JP2016169351A - 硬化性樹脂組成物および積層構造体 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、活性エネルギー線照射により速やかに硬化し、実使用において優れた自己修復性と、プラスチック基材に対する優れた密着性と、耐カール性を示す硬化性樹脂組成物、および該組成物の硬化物が形成されてなる積層構造体を提供することである。
【解決手段】
下記(A)成分および(B)成分を、(A):(B)=50:50〜95:5の質量割合で含有する硬化性樹脂組成物を提供する。
(A)成分:(a1)ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート、(a2)ポリエーテルジオール、(a3)ジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を、
(a1)の水酸基/(a2)の水酸基の当量比が2.0〜59.0、
(a1)と(a2)の水酸基/(a3)のイソシアネート基の当量比が0.9〜1.1
の反応比で反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート
(B)成分:単官能エチレン性不飽和化合物
【選択図】なし
Description
このような用途に用いられる硬化性樹脂組成物には、傷や凹みなどによって外観や性能が損なわれることを防ぐために、高硬度、耐傷つき性などの性能が求められる。その中でも近年、傷付きにくさを向上させる手段として、硬さを向上させるのではなく、柔軟性と復元性を向上させることにより、軽微な傷や凹みが生じても、経時的に傷を復元して消失させる特性(以下、自己修復性と記載)を持たせることが実施されている。
また、用途により様々な種類の基材が使用されることから、それらの基材に対する密着性が良好であることが必要である。密着性を付与するための一般的な手法として、硬化性樹脂に低粘度の単官能または二官能のモノマーを配合し、濡れ広がりや基材への浸透性、基材との親和性を高める方法が知られており、自己修復性樹脂についても同様にこの手法を用いることが可能である。
例えば、特許文献1には、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物と、ポリオールと、芳香環構造を有するイソシアネートからなるウレタン(メタ)アクリレートと、エチレン性不飽和基を1つ有するモノマーとを含んでなる硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の組成物は、密着性に優れており、芳香環構造を取り入れていることにより硬さには優れているものの、柔軟性が不十分であり、自己修復性については瞬時の復元が認められないため、実使用において十分に満足されるものではなかった。
また、特許文献3には、ウレタン(メタ)アクリレートと、単官能エチレン性不飽和化合物と、多官能の(メタ)アクリレートモノマーを含有してなる樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献3に記載の樹脂組成物はレンチキュラーレンズ、フレネルレンズなどのレンズシートに好適に用いられるものであり、優れた硬度と高屈折率を持たせるため、芳香環構造を有しており、変形に対して優れた復元性を示すものの、本出願で記載するような傷復元性を示すだけの柔軟性を持ち合わせておらず、上述のような画像表示装置、電子機器や家電製品の筐体などに使用するには適さないものであった。
すなわち、本発明は次の[1]および[2]である。
(A)成分:以下の(a1)〜(a3)成分を、
(a1)の水酸基/(a2)の水酸基の当量比が2.0〜59.0、
(a1)と(a2)の水酸基/(a3)のイソシアネート基の当量比が0.9〜1.1
の反応比で反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート
(a1)下記式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート
(a2)下記式(2)で表されるポリエーテルジオール
(a3)下記式(3)で表されるジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体
(B)成分:下記式(4)で表される単官能エチレン性不飽和化合物
[2]前記の[1]に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物層、および基材の少なくとも二層で構成され、前記基材の少なくとも一方の面に前記硬化物層が形成されてなる積層構造体。
本発明の硬化性樹脂組成物に用いるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、(a1)成分としてポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート、(a2)成分としてポリエーテルポリオール、(a3)成分としてジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体を用い、ウレタン化反応して得られる化合物である。
本発明の硬化性樹脂組成物に用いる単官能エチレン性不飽和化合物(B)は、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、またはポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを開環付加重合して得られる化合物である。
本発明の硬化性樹脂組成物には光重合開始剤を配合しても良い。前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインまたはベンゾインアルキルエーテル;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸等の芳香族ケトン;ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド等のアシルフォスフィンオキシドが挙げられる。これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド等のアシルフォスフィンオキシドが好ましく、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノンがより好ましい。
本発明の積層体は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、および単官能エチレン性不飽和化合物(B)を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物層、および基材の少なくとも二層で構成される積層構造体であり、基材の少なくとも一方の面に硬化性樹脂組成物の硬化物が形成されてなるものである。
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四ツ口フラスコに、(a1)成分としてポリオキシエチレンモノアクリレート(一般式(1)においてR1=水素原子、R2=C2H4、a=4.5、水酸基価(OHV)=201mgKOH/g)を753.3g、(a2)成分としてポリエチレングリコール(式(2)においてR3=C2H4、b=9)を60.0g、(a3)成分としてヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と表記)のイソシアヌレート変性体(商品名:デュラネートTPA−100、旭化成ケミカルズ(株)社製、イソシアネート基含有率=23.1%、以下「TPA−100」と表記)を545.5g、ジブチルスズジラウレート(商品名:ネオスタンU−100、日東化成(株)社製、以下「DBTDL」と表記)を0.20g、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、「MEHQ」と表記)を0.20g投入した。次に、乾燥空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して5時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有率が0.05%以下となることを確認したのち、ウレタンアクリレート(A−1)を得た。収量は1333.4gであった。
