JP2016177992A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明の課題は、ガスバリアー性の向上のための非発光領域の拡大が不要であり、非発光領域を縮小しても優れた発光性能を維持できる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。【解決手段】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板上に発光層と当該発光層を挟持する一対の電極とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、(a)少なくとも前記一対の電極及び前記発光層の表面を無機材料により被覆するガスバリアー層を形成する工程と、(b)前記ガスバリアー層上に粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により封止層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】図2A
Description
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)素子は、一般的に、一対の電極と、当該一対の電極間に挟持された発光層と、を基板上に備えている。
発光性の有機化合物を含有する発光層に一対の電極間に電圧を印加すると、各電極からそれぞれ注入された正孔及び電子が、発光層において再結合して励起子が生成する。この励起子が励起状態から基底状態に戻る際に放出するエネルギーが、光として発光層から放出される。
発光性の有機化合物を含有する発光層に一対の電極間に電圧を印加すると、各電極からそれぞれ注入された正孔及び電子が、発光層において再結合して励起子が生成する。この励起子が励起状態から基底状態に戻る際に放出するエネルギーが、光として発光層から放出される。
このような有機EL素子は、発光層の材料として最適な有機化合物を選択することにより、特定の光波長で面発光することができる。また、有機EL素子は、各層を薄膜として形成することができ、薄型かつ固体形状で発光可能である。これらの特性から、薄型で大面積のフルカラーディスプレイ、電子写真用の光源デバイス、液晶ディスプレイ用のバックライト、静脈センサー等の生体認識用光源、面発光照明等として、有機EL素子の商品化が急がれている。
有機EL素子の用途をさらに拡大するため、低コスト化及び信頼性向上に向けて、材料の開発、構造の最適化、生産プロセスの効率化等、品質向上を目的とする開発が活発に進められている。
例えば、有機EL素子の大型化及び生産性の向上のため、長尺フィルム状の基板上に複数の有機EL素子の各層を形成した後、基板を切断分割することにより、複数の有機EL素子を一括生産する大規模な生産技術の確立が図られている。
例えば、有機EL素子の大型化及び生産性の向上のため、長尺フィルム状の基板上に複数の有機EL素子の各層を形成した後、基板を切断分割することにより、複数の有機EL素子を一括生産する大規模な生産技術の確立が図られている。
基板としては、有機EL素子の薄型化、軽量化及び耐衝撃性の向上を図るため、可撓性が高い樹脂フィルムが用いられることが多い。しかし、樹脂フィルムは、経時により大気中の水、酸素等のガスが浸入しやすく、電極及び発光層が劣化して点状に非発光化するダークスポットと呼ばれる発光欠陥が生じることがある。発光欠陥の原因となるガスの浸入を遮蔽するため、電極及び発光層の周囲をガスバリアー層により被覆し、さらにガスバリアー層上を封止基板によって封止することが行われている。
封止基板を用いる場合、接着剤を用いて基板の発光層の周囲の非発光領域(ベゼル領域ともいう。)に封止基板を貼り合わせるが、貼り合わせの位置ずれを考慮して、非発光領域を広く確保しておかなければならなかった。
また、接着剤を介して経時によりガスが浸入しやすいという問題もある。通常は、接着剤からのガスもガスバリアー層によって遮蔽することができるが、製造過程において異物が混入してガスバリアー層にピンホール状の膜欠陥が生じていると、この膜欠陥から発光層等へとガスが到達し、上述した発光欠陥が生じてしまう。このような異物混入による発光欠陥も想定すると、接着剤を塗布する領域を拡大して、接着剤を介して発光層に到達するガスを抑制しなければならない。そのためには、接着剤を塗布する非発光領域の拡大が必要である。
また、接着剤を介して経時によりガスが浸入しやすいという問題もある。通常は、接着剤からのガスもガスバリアー層によって遮蔽することができるが、製造過程において異物が混入してガスバリアー層にピンホール状の膜欠陥が生じていると、この膜欠陥から発光層等へとガスが到達し、上述した発光欠陥が生じてしまう。このような異物混入による発光欠陥も想定すると、接着剤を塗布する領域を拡大して、接着剤を介して発光層に到達するガスを抑制しなければならない。そのためには、接着剤を塗布する非発光領域の拡大が必要である。
しかしながら、非発光領域は小さいほど実用面積が増えて、生産コストが低下するとともに発光体としての商品価値が向上する。そのため、封止基板を接着剤により貼り合わせる有機EL素子では、優れた発光性能の維持と非発光領域の縮小の両立が難しかった。
封止基板の代わりに、無機物からなる封止層を原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法により成膜すれば(例えば、特許文献1参照。)、非発光領域の拡大が必要な接着剤の使用を避けることができる。しかし、ALD法は異物の被覆性が良好であるものの、成膜レートが極めて遅いため、生産性が低く実用的でない。
樹脂製の接着剤ではなく、低融点金属等を用いてガスバリアー性が高い接着層を形成することにより、封止基板を貼り合わせる方法も提案されている(例えば、特許文献2〜4参照。)。しかし、低融点金属は100〜300℃の高温で溶融する必要があることから、使用できる封止基板が金属やガラス等の耐熱性の高い封止基板に限定されてしまう。また、低融点金属からなる接着層は屈曲時に剥離することがあり、可撓性に優れた有機EL素子を提供することができない。
金属層を高い成膜レートで形成できる方法としては微粒子堆積法があるが(例えば、特許文献5参照。)、微粒子堆積法はリチウムイオン電池の電極の形成に使用されていた方法であった。
本発明は上記問題及び状況に鑑みてなされ、その解決課題は、ガスバリアー性の向上のための非発光領域の拡大が不要であり、非発光領域を縮小しても優れた発光性能を維持できる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、微粒子堆積法により封止層を形成すれば、高いガスバリアー性を発揮できるとともに、封止基板及び接着剤を用いずに封止することができ、ガスバリアー性の向上のための非発光領域の拡大が不要になることを見いだして、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
1.基板上に発光層と当該発光層を挟持する一対の電極とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
(a)少なくとも前記一対の電極及び前記発光層の表面を無機材料により被覆するガスバリアー層を形成する工程と、
(b)前記ガスバリアー層上に粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により封止層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
(a)少なくとも前記一対の電極及び前記発光層の表面を無機材料により被覆するガスバリアー層を形成する工程と、
(b)前記ガスバリアー層上に粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により封止層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
2.前記封止層に用いられる無機材料が、金属であり、
前記微粒子堆積法により堆積させる前記金属の粒子の粒径が、10nm〜10μmの範囲内にあることを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
前記微粒子堆積法により堆積させる前記金属の粒子の粒径が、10nm〜10μmの範囲内にあることを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
3.前記金属が、スズ又はビスマスであるか、スズ又はビスマスの合金であることを特徴とする第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
4.前記ガスバリアー層に用いられる無機材料の体積弾性率が、前記封止層に用いられる無機材料の体積弾性率よりも大きいことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
5.前記工程(a)では、プラズマ成膜法により前記ガスバリアー層を形成することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
6.前記工程(a)では、前記ガスバリアー層を減圧雰囲気下で形成し、
前記工程(b)では、前記ガスバリアー層の形成に連続して、減圧雰囲気下で前記封止層を形成することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
前記工程(b)では、前記ガスバリアー層の形成に連続して、減圧雰囲気下で前記封止層を形成することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
7.前記ガスバリアー層の無機材料は、絶縁性の無機材料であり、
前記工程(b)では、前記ガスバリアー層より小さい面積の前記封止層を形成することを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
前記工程(b)では、前記ガスバリアー層より小さい面積の前記封止層を形成することを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
8.(c)前記封止層上にハードコート層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
9.基板上に発光層と当該発光層を挟持する一対の電極とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
少なくとも前記一対の電極及び前記発光層の表面を、絶縁性の無機材料により被覆するように形成されたガスバリアー層と、
前記ガスバリアー層上に、前記ガスバリアー層よりも小さい面積となるように、粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により形成された封止層と、
を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
少なくとも前記一対の電極及び前記発光層の表面を、絶縁性の無機材料により被覆するように形成されたガスバリアー層と、
前記ガスバリアー層上に、前記ガスバリアー層よりも小さい面積となるように、粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により形成された封止層と、
を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明の上記手段により、ガスバリアー性の向上のための非発光領域の拡大が不要であり、非発光領域を縮小しても優れた発光性能を維持できる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は明確になっていないが、以下のように推察される。
封止基板を貼り合わせることにより発光層等を封止する場合、貼り合わせる領域を確保するために非発光領域の拡大が必要になる。また、貼り合わせに用いる接着剤を介して、発光層、電極等を劣化させて非発光化させるガスが浸入しやすく、ガスバリアー性を高めるためには、接着剤を塗布する領域、すなわち非発光領域の拡大が必要になる。
しかしながら、微粒子堆積法による封止層の形成には封止基板及び接着剤が不要であることから、貼り合わせのための領域を確保する必要がなく、接着剤を介してガスが浸入することもない。また、微粒子堆積法により形成され、緻密な層構造を有する封止層は、無機材料が用いられたガスバリアー層と同等レベルの高いガスバリアー性を示すことから、封止層のみでガスの浸入を防ぐことができる。このように、微粒子堆積法により封止層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子は、封止層自体のガスバリアー性が高く、このガスバリアー性は非発光領域の大きさに左右されない。ガスバリアー性の向上のための非発光領域の拡大が不要であるため、非発光領域を縮小することができ、縮小しても封止層が有する高いガスバリアー性によって優れた発光性能を維持することができると推察される。
封止基板を貼り合わせることにより発光層等を封止する場合、貼り合わせる領域を確保するために非発光領域の拡大が必要になる。また、貼り合わせに用いる接着剤を介して、発光層、電極等を劣化させて非発光化させるガスが浸入しやすく、ガスバリアー性を高めるためには、接着剤を塗布する領域、すなわち非発光領域の拡大が必要になる。
