JP2016181549A - ヒートシンク付きパワーモジュール用基板 - Google Patents

ヒートシンク付きパワーモジュール用基板 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートシンクとの接合後の初期反りのみならず、使用環境においてもセラミックス基板の反りを低減することができ、接合信頼性の高いヒートシンク付きパワーモジュール用基板を提供する。【解決手段】ヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aは、セラミックス基板11の一方の面に回路層12が接合されるとともに、セラミックス基板11の他方の面に放熱層13を介してヒートシンクが接合されてなり、ヒートシンクの天板部30Aには、放熱層13の少なくとも一部が収容される収容凹部31が形成され、その収容凹部31の底面には、放熱層13の表面の周縁部13aに沿って凹溝部33Aが形成されており、放熱層13の表面の周縁部13aが凹溝部33Aの幅Wの途中位置まで突出して設けられ、その周縁部13aを除く内側部分と収容凹部31の底面の凹溝部33Aで囲まれた台座部34Aの表面とが接合されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるヒートシンク付きパワーモジュール用基板に関する。
パワーモジュールには、一般に、窒化アルミニウムを始めとするセラミックス基板の一方の面に回路層を形成する金属板が接合されるとともに、他方の面に放熱層を形成する金属板を介して放熱板(ヒートシンク)が接合されたヒートシンク付きパワーモジュール用基板が用いられ、このヒートシンク付きパワーモジュール用基板の回路層上にはんだ材を介してパワー素子等の半導体チップが搭載され、パワーモジュールが製造される。
例えば特許文献1には、ヒートシンクの天板部に、放熱層(金属層)の少なくとも一部が収容される収容凹部が形成され、放熱層の表面と収容凹部の底面とが接合されており、放熱層が天板部よりも変形抵抗の小さい金属で構成されたヒートシンク付きパワーモジュール用基板が提案されている。この特許文献1に記載のヒートシンク付きパワーモジュール用基板においては、放熱層の表面と収容凹部の底面とが接合されているので、絶縁基板の他方側に配置される放熱層及びヒートシンクの天板部の厚みを薄くすることができ、熱サイクルによる熱応力を低減できることが記載されている。また、絶縁基板とヒートシンクの天板部との間に位置する放熱層が、天板部よりも変形抵抗の小さい金属で構成されているので、ヒートシンクの天板部と放熱層とを接合する2次接合において熱応力が作用する場合に変形抵抗の小さな放熱層が変形することによって天板部の変形を抑えされることが記載されている。さらに、天板部が変形抵抗の大きな金属で構成されるので、ヒートシンク自体の剛性を確保することができることが記載されている。
特開2008‐277654号公報
ところが、特許文献1に記載のヒートシンク付きパワーモジュール用基板のように、ヒートシンクの天板部に収容凹部を形成した場合には、放熱層の直下、すなわちセラミックス基板の直下のヒートシンクが薄く形成されるが、収容凹部よりも外周側の周縁部は厚く形成されていることから、その周縁部の剛性によって変形抵抗が大きくなり、使用時にセラミックス基板に負荷がかかることでセラミックス基板に割れを生じさせるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、使用時においてもセラミックス基板にかかる負荷を低減させることができ、セラミックス基板に割れが生じない、接合信頼性の高いヒートシンク付きパワーモジュール用基板を提供することを目的とする。
本発明のヒートシンク付きパワーモジュール用基板は、
セラミックス基板の一方の面に回路層が接合されるとともに、前記セラミックス基板の他方の面に放熱層を介してヒートシンクが接合されてなり、
前記ヒートシンクの天板部には、前記放熱層の少なくとも一部が収容される収容凹部が形成され、
該収容凹部の底面には、前記放熱層の表面の周縁部に沿って凹溝部が形成されており、
前記放熱層の表面の前記周縁部が前記凹溝部の幅の途中位置まで突出して設けられ、該周縁部を除く内側部分と前記収容凹部の底面の前記凹溝部で囲まれた台座部の表面とが接合されている。
