JP2016143473A - ガス遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】開極速度の向上を抑制しても良好な進み小電流遮断性能を得ることのできるガス遮断器を提供する。
【解決手段】密閉容器内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する可動アーク接触子21及び固定アーク接触子11と、最小流路断面積となるスロート部23aを有し、可動アーク接触子21及び固定アーク接触子11を取り囲むように設けられ、遮断の過程で、スロート部23aが固定アーク接触子11に対して相対移動し、可動アーク接触子21と固定アーク接触子11との間に発生するアーク40に消弧性ガスを誘導する絶縁ノズル23と、を備える。また、固定アーク接触子11は、棒状の接触子であり、可動アーク接触子21と対向する側に丸頭部11aと、丸頭部11aに繋がる小径部11bと、小径部11bに繋がり小径部11bより径が大きい大径部11cと、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】密閉容器内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する可動アーク接触子21及び固定アーク接触子11と、最小流路断面積となるスロート部23aを有し、可動アーク接触子21及び固定アーク接触子11を取り囲むように設けられ、遮断の過程で、スロート部23aが固定アーク接触子11に対して相対移動し、可動アーク接触子21と固定アーク接触子11との間に発生するアーク40に消弧性ガスを誘導する絶縁ノズル23と、を備える。また、固定アーク接触子11は、棒状の接触子であり、可動アーク接触子21と対向する側に丸頭部11aと、丸頭部11aに繋がる小径部11bと、小径部11bに繋がり小径部11bより径が大きい大径部11cと、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、電力系統において電流遮断及び投入を切り替えるガス遮断器に関する。
電力系統において、過大な事故電流を含む電流開閉のためにガス遮断器が使用されている。ガス遮断器は、遮断過程に接触子を機械的に切り離し、この切り離しによって発生したアークを絶縁媒体および消弧媒体の吹き付けによって消弧する。
上記のようなガス遮断器は、現在パッファ形と呼ばれるタイプが広く普及している。パッファ形ガス遮断器は、消弧性ガスが充填された密閉容器内に、固定アーク接触子及び固定通電接触子と、可動アーク接触子及び可動通電接触子とがそれぞれ対向して配置されている。両アーク接触子及び両通電接触子を機械的な駆動力によって接触又は離反させることで電流を導通し又は遮断する。
このガス遮断器には、接触子の離反に伴って容積が減少し、内部の消弧性ガスが蓄圧される蓄圧室と、両アーク接触子を取り囲むように配置され、蓄圧室の消弧性ガスをアーク放電に誘導する絶縁ノズルが設けられている。遮断過程においては、固定アーク接触子と可動アーク接触子が離反することで、両アーク接触子間にアーク放電が発生する。このアーク放電に対し、接触子の離反に伴って蓄圧室で十分蓄圧された消弧性ガスを、絶縁ノズルを介して強力に吹き付ける。これにより、アーク放電を消弧し、両アーク接触子の絶縁性能を回復させ、電流の遮断を完了させる。
事故電流遮断時のように数kAオーダーの大電流アークの場合には、両アーク接触子間距離が十分開いて適切な流路が形成され、かつ蓄圧室内部に十分な吹きつけ圧力が蓄圧された後でなければ、電流零点を迎えてもアークが消弧されることはない。しかしながら、進み小電流遮断のような数百A以下の小電流アークの場合には、両アーク接触子の開離直後であっても、電流零点を迎えれば簡単にアークが消弧される。
電流位相によっては、アーク時間(アーク接触子間のアークが継続する時間)は限りなく0に近くなり、アーク接触子開離直後にアークが消弧し、アーク接触子間距離が極めて小さい状態で系統からの回復電圧が印加される。この回復電圧により、アーク接触子間に絶縁破壊(再点弧)を引き起こすと、過渡的な過電圧が発生する場合があり、系統機器の信頼性を脅かす。そのため、一般には、遮断器は再点弧を回避するために十分速やかな絶縁回復特性を要求される。
アーク接触子間の絶縁破壊を回避するためには、アーク接触子の開極速度を向上させるか、又はアーク接触子先端の電界を緩和する必要がある。アーク接触子の開極速度を向上させると、遮断器の操作エネルギーが大きくなり、また機械的信頼性が低下する。