しかしながら、微粒子堆積法による封止層の形成には封止基板及び接着剤が不要であることから、貼り合わせのための領域を確保する必要がなく、接着剤を介してガスが浸入することもない。また、微粒子堆積法により形成され、緻密な層構造を有する封止層は、無機材料が用いられたガスバリアー層と同等レベルの高いガスバリアー性を示すことから、封止層のみでガスの浸入を防ぐことができる。このように、微粒子堆積法により封止層が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子は、封止層自体のガスバリアー性が高く、このガスバリアー性は非発光領域の大きさに左右されない。ガスバリアー性の向上のための非発光領域の拡大が不要であるため、非発光領域を縮小することができ、縮小しても封止層が有する高いガスバリアー性によって優れた発光性能を維持することができると推察される。
また、ガスバリアー層の形成工程で混入し、ガスバリアー層によって被覆しきれなかった異物がある場合、外的負荷によってこの異物が動くとピンホールが現れるが、微粒子堆積法を用いた封止層の形成工程ではガスバリアー層の上面から原料粒子を堆積させるので、外的負荷によっても異物が動かないように固定することができる。すなわち、異物によりピンホールを塞いでおくことができ、異物によるピンホールの発生を防ぐことができる。
このように、ガスの浸入がなく、浸入したとしても発光層等へ到達する経路がない有機エレクトロルミネッセンス素子は、優れた発光性能を長期間維持することができると推定される。
このように、ガスの浸入がなく、浸入したとしても発光層等へ到達する経路がない有機エレクトロルミネッセンス素子は、優れた発光性能を長期間維持することができると推定される。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板上に発光層と当該発光層を挟持する一対の電極とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、(a)少なくとも前記一対の電極及び前記発光層の表面を無機材料により被覆するガスバリアー層を形成する工程と、(b)前記ガスバリアー層上に無機材料を用いて微粒子堆積法により封止層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。この特徴は請求項1から請求項9までの各請求項に係る発明に共通の技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、封止層のガスバリアー性を高める観点から、前記封止層に用いられる無機材料が、金属であり、前記微粒子堆積法により堆積させる前記金属の粒子の粒径が、10nm〜10μmの範囲内にあることが好ましい。
なかでも、金属が、スズ又はビスマスであるか、スズ又はビスマスの合金であると、封止層の形成工程(b)において微粒子が衝突するガスバリアー層の損傷を防ぐことができるため、好ましい。
ガスバリアー層の耐衝撃性を高めて損傷を防ぐ観点からは、前記ガスバリアー層に用いられる無機材料の体積弾性率が、前記封止層に用いられる無機材料の体積弾性率よりも大きいことが好ましい。
なかでも、金属が、スズ又はビスマスであるか、スズ又はビスマスの合金であると、封止層の形成工程(b)において微粒子が衝突するガスバリアー層の損傷を防ぐことができるため、好ましい。
ガスバリアー層の耐衝撃性を高めて損傷を防ぐ観点からは、前記ガスバリアー層に用いられる無機材料の体積弾性率が、前記封止層に用いられる無機材料の体積弾性率よりも大きいことが好ましい。
封止層の無機材料の粒子が付着しやすくなることから、前記工程(a)では、プラズマ成膜法により前記ガスバリアー層を形成することが好ましい。
前記工程(a)では、前記ガスバリアー層を減圧雰囲気下で形成し、前記工程(b)では、前記ガスバリアー層の形成に連続して、減圧雰囲気下で前記封止層を形成することが好ましい。これにより、膜表面への酸素、二酸化炭素、水等の吸着によるガスバリアー層と封止層の密着性低下、吸湿又は酸化による発光層等の劣化、酸素による粉塵爆発等を防ぐことができる。
また、前記ガスバリアー層の無機材料は、絶縁性の無機材料であり、前記工程(b)では、前記ガスバリアー層より小さい面積の前記封止層を形成することが好ましい。ガスバリアー層により、導電性の電極、電極接続層等と封止層との間を絶縁することができ、導電性の無機材料が用いられた場合の封止層の短絡を防ぐことができる。
封止層の外的負荷に対する耐摩耗性を向上させ、ガスバリアー性の低下を防ぐ観点からは、(c)前記封止層上にハードコート層を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明の製造方法は、前記ガスバリアー層と前記封止層を備え、ガスバリアー性の向上のための非発光領域の拡大が不要で、非発光領域を縮小しても優れた発光性能を維持できる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法として好ましく使用できる。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態について詳細な説明をする。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
〔有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法〕
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板上に発光層と当該発光層を挟持する一対の電極とを備える有機EL素子の製造方法であって、(a)少なくとも一対の電極及び発光層の表面を無機材料により被覆するガスバリアー層を形成する工程と、(b)ガスバリアー層上に無機材料を用いて微粒子堆積法により封止層を形成する工程と、を含む。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板上に発光層と当該発光層を挟持する一対の電極とを備える有機EL素子の製造方法であって、(a)少なくとも一対の電極及び発光層の表面を無機材料により被覆するガスバリアー層を形成する工程と、(b)ガスバリアー層上に無機材料を用いて微粒子堆積法により封止層を形成する工程と、を含む。
図1、図2A、図2B及び図2Cは、本発明の製造方法を用いて製造できる有機EL素子の一例を示している。図1は、有機EL素子100の構成を示す上面図である。図2A、図2B及び図2Cは、それぞれ図1中のY1−Y1線、Y2−Y2線及びX−X線における断面図である。
有機EL素子100は、図1及び図2A〜図2Cに示すように、ガスバリアー層2が形成された基板1上に、少なくとも発光層を含む有機機能層5、有機機能層5を挟持する一対の電極3a及び3b、一対の電極3a及び3bをそれぞれ外部に接続する電極接続層4a及び4bを備えている。
また、有機EL素子100は、少なくとも有機機能層5と一対の電極3a及び3bの表面を無機材料により被覆するガスバリアー層6、ガスバリアー層6上に粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により形成された封止層7を備えている。
有機EL素子100は、図1及び図2A〜図2Cに示すように、ガスバリアー層2が形成された基板1上に、少なくとも発光層を含む有機機能層5、有機機能層5を挟持する一対の電極3a及び3b、一対の電極3a及び3bをそれぞれ外部に接続する電極接続層4a及び4bを備えている。
また、有機EL素子100は、少なくとも有機機能層5と一対の電極3a及び3bの表面を無機材料により被覆するガスバリアー層6、ガスバリアー層6上に粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により形成された封止層7を備えている。
図1において点線で囲む発光領域R1は、図2A〜図2Cに示すように有機機能層5と一対の電極3a及び3bが重なる領域であり、発光領域R1の周囲の領域が非発光領域R2である。非発光領域R2の幅d1が短くなるほど実用面積が増え、生産コストが低くなる。
有機EL素子100は、図1及び図2A〜図2Cに示すように気体又は液体を封入した中空構造ではなく、完全固体構造を有する。
有機EL素子100においては、基板1及び電極3aの透明性を高めることにより、有機機能層5中の発光層から得られた光を電極3a側から取り出すことができるし、電極3b、ガスバリアー層6及び封止層7の透明性を高めて、電極3b側から取り出すこともできる。また、電極3a側と電極3b側の両方から光を取り出すようにしてもよい。
有機EL素子100においては、基板1及び電極3aの透明性を高めることにより、有機機能層5中の発光層から得られた光を電極3a側から取り出すことができるし、電極3b、ガスバリアー層6及び封止層7の透明性を高めて、電極3b側から取り出すこともできる。また、電極3a側と電極3b側の両方から光を取り出すようにしてもよい。
図3(a)〜図3(d)は、本発明の製造方法の実施の形態として、上記有機EL素子100の製造過程を示している。図3(a)〜図3(d)は、図1中のY2−Y2線における有機EL素子100の断面構成を示している。
製造時、図3(a)に示すように、ガスバリアー層2が形成された基板1上に、所定の形状の電極接続層4bと電極3aを形成する。また、図3(a)に図示されていないが、電極接続層4aも形成する。電極3aは、電極接続層4aと一部重ねて形成するか、電極3aと電極接続層4aの材料が同じであれば、電極3aと電極接続層4aを連続して形成する。
次に、図3(b)に示すように、電極3aを被覆する有機機能層5を形成し、さらに電極3bを電極接続層4bの一部と重ねて形成する。その後、図3(c)に示すように、有機機能層5をドライエッチングして、電極3bから露出する部分を除去する。ドライエッチングは、0.1〜50.0Paの範囲内の減圧雰囲気下で、イオンビーム、レーザービーム、イオンガス、ラジカルガス等を用いて行うことができる。エッチングにより材料がパーティクルとして飛散することを避ける観点から、イオンガスやラジカルガスを用いる化学エッチングが好ましく、なかでもプラズマ放電によって発生させた窒素ラジカルガス、水素ラジカルガス等を用いることが好ましい。
なお、マスクを用いて所定形状の有機機能層5を形成してもよい。
なお、マスクを用いて所定形状の有機機能層5を形成してもよい。
〔工程(a)〕
次に、図3(d)に示すように、少なくとも形成した電極3a及び3bと有機機能層5を無機材料により被覆するガスバリアー層6を、ガスバリアー層2上に形成する。
次に、図3(d)に示すように、少なくとも形成した電極3a及び3bと有機機能層5を無機材料により被覆するガスバリアー層6を、ガスバリアー層2上に形成する。
ガスバリアー層6の無機材料としては、高いガスバリアー性が得られるのであれば任意の材料を使用できる。
ガスバリアー層2のガスバリアー性としては、水蒸気透過度(環境条件:25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が約0.01g/[m2・day・atm]以下であり、酸素透過度が約0.01cm3/[m2・day・atm]以下であることが好ましく、より好ましくは水蒸気透過度が約0.0001g/[m2・day・atm]以下であり、かつ酸素透過度が0.0001cm3/[m2・day・atm]以下である。
なお、上記水蒸気透過度は、JIS(日本工業規格)−K7129(1992年)に準拠した赤外センサー法により測定された値であり、酸素透過度は、JIS−K7126(1987年)に準拠したクーロメトリック法により測定された値である。
ガスバリアー層2のガスバリアー性としては、水蒸気透過度(環境条件:25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が約0.01g/[m2・day・atm]以下であり、酸素透過度が約0.01cm3/[m2・day・atm]以下であることが好ましく、より好ましくは水蒸気透過度が約0.0001g/[m2・day・atm]以下であり、かつ酸素透過度が0.0001cm3/[m2・day・atm]以下である。
なお、上記水蒸気透過度は、JIS(日本工業規格)−K7129(1992年)に準拠した赤外センサー法により測定された値であり、酸素透過度は、JIS−K7126(1987年)に準拠したクーロメトリック法により測定された値である。
また、封止層7に導電性が高い無機材料が用いられた場合、封止層7と電極接続層4a及び4bとの短絡を防ぐため、ガスバリアー層6に用いる無機材料は、ガスバリアー性だけでなく、絶縁性も高いことが好ましい。
ガスバリアー層6の絶縁性としては、電気抵抗率が1×1012(Ω・m)以上であることが好ましい。この電気抵抗率は、JIS K 7194(四探針法)に準拠して測定された抵抗率をいう。
ガスバリアー層6の絶縁性としては、電気抵抗率が1×1012(Ω・m)以上であることが好ましい。この電気抵抗率は、JIS K 7194(四探針法)に準拠して測定された抵抗率をいう。
高いガスバリアー性と絶縁性を両立できる無機材料としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム等の無機化合物、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等の炭素化合物が挙げられる。高いガスバリアー性及び透明性、切断のしやすさ等を得る観点から、ガスバリアー層6の主材料が、窒化ケイ素、酸化ケイ素等のケイ素化合物であることが好ましい。
ガスバリアー層6は、上述したような無機材料を主に含有するのであれば、無機材料と有機材料の複合材料からなる層又は無機材料の層に有機材料の層を積層したハイブリッド層であることができる。ガスバリアー層6の脆弱性を改良する観点からは、無機材料と有機材料の複合材料からなる層又はハイブリッド層であることが好ましい。
ハイブリッド層における無機材料及び有機材料の各層の積層順序は任意であり、各層が交互に繰り返し積層されていてもよい。各層を繰り返し積層する場合、ガスバリアー層6の最表面は無機材料の層とすることが、絶縁性及びガスバリアー性を高め、有機機能層5等を封止する観点から好ましい。