収容凹部の底面に凹溝部を形成したので、加熱時等において、その凹溝部の外周側の剛性の高い部分(天板部の周縁部分)によって、内側の台座部が受ける影響を低減することができる。これにより、加熱時等における台座部の変形抵抗を小さくできるので、セラミックス基板にかかる熱応力を低減させることができ、セラミックス基板に割れが生じることを防ぐことができる。また、放熱層の周縁部を凹溝部の幅の途中位置まで突出させ、その突出させた周縁部を除く内側部分を台座部に接合することにより、確実にセラミックス基板にかかる熱応力を低減することができる。
したがって、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合後の初期反りのみならず、使用環境においてもセラミックス基板の反りを低減することができ、ヒートシンク付きパワーモジュール用基板の接合信頼性を高めることができる。
本発明のヒートシンク付きパワーモジュール用基板において、
前記回路層と前記放熱層とは、同一の材料により同一の平面サイズに形成される。
回路層と放熱層とを、セラミックス基板を中心として対称構造としているので、加熱時等にセラミックス基板の両面に作用する応力に偏りが生じにくく、反りが発生しにくくなる。したがって、加熱時等にセラミックス基板にかかる熱応力を一層低減させることができ、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合後の初期反りのみならず、使用環境においてもセラミックス基板の反りを低減することができ、ヒートシンク付きパワーモジュール用基板の接合信頼性を高めることができる。
本発明のヒートシンク付きパワーモジュール用基板において、
前記回路層は、前記セラミックス基板に接合された第一金属層と、該第一金属層よりも平面サイズが小さく形成され前記セラミックス基板とは反対の面の中央部に接合された第二金属層とを有し
前記放熱層は、前記第一金属層と同一の材料により同一の平面サイズに形成され、
前記天板部は、前記第二金属層と同一の材料により形成され、前記台座部の表面が前記第二金属層と同一の平面サイズに形成されている。
回路層を第一金属層と第二金属層との積層構造とし、放熱層と第一金属層及びヒートシンクの天板部と第二金属層によりセラミックス基板を中心として対称構造が形成されるので、加熱時等にセラミックス基板の両面に作用する応力に偏りが生じにくく、反りが発生しにくくなる。したがって、加熱時等にセラミックス基板にかかる熱応力を低減させることができ、割れが生じることを防ぐことができ、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合後の初期反りのみならず、使用環境においてもセラミックス基板の反りを低減することができ、ヒートシンク付きパワーモジュール用基板の接合信頼性を高めることができる。
本発明によれば、使用環境においてもセラミックス基板にかかる熱応力を低減させることができ、セラミックス基板に割れが生じないヒートシンク付きパワーモジュール用基板を提供することができる。さらに、セラミックス基板を中心として対称構造が形成されることによって、ヒートシンクとの接合後の初期反りのみならず、使用環境においてもセラミックス基板の反りを低減することができ、ヒートシンク付きパワーモジュール用基板の接合信頼性を高めることができる。
本発明のヒートシンク付きパワーモジュール用基板の第1実施形態を示す断面図である。 図1に示すヒートシンク付きパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールの断面図である。 図1に示すヒートシンク付きパワーモジュール用基板の製造方法を工程毎に示す断面図である。 本発明の第2実施形態のヒートシンク付きパワーモジュール用基板を示す断面図である。 ヒートシンク付きパワーモジュール用基板の解析モデルを説明する図であり、(a)が実施例、(b)が比較例、(c)が従来例を示す。 ヒートシンク付きパワーモジュール用基板の解析モデルを説明する図であり、(a)が実施例、(c)が従来例を示す。 ヒートシンク付きパワーモジュール用基板の製造に用いる加圧装置の正面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に本発明の第1実施形態のヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aを示す。