一方、可動するアーク接触子は、その先端が絶縁ノズルの最小断面積部(スロート部)を通過する際に電界が上昇し、さらに放電パスが形成されやすいので、絶縁破壊が発生しやすい。このため、進み小電流遮断性能が低下する場合があった。特に、近年の小型の遮断器では、絶縁ノズルのスロート部と可動アーク接触子先端のギャップが小さいことが多く、進み小電流遮断性能に影響を与える虞があった。
しかしながら、絶縁ノズルのスロート部と可動アーク接触子先端のギャップを大きく取ると、スロート部を可動アーク接触子先端が通過する際の両者間の流路断面積が増大し、流量が多くなるため、電界の高いアーク接触子先端付近の圧力及び密度の低下が早まり、絶縁破壊強度が低下してしまう場合もあった。
本実施形態に係るガス遮断器は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、開極速度の向上を抑制しても良好な進み小電流遮断性能を得ることのできるガス遮断器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本実施形態のガス遮断器は、電流の遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、消弧性ガスが充填された密閉容器と、前記密閉容器内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する第1のアーク接触子及び第2のアーク接触子と、最小流路断面積となるスロート部を有し、前記第1のアーク接触子及び前記第2のアーク接触子を取り囲むように設けられ、前記遮断の過程で、前記第1のアーク接触子とともに前記第2のアーク接触子に対して相対移動することにより前記スロート部が前記第2のアーク接触子に対して相対移動し、前記第1のアーク接触子と前記第2のアーク接触子との間に発生するアークに前記消弧性ガスを誘導する絶縁ノズルと、を備え、前記第2のアーク接触子は、棒状の接触子であり、前記第1のアーク接触子と対向する側に丸頭部と、前記丸頭部に繋がる小径部と、前記小径部に繋がり前記小径部より径が大きい大径部と、を有すること、を特徴とする。
[第1の実施形態]
(概略構成)
以下では、図1および図2を参照しつつ、本実施形態のガス遮断器の全体構成を説明する。図1(a)は本実施形態のガス遮断器の投入状態を示す全体構成の断面図であり、図1(b)は電流遮断動作中の状態を示す全体構成の断面図である。図2は、投入状態から電流遮断動作過程の状態を示すガス遮断器の部分拡大断面図である。
(概略構成)
以下では、図1および図2を参照しつつ、本実施形態のガス遮断器の全体構成を説明する。図1(a)は本実施形態のガス遮断器の投入状態を示す全体構成の断面図であり、図1(b)は電流遮断動作中の状態を示す全体構成の断面図である。図2は、投入状態から電流遮断動作過程の状態を示すガス遮断器の部分拡大断面図である。
本実施形態のガス遮断器は、接地された金属や碍子等からなる密閉容器(図示せず)を有し、その内部には消弧性ガスが充填されている。
消弧性ガスは、消弧性能及び絶縁性能に優れたガスであり、例えば六フッ化硫黄ガス(SF6ガス)が挙げられる。但し、SF6ガスは、二酸化炭素ガスの23900倍の地球温暖化効果を有すると言われており、環境保全の観点から、SF6ガスよりも地球温暖化係数の小さいガスを用いるようにしても良い。この地球温暖化係数の小さいガスとしては、空気、二酸化炭素、酸素、窒素またはそれらの混合ガス等が挙げられる。
本実施形態のガス遮断器は、図1に示すように、固定接触子部10と可動接触子部20とを有し、これらは密閉容器内に収容されている。固定接触子部10と可動接触子部20は、円筒又は円柱を基本形とする複数の部材で構成され、全て共通の中心軸を有する。なお、以下では、各部材の位置関係及び方向を説明するのに、固定接触子部10側の方向を前方と、その反対側の可動接触子部20側の方向を後方と呼ぶ場合がある。また、固定接触子部10と可動接触子部20との間(後述するアーク空間)の方を先端、当該空間から遠ざかる方を後端と呼ぶ場合がある。
固定接触子部10は、固定アーク接触子11及び固定通電接触子12を有する。可動接触子部20は、可動アーク接触子21及び可動通電接触子22を有する。固定通電接触子12と可動通電接触子22とが相対し、これらの接離により電流の投入及び遮断が切り替えられ、固定アーク接触子11と可動アーク接触子21とが相対し、これらの開離によりアーク40の発弧を引き受ける。
