JP2016145653A - 太陽熱集熱管、太陽光−熱変換装置及び太陽熱発電装置 - Google Patents

太陽熱集熱管、太陽光−熱変換装置及び太陽熱発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光を熱に効率的に変換することが可能な太陽熱集熱管を提供する。
【解決手段】本発明の太陽熱集熱管1は、内部を熱媒体2が流通可能な管3と、管3の外側表面上に形成された赤外線反射層4と、赤外線反射層4上に形成された太陽光−熱変換層5であって、ケイ化マンガンを含有する太陽光−熱変換層5と、太陽光−熱変換層5上に形成された反射防止層6とを有する。太陽光−熱変換層5に用いられるケイ化マンガンは半導体であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽熱集熱管、太陽光−熱変換装置及び太陽熱発電装置に関する。
太陽光を熱に変換し、その熱を利用して発電を行う太陽熱発電装置が知られている。この装置では、集光手段によって太陽光を集光し、その集光した太陽光によって太陽熱集熱管内の熱媒体を加熱した後、その加熱した熱媒体の熱エネルギーを発電機で利用することによって発電が行われる。そのため、太陽光を熱に変換する効率(その結果として発電効率)を高める観点から、太陽熱集熱管の外側表面に太陽光を熱に変換する層(以下、「太陽光−熱変換層」という)等を形成することにより、集光した太陽光による熱媒体の加熱を促進することが検討されている。
例えば、特許文献1には、太陽光−熱変換層として、サーメット層を用いることが提案されている。ここで、サーメット(Cermet)とは、セラミック(Ceramic)と金属(Metal)とを複合させた材料のことを言う。
また、特許文献2には、太陽光−熱変換層として、一方に選択的コーティング、他方に放射性のコーティングを形成したシート材料を用いることが提案されている。
欧州特許第1397622号明細書 特開昭57−55363号公報
しかしながら、上記のような従来の太陽光−熱変換層を有する太陽熱集熱管は、太陽光を熱に変換する効率が依然として十分ではない。そのため、集光した太陽光による熱媒体の加熱を促進し、より効率的に太陽光を熱に変換することが強く望まれている。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、太陽光を熱に効率的に変換することが可能な太陽熱集熱管及び太陽光−熱変換装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、発電効率の高い太陽熱発電装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究した結果、太陽光−熱変換層に用いるのに適した特性をケイ化マンガンが有していることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の第(1)項〜第(6)項である。
(1)内部を熱媒体が流通可能な管と、前記管の外側表面上に形成された赤外線反射層と、前記赤外線反射層上に形成された太陽光−熱変換層であって、ケイ化マンガンを含有する太陽光−熱変換層と、前記太陽光−熱変換層上に形成された反射防止層とを有する太陽熱集熱管。
(2)前記ケイ化マンガンは半導体である第(1)項に記載の太陽熱集熱管。
(3)前記ケイ化マンガンはMn11Si19を主成分とする第(1)項又は第(2)項に記載の太陽熱集熱管。
(4)前記赤外線反射層と前記太陽光−熱変換層との間に光透過層がさらに形成されている第(1)項〜第(3)項のいずれか一項に記載の太陽熱集熱管。
(5)第(1)項〜第(4)項のいずれか一項に記載の太陽熱集熱管と、前記太陽熱集熱管に太陽光を集光する集光手段とを有することを特徴とする太陽光−熱変換装置。
(6)第(5)項に記載の太陽光−熱変換装置と、発電機とを有する太陽熱発電装置であって、前記太陽光−熱変換装置における前記太陽熱集熱管内の熱媒体を加熱し、且つ加熱された前記熱媒体の熱エネルギーを前記発電機で利用して電力を発生させる太陽熱発電装置。
本発明によれば、太陽光を熱に効率的に変換することが可能な太陽熱集熱管及び太陽光−熱変換装置を提供することができる。
また、本発明によれば、発電効率の高い太陽熱発電装置を提供することができる。
実施の形態1における太陽熱集熱管の断面図である。 太陽光の光スペクトルと黒体輻射の光スペクトルを示すグラフである。 赤外線反射層と太陽光−熱変換層との間に光透過層をさらに有する実施の形態1における太陽熱集熱管の断面図である。 実施の形態2の太陽光−熱変換装置の断面図である。 実施例1で作製した積層体を説明するための図である。 実施例2で作製した積層体を説明するための図である。 比較例1で作製した積層体を説明するための図である。 実施例1〜2及び比較例1の積層体の吸収特性を示すグラフである。
実施の形態1.
