーカ。
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