JP2016166436A - 積層体、感熱記録媒体及びインクジェット記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】変性PVA系樹脂と架橋剤からなる架橋物層に添加剤を入れることなく、さらに活性エネルギー線の照射も必要とせず、変性PVA系樹脂の変性種に関わらず、黄変を抑制することができる積層体を提供すること。【解決手段】紙(A)と、活性水素を有する変性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(b1)と架橋剤(b2)が反応して得られる架橋物層(B)と、カルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)を有する積層体を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、紙と、活性水素を有する変性基を含有するポリビニルアルコール系樹脂の架橋物を含有する架橋物層を有する積層体に関し、更に詳しくは、前記架橋物層の黄変の少ない積層体に関するものである。
従来より、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、ポリビニルアルコールをPVAと略記することがある。)などの樹脂を水などの液状成分に溶解した塗工液を、紙に塗工し乾燥させ、紙に耐水性や耐油性を付与することが行われている。このように紙に塗工膜を形成した積層体は、包装紙やチケットに用いられたり、写真印刷用の光沢紙として用いられたりするなど、近年その用途は多岐に渡っている。
塗工液に用いられるPVA系樹脂は、耐油性、耐溶剤性に優れるため、種々の用途に用いられている。その中でも、架橋剤と反応して架橋物を形成することにより、耐水性を付与できる活性水素を有する変性基含有PVA系樹脂(以下、活性水素を有する変性基含有PVA系樹脂を変性PVA系樹脂と略記することがある。)が広く用いられている。
しかしながら、変性PVA系樹脂は架橋剤と反応し、架橋物となると黄変するという問題があった。
かかる問題に対して、過去にもさまざまな検討が行われており、例えば、変性PVA系樹脂としてアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVA系樹脂と略記することがある。)を用い、架橋剤としてヒドラジン化合物を用いた架橋物に亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を配合することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
他にも、AA化PVA系樹脂とグリオキシル酸塩との架橋物に紫外線を照射し、変色を抑制することも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール系樹脂(以下、DA化PVA系樹脂と略記することがある。)の黄変を防止するために、塗工直前に架橋剤を配合するインクジェット記録媒体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2009−280754号公報 特開2013−028697号公報 特開2006−281474号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、還元剤を配合することによりAA化PVA系樹脂本来の物性が低下する場合があることが問題であった。また、特許文献2の技術では、紫外線を照射することにより、他の化合物が反応を起こす可能性があるため、使用できる用途が限られていた。
さらに特許文献3の技術は、DA化PVA系樹脂には効果が得られたものの、AA化PVA系樹脂に対する効果は得られていない。
そこで、本発明はこのような背景下において、変性PVA系樹脂と架橋剤からなる架橋物層に添加剤を入れることなく、さらに活性エネルギー線の照射も必要とせず、変性PVA系樹脂の変性種に関わらず、黄変を抑制することができる積層体を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意検討した結果、紙(A)と、変性PVA系樹脂(b1)と架橋剤(b2)との架橋物を含有する架橋物層(B)を含有する積層体において、更にカルボキシル基含有の水溶性樹脂層(C)を一層設けることにより黄変を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、紙(A)と、変性PVA系樹脂(b1)と架橋剤(b2)が反応して得られる架橋物層(B)と、カルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)を有する積層体に関するものである。
また、本発明では、前記積層体を用いた感熱記録媒体、及び、インクジェット記録媒体をも提供するものである。
本発明は、カルボキシル基を有する水溶性樹脂を用いることにより、架橋物層の黄変の原因の一つとされている、紙からの金属の移行、即ち、紙中に存在する金属が架橋物層へ移行するのを防御でき、黄変を抑制できたものであると推測される。