以下、本発明の太陽熱集熱管の好適な実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態の太陽熱集熱管の断面図である。
図1において、本実施の形態の太陽熱集熱管1は、内部を熱媒体2が流通可能な管3と、管3の外側表面上に形成された赤外線反射層4と、赤外線反射層4上に形成された太陽光−熱変換層5と、太陽光−熱変換層5上に形成された反射防止層6とを有する。
内部を熱媒体2が流通可能な管3としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。一般的には、管3の材質は、鉄系材料(例えば、ステンレス鋼、耐熱鋼、合金鋼、炭素鋼)、アルミニウム系材料等の耐熱性を有する金属を用いることができる。これらの中でも、使用環境(例えば、管3の加熱温度)を考慮すると、ステンレス鋼又は耐熱鋼製の管3あることが好ましい。
管3の内部を流通する熱媒体2としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。熱媒体2の例としては、水、油、溶融塩(例えば、溶融ナトリウム)等が挙げられる。
管3の外側表面上に形成される赤外線反射層4は、熱媒体2及び管3からの熱輻射(熱放射)を反射する機能を有する。一般に、太陽熱利用における熱媒体2及び管3などの材料は、600℃程度の高温にまで加熱されるが、その際に放射される電磁波のほとんどは赤外線となる。そのため、赤外線反射層4は、この赤外域の光を反射する機能を主に有している。すなわち、赤外線反射層4は、熱媒体2及び管3に与えられた熱エネルギーが、熱輻射により管3の外部に放出されるのを抑制している。
赤外線反射層4としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。赤外線反射層4の例としては、モリブデン(Mo)層、タングステン(W)層、銀(Ag)層、金(Au)層、銅(Cu)層等が挙げられる。その中でも、熱輻射を反射しつつ、太陽光の吸収を補助する機能に優れるモリブデン(Mo)層が好ましい。
赤外線反射層4の厚さは、本発明の効果を奏することができる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは10nm〜500nmである。
赤外線反射層4の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなど)を用いることにより、赤外線反射層4を形成することができる。
赤外線反射層4上に形成される太陽光−熱変換層5は、熱輻射による放熱を抑えつつ、太陽光を効率良く吸収するという機能を有する。
太陽光−熱変換層5は、ケイ化マンガンを含有する。ケイ化マンガンを太陽光−熱変換層5に用いることにより、上記の機能を得ることができる。
ここで、「ケイ化マンガン」とは、ケイ素(Si)とマンガン(Mn)とから構成される化合物のことを意味する。ケイ化マンガンの例としては、MnSi、MnSi、Mn11Si19、Mn15Si26、Mn27Si47等が挙げられる。
ケイ化マンガンは、ケイ素とマンガンとの割合によって、金属又は半導体となる。例えば、MnSiは、電気抵抗率が2×10−8Ωmの金属であるが、Mn11Si19は半導体である。
金属であるケイ化マンガンは、基本的に、全ての波長の光を吸収するため、吸収率の傾きは半導体であるケイ化マンガンよりも緩やかになる。そのため、太陽光−熱変換層5に用いられるケイ化マンガンは、各種ケイ化マンガンの中でも、半導体であるケイ化マンガン、特にMn11Si19を主成分として含有することが好ましい。
ここで、本明細書において「主成分」とは、各種成分を含有する組成のうちで最も量が多い成分のこと、具体的には50質量%よりも多い成分のことを意味する。
Mn11Si19は、バンドギャップが0.64eVの半導体であるため、このバンドギャップに相当する波長(約1937nm)よりも短波長側の光を吸収し、このバンドギャップに相当する波長よりも超波長側の光を吸収しない性質を有する。したがって、Mn11Si19は、バンドギャップに相当する波長の近傍で吸収率の傾きが急峻になる。そのため、Mn11Si19は、数百nmの波長の可視光から近赤外光に対して吸収率が大きく、且つ数千nmの波長の赤外光に対して吸収率が小さいという光学特性を有する。
図2に太陽光の光スペクトルと黒体輻射の光スペクトルとを示す。図2に示すように、太陽光の光スペクトルは、数百nmの波長の可視光領域を中心に拡がっているのに対して、太陽光−熱変換層5が曝される温度である数百℃(例えば200〜600℃)における黒体輻射の光スペクトルは、数千nmの波長の赤外領域を中心に拡がっている。
また一般に、不透明な材料の輻射率(放射率)は吸収率に対応しており、ある波長域の輻射率が高い場合は、同じ波長域における吸収率も高くなる。
したがって、太陽光に対する吸収率が高く、且つ熱輻射による放熱が少ない太陽光−熱変換層5を得るためには、数百nmの波長の可視域から近赤外域の光に対する吸収率を大きくし、且つ数千nmの波長の赤外域の光に対する吸収率を小さくしなければならない。
この点、本実施の形態の太陽熱集熱管1に用いられる太陽光−熱変換層5は、上記のような光学特性を有するケイ化マンガン含有しているので、太陽光のスペクトルの分布する、数百nmの波長の可視光領域の光を効率良く吸収することができる一方、数千nmの波長の赤外領域の光の吸収(即ち放射)を抑制することができる。
