JP2016189697A - 永久磁石発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】永久磁石とコイルの配置位置を工夫し、発電効率のよい発電機を供給すること。【解決手段】コイルを形成する銅線が永久磁石の周辺を移動する時の起電力は、その相対的位置により位相が決まる。よって、位相のずれによる起電力の相殺を最小にするため、永久磁石のN極とS極の配置間隔と1本のコイルの巻幅を同じくする。また、永久磁石の磁界周辺に高密度にコイルを配置すれば、発電効率が向上するので、亀甲巻コイルまたは波巻コイルのコイル形状を用いて隙間なくコイルを配置する。【選択図】図5

Description

本発明は、小型かつ低回転向け永久磁石発電機に関し、効率的な発電能力を発揮する永久磁石発電機の構造に関するものである。
永久磁石発電機は、小型の風力発電、水力発電用として国内外で多種多様な機種が存在する。その基本構造は、フレミングの右手の法則を利用して、永久磁石と銅線を近傍に配置し、一方を動力により回転移動させることにより起電するものである。
この永久磁石発電機の発電効率の向上技術においては、これまでに多くの研究開発が行われている。その主なものは、次のようなものである。
(1)コイルの形状・断面積当たりの銅線密度の向上技術
(2)磁石の形状における磁力密度の向上技術
(3)コイルと磁石の位置関係における起電効率の向上技術
(4)コギングトルクの軽減技術
(5)コイルコア・バックヨークの位置・形状における有効磁力線密度の向上技術
本発明は、主として(1)、(3)、(5)に関するものである。
特許第4782303号
中村昌広著 「自分で作る風力発電」総合科学出版 2011年
解決しようとする問題点は、コイルが永久磁石の近傍を通過する際、1つのコイルの一方と他方で逆向きの起電力が生じるために、相殺されて効率的に起電力が取り出しできない点と、コイルが環状であるため、磁石周辺に高密度で配置することができない点である。
本発明は、1つのコイルの起電部分の一方と他方の中心距離と、永久磁石のS極とN極の中心距離とを合わせることにより、起電力の相殺をなくし、かつ、亀甲型コイルを採用する事により磁石周辺へのコイルの配置密度の向上を図ることを主要な特徴し、さらにわずかな隙間を活用して、コイルコアをコイル中心付近に配置する事ができるものである。
本発明の発電機は、フレミングの右手の法則による起電力を無駄なく得ることができ、また、三相交流発電構造により、概ね平滑で安定な電力を得ることができる。
図1は、永久磁石の近傍を通過する銅線1本の起電力の推移を示す図である。 図2は、永久磁石を連続的に高密度で配置した場合の周辺の磁石による磁力線の変化を示す図である。 図3は、コイルに電流が流れた時に生じる磁力線を示す図である。 図4は、コイルの幅と磁石の間隔の関係で生じる起電力を示す図である。 図5は、亀甲巻コイルにより、磁石個数の3倍のコイルを配置する方法を示す図である。 図6は、亀甲巻コイルのR・S・T相の結線方法を示す図である。 図7は、同軸線状に磁力線が向く形状の発電機の制作例である。 図8は、図7のコイル1個の写真である。 図9は、放射線状に磁力線が向く形状の発電機の制作例である。 図10は、図9のコイルと永久磁石の写真である。 図11は、波巻コイルの例示である。 図12は、波巻コイルを多相構造に配置する例示である。
初めに、図1・2・3により、基本原理であるフレミングの右手の法則によって生じる発電機の起電の様子を確認しておく。図1により、永久磁石の近傍を通過する銅線1本の起電力の推移を説明する。
永久磁石は、その周辺を磁力線がN極から楕円形状になってS極に向かっている。この磁石の近傍を銅線1本が通過するとき、次のような起電力が生じる。なお、ここでの+−は便宜上、手前から奥へ進む方向を+とする。
(1)磁石からやや離れた位置において磁力の影響を最初に受け、弱く−の起電力が起きる。
(2)磁石の真下に近づくにつれて起電力は+に転じる。
(3)磁石の中心線上において起電力は最大になり、中心を通過後、徐々に減少する。
(4)起電力曲線は左右対称形になり、最後にやや離れた位置において再び弱く−になる。
この中で、最初と最後に磁極の反対に起電力が生じるのは、磁力線が楕円形状でN極からS極に向かうので、やや離れた位置では反対向きの磁力線の中を通過するためである。
図2は、永久磁石を連続的に高密度で配置した場合の周辺の磁石による磁力線の変化を示す図である。磁石1個では図1のような楕円形状の磁力線を示すが、N極の近い対面にS極があれば、磁極の中心付近の磁力線は直線的にS極に向かう。また、N極の近い側面にS極があれば、磁極の端付近の磁力線はほぼ真横にS極に向かう。
