JP2016164931A - 分極処理装置、液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び電気−機械変換素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の電気−機械変換素子を有するアクチュエータ基板について、複数の電気−機械変換素子に対し均一に分極処理を実施する。【解決手段】基板と、下地膜と、下部電極と、電気−機械変換膜と、上部電極と、前記下部電極と電気的に接続される下部電極パッドと、前記上部電極と電気的に接続される上部電極パッドとを備える電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板について分極処理を行う分極処理装置であり、前記下部電極及び前記上部電極のうちの一方の電極は、前記複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極として構成され、前記下部電極及び前記上部電極のうちの他方の電極は、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極として構成され、前記共通電極は外部入力パッドに電気的に接続されて、前記アクチュエータ基板を保持するステージを有するとともに、前記ステージ上に前記外部入力パッドと接する導電性の電圧印加冶具を有する。【選択図】図3
Description
本発明は、分極処理装置、液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び電気−機械変換素子の製造方法に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置あるいは画像形成装置に使用されるインクジェット記録装置や液滴吐出ヘッドは、インク滴を吐出するノズル、このノズルが連通する加圧室(インク流路、加圧液室、圧力室、吐出室、液室等とも称される)、加圧室内のインクを加圧する圧電素子などの電気−機械変換素子等を備えていることが知られている。そして、エネルギー発生手段で発生したエネルギーで加圧室内インクを加圧することによってノズルからインク滴が吐出される。
液滴吐出ヘッドの一つとして、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものが知られている。例えば、振動板の表面全体にわたって成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室に独立するように圧電素子を形成したものが知られている。
また、たわみ振動モードのアクチュエータに使用される圧電素子は、例えば、共通電極である下部電極と、下部電極上に形成されたPZT膜(圧電体層)と、PZT膜上に形成された個別電極である上部電極とで構成される。さらに、上部電極上には層間絶縁膜が形成されて下部電極と上部電極との絶縁が図られ、この層間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを介して上部電極に電気的に接続される配線が設けられた構造が知られている(特許文献1、2参照)。
しかしながら、下部電極としては主にPtをベースにした金属電極を用いた実施例がほとんどであり、PZTの疲労特性に対する保証が懸念される。一般的にPZTに含まれるPb拡散による特性劣化が考えられており、酸化物電極を用いることで、疲労特性が改善されることが開示されている(特許文献3参照)。
また、図1に示すように電圧印加直前において圧電体結晶は分極の向きがランダムな状態となっていたものが、電圧印加を繰り返すことで、圧電体結晶は分極の向きが揃ったドメインの集合体となってくることが知られている。つまり、圧電素子の変位量の疲労現象、すなわち、繰り返し駆動中に分極が回転・伸縮を繰り返すため、駆動時間の経過とともに、その分極方向が駆動電界方向に沿って一部固定されてしまい、変位量が駆動中に低下してしまう。
このため、電圧印加を行う前から分極の向きを揃える分極処理工程(ポーリング工程、エージング工程などとも称される)が試みられており、所定の駆動電圧に対して変位量を安定化させる手法、つまり、駆動時における変位量の変動を抑制する手法が行われてきた(特許文献4、5)。
このため、電圧印加を行う前から分極の向きを揃える分極処理工程(ポーリング工程、エージング工程などとも称される)が試みられており、所定の駆動電圧に対して変位量を安定化させる手法、つまり、駆動時における変位量の変動を抑制する手法が行われてきた(特許文献4、5)。
さらに、その手段として、DC電圧、AC電圧、あるいはパルス波形を印加する手法や、コロナ放電などの放電を用いる手法が知られている(例えば特許文献6)。これにより、電荷を供給し、圧電体内に電界を発生させる工夫が行われている。
また、圧電素子の作製に際し、SiウエハからMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを応用して作製する場合、分極処理工程もまたウエハ(圧電素子を有するアクチュエータ基板)上で行うことが望ましい。この場合、直接電圧印加による方法では圧電素子に対し、プロービングする必要があるが、コロナ放電などの放電による分極処理は非接触の状態で分極処理が可能であるため、電圧印加に比べ処理能力が高いことが知られている。
また、特許文献7では、誘電体のエレクトレット化をする目的で、コロナ放電を採用して、無機誘電材料に対して分極処理する手段が開示されている。
また、圧電素子の作製に際し、SiウエハからMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを応用して作製する場合、分極処理工程もまたウエハ(圧電素子を有するアクチュエータ基板)上で行うことが望ましい。この場合、直接電圧印加による方法では圧電素子に対し、プロービングする必要があるが、コロナ放電などの放電による分極処理は非接触の状態で分極処理が可能であるため、電圧印加に比べ処理能力が高いことが知られている。
また、特許文献7では、誘電体のエレクトレット化をする目的で、コロナ放電を採用して、無機誘電材料に対して分極処理する手段が開示されている。
しかしながら、放電による分極処理手段を用いた場合、同一平面上に多数形成された電気−機械変換素子をすべて均一に分極処理するためにはすべての電気−機械変換素子に均一に電荷が供給される必要があり、均一な分極処理を行うことができる手法が求められている。
そこで、本発明は上記課題を鑑み、複数の電気−機械変換素子を有するアクチュエータ基板について、複数の電気−機械変換素子に対し均一に分極処理を実施することができる分極処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の分極処理装置は、基板と、前記基板上に形成される下地膜と、前記基板上に形成される少なくとも1つの下部電極と、前記下部電極上に形成される電気−機械変換膜と、前記電気−機械変換膜上に形成される少なくとも1つの上部電極と、前記下部電極と電気的に接続される下部電極パッドと、前記上部電極と電気的に接続される上部電極パッドとを備える電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板について分極処理を行う分極処理装置であって、
前記下部電極及び前記上部電極のうちの一方の電極は、前記複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極として構成され、前記下部電極及び前記上部電極のうちの他方の電極は、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極として構成されており、前記共通電極は外部入力パッドに電気的に接続されており、前記アクチュエータ基板を保持するステージを有するとともに、前記ステージ上に前記外部入力パッドと接する導電性の電圧印加冶具を有することを特徴とする。
前記下部電極及び前記上部電極のうちの一方の電極は、前記複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極として構成され、前記下部電極及び前記上部電極のうちの他方の電極は、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極として構成されており、前記共通電極は外部入力パッドに電気的に接続されており、前記アクチュエータ基板を保持するステージを有するとともに、前記ステージ上に前記外部入力パッドと接する導電性の電圧印加冶具を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の電気−機械変換素子を有するアクチュエータ基板について、複数の電気−機械変換素子に対し均一に分極処理を実施することができる分極処理装置を提供することができる。
以下、本発明に係る分極処理装置、液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び電気−機械変換素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の分極処理装置は、基板と、前記基板上に形成される下地膜と、前記基板上に形成される少なくとも1つの下部電極と、前記下部電極上に形成される電気−機械変換膜と、前記電気−機械変換膜上に形成される少なくとも1つの上部電極と、前記下部電極と電気的に接続される下部電極パッドと、前記上部電極と電気的に接続される上部電極パッドとを備える電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板について分極処理を行う分極処理装置であって、前記下部電極及び前記上部電極のうちの一方の電極は、前記複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極として構成され、前記下部電極及び前記上部電極のうちの他方の電極は、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極として構成されており、前記共通電極は外部入力パッドに電気的に接続されており、前記アクチュエータ基板を保持するステージを有するとともに、前記ステージ上に前記外部入力パッドと接する導電性の電圧印加冶具を有することを特徴とする。
なお、以下、「ステージ」と「サンプルステージ」は同じ意味を示すものであり、アクチュエータ基板を「ウエハ」と表記することもあるが、同じ意味を示すものである。また、以下、コロナ放電を例に挙げて説明にするが、これに限られず、グロー放電の場合でも可能である。
(分極処理装置)
本発明に係る分極処理装置について図面を参照しながら説明する。
まず、分極処理を行うための放電について、コロナ放電を例に挙げ概要を説明する。コロナ放電では、図2に示されるようにコロナワイヤ53が電源52を介して、平面電極54と接続されており、電圧を印加することで、大気中の分子が持続的にイオン化される。イオン化された正負のイオンは、コロナワイヤ53と平面電極54との間に生じた電界に沿って移動し、発生した正のイオンはコロナワイヤ53と平面電極54との間に設置された被対象物55、例えば電気−機械変換素子に流れ込み、電荷が電気−機械変換素子に蓄積される。
本発明に係る分極処理装置について図面を参照しながら説明する。
まず、分極処理を行うための放電について、コロナ放電を例に挙げ概要を説明する。コロナ放電では、図2に示されるようにコロナワイヤ53が電源52を介して、平面電極54と接続されており、電圧を印加することで、大気中の分子が持続的にイオン化される。イオン化された正負のイオンは、コロナワイヤ53と平面電極54との間に生じた電界に沿って移動し、発生した正のイオンはコロナワイヤ53と平面電極54との間に設置された被対象物55、例えば電気−機械変換素子に流れ込み、電荷が電気−機械変換素子に蓄積される。
電気−機械変換膜においては、電圧印加前は、例えば図1(A)に示されるように電気−機械変換膜内のドメイン50における分極方向がバラバラであったものが、電圧印加を繰り返していくと、図1(B)に示されるように分極の方向がある程度まとまって配向することとなる。これにより、電気−機械変換素子の変位量が低下してしまう。つまり、圧電素子の変位量の疲労現象、すなわち、繰り返し駆動中に分極が回転・伸縮を繰り返すため、駆動時間の経過とともに、その分極方向が駆動電界方向に沿って一部固定されてしまい、変位量が駆動中に低下してしまう。
これに対し、電気−機械変換素子を分極処理することで、変位量の変化を早期に収束させ、電気−機械変換素子の駆動力の経時的変化を減らすことができる。なお、分極処理は、ポーリング処理やエージング処理などとも称されることがある。
これに対し、電気−機械変換素子を分極処理することで、変位量の変化を早期に収束させ、電気−機械変換素子の駆動力の経時的変化を減らすことができる。なお、分極処理は、ポーリング処理やエージング処理などとも称されることがある。
