JP2016175191A - 画像形成装置、画像形成方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】生産速度を維持しながら画像濃度を濃くでき、文字や線画の視認性を向上させることができる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置は、少なくとも1つは特定色を含む顔料インクと染料インクとにより画像を形成する画像形成装置であって、画像データのエッジ画素を検出するエッジ検出部と、検出された前記エッジ画素は前記顔料インクを用いて形成する制御を行い、前記エッジ画素を除く画素は前記顔料インクと前記染料インクとを組み合わせて形成する制御を行う制御部と、を備える。
【選択図】図5
【解決手段】本発明に係る画像形成装置は、少なくとも1つは特定色を含む顔料インクと染料インクとにより画像を形成する画像形成装置であって、画像データのエッジ画素を検出するエッジ検出部と、検出された前記エッジ画素は前記顔料インクを用いて形成する制御を行い、前記エッジ画素を除く画素は前記顔料インクと前記染料インクとを組み合わせて形成する制御を行う制御部と、を備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。
インクジェット方式のプリンタは、電子写真方式などの他のプリント方式に比べて、小型で安価に製造でき、消費電力も少ない。そのため、インクジェット方式のプリンタは、個人用や業務用での普及が進んでいる。インクジェット方式のプリンタは使用するインクを変えることで、オフィス文書や写真プリントなど用紙に応じて異なった風合いの画像を形成することができる。
使用するインク種類としては、種々のものが使用可能であるが、一般的に水性顔料インクと水性染料インクが多く用いられる。水性顔料インクは、色のついた粉を水溶液中に分散させて紙面上で定着させることで発色させ、水性染料インクは、色のついた液体で紙の繊維を染めて発色させている。染料インクに対して、顔料インクは、耐水性、耐候性、滲みが少ない点で優れるが、色の発色、光沢感、製造コストの点で劣る。顔料インクに対して、染料インクは、色の発色、光沢感、製造コストの点で優れるが、耐水性、耐候性、滲みが多い点で劣る。
業務用のオフィス用途では、低コストであるインクの受容層を設けていない普通紙を使うことが多く、画質としては、文字やラインの可読性が重要視される。そのため、滲みが少なく耐水性に強い、顔料インクが使われることが多い。また、写真プリント用途では、インク受容層を設けた専用紙を使うため、耐水性、耐候性などの保存性を重視する場合は顔料インクを用い、発色や光沢感を重視する場合は染料インクを用いる場合が多い。そのため、顔料インクと染料インクの2種類のインクを備え、普通紙印刷の場合には、顔料インクを用い、写真印刷の場合には、染料インクを用いるインクジェット方式のプリンタが存在する。
特許文献1には、普通紙とインクジェット専用記録媒体のいずれにも良好な画像が実現できるインクジェット記録装置が開示されている。特許文献1に記載のインクジェット記録装置は、記録媒体が光沢層およびインク受容層の少なくとも一方を有する記録媒体であるとき、染料を着色剤として含んでなるインク組成物のみを記録媒体に印刷し、記録媒体が普通紙であるとき、顔料を着色剤として含んでなるインク組成物と染料を着色剤として含んでなるインク組成物とを重ねて印刷するものである。
また、特許文献2には、顔料インクを用いて両面印字を行う場合で、文字情報の記録品位を低下させること無く、高速な出力を可能とするインクジェット記録装置が開示されている。特許文献2に記載のインクジェット記録装置は、両面印字時には顔料インクを使用せずに印字を行うことで、定着・乾燥に必要な時間を短縮しスループットを上げるものである。
記録ヘッドを用紙搬送方向(以下、副走査方向と記載する)と直交する方向(以下、主走査方向と記載する)に往復動作して画像形成するシリアル方式のインクジェットプリンタは、スキャン回数を増加させることで、印刷解像度を向上させることができる。また、スキャン回数を増加させること、及びスキャン速度を遅くすることで、インク乾燥時間が確保できることや、記録ヘッドからより多くのインクを吐出するための時間的猶予ができることにより画像濃度が濃くなるので、はっきりした画像を形成することができる。すなわち、精細な画質で、濃くて、はっきりした画像を形成するにはスキャン回数を増加させる、及びスキャン速度を遅くする必要がある。
画像濃度を濃くするには単位時間あたりに打ち込めるインク量が多いほうが有利であるが、インク量は記録ヘッドのインク吐出周期に依存するのでスキャン速度を速くすると単位時間あたりに打ち込めるインク量が少なくなり画像濃度が薄くなる。また、スキャン速度を速くするとインク乾燥時間が短くなるため滲みが発生する。
業務用のオフィス用途のインクジェット方式のプリンタは、生産速度(印刷スピード)が重視されるため、スキャン回数を少なくし、スキャン速度を速くして画像形成することが求められている。一方、ビジネス文書に多用される文字や線の可読性を高めるためには画像濃度が濃く、はっきりした画像で滲みを抑えることが求められている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載のインクジェット記録装置では、生産速度を維持しながら文字や線の可読性を高めることができない、という問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、生産速度を維持しながら画像濃度を濃くでき、文字や線画の視認性を向上させることができる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、少なくとも1つは特定色を含む顔料インクと染料インクとにより画像を形成する画像形成装置であって、画像データのエッジ画素を検出するエッジ検出部と、検出された前記エッジ画素は前記顔料インクを用いて形成する制御を行い、前記エッジ画素を除く画素は前記顔料インクと前記染料インクとを組み合わせて形成する制御を行う制御部と、を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、生産速度を維持しながら画像濃度を濃くでき、文字や線画の視認性を向上させることができる、という有利な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置、画像形成方法およびプログラムの一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、画像形成装置の一例として、インクジェット記録装置を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、画像形成装置であればいずれにも適用することができる。さらに、本発明は、インクジェット記録装置に限らず、記録媒体上にインク滴を吐出させて画像形成する画像形成装置に対して広く適用可能である。
本実施形態に係る画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色の染料インク及びブラック(K)の1色の顔料インクを吐出するヘッドユニットを有し、これらのヘッドユニットを記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復動作させて画像形成を行う。すなわち、本実施形態のインクジェット記録装置は、少なくとも1つは特定色(ブラック(K))を含む顔料インクと染料インクとにより画像を形成する。また、特定色とはグレーを含む黒(ブラック(K))に属する色である。なお、特定色はブラック(K)に限ることはなく任意である。以下では、インクジェット記録装置を「インクジェットプリンタ」とも表記する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を模式的に示す図である。図1に示すように、画像形成装置10は、往路方向21及び復路方向22に往復移動(双方向走査)するキャリッジ11と、記録媒体14を搬送する搬送ステージ13とを備えている。キャリッジ11には、インク滴を吐出する複数の吐出ヘッドを有するヘッドユニット12を搭載している。また、キャリッジ11は、記録媒体14の搬送方向に対して直交する方向に走査して画像を形成する。以下では、記録媒体を「用紙」とも表記する。
ヘッドユニット12は、インク滴を記録媒体14上に吐出して画像を形成する1又は複数の吐出ヘッドを備えている。なお、1つの吐出ヘッドの複数のノズル列からインク滴を吐出させるようにすることもできる。ヘッドユニット12を構成する吐出ヘッドは、インク滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段を備えたものが使用できる。圧力発生手段は、例えば、圧電素子(PZT素子:piezoelectric element)などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などのサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどである。また、ヘッドユニット12は、色毎に独立したヘッド構成に限るものではなく、複数の色のインク滴を吐出する複数のノズルで構成されるノズル列を有する1又は複数の吐出ヘッドを有する構成でもよい。
キャリッジ11の移動領域の下方には、搬送ステージ13が配置されている。この搬送ステージ13上に記録媒体14が載せられる。搬送ステージ13上にセットされた記録媒体14が搬送ステージ13上を搬送され、画像形成部であるヘッドユニット12下にて画像形成される。すなわち、キャリッジ11を移動させてヘッドユニット12からインク滴を記録媒体14上に吐出することにより、記録媒体14上に所望の画像を形成することができる。