固定接触子部10は密閉容器内で位置が固定され、可動接触子部20は、中心軸に沿って固定接触子部10から開離及び接触する方向に移動可能となっている。すなわち、可動接触子部20は、操作機構(不図示)の操作力によって中心軸に沿って移動する概略円筒形状の操作ロッド25を備える。操作ロッド25が可動接触子部20を固定接触子部10側へ押し込み、又は固定接触子部10側から引き離すことで、可動接触子部20が固定接触子部10に対して接離する。
アーク40への消弧性ガスの吹き付けは、ガス流発生手段により達成される。ガス流発生手段は、操作ロッド25の側周壁を囲むように設けられたトーラス形状の蓄圧室26と、絶縁ノズル23とを備える。
蓄圧室26は、操作ロッド25の移動に連動して容積可変であり、電流遮断過程で容積が減少し、内部空間の蓄圧に伴って室外へ消弧性ガスを供給する。絶縁ノズル23は、蓄圧室26とアーク空間とを繋ぐ連通孔24aとアーク40が発生する空間(アーク空間)とを包囲し、蓄圧室26から放出された消弧性ガスをアーク40へ案内する。
(詳細構成)
(接触子11、12、21、22)
固定通電接触子12及び可動通電接触子22は、それぞれ端面が開口した円筒形状を有する導体であり、互いに開口を向かい合わせて同一軸上に配置されている。固定通電接触子12の開口縁は内部に膨出しており、当該開口縁部分の内径と可動通電接触子22の外径は一致している。
(接触子11、12、21、22)
固定通電接触子12及び可動通電接触子22は、それぞれ端面が開口した円筒形状を有する導体であり、互いに開口を向かい合わせて同一軸上に配置されている。固定通電接触子12の開口縁は内部に膨出しており、当該開口縁部分の内径と可動通電接触子22の外径は一致している。
固定通電接触子12及び可動通電接触子22は、相対的に移動可能となっており、固定通電接触子12の開口に可動通電接触子22が差し込まれることで、固定通電接触子12の内面と可動通電接触子22の外面とが接触し、電気的に導通できる状態となる。
固定通電接触子12は、中空で円筒形状の固定支え14に、筒が続くように固定されている。固定アーク接触子11は、一端が丸みを帯びた中実の棒状の導体である。固定支え14の内壁面には、棒状又は板状の部材である支持部13が、固定支え14の内壁面から固定支え14内部に突き出るように固定されている。固定アーク接触子11は、この支持部13を介して固定支え14内に固定支持されている。
ここで、固定アーク接触子11について、より詳細に説明する。本実施形態の固定アーク接触子11は、前述のように棒状であり、可動接触子20と対向し先端が丸みを帯びた丸頭部11aと、小径部11bと、大径部11cとを有している。
丸頭部11aは、対向する可動アーク接触子21に向けて縮径し、その外形はドーム状に丸くなっている。小径部11bは、丸頭部11aに繋がっており、その径は丸頭部11aの最大径と同じである。なお、小径部11bの径は可動アーク接触子21の後述する開口径と同じであり、固定アーク接触子11が可動アーク接触子21に差し込まれて、固定アーク接触子11の小径部11bと可動アーク接触子21の開口縁とが接触する。大径部11cは、小径部11bと繋がっており、小径部11bよりも径が大きく構成されている。なお、大径部11cと小径部11bは、図1、2に示すようになだらかに傾斜させて接続させても良いし、階段状に接続しても良い。
可動アーク接触子21は、両端が開口した中空の円筒形状を有する導体である。電流遮断過程では、可動アーク接触子21が固定アーク接触子11から開離して両接触子11、21間にアークが発生するアーク空間が形成される。可動アーク接触子21の内部空間は一端の開口を介してアーク空間と連通し、アーク空間からのガス排気流路の一つとなる。
可動アーク接触子21の開口縁は内部に膨出し、当該開口縁部分の内径は固定アーク接触子11の小径部11bの外径と一致する。可動アーク接触子21は固定アーク接触子11に対し相対的に移動が可能であり、固定アーク接触子11が可動アーク接触子21の開口に差し込まれることで、両接触子11、21が互いに接触し、導通できる状態となる。
なお、可動アーク接触子21の先端は円周方向に分割され、指状電極となっている場合もある。その場合、可動アーク接触子21は可撓性を有し、可動アーク接触子21の開口縁の内径は、固定アーク接触子11の小径部11bの外径より若干小さくされて窄められている。
(操作ロッド25)
操作ロッド25は、可動アーク接触子21が固着する先端が開口した内部中空の筒である。後端が図示しない操作機構に接続されて、絶縁ロッド28を介して軸方向に押し出され、又は引き込まれる。可動アーク接触子21と操作ロッド25は同径であり、可動アーク接触子21は操作ロッド25の先端開口縁に周縁を合わせて立設している。操作ロッド25は中空部分がアーク空間と連通しており、アーク空間に存在するガスの排気流路となる。