本発明の積層体は、架橋物層の黄変を抑制することができるものであり、例えば、印刷紙や包装紙などの外観に優れた積層体となるものである。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の積層体は、紙(A)と、変性PVA系樹脂(b1)と架橋剤(b2)が反応して得られる架橋物を含有する架橋物層(B)と、カルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)を有するものである。
まず、各層について説明する。なお、本発明において、架橋物層(B)や水溶性樹脂層(C)における層とは、連続した表面を有する膜のことを意味するものであり、塗工により形成される塗工膜も含むものであって、塗工膜が一部紙などの基材に入り込んでいる状態も含むものである。
[紙(A)]
紙(A)は通常、マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙、さらしクラフト紙などが挙げられる。なかでも一般上質紙が紙腰、強度、不透明度の点で好ましい。
[架橋物層(B)]
架橋物層(B)には、変性PVA系樹脂(b1)が架橋剤(b2)と反応して得られる架橋物を含有するものであり、変性PVA系樹脂(b1)と架橋剤(b2)について順に説明する。
〔変性PVA系樹脂(b1)〕
本発明で用いる変性PVA系樹脂(b1)は、活性水素を有するケトン、カルボン酸またはカルボン酸エステル等の変性基を有するPVA系樹脂であり、具体的には、例えばアセトアセチル基やジアセトン基を有するPVA系樹脂が挙げられる。なかでも、AA化PVA系樹脂(b1−1)や、DA化PVA系樹脂(b1−2)が好ましく、更にはAA化PVA系樹脂(b1−1)が好ましい。
変性PVA系樹脂(b1)の平均重合度は、通常、300〜4000であり、特に400〜3000、さらに800〜2000が好ましい。かかる平均重合度が小さすぎると、十分な耐水性が得られなかったり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に大きすぎると、塗工液の粘度が高くなりすぎ、基材への塗工が困難になる傾向がある。
変性PVA系樹脂(b1)のケン化度は、通常、80〜100モル%であり、さらには85〜99.9モル%、特には90〜99.8モル%のものが好適に用いられる。かかるケン化度が低すぎると、水溶液とすることが困難になったり、水溶液の安定性が低下したり、得られる架橋高分子の耐水性が低下する傾向がある。
変性PVA系樹脂(b1)の変性量は通常、0.1〜20モル%であり、さらには1〜15モル%、特には2〜10モル%であることが好ましい。かかる含有量が少なすぎると、耐水性が低下したり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に多すぎると、水溶性が低下したり、水溶液の安定性が低下する傾向がある。
{AA化PVA系樹脂(b1−1)}
次に、本発明で用いられるAA化PVA系樹脂(b1−1)について説明する。
本発明で用いられるAA化PVA系樹脂(b1−1)は、PVA系樹脂の主鎖に直接、あるいは酸素原子や連結基を介してアセトアセチル基(AA基)が結合したもので、例えば一般式(1)で表されるAA基を有する構造単位を含むポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。なお、かかるAA化PVA系樹脂(b1−1)は、AA基を有する構造単位以外にビニルアルコール構造単位を有し、更に未ケン化部分のビニルエステル構造単位を有する。
Figure 2016166436
前記、ビニルエステル系化合物としては、かかるビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済性の点から酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また、ビニルエステル系化合物と共重合性を有する化合物との共重合体のケン化物を用いることもでき、かかる共重合性化合物としては、例えばエチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類;ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩;アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル、等のビニル化合物;酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類;塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。
なお、かかる共重合性化合物の導入量は化合物の種類によって異なるため一概にはいえないが、通常は全構造単位の10モル%以下、特には5モル%以下であり、多すぎると水溶性が損なわれたり、架橋剤との相溶性が低下したりする場合があるため好ましくない。