次に、図2及び図3を用いて、キャリッジ11に搭載されるヘッドユニット12の構成について説明する。図2は、ヘッドユニットのノズル列の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、ヘッドユニット12は、インク滴を吐出する複数のノズルで構成されるノズル列101〜110を備えている。なお、ヘッドユニットとは、単にノズル列101〜110の全体を総称するものであり、ユニットとして独立していることまで意味しない。以下では、ヘッドユニットを、単に「ヘッド」とも表記する。
図2に示したノズル列は、色ごとに2列1組で並んでいる一例である。ノズル列101〜110は、例えば、顔料ブラック(K1)、染料ブラック(K2)、染料シアン(C)、染料マゼンタ(M)、染料イエロー(Y)の4色5種類のインク滴を吐出する。図2の例では、各色ノズル列が2個ずつ繋がって構成されていることを示している。例えば、顔料ブラック(K1)のノズル列101,102、染料ブラック(K2)のノズル列103,104、染料シアン(C)のノズル列105,106、染料マゼンタ(M)のノズル列107,108、染料イエロー(Y)のノズル列109,110で構成されている。すなわち、各色のノズル列は2列1組で構成され、各色2列1組のノズル列は千鳥配列となっている。以下では、ノズル列101〜110を区別する必要がない場合、単に「ノズル列」または「ノズル」と表記する。
また、各色1組のノズル列は、1組で300dpiの解像度(1列あたり150dpi)である。つまり、1色あたり300dpiの解像度を有する構成である。例えば、顔料ブラックインク(K1)は、ノズル列101,102から吐出される。これにより、キャリッジ11の1スキャンでキャリッジ移動方向と交差する方向では2ノズル列の印字幅を確保することができる。なお、その他の色についても同様である。なお、解像度は特に限定されるものではない。一般に解像度が低いほど、記録媒体14上を埋めるために大きなインク滴を吐出する必要があるので、スキャン速度の高速化に対して不利になる。よって、本実施形態の画像形成装置10を適用することで解像度が低くてもスキャン速度の高速化に対応することができる。
図3は、ヘッドユニットのノズル列の他の構成の一例を示す図である。図3に示したノズル列は、各色のノズル列が主走査方向に対して対称配置になっている一例である。図3の例では、図2の例に比べて複雑なノズル列の配置であるため、インク供給経路やメカ構造などが複雑となるが、図3に示すようなノズル列で構成されたヘッドユニット12は、双方向印刷する場合に、往路と復路でインク滴の着弾順が同じになるため、双方向色差が発生しないので、高速で画像形成する場合に有利となる。なお、ノズル列の配置は、図2及び図3で示した構成に限ることはなく、任意の構成とすることができる。
なお、色の数は4色に限定されるものではなく、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、クリアー、ホワイトの6色であってもよいし、これ以外の数であってもよい。また、上記の一例で示した染料インク(C、M、Y)は、顔料インクであってもよいし、C、M、Y以外の色、例えば、ライトシアン、ライトブルー、グレーなどであってもよいし、その他の色であってもよい。また、上記の一例で示した顔料インクはブラック(K1)1色に限定されるものではなく、その他の色の顔料インクを任意に備えてもよい。
一般的にインクジェットプリンタは、例えば、写真印刷をする場合には発色のよい染料インク4色(K、C、M、Y)を用いて画像形成を行い、普通紙では文字、線画(ライン)の滲みを抑えるため、Kは顔料インク(K1)を用い、「C、M、Y」は染料インクを用いて画像形成する。図2及び図3を用いて説明した本実施形態の画像形成装置10は、普通紙においてもKは染料インク(K2)を用いることと、画像の部位に応じて顔料インクと染料インクを使い分けることで、高い生産速度(印刷スピード)を維持しながら、高画質化を達成できる。
次に、ヘッドユニット12のスキャン速度とノズル列から吐出するインク滴について説明する。
ヘッドユニット12のスキャン速度は、機械的な要因とインク滴を吐出する要因から動作可能速度が決まる。機械的な要因は、ヘッドユニット12を印刷保証領域外で加速又は減速し、かつ印刷領域では等速動作をしなければならないため、これを達成できる速度が機械的に決まる。また、インク滴を吐出する要因は、印刷解像度に合わせて所定のピッチでノズルからインク滴を吐出させなければならない。例えば、主走査方向600dpiを1スキャンで画像形成する場合、600dpiの画素ピッチである約42μmごとにインクを吐出できる必要がある。
ヘッドユニット12は、上述したようにヒータによる熱又はPZT素子等による機械的な力などでインク液室に圧力を加えてインク液面(以下、メニスカスと呼ぶ)を制御し、インク液室内のインクをノズルから吐出させる。この際に狙いの液適量のインク滴を形成するためのメニスカスを制御する時間が必要である。例えば、大きな液滴を吐出させる場合、メニスカスを複雑にコントロールして、メニスカスを大きく変動させて大きな液滴を吐出させる。また、複数のパルスによって複数の液滴を吐出し、空中または記録媒体14上でインク滴をマージさせることで大きなドット(インク滴)を形成させる。そのため、ヘッドユニット12のスキャン速度が高速化するほど、大きなインク滴を吐出させることが難しくなる。
また、インクジェットプリンタ10は、ヘッドユニット12のスキャン回数を増やすことで高解像度印刷をすることができる。この際に、解像度を高くするには、解像度に見合った小さなインク滴を吐出させる必要がある。また、多値を扱えるインクジェットプリンタ10では、最小インク滴の小さい方がハイライトの粒状性の観点で好ましいので、インク滴を吐出するノズル径を小さくすることが有利である。しかし、一般にノズル径を小さくすると大きなドット(インク滴)が形成しづらくなる。
なお、ヘッドユニット12には、上述したように、大きく分けてサーマルヘッドとPZTヘッドがある。サーマルヘッドは、製造コストや解像度に優れるが、基本ドットを打つか打たないかの2値の吐出になるため、小さなインク滴を吐出するにはノズル径を小さくし、大きなインク滴を吐出するにはノズル径を大きくする必要がある。PZTヘッドは、使用するインクの自由度が高く、多値の吐出が可能というメリットがあるが、扱えるインク滴のサイズはノズル径に依存してしまうことはサーマルヘッドと同じである。
業務用のオフィス用途のインクジェット方式のプリンタは、生産速度(印刷スピード)が優先されるためスキャン速度を速くしたいが、上述したように、ヘッドユニット12のスキャン速度とノズル列から吐出するインク滴の関係があるので、スキャン速度を上げると大きなインク滴を吐出することやインク滴の吐出量を多くすることが難しく、画像の埋まりの改善や、画像濃度を濃くすることが難しくなる。
そこで、本実施形態では、顔料インクのK1(ブラック)に加えて、染料インクのK2(ブラック)を加えることで単位時間に打ち込めるインク量を増加させて、記録媒体14上の埋まりを良くし濃度を濃くするように制御する。染料インクは普通紙に吐出すると紙の繊維に沿ってインクが浸透し、フェザリングと呼ばれる画像滲みが発生する。画像滲みは、文字や線画(ライン)の形状劣化やつぶれを生じさせ画質の劣化に繋がる。そのため、本実施形態では、文字や線画(ライン)の品質に影響の高い、エッジ画素は顔料インクを主として形成し、エッジ画素を除く画素は顔料インクと染料インクとを組み合わせて形成するように制御を行うことが特徴である。
次に、図4を用いて、本実施形態に係る画像形成装置10の機能構成について説明する。図4は、画像形成装置の機能構成の一例について説明する図である。
図4に示すように、画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)121と、ROM(Read Only Memory)122と、RAM(Random Access Memory)123と、記録ヘッドドライバ124と、主走査ドライバ125と、副走査ドライバ126と、制御用FPGA(Field-Programmable Gate Array)130と、ヘッドユニット12と、エンコーダセンサ15と、主走査モータ16と、および副走査モータ17とを備える。
CPU121と、ROM122と、RAM123と、記録ヘッドドライバ124と、主走査ドライバ125と、副走査ドライバ126と、制御用FPGA130とはメイン制御基板120に搭載されている。ヘッドユニット12と、エンコーダセンサ15とはキャリッジ11に搭載されている。
CPU121は、画像形成装置10の全体の制御を司る。例えば、CPU121は、RAM123を作業領域として利用して、ROM122に格納された各種の制御プログラムを実行し、画像形成装置10における各種動作を制御するための制御指令を出力する。
記録ヘッドドライバ124、主走査ドライバ125、副走査ドライバ126は、それぞれ、ヘッドユニット12、主走査モータ16、副走査モータ17を駆動するためのドライバである。
制御用FPGA130は、CPU121と連携して画像形成装置10における各種動作を制御する。制御用FPGA130は、機能的な構成要素として、例えば、CPU制御部131と、メモリ制御部132と、画像形成制御部133と、センサ制御部134とを備える。
CPU制御部131は、CPU121と通信を行って、制御用FPGA130が取得した各種情報をCPU121に伝えるとともに、CPU121から出力された制御指令を入力する。
メモリ制御部132は、CPU121がROM122やRAM123にアクセスするためのメモリ制御を行う。