操作ロッド25は、可動アーク接触子21が固着する先端が開口した内部中空の筒である。後端が図示しない操作機構に接続されて、絶縁ロッド28を介して軸方向に押し出され、又は引き込まれる。可動アーク接触子21と操作ロッド25は同径であり、可動アーク接触子21は操作ロッド25の先端開口縁に周縁を合わせて立設している。操作ロッド25は中空部分がアーク空間と連通しており、アーク空間に存在するガスの排気流路となる。
(蓄圧室26)
蓄圧室26は、シリンダ24、ピストン27、操作ロッド25により構成される。シリンダ24は、一端が有底で他端が開口した筒形状の導体であり、有底部が操作ロッド25の先端と面一になるように操作ロッド25に連結され、操作ロッド25と共に移動する。詳細には、シリンダ24は、その内径が操作ロッド25の外径よりも大きく、操作ロッド25と共通の中心軸を有する。有底部は、円盤状であり、操作ロッド25の先端外周縁からフランジ状に拡がり、有底部の外周縁から立ち上がる側周壁は、固定接触子部10と反対方向に延びる。
蓄圧室26は、シリンダ24、ピストン27、操作ロッド25により構成される。シリンダ24は、一端が有底で他端が開口した筒形状の導体であり、有底部が操作ロッド25の先端と面一になるように操作ロッド25に連結され、操作ロッド25と共に移動する。詳細には、シリンダ24は、その内径が操作ロッド25の外径よりも大きく、操作ロッド25と共通の中心軸を有する。有底部は、円盤状であり、操作ロッド25の先端外周縁からフランジ状に拡がり、有底部の外周縁から立ち上がる側周壁は、固定接触子部10と反対方向に延びる。
ピストン27は、ドーナツ状の平板であり、中央の開口に操作ロッド25が摺動可能に貫通し、外径がシリンダ24の内径と一致し、シリンダ24に嵌め込まれる。このピストン27は、固定接触子部10とは反対の方向に延びるピストン支え27aによって密閉容器内で位置固定されている。
(蓄圧室後方の構成)
ピストン支え27aは、ピストン27から軸方向に直線的に延びる円筒形状で、途中から屈折してサポート33に向けて延び、その先端がサポート33で固定される。サポート33は、一端面が有底の円筒形状の導体であり、有底の端面を後方にして、前方の開口にシリンダ24が嵌め込まれるようにして配置されている。サポート33後方の端面は開口しており、操作ロッド25はこの開口に挿通されて、サポート33内部を貫通している。
ピストン支え27aは、ピストン27から軸方向に直線的に延びる円筒形状で、途中から屈折してサポート33に向けて延び、その先端がサポート33で固定される。サポート33は、一端面が有底の円筒形状の導体であり、有底の端面を後方にして、前方の開口にシリンダ24が嵌め込まれるようにして配置されている。サポート33後方の端面は開口しており、操作ロッド25はこの開口に挿通されて、サポート33内部を貫通している。
サポート33の後端面には、筒形状がサポート33から続くように同径の円筒形状を有する通電サポート34が、同軸上に配置されている。通電サポート34は通電状態で電路の一部となる部材を支持するものである。通電サポート34は、円筒形状を有する絶縁性の部材であり、一端がサポート33に接続され、他端は密閉容器に固定されて、サポート33を固定支持するとともにサポート33と密閉容器とを絶縁する。絶縁ロッド28は、これらサポート33及び通電サポート34によって取り囲まれる。
サポート33の前方の開口端には、概略円筒形状の導体である通電接触子31が立設している。この通電接触子31の前方開口端は内部に膨出しており、内径がシリンダ24の外径と一致して接触し、シリンダ24が摺動可能になっている。
(絶縁ノズル23)
絶縁ノズル23は、シリンダ24の有底部に固定接触子部10に向けて立設している。シリンダ24の有底部には貫通孔24aが設けられており、絶縁ノズル23は、蓄圧室26で発生したガス流を、貫通孔24aを介してアーク空間へ誘導する整流手段である。
絶縁ノズル23は、シリンダ24の有底部に固定接触子部10に向けて立設している。シリンダ24の有底部には貫通孔24aが設けられており、絶縁ノズル23は、蓄圧室26で発生したガス流を、貫通孔24aを介してアーク空間へ誘導する整流手段である。
絶縁ノズル23は、流路断面積が最小となるスロート部23aを有するラバールノズル形状であり、スロート部23aより先端側部分が拡径するテーパー形状になっている。すなわち、絶縁ノズル23は可動アーク接触子21を包囲するように、軸方向に固定アーク接触子11側へ延び、可動アーク接触子21の先端を通過後、内径が固定アーク接触子11の大径部11cの径よりも若干大きい程度まで窄み、最小内径部分となるスロート部23aに至ったところで先端に向けて直線的に拡がるテーパー形状となっている。