前記AA化PVA系樹脂(b1−1)の平均重合度(JIS K6726に準拠)は、その用途によって適宜選択すればよいが、通常、300〜4000であり、特に400〜3000、さらに800〜2000のものが好適に用いられる。かかる平均重合度が小さすぎると、十分な耐水性が得られなかったり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に大きすぎると、塗工液の粘度が高くなりすぎ、基材への塗工が困難になる傾向がある。
また、前記AA化PVA系樹脂(b1−1)のケン化度は、通常、80〜100モル%であり、さらには85〜99.9モル%、特には90〜99.8モル%、殊には95〜99.8モル%のものが好適に用いられる。かかるケン化度が低すぎると、水溶液とすることが困難になったり、水溶液の安定性が低下したり、得られる架橋高分子の耐水性が低下する傾向がある。
また、AA化PVA系樹脂(b1−1)中のAA基含有量(以下、AA化度と略記することがある。)は、通常、0.1〜20モル%であり、さらには1〜15モル%、特には3〜10モル%であることが好ましい。かかる含有量が少なすぎると、耐水性が低下したり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に多すぎると、水溶性が低下したり、水溶液の安定性が低下する傾向がある。
本発明においては、使用するPVA系樹脂のすべてがAA化PVA系樹脂(b1−1)であることが好ましいが、AA化PVA系樹脂(b1−1)以外のPVA系樹脂が併用されていてもよく、その含有量はAA化PVA系樹脂(b1−1)に対して、通常20重量%以下であり、特に10重量%以下、さらに5重量%以下であることが好ましい。
かかるAA化PVA系樹脂(b1−1)以外のPVA系樹脂としては、未変性のPVA系樹脂や、ビニルエステル系モノマーと共重合性を有する各種モノマーを共重合して得られた各種変性PVA系樹脂を挙げることができる。
また、本発明で用いられるAA化PVA系樹脂(b1−1)には、製造工程で使用あるいは副生した酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属の酢酸塩(主として、ケン化触媒として用いたアルカリ金属水酸化物とポリ酢酸ビニルのケン化によって生成した酢酸との反応物等に由来)、酢酸などの有機酸(PVA系樹脂にアセト酢酸エステル基を導入する際の、ジケテンとの反応時にPVAに吸蔵させた有機酸等に由来)、メタノール、酢酸メチルなどの有機溶剤(PVA系樹脂の反応溶剤、AA化PVA系樹脂製造時の洗浄溶剤等に由来)が一部残存していても差し支えない。
かかるAA化PVA系樹脂(b1−1)の製造法としては、特開2010−077385号公報の明細書段落〔0059〕から〔0065〕に記載の方法に準じて製造することができる。
{DA化PVA系樹脂(b1−2)}
本発明で用いられる変性PVA(b1)としては、DA化PVA系樹脂(b1−2)を用いることもできる。
以下、DA化PVA系樹脂(b1−2)について詳しく説明する。
本発明で用いられるDA化PVA系樹脂(b1−2)は、PVA系樹脂にジアセトンアクリルアミド構造単位を導入したもので、かかるDA化PVA系樹脂(b1−2)を得るには、ビニルエステル系モノマーとジアセトンアクリルアミドの共重合体をケン化する方法が好ましく用いられる。なお、かかるDA化PVA系樹脂(b1−2)は、ジアセトンアクリルアミド構造単位以外にビニルアルコール構造単位、さらに未ケン化のビニルエステル構造単位を有する。
かくして得られるDA化PVA系樹脂(b1−2)の平均重合度(JIS K6726に準拠)は、300〜4000、さらには400〜3500、特には500〜3000が好ましく、かかる平均重合度が小さすぎると、十分な耐水性が得られなかったり、十分な架橋速度が得られない傾向があり、逆に大きすぎると、水溶液の粘度が高くなりすぎ、基材への塗工や、各種工程への適用が困難になる傾向がある。
また、前記DA化PVA系樹脂(b1−2)のケン化度は、80〜100モル%、好ましくは、85〜99.9モル%、特には、90〜99.8モル%、殊には95〜99.8モル%である。かかるケン化度が低すぎると水溶性が低下する傾向がある。
また、前記DA化PVA系樹脂(b1−2)中のジアセトンアクリルアミド構造単位の含有量は0.1〜20モル%、さらには0.2〜15モル%、特には0.3〜10モル%であることが好ましく、かかる含有量が少なすぎると、十分な耐水性が得られなかったり、十分な架橋速度が得られない傾向があり、逆に多すぎると、水溶性が低下したり、水溶液の安定性が低下する傾向がある。
また、本発明で用いられるDA化PVA系樹脂(b1−2)は、本発明の効果を阻害しない範囲でビニルエステル系モノマーまたはジアセトンアクリルアミドと共重合可能なモノマーを共重合したものであってもよい。
かかるDA化PVA系樹脂(b1−2)の製造法としては、特開2007−254732号公報の明細書段落〔0032〕から〔0035〕に記載の方法に準じて製造することができる。
{架橋剤(b2)}