画像形成制御部133の詳細な説明は後述する。
センサ制御部134は、エンコーダセンサ15から出力されるエンコーダ値などのセンサ信号に対する処理を行う。
なお、以上の各部は、制御用FPGA130により実現する制御機能の一例であり、これら以外にも様々な制御機能を制御用FPGA130により実現する構成としてもよい。また、上記の制御機能の全部または一部を、CPU121または他の汎用のCPUにより実行されるプログラムによって実現する構成であってもよい。また、上記の制御機能の一部を、制御用FPGA130とは異なる他のFPGAやASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用のハードウェアにより実現する構成であってもよい。
ヘッドユニット12は、CPU121および制御用FPGA130により動作制御される記録ヘッドドライバ124により駆動され、搬送ステージ13上の記録媒体14にインク滴を吐出して画像を形成する。
エンコーダセンサ15は、図示しないエンコーダシートのマークを検知して得られるエンコーダ値を制御用FPGA130に出力する。このエンコーダ値は制御用FPGA130からCPU121へと送られて、例えば、キャリッジ11の位置や速度を計算するために用いられる。CPU121は、このエンコーダ値から計算したキャリッジ11の位置や速度に基づき、主走査モータ16を制御するための制御指令を生成して出力する。
次に、図5を用いて、画像形成制御部133の機能構成について説明する。図5は、画像形成制御部の機能構成の一例について説明する図である。
図5に示すように、画像形成制御部133は、画像判定部141と、エッジ検出部142と、取得部143と、画像処理部144と、記憶部145と、インク吐出制御部146と、モータ制御部147と、制御部148とを備える。
まず、画像形成制御部133について説明する。画像形成制御部133は、画像を形成するための全体の制御を司る。画像形成制御部133は、画像を形成するに際し、吐出ヘッドからのインク滴の吐出と、キャリッジ11の走査とを制御する。
画像判定部141は、画像データの画像の種類を判定する。具体的には、画像判定部141は、画像の種類が文字及び線画に属するか否かを判定する。また、画像判定部141は、画像の種類がグラフィック画像及び写真画像に属するか否かを判定する。
画像データの画像の種類を判定する方法として、例えば、OSやアプリケーションから送られるデータに付属する属性情報を用いて判定することができる。具体的には、画像判定部141は、入力画像データ(例えば、RGB形式、1200dpi、8bitなど)を受け付ける。ここで、入力画像データのそれぞれの画素には、属性情報が付加されている。属性情報は、その領域(画素)のソースとなるオブジェクトの種類を示す、例えば、画素が文字の一部であれば、属性情報には、「文字」を示す属性が示される。例えば、画素が線画の一部であれば、属性情報には、「線画(ライン)」を示す属性が示される。また、画素が図形の一部であれば、属性情報には、「図形」を示す属性が示される。また、画素が写真の一部であれば、属性情報には、「写真」を示す属性が示される。よって、画像判定部141は、属性情報を用いて画像の種類を判定することができる。
また、画像判定部141は、像域分離として公知で知られるような帯域フィルタを用いて、文字や線画(ライン)に近い高周波成分を文字及び線画(ライン)と判定し、それ以外の画像をグラフィック画像及び写真画像として判定することができる。
また、画像判定部141は、パターンマッチングを用いて画像の種類を判定することができる。具体的には、画像判定部141は、イメージマトリクス内における画像データおよびタグ情報の配置に基づき、判定する対象画素が文字及び線画(ライン)を構成する画素であるか否かを判断する。画像判定部141は、例えば、2400dpi/1bitの画像ドットに対応する信号を、イメージマトリクスを用いて画像処理対象の画素をパターン検出して判定する。このとき画像データの属性を示すタグ情報がある場合は、画像の属性から必要な画像領域にパターンマッチングを実施し、検出して判定を行う。ここで画像の属性とは、例えば文字・線画・写真・図形などである。
エッジ検出部142は、画像データのエッジ画素を検出する。エッジ検出部142は、例えば、画像データに対して公知のエッジ検出フィルタを用いてエッジ画素(輪郭)を検出することができる。エッジ検出としては、1次微分を使う方法や、2次微分を使う方法、輪郭形状を定義したパターンと画像データとを比較して一致するか否かを調べるテンプレートマッチングの手法などを例示することができる。また、本実施形態において、例えば、黒を対象とする場合、黒に関する画像データについてのみエッジ検出処理を行うようにすればよい。例えば、R=G=BのデータやCMYKのK版に対してのみエッジ検出処理を行う。
取得部143は、画像形成する速度を示す印刷モード、画像形成する記録媒体14の種類、温度又は湿度を示す環境情報の何れかを取得する。取得部143は、例えば、ドライバの情報や操作パネルから印刷モードを指定した情報を取得することで印刷モード(印刷速度)の情報や記録媒体14の種類の情報を取得することができる。また、取得部143は、例えば、画像形成装置10本体に搭載された、図示しないセンサから温度又は湿度を示す環境情報を取得することができる。
画像処理部144は、各種の画像処理を制御する。
ここで、図6を用いて、画像処理部144が制御する画像処理の流れについて説明する。図6は、画像処理の流れの一例について説明する図である。
画像処理部144は、図6に示す処理のフローにより、入力された画像データ(アプリケーションデータ)をプリンタエンジンが扱えるデータに変換する。
まず、画像処理部144は、画像データに対して、カラーマッチング処理、墨入れ処理を行う(ステップS1)。すなわち、カラーマッチング処理は、入力された画像データとプリンタとの色合わせをする処理である。入力された画像データは、RGBの3色の色情報で構成されており、RGBの色情報をプリンタが扱える色情報であるCMYKデータに変換する処理である。具体的には、カラーマッチング処理は、例えば、8bitのRGB形式の画像データを、変換情報(変換テーブル)を用いて、8bitのCMYK形式の画像データに変換する。つまり、入力された画像データの色空間(RGB)からプリンタの色空間(CMYK)に変換する処理である。なお、K版(ブラック)データの生成もこの処理で行われる。また、墨入れ処理は、カラーマッチング処理により生成されたCMYK形式の画像データから、黒成分を生成してCMYK形式の画像データを生成する。
次に、画像処理部144は、総量規制処理を行う(ステップS2)。すなわち、総量規制処理は、インク付着過多による障害を回避するため、許容範囲内にインク付着量を落とす処理である。通常はカラーマッチング処理内に含んで設計されることが多い。
次に、画像処理部144は、γ処理を行う(ステップS3)。すなわち、γ処理は、入出力の階調特性を調整するパラメータである。プリンタの個体ばらつきや印刷モード間の特性差などを吸収するため行われる処理である。具体的には、γ処理は、例えば、墨入れ処理により生成されたCMYK形式の画像データを、変換情報(変換テーブル)等を用いて各色のレベルを線形変換する。つまり、γ処理は、例えば、CMYKごとにプリンタの出力特性に応じた階調補正を実施する。
次に、画像処理部144は、ハーフトーン処理(中間調処理)を行う(ステップS4)。すなわち、ハーフトーン処理は、CMYKの階調データ(一般的に各色8bit)をプリンタが扱えるデータ(一般に1〜3bit)に量子化する処理である。具体的には、ハーフトーン処理は、例えば、γ処理後の2400dpi、8bitのCMYK形式の画像データを受け取る。ハーフトーン処理は、例えば、ディザ処理または誤差拡散処理等により疑似中間調処理をすることにより、8bitの画像データから、1bitの面積階調データを生成する。具体的には、ハーフトーン処理は、例えば、CMYKごとに2値または多値のディザマトリクスを用いて、ある領域内の画素数および値を、網点や万線の構造の連続的な階調になるように変化させる処理を行う。
次に、画像処理部144は、レンダリング処理を行う(ステップS5)。すなわち、レンダリング処理は、ハーフトーン処理で量子化したデータをヘッドユニット12と記録媒体(用紙)14をどう動かして、どのノズルからインク滴を吐出するかを決める処理である。
そして、上記で処理した出力画像用データをプリンタエンジンに受け渡す。
次に、図7〜図11を用いて、画像処理部144で用いる画像データの変換情報(変換テーブル)について説明する。図7〜図10は、画像処理部で用いる画像データの変換情報の一例について説明する図である。以下では、変換情報を「変換テーブル」とも表記する。
図7に示す変換テーブルは、RGB形式の画像データをCMYK形式の画像データに変換する一例を示している。図7の例では、一行目において、入力されたRGB「0,0,0」に対し、出力CMYK「42,42,42,255」に変換することを示している。以下同様である。また、図8に示す変換テーブルは、RGB形式の画像データをR′G′B′形式の中間データに変換する一例を示している。図8の例では、一行目において、入力されたRGB「0,0,0」に対し、出力R′G′B′「0,0,0」に変換することを示している。以下同様である。また、図9に示す変換テーブルは、R=G=Bになる画像データのみをCMYK形式の画像データに変換する一例を示している。図9の例では、一行目において、入力されたRGB「0,0,0」に対し、出力CMYK「42,42,42,255」に変換することを示している。以下同様である。また、図10に示す変換テーブルは、RGB形式の画像データをCMYK1K2形式の画像データに変換する一例を示している。図10の例では、一行目において、入力されたRGB「0,0,0」に対し、出力CMYK1K2「42,42,42,255,255」に変換することを示している。以下同様である。