絶縁ノズル23内部には、可動アーク接触子21をその外周から覆うようにシリンダ24の有底部に立設する絶縁ガイド43が設けられている。絶縁ガイド43は、絶縁ノズル23と可動アーク接触子21とを絶縁するとともに、絶縁ノズル23との間で蓄圧室26からのガス流の流路を形成する。
(作用)
(遮断動作)
以上の構成を有するガス遮断器の電流遮断動作を以下に説明する。
電流遮断動作は、事故電流、進み小電流、リアクトル遮断等の遅れ負荷電流、又は極めて小さな事故電流の遮断を要する場合など、ガス遮断器を電流の投入状態から遮断状態に切り替える操作である。
(遮断動作)
以上の構成を有するガス遮断器の電流遮断動作を以下に説明する。
電流遮断動作は、事故電流、進み小電流、リアクトル遮断等の遅れ負荷電流、又は極めて小さな事故電流の遮断を要する場合など、ガス遮断器を電流の投入状態から遮断状態に切り替える操作である。
図2(a)に示す投入状態から電流遮断動作を行う場合、操作機構を駆動させる。操作ロッド25は、操作機構の操作力を受けて、固定接触子部10とは反対の方向に中心軸に沿って移動する。そうすると、可動接触子部20が対向接触子部10に対し離れるように中心軸に沿って移動し、固定通電接触子12に対して可動通電接触子22が開離する。
また、可動接触子部20の移動によって、操作ロッド25に連結しているシリンダ24は、その有底部が位置固定のピストン27に対して接近するように移動するため、蓄圧室26の容積減少が発生し、ボイルの法則に従い蓄圧室26内の消弧性ガスが蓄圧される。この際、操作ロッド25には可動アーク接触子21が立設するとともに、シリンダ24の有底部に絶縁ノズル23が立設していることから、操作ロッド25の移動と共に可動アーク接触子21及び絶縁ノズル23が固定アーク接触子11に対して相対的に移動する。
遮断動作が更に進行し、固定アーク接触子11に対して可動アーク接触子21が開離すると、その直後に図2(b)に示すように、両アーク接触子11、21間にアーク40が発弧する。
アーク40は非常に高温であるため、アーク40から高温ガスが発生すると共に、アーク40に加熱された周囲の消弧性ガスも高温となる。この過程で発生した高温ガスは蓄圧室26に流れ込み、アーク40由来の熱エネルギーが蓄圧室26に取り込まれる。これにより、蓄圧室26内の消弧性ガスは更に昇圧される。
遮断動作が進行し、両アーク接触子11、21間の距離が十分開き、かつ蓄圧室26が十分蓄圧されると、蓄圧室26内の消弧性ガスが連通孔24aを通って絶縁ノズル23内に噴出する。噴流となった消弧性ガスは、絶縁ノズル23と絶縁ガイド43との間を流路として、アーク40に向けて案内され、アーク40に強力に吹き付けられる。そして、電流零点を迎えると、アーク40は強力な消弧性ガスの吹き付けと相俟って消弧に至り、電流遮断が完了する。
ここで、図2(b)に示すように、進み電流遮断動作の初期の段階では、絶縁ノズル23のスロート部23a(最小流路断面積部)は、固定アーク接触子11の大径部11cと近接し、両方の間の隙間断面積が小さいため、アーク空間から下流側(固定接触子部10側)へのガス流出が少ない。従って、アーク空間における圧力及び密度は、隙間断面積が大きい場合より比較的高い状態を維持することができ、絶縁強度を向上させることができる。
一方、遮断動作が進み、絶縁ノズルのスロート部が固定アーク接触子の先端を通過する際には、一般には、固定アーク接触子の先端付近で電界が上昇し、放電パスが形成されやすくなる。しかし、本実施形態では、図2(c)に示すように、絶縁ノズル23のスロート部23aは大径部11cよりも径の小さい小径部11b、丸頭部11aを通過することになるため、固定アーク接触子11とスロート部23aとのギャップが十分に保たれる。従って、電界も比較的抑制され、絶縁破壊が発生しにくくなる。
遮断動作過程において発生したアーク空間の高温のガスは、大別すると、後方の可動接触子部20側及び前方の固定接触子部10側へと排気される。固定接触子部10側への高温ガスは、絶縁ノズル23及び固定支え13の内部を通った後、密閉容器内に排気される。
一方、可動接触子部20側へ排出される高温ガスは、アーク空間から可動アーク接触子21の開口を通じて操作ロッド25の中空部分に流入する。さらに、流入した高温ガスは、操作ロッド25の後方に設けられた連通穴25a及びサポート33に設けられた排気穴33aを通じて密閉容器内に排気される。
