JP2016155693A - 無アルカリガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】高ヤング率および高比弾性率を同時に満たす無アルカリガラスの提供。【解決手段】酸化物基準の質量%表示で、SiO240〜61、Al2O315〜23.5、MgO 2〜20、CaO 0.1〜40を含有し、[SiO2]+0.43×[Al2O3]+0.59×[CaO]−74.6≦0、かつ、[SiO2]+0.21×[MgO]+1.16×[CaO]−83.0≦0である無アルカリガラス。【選択図】なし
Description
本発明は、各種フラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に用いられるディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスとして好適な、アルカリ金属酸化物を実質上含有せず、高ヤング率および高比弾性率を同時に満たす無アルカリガラスに関する。
FPDの高精細化、大型化が進むにつれ、製造工程において、自重たわみに起因する変形や、それに伴う欠陥や板割れが生じ、歩留まりの低下が懸念されている。また、大型FPDの実用強度を十分に確保するには、基板ガラスの破壊靱性を向上させることが有用である。
このため、各種ディスプレイ用基板ガラスは、自重たわみを低減するために高比弾性率ことが求められ、かつ、破壊靭性を向上させるために高ヤング率であることが求められる。
このため、各種ディスプレイ用基板ガラスは、自重たわみを低減するために高比弾性率ことが求められ、かつ、破壊靭性を向上させるために高ヤング率であることが求められる。
一方、各種ディスプレイ用基板ガラス、特に表面に金属ないし酸化物薄膜等を形成するものでは、従来、例えば特許文献1に示されるような以下に示す特性が要求されてきた。
(1)半導体形成に用いる各種薬品に対して充分な化学耐久性を有すること、特にSiOxやSiNxのエッチングのためのバッファードフッ酸(BHF:フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液)、およびITOのエッチングに用いる塩酸を含有する薬液、金属電極のエッチングに用いる各種の酸(硝酸、硫酸等)、レジスト剥離液のアルカリに対して耐久性のあること。
(2)液晶ディスプレイ作製時の熱処理の昇降温速度を速くして、生産性を上げたり耐熱衝撃性を上げるために、ガラスの線膨張係数が小さいこと。
(1)半導体形成に用いる各種薬品に対して充分な化学耐久性を有すること、特にSiOxやSiNxのエッチングのためのバッファードフッ酸(BHF:フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液)、およびITOのエッチングに用いる塩酸を含有する薬液、金属電極のエッチングに用いる各種の酸(硝酸、硫酸等)、レジスト剥離液のアルカリに対して耐久性のあること。
(2)液晶ディスプレイ作製時の熱処理の昇降温速度を速くして、生産性を上げたり耐熱衝撃性を上げるために、ガラスの線膨張係数が小さいこと。
本発明の目的は、ディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスとして好適な、高ヤング率および高比弾性率を同時に満たす無アルカリガラスを提供することにある。
本発明は、酸化物基準の質量%表示で、
SiO2 40〜61、
Al2O3 15〜23.5、
MgO 2〜20、
CaO 0.1〜40を含有し、
[SiO2]+0.43×[Al2O3]+0.59×[CaO]−74.6≦0、かつ、
[SiO2]+0.21×[MgO]+1.16×[CaO]−83.0≦0
である無アルカリガラスを提供する。
SiO2 40〜61、
Al2O3 15〜23.5、
MgO 2〜20、
CaO 0.1〜40を含有し、
[SiO2]+0.43×[Al2O3]+0.59×[CaO]−74.6≦0、かつ、
[SiO2]+0.21×[MgO]+1.16×[CaO]−83.0≦0
である無アルカリガラスを提供する。
本発明の無アルカリガラスは、各種ディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスとして好適であるが、磁気ディスク用ガラス基板等としても使用できる。但し、各種ディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスとして、ガラス板の大型化や薄板化が求められることを考慮すると、高ヤング率であり、かつ、高比弾性率であることから、各種ディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスとして有効である。