変性PVA系樹脂(b1)には、耐水性向上のために架橋剤(b2)を反応させることが必要で、架橋剤(b2)としては、例えば、PVA系樹脂に一般的に用いられているグリオキザールなどのアルデヒド化合物、ヒドラジンの有機塩類、アジピン酸ジヒドラジドなどのヒドラジン化合物、グリオキシル酸の金属塩、メチロール化メラミンなどのメチロール化合物、塩基性塩化ジルコニウムなどの金属化合物等が挙げられ、好ましくは反応速度の点から、アジピン酸ジヒドラジドが用いられる。
本発明における架橋物層(B)は、例えば、上記の変性PVA系樹脂(b1)を水溶液とし、架橋剤(b2)と各種添加剤を配合して、架橋物層用塗工液とを調製し、これを塗工膜として形成することにより得られる。
かかる架橋物層用塗工液において、架橋剤(b2)の含有量は、架橋剤の種類にもよるが、変性PVA系樹脂(b1)100重量部に対して通常、0.5〜30重量部、好ましく1〜20重量部、更に好ましくは2〜15重量部である。
かかる架橋剤(b2)の含有量が多すぎても少なすぎても耐水性が低下する傾向がある。
また、かかる変性PVA系樹脂(b1)の塗工液全体に対する含有量は、通常1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%とすることが好ましく、かかる含有量が少なすぎると、架橋物層(B)としての効果、即ち耐水性を充分に発揮できない傾向があり、逆に多すぎると塗工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になる傾向がある。
また、架橋物層用塗工液のpHとしては10以下が好ましく、さらには3〜10である。pHが高過ぎると耐温水性や耐可塑剤性が低下する傾向がある。なお、AA化PVA系樹脂(b1−1)は水溶液とすると弱酸性となるので、かかるpH調整は通常必要ないことが多いが、必要に応じて、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、クエン酸、酒石酸、蓚酸、酢酸などの有機酸、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどの塩基性化合物でpH調整すればよい。
更に、架橋物層用塗工液には、必要に応じて無機フィラー、熱可塑性樹脂、顔料、その他添加剤等を配合することもできる。
無機フィラーとしては、例えば、カオリン、シリカ、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などが挙げられ、中でもインキ密着性の点からポリアクリル酸が好ましい。
上記の熱可塑性樹脂の配合量は、塗工液の固形分全体の通常10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%である。
該顔料としては、例えば、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、デンプン粒子等の有機顔料が挙げられ、その他の添加剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等の滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、剥離剤、酸化防止剤などが挙げられる。
また、各成分の配合順序は、例えば、以下の順序が挙げられる。
(ア)1成分ずつ順番に配合する方法
(イ)任意の2〜3成分を混合した後、残りの成分を順次又は一括にて配合する方法
(ウ)すべての成分を同時に配合する方法
(エ)架橋反応の進行のスピードに合わせて架橋剤(b2)を一番最後に配合する方法
また、架橋物層用塗工液の塗工方法としては、例えば、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法、カーテンコーター法等が挙げられる。
また、架橋物層用塗工液を塗工した後の乾燥条件としては、通常は5〜150℃、さらには30〜120℃、特には50〜100℃の温度条件が好ましく、また、0.1〜60分、さらには0.1〜30分、特には0.2〜10分の乾燥時間が好ましく用いられる。
かかる架橋物層(B)の厚みは、乾燥後の厚みで、通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜20μm、特に好ましくは0.1〜10μmであり、薄すぎると耐水性が低下する傾向があり、厚すぎると乾燥に時間がかかり、生産性が低下する傾向がある。
[カルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)]
本発明における水溶性樹脂層(C)は、カルボキシル基を有する水溶性樹脂を含有することを特徴とするものである。
かかるカルボキシル基を有する水溶性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、カルボキシル基含有デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボン酸変性PVAなどが挙げられ、黄変防止効果の点からポリアクリル酸が好ましい。
かかるポリアクリル酸の数平均分子量は、通常100〜10000000、好ましくは500〜8000000、特に好ましくは1000〜5000000である。
かかる数平均分子量が大きすぎると塗工性が低下する傾向があり、小さすぎると紙基材への浸み込みが大きくなる傾向がある。