表1に記載したポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオール、ジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体、ウレタン化触媒、重合禁止剤を用い、実施例1と同様の操作を行って、本発明に用いるウレタンアクリレートA−2〜A−4、および本発明に用いるウレタンアクリレートとは異なるウレタンアクリレートA’−1〜A’−4を得た。
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四ツ口フラスコに、(a1)成分としてポリオキシエチレンモノアクリレート(一般式(1)においてR1=水素原子、R2=C2H4、a=4.5、水酸基価=201mgKOH/g)558.0g、(a2)成分としてポリエチレングリコール(式(2)においてR3=C2H4、b=9)12.0g、DBTDLを0.11g、MEHQを0.11g投入した。次に、乾燥空気を吹き込みながら(a3)成分としてHDIを5時間かけてゆっくりと滴下し、内温を60℃に保持しながら168.0g投入した。JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有率が0.05%以下となることを確認して、本発明に用いるウレタンアクリレートとは異なるウレタンアクリレート(A’−5)を得た。収量は738.0gであった。
・TPA−100:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、商品名「デュラネートTPA−100」旭化成ケミカルズ(株)製
・HDI:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
・DBTDL:ジブチルスズジラウレート、商品名「ネオスタンU−100」日東化成(株)製
・MEHQ:ハイドロキノンモノメチルエーテル
上記合成例で得られたウレタン(メタ)アクリレート(A)、単官能エチレン性不飽和化合物(B)、光重合開始剤を表2、表3に示す割合で配合し、均一に溶解させて硬化性樹脂組成物を得た。続いて、PET基材(コスモシャインA4300、基材厚100μm、東洋紡績(株)製)、またはPC基材(JIS6735準拠、厚さ2mm)上にこの硬化性樹脂組成物を乾燥膜厚が20μmとなるよう塗布した。さらに、紫外線照射装置〔フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源Hバルブ〕を用いて大気雰囲気下で積算光量500mJ/cm2の紫外線を照射することで硬化物を有する積層構造体を得た。得られた積層構造体について、以下の評価を実施した。
PET基材を用いて得られた積層構造体の硬化膜表面を指でなぞり、ベタつきの有無を調べた。判定基準は下記の通りである。
○:ベタつきがない。
×:ベタつきがある。
PET基材を用いて得られた積層構造体の硬化膜表面を、真鍮ブラシを用いて500g荷重で5往復擦ったとき、硬化膜の表面状態を目視により判定した。判定基準は下記の通りである。
◎:傷が1秒以内に修復する。
○:傷が1〜5秒の間に修復する。
△:傷が5〜60秒の間に修復する。
×:60秒以上静置しても傷が修復しない。
PET基材を用いて得られた積層構造体を10cm×10cmにカットし、25℃、60RH%の条件下で1時間静置したのち、水平な台に硬化物面を上にして置いた際、浮き上がった4辺それぞれの高さを計測し、その平均値から耐カール性を下記の基準により判定した。
◎:高さの平均値が2mm未満である。
○:高さの平均値が2mm以上、5mm未満である。
△:高さの平均値が5mm以上、20mm未満である。
×:高さの平均値が20mm以上である。
PET基材、およびPC基材を用いて得られた積層構造体を25℃、60RH%の条件下で1時間静置したのち、JIS K 5600に準拠し、カッターナイフで1mm四方の碁盤目を100個作製し、市販のセロハンテープを表面に密着させたあとに一気に剥がしたとき、剥離せずに残った碁盤目の個数を下記の基準により判定した。
◎:残存した碁盤目の個数が100個である。
○:残存した碁盤目の個数が80〜99個である。
△:残存した碁盤目の個数が50〜79個である。
×:残存した碁盤目の個数が49個以下である。
・Irgacure184: 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、商品名「イルガキュア184、BASFジャパン(株)製。
・B−1: 式(4)において、R5=水素原子、R6=C2H4、c=1
・B−2: 式(4)において、R5=水素原子、R6=C3H6、c=1
・B−3: 式(4)において、R5=水素原子、R6=C2H4、c=2
・B’−1: 式(4)において、R5=水素原子、R6=C2H4、c=4.5
一方、比較例1においては、(B)成分を含まず、(A)成分のみの構成としたところ、基材に対する密着性が不十分であった。比較例2においては、配合比が範囲を超え、(A)成分に対して(B)成分を多く配合すると、架橋構造が十分に形成されず、架橋密度が低下したために自己修復性が不十分であり、擦り傷が瞬時に復元しなかった。比較例3においては、(A)成分中に(a2)成分を含まなかったところ、架橋構造が不十分であるために、自己修復性を発現するものの、修復時間がやや長かった。比較例4においては、ウレタン化における(a1)/(a2)の比が範囲を超えて低く、ポリエーテルの割合を多くしたところ、合成の最中にゲル化したために以後の評価が不可能であった。
Claims (2)
- 下記(A)成分および(B)成分を、(A):(B)=50:50〜95:5の質量割合で含有する硬化性樹脂組成物。
(A)成分:以下の(a1)〜(a3)成分を、(a1)の水酸基/(a2)の水酸基の当量比が2.0〜59.0、(a1)と(a2)の水酸基/(a3)のイソシアネート基の当量比が0.9〜1.1の反応比で反応して得られるウレタン(メタ)アクリレート
(a1)下記式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素原子数2〜4のアルキレン基を示し、aはR2Oの平均付加モル数であり、2〜8を示す。)
(a2)下記式(2)で表されるポリエーテルジオール
(式中、R3は炭素原子数2〜4のアルキレン基を示し、bはR3Oの平均付加モル数であり、2〜16を示す。)
(a3)下記式(3)で表されるジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体
(式中、R4は炭素数4〜10のアルキレン基を示す。)
(B)成分:下記式(4)で表される単官能エチレン性不飽和化合物
(式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は炭素原子数2〜4のアルキレン基を示し、cはR6Oの平均付加モル数であり、0〜2を示す。) - 請求項1に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物層、および基材の少なくとも二層で構成され、前記基材の少なくとも一方の面に前記硬化物層が形成されてなる積層構造体。
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