次に各成分の組成範囲について説明する。SiO2は40%(質量%、以下特記しないかぎり同じ)未満では、失透粘性や耐酸性が低下する。45%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、53%以上であることがさらに好ましく、55%以上であることが特に好ましい。61%超では、ヤング率が低下する。60.5%以下がより好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。
Al2O3の含有によりヤング率と比弾性率が向上するが、23.5%超だと失透温度が上昇するため、ガラスの製造が困難となる。23%以下が好ましく、22%以下であることがより好ましく、21%以下であることがさらに好ましく、20%以下であることが特に好ましい。また、15%未満では、失透温度が上昇するため、ガラスの製造が困難となる。16%以上が好ましく、17%以上がより好ましく、18%以上であることがさらに好ましく、19%以上であることが特に好ましい。
MgOは、ヤング率と比弾性率の向上に寄与する。2%未満だと比弾性率が低下する。3%以上が好ましく、6%以上がより好ましく、8%以上であることがさらに好ましく、10%以上であることが特に好ましい。また、20%超では失透が発生しやすくなる。18%以下が好ましく、17%以下がより好ましく、16%以下であることがさらに好ましく、15%以下であることが特に好ましい。
CaOの含有により、失透温度を下げ、ヤング率を向上させることが可能であるが、含有量が多すぎると、SiO2との過度の置換により密度が上昇し比弾性率が低下する。このため、40%以下とする。30%以下が好ましく、25%以下がより好ましく、20%以下であることがさらに好ましく、15%以下であることが特に好ましい。一方、0.1%未満だと、上述したヤング率を向上させる効果を発揮できない。1%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、8%以上であることがさらに好ましく、10%以上であることが特に好ましい。
本願発明者らは、SiO2、Al2O3、MgOおよびCaOを主要成分とする無アルカリガラスについて、ガラスの組成と物性の関係を詳細に検討した結果、ヤング率と比弾性率を共に向上させるためには、各成分の寄与度に応じた特定の配合割合とする必要があることを見出した。下記式(1)、(2)を同時に満たす配合割合とすることで、94.5GPa以上の高ヤング率と、34.5Pa/g・cm-3以上の高比弾性率を同時に達成できる。
[SiO2]+0.43×[Al2O3]+0.59×[CaO]−74.6≦0 (1)
[SiO2]+0.21×[MgO]+1.16×[CaO]−83.0≦0 (2)
上記式(1)はヤング率94.5GPa以上を満たすための配合割合、上記式(2)は比弾性率34.5Pa/g・cm-3以上を満たすための配合割合をそれぞれ示している。上式(1)、(2)の範囲を外れると、ヤング率と比弾性の目標特性を同時に満たさなくなる。
[SiO2]+0.43×[Al2O3]+0.59×[CaO]−74.6≦0 (1)
[SiO2]+0.21×[MgO]+1.16×[CaO]−83.0≦0 (2)
上記式(1)はヤング率94.5GPa以上を満たすための配合割合、上記式(2)は比弾性率34.5Pa/g・cm-3以上を満たすための配合割合をそれぞれ示している。上式(1)、(2)の範囲を外れると、ヤング率と比弾性の目標特性を同時に満たさなくなる。
本発明の効果を妨げない範囲で、他の成分、例えば以下の成分を含有してもよい。この場合の他の成分は、ヤング率の低下などを抑えるために、好ましくは5%未満、より好ましくは3%未満、さらに好ましくは1%未満であり、さらにより好ましくは0.5%未満であり、特に好ましくは、実質的に、すなわち不可避的不純物を除き、含有しない。したがって、本発明において、SiO2、Al2O3、CaO、および、MgOの合計含有量が95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることがさらに好ましく、99.5%以上であることがさらにより好ましい。実質的に、即ち不可避的不純物を除き、SiO2、Al2O3、CaO、および、MgOからなることが特に好ましい。