(効果)
本実施形態のガス遮断器は、電流の遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、消弧性ガスが充填された密閉容器と、密閉容器内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する可動アーク接触子21及び固定アーク接触子11と、最小流路断面積となるスロート部23aを有し、可動アーク接触子21及び固定アーク接触子11を取り囲むように設けられ、遮断の過程で、可動アーク接触子21とともに固定アーク接触子11に対して相対移動することによりスロート部23aが固定アーク接触子11に対して相対移動し、可動アーク接触子21と固定アーク接触子11との間に発生するアーク40に消弧性ガスを誘導する絶縁ノズル23と、を備える。また、固定アーク接触子11は、棒状の接触子であり、可動アーク接触子21と対向する側に丸頭部11aと、丸頭部11aに繋がる小径部11bと、小径部11bに繋がり小径部11bより径が大きい大径部11cと、を有するようにした。
本実施形態のガス遮断器は、電流の遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、消弧性ガスが充填された密閉容器と、密閉容器内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する可動アーク接触子21及び固定アーク接触子11と、最小流路断面積となるスロート部23aを有し、可動アーク接触子21及び固定アーク接触子11を取り囲むように設けられ、遮断の過程で、可動アーク接触子21とともに固定アーク接触子11に対して相対移動することによりスロート部23aが固定アーク接触子11に対して相対移動し、可動アーク接触子21と固定アーク接触子11との間に発生するアーク40に消弧性ガスを誘導する絶縁ノズル23と、を備える。また、固定アーク接触子11は、棒状の接触子であり、可動アーク接触子21と対向する側に丸頭部11aと、丸頭部11aに繋がる小径部11bと、小径部11bに繋がり小径部11bより径が大きい大径部11cと、を有するようにした。
これにより、遮断動作初期は両アーク接触子11、21間の圧力及び消弧性ガス密度の高い状態を維持できる一方、再点弧を発生させやすい絶縁ノズル23のスロート部23aを固定アーク接触子11の丸頭部11aが通過する際には十分なギャップが維持されるので再点弧を回避することができる。このため、開極速度を抑制しても、速やかな絶縁回復が得られ、良好な進み小電流遮断性能を得ることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態について、図3を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
第2の実施形態について、図3を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図3は、第2の実施形態に係るガス遮断器の部分拡大断面図である。第2の実施形態に係るガス遮断器は、固定アーク接触子11の大径部11cの径と、絶縁ノズル23のスロート部23aの径とが略一致している。略一致には、一致を含み、若干の隙間がある場合を含んでも良い。大径部11cのスロート部23aは、遮断の過程で摺動するようになっている。
電流遮断動作の初期の過程で、固定アーク接触子11の大径部と、絶縁ノズル23のスロート部23aとが摺動接触することにより、両方の間の隙間断面積がゼロになるので、両アーク接触子11、21間の圧力及び密度低下を最小に抑えることができ、絶縁強度を向上させることができる。
[第3の実施形態]
(構成)
第3の実施形態について、図4を用いて説明する。第3の実施形態は、第2の実施形態と基本構成は同じである。第2の実施形態と異なる点のみを説明し、第2の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
(構成)
第3の実施形態について、図4を用いて説明する。第3の実施形態は、第2の実施形態と基本構成は同じである。第2の実施形態と異なる点のみを説明し、第2の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図4は、第3の実施形態に係るガス遮断器の部分拡大断面図である。第3の実施形態に係るガス遮断器は、固定アーク接触子11が、丸頭部11a、小径部11b、及び大径部11cに加えて、小径部11bとは反対側の大径部11cの後端側にテーパー部11dを更に有している。