画像処理部144のカラーマッチング処理では、例えば、図7に示した変換テーブルを用いてRGB形式の画像データからCMYK形式の画像データを生成する。
また、カラーマッチング処理では、図8に示した変換テーブルを用いてRGB形式の画像データから、一旦、R′G′B′形式の中間データに変換し、その後、図7に示した変換テーブルを用いてR′G′B′形式の中間データからCMYK形式の画像データを生成する。
また、カラーマッチング処理では、K(ブラック)版に関しては、R=G=B、又はC=M=Yになる画像データだけ、墨入れ処理と呼ばれるKとCMYの発生量を記載した図9に示した変換テーブルを用いてCMYK形式の画像データを生成する。
また、カラーマッチング処理では、顔料インクのK(ブラック)版をK1、染料インクのK(ブラック)版をK2とした場合、図10に示した変換テーブルを用いてRGB形式の画像データからCMYK1K2形式の5版の画像データを生成する。
すなわち、画像処理部144は、少なくとも特定色(ブラック)の顔料インクK1及び染料インクK2のインク付着量を、画像データに基づいて、それぞれのインクに対応した予め設定された変換情報(変換テーブル)を用いてインク付着量データを生成する。
なお、顔料インクK1と染料インクK2はRGB形式の画像データからダイレクトに生成してもよいし、一旦、R′G′B′形式の中間データに変換し、その後、図10に示した変換テーブルを用いてCMYK1K2形式の5版の画像データを生成してもよい。また、R=G=B、又はC=M=YになるデータのみCMYK1K2に変換する図9に示したような変換テーブルを別途設けてもよい。
また、RGB形式の画像データから、CMYK1形式の画像データ、又はCMYK2形式の画像データに変換し、その後、K1に対してK2(またはK2に対してK1)形式のデータを生成するようにしてもよい。例えば、K1の階調に対してK2の階調値を予め定めた変換テーブルを用いてK2形式のデータを生成してもよいし、K1の階調に対して所定の係数を乗算してK2形式のデータを生成してもよい。
すなわち、画像処理部144は、少なくとも特定色(ブラック)の顔料インクK1及び染料インクK2のインク付着量を、画像データに基づいて、それぞれのインクに対応した予め設定された変換情報(変換テーブル)を用いて、どちらか一方のインク付着量データ(K1又はK2)を生成し、生成した一方のインク付着量データ(K1又はK2)を用いて所定の係数又は予め設定された変換情報(変換テーブル)を用いて他方のインク付着量データ(K2又はK1)を生成する。それ以降はK1、K2に対して個別に処理してもよいし、共通の処理をしてもよい。
また、CMYK1K2形式の5版の画像データを生成する他の方法として、カラーマッチング処理より後の処理でK1、K2形式のデータを生成することもできる。例えば、カラーマッチング処理ではCMYKの形式の4版の画像データを生成し、図6に示したγ処理又はハーフトーン処理によって、共通のKデータからK1用のγ処理または中間調処理、K2用のγ処理または中間調処理を行い、多値化されたK1、K2のデータを生成する方法である。
この場合のγ処理として、例えば、図11に示す階調データの変換情報(変換テーブル)を用いて処理する。図11は、画像処理部で用いる階調データの変換情報の一例について説明する図である。図11に示すように、共有のK階調データにK1とK2それぞれのγ変換テーブルを用いて画像データを生成する。この場合、パラメータの設定によって顔料インクK1と染料インクK2のインク滴量をコントロールすることができる。図11の例では、顔料インクK1が染料インクK2よりも高階調で出力されるパラメータとなっている。例えば、図11の一番下の行において、入力された共有K階調データ「255」に対して、顔料(インク)K1「255」、染料(インク)K2「128」を出力することを示している。なお、上記の図7〜図11に示した変換テーブルは一例であり、任意に設定することができる。
また、上記の場合のハーフトーン処理(中間調処理)として、例えば、図12に示す一例が例示できる。図12は、ハーフトーン処理の一例を示す図である。図12に示すように、K階調に対して、顔料(インク)K1用の中間調パラメータ(変換パラメータ)と染料(インク)K2用の中間調パラメータ(変換パラメータ)を個別に用意しておき、それぞれのインクの使用量(ドットの打ち込み量、ドット種類)を制御することができる。図12の例では、顔料(インク)K1が染料(インク)K2よりも多く打ち込まれる変換パラメータとなっている。すなわち、入力されたKの値「64」に対して、顔料(インク)K1用の中間調パラメータで処理された領域(1行目の左から2番目)と、染料(インク)K2用の中間調パラメータで処理された領域(2行目の左から2番目)とを比較すると、顔料(インク)K1のドット(インク滴)が多く打ち込まれている。同様に、入力されたKの値「128」に対して、顔料(インク)K1用の中間調パラメータで処理された領域(1行目の左から3番目)と、染料(インク)K2用の中間調パラメータで処理された領域(2行目の左から3番目)とを比較すると、顔料(インク)K1のドット(インク滴)が多く打ち込まれている。同様に、入力されたKの値「255」に対して、顔料(インク)K1用の中間調パラメータで処理された領域(1行目の一番右)と、染料(インク)K2用の中間調パラメータで処理された領域(2行目の一番右)とを比較すると、顔料(インク)K1のドット(インク滴)が多く打ち込まれている。
ハーフトーン処理での変換パラメータとしては、例えば、ディザ処理という手法を用いることができる。ディザ処理は、閾値が記された後述する図13に示す行列マスク(最左列のディザマスク)を予め用意し、閾値と入力階調値の大小関係を比較して、ドットのオンオフを決めるものである。例えば、入力階調値が閾値を超えていればドット(インク滴)を形成し、入力階調値が閾値を下回っていればドット(インク滴)を形成しないというものである。
ここで、図13を用いて、ハーフトーン処理のディザ処理について説明する。図13は、ディザマスクによるインク滴の着弾位置の一例について説明する図である。
図13に示すように、左側上のディザマスクは顔料インクK1の閾値を格納した行列マスクであり、左側下のディザマスクは染料インクK2の閾値を格納した行列マスクである。ディザ処理は、入力された階調値と閾値を比較して、ディザマスクを用いてドットの配置場所(インク滴の着弾位置)を決めるものである。
図13の1行目は顔料インクK1について、ドットの配置場所(インク滴の着弾位置)を示している。例えば、入力階調値が閾値より大きい場合、階調1ではディザマスクの1に対応する画素にドットを形成する。階調2では、ディザマスクの2に対応する画素にドットを形成する。階調3では、ディザマスクの3に対応する画素にドットを形成する。階調4では、ディザマスクの4に対応する画素にドットを形成する。階調5では、ディザマスクの5に対応する画素にドットを形成する。階調6では、ディザマスクの6に対応する画素にドットを形成する。階調7では、ディザマスクの7に対応する画素にドットを形成する。階調8では、ディザマスクの8に対応する画素にドットを形成する。以下同様にして、階調16では、ディザマスクの16に対応する画素にドットを形成する。
図13の2行目は染料インクK2について、ドットの配置場所(インク滴の着弾位置)を示している。例えば、階調値が閾値より大きい場合、階調1ではディザマスクの1に対応する画素にドットを形成する。以下、顔料インクK1で説明したものと同様であり、階調8では、ディザマスクの8に対応する画素にドットを形成する。以下同様にして、階調16では、ディザマスクの16に対応する画素にドットを形成する。
図13の3行目は顔料インクK1と染料インクK2の両方を用いて画素を形成した場合のドットの配置場所(インク滴の着弾位置)を示している。すなわち、1行目の顔料インクK1と2行目の染料インクK2を併せて形成したものである。
このように、それぞれの色に対して予め設定されたディザマスクを用いてドットの配置場所(インク滴の着弾位置)を決める。この方式は、計算処理が軽いため、生産速度(印刷スピード)を要求するモードでは、よく使われる処理である。
ディザ処理は色ごとに異なる閾値配列で実装することができる。本実施形態では、以下に示すようなディザ処理を行うことが特徴である。例えば、図13の例に示すように、顔料インクK1と染料インクK2のドット(インク滴)を重ならせたくない場合は、予め顔料インクK1と染料インクK2にそれぞれ適用するディザマスクの閾値配列を互いに重なりを持ちにくいような設定をする。具体的には、図13に示すように、顔料インクK1のディザマスクと染料インクK2のディザマスクを、互いに反転したパターンに設定しておけば、画素数が50%(2値の場合)になるまでは顔料インクK1と染料インクK2は重なりあいを持たないように制御できる。また、単にディザマスクの重なり合いをずらすようにしてもある程度重なり合いを避けることができる。
その他の手法として、誤差拡散処理や最小誤差均等法などという公知のハーフトーン処理の変換パラメータを用いることができる。なお、上記で示した変換パラメータは一例であり、任意に設定することができる。
なお、上記のγ処理やハーフトーン処理は、カラーマッチング処理や墨入れ処理でK1、K2版の画像データを生成した後に、それぞれの版にK1用、K2用のγ処理やハーフトーン処理を行ってもよいし、カラーマッチング処理、墨入れ処理、γ処理、ハーフトーン処理のいずれかでK1、K2版の画像データを生成する処理を行ってもよい。
