JP2016148249A - 内燃機関のシリンダ構造 - Google Patents

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泰裕 石川
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泰裕 石川
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Abstract

【課題】大幅な重量増加を抑制しつつスカートの下部における摩耗を抑制し、内燃機関の耐焼き付き性能を長期的に維持することができる内燃機関のシリンダ構造を提供する。
【解決手段】 内燃機関のシリンダ構造1は、ピストン20が下死点にあるときにピストン20のスカート21の下端がシリンダ10の下端よりも下方に突出する内燃機関のシリンダ構造1において、シリンダの内周面と同径の円弧33を有する延長ブロック30を備え、延長ブロックはシリンダの下端に部分的に配置され、延長ブロックの軸方向の長さは、下死点においてシリンダの下端よりも下方に突出したスカートの下端の最大径の部分が延長ブロックの下端よりも上方に位置するように設定されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関のシリンダ構造に関し、より詳細にはピストンスカートの下端がシリンダから突出する内燃機関のシリンダ構造に関する。
従来、ディーゼルエンジン等の内燃機関のシリンダの構造に関する技術が知られている。この内燃機関のシリンダ構造として、下死点においてピストンのスカートの下端がシリンダの下端よりも下方に突出するシリンダ構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−32976号公報
ピストンが下死点にあるときにピストンのスカートの下端がシリンダの下端よりも下方に突出する内燃機関のシリンダ構造の場合、スカートの下部が集中的に摩耗することが分かった。本発明者の研究により、この摩耗は、以下の原因によるものであることが分かった。つまり、スカートの下端がシリンダの下端よりも下方に突出するシリンダ構造において、スカートの下端の最大径の部分がシリンダの内面よりも径方向で外側に突出した場合、この状態でスカートが上方に移動した際にスカートの下端の最大径の部分がシリンダと線接触してしまう。その結果、スカートの下部に塗布されている固体潤滑剤が剥離してしまい、スカートの下部が集中的に摩耗してしまう。また、このように固体潤滑剤が剥離する結果、内燃機関の耐焼き付き性能も低下してしまう。
ところで、この摩耗の発生を抑制するために、例えば、シリンダの長さを軸方向に全体的に延長することで、スカートの下端がシリンダの下端よりも下方に突出しないようにする手法も考えられる。しかしながら、この場合、シリンダ構造の重量が大幅に増加してしまう。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、大幅な重量増加を抑制しつつスカートの下部における摩耗を抑制し、内燃機関の耐焼き付き性能を長期的に維持することができる内燃機関のシリンダ構造を提供することである。
上記の目的を達成するため本発明の内燃機関のシリンダ構造は、ピストンが下死点にあるときに前記ピストンのスカートの下端がシリンダの下端よりも下方に突出する内燃機関のシリンダ構造において、前記シリンダの内周面と同径の円弧を有する延長ブロックを備え、前記延長ブロックは前記シリンダの下端に部分的に配置され、前記延長ブロックの軸方向の長さは、前記下死点において前記シリンダの下端よりも下方に突出した前記スカートの下端の最大径の部分が前記延長ブロックの下端よりも上方に位置するように設定されていることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関のシリンダ構造によれば、ピストンが下死点にあるときにおいてスカートの下端の最大径の部分が延長ブロックよりも下方に突出することを抑制することができる。それにより、スカートの下部における固体潤滑剤の剥離を抑制することができ
ることから、スカートの下部における摩耗を抑制することができるとともに内燃機関の耐焼き付き性能を長期的に維持することができる。また、延長ブロックはシリンダの下端に部分的に配置されていることから、大幅な重量増加も抑制されている。
上記構成において、前記延長ブロックの前記円弧の中心角は、10°〜45°の範囲内である構成としてもよい。
上記構成において、前記延長ブロックは、前記シリンダの下端のスラスト側及び反スラスト側の少なくとも一方に配置されていてもよい。この構成によれば、大幅な重量増加を抑制しつつスカートの下部における摩耗を効果的に抑制することができる。
本発明に係る内燃機関のシリンダ構造によれば、大幅な重量増加を抑制しつつスカートの下部における摩耗を抑制し、内燃機関の耐焼き付き性能を長期的に維持することができる。