すなわち、本実施形態の固定アーク接触子11は、可動アーク接触子21と対向する側から、丸頭部11a、小径部11b、大径部11c、テーパー部11dの順に構成されている。テーパー部11dは、大径部11cの後端から前方(固定接触子10側)にかけて拡径している。換言すれば、可動アーク接触子21と対向する側とは反対方向にいくにつれて径が大きくなっている。
このテーパー部11dのテーパー角度は、絶縁ノズル23のスロート部23aより先端側部分のテーパー部分と略同一になっている。略同一には、同一も含み若干異なる程度も含む。この程度は、テーパー部11dと絶縁ノズル23との間に流れるガス流が乱れにくく、テーパー部11d壁面の流れの剥離が抑制される程度である。
(作用・効果)
本実施形態では、固定アーク接触子11は、大径部11cに繋がり、大径部11cよりも拡径するテーパー部11dを更に有する。これにより、テーパー部分11dが絶縁ノズル23の内壁に向かってせり出すことになる。従って、電流遮断動作初期の段階において、テーパー部11dがない場合よりも、テーパー部11dと絶縁ノズル23のスロート部23a下流側のテーパー部分とで流路断面積の小さい流路が形成されるため、両アーク接触子11、21間の圧力及び密度低下が抑制され、絶縁強度を向上させることができる。
本実施形態では、固定アーク接触子11は、大径部11cに繋がり、大径部11cよりも拡径するテーパー部11dを更に有する。これにより、テーパー部分11dが絶縁ノズル23の内壁に向かってせり出すことになる。従って、電流遮断動作初期の段階において、テーパー部11dがない場合よりも、テーパー部11dと絶縁ノズル23のスロート部23a下流側のテーパー部分とで流路断面積の小さい流路が形成されるため、両アーク接触子11、21間の圧力及び密度低下が抑制され、絶縁強度を向上させることができる。
また、第2の実施形態と同様に、絶縁ノズル23は、そのスロート部23aより先端側部分が当該先端側にかけて拡径するテーパー形状であり、固定アーク接触子11のテーパー部11dのテーパー角度は、絶縁ノズル23のテーパー形状部分のものと略同一にするようにした。これにより、絶縁ノズル23のテーパー部分とテーパー部11dが略平行になるので、両方の間の流路の流れが乱れにくくなる。従って、固定アーク接触子11のテーパー部11d壁面の流れの剥離が抑制されるので、ガス密度が安定し、安定した絶縁強度を得ることができる。
[その他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。具体的には、第1乃至第3の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせたものも包含される。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。具体的には、第1乃至第3の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせたものも包含される。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、第1乃至第3の実施形態では、固定接触子部10を固定して、可動接触子部20のみ軸方向に移動させるよう構成したが、固定接触子部10に対して可動接触子部20が相対的に移動するように、固定接触子部10も軸方向に移動させ、相対的開極速度を向上させようとするいわゆるデュアルモーション機構にしても良い。
更に、第1乃至第3の実施形態では、操作機構による機械的作用による蓄圧室を有するガス遮断器を示したが、アークの熱エネルギーを取り込んで蓄圧する蓄圧室を有するいわゆる自力効果を用いたタイプのガス遮断器や、機械的作用の蓄圧室と熱エネルギー作用による蓄圧室を有するガス遮断器に対しても適用可能である。
10 固定接触子部
11 固定アーク接触子
11a 丸頭部
11b 小径部
11c 大径部
11d テーパー部
12 固定通電接触子
13 支持部
14 固定支え
20 可動接触子部
21 可動アーク接触子
22 可動通電接触子
23 絶縁ノズル
23a スロート部
24 シリンダ
24a 貫通孔
25 操作ロッド
25a 連通穴
26 蓄圧室
27 ピストン
27a ピストン支え
28 絶縁ロッド
31 通電接触子
33 サポート
33a 排気穴
34 通電サポート
40 アーク
43 絶縁ガイド
11 固定アーク接触子
11a 丸頭部
11b 小径部
11c 大径部
11d テーパー部
12 固定通電接触子
13 支持部
14 固定支え