また、変換パラメータではなく、予め設定した所定の係数をかけることでK1、K2版の画像データを生成してもよいし、K1またはK2版の画像データの一方に対して変換パラメータや係数を用いることで他方のK1またはK2版の画像データを生成してもよい。なお、所定の係数は任意に設定できる。
上記のように、画像処理の方法としては、種々の方法を用いることが可能であるが処理の上流側で版を増やすと、下流側で多くの版データを処理することになり、データの処理量が多くなる。そのため、実装上は、色処理(カラーマッチング処理)まではK版は共通とし、中間調処理(ハーフトーン処理)やγ処理、係数処理など下流側の処理でK1、K2データを生成することが好ましい。また、顔料インクK1と染料インクK2では記録媒体14上での特性が異なるため、中間調処理の変換パラメータはそれぞれ専用のものを用いることが好ましい。
図5に戻って説明を続ける。画像処理部144は、エッジ検出部142で検出したエッジ画素の画素幅を拡張する太線化処理を行う。
また、画像処理部144は、画像形成する速度を示す印刷モード、画像形成する記録媒体14の種類、温度又は湿度を示す環境情報の少なくとも1つに基づいて、エッジ画素の画素幅を拡張する太線化処理を行う。
また、画像処理部144は、エッジ画素を形成する場合、着弾したインクの滲みが大きくなる条件では、エッジ画素の画素幅を広く拡張する太線化処理を行う。着弾したインクの滲みが大きくなる条件は、例えば、画像形成する速度が速い場合、画像形成する記録媒体14の種類が再生紙の場合、温度又は湿度を示す環境情報の温度が低い場合、温度又は湿度を示す環境情報の湿度が高い場合、染料インクの混色を用いる割合を増加させて画像形成する場合の何れかである。
ここで、図14〜図20を用いて、太線化処理について説明する。図14〜図20は、太線化処理の一例について説明する図である。
画像処理部144は、エッジ検出部142で検出した画像データのエッジ画素を輪郭と判断する。次に、エッジ画素の外側から内側に向かって画素幅を拡張する太線化処理を行う。すなわち、輪郭の幅は検出した輪郭に対し、画像データの内側に太らせる処理を行えばよい。
まず、図14の例は、画像データの元画像を示している。画像処理部144は、図14の元画像において、図15に示すようにエッジ検出部142で検出した画像データのエッジ画素を輪郭部301と判断する。次に、画像処理部144は、図16に示すように輪郭部301と判断されたエッジ画素の隣接画素を順に調べる。具体的には、画像処理部144は、輪郭部301のエッジ画素の右側画素302を調べ、そこに画素データがあれば太線化処理の対象画素とする。図16の例では「右」の縦一列の画素を太線化処理の対象画素とする。なお、エッジ画素の右側画素が空白画素なら何もしない。
次に、画像処理部144は、図17に示すように輪郭部301のエッジ画素の左側画素303を調べ、そこに画素データがあれば太線化処理の対象画素とする。図17の例では「左」の縦一列の画素を太線化処理の対象画素とする。なお、エッジ画素の左側画素が空白画素なら何もしない。
次に、画像処理部144は、図18に示すように輪郭部301のエッジ画素の下側画素304を調べ、そこに画素データがあれば太線化処理の対象画素とする。図18の例では「下」の横一行の画素を太線化処理の対象画素とする。なお、エッジ画素の下側画素が空白画素なら何もしない。
次に、画像処理部144は、図19に示すように輪郭部301のエッジ画素の上側画素305を調べ、そこに画素データがあれば太線化処理の対象画素とする。図19の例では「上」の横一行の画素を太線化処理の対象画素とする。なお、エッジ画素の上側画素が空白画素なら何もしない。
画像処理部144は、図16〜図19で説明したように、輪郭部301のエッジ画素の右側、左側、下側、上側の画素を調べて、画素データがある場合に太線化処理の対象画素とする。図20の例は、図19において、「右」、「左」列の画素と、「下」、「上」行の画素とを太線化処理の対象画素とした後の拡張した輪郭部306のエッジ画素を示している。
画像処理部144は、さらに太線化処理の対象画素の右側、左側、下側、上側の画素を調べて、画素データがある場合に太線化処理の対象画素として追加する。このようにして、画像処理部144は、輪郭部301のエッジ画素の画素幅を拡張する太線化処理を行うことができる。なお、調査する画素数を内側に向かって増やしていけば輪郭部301のエッジ画素の画素幅を広く拡張することができる。つまり、輪郭部301のエッジ画素の画素幅を可変とすることができる。輪郭部301と定義する領域の画素幅は、例えば、滲みが大きくなる条件では、例えば、再生紙を使う場合、印刷速度の速い印刷モード、湿度の高い使用環境などでは、輪郭部301のエッジ画素の画素幅を広く拡張する太線化処理を行うことが好ましい。
なお、図16〜図19において、画像データの画素幅が少ない場合、例えば、図16において、輪郭部301に囲まれた画素が「右」の縦一列の画素だけの場合では、輪郭部301のエッジ画素の右側画素302を調べただけで太線化処理の対象画素がなくなる。従って、図17に示したような輪郭部301のエッジ画素の左側画素303を調べても、そこに存在する画素データは、既に太線化処理の対象画素になっているので調べる必要はない。同様に、図18において、輪郭部301に囲まれた画素が「下」の横一行の画素だけの場合では、輪郭部301のエッジ画素の下側画素304を調べただけで太線化処理の対象画素がなくなる。従って、図19に示したような輪郭部301のエッジ画素の上側画素305を調べても、そこに存在する画素データは、既に太線化処理の対象画素になっているので調べる必要はない。
図21は、太線化処理を行った輪郭部の輪郭幅の一例を示す図である。図21の例では、左は輪郭幅が「小」、真ん中は輪郭幅が「中」、右は輪郭幅が「大」であることを模式的に示している。図21に示すように輪郭幅が「大」である(エッジ画素の画素幅を広く拡張する)と、輪郭部301と輪郭部301以外の差が顕著になり、画像が縁取りされたように見えることがある。この場合、画像処理部144は、エッジ画素が外側から内側に向かって複数の画素で構成される場合(エッジ画素の画素幅を広く拡張した場合)には、輪郭部301を複数領域に分割し、エッジ画素を顔料インクK1と染料インクK2とを組み合わせて形成するようにし、外側の画素から内側の画素に向かって、顔料インクK1に対する染料インクK2の使用割合を増加させるようにパラメータを生成する。なお、輪郭部301のエッジ画素の画素幅を拡張する画素数については、例えば、印刷解像度、インク滴の大きさ、滲み量などに基づいて適宜設定する。例えば、滲みへの影響が最も大きい輪郭部301の一番外側の1画素のみを輪郭部とすることもできる。
また、画像処理部144は、着弾したインクの滲みが大きくなる条件では、エッジ画素の画素幅を広く拡張する太線化処理を行うので、輪郭部301を複数領域に分割し、エッジ画素を顔料インクK1と染料インクK2とを組み合わせて形成するようにし、滲みに影響しやすい外側の画素ほど顔料インクK1の割合が増え、内側の画素ほど染料インクK2の割合が増えるようにし、段階的にインク付着量を変化させるようにパラメータを生成する。また、輪郭部301のエッジ画素を除く画素についても顔料インクK1と染料インクK2とを組み合わせる割合を可変とすることが好ましく、例えば、滲みの影響の大きくなる条件では、顔料インクK1の使用割合を染料インクK2に対して相対的に大きくすることが好ましい。
ここで、図22〜図25を用いて、顔料インクK1と染料インクK2との使用割合について説明する。図22〜図25は、顔料インクと染料インクの使用割合の一例を示す図である。縦軸がインクの吐出量を示し、横軸は入力データの値(入力階調値)を示している。
図22の例は、輪郭部301の一番外側の画素を形成するのに適用するインク量のパラメータを示している。すなわち、輪郭部301の一番外側の画素は、滲まないように顔料インクK1だけを使用する。また、入力データ値が大きいほどインク吐出量も多くなる。
図23の例は、輪郭部301の内側の画素を形成するのに適用するインク量のパラメータを示している。すなわち、輪郭部301の内側の画素は、顔料インクK1の吐出量を抑えた状態で、染料インクK2を組合せてインク吐出量を補うことでインク付着量やインク被覆量を上げて濃度や埋まりを向上させる。また、入力データ値が大きいほど顔料インクK1、染料インクK2ともインク吐出量が多くなる。
図24の例は、輪郭部301の画素を除く内側の画素を形成するのに適用するインク量のパラメータを示している。すなわち、輪郭部301の画素を除く内側の画素は、顔料インクK1の吐出量を抑えた状態(インク吐出量は図23と同じ)で、染料インクK2を組合せてインク吐出量(図23よりも多い吐出量)を補うことでインク付着量やインク被覆量を上げて濃度や埋まりを向上させる。また、入力データ値が大きいほど顔料インクK1、染料インクK2ともインク吐出量が多くなる。
図25の例は、輪郭部301の画素(エッジ画素)の階調が中間から明るい方側である場合(ハイライト側)、輪郭部301の画素を形成するのに適用するインク量のパラメータを示している。すなわち、輪郭部301の画素の階調がハイライト側では、染料インク(CMY)の混色を主に用いて黒を形成し、画素(エッジ画素)の階調が中間から暗い方側(シャドー側)に向かうにつれ、顔料インクK1、染料インクK2の割合を増やしていく。このパラメータは、グラフィック画像及び写真画像など階調表現や粒状感が重視される場合において適用できる。
例えば、輪郭部301が2画素分ある場合、一番外側の画素は、上記の図22に示したパラメータを適用し、その内側の画素は図23に示すパラメータを適用し、輪郭部301を除く画素は図24に示すパラメータを適用する。このように、最も外側の画素は滲みに強い顔料インクK1を主として画像形成し、内側の画素は顔料インクK1と染料インクK2とを混在させて濃度や埋まりを改善し、それらの中間にある画素には中間特性を適用することで、画像の内側と輪郭部との品質をなだらかにすることができる。