また、図2に本発明の第1実施形態のヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aを用いたパワーモジュール100示す。このパワーモジュール100は、ヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aと、このヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aに接合された半導体素子60と、外部接続用リードフレーム70とを備え、半導体素子60とヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aとが樹脂モールド40により樹脂封止されたものである。
そして、ヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aは、図1に示すように、ヒートシンクの天板部30Aに、パワーモジュール用基板15が接合されたものである。また、パワーモジュール用基板15は、セラミックス基板11と、セラミックス基板11の一方の面にろう付けにより接合された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面にろう付けにより接合された放熱層13とを備える。
セラミックス基板11は、例えばAlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化珪素)等の窒化物系セラミックス、もしくはAl(アルミナ)等の酸化物系セラミックスを用いることができる。また、セラミックス基板11の厚みは0.2mm〜1.5mmの範囲内に設定することができる。本実施形態においては、セラミックス基板11はSiにより形成され、その厚みは0.32mmとされる。
回路層12は、例えば純アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、厚みが0.1mm〜3.0mmの範囲内に設定される板材を、セラミックス基板11に接合することにより形成される。本実施形態においては、回路層12は、純度99.99質量%以上で、JIS規格では1N99(純度99,99質量%以上:いわゆる4Nアルミニウム)の厚み0.6mmのアルミニウム板により形成され、セラミックス基板11にろう付けされている。
放熱層13は、回路層12と同一材料により形成され、また回路層12と同一(ほぼ同じの意味)の平面サイズ、厚みに形成される。本実施形態においては、放熱層13は、回路層12と同一の純度99.99質量%以上の厚み0.6mmに形成されたアルミニウム板を、セラミックス基板11にろう付けすることにより形成される。
また、このパワーモジュール用基板15に接合されるヒートシンクは、A3003系等のアルミニウム合金からなる板材により形成される。そして、放熱層13に接合されるヒートシンクの天板部30Aに、放熱層13の少なくとも一部が収容される収容凹部31が形成され、収容凹部31の外周側に厚肉部分が残されることによりフランジ部32が形成されている。また、収容凹部31の底面には、放熱層13の表面の周縁部13aに沿って凹溝部33Aが形成され、収容凹部31の底面において凹溝部33Aで囲まれた台座部34Aが形成されている。そして、この台座部34Aの表面と、放熱層13の表面の周縁部13aを除く内側部分とがろう付けされることにより、パワーモジュール用基板15とヒートシンクの天板部30Aとが接合されている。
また、凹溝部33Aは、図1に示すように、放熱層13の周縁部13aの直下に一定の幅Wを有して形成されており、放熱層13の周縁部13aよりも内側にかかってその周縁部13aよりも外側まで、すなわち放熱層13の周縁部13aに跨って形成されるように幅Wを有して形成されている。これにより、放熱層13の周縁部13aが凹溝部33Aの幅Wの途中位置まで突出して配置され、その周縁部13aを除く内側部分と台座部34Aの表面とが接合される。