次に、本実施形態に係る分極処理装置の構成及び制御について図3等を用いて説明する。
図3では、コロナ放電を発生させるコロナ電極41、分極処理の対象となるウエハを設置するためのサンプルステージ44、グリッド電極42が図示されており、グリッド電極42は、コロナ電極41とサンプルステージ44の間に備えられている。また、サンプルステージ44には分極処理の対象となるアクチュエータ基板が設置されるアクチュエータ基板設置部が設けられ、サンプルステージ44上に電圧印加冶具40が設けられていることが図示されている。
図3では、コロナ放電を発生させるコロナ電極41、分極処理の対象となるウエハを設置するためのサンプルステージ44、グリッド電極42が図示されており、グリッド電極42は、コロナ電極41とサンプルステージ44の間に備えられている。また、サンプルステージ44には分極処理の対象となるアクチュエータ基板が設置されるアクチュエータ基板設置部が設けられ、サンプルステージ44上に電圧印加冶具40が設けられていることが図示されている。
本実施形態の分極処理装置において、図3では、コロナ電極41はコロナ電極用の電源に接続され、コロナ電極41がワイヤ状の電極であることが示されている。コロナ電極41の構成は特に限定されるものではなく、ワイヤ状のほかにも針状等にすることもでき、各種電導性の材料により構成することができる。本実施形態においては、ワイヤ状のものが好適に用いられ、太さは例えばφ50μmである。コロナ電極41に用いられる材料としては、特に限定されるものではなく、タングステン、ステンレス等が挙げられ、タングステンを表面研磨、カーボンコート、金メッキ等したものも用いることができる。
また、図3では、グリッド電極42はグリッド電極用の電源に接続され、グリッド電極42がコロナ電極41とサンプルステージ44との間に配置されていることが示されている。グリッド電極42の材料としては、公知のものを用いることができ、例えば、ステンレス、タングステン等が挙げられる。また、網目の開口間隔は、特に制限はないが、例えば1〜3mmのものが挙げられる。グリッド電極42は、その形状を工夫することや、メッシュ加工を施すことにより、コロナ電極41に高電圧を印加したときに、コロナ放電により発生するイオンや電荷等が効率よく均一にサンプルステージ44に降り注ぐように構成されていることが好ましい。
コロナ電極41やグリッド電極42に印加する電圧の大きさは特に制限されるものではなく、必要に応じて適宜変更することが可能である。
本実施形態の分極処理装置は、分極処理の対象となるアクチュエータ基板を保持するサンプルステージ44を有している。サンプルステージ44の材料としては、コロナ放電を行うことができる導電性の材料であれば特に制限はなく、例えば、ステンレス板やその他金属板等が挙げられる。
図3に示す分極処理装置では、対象全体を処理できるように分極処理の対象を移動させる移動手段を備えていてもよい。この場合、分極処理範囲よりも広い面積を有するサンプルであっても、分極処理を行うことができる。
本実施形態に係る分極処理装置には、分極処理の対象を加熱する加熱手段が備えられていることが好ましい。アクチュエータ基板を加熱しながら分極処理を行った場合、対象の応力を緩和させながら処理できるため、所望の分極状態にするために多くの電荷量を供給してもクラックの発生を抑制することができる。
加熱手段の具体的手段は特に限定されるものではなく、レーザー、ヒーター、ランプ等を用いて加熱するように構成することができる。また、加熱手段は、サンプルステージ44内に設置することもでき、サンプルステージ44外から加熱するように設置することもできる。
加熱手段の具体的手段は特に限定されるものではなく、レーザー、ヒーター、ランプ等を用いて加熱するように構成することができる。また、加熱手段は、サンプルステージ44内に設置することもでき、サンプルステージ44外から加熱するように設置することもできる。
これらの中でも、レーザー装置を用いることが好ましく、レーザー装置を用いた場合、コロナ放電をしている領域に対して選択的に加熱することができる。また、レーザー装置はサンプルの加熱領域に応じて、個数を増やすことが可能である。
サンプルステージを加熱する機構としたとき、特に電気−機械変換膜のキュリー温度の1/3倍から1/2倍の温度を処理中に印加する場合、分極処理後に別の領域を分極処理することとなるが、コロナ放電により分極処理をしていない領域については、処理中の温度により熱履歴のみが発生し、脱分極が生じてしまう。
そこで、加熱源としてレーザーを採用することで、処理領域のみを選択的に加熱することができ、分極処理していない領域については、処理時以外は加熱していないので熱履歴がなく、脱分極を抑制することができる。また、レーザー加熱条件で変えることが可能なパラメータとして、レーザーパワー、レーザー照射時間、レーザー照射回数などが挙げられ、狙いの温度に応じて、パラメータを調整することができる。
処理中の温度としては、40℃以上300℃以下が好ましく、80℃以上250℃以下がより好ましい。40℃より小さいと、分極処理による十分な効果が得られないことがあり、300℃よりも大きいと、電気−機械変換素子の圧電特性(d31等)が損なわれることがある。
本発明におけるアクチュエータ基板は、共通電極と電気的に接続される外部入力パッドを有している。また、本発明の分極処理装置は、ステージ上に外部入力パッドと接する導電性の電圧印加冶具を有している。
以下、本発明における電圧印加冶具の一実施形態について説明する。本実施形態における電圧印加冶具について、図3及び図4を用いて説明する。
以下、本発明における電圧印加冶具の一実施形態について説明する。本実施形態における電圧印加冶具について、図3及び図4を用いて説明する。
上述したようにコロナ放電による分極処理を実施することにより、ウエハには電界が生じる。また、コロナ放電による電界は主に、放電を発生させるコロナワイヤ、コロナワイヤから対象となるサンプル(あるいはサンプルステージ)までの距離、サンプルの電気特性(特に抵抗特性)によって決定される。特にサンプルの電気特性はアクチュエータ基板に印加される電界の基準電位を決定するが、ウエハ間で特性がばらついていると、基準電位がばらつき、結果的にウエハ間で(複数の電気−機械変換素子間で)異なる電界が印加される状態になってしまう。そこで、ウエハの基準電位を外部から強制的に一定にすることで、ウエハ間の電界差を低減することができ本発明の効果が得られる。
本発明によれば、ウエハ(アクチュエータ基板)上に作製された電気−機械変換素子に対し、アクチュエータ基板の共通電極の電位を強制的に一定にすることができる電圧印加冶具をステージに設けることでアクチュエータ基板の電位を規定することができ、電気−機械変換素子間において分極処理のばらつきを抑制することができる。また、ウエハ間のばらつきが抑制されることにより、電気−機械変換素子間で均一に分極処理がなされ、素子選別にかかるコストを抑制することができる。さらに、電気−機械変換素子間で連続駆動させた時の変位量変化のばらつきを抑制させることができるため、安定したインク吐出特性を得ることができる。
図4に本実施形態の電圧印加冶具の構成を示す。図4は図3におけるA−A断面を示すものであり、図4では、サンプルステージ44上に、コロナ電極41及びグリッド電極42における分極処理範囲内に電圧印加冶具40が設けられている。
電圧印加冶具40及びサンプルステージ44はアース接地されており、本実施形態では両者は同電位となっている。導電性の電圧印加冶具40は後述する外部入力パッド47と接しており、電圧印加冶具40を用いることでウエハの基準電位を外部から強制的に一定にすることができ、ウエハ間の電界差を抑制することができる。
電圧印加冶具40及びサンプルステージ44はアース接地されており、本実施形態では両者は同電位となっている。導電性の電圧印加冶具40は後述する外部入力パッド47と接しており、電圧印加冶具40を用いることでウエハの基準電位を外部から強制的に一定にすることができ、ウエハ間の電界差を抑制することができる。
電圧印加冶具40の材料としては、導電性であれば特に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。また、サンプルステージ44と同電位とすることができれば適宜変更が可能である。電圧印加冶具40とサンプルステージ44を同電位とするためには、例えば図4に図示されるように、電圧印加冶具40とサンプルステージ44をアース接地させることができる。
電圧印加冶具40の高さとしては、特に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。アクチュエータ基板46の高さよりも低くてもよいし、高くてもよい。
電圧印加冶具40の高さがアクチュエータ基板46の高さよりも高い場合、電圧印加冶具40は導電性であるため、電圧印加冶具40に放電が誘導されてしまうことがある。そのため、電圧印加冶具40の高さがアクチュエータ基板46の高さよりも高い場合、電圧印加冶具のうち、アクチュエータ基板46よりも高い位置に構成されている部分は絶縁物で覆われていることが好ましい。これにより、電圧印加冶具40に放電が誘導されてしまうことを抑制することができ、良好な分極処理を行うことができる。
前記絶縁物としては、特に制限されるものではなく、適宜変更が可能であるが、例えば樹脂が挙げられる。
電圧印加冶具40の高さがアクチュエータ基板46の高さよりも高い場合、電圧印加冶具40は導電性であるため、電圧印加冶具40に放電が誘導されてしまうことがある。そのため、電圧印加冶具40の高さがアクチュエータ基板46の高さよりも高い場合、電圧印加冶具のうち、アクチュエータ基板46よりも高い位置に構成されている部分は絶縁物で覆われていることが好ましい。これにより、電圧印加冶具40に放電が誘導されてしまうことを抑制することができ、良好な分極処理を行うことができる。
前記絶縁物としては、特に制限されるものではなく、適宜変更が可能であるが、例えば樹脂が挙げられる。
また、電圧印加冶具40の大きさとしては、図3に示される大きさに限られるものではなく、適宜変更が可能である。
電圧印加冶具40の作製する方法としては、特に制限されるものではなく、
例えば、金属加工して作製した導電部材に対して、絶縁部材を設けるのであれば絶縁部材をコーティングすることにより作製することができる。また、電圧印加パッドとの接点部については、針などでコンタクトすることも可能である。
電圧印加冶具40の作製する方法としては、特に制限されるものではなく、
例えば、金属加工して作製した導電部材に対して、絶縁部材を設けるのであれば絶縁部材をコーティングすることにより作製することができる。また、電圧印加パッドとの接点部については、針などでコンタクトすることも可能である。
次に、その他の実施形態について、図5を用いて説明する。
図5では、電圧印加冶具40が分極処理範囲外の位置に具備されている。ここでは、コロナ放電により分極処理を行う例について説明しており、コロナ電極41又はグリッド電極42の直下が分極処理範囲となる。
本発明では、図5に示されるように、電圧印加冶具40が分極処理範囲外の位置に備えることもできる。これにより、電圧印加冶具を具備することによる処理不具合(電圧印加冶具周辺の電気−機械変換素子が他の領域の電気−機械変換素子に比べて分極処理の進行程度が小さくなる)を抑制することができる。
図5では、電圧印加冶具40が分極処理範囲外の位置に具備されている。ここでは、コロナ放電により分極処理を行う例について説明しており、コロナ電極41又はグリッド電極42の直下が分極処理範囲となる。
本発明では、図5に示されるように、電圧印加冶具40が分極処理範囲外の位置に備えることもできる。これにより、電圧印加冶具を具備することによる処理不具合(電圧印加冶具周辺の電気−機械変換素子が他の領域の電気−機械変換素子に比べて分極処理の進行程度が小さくなる)を抑制することができる。
また、コロナ放電による電界印加範囲を踏まえて、ウエハ内に作製する電気−機械変換素子の配置を考慮する必要がある。電圧印加冶具40からはより離れた位置にチップが形成されている方が望ましく、コロナ電極、グリッド電極の寸法から決定される、コロナ放電の電界印加範囲の端部からは離れている方が望ましい。
また、その他の実施形態について、図6を用いて説明する。
図6では、電圧印加冶具40が外部電源と接続されている。これにより、サンプルステージに任意の電位を形成することができ、アース以外の基準電位を形成することができる。なお、この場合も電圧印加冶具40とサンプルステージ44は同電位となっている。
図6では、電圧印加冶具40が外部電源と接続されている。これにより、サンプルステージに任意の電位を形成することができ、アース以外の基準電位を形成することができる。なお、この場合も電圧印加冶具40とサンプルステージ44は同電位となっている。
以下、外部入力パッドの接続状態の一例について図7、図8を用いて説明する。