ハイブリッド層における無機材料及び有機材料の各層の積層順序は任意であり、各層が交互に繰り返し積層されていてもよい。各層を繰り返し積層する場合、ガスバリアー層6の最表面は無機材料の層とすることが、絶縁性及びガスバリアー性を高め、有機機能層5等を封止する観点から好ましい。
ガスバリアー層6に用いられる無機材料の体積弾性率は、封止層7に用いられる無機材料の体積弾性率よりも高いことが好ましい。無機材料の体積弾性率は、無機材料の全成分のうち、主成分の体積弾性率をいう。
封止層7を微粒子堆積法により形成する際、封止層7の原料粒子がガスバリアー層6の表面に衝突するが、体積弾性率が高い材料が用いられたガスバリアー層6は、封止層7の原料粒子に対する耐衝撃性及び耐久性に優れるため、封止層7の形成によるガスバリアー層6の損傷を防止することができる。
封止層7を微粒子堆積法により形成する際、封止層7の原料粒子がガスバリアー層6の表面に衝突するが、体積弾性率が高い材料が用いられたガスバリアー層6は、封止層7の原料粒子に対する耐衝撃性及び耐久性に優れるため、封止層7の形成によるガスバリアー層6の損傷を防止することができる。
具体的には、ガスバリアー層6に用いられる無機材料の体積弾性率は80GPa以上であることが好ましく、ビッカース硬度(JISZ2244)であればHV50以上が好ましい。
例えば、封止層7の無機材料として好適なスズ(体積弾性率58GPa、HV約10)や、ビスマス(体積弾性率32GPa、HV約20)が用いられる場合、ガスバリアー層6の無機材料としては、酸化ケイ素(体積弾性率約80GPa、HV約450)、水素添加窒化ケイ素(体積弾性率約140GPa、HV約700)、酸化アルミニウム(体積弾性率約200GPa、HV約1000)、ダイヤモンドライクカーボン(体積弾性率約200GPa、HV約1500)、等を用いることができる。
また、基板1の反りを防ぐため、ガスバリアー層6の残留応力(内部応力)は、±50MPa以下に抑えることが好ましい。
例えば、封止層7の無機材料として好適なスズ(体積弾性率58GPa、HV約10)や、ビスマス(体積弾性率32GPa、HV約20)が用いられる場合、ガスバリアー層6の無機材料としては、酸化ケイ素(体積弾性率約80GPa、HV約450)、水素添加窒化ケイ素(体積弾性率約140GPa、HV約700)、酸化アルミニウム(体積弾性率約200GPa、HV約1000)、ダイヤモンドライクカーボン(体積弾性率約200GPa、HV約1500)、等を用いることができる。
また、基板1の反りを防ぐため、ガスバリアー層6の残留応力(内部応力)は、±50MPa以下に抑えることが好ましい。
ガスバリアー層6の厚さは、条件に応じて適宜設定できるが、少なくとも200nm以上が好ましい。厚さが200nm以上であれば、上述の封止層7の原料粒子の衝突に対する耐衝撃性及び耐久性に優れたガスバリアー層6が得られる。また、異物によるガスバリアー層6のピンホールや、各層の段差におけるガスバリアー層6のカバーレッジ不良に起因する膜欠陥を大幅に減らすことができ、膜欠陥を介して封止層7の原料粒子が電極3b及び有機機能層5に到達し、短絡を生じてダークスポットが増大することを防止できる。
ガスバリアー層6の厚さの上限は、ガスバリアー層6の残留応力(内部応力)による基板1の反り及び基板1の屈曲時の耐久性を確保できるのであれば特に限定されないが、フレキシブル性及び生産性を高める観点から2000nm以下が好ましい。
ガスバリアー層6の厚さの上限は、ガスバリアー層6の残留応力(内部応力)による基板1の反り及び基板1の屈曲時の耐久性を確保できるのであれば特に限定されないが、フレキシブル性及び生産性を高める観点から2000nm以下が好ましい。
ガスバリアー層6の形成手法としては、任意の手法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッター法、マグネトロンスパッター法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、プラズマ化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、レーザーCVD法、熱CVD法等の手法を用いることができる。なかでも、プラズマCVD法、プラズマ重合法、イオンプレーティング法、スパッター法、マグネトロンスパッター法等のプラズマ放電を利用するプラズマ成膜法が、電極3bとの密着性及び封止層7の原料粒子の付着率を高めることができ、好ましい。
〔工程(b)〕
上記ガスバリアー層6上に、図3(d)に示すように、粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により封止層7を形成することにより、有機EL素子100が得られる。
封止層7の形成に、導電性が高い無機材料を用いる場合は、電極接続層4a及び4bとの短絡を防ぐため、ガスバリアー層6よりも小さい面積の封止層7を形成する。
上記ガスバリアー層6上に、図3(d)に示すように、粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により封止層7を形成することにより、有機EL素子100が得られる。
封止層7の形成に、導電性が高い無機材料を用いる場合は、電極接続層4a及び4bとの短絡を防ぐため、ガスバリアー層6よりも小さい面積の封止層7を形成する。
微粒子堆積法は、100〜50000Paの範囲内の減圧雰囲気下で、200〜800nmの範囲内の流速まで加速した不活性ガス中に原料粒子を混合して噴霧し、基板上に堆積させる成膜方法である。微粒子堆積法は、溶媒を使用しないドライプロセスであり、原料粒子を溶融せずに低温で膜を形成するため、緻密な膜を精度良く形成することができる。また、粒子単位で成膜する微粒子堆積法は、原子単位で成膜するALD法に比べて成膜レートが高く、生産性に優れる。さらに、微粒子堆積法は減圧雰囲気の環境下で成膜するため、原料粒子の付着を阻害する酸素、二酸化炭素、水分等の膜表面への吸着がほとんどなく、封止層の形成工程における有機機能層5等の吸湿又は酸化を防止することができる。また、減圧雰囲気下では酸素との反応による粉塵爆発を防止でき、安全性が高い。
微粒子堆積法により形成された封止層7は、隙間や気泡がない緻密性が高い層構造を有し、ガスバリアー層6と同等レベルの高いガスバリアー性を示す。このような封止層7は、ガスバリアー層6にピンホール等の膜欠陥があってもこれを塞ぐため、ガスバリアー層6とともに有機機能層5等の劣化を防ぐことができ、有機EL素子100の発光性能を長く維持することができる。
ガスバリアー層6の形成工程で混入し、ガスバリアー層6によって被覆しきれなかった異物がある場合、外的負荷によってこの異物が動くとピンホールが現れるが、封止層7の形成工程ではガスバリアー層6の上面から原料粒子が堆積していくので、外的負荷によっても異物が動かないように固定することができる。すなわち、異物によりピンホールを塞いでおくことができ、異物によるピンホールの発生を防ぐことができる。
また、微粒子堆積法は成膜レートが高いため、異物の被覆に必要な厚さ、例えば5μm以上の厚さの封止層7の形成も容易である。
また、微粒子堆積法は成膜レートが高いため、異物の被覆に必要な厚さ、例えば5μm以上の厚さの封止層7の形成も容易である。
図4は、従来の有機EL素子500の構成を示す上面図である。図5A及び図5Bは、それぞれ図4中のY3−Y3線及びY4−Y4線における断面図である。図4、図5A及び図5Bにおいて、有機EL素子100と同じ構成部分には同じ符号を付している。
図4、図5A及び図5Bに示すように、従来の有機EL素子500は、封止層7の代わりに、樹脂製の接着層11を介して金属製の封止基板12が貼り合わされている。
図4、図5A及び図5Bに示すように、従来の有機EL素子500は、封止層7の代わりに、樹脂製の接着層11を介して金属製の封止基板12が貼り合わされている。
封止基板12を貼り合わせる工程では、接着層11の材料である樹脂をガスバリアー層6上に塗布するが、ガスバリアー層6が被覆しきれなかった異物がこの塗布時の樹脂の動きにともなって動くと、図6Aに示すように、ガスバリアー層6の異物があった部分(図6A中の点線で囲む部分)にピンホールが生じる。ピンホールは接着層11によって被覆されているが、樹脂製の接着層11はガスバリアー層6に比べてガスバリアー性が低い。経時によりガスバリアー性が低い接着層11からガスが浸入すると、図6A中の矢印が示すように、ピンホールを介してガスが有機機能層5や電極3a等へ到達し、ダークスポットを生じさせてしまう。従来は、このような発光性能の劣化を抑えるため、図4に示す非発光領域R2の幅d2を拡大して非発光領域R2に設ける接着層11の領域を拡大し、接着層11の露出部分からガスが有機機能層5等に到達するまでの距離を長くすることにより、ガスバリアー性を高める対策がとられていた。
これに対し、本発明に係る有機EL素子100は、上述のように、封止層7自体のガスバリアー性が高いため、図6Bに示すように、ガスの浸入自体を防止することができる。また、微粒子堆積法により形成された封止層7は、ガスバリアー層6によって被覆できなかった異物Cを押え付けて動かないように固定するので、図6Bに示すように、異物Cでピンホールを塞いでおくことができる。上記従来の有機EL素子500のように、ダークスポットの発生原因となるピンホールが封止工程において生じず、非発光領域R2の幅d1が短くても、高い発光性能を維持することができる。
封止層7に使用できる無機材料としては、微粒子堆積法を利用できるのであれば特に限定されず、金属、ガスバリアー層6の無機材料として挙げたケイ素化合物等が挙げられる。
なかでも、無機材料が、金属であると、高いガスバリアー性が得られるだけでなく、放熱性や熱拡散性熱伝導率も得られることから、好ましい。
なかでも、無機材料が、金属であると、高いガスバリアー性が得られるだけでなく、放熱性や熱拡散性熱伝導率も得られることから、好ましい。
使用できる金属としては、アルミニウム(体積弾性率76GPa、HV約50)、マグネシウム(体積弾性率45GPa、HV約46)、金(体積弾性率80GPa、HV約22)、銀(体積弾性率100GPa、HV約25)、ビスマス(体積弾性率32GPa、HV約20)、スズ(体積弾性率58GPa、HV約10)、鉛(体積弾性率46GPa、HV約4)、これらの合金等が挙げられる。合金としては、例えばスズと銅の合金、スズと銀の合金、ガリウムとスズの合金、スズとビスマスの合金等が挙げられる。
上記金属のなかから、1種類の金属を単独で使用することもできるし、複数種類の金属を併用することもできる。また、酸化ケイ素等の酸化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物、鉄等の高融点の金属粒子等を無機フィラーとして、主材料として使用する金属と併用することができる。この場合、微粒子堆積法による主材料の金属粒子の噴霧と並行して、コールドスプレー法による無機フィラーの噴霧を行うことにより、主材料と無機フィラーからなる封止層7を形成することができる。無機フィラーの併用により、封止層7の耐摩耗性を向上させることができる。
なかでも、融点が200〜300℃程度と低く、化学的に安定で有害性の低いスズ又はビスマスか、スズ又はビスマスの合金が、緻密性が高い封止層7を形成することができ、好ましい。
封止層7の原料粒子の平均粒径(直径)は、10nm〜10μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは50〜1000nmの範囲内にあることが好ましい。平均粒径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置により測定することができる。
平均粒径がこの範囲内の原料粒子を用いることにより、封止層7の形成工程におけるガスバリアー層6の損傷を避け、高い緻密性と高い成膜レートを両立することができる。
平均粒径がこの範囲内の原料粒子を用いることにより、封止層7の形成工程におけるガスバリアー層6の損傷を避け、高い緻密性と高い成膜レートを両立することができる。
封止層7の厚さは、5〜50μmの範囲内にあることが好ましい。厚さが5μm以上であればガスバリアー層6によって被覆しきれなかった異物を十分に被覆することができ、高い封止性能が得られる。また、厚さが50μm以下であればコストを低減できる。
〔工程(c)〕
上記封止層7の形成工程の後、封止層7上にハードコート層を形成する工程があってもよい。
ハードコート層により封止層7を保護することができ、封止層7の外的負荷に対する耐摩耗性とガスバリアー性を向上させることができる。また、封止層7と電極接続層4a等との短絡を防ぐことができる。
上記封止層7の形成工程の後、封止層7上にハードコート層を形成する工程があってもよい。
ハードコート層により封止層7を保護することができ、封止層7の外的負荷に対する耐摩耗性とガスバリアー性を向上させることができる。また、封止層7と電極接続層4a等との短絡を防ぐことができる。
図7は、封止層7上にハードコート層8を備える有機EL素子200の構成を示している。有機EL素子200は、ハードコート層8以外は有機EL素子100と同じ構成であるので、図7において有機EL素子100と同じ層には同じ符号を付している。
ハードコート層8は、図7に示すように、封止層7の上面だけでなく側面も被覆するように形成されている。
ハードコート層8は、図7に示すように、封止層7の上面だけでなく側面も被覆するように形成されている。
ハードコート層8の厚さは、1〜50μmの範囲内にあることが好ましい。厚さが1μm以上であれば封止層7を十分に保護及び絶縁することができ、50μm以下であれば低コストであり、放熱性を高めることもできる。