20 可動接触子部
21 可動アーク接触子
22 可動通電接触子
23 絶縁ノズル
23a スロート部
24 シリンダ
24a 貫通孔
25 操作ロッド
25a 連通穴
26 蓄圧室
27 ピストン
27a ピストン支え
28 絶縁ロッド
31 通電接触子
33 サポート
33a 排気穴
34 通電サポート
40 アーク
43 絶縁ガイド
Claims (4)
- 電流の遮断と投入を切り替えるガス遮断器であって、
消弧性ガスが充填された密閉容器と、
前記密閉容器内に対向配置され、遮断又は投入の際に互いに接触又は離反する第1のアーク接触子及び第2のアーク接触子と、
最小流路断面積となるスロート部を有し、前記第1のアーク接触子及び前記第2のアーク接触子を取り囲むように設けられ、前記遮断の過程で、前記第1のアーク接触子とともに前記第2のアーク接触子に対して相対移動することにより前記スロート部が前記第2のアーク接触子に対して相対移動し、前記第1のアーク接触子と前記第2のアーク接触子との間に発生するアークに前記消弧性ガスを誘導する絶縁ノズルと、
を備え、
前記第2のアーク接触子は、棒状の接触子であり、前記第1のアーク接触子と対向する側に丸頭部と、前記丸頭部に繋がる小径部と、前記小径部に繋がり前記小径部より径が大きい大径部と、を有すること、
を特徴とするガス遮断器。 - 前記遮断の過程で、前記第2のアーク接触子の前記大径部と、前記絶縁ノズルの前記スロート部とが摺動すること、
を特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。 - 前記第2のアーク接触子は、前記大径部に繋がり、前記大径部よりも拡径するテーパー部を有すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のガス遮断器。 - 前記絶縁ノズルは、そのスロート部より先端側部分が当該先端側にかけて拡径するテーパー形状であり、
前記テーパー部は、前記絶縁ノズルのテーパー形状部分とテーパー角度が略同一であること、
を特徴とする請求項3に記載のガス遮断器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015016491A JP2016143473A (ja) | 2015-01-30 | 2015-01-30 | ガス遮断器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015016491A JP2016143473A (ja) | 2015-01-30 | 2015-01-30 | ガス遮断器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016143473A true JP2016143473A (ja) | 2016-08-08 |
Family
ID=56570605
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015016491A Pending JP2016143473A (ja) | 2015-01-30 | 2015-01-30 | ガス遮断器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2016143473A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2023042147A (ja) * | 2021-09-14 | 2023-03-27 | 株式会社日立製作所 | ガス遮断器 |
| JP2023056743A (ja) * | 2021-10-08 | 2023-04-20 | 日新電機株式会社 | ガス開閉器 |
-
2015
- 2015-01-30 JP JP2015016491A patent/JP2016143473A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2023042147A (ja) * | 2021-09-14 | 2023-03-27 | 株式会社日立製作所 | ガス遮断器 |
| JP7588060B2 (ja) | 2021-09-14 | 2024-11-21 | ヒタチ・エナジー・リミテッド | ガス遮断器 |
| JP2023056743A (ja) * | 2021-10-08 | 2023-04-20 | 日新電機株式会社 | ガス開閉器 |
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