次に、図26を用いて、輪郭部301の画素(エッジ画素)を形成するための変換パラメータについて説明する。図26は、輪郭部のエッジ画素を形成するための変換パラメータの一例について説明する図である。図26に示す画素の数字(1〜3)は、輪郭部301のエッジ画素として処理される画素を表し、数字のない画素は輪郭部301のエッジ画素を除く画素として処理される画素を表している。また、数字(1〜3)は、それぞれ適用する変換パラメータが異なることを示している。
図26の(1)は、一番外側の画素(縦一列)を輪郭部301のエッジ画素として処理する変換パラメータを示している。(2)は、一番外側の画素(縦一列)とその内側の1画素(縦一列)を輪郭部301のエッジ画素として処理する変換パラメータを示している。すなわち、適用するパラメータは同じで画素幅だけを変えたものである。(3)は、一番外側の画素(縦一列)とその内側の1画素(縦一列)の2画素列をエッジ画素として処理するが、内側の1画素(縦一列)はマスク処理を行い、輪郭部301の画素と、それ以外の画素が2次元的に入り組んだ形状にした変換パラメータを示している。(4)は、一番外側の画素(縦一列)とその内側の2画素(縦二列)を輪郭部301のエッジ画素として処理する変換パラメータを示している。すなわち、画素幅のそれぞれの画素に適用するパラメータの種類を変えた変換パラメータを示している。(5)は、上記の(3)と同様で、一番外側の画素(縦一列)とその内側の2画素(縦二列)を輪郭部301のエッジ画素として処理するが、内側の2画素(縦二列)はマスク処理を行い、輪郭部301の画素と、それ以外の画素が2次元的に入り組んだ形状にした変換パラメータを示している。すなわち、画素幅のそれぞれの画素に適用するパラメータの種類を変え、内側の2画素(縦二列)にマスク処理を行う変換パラメータを示している。なお、上記の変換パラメータは一例であり、変換パラメータは任意に設定できる。
図5に戻って説明を続ける。記憶部145は、各種のデータを記憶する。具体的には、記憶部145は、例えば、画像処理部144でのカラーマッチング処理に用いる変換情報(変換テーブル)を予め記憶する。すなわち、上述した図7〜図10で説明した、RGB形式の画像データをCMYK形式の画像データに変換するために用いる変換情報(変換テーブル)を予め記憶する。
また、記憶部145は、画像処理部144でのγ処理に用いる階調データの変換情報(変換テーブル)を予め記憶する。すなわち、上述した図11で説明した、変換情報(変換テーブル)を予め記憶する。
また、記憶部145は、画像処理部144でのハーフトーン処理(中間調処理)に用いる中間調パラメータ(変換パラメータ)を予め記憶する。すなわち、上述の図13で説明した、行列マスク(ディザマスク)を予め記憶する。
また、記憶部145は、制御部148の下で各種の画像を形成するために用いるヘッドユニット12から吐出するインク量のパラメータを予め記憶する。すなわち、上述の図22〜図25で説明した、輪郭部301の画素、及び輪郭部301を除く画素を形成するのに適用するインク量のパラメータを予め記憶する。
また、記憶部145は、制御部148の下で輪郭部301の画素(エッジ画素)を形成するための変換パラメータを予め記憶する。すなわち、上述の図26で説明した、変換パラメータを予め記憶する。
インク吐出制御部146は、制御部148の制御の下、CPU121からの制御指令に応じて記録ヘッドドライバ124の動作を制御することにより、記録ヘッドドライバ124により駆動されるヘッドユニット12からのインク滴の吐出タイミング、インク滴の吐出量などを制御する。
モータ制御部147は、制御部148の制御の下、CPU121からの制御指令に応じて主走査ドライバ125の動作を制御することにより、主走査ドライバ125により駆動される主走査モータ16を制御して、キャリッジ11の主走査方向への移動を制御する。また、モータ制御部147は、CPU121からの制御指令に応じて副走査ドライバ126の動作を制御することにより、副走査ドライバ126により駆動される副走査モータ17を制御して、搬送ステージ13上の記録媒体14の副走査方向への移動を制御する。
制御部148は、エッジ検出部142で検出されたエッジ画素は顔料インクK1を用いて形成する制御を行い、エッジ画素を除く画素は顔料インクK1と染料インクK2とを組み合わせて形成する制御を行う。すなわち、エッジ検出部142で検出した輪郭部301のエッジ画素には、顔料インクK1を主とするパラメータを適用して形成し、輪郭部301のエッジ画素を除く画素には顔料インクK1と染料インクK2とを組み合わせて用いるパラメータを適用して形成する。
なお、一般的に普通紙に対しては、顔料インクK1を用いる方が濃度や滲みの点で有利である。しかし、本実施形態では、顔料インクK1と染料インクK2とを組み合わせて用いることで、顔料インクK1だけの場合よりもインク付着量や、記録媒体14上のインク被覆量を上げて濃度や埋まりを向上させることができる。また、本実施形態では、ヘッドユニット12のスキャン速度を高速化して顔料インクK1の吐出量を抑えた場合でも、染料インクK2を付加して総吐出量を補うようにする。そのため、顔料インクK1の吐出量が、染料インクK2の吐出量よりも相対的に多く設定されるようにする。例えば、輪郭部301のエッジ画素は、上述した図22に示したインク量のパラメータを用いて形成し、輪郭部301のエッジ画素を除く内側の画素は、上述した図23に示したインク量のパラメータを用いて形成する。
また、制御部148は、画像判定部141で画像の種類が文字及び線画に属すると判定された場合、エッジ画素は顔料インクK1を用いて形成する制御を行う。これにより、画像の輪郭部301の滲みを抑えることができる。
また、制御部148は、画像判定部141で画像の種類がグラフィック画像及び写真画像に属すると判定され、エッジ画素の階調が中間から明るい方側である場合には、エッジ画素は染料インク(CMY)の混色を用いる割合を増加させて形成する制御を行い、エッジ画素の階調が中間から暗い方側である場合には、エッジ画素は特定色(ブラック)の顔料インクK1を用いる割合を増加させて形成する制御を行う。これにより、グラフィック画像及び写真画像は、粒状感を抑えて、文字や線画は視認性を向上させることができる。
黒を形成する場合、Kインクだけを用いる場合と、CMYインク3色の混色又は、CMYKインク4色の混色で形成する場合がある。一般的に、プリンタでKインクが用いられる理由としては、黒色はCMYインク3色の混色でも表現できるが、CMYインクの混色では、濃度の濃い黒が表現できないこと、インク付着量が多くなってしまうこと、CMYインクの混色だと3色のドットの着弾位置ズレや着弾量のばらつきによって黒の色味が良くないことなどが挙げられる。ただし、Kインクで形成したドットは濃度が濃く、はっきりとしていて、ドットが視認されやすい。そのため、グラフィック画像や写真画像など階調表現や粒状感が重視される場合は、ハイライト側(階調が中間から明るい方側)は、CMYインクの混色を主に黒を形成し、シャドー側(階調が中間から暗い方側)に向かうにつれ、Kインクの割合を増加させることが好ましい。本実施形態においてもハイライト側はKインクではなくCMYインクで形成した方が粒状感の観点では好ましい。そのため、エッジ画素を除く画素もハイライト側はCMYインクの割合を増加させて形成し、シャドー側に行くにつれて顔料インクK1と染料インクK2の混色の割合を増加させるようにすることが好ましい。画素を形成する際には、例えば、上述した図25で示したインク量のパラメータを用いて形成する。
また、輪郭部301のエッジ画素を染料インク(CMY)の混色で形成すると輪郭形状の劣化が生じてしまうが、階調がハイライト側の時には顔料インクK1で形成すると画像は黒で縁取りされたように見えてしまう。
一般的に、文字や線画(ライン)は可読性を重視するため形状が重要であり、グラフィック画像や写真画像は粒状性を重視する。そのため、本実施形態では、画像を文字や線画(ライン)に属するオブジェクトと、グラフィック画像や写真画像に属するオブジェクトに分類し、グラフィック画像や写真画像に属する画像の輪郭部301のエッジ画素は、ハイライト側の場合は、染料インクCMYの混色の割合を優位として黒を形成し、シャドー側の場合は、顔料インクK1の割合を優位として黒を形成する。また、文字や線画(ライン)に属する画像の輪郭部301は、ハイライト側であっても輪郭部301の画素は顔料インクK1の割合を優位として形成する。輪郭部301のエッジ画素を除く画素は顔料インクK1と染料インクK2との混色を用いるが、この場合は染料インクCMYを付加してもよいし、付加しなくてもよい。なお、入力画像の階調がグレー軸にある画像データは、色ズレ等による文字ラインの色付きを抑えるためにKインクのみで形成するほうが好ましい場合もある。
上記のインク付着量のコントロールは、上述した各インク量のパラメータで、それぞれの階調特性を予め設計しておけばよい。例えば、グラフィック画像及び写真画像の黒のK1、K2のインク量のパラメータは、ハイライト側の階調では出力(吐出量)が少なく、ミドル(中間)からシャドー側にかけて出力(吐出量)が増加するプロファイルのパラメータテーブルを設定すればよい。例えば、上述した図25で示したインク量のパラメータを設定する。このように、本実施形態では、文字及び線画(ライン)に適用するインク量のパラメータ、グラフィック画像及び写真画像に適用するインク量のパラメータ、輪郭部301のエッジ画素に適用するインク量のパラメータ、輪郭部301のエッジ画素を除く画素に適用するインク量のパラメータなど各種の条件に合わせたパラメータを予め設定しておき、適宜適用させるように制御する。