図7では、ウエハ上に外部入力パッド47、チップ49(電気−機械変換素子)が図示されており、チップ49を複数有するウエハ(アクチュエータ基板)について分極処理が実施される。なお、図7ではチップ49が計26個図示されているが、数はこれに限られるものではなく、適宜変更が可能である。
図7では、ウエハ上に外部入力パッド47、チップ49(電気−機械変換素子)が図示されており、チップ49を複数有するウエハ(アクチュエータ基板)について分極処理が実施される。なお、図7ではチップ49が計26個図示されているが、数はこれに限られるものではなく、適宜変更が可能である。
図8では、第1の電極15(下部電極)、第2の電極17(上部電極)、外部入力パッド導通配線47a、47b(外部入力パッド47)、共通電極パッド23、個別電極パッド24が図示されている。図8(A)は、下部電極が共通電極であり、図8(B)は、上部電極が共通電極となっている。下部電極及び上部電極のうちの一方の電極は、複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極として構成され、下部電極及び上部電極のうちの他方の電極は、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極として構成される。
なお、図8における黒い点は、個別電極が複数あることを示す。また、図8(B)の点線及び破線部は下層に構成されていることを示す。
なお、図8における黒い点は、個別電極が複数あることを示す。また、図8(B)の点線及び破線部は下層に構成されていることを示す。
外部入力パッド導通配線47a、47bは複数の電気−機械変換素子における共通電極と電気的に接続されている。このように、外部入力パッド47が複数の電気−機械変換素子における共通電極と電気的に接続され、かつ、導電性の電圧印加冶具40が外部入力パッド47と接することにより、分極処理をする際にチップ49間で分極処理のばらつきを抑制することができる。
外部入力パッド47については、いずれかの電極から引き出されて基板上のすべてのチップ49の共通電極に接続されていることが好ましく、これによりコロナ放電時の電位を決定することができる。なお、外部入力パッド47の形状、大きさ、数、材料等は特に制限されるものではない。
次に、分極状態について説明する。
分極処理の状態については、P−Eヒステリシスループから判断することができる。図9(A)に示すように電界強度をかけてヒステリシスループを測定し、最初の0kV/cm時の初期状態の分極量をPini、電圧印加後に0kV/cmまで戻したときの0kV/cm時の分極量を残留分極Prとする。Pr−Piniの値を分極率として定義し、この分極率が小さいほど分極が進んでいると判断される。
分極処理の状態については、P−Eヒステリシスループから判断することができる。図9(A)に示すように電界強度をかけてヒステリシスループを測定し、最初の0kV/cm時の初期状態の分極量をPini、電圧印加後に0kV/cmまで戻したときの0kV/cm時の分極量を残留分極Prとする。Pr−Piniの値を分極率として定義し、この分極率が小さいほど分極が進んでいると判断される。
通常、分極処理を行わない状態のヒステリシスは図9(A)のようにPiniは0に近い値であるが、分極処理を行うことで図9(B)のようにPiniが大きくなり、分極処理が進むことで分極量差Pr−Piniの値が小さくなる。分極率は、好ましくは10μC/cm2以下であり、より好ましくは5μC/cm2以下であり、これを満たす場合、分極処理が十分になされているといえる。10μC/cm2よりも大きい場合、分極処理が十分でなく、電気−機械変換膜(例えば、後述するPZTによる膜)が圧電アクチュエータとして連続駆動した後の変位劣化について十分な特性が得られないことがある。
所望な分極率Pr−Piniを得るためには、コロナ、グリッド電極電圧やサンプルステージとコロナ、グリッド電極間距離等を調整することにより、達成が可能である。ところが、所望な分極率を得ようとした場合には、電気−機械変換膜に対して高い電界を発生させる必要があり、この影響により膜中にクラックが発生する。具体的な説明を行うと、後述する図10や図11に示すように、電気−機械変換膜16が、基板13に対して拘束状態がある場合においては、電界が発生し、その電界を受けて、自身が変形したくても、拘束力があるため自由に変形できない。
このため、ある一定以上の電界が生じた場合においては、電気−機械変換膜16が変形しようと膜応力が発生し、その応力を緩和させるために、膜中にクラックが発生してしまう。図10に、電気−機械変換膜16中に発生したクラック発生率(クラック発生したビット数/全ビット数)と分極率の関係を示す。分極率を小さくしようとするとクラック発生率が高くなり、これら2つの関係はトレードオフになっていることがわかる。
また、図2について述べたように、コロナワイヤを用いて、コロナ放電させるときには、大気中の分子をイオン化させることで、陽イオンを発生し、電気−機械変換素子の電極パッド部を介して陽イオンが流れ込むことで、電荷を電気−機械変換素子に蓄積している。上部と下部電極の電荷差によって内部電位差が生じて、分極処理が行われていると考えられている。
また、分極処理を行う際に必要な電荷量Qについては特に限定されるものではないが、例えば、電気−機械変換素子に1.0×10−8C以上の電荷量が蓄積されることが好ましく、4.0×10−8C以上の電荷量が蓄積されることがより好ましい。上記好適な範囲の電荷量を電気−機械変換素子に蓄積させることにより、より確実に分極処理を行うことができる。この値に満たない場合は、分極処理が十分できず、PZTの圧電アクチュエータとして連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないことがある。
アクチュエータ基板は、下部電極と電気的に接続される下部電極パッドと、上部電極と電気的に接続される上部電極パッドを有することもでき、上部電極パッドにコロナ放電又はグロー放電により発生した電荷を注入することにより、分極処理を行うことができる。また、上述したようにコロナ放電により発生した電荷は、正電荷であることが好ましい。
(アクチュエータ基板)
次に、アクチュエータ基板について図11、図12を用いて説明する。以下、第1の電極とあるのは下部電極を示し、第2の電極とあるのは上部電極を示すものとする。
次に、アクチュエータ基板について図11、図12を用いて説明する。以下、第1の電極とあるのは下部電極を示し、第2の電極とあるのは上部電極を示すものとする。
図11では、基板13、下地膜14、第1の電極15、電気−機械変換膜16、第2の電極17により構成されている例が示されている。また、絶縁保護膜、引き出し配線を含めた構成例について、図12(A)及び図12(B)に示す。第1の絶縁保護膜21は、コンタクトホール25、26を有しており、第1の電極15に対して、共通電極引き出し配線(第3の電極27)、第2の電極17に対して個別電極引き出し配線(第4の電極28)が伸びた構成となっている。このとき、第1の電極15を共通電極、第2の電極17を個別電極として、共通・個別電極引き出し配線を保護する第2の絶縁保護膜22が形成されている。図12(B)に示されるように、一部開口されて共通電極パッド23、個別電極パッド24を形成している。なお、図12(B)では絶縁保護膜は省略されている。また、図12は第1の電極15(下部電極)が共通電極であり、第2の電極17(上部電極)が個別電極の例を示すものである。
<基板>
アクチュエータ基板の基板13としては、特に制限されるものではないが、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、厚みが100〜600μmであることが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)と3種を用いることができ、一般的に(100)、(111)が用いられており、本発明においては、(100)の面方位を持つ単結晶基板が好ましい。
アクチュエータ基板の基板13としては、特に制限されるものではないが、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、厚みが100〜600μmであることが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)と3種を用いることができ、一般的に(100)、(111)が用いられており、本発明においては、(100)の面方位を持つ単結晶基板が好ましい。
また、圧力室18を作製する場合、エッチングを利用してシリコン単結晶基板を加工するが、この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いることが一般的である。異方性エッチングは結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものである。例えばKOH等のアルカリ溶液に浸漬させた異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。従って、面方位(100)では約54°の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝をほることができるため、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができる。
本発明においては(110)の面方位を持った単結晶基板を使用することも可能であるが、この場合、マスク材として用いられ得るSiO2もエッチングされてしまうことにも留意する。
<下地膜>
下地膜14(振動板とも称されることがある)は、電気−機械変換膜16によって発生した力を受けて、変形変位して圧力室18のインク滴を吐出させる。そのため、下地膜14としては所定の強度を有したものであることが好ましい。
下地膜14の材料としては、例えばSi、SiO2、Si3N4をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により作製したものが挙げられる。
さらに、第1の電極15、電気−機械変換膜16の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。特に、電気−機械変換膜16は、一般的な材料としてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が使用されることから、下地膜14の材料は線膨張係数8×10−6(1/K)に近い線膨張係数として、5×10−6〜10×10−6の線膨張係数を有した材料が好ましく、さらには7×10−6〜9×10−6の線膨張係数を有した材料がより好ましい。
下地膜14(振動板とも称されることがある)は、電気−機械変換膜16によって発生した力を受けて、変形変位して圧力室18のインク滴を吐出させる。そのため、下地膜14としては所定の強度を有したものであることが好ましい。
下地膜14の材料としては、例えばSi、SiO2、Si3N4をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により作製したものが挙げられる。
さらに、第1の電極15、電気−機械変換膜16の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。特に、電気−機械変換膜16は、一般的な材料としてPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が使用されることから、下地膜14の材料は線膨張係数8×10−6(1/K)に近い線膨張係数として、5×10−6〜10×10−6の線膨張係数を有した材料が好ましく、さらには7×10−6〜9×10−6の線膨張係数を有した材料がより好ましい。
具体的な材料としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム及びこれらの化合物等であり、これらをスパッタ法もしくは、ゾルゲル法を用いてスピンコーター等にて作製することができる。
膜厚としては0.1μm〜10μmが好ましく、0.5μm〜3μmがより好ましい。0.1μm未満の場合、圧力室18の加工が難しくなり、10μmより大きい場合、下地膜14が変形変位しにくくなり、インク滴の吐出が不安定になることがある。
膜厚としては0.1μm〜10μmが好ましく、0.5μm〜3μmがより好ましい。0.1μm未満の場合、圧力室18の加工が難しくなり、10μmより大きい場合、下地膜14が変形変位しにくくなり、インク滴の吐出が不安定になることがある。
<第1の電極>
第1の電極15としては、金属もしくは金属と酸化物からなっていることが好ましい。下地膜14と金属膜の間に密着層を積層させることで、剥がれ等を抑制することができる。以下、密着層含めて金属電極膜、酸化物電極膜の詳細について記載する。