また、本実施の形態の太陽熱集熱管1に用いられる太陽光−熱変換層5の光の波長に対する吸収率は、1000nm〜2480nmの波長領域よりも短波長側(可視光域から近赤外域)では高く、1000nm〜2480nmの波長領域よりも長波長側(赤外域)では低くなっており、つまり、1000nm〜2480nmの狭い波長領域において吸収率が急峻に変化する。このため、熱輻射による損失を低く抑えることができ、また、太陽光を効率良く吸収することができる。その結果、太陽光を熱に効率的に変換することが可能となる。一方で、光の波長に対する吸収率の変化が緩やかである場合は、近赤外域における太陽光の吸収率が低下したり、赤外域の光の輻射率が高くなったりするため、熱エネルギーのロスが増大してしまうこととなる。
太陽光−熱変換層5は、ケイ化マンガンのみを含有してよいが、ケイ化マンガン以外の材料を更に含有することができる。すなわち、太陽光−熱変換層5は、ケイ化マンガンのみから構成しても、ケイ化マンガンとケイ化マンガン以外の材料との複合材料(コンポジット材料)から構成してもよい。
複合材料に用いられるケイ化マンガン以外の材料としては、透明誘電体を用いることができる。ケイ化マンガンと透明誘電体との複合材料とすることにより、太陽光−熱変換層5の屈折率等の特性を調節することができる。透明誘電体としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。透明誘電体の例としては、SiO、Al、AlN等が挙げられるが、その中でも光の反射を小さくする観点からSiOが好ましい。例えば、ケイ化マンガンとSiOとの複合材料は、ケイ化マンガン単体と同様に、波長に対する光の吸収率の変化(吸収率高から吸収率低への変化)が急峻である。また、太陽光のスペクトルの分布する可視域から近赤外域では高い吸収率を有し、且つ、赤外域で低い輻射率(即ち、低い吸収率)を有する。
複合材料を用いる場合、複合材料中のケイ化マンガンの含有量は、特に限定されず、例えば、10vol%以上、20vol%以上、30vol%以上、40vol%以上、50vol%以上、60vol%以上、70vol%以上、80vol%以上、90vol%以上、95vol%以上とすることができる。
太陽光−熱変換層5の厚さは、本発明の効果を奏することができる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは1nm〜10μm、より好ましくは5nm〜100nmである。
太陽光−熱変換層5は、1層でもよいし、異なる種類の太陽光−熱変換部層5からなる複数層としてもよい。
太陽光−熱変換層5の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなど)を用いることにより、太陽光−熱変換層5を形成することができる。
太陽光−熱変換層5上に形成される反射防止層6は、太陽光の反射を防止する機能を有する。
反射防止層6としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。反射防止層6の例としては、SiO層、Al層、AlN層、Cr層等の透明誘電体層が挙げられる。
反射防止層6の厚さは、本発明の効果を奏することができる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは10nm〜500nmである。
反射防止層6の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング)を用いることにより、反射防止層6を形成することができる。
本実施の形態の太陽熱集熱管1は、上記の各構成を必須の構成として有するが、図3に示すように、赤外線反射層4と太陽光−熱変換層5との間に光透過層7を有していてもよい。
光透過層7は、干渉効果によって太陽光−熱変換層5での光の吸収を促進させる機能を有する。
光透過層7としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。光透過層7の例としては、SiO層、Al層、AlN層、Cr層等の透明誘電体層が挙げられる。
光透過層7の厚さは、本発明の効果を奏することができる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは1nm〜100nmである。
光透過層7の形成方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、化学的蒸着、物理的蒸着(スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング)を用いることにより、光透過層7を形成することができる。
上記のような構成を有する本実施の形態の太陽熱集熱管1は、1000nm〜2480nmの狭い波長領域において光の吸収率が高い状態から低い状態へと変化する(即ち、吸収率特性の変化が急峻である)太陽光−熱変換層5を有しているので、熱輻射による放熱を抑えつつ、太陽光を効率良く吸収することができ、太陽光の光エネルギーを熱エネルギーに効率的に変換することが可能である。
実施の形態2.