本発明におけるカルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)は、かかる水溶性樹脂を水に溶解して、樹脂層用塗工液を調製し、これを塗工し、乾燥することにより得られる。
また、カルボキシル基を有する水溶性樹脂層用塗工液には、カルボキシル基を有する水溶性樹脂以外に、その他の熱可塑性樹;でんぷん、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子;顔料、フィラーなどを配合することもできる。
樹脂層用塗工液の固形分濃度は、通常1〜80重量%、好ましくは3〜60重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。かかる含有量が少なすぎると乾燥に時間がかかる傾向があり、多すぎると塗工性が低下する傾向がある。
また、樹脂層用塗工液の塗工方法としては、例えば、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法、カーテンコーター法等が挙げられる。また、樹脂層用塗工液を塗工した後の乾燥条件としては、通常は5〜150℃、さらには30〜120℃、特には40〜100℃の温度条件で、0.1〜60分、さらには0.1〜30分、特には0.2〜20分の乾燥時間が好ましく用いられる。
上記の樹脂層用塗工液を塗工して得られた水溶性樹脂層(C)の厚みは、通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜50μm、特に好ましくは0.1〜30μmであり、薄すぎると耐水性が低下する傾向があり、厚すぎると感熱記録層の発色性が低下する傾向がある。
〔積層体〕
本発明の積層体は、紙(A)と架橋物層(B)と水溶性樹脂層(C)を有するものである。
前記水溶性樹脂層(C)を設ける場所は、紙に接している層でも接していない層でもよいが、他の層の物性に対する影響が小さい点で、紙と接している層のほうが好ましい。また、一層のみでも、二層以上設けてもよいが、コストや生産性の点から一層のみが好ましい。さらに、紙(A)と架橋物層(B)の間に層を設ける場合や、架橋物層(B)とは反対側の面に設ける場合もあるが、黄変防止効果の点から紙(A)と架橋物層(B)の間に層を設けるほうが好ましい。
本発明の積層体は、包装紙、ラベル、各種チケット、宝くじなどの用途に用いられるものである。
また、本発明の積層体にさらに他の層を設けたり、各層に添加物を加えることにより、感熱記録媒体やインクジェット記録紙、剥離紙、離型紙、耐油紙、耐水紙などに用いることができる。
〔感熱記録媒体〕
本発明の積層体を感熱記録媒体として用いる場合について説明する。
感熱記録媒体として用いる場合には、紙(A)と架橋物層(B)の間に感熱記録層を設ければよく、水溶性樹脂層(C)の位置は、紙(A)に接していても、感熱記録層と架橋物層(B)の間でも良い。感熱記録層の保護の点から、感熱記録層は、水溶性樹脂層(C)と架橋物層(B)の間に設けることが好ましい。即ち、紙(A)/水溶性樹脂層(C)/感熱記録層/架橋物層(B)の順に積層することが好ましい。
下記に感熱記録層について説明する。
{感熱記録層}
感熱記録層は、バインダー(例えば、PVA系樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、ラテックス類等)にさらに発色性物質と顕色剤を配合した水溶液(発色液)を得た後、該水溶液を紙などの基材に塗工することにより形成させることができる。
この時の発色性物質や顕色剤は水溶液中ではブロック化するのでサイドグラインダー、ボールミル、ビスコミル等で0.1〜5μm程度に粉砕される。
〔インクジェット記録媒体〕
本発明の積層体は、インクジェット記録媒体としても用いることができる。インクジェット記録媒体として用いる場合には、架橋物層(B)に無機フィラーを含有させることにより、架橋物層(B)をインク受容層として用いることができる。更に、公知の光沢層がインク受容層上に塗工されていても良い。
さらに、本発明における架橋物層(B)を用いたインク受容層には、本発明の目的が阻害されない範囲で、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、還元剤、消泡剤、離型剤、浸透剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、紙力増強剤などを配合しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
実施例1
〔積層体1の作成〕
{紙(A)とカルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)の積層体の作製}
カルボキシル基を有する水溶性樹脂としてポリアクリル酸を用いた。ポリアクリル酸1(日本触媒社製、アクアリックAS58、数平均分子量800000)の20%水溶液をコピー用紙(上質紙)上に、クリアランス100μmのアプリケーターにて塗工して、70℃で5分間乾燥して紙(A)とカルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C1)との積層体を得た。