ハードコート層8の材料としては、封止層7を被覆できる剛性、保護できる硬さ及び高い絶縁性が得られるのであれば特に限定されない。具体的な材料としては、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、シアノアクリレート樹脂等の湿気硬化型接着剤、酸性基や金属イオン塩含有基を有するイオン架橋性接着剤、紫外線硬化型樹脂等が挙げられる。なかでも、ディスプレイのハードコート層としてよく用いられる紫外線硬化型のアクリル樹脂が好ましい。これらの材料を用いる場合、塗布法によって塗膜を形成した後、硬化処理することにより、ハードコート層8を形成することができる。
なお、キャリアフィルム上にハードコート層8をあらかじめ形成しておき、封止層7上にこれをラミネートした後、キャリアフィルムを剥離し、ハードコート層8を転写することもできる。封止層7がすでに形成された後のハードコート層8の形成工程では、封止性能が求められないため、大気環境下で簡易な装置により製造することが可能である。
本発明の製造方法は、生産性の高いロール・トゥ・ロール(roll to roll)方式にも適用することができる。
ロール・トゥ・ロール方式の場合、図8Aに示すように、あらかじめガスバリアー層2が形成された長尺フィルム状の大面積の基板1の幅方向x及び搬送方向yに、複数の有機EL素子100の各層を並べて形成した後、切断線L1において切断分割することにより、多数の有機EL素子100を一括生産することができる。図8Bは、図8A中のY5−Y5線における断面図である。
ロール・トゥ・ロール方式の場合、図8Aに示すように、あらかじめガスバリアー層2が形成された長尺フィルム状の大面積の基板1の幅方向x及び搬送方向yに、複数の有機EL素子100の各層を並べて形成した後、切断線L1において切断分割することにより、多数の有機EL素子100を一括生産することができる。図8Bは、図8A中のY5−Y5線における断面図である。
基板1上の各有機EL素子100は、図8A及び図8Bに示すように、基板1の幅方向xにおいて互いの電極接続層4a及び4bが隣接し、かつ基板1の搬送方向yにおいてそれぞれの封止層7が連続するように、各有機EL素子1を基板1上に配置することが好ましい。
これにより、封止層7を基板1の搬送方向yに連続して形成することができ、封止層7の形成が容易となる。封止層7の位置合わせのための時間を短縮でき、基板1の搬送速度の高速化が可能であるため、生産性が向上する。
これにより、封止層7を基板1の搬送方向yに連続して形成することができ、封止層7の形成が容易となる。封止層7の位置合わせのための時間を短縮でき、基板1の搬送速度の高速化が可能であるため、生産性が向上する。
図9は、ロール・トゥ・ロール方式により有機EL素子100を製造する製造装置Kの構成例を示している。
製造装置Kは、図9に示すように、アンワインダー101、前処理部R10、本体形成部R20、ガスバリアー層6の層形成部R30、封止層7の層形成部R40、切断分割部R50及びワインダー102を備えている。
アンワインダー101からワインダー102までの間には、基板1を搬送する複数のガイドローラーが設けられている。
製造装置Kは、図9に示すように、アンワインダー101、前処理部R10、本体形成部R20、ガスバリアー層6の層形成部R30、封止層7の層形成部R40、切断分割部R50及びワインダー102を備えている。
アンワインダー101からワインダー102までの間には、基板1を搬送する複数のガイドローラーが設けられている。
製造装置Kでは、あらかじめガスバリアー層2が形成された基板1のロール体をアンワインダー101により巻き出し、1×10−5〜10Paの範囲内の真空雰囲気下にある前処理部R10において、基板1の表面、すなわちガスバリアー層2の表面をドライクリーニングし、脱水処理する。脱水処理後、基板1を本体形成部R20に搬送する。
本体形成部R20は、図9に示すように四つの層形成部R21〜R24を備えている。
前処理部R10と層形成部R21間には、それぞれの圧力差を調整するゲートバルブ又は圧力調整部が設けられている。
また、各層形成部R21〜R24間には、各層形成部R21〜R24での処理速度の差を吸収するためのフィルム張力の調整装置(アキュムレーター)が設けられている。
各層形成部R21〜R24は、独立して排気を行い、真空状態又は減圧状態に保たれている。各層形成部R21〜R24内の圧力は、成膜方法によって異なるが、1×10−6〜10Pa程度の範囲に設定されている。
前処理部R10と層形成部R21間には、それぞれの圧力差を調整するゲートバルブ又は圧力調整部が設けられている。
また、各層形成部R21〜R24間には、各層形成部R21〜R24での処理速度の差を吸収するためのフィルム張力の調整装置(アキュムレーター)が設けられている。
各層形成部R21〜R24は、独立して排気を行い、真空状態又は減圧状態に保たれている。各層形成部R21〜R24内の圧力は、成膜方法によって異なるが、1×10−6〜10Pa程度の範囲に設定されている。
層形成部R21〜R24では、複数の有機EL素子100の電極3a、電極接続層4a及び4b、有機機能層5並びに電極3bをそれぞれ形成する。各層形成部R21〜R24は、マスクを用いて形成する各層を所定の形状とする。
なお、基板1上のガスバリアー層2も、本体形成部R20が形成する構成であってもよい。
なお、基板1上のガスバリアー層2も、本体形成部R20が形成する構成であってもよい。
層形成部R23が、蒸着法により有機機能層25を形成する場合、1×10−6〜1×10−4Paの高真空領域に設定されていることが好ましい。
有機機能層25が発光層以外にも複数の有機層を有する場合、層形成部R23は、有機機能層25の各層を、一つのマスクにより同一形状で積層して、有機機能層25を形成することが好ましい。
有機機能層25をドライエッチングする場合は、層形成部R23の後にドライエッチング部を設ければよい。
また、層形成部R24内は、1×10−6〜10Paの範囲内の圧力下にあることが好ましい。
有機機能層25が発光層以外にも複数の有機層を有する場合、層形成部R23は、有機機能層25の各層を、一つのマスクにより同一形状で積層して、有機機能層25を形成することが好ましい。
有機機能層25をドライエッチングする場合は、層形成部R23の後にドライエッチング部を設ければよい。
また、層形成部R24内は、1×10−6〜10Paの範囲内の圧力下にあることが好ましい。
本体形成部R20により電極3bまで形成すると、層形成部R30においてガスバリアー層6を形成する。
層形成部R30では、基板1上の電極3a及び3bと有機機能層5を被覆し、かつ電極接続層4a及び4bが露出するように、ガスバリアー層6を形成する。プラズマ成膜法によりガスバリアー層6を形成する場合、層形成部R30内は0.1〜200Paの範囲の減圧雰囲気下にあることが好ましい。
図8Aに示す配置の場合、基板1の搬送方向yに連続してストライプ状の形状のガスバリアー層6を形成すればよいので、ガスバリアー層6の形成が容易となる。
層形成部R30では、基板1上の電極3a及び3bと有機機能層5を被覆し、かつ電極接続層4a及び4bが露出するように、ガスバリアー層6を形成する。プラズマ成膜法によりガスバリアー層6を形成する場合、層形成部R30内は0.1〜200Paの範囲の減圧雰囲気下にあることが好ましい。
図8Aに示す配置の場合、基板1の搬送方向yに連続してストライプ状の形状のガスバリアー層6を形成すればよいので、ガスバリアー層6の形成が容易となる。
次に、層形成部R40においてガスバリアー層6上に封止層7を形成する。層形成部R40内は100〜50000Paの範囲内の減圧雰囲気下にあり、同様に減圧雰囲気下にあるガスバリアー層6を形成する層形成部R30から層形成部R40までの間、基板1を大気圧下にさらすことなく、ガスバリアー層6の形成と連続して封止層7を形成する。これにより、膜表面への酸素、二酸化炭素、水等の吸着によるガスバリアー層6と封止層7の密着性低下、吸湿又は酸化による有機機能層5等の劣化、酸素による粉塵爆発等を防ぐことができる。
図10は、層形成部R40の例を示している。
図10に示すように、層形成部R40は高圧スプレーガン41を備え、高圧スプレーガン41により加速した不活性ガスに原料粒子を供給してガスバリアー層6上に噴射する。高圧スプレーガン41と基板1の間にはマスク42が配置され、マスク42により封止層7の形成領域を規制している。なお、図10は、搬送方向yから基板1を表す部分断面図である。
不活性ガスの温度を100〜200℃の範囲内とし、流速を200〜800m/secの音速レベルの範囲内とすることができる。高圧スプレーガン41のノズルを原料粒子の融点近くまで加熱することにより、より緻密で密着性が高い膜を形成できる。
図10に示すように、層形成部R40は高圧スプレーガン41を備え、高圧スプレーガン41により加速した不活性ガスに原料粒子を供給してガスバリアー層6上に噴射する。高圧スプレーガン41と基板1の間にはマスク42が配置され、マスク42により封止層7の形成領域を規制している。なお、図10は、搬送方向yから基板1を表す部分断面図である。
不活性ガスの温度を100〜200℃の範囲内とし、流速を200〜800m/secの音速レベルの範囲内とすることができる。高圧スプレーガン41のノズルを原料粒子の融点近くまで加熱することにより、より緻密で密着性が高い膜を形成できる。
封止層7まで形成し終えると、切断分割部R50において基板1を切断分割し、複数の有機EL素子100を得る。
切断分割には、金属製やセラミック製の機械刃、レーザー光を用いることができる。切断分割工程では、基板1の全部を切断してもよいが、基板1の一部をエッチングして分割溝を形成した後、エアーの吹き付け、引っ張り等によって基板1を分割することもできる。
切断分割には、金属製やセラミック製の機械刃、レーザー光を用いることができる。切断分割工程では、基板1の全部を切断してもよいが、基板1の一部をエッチングして分割溝を形成した後、エアーの吹き付け、引っ張り等によって基板1を分割することもできる。
機械刃を用いた切断方法としては、図8Aに示す切断線L1上を、直線刃、ロール刃等により走査する、ギロチンカッターで押圧を加える、トムソン刃、ピナクル刃等で押圧を加えて型抜きする等の方法が挙げられる。
レーザー光を用いる場合、レーザー光のヘッドを1つ又は複数並べて、図8Aに示す切断線L1上を走査することで切断することができる。レーザー光の光源としては、エキシマレーザー、炭酸ガス(CO2)レーザー、YAGレーザー、Nd:YAGレーザー、ルビーレーザー、YVO4レーザー、半導体レーザー等を用いることができる。レーザー光は、波長が0.1〜50.0μmの範囲内であれば、1波長又は複数波長のレーザー光を組み合わせて用いることができるが、有機EL素子100は樹脂や金属等の異なる材料の積層物であるため、各層の吸収しやすい波長のレーザー光を順次走査して切断してもよい。
レーザー光を用いる場合、レーザー光のヘッドを1つ又は複数並べて、図8Aに示す切断線L1上を走査することで切断することができる。レーザー光の光源としては、エキシマレーザー、炭酸ガス(CO2)レーザー、YAGレーザー、Nd:YAGレーザー、ルビーレーザー、YVO4レーザー、半導体レーザー等を用いることができる。レーザー光は、波長が0.1〜50.0μmの範囲内であれば、1波長又は複数波長のレーザー光を組み合わせて用いることができるが、有機EL素子100は樹脂や金属等の異なる材料の積層物であるため、各層の吸収しやすい波長のレーザー光を順次走査して切断してもよい。
有機EL素子200のようにハードコート層8を形成する場合は、封止層7の層形成部R40と切断分割部R50の間に、ハードコート層8の層形成部が設けられる。
〔有機エレクトロルミネッセンス素子〕
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に有機機能層と当該有機機能層を挟持する一対の電極とを備え、少なくともこの一対の電極及び発光層の表面を、絶縁性の無機材料により被覆するように形成されたガスバリアー層と、当該ガスバリアー層上に、ガスバリアー層よりも小さい面積となるように、粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により形成された封止層と、を備える。
このような有機エレクトロルミネッセンス素子は、上述した本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造することができる。
上述した有機EL素子100及び200は、本発明の有機EL素子の実施の形態であるので、以下、有機EL素子100の各層について詳細に説明する。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に有機機能層と当該有機機能層を挟持する一対の電極とを備え、少なくともこの一対の電極及び発光層の表面を、絶縁性の無機材料により被覆するように形成されたガスバリアー層と、当該ガスバリアー層上に、ガスバリアー層よりも小さい面積となるように、粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により形成された封止層と、を備える。
このような有機エレクトロルミネッセンス素子は、上述した本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法により製造することができる。
上述した有機EL素子100及び200は、本発明の有機EL素子の実施の形態であるので、以下、有機EL素子100の各層について詳細に説明する。
〔基板〕
基板1は、フィルム状に成形され、高い可撓性を有する。高い可撓性を有する基板1を用いることにより、高い可撓性を有する有機EL素子1が得られる。