図1(a)は実施形態に係る内燃機関のシリンダ構造を示す模式図である。図1(b)は延長ブロック部材を拡大した模式図である。図1(c)は延長ブロック部材を上側から視認した模式図である。 図2は延長ブロックとピストンとの関係を説明するための模式的断面図である。 図3(a)及び図3(b)は比較例に係る内燃機関のシリンダ構造を説明するための模式図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関のシリンダ構造について図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は本実施形態に係る内燃機関のシリンダ構造(以下、シリンダ構造と略称する)1を示す模式図である。本実施形態に係るシリンダ構造1は、車両に搭載された内燃機関に適用されている。内燃機関の具体的な種類は特に限定されるものではないが、本実施形態においては一例としてディーゼルエンジンを用いる。シリンダ構造1は、ライナ5を有するシリンダ10と、ピストン20と、延長ブロック30とを備えている。なお、ライナ5はシリンダ10の内側部分に圧入された筒状部材(スリーブ)によって構成されている。また、図1(a)に図示されている中心軸100はライナ5の内周面の中心軸である。
なお、本実施形態においてシリンダ10はライナ5を備えているが、シリンダ構造1はこれに限定されるものではなく、例えばシリンダ10がライナ5を備えていない構造であってもよい。
ピストン20はライナ5の内部に摺動可能に配置されており、ライナ5内を上下方向に往復移動する。ピストン20には固体潤滑剤が塗布されている。ピストン20には、ピストンピン40がピストン20の径方向に挿通している。ピストンピン40はピストン20とコンロッドとを連結している。ピストン20はピストンピン40及びコンロッドを介してクランクシャフトに連結している。ピストン20のピストンピン40よりも下方側の部分をスカート21と称する。本実施形態に係るシリンダ構造1は、ピストン20が下死点にあるときにスカート21の下端がシリンダ10の下端、具体的にはライナ5の下端よりも下方に突出する構造となっている。
なお本実施形態のように、シリンダ10がライナ5を備えている場合、特段の断りがない限り、シリンダ10の内周面はライナ5の内周面を意味し、シリンダ10の下端はライナ5の下端を意味している。
延長ブロック30は、シリンダ10の下端、具体的にはライナ5の下端に部分的に配置されている。具体的には本実施形態に係る延長ブロック30は、延長ブロック部材31aと延長ブロック部材31bとを備えている。延長ブロック部材31aはライナ5の下端のスラスト側に配置され、延長ブロック部材31bはライナ5の下端の反スラスト側に配置されている。なおスラスト側とは、上死点直後にピストン20がシリンダ10の内周面、具体的にはライナ5の内周面から側圧(Side Thrust)を受ける側をいい、反スラスト側とはスラスト側の反対側をいう。本実施形態においてスラスト側は車両のフロント側に相当し、反スラスト側は車両のリア側に相当する。また、本実施形態において、延長ブロック30は、ライナ5とは別体の部材であり、ライナ5を有するシリンダ10を製造した後に、ライナ5の下端に接続されることで内燃機関に組付けられている。
図1(b)は延長ブロック部材31aを拡大した模式図である。図1(c)は延長ブロック部材31aを上側から視認した模式図である。延長ブロック部材31aは、内側に曲面32を有している。この曲面32の円弧33はシリンダ10の内周面、具体的にはライナ5の内周面と同径になっている。円弧33の中心角(θ)は特に限定されるものではないが、本実施形態においては10°〜45°の範囲内から選択される値となっている。この中心角の一例として、本実施形態においては45°が用いられている。
図2は延長ブロック30とピストン20との関係を説明するための模式的断面図である。ピストン20のスカート21の下端には、径が最大となる部分(最大径の部分)が存在している。本実施形態において、延長ブロック部材31aの軸方向(中心軸100方向)の長さは、下死点においてシリンダ10の下端(具体的にはライナ5の下端)よりも下方に突出したスカート21の下端の最大径の部分が延長ブロック部材31aの下端よりも上方に位置するように、設定されている。この場合、スカート21の最大径の部分は、下死点において延長ブロック部材31aの下端よりも下方に突出しない。
なお、本実施形態において延長ブロック部材31bの形状は延長ブロック部材31aと同じである。具体的には延長ブロック部材31bも、延長ブロック部材31aと同様に、ライナ5の内周面と同径の円弧を有している。また、延長ブロック部材31bも、その軸方向の長さは、下死点においてライナ5の下端よりも下方に突出したスカート21の下端の最大径の部分が延長ブロック部材31bの下端よりも上方に位置するように設定されている。それにより、下死点においてスカート21の最大径の部分は、延長ブロック部材31bの下端よりも下方に突出しない。また延長ブロック部材31bの円弧も、10°〜45°の範囲内から選択される中心角を有しており、具体的には45°の中心角を有している。