このように、天板部30Aは、収容凹部31の底面部分の厚み(厚みt1)がフランジ部32よりも薄く形成され、さらにその収容凹部31の底面に凹溝部33Aを設けて、さらに板厚を薄くした部分(厚みt2)が設けられる。本実施形態においては、天板部30AがA3003系アルミニウム合金からなる総厚4.0mmの板材により形成され、フランジ部32が厚みt0が4.0mm、収容凹部31の底面の厚みt1が1.2mm、凹溝部33Aの厚みt2が0.6mmに形成されている。
そして、このヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aを構成するパワーモジュール用基板15の回路層12の表面に、図2に示すように半導体素子60がはんだ付けされ、この半導体素子60や回路層12に外部接続用リードフレーム70が接続される。そして、半導体素子60とヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aとが樹脂封止されることにより一体化されており、外部接続用リードフレーム70は、その一部が樹脂モールド40の外部へと突出するように設けられる。
なお、半導体素子60は、半導体を備えた電子部品であり、必要とされる機能に応じてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、FWD(Free Wheeling Diode)等の種々の半導体素子が選択される。そして、半導体素子60を接合するはんだ材は、例えばSn‐Sb系、Sn‐Ag系、Sn‐Cu系、Sn‐In系、もしくはSn‐Ag‐Cu系のはんだ材(いわゆる鉛フリーはんだ材)とされる。
また、外部接続用リードフレーム70は、例えば銅又は銅合金により形成され、超音波接合やはんだ付け等により接続される。
モールド樹脂40は、例えばSiOフィラー入りのエポキシ系樹脂等を用いることができ、例えばトランスファーモールドにより成形される。
次に、このように構成されるヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aを製造する方法について一例を説明する。
まず、図3(a)及び(b)に示すように、セラミックス基板11の一方の面に回路層12を積層し、他方の面に放熱層13を積層して、これらを一体に接合する。これらの接合には、Al‐Si系等の合金のろう材(図示略)が用いられ、例えばろう材箔25を介してセラミックス基板11と回路層12及び放熱層13とをそれぞれ積層し、この積層体を図7に示す加圧装置110を用いて積層方向に加圧した状態とする。
この図7に示す加圧装置110は、ベース板111と、ベース板111の上面の四隅に垂直に取り付けられたガイドポスト112と、これらガイドポスト112の上端部に固定された固定板113と、これらベース板111と固定板113との間で上下移動自在にガイドポスト112に支持された押圧板114と、固定板113と押圧板114との間に設けられて押圧板114を下方に付勢するばね等の付勢手段115とを備えている。
固定板113および押圧板114は、ベース板111に対して平行に配置されており、ベース板111と押圧板114との間に前述の積層体Sが配置される。積層体Sの両面には加圧を均一にするためにカーボンシート116が配設される。
この加圧装置110により加圧した状態で、加圧装置110ごと図示略の加熱炉内に設
置し、真空雰囲気下でろう付け温度に加熱してろう付けする。この場合の加圧力としては例えば0.68MPa(7kgf/cm)、加熱温度としては例えば640℃とされる。
そして、図3(b)に示すように、セラミックス基板11と回路層12及び放熱層13とが接合されたパワーモジュール用基板15に、ヒートシンクの天板部30Aを接合する。まず、パワーモジュール用基板15の放熱層13にろう材26を介してヒートシンクの天板部30Aを積層する。そして、これらの積層体を、図7と同様の加圧装置110を用いて積層方向に加圧した状態で、加圧装置110ごと真空雰囲気下又は不活性雰囲気下で加熱して、放熱層13及ヒートシンクの天板部30Aをろう付けする。この場合のろう材26としては、例えば、A3003系アルミニウム合金からなる芯材の両面にAl‐Si‐Mg系のろう材層が形成された両面ろうクラッド材を用いるとよく、この両面ろうクラッド材を用いたフラックスレスろう付け法により、パワーモジュール用基板15の放熱層13とヒートシンクの天板部30Aとを接合する。この場合、例えば0.001MPa以上0.5MPa以下に加圧し、窒素等の不活性雰囲気下で接合温度559℃以上625℃以下で加熱することにより、放熱層13と天板部30Aとが接合され、ヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aが得られる。