{AA化PVA系樹脂(b1−1)の作製}
PVA(ケン化度98.0モル%、4質量%水溶液の粘度52mPa・s、重合度2400)を、ニーダーに100部仕込み、これに酢酸30部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで攪拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン5部を5時間かけて滴下し、更に1時間反応させた。反応終了後、メタノールで洗浄した後、70℃で12時間乾燥してAA化PVA(b1−1)を得た。かかるAA化PVA(b1−1)のAA化度は4.5モル%であり、ケン化度および平均重合度は用いたPVAの通りである。
{架橋反応}
上記で得られたAA化PVA(b1−1)の10%水溶液100部にアジピン酸ジヒドラジドの10%水溶液5部配合し、混合した後、上記で得られた紙(A)と水溶性樹脂層(C)との積層体の上にクリアランス50μmのアプリケーターで塗工し、70℃で5分間乾燥させ、架橋物層(B1)を形成し、本発明の積層体1を得た。
積層体1の層構成は下記の通りである。
紙/水溶性樹脂層(C1)/架橋物層(B1)=60μm/20μm/5μm
〔黄変評価〕
上記で得られた積層体1を40℃、90%RHの恒温恒湿機で28日間放置し、黄変を促進させ、測色計にて測色を行った。測定装置としては、分光測色計CM−3600A(コニカミノルタセンシング製)を用い、反射法 光源D−65にて3回測定し、その平均値で評価した。
結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、カルボキシル基を有する水溶性樹脂してポリアクリル酸2(日本触媒社製、アクアリックHL415、数平均分子量10000)に変えた以外は、実施例1と同様に積層体を作製し、積層体2とした。
積層体2の層構成は下記の通りである。
紙/水溶性樹脂層(C2)/架橋物層(B1)=60μm/20μm/5μm
得られた積層体2について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、カルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)を設けなかった以外は、実施例1と同様に積層体を作製し、各測定、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2016166436
本発明の積層体を用いた実施例1及び2は、Δb*値の値が小さく、黄変の小さいものであった。一方、本発明の積層体を用いない比較例1では、Δb*値が大きく、黄変の大きいものであった。
本発明の積層体は、黄変が小さく、包装紙や感熱記録媒体やインクジェット記録媒体に有用である。

Claims (7)

  1. 紙(A)と、活性水素を有する変性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(b1)と架橋剤(b2)が反応して得られる架橋物層(B)と、カルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)を有することを特徴とする積層体。
  2. 活性水素を有する変性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(b1)がアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(b1−1)であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 活性水素を有する変性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(b1)がジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール系樹脂(b1−2)であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  4. カルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)を構成する樹脂が、ポリアクリル酸であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の積層体。
  5. 紙(A)と架橋物層(B)の間にカルボキシル基を有する水溶性樹脂層(C)を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の積層体。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の積層体を用いてなることを特徴とする感熱記録媒体。
  7. 請求項1〜5いずれか記載の積層体を用いてなることを特徴とするインクジェット記録媒体。
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