また、制御部148は、エッジ画素を除く画素を、顔料インクK1の着弾が少ない箇所に、より多くの染料インクK2を着弾させて形成する制御を行う。すなわち、顔料インクK1と染料インクK2を両方打ち込む場所では、互いのインクが重なり合いを持ちにくいように制御する。これは、例えば、用紙が湿っている部分にあとからインクを着弾させる場合、インクが用紙の浸透方向に広がりやすい。そのため、色材成分が浸透方向に染み込んでしまい、濃度が上がりにくく、裏抜け濃度は上がりやすくなってしまう。それで、同じインク付着量を打ち込む場合、紙面が露出している部分にインクを着弾させた方が濃度を上げるのに効率がよい。また、紙面の隙間が減るために、画像の埋まりがよくなる。これによって、ヘッドユニット12の各ノズルの特性(ノズル曲がり、速度変動など)や用紙搬送誤差などで生じるスジやバンディングと呼ばれる色ムラが抑えられる、個々のドットが視認されにくくなって粒状感が良くなる、という有意な効果を得られる。同様に、顔料インクK1と染料インクK2と染料インクCMYについても互いのインクが重ならないように紙面を優先して埋めるように設定する方が好ましい。
上記のインク滴の着弾位置を制御する方法として、例えば、上述したハーフトーン処理(中間調処理)で説明したディザ処理を用いることができる。上述した図13で示した行列マスク(最左列のディザマスク)を予め用意し、閾値と入力階調値の大小関係を比較して、インク着弾位置を制御する。具体的には、顔料インクK1のディザマスクと染料インクK2のディザマスクを、互いに反転したパターンに設定しておけば、画素数が50%(2値の場合)になるまでは顔料インクK1と染料インクK2は重なりあいを持たないように制御できる。上記により、本実施形態では、効率よく濃度や紙面の埋まりを改善することができる。
また、制御部148は、エッジ画素を除く画素を、顔料インクK1の着弾位置に対して、主走査方向及び副走査方向の何れか一方向に染料インクK2の着弾位置をずらして顔料インクK1と染料インクK2との重なりが少なくなるように形成する制御を行う。すなわち、主走査方向または副走査方向にインク滴の着弾位置をずらして重なり合いを抑えるように制御する。例えば、顔料インクK1を吐出するノズル列と、染料インクK2を吐出するノズル列の主走査方向の着弾タイミングをずらすことで、顔料インクK1と染料インクK2との重なりあいを少なくすることができる。また、単に1画素を顔料インクK1が形成するドットと染料インクK2が形成するドットにダブリングして形成してもよいが、見かけ上の解像度を増やす効果を得るために、主走査方向のデータ解像度を上げて、顔料インクK1と染料インクK2で高度にドットの形成を担当する処理を行ってもよい。なお、染料インクCMYに関しても同様に顔料インクK1または染料インクK2に対して主走査方向のインク滴の着弾位置をずらす処理をしてもよいし、全てのインク滴の着弾位置をずらす処理をしてもよい。上記により、本実施形態では、効率よく濃度や紙面の埋まりを改善することができる。
また、制御部148は、画像処理部144で太線化処理を行い、拡張されたエッジ画素の画素幅を用いてエッジ画素を形成する制御を行う。
また、制御部148は、エッジ画素が外側から内側に向かって複数の画素で構成され、エッジ画素を顔料インクK1と染料インクK2とを組み合わせて形成する場合、外側の画素から内側の画素に向かって、顔料インクK1に対する染料インクK2の使用割合を増加させて形成する制御を行う。これにより、画像形成装置10の使用環境に適した輪郭部301の処理を行うことができる。
また、制御部148は、少なくとも特定色(ブラック)の顔料インクK1及び染料インクK2のインク付着量を、画像データに基づいて、それぞれのインクに対応した予め設定された変換情報(変換パラメータ)を用いて生成されたインク付着量データを用いて制御する。これにより、輪郭部301の滲みを抑え、スキャン速度が速くても高濃度で埋まりのよい画像を形成することができる。
また、制御部148は、少なくとも特定色(ブラック)の顔料インクK1及び染料インクK2のインク付着量を、画像データに基づいて、それぞれのインクに対応した予め設定された変換情報(変換パラメータ)を用いて生成された、どちらか一方のインク付着量データ(K1又はK2)と、生成された一方のインク付着量データ(K1又はK2)を用いて所定の係数又は予め設定された変換情報(変換パラメータ)を用いて生成された他方のインク付着量データ(K2又はK1)とを用いて制御する。
すなわち、RGB形式の画像データから、CMYK1形式の画像データ、又はCMYK2形式の画像データに変換し、その後、K1に対してK2(またはK2に対してK1)形式のデータを生成する。例えば、K1の階調に対してK2の階調値を予め定めた変換テーブルを用いてK2形式のデータを生成してもよいし、K1の階調に対して所定の係数を乗算してK2形式のデータを生成してもよい。これにより、輪郭部301の滲みを抑え、スキャン速度が速くても高濃度で埋まりのよい画像を形成することができる。
次に、本実施形態の画像形成装置10の処理動作について説明する。図27は、画像形成装置の処理動作の一例について説明するフローチャート図である。
画像判定部141は、画像データの画像の種類が文字及び線画であるか否かを判定する(ステップS10)。文字及び線画でない場合(ステップS10:No)、画像判定部141は、画像の種類がグラフィック画像及び写真画像であると判定し、制御部148は、エッジ画素の階調が中間から明るい方側であるか否かを判断する(ステップS11)。エッジ画素の階調が中間から明るい方側である場合(ステップS11:Yes)、制御部148は、エッジ画素は染料インクCMYの混色を用いる割合を増加させて(ステップS12)画像形成する制御を行う(ステップS23)。エッジ画素の階調が中間から明るい方側でない場合(ステップS11:No)、制御部148は、エッジ画素は特定色(ブラック)の顔料インクK1を用いる割合を増加させて(ステップS13)画像形成する制御を行う(ステップS23)。
ステップS10に戻り、文字及び線画である場合(ステップS10:Yes)、エッジ検出部142は、画像データのエッジ画素を検出する(ステップS14)。次に、取得部143は、画像形成する速度を示す印刷モード、画像形成する記録媒体14の種類、温度又は湿度を示す環境情報の何れかを取得する(ステップS15)。
次に、画像処理部144は、取得部143で取得した印刷モード、記録媒体14の種類、環境情報の少なくとも1つに基づいて、太線化処理を行うか否かを判断する(ステップS16)。太線化処理を行わない場合(ステップS16:No)、制御部148は、エッジ画素は顔料インクK1を用いて(ステップS17)画像形成する制御を行う(ステップS23)。太線化処理を行う場合(ステップS16:Yes)、画像処理部144は、着弾したインクの滲みが大きくなるか否かを判断する(ステップS18)。滲みが大きくならない場合(ステップS18:No)、画像処理部144は、エッジ画素の画素幅を拡張する太線化処理を行う(ステップS19)。
次に、制御部148は、エッジ画素は顔料インクK1を用いて(ステップS20)画像形成する制御を行う(ステップS23)。
ステップS18に戻り、滲みが大きくなる場合(ステップS18:Yes)、画像処理部144は、エッジ画素の画素幅を広く拡張する太線化処理を行う(ステップS21)。次に、制御部148は、エッジ画素を顔料インクK1と染料インクK2とを組み合わせて形成する場合、外側の画素から内側の画素に向かって、顔料インクK1に対する染料インクK2の使用割合を増加させて(ステップS22)、画像形成する制御を行う(ステップS23)。
以上の処理動作を行うことによって、画像形成装置10は、生産速度を維持しながら画像濃度を濃くでき、文字や線画の視認性を向上させることができる。
このように、本実施形態の画像形成装置10は、画像データのエッジ画素を検出して、検出されたエッジ画素は顔料インクK1を用いて形成する制御を行い、エッジ画素を除く画素は顔料インクK1と染料インクK2とを組み合わせて形成する制御を行うことで、生産速度を維持しながら画像濃度を濃くでき、文字や線画の視認性を向上させることができる、という有利な効果を達成できる。すなわち、生産速度を維持しながら画像濃度を濃く、輪郭の滲みを抑えた画像を形成することが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。また、以上の実施形態および変形例は任意に組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態の画像形成装置10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでフロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disc)、CD−R(Compact Disc-Recordable)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDメモリカード(SD memory card)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
なお、本実施形態の画像形成装置10の構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
10 画像形成装置
11 キャリッジ
12 ヘッドユニット
13 搬送ステージ
14 記録媒体
15 エンコーダセンサ
16 主走査モータ
17 副走査モータ
21 往路方向
22 復路方向
101〜110 ノズル列
120 メイン制御基板
121 CPU
122 ROM
123 RAM
124 記録ヘッドドライバ
125 主走査ドライバ
126 副走査ドライバ