第1の電極15としては、金属もしくは金属と酸化物からなっていることが好ましい。下地膜14と金属膜の間に密着層を積層させることで、剥がれ等を抑制することができる。以下、密着層含めて金属電極膜、酸化物電極膜の詳細について記載する。
−密着層−
密着層の作製の例としては、Tiをスパッタ成膜後、RTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて、650〜800℃、1〜30分、O2雰囲気でチタン膜を熱酸化させ、チタン膜を酸化チタン膜にする方法が挙げられる。
酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタでもよいが、チタン膜の高温による熱酸化法が好ましい。反応性スパッタによる作製では、シリコン基板を高温で加熱する必要があるため、特別なスパッタチャンバ構成が必要となることに留意する。
密着層の作製の例としては、Tiをスパッタ成膜後、RTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて、650〜800℃、1〜30分、O2雰囲気でチタン膜を熱酸化させ、チタン膜を酸化チタン膜にする方法が挙げられる。
酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタでもよいが、チタン膜の高温による熱酸化法が好ましい。反応性スパッタによる作製では、シリコン基板を高温で加熱する必要があるため、特別なスパッタチャンバ構成が必要となることに留意する。
さらに、一般の炉による酸化よりも、RTA装置による酸化の方が酸化チタン膜の結晶性が良好になる。これは、通常の加熱炉による酸化によれば、酸化しやすいチタン膜は、低温においてはいくつもの結晶構造を作るため、一旦、それを壊す必要が生じるためである。従って、昇温速度の速いRTAによる酸化の方が良好な結晶を形成するために有利になる。
また、Ti以外の材料としてはTa、Ir、Ru等が挙げられる。
密着層の膜厚としては、10nm〜50nmが好ましく、15nm〜30nmがより好ましい。10nm未満の場合、密着性に懸念があり、50nmよりも大きい場合、密着層上の膜において良好な結晶性が得られないことがある。
密着層の膜厚としては、10nm〜50nmが好ましく、15nm〜30nmがより好ましい。10nm未満の場合、密着性に懸念があり、50nmよりも大きい場合、密着層上の膜において良好な結晶性が得られないことがある。
−金属電極膜−
第1の電極15における金属電極膜の金属材料としては、例えば白金、イリジウム、白金−ロジウムなどの白金族元素、これらの合金膜などが挙げられる。
また、白金を使用する場合には下地膜14(特にSiO2)との密着性を考慮し、密着層を先に積層した後、金属電極膜を作製することが好ましい。
金属電極膜の作製方法の例としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が挙げられる。
第1の電極15における金属電極膜の金属材料としては、例えば白金、イリジウム、白金−ロジウムなどの白金族元素、これらの合金膜などが挙げられる。
また、白金を使用する場合には下地膜14(特にSiO2)との密着性を考慮し、密着層を先に積層した後、金属電極膜を作製することが好ましい。
金属電極膜の作製方法の例としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が挙げられる。
金属電極膜の膜厚は、80〜200nmが好ましく、100〜150nmがより好ましい。80nm未満の場合、共通電極として十分な電流を供給できない場合があり、インク吐出をする際に不具合が発生する場合がある。200nmより大きい場合、白金族元素などの高価な材料を用いると、コスト増につながることがある。また200nmより大きい場合において、白金を用いて膜厚を厚くすると表面粗さが大きくなり、金属電極膜上の酸化物電極膜の表面粗さやPZTの結晶配向性に影響を及ぼして、インク吐出が不良となることがある。
−酸化物電極膜−
第1の電極15における酸化物電極膜の材料としては、SrRuO3を用いることができ、これ以外にも、Srx(A)(1−x)Ruy(B)(1−y)、A=Ba、Ca、B=Co、Ni、x、y=0〜0.5で記述されるような材料についても用いることができる。SrとRuの組成比については、Sr/Ruが0.82〜1.22であることが好ましい。この範囲から外れると酸化物電極膜の比抵抗が大きくなり、電極として十分な導電性が得られなくなることがある。
第1の電極15における酸化物電極膜の材料としては、SrRuO3を用いることができ、これ以外にも、Srx(A)(1−x)Ruy(B)(1−y)、A=Ba、Ca、B=Co、Ni、x、y=0〜0.5で記述されるような材料についても用いることができる。SrとRuの組成比については、Sr/Ruが0.82〜1.22であることが好ましい。この範囲から外れると酸化物電極膜の比抵抗が大きくなり、電極として十分な導電性が得られなくなることがある。
酸化物電極膜の作製方法としては、例えばスパッタ法により作製する方法が挙げられる。このとき、SrRuO3膜を成膜する場合、結晶配向性を考慮し、スパッタ条件を設定することが好ましい。例えば、第1の電極15の金属電極膜をPt(111)とした場合、SrRuO3膜についても(111)配向させることが好ましく、そのためには成膜温度を500℃以上での基板加熱を行い、成膜するなどの検討をすること等が挙げられる。
例えば特許第3782401号公報に記載のSRO成膜条件については、室温で成膜した後、RTA処理にて結晶化温度(650℃)で加熱、酸化を行っている。この場合、SRO膜としては、十分結晶化され、電極としての比抵抗としても十分な値が得られるが、膜の結晶配向性としては、(110)が優先配向しやすくなり、その上にPZTを成膜すると(110)に配向しやすくなる。
以下にSRO膜を作製する場合の例やその考慮点について説明する。
例えばPt(111)上に作製したSRO膜の結晶性については、PtとSROで格子定数が近いため、通常のX線回折測定におけるθ−2θ測定では、SRO(111)とPt(111)の2θ位置が重なってしまい判別が難しい。Ptについては消滅則の関係からPsi=35°傾けた2θが約32°付近の位置には回折線が打ち消し合い、回折強度が見られない。
例えばPt(111)上に作製したSRO膜の結晶性については、PtとSROで格子定数が近いため、通常のX線回折測定におけるθ−2θ測定では、SRO(111)とPt(111)の2θ位置が重なってしまい判別が難しい。Ptについては消滅則の関係からPsi=35°傾けた2θが約32°付近の位置には回折線が打ち消し合い、回折強度が見られない。
そのため、Psi方向を約35°傾けて、2θが約32°付近のピーク強度で判断することでSROが(111)に優先配向しているかを確認することができる。図13に、2θ=32°に固定し、Psiを振ったときの測定結果の例を示す。Psi=0°ではSRO(110)においてほとんど回折強度が見られず、Psi=35°付近において、回折強度が見られることから本成膜条件にて作製したものについては、SROが(111)配向していることが確認できる。また、上記した室温で成膜した後にRTA処理を行い作製したSRO膜については、Psi=0°のときにSRO(110)の回折強度が見られる。
また、連続駆動を行った場合、駆動させた後の変位量が初期変位に比べてどのくらい劣化したかを考慮すると、後述する電気−機械変換膜16におけるPZTの配向性が影響しており、(110)では変位劣化を抑制するには不十分となることがある。さらにSRO膜の表面粗さについては、成膜温度が影響しており、室温から300℃では表面粗さが小さくなり2nm以下になる。なお、表面粗さについてはAFM(Atomic Force Microscope、原子間力顕微鏡)により測定される表面粗さ(平均粗さ)を指標としている。
これらのことから、表面粗さとしては、フラットではあるが結晶性が十分でなく、その後成膜したPZTの圧電アクチュエータとしての初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないことから、SRO膜の結晶性や表面粗さを考慮する必要がある。
これらのことから、表面粗さとしては、フラットではあるが結晶性が十分でなく、その後成膜したPZTの圧電アクチュエータとしての初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないことから、SRO膜の結晶性や表面粗さを考慮する必要がある。
酸化物電極膜の表面粗さとしては、4nm〜15nmが好ましく、6nm〜10nmがより好ましい。上記の範囲を満たさない場合、その後成膜するPZTの絶縁耐圧が悪くなり、リークしてしまう場合がある。
上記の結晶性や表面粗さを得るためには、成膜温度を500℃〜700℃、より好ましくは520℃〜600℃として成膜をすることが好ましい。
上記の結晶性や表面粗さを得るためには、成膜温度を500℃〜700℃、より好ましくは520℃〜600℃として成膜をすることが好ましい。
酸化物電極膜の膜厚としては、40nm〜150nmが好ましく、50nm〜80nmがより好ましい。40nm未満の場合、初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないことがあり、PZTのオーバーエッチングを抑制するためのストップエッチング層としての機能も得られにくくなることがある。また、150nmより大きい場合、その後成膜したPZTの絶縁耐圧が悪くなり、リークしてしまうことがある。
酸化物電極膜の比抵抗としては、5×10−3Ω・cm以下が好ましく、1×10−3Ω・cm以下がより好ましい。5×10−3Ω・cmよりも大きい場合、十分な電流を供給することができなくなり、インク吐出をする際に不具合が発生することがある。
酸化物電極膜の比抵抗としては、5×10−3Ω・cm以下が好ましく、1×10−3Ω・cm以下がより好ましい。5×10−3Ω・cmよりも大きい場合、十分な電流を供給することができなくなり、インク吐出をする際に不具合が発生することがある。
<電気−機械変換膜>
電気−機械変換膜16の材料としては、PZTが好適に用いられる。PZTはジルコン酸鉛(PbZrO3)とチタン酸鉛(PbTiO3)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrO3とPbTiO3の比率が53:47の割合であり、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O3、一般的にはPZT(53/47)と示されることがある。
電気−機械変換膜16の材料としては、PZTが好適に用いられる。PZTはジルコン酸鉛(PbZrO3)とチタン酸鉛(PbTiO3)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrO3とPbTiO3の比率が53:47の割合であり、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O3、一般的にはPZT(53/47)と示されることがある。
PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。
これら材料を一般式として表した場合、ABO3で記述され、A=Pb、Ba、Sr B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が挙げられる。
これらの例としては、(Pb1−x,Bax)(Zr,Ti)O3、(Pb1−x,Srx)(Zr,Ti)O3等が挙げられ、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合の例である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
これら材料を一般式として表した場合、ABO3で記述され、A=Pb、Ba、Sr B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が挙げられる。
これらの例としては、(Pb1−x,Bax)(Zr,Ti)O3、(Pb1−x,Srx)(Zr,Ti)O3等が挙げられ、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合の例である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
電気−機械変換膜16の作製方法としては、例えばスパッタ法やゾルゲル法を用いてスピンコーター等にて作製することが挙げられる。その場合は、パターニング化が必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。
また、PZTをゾルゲル法により作製する場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ、均一の溶液を得ることで、PZT前駆体溶液が作製できる。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加しても良い。