基板1は、フィルム状に成形され、高い可撓性を有する。高い可撓性を有する基板1を用いることにより、高い可撓性を有する有機EL素子1が得られる。
基板1としては、例えば薄膜ガラス、薄膜セラミック、樹脂フィルム、ガラス繊維又は炭素繊維を含む樹脂フィルム、SUS(Steel Use Stainless)、インバー等のNi−Feの合金、アルミニウム、チタン等の金属フィルム等を用いることができる。なかでも、軽量化、耐衝撃性の向上及び低コスト化の観点から、樹脂フィルムが好ましく、基板1側からの光の取り出しを考慮すると、透明性が高い樹脂フィルムがより好ましい。
透明性が高い樹脂フィルムの材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン共重合体(COP)等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、セロファン、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネイト、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、フッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリアリレート類等とそれらの誘導体が挙げられる。市販品としては、例えばアートン(登録商標:JSR社製)、アペル(登録商標:三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂を用いることができる。
基板1の厚さは、製造時にロール体として供給する場合の取扱い性を高める観点から、30〜300μmの範囲内であることが好ましい。
〔ガスバリアー層〕
ガスバリアー層2は、基板1上を全面的に被覆するように形成され、基板1を介して浸入する大気中の水、酸素等のガスを遮蔽する。ガスバリアー層2のガスバリアー性は、上述したガスバリアー層6と同様のガスバリアー性であることが好ましい。
ガスバリアー層2は、基板1の両面に設けられていてもよい。基板1自体がガスバリアー性を有する場合には、ガスバリアー層2は必ずしも必要ではなく、ガスバリアー性を有する基板1とガスバリアー層6によって各層を封止してもよい。
ガスバリアー層2は、基板1上を全面的に被覆するように形成され、基板1を介して浸入する大気中の水、酸素等のガスを遮蔽する。ガスバリアー層2のガスバリアー性は、上述したガスバリアー層6と同様のガスバリアー性であることが好ましい。
ガスバリアー層2は、基板1の両面に設けられていてもよい。基板1自体がガスバリアー性を有する場合には、ガスバリアー層2は必ずしも必要ではなく、ガスバリアー性を有する基板1とガスバリアー層6によって各層を封止してもよい。
ガスバリアー層2は、基板1として金属フィルムが使用されている場合、基板1と陽極、電極接続層4a及び4b及び陰極とを電気的に絶縁する絶縁層としても機能することが好ましい。
ガスバリアー層2は、絶縁層としても機能する場合、電気抵抗率が1×1012Ω・m以上の絶縁性を有することが好ましい。
高いガスバリアー性及び絶縁性を示すガスバリアー層2の材料としては、上述したガスバリアー層6と同様の無機材料を用いることができる。
ガスバリアー層2は、絶縁層としても機能する場合、電気抵抗率が1×1012Ω・m以上の絶縁性を有することが好ましい。
高いガスバリアー性及び絶縁性を示すガスバリアー層2の材料としては、上述したガスバリアー層6と同様の無機材料を用いることができる。
ガスバリアー層2の脆弱性及び平坦性を改良する観点からは、ガスバリアー層2として、無機材料を用いた層に有機材料を用いた層を積層した多層構造のハイブリッド層を用いることができる。有機材料としては、ヘキサメチルジシロキサン、パーヒドロポリシラザン等のケイ素含有ポリマーを用いることができる。
ハイブリッド層における無機材料及び有機材料の各層の積層順序は任意であり、各層が交互に繰り返し積層されていてもよい。各層を繰り返し積層する場合、陽極又は陰極に隣接する層を無機材料の層とすることが、絶縁性及びガスバリアー性を高め、ガスバリアー層2とガスバリアー層6が接して有機機能層5等を封止する観点から好ましい。
ハイブリッド層における無機材料及び有機材料の各層の積層順序は任意であり、各層が交互に繰り返し積層されていてもよい。各層を繰り返し積層する場合、陽極又は陰極に隣接する層を無機材料の層とすることが、絶縁性及びガスバリアー性を高め、ガスバリアー層2とガスバリアー層6が接して有機機能層5等を封止する観点から好ましい。
ガスバリアー層2の厚さは、高いガスバリアー性及び絶縁性を示すのであれば、任意に設定できる。有機EL素子100の可撓性を考慮すると、ガスバリアー層2の厚さは、50〜1000nmの範囲内であることが好ましい。
〔有機平坦化層〕
有機EL素子100は、ガスバリアー層2の表面を平坦化し、電極3aとの密着性を向上させるため、ガスバリアー層2と電極3aの間に、さらに有機平坦化層を備えていてもよい。特に、電極3aとして銀等の薄膜金属を用いる場合には有機平坦化層は効果的であり、好ましい。
有機EL素子100は、ガスバリアー層2の表面を平坦化し、電極3aとの密着性を向上させるため、ガスバリアー層2と電極3aの間に、さらに有機平坦化層を備えていてもよい。特に、電極3aとして銀等の薄膜金属を用いる場合には有機平坦化層は効果的であり、好ましい。
有機平坦化層の材料としては、透明な樹脂材料が好ましく、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリイミド等の絶縁性の樹脂材料だけでなく、電極3aの補助材としてポリアニリン、ポリフェニルアミン、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)、PPV(ポリフェニレンビニレン)、3級アミン等の一般的に導電性ポリマーと呼ばれる導電性の樹脂材料を用いることができる。これらの樹脂をバインダー成分として、屈折率の高いアクリル樹脂粒子や酸化ニオブ系無機粒子等を添加することにより、高い光散乱性を付与することができる。
上記材料が用いられた有機平坦化層は、ガスが浸入しやすいため、ガスバリアー層2とガスバリアー層6により側面が被覆されていることが好ましい。
上記材料が用いられた有機平坦化層は、ガスが浸入しやすいため、ガスバリアー層2とガスバリアー層6により側面が被覆されていることが好ましい。
有機平坦化層は、蒸着法等のドライプロセス、スプレー、グラビアコーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いた塗布法、インクジェット法等のウェットプロセスによって形成することができる。
有機平坦化層は、マスクを用いるか、有機機能層5のエッチング工程で電極3aより外側に露出した領域を部分的に除去することにより、電極3aと同じ形状に形成することができる。
有機平坦化層の厚さは、50〜1000mmの範囲内にあることが好ましい。厚さが50nm以上であれば十分な平坦性が得られ、1000nm以下であればコストを抑えることができる。
有機平坦化層は、マスクを用いるか、有機機能層5のエッチング工程で電極3aより外側に露出した領域を部分的に除去することにより、電極3aと同じ形状に形成することができる。
有機平坦化層の厚さは、50〜1000mmの範囲内にあることが好ましい。厚さが50nm以上であれば十分な平坦性が得られ、1000nm以下であればコストを抑えることができる。
〔電極〕
電極3a及び3bは、一方が陽極、他方が陰極である一対の電極である。陽極は、有機機能層5中の発光層に正孔を供給(注入)する電極層であり、陰極は、有機機能層5中の発光層に電子を供給(注入)する電極層である。
電極3a及び3bは、それぞれの電極接続層4a及び4bと接続されるように、ガスバリアー層2上に所定の形状で形成されている。
電極3a及び3bは、一方が陽極、他方が陰極である一対の電極である。陽極は、有機機能層5中の発光層に正孔を供給(注入)する電極層であり、陰極は、有機機能層5中の発光層に電子を供給(注入)する電極層である。
電極3a及び3bは、それぞれの電極接続層4a及び4bと接続されるように、ガスバリアー層2上に所定の形状で形成されている。
陽極は、仕事関数が4eV以上と大きい材料、例えば金属、合金、導電性化合物、これらの混合物等の電極材料を用いて形成することができる。
陽極は、有機EL素子100において陽極側から光を取り出す場合、光線透過率が可視光領域で約50%以上の透明性を有し、シート抵抗率(表面抵抗率)が300Ω/□以下であることが好ましい。
陽極側から光を取り出す場合、例えば金、銀、アルミニウム等の金属、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム−スズ・酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、ガリウム−亜鉛・酸化物(GZO:Gallium Zinc Oxide)、インジウム−ガリウム−亜鉛・酸化物(IGZO:Indium Gallium Zinc Oxide)等の透明性を有する金属酸化物等が、陽極の電極材料として用いられ得る。
陽極側から光を取り出す場合、例えば金、銀、アルミニウム等の金属、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム−スズ・酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、ガリウム−亜鉛・酸化物(GZO:Gallium Zinc Oxide)、インジウム−ガリウム−亜鉛・酸化物(IGZO:Indium Gallium Zinc Oxide)等の透明性を有する金属酸化物等が、陽極の電極材料として用いられ得る。
一方、有機EL素子100において、陽極側から光を取り出さない場合であっても、上述した陽極側から光を取り出す場合と同様に、陽極を構成することができる。この場合、光の取り出し効率を向上させるため、高反射率層が適宜追加されていてもよい。
陽極は、多層構造であってもよい。例えば、陽極は、下地層に、平坦化層、密着層、光の取り出し効率を向上させる高屈折率層及び光散乱層が積層された後、上述した電極材料の層が積層された構造であることができる。
陽極の厚さは、陽極の層構造、電極材料の電気抵抗率又は光線透過率に応じて適宜設定できるが、好ましくは10〜500nmの範囲内である。
陽極の厚さは、陽極の層構造、電極材料の電気抵抗率又は光線透過率に応じて適宜設定できるが、好ましくは10〜500nmの範囲内である。
陰極は、通常、仕事関数が4eV以下と小さい電極材料により形成され得る。そのような電極材料としては、例えば金属(電子注入性金属)、合金、導電性化合物、これらの混合物等が挙げられる。
有機EL素子100において陰極側から光を取り出さない場合、具体的な陰極の電極材料としては、例えばアルミニウム、ナトリウム、リチウム、インジウム、マグネシウム、希土類等の金属、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−銅合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−アルミニウム合金、マグネシウム−インジウム合金、リチウム−アルミニウム合金等の合金、アルミニウム酸化物、酸化スズ、酸化亜鉛、ITO、GZO、IGZO等の金属酸化物等の導電性化合物が挙げられる。
陰極側から光を取り出す場合、陰極の材料として、上記材料のなかでも透明性の高い金属酸化物を用いるか、上記材料を用いて厚さが5〜50nmの範囲内である薄膜の陰極を形成することが好ましい。
陰極は、多層構造であることができる。陰極の多層構造としては、高い透明性と目的の電気抵抗率を両立させる観点から、例えばマグネシウム層とアルミニウム層の積層構造、マグネシウム−銀合金層と銀層の積層構造、銀層とアルミニウム層の積層構造等が挙げられる。
陰極の厚さは、陰極の層構成、電極材料の電気抵抗率及び光線透過率によって適宜設定することができるが、好ましくは10〜500nmの範囲内である。
陰極側から光を取り出す場合、陰極の厚さが5〜50nmの範囲内であると、陰極を薄膜化することができ、好ましい。
陰極の厚さは、陰極の層構成、電極材料の電気抵抗率及び光線透過率によって適宜設定することができるが、好ましくは10〜500nmの範囲内である。
陰極側から光を取り出す場合、陰極の厚さが5〜50nmの範囲内であると、陰極を薄膜化することができ、好ましい。
〔電極接続層〕
電極接続層4a及び4bは、図1、図2A〜図2Cに示すように、一対の電極3a及び3bのそれぞれを電源、プリント基板等の外部装置に電気的に接続する配線として設けられている。
ガスバリアー層2及びガスバリアー層6から露出して設けられる電極接続層4a及び4bの材料としては、耐熱性及び耐湿性に優れた導電性の材料であれば特に限定されず、公知の材料を好適に使用できる。具体的には、アルミニウム、チタン、モリブデン、銅、タンタル等の金属、酸化スズ、酸化亜鉛、ITO、GZO、IGZO等の透明性が高い金属酸化物が挙げられるが、導電性に有利である金属材料がより好ましい。電極接続層4a及び4bは、これらの材料から形成された単層であってもよいし、3層構造からなるMAM電極(Mo/Al・Nd合金/Mo)等の多層の金属膜を用いることもできる。
電極接続層4a及び4bは、図1、図2A〜図2Cに示すように、一対の電極3a及び3bのそれぞれを電源、プリント基板等の外部装置に電気的に接続する配線として設けられている。
ガスバリアー層2及びガスバリアー層6から露出して設けられる電極接続層4a及び4bの材料としては、耐熱性及び耐湿性に優れた導電性の材料であれば特に限定されず、公知の材料を好適に使用できる。具体的には、アルミニウム、チタン、モリブデン、銅、タンタル等の金属、酸化スズ、酸化亜鉛、ITO、GZO、IGZO等の透明性が高い金属酸化物が挙げられるが、導電性に有利である金属材料がより好ましい。電極接続層4a及び4bは、これらの材料から形成された単層であってもよいし、3層構造からなるMAM電極(Mo/Al・Nd合金/Mo)等の多層の金属膜を用いることもできる。