そして、このようにして製造されたヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aの回路層12に、半導体素子60をはんだ付け(ダイボンド)する。また、この半導体素子60及び回路層12に外部接続用リードフレーム70を超音波接合や、はんだ付け等の方法により接続した後、半導体素子60と放熱板付パワーモジュール用基板10Aとを、樹脂モールド40によるトランスファーモールド成形により樹脂封止する。
上記のようにして製造される第1実施形態のヒートシンク付きパワーモジュール用基板10Aでは、ヒートシンクの天板部30Aに収容凹部31を設けるとともに、その収容凹部31の底面に凹溝部33Aを形成したので、加熱時等において、その凹溝部33Aの外周側の剛性の高いフランジ部32によって、内側の台座部34Aが受ける影響を低減することができる。これにより、加熱時等における台座部34Aの変形抵抗を小さくできるので、セラミックス基板11にかかる熱応力を低減させることができ、セラミックス基板11に割れが生じることを防ぐことができる。また、放熱層13の周縁部13aを凹溝部33Aの幅Wの途中位置まで突出させ、その突出させた周縁部13aを除く内側部分を天板部30Aの台座部34Aに接合することにより、確実にセラミックス基板11にかかる熱応力を低減することができる。
図4は、本発明の第2実施形態のヒートシンク付きパワーモジュール用基板20Aを示している。
この図4に示す第2実施形態のヒートシンク付きパワーモジュール用基板20Aは、回路層12が、セラミックス基板11に接合された第一金属層17と、この第一金属層17に接合された第二金属層18とを有する積層構造とされる。そして、第二金属層18は、第一金属層17よりも平面サイズが小さく形成され、第一金属層17のセラミックス基板11とは反対の面の中央部に接合される。
放熱層13は、回路層12の第一金属層17と同一の材料により同一の平面サイズに形成される。また、ヒートシンクの天板部30Aは、第二金属層18と同一の材料により形成され、台座部34Aの表面が第二金属層18の表面と同一の平面サイズに形成される。
そして、回路層12の第一金属層17の厚みと放熱層13との厚みとが同一の厚みに設定され、回路層12の第二金属層18の厚みと天板部30Aの台座部34Aの厚みとが同一の厚みに設定されており、セラミックス基板11を中心とした対称構造を構成している。
具体的には、セラミックス基板11はSiにより形成され、その厚みは0.32mmとされる。回路層12を構成する第一金属層17と放熱層13とは、いずれも純度99.99質量%以上で、JIS規格では1N99(純度99,99質量%以上:いわゆる4Nアルミニウム)の厚み0.6mmのアルミニウム板により形成され、セラミックス基板11にろう付けされている。また、第二金属層18は、A3003系のアルミニウム合金からなる厚み1.2mmの板材により形成される。そして、ヒートシンクの天板部30Aは、A3003系アルミニウム合金からなる総厚4.0mmの板材により形成され、フランジ部32が厚みt0が4.0mm、収容凹部31の底面の厚みt1が1.2mm、凹溝部33Aの厚みt2が0.6mmに形成されている。なお、図4に示すヒートシンク付きパワーモジュール用基板20Aにあっては、フランジ部32の表面と、回路層12の表面とがほぼ同じ高さに配置されている。
このように、第2実施形態のヒートシンク付きパワーモジュール用基板20Aでは、回路層12を第一金属層17と第二金属層18との積層構造とし、放熱層13と第一金属層17、及びヒートシンクの天板部30Aと第二金属層18により、セラミックス基板11を中心として対称構造が形成されるので、加熱時等にセラミックス基板11の両側に作用する応力に偏りが生じにくく、反り等の変形を発生しにくくすることができる。したがって、各層の積層時における初期反りのみならず、半導体素子の実装工程時や使用環境においても反りの発生を抑制することができ、良好な放熱性を発揮させることができる。