また、下地膜14全面にPZT膜を得る場合、スピンコートなどの溶液塗布法により塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで得ることができる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100nm以下の膜厚が得られるように前駆体濃度を調整し、PZT膜を作製していくのが好ましい。
電気−機械変換膜16の膜厚としては0.5μm〜5μmが好ましく、1μm〜2μmがより好ましい。0.5μm未満の場合、圧力室18の加工が難しくなり、5μmより大きい場合、下地膜14が変形変位しにくくなりインク滴の吐出が不安定になるほか、十分な変位を発生できなくなることがあり、また作製工程の負担が増加し、プロセス時間が長くなることがある。
また、比誘電率としては600以上2000以下であることが好ましく、1200以上1600以下がより好ましい。このとき、この値を満たないときには十分な変位特性が得られないことがあり、2000より大きくなると、分極処理が十分行われず、連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないことがある。
<第2の電極>
第2の電極17としては、酸化物電極膜、金属電極膜を有していることが好ましい。
積層の順としては、酸化物電極膜、金属電極膜の順に積層される。第2の電極17における酸化物電極膜、金属電極膜は、第1の電極15における酸化物電極膜、金属電極膜と同じ態様とすることができるため、相違点について以下に説明する。
第2の電極17としては、酸化物電極膜、金属電極膜を有していることが好ましい。
積層の順としては、酸化物電極膜、金属電極膜の順に積層される。第2の電極17における酸化物電極膜、金属電極膜は、第1の電極15における酸化物電極膜、金属電極膜と同じ態様とすることができるため、相違点について以下に説明する。
−酸化物電極膜−
第2の電極17における酸化物電極膜の膜厚としては、20nm〜80nmが好ましく、40nm〜60nmがより好ましい。20nm未満の場合、初期変位や変位劣化特性について十分な特性が得られないことがあり、80nmより大きい場合、その後成膜するPZTの絶縁耐圧が悪くなり、リークしやすくなることがある。
第2の電極17における酸化物電極膜の膜厚としては、20nm〜80nmが好ましく、40nm〜60nmがより好ましい。20nm未満の場合、初期変位や変位劣化特性について十分な特性が得られないことがあり、80nmより大きい場合、その後成膜するPZTの絶縁耐圧が悪くなり、リークしやすくなることがある。
−金属電極膜−
第2の電極17における金属電極膜の膜厚としては30nm〜200nmが好ましく50nm〜120nmがより好ましい。30nm未満の場合、十分な電流を供給することができなくなり、インク吐出をする際に不具合が発生することがある。200nmより大きい場合、白金族元素などの高価な材料を用いると、コスト増につながることがある。また200nmより大きい場合において、白金を用いて膜厚を厚くすると表面粗さが大きくなり、さらに積層する場合、膜剥がれ等が発生することがある。
第2の電極17における金属電極膜の膜厚としては30nm〜200nmが好ましく50nm〜120nmがより好ましい。30nm未満の場合、十分な電流を供給することができなくなり、インク吐出をする際に不具合が発生することがある。200nmより大きい場合、白金族元素などの高価な材料を用いると、コスト増につながることがある。また200nmより大きい場合において、白金を用いて膜厚を厚くすると表面粗さが大きくなり、さらに積層する場合、膜剥がれ等が発生することがある。
<第1の絶縁保護膜>
次に、第1の電極15上に積層される第1の絶縁保護膜21について説明する。
第1の絶縁保護膜21は成膜・エッチングの工程による電気−機械変換素子へのダメージを防ぐとともに、大気中の水分が透過しづらい材料を選定する必要があるため、緻密な無機材料が好ましい。有機材料では十分な保護性能を得るためには膜厚を厚くする必要があるため、好ましくないことがある。
次に、第1の電極15上に積層される第1の絶縁保護膜21について説明する。
第1の絶縁保護膜21は成膜・エッチングの工程による電気−機械変換素子へのダメージを防ぐとともに、大気中の水分が透過しづらい材料を選定する必要があるため、緻密な無機材料が好ましい。有機材料では十分な保護性能を得るためには膜厚を厚くする必要があるため、好ましくないことがある。
第1の絶縁保護膜21の膜厚を大きくすると、下地膜14の振動変位を著しく阻害してしまうため、吐出性能の低い液滴吐出ヘッドになってしまうことがある。
第1の絶縁保護膜21の膜厚を抑えつつ、高い保護性能を得るには、酸化物、窒化物、炭化物を用いるのが好ましく、第1の絶縁保護膜21の下地となる、電極材料、圧電体材料、下地膜材料と密着性が高い材料を選定する必要がある。
第1の絶縁保護膜21の膜厚を抑えつつ、高い保護性能を得るには、酸化物、窒化物、炭化物を用いるのが好ましく、第1の絶縁保護膜21の下地となる、電極材料、圧電体材料、下地膜材料と密着性が高い材料を選定する必要がある。
成膜方法は電気−機械変換素子を損傷しない成膜方法を選定する必要がある。すなわち、反応性ガスをプラズマ化して基板上に堆積するプラズマCVD法やプラズマをターゲット材に衝突させて飛ばすことで成膜するスパッタリング法は好ましくない。好ましい成膜方法としては、蒸着法、ALD(Atomic Layer Deposition)法などが例示できるが、使用できる材料の選択肢が広いALD法が好ましい。
第1の絶縁保護膜21に用いられる好ましい材料としては、Al2O3、ZrO2、Y2O3、Ta2O3、TiO2などのセラミクス材料に用いられる酸化膜が例として挙げられる。ALD法を用いることで、膜密度の非常に高い薄膜を作製し、プロセス中でのダメージを抑制することができる。
第1の絶縁保護膜21に用いられる好ましい材料としては、Al2O3、ZrO2、Y2O3、Ta2O3、TiO2などのセラミクス材料に用いられる酸化膜が例として挙げられる。ALD法を用いることで、膜密度の非常に高い薄膜を作製し、プロセス中でのダメージを抑制することができる。
第1の絶縁保護膜21の膜厚は、電気−機械変換素子の保護性能を確保できる十分な薄膜とする必要があると同時に、下地膜の変位を阻害しないように可能な限り薄くする必要があり、20nm〜100nmが好ましい。20nm未満の場合、電気−機械変換素子の保護層としての機能が不足してしまうため、電気−機械変換素子の性能が低下してしまうことがある。100nmより大きい場合、下地膜14の変位が低下するため、吐出効率の低い液滴吐出ヘッドとなることがある。
また、第1の絶縁保護膜21を2層にする構成とすることもできる。この場合、2層目の絶縁保護膜を厚くするため、下地膜14の振動変位を著しく阻害しないように第2の電極17付近において2層目の絶縁保護膜を開口するような構成とすることもできる。
このとき2層目の絶縁保護膜としては、酸化物、窒化物、炭化物又はこれらの複合化合物を用いることができ、また半導体デバイスで一般的に用いられるSiO2なども用いることができる。
このとき2層目の絶縁保護膜としては、酸化物、窒化物、炭化物又はこれらの複合化合物を用いることができ、また半導体デバイスで一般的に用いられるSiO2なども用いることができる。
2層目の絶縁保護膜の成膜方法は公知の手法を用いることができ、CVD法、スパッタリング法なとが挙げられ、電極形成部等のパターン形成部の段差被覆を考慮すると等方的に成膜できるCVD法を用いることが好ましい。
2層目の絶縁保護膜の膜厚は共通電極と個別電極配線に印加される電圧で絶縁破壊されない膜厚とする必要がある。すなわち絶縁保護膜に印加される電界強度を、絶縁破壊しない範囲に設定する必要がある。さらに、絶縁保護膜の下地の表面性やピンホール等を考慮すると膜厚は200nm以上が好ましく、500nm以上がより好ましい。
2層目の絶縁保護膜の膜厚は共通電極と個別電極配線に印加される電圧で絶縁破壊されない膜厚とする必要がある。すなわち絶縁保護膜に印加される電界強度を、絶縁破壊しない範囲に設定する必要がある。さらに、絶縁保護膜の下地の表面性やピンホール等を考慮すると膜厚は200nm以上が好ましく、500nm以上がより好ましい。
<第3の電極、第4の電極、電極パッド>
第3の電極27、第4の電極28(これらを引き出し配線と称することがある)及び電極パッド23、24の材料は、Ag合金、Cu、Al、Au、Pt、Irのいずれかから成る金属電極材料であることが好ましい。これらの電極の作製方法としては、スパッタ法、スピンコート法を用いて作製し、その後フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。
膜厚としては、0.1〜20μmが好ましく、0.2〜10μmがより好ましい。0.1μm未満の場合、抵抗が大きくなり電極に十分な電流を流すことができなくなり、ヘッド吐出が不安定になることがある。一方、20μmより大きい場合、プロセス時間が長くなることがある。
第3の電極27、第4の電極28(これらを引き出し配線と称することがある)及び電極パッド23、24の材料は、Ag合金、Cu、Al、Au、Pt、Irのいずれかから成る金属電極材料であることが好ましい。これらの電極の作製方法としては、スパッタ法、スピンコート法を用いて作製し、その後フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。
膜厚としては、0.1〜20μmが好ましく、0.2〜10μmがより好ましい。0.1μm未満の場合、抵抗が大きくなり電極に十分な電流を流すことができなくなり、ヘッド吐出が不安定になることがある。一方、20μmより大きい場合、プロセス時間が長くなることがある。
また、共通電極及び個別電極に接続されるコンタクトホール25、26(例えば10μm×10μm)での接触抵抗としては、共通電極としては10Ω以下、個別電極としては1Ω以下が好ましい。より好ましくは、共通電極としては5Ω以下、個別電極としては0.5Ω以下である。この範囲を超えると十分な電流を供給することができなくなり、液滴を吐出する際に不具合が発生することがある。
また、電極パッド部の面積については、50×50μm2以上が好ましく、100×300μm2以上がより好ましい。この値を満たさない場合は、十分な分極処理ができなくなることがあり、連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないといった不具合が発生することがある。
<第2の絶縁保護膜>
第2の絶縁保護膜22としての機能は、個別電極配線や共通電極配線の保護層の機能を有するパッシベーション層である。図12(A)に示されるように、第2の絶縁保護膜22は個別電極引き出し部と共通電極引き出し部を除き、個別電極と共通電極上を被覆する。これにより電極材料に安価なAlもしくはAlを主成分とする合金材料を用いることができる。その結果、低コストかつ信頼性の高い液滴吐出ヘッドとすることができる。
第2の絶縁保護膜22としての機能は、個別電極配線や共通電極配線の保護層の機能を有するパッシベーション層である。図12(A)に示されるように、第2の絶縁保護膜22は個別電極引き出し部と共通電極引き出し部を除き、個別電極と共通電極上を被覆する。これにより電極材料に安価なAlもしくはAlを主成分とする合金材料を用いることができる。その結果、低コストかつ信頼性の高い液滴吐出ヘッドとすることができる。
材料としては、公知の無機材料、有機材料を使用することができるが、透湿性の低い材料とする必要がある。無機材料としては、酸化物、窒化物、炭化物等が挙げられ、有機材料としてはポリイミド、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
ただし有機材料の場合には膜厚を大きくする必要があるため、パターニングに適さない。そのため、薄膜で配線保護機能を発揮できる無機材料とすることが好ましい。特に、Al配線上にSi3N4を用いることが、半導体デバイスで実績のある技術であり、好ましい。
ただし有機材料の場合には膜厚を大きくする必要があるため、パターニングに適さない。そのため、薄膜で配線保護機能を発揮できる無機材料とすることが好ましい。特に、Al配線上にSi3N4を用いることが、半導体デバイスで実績のある技術であり、好ましい。
また、膜厚は200nm以上が好ましく、500nm以上がより好ましい。200nm未満の場合、十分なパッシベーション機能を発揮できないため、配線材料の腐食による断線が発生し、液滴吐出の信頼性を低下させてしまうことがある。
電気−機械変換素子上とその周囲の下地膜上に開口部をもつ構造が好ましい。これは、前述の第1の絶縁保護膜21の個別液室領域を薄くしていることと同様の理由である。これにより、高効率かつ高信頼性の液滴吐出ヘッドとすることが可能になる。