電極接続層4a及び4bの厚さは、50〜1000nmの範囲内にあることが好ましい。厚さが50nm以上であれば配線抵抗を小さくすることができ、1000nm以内であれば屈曲時のクラックの発生を抑えることができる。
電極接続層4a及び4bの形成方法としては、例えば真空蒸着、スパッター法、マグネトロンスパッター法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、湿式塗布等を用いることができる。
電極接続層4a及び4bの形成方法としては、例えば真空蒸着、スパッター法、マグネトロンスパッター法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、湿式塗布等を用いることができる。
〔有機機能層〕
有機機能層5は、少なくとも発光層を備え、必要に応じて発光層以外の有機層、例えば正孔注入層、正孔輸送層、阻止層、電子輸送層、電子注入層等を備える。各有機層は、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極の順に積層される。
以下、各有機層について説明する。
有機機能層5は、少なくとも発光層を備え、必要に応じて発光層以外の有機層、例えば正孔注入層、正孔輸送層、阻止層、電子輸送層、電子注入層等を備える。各有機層は、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極の順に積層される。
以下、各有機層について説明する。
(1)正孔注入層
正孔注入層は、陽極バッファー層とも呼ばれ、有機EL素子100の駆動電圧の低下及び発光輝度の向上を目的として、陽極と発光層間又は陽極と正孔輸送層間に設けられ得る。
正孔注入層の材料としては、例えば銅フタロシアニン等の特開2000−160328号公報等に記載の公知の材料を用いることができる。
正孔注入層は、陽極バッファー層とも呼ばれ、有機EL素子100の駆動電圧の低下及び発光輝度の向上を目的として、陽極と発光層間又は陽極と正孔輸送層間に設けられ得る。
正孔注入層の材料としては、例えば銅フタロシアニン等の特開2000−160328号公報等に記載の公知の材料を用いることができる。
(2)正孔輸送層
正孔輸送層は、陽極から供給された正孔を発光層に輸送(注入)する層である。また、正孔輸送層は、陰極側からの電子の流入を阻止する障壁としても作用する。そのため、正孔輸送層は、正孔注入層、電子阻止層又はその両方として機能させるために形成されることもある。
正孔輸送層は、陽極から供給された正孔を発光層に輸送(注入)する層である。また、正孔輸送層は、陰極側からの電子の流入を阻止する障壁としても作用する。そのため、正孔輸送層は、正孔注入層、電子阻止層又はその両方として機能させるために形成されることもある。
正孔輸送層としては、正孔を輸送する作用及び電子の流入を阻止する作用を発現できれば、有機化合物又は無機化合物のいずれも材料として用いることができる。
正孔輸送層の材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特に、チオフェンオリゴマー)等を用いることができる。
正孔輸送層の材料として、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物等も用いることができ、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
正孔輸送層の材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特に、チオフェンオリゴマー)等を用いることができる。
正孔輸送層の材料として、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物等も用いることができ、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン等が挙げられる。
また、芳香族第3級アミン化合物としては、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン等のスチリルアミン化合物が挙げられる。
さらに、芳香族第3級アミン化合物として、米国特許第5061569号明細書に記載されているような2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(略称:NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているようなトリフェニルアミンユニットが三つ、スターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらに、芳香族第3級アミン化合物として、米国特許第5061569号明細書に記載されているような2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(略称:NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているようなトリフェニルアミンユニットが三つ、スターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
正孔輸送層の他の材料としては、上述した正孔輸送層の各種材料を、高分子鎖に導入した高分子材料又は高分子の主鎖として用いた高分子材料等が挙げられる。
また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も、正孔輸送層の材料として使用することができる。
また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も、正孔輸送層の材料として使用することができる。
正孔輸送層の他の材料として、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)等に記載された、いわゆるp型正孔輸送材料を用いることもできる。p型正孔輸送材料を用いた場合、より発光効率が高い有機EL素子100を得ることができる。
正孔輸送層は、不純物のドープにより、p性が高い、正孔リッチな正孔輸送層とすることができる。そのような正孔輸送層は、例えば特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されている。正孔リッチな正孔輸送層を用いた場合、より低消費電力の有機EL素子100を得ることができる。
正孔輸送層の厚さは、材料に応じて適宜設定することができるが、5〜500nmの範囲内であることが好ましい。
正孔輸送層は、1層又は複数層設けることもできる。1層の正孔輸送層を設ける場合、上述した正孔輸送材料のうち1種又は2種以上の材料が用いられるようにすることが好ましい。
正孔輸送層は、1層又は複数層設けることもできる。1層の正孔輸送層を設ける場合、上述した正孔輸送材料のうち1種又は2種以上の材料が用いられるようにすることが好ましい。
(3)発光層
発光層は、陽極から直接注入されるか又は陽極から正孔輸送層等を介して注入される正孔と、陰極から直接注入されるか又は電子輸送層等を介して注入される電子とが、再結合して発光する層である。
発光は、発光層の層内で行われてもよいし、発光層と隣接する層との界面で行われてもよい。
発光層は、陽極から直接注入されるか又は陽極から正孔輸送層等を介して注入される正孔と、陰極から直接注入されるか又は電子輸送層等を介して注入される電子とが、再結合して発光する層である。
発光は、発光層の層内で行われてもよいし、発光層と隣接する層との界面で行われてもよい。
発光層は、発光性の有機化合物として、ホスト化合物(発光ホストともいう。)と、発光材料(発光ドーパントともいう。)とを含有する。
ホスト化合物及び発光材料を含む発光層において、発光材料の発光波長、種類等を適宜調整することにより、任意の発光色を得ることができる。
ホスト化合物及び発光材料を含む発光層において、発光材料の発光波長、種類等を適宜調整することにより、任意の発光色を得ることができる。
(3−1)ホスト化合物
ホスト化合物は、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が、約0.1未満であることが好ましく、約0.01未満であることがより好ましい。
また、ホスト化合物は、正孔輸送機能、電子輸送機能及び発光の長波長化を防止する機能を有し、ガラス転移温度Tgが高い化合物であることが好ましい。「ガラス転移温度Tg」とは、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量)法を用いて、JIS−K7121に準拠した手法により求められる値である。
ホスト化合物は、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が、約0.1未満であることが好ましく、約0.01未満であることがより好ましい。
また、ホスト化合物は、正孔輸送機能、電子輸送機能及び発光の長波長化を防止する機能を有し、ガラス転移温度Tgが高い化合物であることが好ましい。「ガラス転移温度Tg」とは、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量)法を用いて、JIS−K7121に準拠した手法により求められる値である。
上述のような特性を有するホスト化合物としては、例えば公知の低分子化合物、繰り返し単位をもつ高分子化合物、ビニル基又はエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)等が挙げられる。
具体的なホスト化合物としては、例えば特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等に記載されている化合物が挙げられる。
なかでも、ホスト化合物は、カルバゾール誘導体であることが好ましく、カルバゾール誘導体のなかでもジベンゾフラン化合物であることが好ましい。
なかでも、ホスト化合物は、カルバゾール誘導体であることが好ましく、カルバゾール誘導体のなかでもジベンゾフラン化合物であることが好ましい。
上記ホスト化合物のうち、1種類のみを用いることもできるし、複数種を併用することもできる。複数種のホスト化合物を併用する場合、キャリア(正孔又は電子)の移動度(移動量)を調整することができ、有機EL素子100の発光効率を向上させることができる。
発光層中のホスト化合物の体積比は、約50%以上とすることが好ましい。
発光層中のホスト化合物の体積比は、約50%以上とすることが好ましい。
(3−2)発光材料
発光材料としては、例えばリン光発光材料(リン光性化合物又はリン光発光性化合物とも呼ばれる。)、蛍光発光材料(蛍光発光体又は蛍光性発光材料とも呼ばれる。)等を用いることができる。なかでも、発光効率を向上させる観点からは、リン光発光材料が好ましい。
発光材料としては、例えばリン光発光材料(リン光性化合物又はリン光発光性化合物とも呼ばれる。)、蛍光発光材料(蛍光発光体又は蛍光性発光材料とも呼ばれる。)等を用いることができる。なかでも、発光効率を向上させる観点からは、リン光発光材料が好ましい。
リン光発光材料は、励起三重項からの発光が得られる化合物である。具体的には、リン光発光材料は、室温(25℃)においてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が25℃において約0.01以上となる化合物である。なかでも、リン光量子収率が約0.1以上の化合物が好ましい。
リン光量子収率は、例えば「第4版実験化学講座7・分光II」(1992年版、丸善)の398頁に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に用いられるリン光発光材料は、任意の溶媒のいずれかにおいて上記0.01以上のリン光量子収率が達成されればよい。
リン光量子収率は、例えば「第4版実験化学講座7・分光II」(1992年版、丸善)の398頁に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に用いられるリン光発光材料は、任意の溶媒のいずれかにおいて上記0.01以上のリン光量子収率が達成されればよい。
リン光発光材料の発光原理としては、エネルギー移動型とキャリアトラップ型の二つを挙げることができる。
エネルギー移動型の場合、キャリア(正孔又は電子)が輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こり、ホスト化合物の励起状態が生成する。この際に発生したエネルギーをホスト化合物からリン光発光材料に移動させることで、リン光発光材料からの発光を得る。
キャリアトラップ型の場合、リン光発光材料がキャリア(正孔又は電子)をトラップすることで、リン光発光材料上でキャリアの再結合が起こり、リン光発光材料からの発光を得る。
いずれの場合においても、リン光発光材料の励起状態のエネルギー準位が、ホスト化合物の励起状態のエネルギー準位より低いことが条件である。
エネルギー移動型の場合、キャリア(正孔又は電子)が輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こり、ホスト化合物の励起状態が生成する。この際に発生したエネルギーをホスト化合物からリン光発光材料に移動させることで、リン光発光材料からの発光を得る。
キャリアトラップ型の場合、リン光発光材料がキャリア(正孔又は電子)をトラップすることで、リン光発光材料上でキャリアの再結合が起こり、リン光発光材料からの発光を得る。