以下、本発明の太陽光−熱変換装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
図4は、本実施の形態の太陽光−熱変換装置の断面図である。
図4において、本実施の形態の太陽光−熱変換装置10は、実施の形態1の太陽熱集熱管1と、太陽熱集熱管1に太陽光Lを集光する集光手段11とを有する。なお、図4では、図面を見易くする観点から、太陽熱集熱管1の構成の詳細は示していない。
集光手段11としては、太陽熱集熱管1に太陽光Lを集光可能なものであれば特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。集光手段11は、一般に、トラフ式という放物面の断面を有する形状を有する。また、集光手段11の内面(太陽熱集熱管1側の表面)は鏡面になっており、集光手段11によって反射される太陽光Lの焦点位置に太陽熱集熱管1が支持される。なお、集光手段11としては、トラフ式に限定されず、フレネル式、リニアフレネル式等を用いてもよい。
本実施の形態の太陽光−熱変換装置10は、熱媒体2を300℃〜1100℃、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは400℃〜900℃に加熱するために用いることができる。
上記のような構成を有する太陽光−熱変換装置10では、集光手段11によって太陽光Lを太陽熱集熱管1に集光し、集光した太陽光Lによって太陽熱集熱管1内の熱媒体2の加熱を行う。そして、太陽光Lが集光される太陽熱集熱管1は、加熱された熱媒体を収容する管3からの熱輻射による放熱を抑えつつ、太陽光Lを効率良く吸収することができる太陽光−熱変換層5を有しているため、太陽光Lを熱に効率的に変換することが可能である。
実施の形態3.
本実施の形態の太陽熱発電装置は、実施の形態2の太陽光−熱変換装置10と、発電機とを有する。この太陽熱発電装置では、太陽光−熱変換装置10によって太陽熱集熱管1内の熱媒体2を加熱し、且つ加熱された熱媒体2の熱エネルギーを前記発電機で利用して電力を発生させる。
上記のような構成を有する太陽熱発電装置は、太陽光Lを熱に効率的に変換することが可能な太陽光−熱変換装置10を有しているため、発電効率の高い太陽熱発電装置を提供することができる。
本発明の太陽熱発電装置に用いられる発電機としては、熱を電気に変換することが可能なものであれば特に限定されない。発電機の例としては、加熱された熱媒体2によって水、アンモニア等の蒸発媒体を蒸発させ、その蒸気によって蒸気タービンを回転させることで電力を発生させることができる発電機が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例では、太陽熱集熱管を構成する各層の積層体(管を除いた層の積層体)の特性を、光学定数(n,k)を基にして多層膜近似によって求めることで評価した。各層の光学定数については、既知のものは文献からその値を得られるが、不明な場合、実際に単層膜を作製し、多層膜近似に必要な各層の光学定数(n,k)を測定・算出することによって得た。
(実施例1)
図5に示す構造を有する積層体の吸収特性を多層膜近似によって求めた。光学定数を測定するための単層膜の作製には、基板として石英ガラス(縦30mm×横20mm×厚さ1mm)を用い、基板温度を室温に設定し、スパッタリングによって各単層膜を成膜した。成膜後、単層膜を真空炉中で温度600〜800℃で1時間アニールした。ここで、スパッタリング時の雰囲気は、Ar雰囲気(流量20sccm、圧力0.4Pa)とした。SiO層は、SiOターゲット及び高周波電流(RF)電源を用い、スパッタ電力200Wでプラズマを生成させて形成した。Mn11Si19層は、Mnターゲット、Siターゲット及び直流(DC)電源を用い、Mnのスパッタ電力5.5W、Siのスパッタ電力50Wでプラズマを生成させて形成した。
次に、図5に示す構造を有する積層体の吸収特性(集熱温度400℃対応)について、Moの光学定数(n,k)、SiOの光学定数(n,k)、及びMn11Si19の光学定数(n,k)を基にして多層膜近似によって求めた。この結果を図4に示す。
ここで、Moの光学定数(n,k)は、文献「Handbook of Optical Constants of Solids, Edward D. Palik, Academic Press, Boston, 1985」を参考にした。SiOの光学定数(n,k)及びMn11Si19の光学定数(n,k)は、分光エリプソメータによる測定データ、並びに分光光度計で測定した反射率特性及び透過率特性から算出したデータを使用した。
(実施例2)
図6に示す構造を有する積層体の吸収特性を多層膜近似によって求めた。光学定数を測定するための単層膜の作製は、実施例1と同様の条件で行った。MnSi層は、Mnターゲット、Siターゲット及び直流(DC)電源を用い、Mnのスパッタ電力8.0W、Siのスパッタ電力50Wでプラズマを生成させて形成した。