なお、第2実施形態では、回路層12に使用する金属板の組合せを、第一金属層17は純度99.99質量%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)で、第二金属層18はA3003系アルミニウム合金とする組合せで使用され、これら第一金属層17と第二金属層18に対称となるように、放熱層13とヒートシンクの天板部30Aを、それぞれ第一金属層17と第二金属層18と同一の材料により形成していたが、本発明の構成はこの組合せに限定するものではない。例えば、第一金属層17と放熱層13とを純度99.99質量%以上のアルミニウムにより形成し、第二金属層18とヒートシンクの天板部30Aとを、A6063系等の他のアルミニウム合金や、純度99.96質量%以上の銅(無酸素銅)、純度99.90質量%以上の銅(タフピッチ銅)、三菱伸銅株式会社製のZC合金(Cu99.98質量%−Zr0.02質量%)等の金属板により形成し、これらを組合せることとしてもよい。
なお、第二金属層18とヒートシンクの天板部30Aとを、銅又は銅合金で形成した場合には、第一金属層17と第二金属層18、放熱層13とヒートシンクの天板部30Aとの接合方法は、固相拡散接合により接合可能である。
以上のいずれの組合せにおいても、上記の第1実施形態及び第2実施形態で示したように、ヒートシンクの天板部30Aに収容凹部31を形成するとともに、その収容凹部31の底面に凹溝部33Aを形成することで、加熱時等において、その凹溝部33Aの外周側の剛性の高いフランジ部32によって、内側の台座部34Aが受ける影響を低減することができる。このため、加熱時等における台座部34Aの変形抵抗を小さくでき、セラミックス基板11にかかる熱応力を低減させることができ、セラミックス基板11に割れが生じることを防ぐことができる。また、放熱層13の周縁部13aを凹溝部33Aの幅Wの途中位置まで突出させ、その突出させた周縁部13aを除く内側部分を台座部34Aに接合することにより、確実にセラミックス基板11にかかる熱応力を低減することができる。
なお、ヒートシンクとしては、平板状のもの、熱間鍛造等によって多数のピン状フィンを一体に形成したもの、押出し成形によって相互に平行な帯状フィンを一体に形成したもの等、適宜の形状のものを採用することができる。
次に、本発明の効果を確認するために行った解析結果について説明する。
図5(c)及び図6(b)に示すような、凹溝部を有しないヒートシンクの天板部30Cにより形成された従来のヒートシンク付きパワーモジュール用基板10C,20Cにおいては、収容凹部31を形成し、放熱層13の直下の収容凹部31部分の厚みt1をフランジ部32の厚みt0よりも薄く形成した場合であっても、使用時においてフランジ部32の剛性の影響を大きく受ける。このため、使用時における変形抵抗が大きくなり、セラミックス基板11に負荷がかかる。
そこで、図5(a)〜(c)に示すヒートシンク付きパワーモジュール用基板10A〜10Cの解析モデルと、図6(a),(b)に示すヒートシンク付きパワーモジュール用基板20A,20Cの解析モデルを用いて、収容凹部31に凹溝部33A,33Bを形成した場合と、凹溝部を形成しない場合とについて、使用時に生じる応力の違いを確認する解析を行った。
なお、図5(a)〜(c)は、各ヒートシンク付きパワーモジュール用基板10A〜10Cを構成するパワーモジュール用基板15の回路層12を一層で形成した第1実施形態に対応する解析モデルである。また、図6(a),(b)は、各ヒートシンク付きパワーモジュール用基板20A,20Cを構成するパワーモジュール用基板16の回路層12を第一金属層17と第二金属層18との積層構造により形成した第2実施形態に対応する解析モデルである。
図5(a)及び図6(a)は、放熱層13の周縁部13aを跨いで、すなわち放熱層13の直下に凹溝部33Aを形成し、周縁部13aを凹溝部33Aの幅の途中位置まで突出させた本発明の実施例のモデルである。図5(b)は、放熱層13の周縁部13aを突出させることなく、周縁部13a位置からその外周側にかけて凹溝部33Bを形成した比較例の解析モデルである。また、図5(c)及び図6(b)は、凹溝部を有しない従来例の解析モデルである。
各解析モデルの条件は、以下のように設定した。
〔解析モデル条件〕
1.回路層及び第一金属層、放熱層;純アルミニウム(純度99.99質量%)