130 制御用FPGA
131 CPU制御部
132 メモリ制御部
133 画像形成制御部
134 センサ制御部
141 画像判定部
142 エッジ検出部
143 取得部
144 画像処理部
145 記憶部
146 インク吐出制御部
147 モータ制御部
148 制御部
301 輪郭部
302 右側画素
303 左側画素
304 下側画素
305 上側画素
306 輪郭部
11 キャリッジ
12 ヘッドユニット
13 搬送ステージ
14 記録媒体
15 エンコーダセンサ
16 主走査モータ
17 副走査モータ
21 往路方向
22 復路方向
101〜110 ノズル列
120 メイン制御基板
121 CPU
122 ROM
123 RAM
124 記録ヘッドドライバ
125 主走査ドライバ
126 副走査ドライバ
130 制御用FPGA
131 CPU制御部
132 メモリ制御部
133 画像形成制御部
134 センサ制御部
141 画像判定部
142 エッジ検出部
143 取得部
144 画像処理部
145 記憶部
146 インク吐出制御部
147 モータ制御部
148 制御部
301 輪郭部
302 右側画素
303 左側画素
304 下側画素
305 上側画素
306 輪郭部
Claims (14)
- 少なくとも1つは特定色を含む顔料インクと染料インクとにより画像を形成する画像形成装置であって、
画像データのエッジ画素を検出するエッジ検出部と、
検出された前記エッジ画素は前記顔料インクを用いて形成する制御を行い、前記エッジ画素を除く画素は前記顔料インクと前記染料インクとを組み合わせて形成する制御を行う制御部と、
を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像データの画像の種類を判定する画像判定部を、さらに備え、
前記制御部は、
前記画像の種類が文字及び線画に属する場合、前記エッジ画素は前記顔料インクを用いて形成する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、
前記画像の種類がグラフィック画像及び写真画像に属し、前記エッジ画素の階調が中間から明るい方側である場合には、前記エッジ画素は前記染料インクの混色を用いる割合を増加させて形成する制御を行い、前記エッジ画素の階調が中間から暗い方側である場合には、前記エッジ画素は前記特定色の顔料インクを用いる割合を増加させて形成する制御を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、
前記エッジ画素を除く画素を、前記顔料インクの着弾が少ない箇所に、より多くの前記染料インクを着弾させて形成する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、
前記エッジ画素を除く画素を、前記顔料インクの着弾位置に対して、主走査方向及び副走査方向の何れか一方向に前記染料インクの着弾位置をずらして前記顔料インクと前記染料インクとの重なりが少なくなるように形成する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記エッジ画素の画素幅を拡張する太線化処理を行う画像処理部を、さらに備え、
前記制御部は、拡張された前記画素幅を用いて前記エッジ画素を形成する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。 - 画像形成する速度を示す印刷モード、画像形成する記録媒体の種類、温度又は湿度を示す環境情報の何れかを取得する取得部を、さらに備え、
前記画像処理部は、前記印刷モード、前記記録媒体の種類、前記環境情報の少なくとも1つに基づいて、前記太線化処理を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記画像処理部は、前記エッジ画素を形成する場合、着弾したインクの滲みが大きくなる条件では、前記画素幅を広く拡張する太線化処理を行う、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。 - 前記着弾したインクの滲みが大きくなる条件は、画像形成する速度が速い場合、画像形成する記録媒体の種類が再生紙の場合、前記環境情報の温度が低い場合、前記環境情報の湿度が高い場合、前記染料インクの混色を用いる割合を増加させて画像形成する場合の何れかである、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。 - 前記エッジ画素は、外側から内側に向かって複数の画素で構成され、
前記制御部は、前記エッジ画素を前記顔料インクと前記染料インクとを組み合わせて形成する場合、前記外側の画素から前記内側の画素に向かって、前記顔料インクに対する前記染料インクの使用割合を増加させて形成する制御を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、
少なくとも前記特定色の前記顔料インク及び前記染料インクのインク付着量を、前記画像データに基づいて、それぞれのインクに対応した予め設定された変換情報を用いて生成されたインク付着量データを用いて制御する、
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、
少なくとも前記特定色の前記顔料インク及び前記染料インクのインク付着量を、前記画像データに基づいて、それぞれのインクに対応した予め設定された変換情報を用いて生成された、どちらか一方のインク付着量データと、生成された前記一方のインク付着量データを用いて所定の係数又は予め設定された変換情報を用いて生成された他方のインク付着量データとを用いて制御する、
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成装置。 - 少なくとも1つは特定色を含む顔料インクと染料インクとにより画像を形成する画像形成装置の画像形成方法であって、
画像データのエッジ画素を検出するエッジ検出ステップと、
検出された前記エッジ画素は前記顔料インクを用いて形成する制御を行い、前記エッジ画素を除く画素は前記顔料インクと前記染料インクとを組み合わせて形成する制御を行う制御ステップと、
を含む、
ことを特徴とする画像形成方法。 - 少なくとも1つは特定色を含む顔料インクと染料インクとにより画像を形成する画像形成装置に、
画像データのエッジ画素を検出するエッジ検出ステップと、
検出された前記エッジ画素は前記顔料インクを用いて形成する制御を行い、前記エッジ画素を除く画素は前記顔料インクと前記染料インクとを組み合わせて形成する制御を行う制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015055102A JP2016175191A (ja) | 2015-03-18 | 2015-03-18 | 画像形成装置、画像形成方法およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015055102A JP2016175191A (ja) | 2015-03-18 | 2015-03-18 | 画像形成装置、画像形成方法およびプログラム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016175191A true JP2016175191A (ja) | 2016-10-06 |
Family
ID=57070737
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015055102A Pending JP2016175191A (ja) | 2015-03-18 | 2015-03-18 | 画像形成装置、画像形成方法およびプログラム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2016175191A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019147249A (ja) * | 2018-02-26 | 2019-09-05 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置及び印刷方法 |
| CN117519616A (zh) * | 2023-11-08 | 2024-02-06 | 广州市森扬电子科技有限公司 | 一种改善打印图像均匀性的方法、设备及储存介质 |
-
2015
- 2015-03-18 JP JP2015055102A patent/JP2016175191A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019147249A (ja) * | 2018-02-26 | 2019-09-05 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置及び印刷方法 |
| JP7000913B2 (ja) | 2018-02-26 | 2022-01-19 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置及び印刷方法 |
| CN117519616A (zh) * | 2023-11-08 | 2024-02-06 | 广州市森扬电子科技有限公司 | 一种改善打印图像均匀性的方法、设备及储存介质 |
| CN117519616B (zh) * | 2023-11-08 | 2024-04-09 | 广州市森扬电子科技有限公司 | 一种改善打印图像均匀性的方法、设备及储存介质 |
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