いずれの場合においても、リン光発光材料の励起状態のエネルギー準位が、ホスト化合物の励起状態のエネルギー準位より低いことが条件である。
上述のような発光過程を生じさせるリン光発光材料としては、従来の有機EL素子で用いられる公知の各種リン光発光材料を適宜選択して用いることができる。
そのようなリン光発光材料としては、例えば元素の周期表で8族〜10族の金属元素を含有する金属錯体が挙げられる。金属錯体のなかでも、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体及び希土類錯体のいずれかをリン光発光材料として用いることが好ましい。
そのようなリン光発光材料としては、例えば元素の周期表で8族〜10族の金属元素を含有する金属錯体が挙げられる。金属錯体のなかでも、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体及び希土類錯体のいずれかをリン光発光材料として用いることが好ましい。
蛍光発光材料としては、例えばクマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
上述した発光材料のうち、1種類の発光材料を用いることもできるし、発光極大波長の異なる複数種の発光材料を併用することもできる。複数種の発光材料を用いる場合、発光波長の異なる複数の光を混合することができ、これにより、任意の色の発光を得ることができる。例えば、青色発光材料、緑色発光材料及び赤色発光材料の3種類の発光材料を、発光層に含有させることにより、白色光を得ることができる。
なお、有機EL素子100から発光する光の色は、有機EL素子100から発光する光を分光放射輝度計(コニカミノルタセンシング社製、CS−1000)で測定し、その測定結果を、CIE(国際照明委員会)色度座標(例えば、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図10.16参照)に当てはめて決定する。
発光色の「白色」とは、2度視野角正面輝度を上記手法により測定した際に、1000cd/m2でのCIE1931表色系における色度が、X=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にある色をいう。
発光色の「白色」とは、2度視野角正面輝度を上記手法により測定した際に、1000cd/m2でのCIE1931表色系における色度が、X=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にある色をいう。
発光層は、1層又は複数層設けることができる。
複数の発光層を設ける場合、互いに発光色の異なる発光層として積層することができる。例えば、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層を積層し、各発光層からの光から白色光が得られるように調色発光させてもよい。
また、複数の発光層を設ける場合、隣り合う発光層間に非発光性の中間層を設けることができる。当該中間層は、発光層が含有するホスト化合物と同様の材料で形成することができる。
複数の発光層を設ける場合、互いに発光色の異なる発光層として積層することができる。例えば、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層を積層し、各発光層からの光から白色光が得られるように調色発光させてもよい。
また、複数の発光層を設ける場合、隣り合う発光層間に非発光性の中間層を設けることができる。当該中間層は、発光層が含有するホスト化合物と同様の材料で形成することができる。
発光層の厚さは、任意に設定することが可能である。発光層の均質性を高めるとともに、発光時の不要な高電圧の印加を避け、駆動電流に対する発光色の安定性を向上させる観点からは、発光層の厚さは、5〜200nmの範囲内であることが好ましい。
(4)電子輸送層
電子輸送層は、陰極から供給された電子を発光層に輸送(注入)する層である。電子輸送層は、陽極側からの正孔の流入を阻止する障壁としても作用する。そのため、電子輸送層は、電子注入層、正孔阻止層又はその両方として機能させるために形成されることもある。
電子輸送層は、陰極から供給された電子を発光層に輸送(注入)する層である。電子輸送層は、陽極側からの正孔の流入を阻止する障壁としても作用する。そのため、電子輸送層は、電子注入層、正孔阻止層又はその両方として機能させるために形成されることもある。
電子輸送層の材料としては、正孔阻止材料を兼ね、陰極より注入された電子を発光層に伝達(輸送)する機能を有する材料であれば、従来公知の化合物を用いることができる。
従来公知の電子輸送層の材料としては、例えばフルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリゾール誘導体、シロール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、8−キノリノール誘導体、アルミニウムキノレート(Alq3)等の金属錯体が挙げられる。
電子輸送層の他の材料としては、例えばメタルフタロシアニン、メタルフリーフタロシアニン、それらの末端基をアルキル基、スルホン酸基等で置換した化合物等が挙げられる。
従来公知の電子輸送層の材料としては、例えばフルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリゾール誘導体、シロール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、8−キノリノール誘導体、アルミニウムキノレート(Alq3)等の金属錯体が挙げられる。
電子輸送層の他の材料としては、例えばメタルフタロシアニン、メタルフリーフタロシアニン、それらの末端基をアルキル基、スルホン酸基等で置換した化合物等が挙げられる。
電子輸送層は、不純物がゲスト材料(ドープ材ともいう。)としてドープされた、n性の高い、電子リッチな電子輸送層であってもよい。不純物がドープされた電子輸送層の具体例は、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されている。
ゲスト材料としては、有機物のアルカリ金属塩を用いることができる。
有機物の種類は任意であるが、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等を、有機物として用いることができる。なかでも、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩又は安息香酸塩が好ましい。より好ましくは、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩等の脂肪族カルボン酸であり、さらに好ましくは炭素数が4以下の脂肪族カルボン酸であり、特に好ましくは、酢酸塩である。
有機物の種類は任意であるが、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等を、有機物として用いることができる。なかでも、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩又は安息香酸塩が好ましい。より好ましくは、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩等の脂肪族カルボン酸であり、さらに好ましくは炭素数が4以下の脂肪族カルボン酸であり、特に好ましくは、酢酸塩である。
有機物のアルカリ金属塩を構成するアルカリ金属の種類は任意であり、例えばLi、Na、K、Cs等を用いることができる。なかでも、K又はCsが好ましく、Csがより好ましい。
そのため、電子輸送層のゲスト材料として用い得る有機物のアルカリ金属塩は、上記有機物と上記アルカリ金属とを組み合わせた化合物になる。
具体的には、ゲスト材料として、例えばギ酸Li、ギ酸K、ギ酸Na、ギ酸Cs、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、酢酸Cs、プロピオン酸Li、プロピオン酸Na、プロピオン酸K、プロピオン酸Cs、シュウ酸Li、シュウ酸Na、シュウ酸K、シュウ酸Cs、マロン酸Li、マロン酸Na、マロン酸K、マロン酸Cs、コハク酸Li、コハク酸Na、コハク酸K、コハク酸Cs、安息香酸Li、安息香酸Na、安息香酸K、安息香酸Cs等を用いることができる。なかでも、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na又は酢酸Csが好ましく、酢酸Csが最も好ましい。
具体的には、ゲスト材料として、例えばギ酸Li、ギ酸K、ギ酸Na、ギ酸Cs、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、酢酸Cs、プロピオン酸Li、プロピオン酸Na、プロピオン酸K、プロピオン酸Cs、シュウ酸Li、シュウ酸Na、シュウ酸K、シュウ酸Cs、マロン酸Li、マロン酸Na、マロン酸K、マロン酸Cs、コハク酸Li、コハク酸Na、コハク酸K、コハク酸Cs、安息香酸Li、安息香酸Na、安息香酸K、安息香酸Cs等を用いることができる。なかでも、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na又は酢酸Csが好ましく、酢酸Csが最も好ましい。
上記ゲスト材料の含有量は、電子輸送層に対して、約1.5〜35.0質量%の範囲内であることが好ましく、約3〜25質量%の範囲内であることがより好ましく、約5〜15質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
電子輸送層の厚さは、電子輸送層の材料に応じて適宜設定することができるが、5〜200nmの範囲内であることが好ましい。
電子輸送層は、1層のみ設けることもできるし、複数層設けることもできる。
電子輸送層を1層のみ設ける場合、当該1層に上述した材料の1種又は2種以上が用いられることが好ましい。
また、電子輸送層を複数層設ける場合、発光層に最も近い電子輸送層の材料としては、上述した材料の1種又は2種以上が用いられることが好ましい。
電子輸送層を1層のみ設ける場合、当該1層に上述した材料の1種又は2種以上が用いられることが好ましい。
また、電子輸送層を複数層設ける場合、発光層に最も近い電子輸送層の材料としては、上述した材料の1種又は2種以上が用いられることが好ましい。
(5)電子注入層
電子注入層は、電子バッファー層とも呼ばれ、有機EL素子100の駆動電圧の低下及び発光輝度の向上を目的として、陰極と発光層間又は陰極と電子輸送層間に設けられ得る。
電子注入層の構成の詳細な説明は省略するが、例えばフッ化リチウム等を用いることができ、「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)等に記載された電子注入層の構成を採用し得る。
電子注入層は、電子バッファー層とも呼ばれ、有機EL素子100の駆動電圧の低下及び発光輝度の向上を目的として、陰極と発光層間又は陰極と電子輸送層間に設けられ得る。
電子注入層の構成の詳細な説明は省略するが、例えばフッ化リチウム等を用いることができ、「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)等に記載された電子注入層の構成を採用し得る。
〔ガスバリアー層〕
ガスバリアー層6は、上述のように高いガスバリアー性を有し、ガスバリアー層2とともに有機機能層5並びに一対の電極3a及び3bの周囲を被覆して密封する。
また、ガスバリアー層6は、封止層7が導電性を有する場合は、絶縁性の無機材料を用いて形成され、導電性の封止層7と電極接続層4a及び4bとの短絡を防ぐ。
ガスバリアー層6は、上述のように高いガスバリアー性を有し、ガスバリアー層2とともに有機機能層5並びに一対の電極3a及び3bの周囲を被覆して密封する。
また、ガスバリアー層6は、封止層7が導電性を有する場合は、絶縁性の無機材料を用いて形成され、導電性の封止層7と電極接続層4a及び4bとの短絡を防ぐ。
〔封止層〕
封止層7は、上述のようにガスバリアー層6上に無機材料を用いて微粒子堆積法により形成され、ガスバリアー層6とともに有機機能層5並びに一対の電極3a及び3bへのガスの浸入を防ぐ。
微粒子堆積法により形成された封止層7は、隙間や気泡がない緻密性が高い層構造を有し、同じ無機材料が用いられたガスバリアー層6と同等レベルの高いガスバリアー性を示す。このような封止層7は、ガスバリアー層6にピンホール等の膜欠陥があってもこれを塞ぐため、ガスバリアー層6とともに有機機能層5等の劣化を防ぐことができ、有機EL素子100の発光性能を長く維持することができる。
封止層7は、上述のようにガスバリアー層6上に無機材料を用いて微粒子堆積法により形成され、ガスバリアー層6とともに有機機能層5並びに一対の電極3a及び3bへのガスの浸入を防ぐ。
微粒子堆積法により形成された封止層7は、隙間や気泡がない緻密性が高い層構造を有し、同じ無機材料が用いられたガスバリアー層6と同等レベルの高いガスバリアー性を示す。このような封止層7は、ガスバリアー層6にピンホール等の膜欠陥があってもこれを塞ぐため、ガスバリアー層6とともに有機機能層5等の劣化を防ぐことができ、有機EL素子100の発光性能を長く維持することができる。
ガスバリアー層6の形成工程で混入し、ガスバリアー層6によって被覆しきれなかった異物がある場合、外的負荷によってこの異物が動くとピンホールが現れるが、封止層7の形成工程ではガスバリアー層6の上面から原料粒子が堆積していくので、外的負荷によっても異物が動かないように固定することができる。すなわち、異物によりピンホールを塞いでおくことができ、異物によるピンホールの発生を防ぐことができる。