B2O3は、ガラスの耐薬品性を向上させるため3%未満で含有することが可能である。一方で、含有によりヤング率が低下するため、好ましい含有量は1%未満であり、0.5%未満がより好ましい。実質的に含有しないことが特に好ましい。
ZrO2を含有することによりヤング率を向上させることが可能であるが、同時に失透温度が上昇することから、含有量は3%未満とすることが望ましく、1%未満であることがより好ましく、0.5%未満がさらにより好ましい。特に好ましくは実質的に含有しない。
SrOおよびBaOは、熔解性向上のため、力学特性、具体的にはヤング率と比弾性率を損なわない範囲で含有することが可能である。好ましくはそれぞれ1%未満であり、0.5%未満がさらにより好ましい。実質的に含有しないことが特に好ましい。
なお、本発明のガラスは、パネル製造時にガラス表面に設ける金属ないし酸化物薄膜の特性劣化を生じさせないために、アルカリ金属酸化物を不純物レベルを超えて(すなわち実質的に)含有しない。また、ガラスのリサイクルを容易にするため、PbO、As2O3、Sb2O3は実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の無アルカリガラスは、ヤング率が94.5GPa以上であるため、破壊靭性が向上しており、ガラス板の大型化や薄板化が求められる各種ディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスに好適である。
また、本発明の無アルカリガラスは、比弾性率が34.5Pa/g・cm-3以上であるため、自重たわみが低減されている。このため、製造工程において自重たわみに起因する変形が少なく、ガラス板の大型化や薄板化が求められる各種ディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスに好適である。
本発明の無アルカリガラスは、例えば次のような方法で製造できる。通常使用される各成分の原料を目標成分になるように調合し、これを溶解炉に連続的に投入し、1550〜1650℃に加熱して熔融する。この熔融ガラスをフロート法により所定の板厚に成形し、徐冷後切断することによって板ガラスを得ることができる。
以下において例1〜50は実施例、例51〜54は比較例である。各成分の原料を目標組成になるように調合し、白金坩堝を用いて1550〜1650℃の温度で溶解した。次いで溶解ガラスを流し出し、板状に成形後徐冷した。
表1〜10には、式(1),(2)の数値を含めたガラス組成(単位:質量%)と、密度ρ(g/cm3)、ヤング率E(GPa)(超音波法により測定)、比弾性率E/ρ(GPa/g・cm-3)、ビッカース硬度Hv、ガラス粘度ηが102ポイズとなる温度T2(単位:℃)、ガラス転移点Tg(単位:℃)、および、50〜350℃での熱膨脹係数(単位:×10-7/℃)を示す。
なお、表1〜10中、括弧書で示した値は計算値である。
なお、表1〜10中、括弧書で示した値は計算値である。
表から明らかなように、実施例のガラスはいずれも、ヤング率が94.5GPa以上と高く、かつ、比弾性率が34.5GPa/g・cm-3以上と高い。
本発明の無アルカリガラスは、各種ディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスとして好適であるが、磁気ディスク用ガラス基板等としても使用できる。但し、各種ディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスとして、ガラス板の大型化や薄板化が求められることを考慮すると、高ヤング率であり、かつ、高比弾性率であることから、各種ディスプレイ用基板ガラスやフォトマスク用基板ガラスとして有効である。
Claims (3)
- 酸化物基準の質量%表示で、
SiO2 40〜61、
Al2O3 15〜23.5、
MgO 2〜20、
CaO 0.1〜40を含有し、
[SiO2]+0.43×[Al2O3]+0.59×[CaO]−74.6≦0、かつ、
[SiO2]+0.21×[MgO]+1.16×[CaO]−83.0≦0
である無アルカリガラス。 - ヤング率が94.5GPa以上であり、比弾性率が34.5Pa/g・cm-3以上である請求項1に記載の無アルカリガラス。
- 失透温度が1350℃以下である請求項1または2に記載の無アルカリガラス。
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