また、延長ブロック30は、本実施形態のようにスラスト側及び反スラスト側の両方に配置されている必要はない。他の例を挙げると、延長ブロック30はスラスト側および反スラスト側のいずれか一方のみに配置されていてもよい。あるいは延長ブロック30は、シリンダ10の下端のうち、スラスト側及び反スラスト側以外の部分にのみ配置されていてもよい。また延長ブロック30が有する部材の個数も本実施形態のように2である必要はなく、1でもよく、3以上でもよい。また、延長ブロック部材31a及び延長ブロック部材31bは、互いに異なる形状であってもよい。
続いてシリンダ構造1の作用効果について、比較例と比較しつつ説明する。図3(a)
及び図3(b)は比較例に係るシリンダ構造1aを説明するための模式図である。シリンダ構造1aは、延長ブロック30を備えていない点においてシリンダ構造1と異なっている。シリンダ構造1aのその他の構成はシリンダ構造1と同じである。
シリンダ構造1aは延長ブロック30を備えていないことから、図3(a)に示すように、ピストン20が下死点にあるときにおいてライナ5の下端よりも下方に突出したスカート21の下端の最大径の部分が、ライナ5の内周面よりも径方向で外側に突出している。この状態でピストン20が上方に移動した場合、スカート21の最大径の部分がライナ5の下端と線接触してしまう。
その結果、スカート21の下部に塗布されている固体潤滑剤が剥離してしまい、スカート21の下部が摩耗してしまう。具体的には図3(b)に示すように、軸方向に延伸した摩耗痕22がスカート21の下端に複数発生してしまう。また、このようにスカート21に塗布されている固体潤滑剤が剥離した場合、内燃機関の耐焼き付き性能が低下してしまう。
ところで、この摩耗の発生を抑制するために、ライナ5の長さを軸方向に全体的に延長してスカート21の下端がライナ5の下端よりも下方に突出しないようにする手法も考えられる。しかしながら、この場合、シリンダ構造1aの重量が大幅に増加してしまう。
これに対して本実施形態に係るシリンダ構造1によれば、下死点においてシリンダ10の下端(具体的にはライナ5の下端)よりも下方に突出したスカート21の下端の最大径の部分が延長ブロック30の下端よりも上方に位置するように、延長ブロック30の軸方向の長さが設定されていることから、下死点においてスカート21の下端の最大径の部分が延長ブロック30よりも下方に突出することを抑制することができる。それにより、スカート21の下部における固体潤滑剤の剥離を抑制することができることから、摩耗を抑制することができるとともに内燃機関の耐焼き付き性能を長期的に維持することができる。また、延長ブロック30はシリンダ10の下端、具体的にはライナ5の下端に部分的に配置されていることから、大幅な重量増加も抑制されている。すなわち、シリンダ構造1によれば、大幅な重量増加を抑制しつつスカート21の下部における摩耗を抑制し、内燃機関の耐焼き付き性能を長期的に維持することができる。
また、シリンダ10のスラスト側及び反スラスト側は、スカート21とシリンダ10との接触が特に生じ易い箇所である。これに関して、シリンダ構造1によれば、延長ブロック30はシリンダ10の下端(具体的にはライナ5の下端)のスラスト側及び反スラスト側に配置されていることから、大幅な重量増加を抑制しつつスカート21の下部における摩耗を効果的に抑制することができ、内燃機関の耐焼き付き性能を長期的に維持することができる。
なお、反スラスト側の方がスラスト側よりもスカート21に摩耗が生じ易いため、延長ブロック30は少なくとも反スラスト側に配置されていることが摩耗抑制の観点から特に好ましい。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 内燃機関のシリンダ構造
5 ライナ
10 シリンダ
20 ピストン
21 スカート
30 延長ブロック
31a,31b 延長ブロック部材
32 曲面
33 円弧

Claims (3)

  1. ピストンが下死点にあるときに前記ピストンのスカートの下端がシリンダの下端よりも下方に突出する内燃機関のシリンダ構造において、
    前記シリンダの内周面と同径の円弧を有する延長ブロックを備え、
    前記延長ブロックは前記シリンダの下端に部分的に配置され、
    前記延長ブロックの軸方向の長さは、前記下死点において前記シリンダの下端よりも下方に突出した前記スカートの下端の最大径の部分が前記延長ブロックの下端よりも上方に位置するように設定されていることを特徴とする内燃機関のシリンダ構造。
  2. 前記延長ブロックの前記円弧の中心角は、10°〜45°の範囲内である請求項1記載の内燃機関のシリンダ構造。
  3. 前記延長ブロックは、前記シリンダの下端のスラスト側及び反スラスト側の少なくとも一方に配置されている請求項1または2に記載の内燃機関のシリンダ構造。
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