また、微粒子堆積法は成膜レートが高いため、異物の被覆に必要な厚さ、例えば5μm以上の厚さの封止層7の形成も容易である。
また、微粒子堆積法は成膜レートが高いため、異物の被覆に必要な厚さ、例えば5μm以上の厚さの封止層7の形成も容易である。
〔発光モジュール〕
上記有機EL素子100及び200は、プリント基板(FPC:Flexible printed circuits)を実装し、端部を補強して保持する金属枠に固定することにより、発光モジュールとして使用することができる。
図11は、有機EL素子100の発光モジュール300の例を示している。
図11に示すように、発光モジュール300は、有機EL素子100の電極接続層4a及び4bとFPC20が異方性導電膜(AFC:Anisotropic Conductive Film)30を介して接続されている。FPC20とAFC30は、一般的な加熱と加圧によって圧着することができる。FPC20と有機EL素子100の接続を補強するため、テープ40により有機EL素子100の基板1と封止層7のそれぞれとFPC20を貼り合わせてもよい。
上記有機EL素子100及び200は、プリント基板(FPC:Flexible printed circuits)を実装し、端部を補強して保持する金属枠に固定することにより、発光モジュールとして使用することができる。
図11は、有機EL素子100の発光モジュール300の例を示している。
図11に示すように、発光モジュール300は、有機EL素子100の電極接続層4a及び4bとFPC20が異方性導電膜(AFC:Anisotropic Conductive Film)30を介して接続されている。FPC20とAFC30は、一般的な加熱と加圧によって圧着することができる。FPC20と有機EL素子100の接続を補強するため、テープ40により有機EL素子100の基板1と封止層7のそれぞれとFPC20を貼り合わせてもよい。
FPC20の接続コネクター21を、制御回路や電源等の外部装置に接続することにより、電極接続層4a及び4bを介して有機EL素子100の電極3a及び3bが導通する。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示が用いられるが、特に断りが無い限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〔有機EL素子A1〕
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのロール体を基板として用い、基板上にアクリル樹脂からなる厚さ2000nmの有機平坦化層を塗布法にて形成した。この有機平坦下層上に、ヘキサメチルジシロキサンを原料としてプラズマCVD法により炭素及び水素を含有する酸化ケイ素層を形成し、さらに塗布法によりパーヒドロポリシラザンを主成分とし、紫外線照射等の改質処理を施すことによって形成される水素含有の酸窒化ケイ素層を順次形成し、酸化ケイ素層と酸窒化ケイ素層の多層構造からなるガスバリアー層を形成した。多層構造のガスバリアー層の総厚は500nmであった。
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのロール体を基板として用い、基板上にアクリル樹脂からなる厚さ2000nmの有機平坦化層を塗布法にて形成した。この有機平坦下層上に、ヘキサメチルジシロキサンを原料としてプラズマCVD法により炭素及び水素を含有する酸化ケイ素層を形成し、さらに塗布法によりパーヒドロポリシラザンを主成分とし、紫外線照射等の改質処理を施すことによって形成される水素含有の酸窒化ケイ素層を順次形成し、酸化ケイ素層と酸窒化ケイ素層の多層構造からなるガスバリアー層を形成した。多層構造のガスバリアー層の総厚は500nmであった。
次に、ガスバリアー層上に、複数の有機EL素子の陽極、電極接続層、有機機能層及び陰極を順次形成した。陽極として厚さ150nmのITO層を高周波(RF:Radio Frequency)スパッター法により形成し、電極接続層として厚さ300nmのアルミニウム層を形成した。また、有機機能層として、正孔注入層(銅フタロシアニン(CuPc)、厚さ30nm)/正孔輸送層(NPD、厚さ100nm)/蛍光系青色発光層(厚さ30nm)/電子輸送層(アルミニウムキノレート(Alq3)、厚さ30nm)/電子注入層(フッ化リチウム、厚さ1nm)をこの順に形成した。ドライエッチングにより有機機能層の陽極より露出する部分を除去した後、有機機能層上に、陰極として厚さ200nmのアルミニウム層を形成した。
形成した各層の表面を被覆するように、厚さ1000nmの水素添加された窒化ケイ素(SiNH)層をガスバリアー層6として形成した。ガスバリアー層は、シランガス、アンモニアガス、窒素ガス及び水素ガスを用いて、80℃雰囲気の低温下で高周波プラズマCVD法により50〜200Paの減圧雰囲気下において形成した。水素ガスを用いて酸化ケイ素層中に水素を添加することで、ガスバリアー層の残留応力を±50MPa以下に抑えることができた。
ガスバリアー層の形成と連続して、150℃に加熱した高圧スプレーガンにより平均粒径が500nmのスズの原料粒子を窒素ガスとともに噴霧してガスバリアー層上に堆積させ、厚さ20μmの封止層を形成した。封止層は、50〜200Paの減圧雰囲気下において形成した。
ガスバリアー層の形成と連続して、150℃に加熱した高圧スプレーガンにより平均粒径が500nmのスズの原料粒子を窒素ガスとともに噴霧してガスバリアー層上に堆積させ、厚さ20μmの封止層を形成した。封止層は、50〜200Paの減圧雰囲気下において形成した。
その後、各有機EL素子の発光領域からの距離が1.0mmの位置に炭酸ガスレーザー光を照射して基板をエッチングした後、エアーを吹き付けて基板を切断分割し、非発光領域の幅が1.0mmの有機EL素子A1を製造した。
〔有機EL素子A2〜A4〕
上記有機EL素子A1の製造において、切断分割の位置を変えて非発光領域の幅をそれぞれ1.5、2.0及び4.0mmとしたこと以外は、有機EL素子A1と同様にして、各有機EL素子A2〜A4を製造した。
上記有機EL素子A1の製造において、切断分割の位置を変えて非発光領域の幅をそれぞれ1.5、2.0及び4.0mmとしたこと以外は、有機EL素子A1と同様にして、各有機EL素子A2〜A4を製造した。
〔有機EL素子B1〕
上記有機EL素子A1と同様にしてガスバリアー層まで形成した後、封止層の代わりに、熱硬化型エポキシ系接着剤を用いて厚さ30μmの接着層を形成し、封止基板を貼り合わせた。その後、発光領域からの距離が1.0mmの位置で基板を切断分割して、非発光領域の幅が1.0mmの有機EL素子B1を製造した。封止基板としては、ガスバリアー性に優れる厚さ30μmのアルミニウム箔を用いた。貼り合わせ時には、水分が入らないように減圧雰囲気下において、圧着ローラーによって挟み込み、0.4MPaの加圧を行った。
上記有機EL素子A1と同様にしてガスバリアー層まで形成した後、封止層の代わりに、熱硬化型エポキシ系接着剤を用いて厚さ30μmの接着層を形成し、封止基板を貼り合わせた。その後、発光領域からの距離が1.0mmの位置で基板を切断分割して、非発光領域の幅が1.0mmの有機EL素子B1を製造した。封止基板としては、ガスバリアー性に優れる厚さ30μmのアルミニウム箔を用いた。貼り合わせ時には、水分が入らないように減圧雰囲気下において、圧着ローラーによって挟み込み、0.4MPaの加圧を行った。
〔有機EL素子B2〜B4〕
上記有機EL素子B1の製造において、切断位置を変えて非発光領域の幅をそれぞれ1.5、2.0及び4.0mmとしたこと以外は、有機EL素子B1と同様にして、各有機EL素子B2〜B4を製造した。
上記有機EL素子B1の製造において、切断位置を変えて非発光領域の幅をそれぞれ1.5、2.0及び4.0mmとしたこと以外は、有機EL素子B1と同様にして、各有機EL素子B2〜B4を製造した。
〔評価〕
次のようにして、製造した各有機EL素子A1〜A4及びB1〜B4のダークスポットの面積率(%)を求め、発光性能として評価した。
各有機EL素子を温度85℃、湿度85%RHの高温高湿環境下に500時間放置した後、定電圧電源を用いて点灯させた。各有機EL素子の発光面を撮影し、その画像データを画像処理することによりダークスポットの面積を求め、発光領域の面積に対するダークスポットの面積の割合をダークスポットの面積率として算出した。
次のようにして、製造した各有機EL素子A1〜A4及びB1〜B4のダークスポットの面積率(%)を求め、発光性能として評価した。
各有機EL素子を温度85℃、湿度85%RHの高温高湿環境下に500時間放置した後、定電圧電源を用いて点灯させた。各有機EL素子の発光面を撮影し、その画像データを画像処理することによりダークスポットの面積を求め、発光領域の面積に対するダークスポットの面積の割合をダークスポットの面積率として算出した。
表1に示すように、比較例の有機EL素子B1〜B4によれば、非発光領域の幅2mmを下回るとダークスポットが増加することから、大気中に存在する水分子が接着層の側面部から短時間で浸入しやすいことがわかる。このダークスポットの増加は、製造工程中に混入し、大きすぎてガスバリアー層により十分に被覆できなかった異物が、接着層の形成時に動いてピンホールが生じ、接着層の露出部分から浸透した水分子がこのピンホールを介して有機機能層内部へ浸入して、発光性能を失活させたためと推定される。そのため、比較例のように接着層を有する構造では、非発光領域を必要以上に狭くすると水分子の浸入が早くなり、発光性能を長く維持できないと推定される。
これに対し、実施例の有機EL素子A1〜A4は、非発光領域の幅を1mmまで狭くしても、ダークスポットの増加がみられず、長く発光性能を維持できることがわかった。これは、接着層が存在せず、水分子の浸入自体が無いこと、ガスバリアー層の上面から原料粒子を堆積させて封止層を形成し、製造過程で混入する異物が動かないように固定することから、ピンホールを生じさせないこと、微粒子堆積法は成膜レートが大きく、異物を被覆するのに十分な厚さの封止層を形成できるとともに、封止層の緻密性及び密度を非常に高くすることができ、高いガスバリアー性能を発揮できること等に起因すると推定される。
100、200 有機EL素子
1 基板
2 ガスバリアー層
3a、3b 一対の電極
4a、4b 電極接続層
5 有機機能層
6 ガスバリアー層
7 封止層
8 ハードコート層
300 発光モジュール
500 有機EL素子
11 接着層
12 封止基板
K 有機EL素子の製造装置
R40 封止層の層形成部
41 高圧スプレーガン
1 基板
2 ガスバリアー層
3a、3b 一対の電極
4a、4b 電極接続層
5 有機機能層
6 ガスバリアー層
7 封止層
8 ハードコート層
300 発光モジュール
500 有機EL素子
11 接着層
12 封止基板
K 有機EL素子の製造装置
R40 封止層の層形成部
41 高圧スプレーガン
Claims (9)
- 基板上に発光層と当該発光層を挟持する一対の電極とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
(a)少なくとも前記一対の電極及び前記発光層の表面を無機材料により被覆するガスバリアー層を形成する工程と、
(b)前記ガスバリアー層上に粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により封止層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 前記封止層に用いられる無機材料が、金属であり、
前記微粒子堆積法により堆積させる前記金属の粒子の粒径が、10nm〜10μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 前記金属が、スズ又はビスマスであるか、スズ又はビスマスの合金であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記ガスバリアー層に用いられる無機材料の体積弾性率が、前記封止層に用いられる無機材料の体積弾性率よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記工程(a)では、プラズマ成膜法により前記ガスバリアー層を形成することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記工程(a)では、前記ガスバリアー層を減圧雰囲気下で形成し、
前記工程(b)では、前記ガスバリアー層の形成に連続して、減圧雰囲気下で前記封止層を形成することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 前記ガスバリアー層の無機材料は、絶縁性の無機材料であり、
前記工程(b)では、前記ガスバリアー層より小さい面積の前記封止層を形成することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - (c)前記封止層上にハードコート層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 基板上に発光層と当該発光層を挟持する一対の電極とを備える有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
少なくとも前記一対の電極及び前記発光層の表面を、絶縁性の無機材料により被覆するように形成されたガスバリアー層と、
前記ガスバリアー層上に、前記ガスバリアー層よりも小さい面積となるように、粒子状の無機材料を用いて微粒子堆積法により形成された封止層と、
を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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