平面サイズ;70mm×70mm
厚み;0.6mm
2.セラミックス基板;Si(窒化珪素)
平面サイズ;72mm×72mm
厚み;0.32mm
3.第二金属層;A3003系アルミニウム合金
平面サイズ;66mm×66mm
厚み;1.2mm
4.ヒートシンクの天板部;A3003系アルミニウム合金
平面サイズ;80mm×100mm
総厚(フランジ部の厚みt0);4.0mm
収容凹部の厚みt1;1.2mm
凹溝部の厚みt2;0.6mm
5.放熱層と台座部との接合領域の大きさ
実施例(図5(a),図6(a));66mm×66mm
比較例(図5(b));70mm×70mm
従来例(図5(b),図6(c));70mm×70mm
これらの各解析モデルについて、半導体素子の実装工程での加熱温度に近い300℃まで加熱した場合に、ヒートシンク付きパワーモジュール用基板に生じる変形、及びセラミックス基板11の一方の面(回路層側の表面)と多方の面(放熱層側の表面)に生じる応力を解析した。解析結果を表1に示す。なお、各解析モデルの解析は、ヒートシンク付きパワーモジュール用基板の平面視で図形中心を通る直交に直線で四等分した一つの領域について行った。
Figure 2016181549
表1の結果からわかるように、天板部に凹溝部33A,33Bを形成することにより、凹溝部を形成しない場合と比較して解析モデルに生じる最大主応力を低減することができる。また、図5(b)に示す比較例の解析モデルのように、放熱層13の直下にかからないように、放熱層13の周縁部13a位置からその外周側にかけて凹溝部33Bを形成した場合と比べ、図5(a)に示す実施例の解析モデルのように、放熱層13の周縁部13aの直下に凹溝部33Aを形成し、周縁部13aを凹溝部33Aの幅の途中位置まで突出させて、周縁部13aを除く内側部分と台座部34Aの表面とを接合した場合は、最大主応力を大幅に低減させることができた。
さらに、図6(a),(b)に示す解析モデルのように、回路層12を第一金属層17と第二金属層18との積層構造し、セラミックス基板11を中心として対称構造を形成することにより、さらに最大主応力を低減させることができることが確認できた。
このように、ヒートシンクの天板部30Aに収容凹部31を形成するとともに、その収容凹部31の底面に凹溝部33Aを形成することで、セラミックス基板の反りを低減することができる。
10A〜10C ヒートシンク付きパワーモジュール用基板
11 セラミックス基板
12 回路層
13 放熱層
15,16 パワーモジュール用基板
17 第一金属層
18 第二金属層
20A,20B ヒートシンク付きパワーモジュール用基板
30A〜30C ヒートシンクの天板部
31 収容凹部
32 フランジ部
33A,33B 凹溝部
34A,34B 台座部
40 モールド樹脂
60 半導体素子
70 外部接続用リードフレーム

Claims (3)

  1. セラミックス基板の一方の面に回路層が接合されるとともに、前記セラミックス基板の他方の面に放熱層を介してヒートシンクが接合されてなり、
    前記ヒートシンクの天板部には、前記放熱層の少なくとも一部が収容される収容凹部が形成され、
    該収容凹部の底面には、前記放熱層の表面の周縁部に沿って凹溝部が形成されており、
    前記放熱層の表面の前記周縁部が前記凹溝部の幅の途中位置まで突出して設けられ、該周縁部を除く内側部分と前記収容凹部の底面の前記凹溝部で囲まれた台座部の表面とが接合されているヒートシンク付きパワーモジュール用基板。
  2. 前記回路層と前記放熱層とは、同一の材料により同一の平面サイズに形成される請求項1に記載のヒートシンク付きパワーモジュール用基板。
  3. 前記回路層は、前記セラミックス基板に接合された第一金属層と、該第一金属層よりも平面サイズが小さく形成され前記セラミックス基板とは反対の面の中央部に接合された第二金属層とを有し
    前記放熱層は、前記第一金属層と同一の材料により同一の平面サイズに形成され、
    前記天板部は、前記第二金属層と同一の材料により形成され、前記台座部の表面が前記第二金属層と同一の平面サイズに形成されている請求項1に記載のヒートシンク付きパワーモジュール用基板。
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