開口部分の形成においては、第1及び第2の絶縁保護膜で電気−機械変換素子が保護されているため、フォトリソグラフィ法、ドライエッチングを用いることができる。
開口部分の形成においては、第1及び第2の絶縁保護膜で電気−機械変換素子が保護されているため、フォトリソグラフィ法、ドライエッチングを用いることができる。
(電気−機械変換素子の製造方法)
本発明における電気−機械変換素子の製造方法は、
基板上に下地膜を形成する工程、前記基板上に少なくとも1つの下部電極を形成する工程、前記下部電極上に電気−機械変換膜を形成する工程、前記電気−機械変換膜上に少なくとも1つの上部電極を形成する工程、前記下部電極と電気的に接続される下部電極パッド及び前記上部電極と電気的に接続される上部電極パッドを形成する工程、により電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板を製造する工程と、
前記下部電極及び前記上部電極のうちの一方の電極を、前記複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極とし、前記下部電極及び前記上部電極のうちの他方の電極を、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極とするとともに、前記共通電極に電気的に接続される外部入力パッドを形成する工程と、
前記電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板について分極処理を行う工程と、
前記アクチュエータ基板をチップ化するためダイシングする工程と、を有するものである。
そして、前記分極処理を行う工程は、前記アクチュエータ基板を保持するステージ上に設けられ、かつ、前記外部入力パッドと接する導電性の電圧印加冶具を用いることにより分極処理を行うことを特徴とする。
本発明における電気−機械変換素子の製造方法は、
基板上に下地膜を形成する工程、前記基板上に少なくとも1つの下部電極を形成する工程、前記下部電極上に電気−機械変換膜を形成する工程、前記電気−機械変換膜上に少なくとも1つの上部電極を形成する工程、前記下部電極と電気的に接続される下部電極パッド及び前記上部電極と電気的に接続される上部電極パッドを形成する工程、により電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板を製造する工程と、
前記下部電極及び前記上部電極のうちの一方の電極を、前記複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極とし、前記下部電極及び前記上部電極のうちの他方の電極を、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極とするとともに、前記共通電極に電気的に接続される外部入力パッドを形成する工程と、
前記電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板について分極処理を行う工程と、
前記アクチュエータ基板をチップ化するためダイシングする工程と、を有するものである。
そして、前記分極処理を行う工程は、前記アクチュエータ基板を保持するステージ上に設けられ、かつ、前記外部入力パッドと接する導電性の電圧印加冶具を用いることにより分極処理を行うことを特徴とする。
また、前記ダイシングする工程において、前記外部入力パッドが前記共通電極と断線されることが好ましい。ここで、どの部分を断線するかは、特に制限されるものではなく、共通電極と外部入力パッドが電気的な接続状況を解除できればよい。
例えば図8に示される例では、外部入力パッド導通配線47aに沿って切断してもよく、外部入力パッド導通配線47bを切断してもよい。このとき、できるだけ外部入力パッドがチップに残らないことが好ましいが、外部入力パッドの一部がチップに残っていてもよい。
例えば図8に示される例では、外部入力パッド導通配線47aに沿って切断してもよく、外部入力パッド導通配線47bを切断してもよい。このとき、できるだけ外部入力パッドがチップに残らないことが好ましいが、外部入力パッドの一部がチップに残っていてもよい。
(液滴吐出ヘッド)
次に本発明に係る液滴吐出ヘッドについて説明する。
図14に示されるように、ノズル11、ノズル板12、圧力室18を備える液滴吐出ヘッドが挙げられる。図14(A)では、第1の電極15(下部電極)が共通電極であり、第2の電極17(上部電極)が個別電極となっているのに対し、図14(B)では、第1の電極15(下部電極)が個別電極であり、第2の電極17(上部電極)が個別電極となっている。
上記のように本発明では、下部電極及び上部電極のうちの一方の電極は、複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極として構成され、下部電極及び上部電極のうちの他方の電極は、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極として構成されている。中でも下部電極が共通電極であることが好ましい。
次に本発明に係る液滴吐出ヘッドについて説明する。
図14に示されるように、ノズル11、ノズル板12、圧力室18を備える液滴吐出ヘッドが挙げられる。図14(A)では、第1の電極15(下部電極)が共通電極であり、第2の電極17(上部電極)が個別電極となっているのに対し、図14(B)では、第1の電極15(下部電極)が個別電極であり、第2の電極17(上部電極)が個別電極となっている。
上記のように本発明では、下部電極及び上部電極のうちの一方の電極は、複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極として構成され、下部電極及び上部電極のうちの他方の電極は、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極として構成されている。中でも下部電極が共通電極であることが好ましい。
また、図15に示されるように複数個配置させる構成としてもよい。図15は図14と同様に、図15(A)では、第1の電極15(下部電極)が共通電極であり、第2の電極17(上部電極)が個別電極となっているのに対し、図15(B)では、第1の電極15(下部電極)が個別電極であり、第2の電極17(上部電極)が個別電極となっている。
本発明によれば、電気−機械変換素子が簡便な製造工程で(かつバルクセラミックスと同等の性能を有する)形成でき、その後の圧力室形成のための裏面からのエッチング除去、ノズル孔を有するノズル板を接合することで液滴吐出ヘッドが得られる。なお、図中には液体供給手段、流路、流体抵抗についての記述は省かれている。
(画像形成装置)
次に、本発明の液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置の一例を図16、図17に示す。図16は画像形成装置の斜視図であり、図17は画像形成装置の気孔部の側面図である。
次に、本発明の液滴吐出ヘッドを備える画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置の一例を図16、図17に示す。図16は画像形成装置の斜視図であり、図17は画像形成装置の気孔部の側面図である。
本発明における画像形成装置には、記録装置本体81の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載された液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部82等が収納されている。
装置本体81の下方部には前方側から多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(または給紙トレイ)84を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができる。そして、給紙カセット84または手差しトレイ85から給送される用紙83が取り込まれ、印字機構部82によって所要の画像が記録された後、後面側に装着された排紙トレイ86に用紙83が排紙される。
印字機構部82には、左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93が主走査方向に摺動自在に保持されている。
印字機構部82には、左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93が主走査方向に摺動自在に保持されている。
このキャリッジ93にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドからなるヘッド94が複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列され、インク滴吐出方向を下方に向けて液滴吐出ヘッドが装着されている。またキャリッジ93にはヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95が交換可能な態様で装着されている。
インクカートリッジ95には上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッドにインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体が設けられている。この多孔質体の毛管力により、液滴吐出ヘッドに供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液滴吐出ヘッドとしてここでは各色のヘッド94を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドとしてもよい。
ここで、キャリッジ93は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド92に摺動自在に載置している。そして、キャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト100が張装されている。このタイミングベルト100はキャリッジ93に固定されており、主走査モータ97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。
また、画像形成装置には、給紙カセット84にセットした用紙83をヘッド94の下方側に搬送するために、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ101及びフリクションパッド102が設けられている。さらに、用紙83を案内するガイド部材103と、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ104と、この搬送ローラ104の周面に押し付けられる搬送コロ105及び搬送ローラ104からの用紙83の送り出し角度を規定する先端コロ106とが設けられている。搬送ローラ104は副走査モータ107によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ104から送り出された用紙83を記録ヘッド94の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材109が設けられている。この印写受け部材109の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ111、拍車112が設けられている。さらに、画像形成装置には、用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ113及び拍車114と、排紙経路を形成するガイド部材115、116が配設されている。
記録時には、キャリッジ93が移動しながら画像信号に応じて記録ヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後、次の行の記録が行われる。記録終了信号又は用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙83が排紙される。
また、キャリッジ93の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置117が配置されており、回復装置117はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。
キャリッジ93は印字待機中にはこの回復装置117側に移動されてキャッピング手段でヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止することができる。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持することができる。