次に、図6に示す構造を有する積層体の吸収特性(集熱温度400℃対応)について、Moの光学定数(n,k)、SiOの光学定数(n,k)、及びMnSiの光学定数(n,k)を基にして多層膜近似によって求めた。この結果を図4に示す。
ここで、Moの光学定数(n,k)は、文献「Handbook of Optical Constants of Solids, Edward D. Palik, Academic Press, Boston, 1985」を参考にした。SiOの光学定数(n,k)及びMnSiの光学定数(n,k)は、分光エリプソメータによる測定データ、並びに分光光度計で測定した反射率特性及び透過率特性から算出したデータを使用した。
(比較例1)
図7に示す構造を有する積層体の吸収特性を多層膜近似によって求めた。光学定数を測定するための単層膜の作製は、実施例1と同様の条件で行った。
次に、図7に示す構造を有する積層体の吸収特性(集熱温度400℃対応)について、Moの光学定数(n,k)及びSiOの光学定数(n,k)を基にして多層膜近似によって求めた。この結果を図4に示す。
ここで、Moの光学定数(n,k)は、文献「Handbook of Optical Constants of Solids, Edward D. Palik, Academic Press, Boston, 1985」を参考にした。SiOの光学定数(n,k)は、分光エリプソメータによる測定データ及び分光光度計で測定した反射率特性及び透過率特性から算出したデータを使用した。
図8に示されているように、ケイ化マンガンを太陽光−熱変換層に用いた実施例1及び2の積層体は、光の吸収率が、1000nm〜2480nmの狭い波長範囲において高い状態から吸収率が低い状態へと変化していた。特に、ケイ化マンガンの中でもMn11Si19を太陽光−熱変換層に用いた実施例1の積層体は、1000〜2480nmの波長範囲における光吸収率の傾きが急峻(即ち、光吸収特性の変化が急峻)であり、熱輻射による放熱を抑えつつ、可視域から近赤外域での太陽光を効率良く吸収することができることがわかった。
これに対してMoを太陽光−熱変換層に用いた比較例1の積層体は、光の吸収率の変化の傾きが緩やかであり、また、吸収率が低くなり始める変化点が、実施例1及び2の太陽光−熱変換層よりも短波長側(1000nm未満の波長範囲)にあり、実施例1及び2の積層体に比べて太陽光の吸収効率が低いことがわかった。
また、上記の実施例及び比較例の積層体について、太陽光の280〜4000nmの波長領域における吸収率、輻射率(400℃)及び光熱変換効率を算出した。
その結果、吸収率は、実施例1が89.9%、実施例2が89.3%、比較例1が75.8%であった。また、輻射率は、実施例1が2.2%、実施例2が4.4%、比較例3が3.0%であった。また、光熱変換効率は、実施例1が88.6%、実施例2が86.6%、比較例1が74.0%であった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、太陽光を熱に効率的に変換することが可能な太陽熱集熱管及び太陽光−熱変換装置を提供することができる。また、本発明の太陽熱集熱管及び太陽光−熱変換装置を用いることにより、発電効率の高い太陽熱発電装置を提供することができる。
1 太陽熱集熱管、2 熱媒体、3 管、4 赤外線反射層、5 太陽光−熱変換層、6 反射防止層、7 光透過層、10 太陽光−熱変換装置、11 集光手段。

Claims (6)

  1. 内部を熱媒体が流通可能な管と、
    前記管の外側表面上に形成された赤外線反射層と、
    前記赤外線反射層上に形成された太陽光−熱変換層であって、ケイ化マンガンを含有する太陽光−熱変換層と、
    前記太陽光−熱変換層上に形成された反射防止層と
    を有する太陽熱集熱管。
  2. 前記ケイ化マンガンは半導体である請求項1に記載の太陽熱集熱管。
  3. 前記ケイ化マンガンはMn11Si19を主成分とする請求項1又は2に記載の太陽熱集熱管。
  4. 前記赤外線反射層と前記太陽光−熱変換層との間に光透過層がさらに形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽熱集熱管。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽熱集熱管と、
    前記太陽熱集熱管に太陽光を集光する集光手段と
    を有することを特徴とする太陽光−熱変換装置。
  6. 請求項5に記載の太陽光−熱変換装置と、発電機とを有する太陽熱発電装置であって、
    前記太陽光−熱変換装置における前記太陽熱集熱管内の熱媒体を加熱し、且つ加熱された前記熱媒体の熱エネルギーを前記発電機で利用して電力を発生させる太陽熱発電装置。
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