キャリッジ93は印字待機中にはこの回復装置117側に移動されてキャッピング手段でヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止することができる。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持することができる。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド94の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等をクリーニング手段により除去でき、吐出不良を回復することができる。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
本発明の画像形成装置においては、下地膜の駆動の不良等によるインク滴吐出不良を抑制することができ、変位の変動を抑制することができることから、安定したインク滴吐出特性、画像品質の向上を図ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。また、上記と同様に第1の電極とあるのは下部電極と同じ意味であり、第2の電極とあるのは上部電極と同じ意味である。
(実施例1)
<アクチュエータ基板の作製>
6インチシリコンウェハ上に、下地膜14として熱酸化膜(膜厚1μm)を形成し、第1の電極15の密着膜として、チタン膜(膜厚30nm)をスパッタ装置にて成膜した後にRTAを用いて750℃にて熱酸化させた。引き続き、金属膜として白金膜(膜厚100nm)、酸化物膜としてSrRuO3膜(膜厚60nm)をスパッタ成膜した。スパッタ成膜時の基板加熱温度については550℃にて成膜を実施した。
<アクチュエータ基板の作製>
6インチシリコンウェハ上に、下地膜14として熱酸化膜(膜厚1μm)を形成し、第1の電極15の密着膜として、チタン膜(膜厚30nm)をスパッタ装置にて成膜した後にRTAを用いて750℃にて熱酸化させた。引き続き、金属膜として白金膜(膜厚100nm)、酸化物膜としてSrRuO3膜(膜厚60nm)をスパッタ成膜した。スパッタ成膜時の基板加熱温度については550℃にて成膜を実施した。
次に、電気−機械変換膜としてPb:Zr:Ti=114:53:47に調整された溶液を準備し、スピンコート法により膜を成膜した。PZT前駆体溶液の塗布液の合成を以下に説明する。出発材料として酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用い、酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水した。なお、化学両論組成に対し鉛量を過剰にしてあるが、これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。
次に、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、先記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。このPZT濃度は0.5mol/lにした。
このPZT前駆体溶液を用いて、スピンコートにより成膜し、成膜後、120℃で乾燥させた後、500℃で熱分解を行った。3層目の熱分解処理後に、結晶化熱処理(温度750℃)をRTAにて行った。このときPZTの膜厚は240nmであった。この工程を計8回(24層)実施し、約2μmのPZT膜厚を得た。
次に、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、先記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。このPZT濃度は0.5mol/lにした。
このPZT前駆体溶液を用いて、スピンコートにより成膜し、成膜後、120℃で乾燥させた後、500℃で熱分解を行った。3層目の熱分解処理後に、結晶化熱処理(温度750℃)をRTAにて行った。このときPZTの膜厚は240nmであった。この工程を計8回(24層)実施し、約2μmのPZT膜厚を得た。
次に、第2の電極17の酸化物膜として、SrRuO3膜(膜厚40nm)、金属膜としてPt膜(膜厚125nm)をスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、ICPエッチング装置(サムコ製)を用いて図12に示すようなパターンを作製した。
次に、第1の絶縁保護膜21として、ALD工法を用いてAl2O3膜を50nm成膜した。このとき、原材料としてAlについては、TMA(トリメチルアルミニウム、シグマアルドリッチ社)、酸素についてはオゾンジェネレーターによって発生させたO3を交互に積層させることで、成膜を進めた。
その後、図12に示すように、エッチングによりコンタクトホール部を形成する。その後、第3、第4の電極としてAlをスパッタ成膜し、エッチングによりパターニング形成し、第2の絶縁保護膜22としてSi3N4をプラズマCVDにより500nm成膜し、電気−機械変換素子を作製した。
その後、図12に示すように、エッチングによりコンタクトホール部を形成する。その後、第3、第4の電極としてAlをスパッタ成膜し、エッチングによりパターニング形成し、第2の絶縁保護膜22としてSi3N4をプラズマCVDにより500nm成膜し、電気−機械変換素子を作製した。
このとき、エッチングにより、上部電極に接続されている上部電極パッド、下部電極に接続されている下部電極パッドと、ウエハ内に構成されている下部電極(共通電極)からすべて接続されている図7に示されるような外部入力パッドを形成した。6インチウェハ内に30mm×10mm四方のエリアを26個配置し、その中で個別電極パッド数としては300個用意し、共通電極パッド数としては30個用意した。すべてのチップの外部入力パッド47はすべて連結している。
なお、本実施例では下部電極が共通電極となっており、図8(A)に示される構成とした。
なお、本実施例では下部電極が共通電極となっており、図8(A)に示される構成とした。
<分極処理>
分極処理装置については、図3に示される分極処理装置を用いた。本実施例では、コロナ電極41としてφ50μmのタングステンのワイヤを用い、グリッド電極42としてステンレス製の開口率60%のグリッド電極を用いた。
本実施例で用いた分極処理装置におけるサンプルステージ44は、金メッキしたアルミ合金からなる導電部材であり、アース接地されている。また、加熱手段としては、ホットチャックを用いてサンプルステージ44を加熱し、95℃で処理を行った。
外部入力パッド47には電圧印加冶具が接触されるようにしており、パッドが電気的に接続されている。電圧印加冶具40は図4に示される構成であり、サンプルステージ44と電気的に接続されており、サンプルステージ44と同電位である。
また、電圧印加冶具は、ステンレス製で、パッドとのコンタクト部はタングステン針からなり、電圧印加冶具40におけるアクチュエータ基板より46も高い部分は樹脂コーティングされている。
分極処理装置については、図3に示される分極処理装置を用いた。本実施例では、コロナ電極41としてφ50μmのタングステンのワイヤを用い、グリッド電極42としてステンレス製の開口率60%のグリッド電極を用いた。
本実施例で用いた分極処理装置におけるサンプルステージ44は、金メッキしたアルミ合金からなる導電部材であり、アース接地されている。また、加熱手段としては、ホットチャックを用いてサンプルステージ44を加熱し、95℃で処理を行った。
外部入力パッド47には電圧印加冶具が接触されるようにしており、パッドが電気的に接続されている。電圧印加冶具40は図4に示される構成であり、サンプルステージ44と電気的に接続されており、サンプルステージ44と同電位である。
また、電圧印加冶具は、ステンレス製で、パッドとのコンタクト部はタングステン針からなり、電圧印加冶具40におけるアクチュエータ基板より46も高い部分は樹脂コーティングされている。
<ダイシング>
次に、分極処理をした後、ダイシングすることで、基板をチップ化した。ダイシングにあっては、図7に示されるチップをそれぞれ切り離し、また、図8に示される外部入力パッド導通配線47aに沿って切断した。
次に、分極処理をした後、ダイシングすることで、基板をチップ化した。ダイシングにあっては、図7に示されるチップをそれぞれ切り離し、また、図8に示される外部入力パッド導通配線47aに沿って切断した。
(実施例2)
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、作製した電気−機械変換素子に対して、分極処理を行う際に、外部入力パッドに20Vの電位を印加し、サンプルステージ44も同電位とした以外は実施例1と同様にした。本実施例では、サンプルステージ44、電圧印加冶具40の構成を図6に示されるものとした。
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、作製した電気−機械変換素子に対して、分極処理を行う際に、外部入力パッドに20Vの電位を印加し、サンプルステージ44も同電位とした以外は実施例1と同様にした。本実施例では、サンプルステージ44、電圧印加冶具40の構成を図6に示されるものとした。
(実施例3)
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、作製した電気−機械変換素子に対して、分極処理を行う際に、電圧印加冶具40を分極処理範囲外に形成し、外部入力パッド47に接触させ、サンプルステージ44とともにアース接地させた以外は実施例1と同様にした。本実施例では、サンプルステージ44、電圧印加冶具40の構成を図5に示されるものとした。
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、作製した電気−機械変換素子に対して、分極処理を行う際に、電圧印加冶具40を分極処理範囲外に形成し、外部入力パッド47に接触させ、サンプルステージ44とともにアース接地させた以外は実施例1と同様にした。本実施例では、サンプルステージ44、電圧印加冶具40の構成を図5に示されるものとした。
(実施例4)
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、エッチングにより、上部電極に接続されている上部電極パッド、下部電極に接続されている下部電極パッドと、ウエハ内に構成されている上部電極からすべて接続されている外部入力パッドを形成した。本実施例では上部電極が共通電極となっており、図8(B)に示される構成とした。
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、エッチングにより、上部電極に接続されている上部電極パッド、下部電極に接続されている下部電極パッドと、ウエハ内に構成されている上部電極からすべて接続されている外部入力パッドを形成した。本実施例では上部電極が共通電極となっており、図8(B)に示される構成とした。
(比較例1)
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、作製した電気−機械変換素子に対して、分極処理を行う際に、電圧印加冶具40を設けずに実施したこと以外は実施例1と同様にした。
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、作製した電気−機械変換素子に対して、分極処理を行う際に、電圧印加冶具40を設けずに実施したこと以外は実施例1と同様にした。
(参考例1)
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、作製した電気−機械変換素子に対して、分極処理を行う際に、外部入力パッド47には電圧印加冶具40が接触しているが、サンプルステージ44をアース接地せずに実施した。それ以外の条件は実施例1と同等である。
実施例1において、第2の絶縁保護膜22を形成した後、作製した電気−機械変換素子に対して、分極処理を行う際に、外部入力パッド47には電圧印加冶具40が接触しているが、サンプルステージ44をアース接地せずに実施した。それ以外の条件は実施例1と同等である。
(評価)
<分極状態の評価>
実施例1〜4、比較例1、参考例1で作製した電気−機械変換素子について、電気特性の評価を行った。また評価は複数枚のウエハを比較することにより行った。評価結果を表1に示す。なお、代表的なP−Eヒステリシス曲線は図9に示すようなものであった。
<分極状態の評価>
実施例1〜4、比較例1、参考例1で作製した電気−機械変換素子について、電気特性の評価を行った。また評価は複数枚のウエハを比較することにより行った。評価結果を表1に示す。なお、代表的なP−Eヒステリシス曲線は図9に示すようなものであった。
実施例1〜4については、比較例に比べ、特性値のバラツキが小さいことがわかる。これは、各電気−機械変換素子の共通電極(下部電極又は上部電極)の電位がウエハ間で差異がなくなったことで、コロナ放電により発生した電界のみで規定できるためだと考えられる。
また、実施例2は他の実施例より中心値が大きいが、基準電位が高くなっているため、電気−機械変換素子の上下電極間の電位差が小さくなったためである。
実施例1と実施例3で電圧印加冶具上のコロナ電極、グリッド電極の有無(分極処理範囲内であるか分極処理範囲外であるか)を比較しているが、中心値、ばらつきに大きな差は見られない。ただし、いずれもコロナ放電による電界印加範囲を踏まえて、ウエハ内に作製する電気−機械変換素子の配置を考慮する必要がある。電圧印加冶具からはより離れた位置にチップが形成されている方が望ましく、コロナ電極、グリッド電極の寸法から決定される、コロナ放電の電界印加範囲の端部からは離れている方が望ましい。
また、実施例4については外部入力パッドの接続先を上部電極としたが、同様に特性値のバラツキは小さいことがわかる。
これらの傾向はコロトロン方式、スコロトロン方式のいずれにおいても同じである。
一方、比較例1については、中心値は実施例の値と変わらないが、バラツキが大きくなってしまっている。また、参考例1については、電圧印加冶具により積極的に外部入力パッドではなく下部電極をステージと同電位としたが、十分に分極を進展させることができなかった。これは電位不定の状態であるためだと考えられる。
また、実施例2は他の実施例より中心値が大きいが、基準電位が高くなっているため、電気−機械変換素子の上下電極間の電位差が小さくなったためである。
実施例1と実施例3で電圧印加冶具上のコロナ電極、グリッド電極の有無(分極処理範囲内であるか分極処理範囲外であるか)を比較しているが、中心値、ばらつきに大きな差は見られない。ただし、いずれもコロナ放電による電界印加範囲を踏まえて、ウエハ内に作製する電気−機械変換素子の配置を考慮する必要がある。電圧印加冶具からはより離れた位置にチップが形成されている方が望ましく、コロナ電極、グリッド電極の寸法から決定される、コロナ放電の電界印加範囲の端部からは離れている方が望ましい。
また、実施例4については外部入力パッドの接続先を上部電極としたが、同様に特性値のバラツキは小さいことがわかる。
これらの傾向はコロトロン方式、スコロトロン方式のいずれにおいても同じである。
一方、比較例1については、中心値は実施例の値と変わらないが、バラツキが大きくなってしまっている。また、参考例1については、電圧印加冶具により積極的に外部入力パッドではなく下部電極をステージと同電位としたが、十分に分極を進展させることができなかった。これは電位不定の状態であるためだと考えられる。
<吐出評価>
実施例1〜4、比較例1、参考例1で作製した電気−機械変換素子を用いて、図15に示される液滴吐出ヘッドを作製し、液滴の吐出評価を行った。粘度を5cpに調整したインクを用いて、単純台形波形により−10〜30Vの印加電圧を加えたときの吐出状況を確認したところ、すべてのノズル孔からも吐出できていることを確認した。
実施例1〜4、比較例1、参考例1で作製した電気−機械変換素子を用いて、図15に示される液滴吐出ヘッドを作製し、液滴の吐出評価を行った。粘度を5cpに調整したインクを用いて、単純台形波形により−10〜30Vの印加電圧を加えたときの吐出状況を確認したところ、すべてのノズル孔からも吐出できていることを確認した。
10 電気−機械変換素子
11 ノズル
12 ノズル板
13 基板
14 下地膜
15 第1の電極(下部電極)
16 電気−機械変換膜
17 第2の電極(上部電極)
21 第1の絶縁保護膜
22 第2の絶縁保護膜
23 共通電極パッド
24 個別電極パッド
25、26 コンタクトホール
27 第3の電極
28 第4の電極
40 電圧印加冶具
41 コロナ電極
42 グリッド電極
44 サンプルステージ
45 アクチュエータ基板設置部
46 アクチュエータ基板
47 外部入力パッド
47a、47b 外部入力パッド導通配線
49 チップ
50 ドメイン
51 ドメインの分極方向
52 電源
53 コロナワイヤ
54 平面電極
55 被対象物
81 記録装置本体
82 印字機構部
83 用紙
84 給紙カセット
85 手差しトレイ
86 排紙トレイ
91 主ガイドロッド
92 従ガイドロッド
93 キャリッジ
94 ヘッド
95 インクカートリッジ
97 主走査モータ
98 駆動プーリ
99 従動プーリ
100 タイミングベルト
101 給紙ローラ
102 フリクションパッド
103 ガイド部材
104 搬送ローラ
105 搬送コロ
106 先端コロ
107 副走査モータ
109 印写受け部材
111 搬送コロ
112、114 拍車
113 排紙ローラ
115、116 ガイド部材
117 回復装置
11 ノズル
12 ノズル板
13 基板
14 下地膜
15 第1の電極(下部電極)
16 電気−機械変換膜
17 第2の電極(上部電極)
21 第1の絶縁保護膜
22 第2の絶縁保護膜
23 共通電極パッド
24 個別電極パッド
25、26 コンタクトホール
27 第3の電極
28 第4の電極
40 電圧印加冶具
41 コロナ電極
42 グリッド電極
44 サンプルステージ
45 アクチュエータ基板設置部
46 アクチュエータ基板
47 外部入力パッド
47a、47b 外部入力パッド導通配線
49 チップ
50 ドメイン
51 ドメインの分極方向
52 電源
53 コロナワイヤ
54 平面電極
55 被対象物
81 記録装置本体
82 印字機構部
83 用紙
84 給紙カセット
85 手差しトレイ
86 排紙トレイ
91 主ガイドロッド
92 従ガイドロッド
93 キャリッジ
94 ヘッド
95 インクカートリッジ
97 主走査モータ
98 駆動プーリ
99 従動プーリ
100 タイミングベルト
101 給紙ローラ
102 フリクションパッド
103 ガイド部材
104 搬送ローラ
105 搬送コロ
106 先端コロ
107 副走査モータ
109 印写受け部材
111 搬送コロ
112、114 拍車
113 排紙ローラ
115、116 ガイド部材
117 回復装置
Claims (10)
- 基板と、
前記基板上に形成される下地膜と、
前記基板上に形成される少なくとも1つの下部電極と、
前記下部電極上に形成される電気−機械変換膜と、
前記電気−機械変換膜上に形成される少なくとも1つの上部電極と、
前記下部電極と電気的に接続される下部電極パッドと、
前記上部電極と電気的に接続される上部電極パッドとを備える電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板について分極処理を行う分極処理装置であって、
前記下部電極及び前記上部電極のうちの一方の電極は、前記複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極として構成され、
前記下部電極及び前記上部電極のうちの他方の電極は、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極として構成されており、
前記共通電極は外部入力パッドに電気的に接続されており、
前記アクチュエータ基板を保持するステージを有するとともに、前記ステージ上に前記外部入力パッドと接する導電性の電圧印加冶具を有することを特徴とする分極処理装置。 - 前記電圧印加冶具のうち、前記アクチュエータ基板よりも高い位置に構成されている部分は絶縁物で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の分極処理装置。
- 前記電圧印加冶具は、分極処理範囲外の位置に備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の分極処理装置。
- 前記ステージは、アース接地されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分極処理装置。
- 前記電圧印加冶具は外部電源と接続され、前記ステージに任意の電位を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分極処理装置。
- 前記下部電極が前記共通電極であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の分極処理装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の分極処理装置により分極処理されたアクチュエータ基板を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項7に記載の液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする画像形成装置。
- 基板上に下地膜を形成する工程、
前記基板上に少なくとも1つの下部電極を形成する工程、
前記下部電極上に電気−機械変換膜を形成する工程、
前記電気−機械変換膜上に少なくとも1つの上部電極を形成する工程、
前記下部電極と電気的に接続される下部電極パッド及び前記上部電極と電気的に接続される上部電極パッドを形成する工程、により電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板を製造する工程と、
前記下部電極及び前記上部電極のうちの一方の電極を、前記複数の電気−機械変換素子間で共通の共通電極とし、前記下部電極及び前記上部電極のうちの他方の電極を、それぞれの電気−機械変換素子に対応した個別電極とするとともに、前記共通電極に電気的に接続される外部入力パッドを形成する工程と、
前記電気−機械変換素子を複数有するアクチュエータ基板について分極処理を行う工程と、
前記アクチュエータ基板をチップ化するためダイシングする工程と、を有する電気−機械変換素子の製造方法であって、
前記分極処理を行う工程は、前記アクチュエータ基板を保持するステージ上に設けられ、かつ、前記外部入力パッドと接する導電性の電圧印加冶具を用いることにより分極処理を行うことを特徴とする電気−機械変換素子の製造方法。 - 前記ダイシングする工程において、前記外部入力パッドが前記共通電極と断線されることを特徴とする請求項9に記載の電気−機械変換素子の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015044885A JP2016164931A (ja) | 2015-03-06 | 2015-03-06 | 分極処理装置、液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び電気−機械変換素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015044885A JP2016164931A (ja) | 2015-03-06 | 2015-03-06 | 分極処理装置、液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び電気−機械変換素子の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016164931A true JP2016164931A (ja) | 2016-09-08 |
Family
ID=56876717
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015044885A Pending JP2016164931A (ja) | 2015-03-06 | 2015-03-06 | 分極処理装置、液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び電気−機械変換素子の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2016164931A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107706302A (zh) * | 2017-09-05 | 2018-02-16 | 王开安 | 高分子薄膜极化方法、承载组件和高分子薄膜极化装置 |
-
2015
- 2015-03-06 JP JP2015044885A patent/JP2016164931A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107706302A (zh) * | 2017-09-05 | 2018-02-16 | 王开安 | 高分子薄膜极化方法、承载组件和高分子薄膜极化装置 |
| CN107706302B (zh) * | 2017-09-05 | 2023-09-01 | 科锐昇微系统(苏州)有限公司 | 高分子薄膜极化方法、承载组件和高分子薄膜极化装置 |
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