図3は、銅線の束に電流が流れた時の銅線周辺に生じる磁力線を示す図である。銅線は1本毎に右ねじの法則による磁力を生じる。銅線が束状になっている場合は、束の内部は磁力が相殺され、束の周辺に大きく右ねじの磁力線が生じる。これは、レンツの法則により、磁力の変化(=銅線の移動)を妨げる方向になり、発電機としては抵抗となる。
一般に発電機は、図2・図3のように連続的に密集した永久磁石の周辺にコイル状の銅線を連続的に配置し、一方を回転移動させることにより起電する。
図4により、コイルの幅と磁石の間隔に関して説明する。銅線一本一本は、図1で示したように各磁石の近傍を通過するたびに、起電力が生じるが、コイルは環状のため、銅線Aの反対側の銅線Bでは、コイルの両端から見れば、逆向きの起電力が生じる。
初めに、(1)のコイルのAB間距離の半分の距離間隔でN・S反対向きの磁石を交互に配置した場合(磁石間距離1:コイルAB間距離2)を説明する。実際のコイルの向きはこの図とは異なり、横倒しの状態である。
図のグレーゾーンは、N・S反対向きの2個の磁石間距離が近すぎて起電力の+−が相殺されて効率の悪い部分である。この部分はグレーゾーンの対角線状に合成した起電力となる。このゾーンは、磁石間距離、磁石単体の幅の調整により発生状況が変化する。すなわち、磁石間距離を十分に広げれば、隣接する磁石の起電力の影響を受けなくなる。また、磁石1個の幅を十分に細くすれば起電力が生じる幅が細くなり、隣接する磁石の起電力の影響を受けなくなる。しかし、磁石間距離を広げれば銅線も長く必要とし、磁石の幅を細くすれば磁力が弱くなってしまうので、その最適化は、銅線の使用量、磁力の低下との兼ね合いである。
ここでの+−は、便宜上、コイルの右回りを+、左回りを−とする。コイルAがN極を通過する時、コイルBもN極を通過するので、同じ起電力を生じるが、コイルとしては反対方向となり、合成した起電力は常に0となる。よって、この磁石間距離1:コイルAB間距離2の間隔で磁石を配置した場合の起電力は、最も効率が悪い。
次に、コイルAB間距離と同じ距離間隔で磁石を配置した場合を説明する。この場合にも、グレーゾーンが発生する。しかし、このコイルAB間距離に対して1:1の間隔で磁石を配置した場合の起電力は、銅線Aと銅線Bが同時に同一方向に同じ起電力を生じるため、合成起電力は倍になり、効率がよい。
このほか、3:4等コイルのAB間距離より広い間隔や、3:2等いろいろな設定が考えられるが、1:1が最適であると結論するものとする。
特許第4782303号では、磁石4個配置:コイル3個配置において最適である旨の提案である。これは非常に優れた発明であるが、本発明との類似点・相違点について説明する。本発明の論旨が磁石とコイルの配置距離であるのに対し、特許第4782303号は配置個数の説明になっている。また、特許第4782303号は、三相交流発電を行うことに適している点は明快に述べているが、合成起電力において効率がよいことには明快な説明がなされていない。磁石4個配置:コイル3個配置ということは、距離に置きかえると磁石間距離3:コイル間距離4となるだが、ここで指しているコイル間距離は、三角形または台形のコイルの外周の距離すなわちコイルAの左端とコイルBの右端の距離である。コイルには巻線幅があるため、中心線間で測ると概ね1:1になっており、コイルのAB部分の合成起電力においても効率がよいものになっている点が類似点である。この点については「永久磁石の幅が前記コア無しコイルの幅よりも若干小さく」との表現であり、磁石の幅がコイルの巻線中央の幅と同じであることを明記せず、分かりにくい説明になっているところが相違点である。
図5により、亀甲巻コイルの配置に関して説明する。亀甲巻コイルは、電動機の分散巻コイルの一種で、既に実用化されているものであり、コイルエンド(コイルの磁力とは関係のない位置での隣接部分との接続を行うもの)の小型化を図る技術である。コイルを形成する銅線が下から真上に向かった後、右に45度程度傾斜して右隣のコイル(ここでは2本)の上を跨ぎ、その後、下向きに折れ曲がり、右下に45度程度傾斜してさらに右隣のコイル(ここでは2本)の下を潜ってその右側で真下に向かう。形状はやや複雑で製造工程が多くなる弱点がある。図5上右のように三相交流発電となるよう、R・S・Tの三相を構成し、R’・S’・T’と続き、Rに戻る。R’は、R相と180度位相がずれた位置にある。図5の中央図のように、RとR’は上下に重なっており、磁石との位置は同じになる。R’は、図6でも説明するが、配線を逆にすることによりR相になる。
亀甲巻のコイルエンドの斜めの部分を45度にした場合、コイルの巻幅に対して水平方向の幅は√2となるため、起電に使う垂直方向の銅線の巻幅の専有割合は1/√2≒7割が最大である。そこで、コイルの起電部位の形状をやや扁平にして、隙間に鉄製コアを入れることができる(図5の下図)。コアのサイズと起電力・コギングトルクの最適化についてや、コアの位置・形状と起電力の関係についてなどは研究事例が既にある。一般にコギングトルクは、鉄製コアの周辺の磁性体が引き付けられ、離脱しにくいことから回転運動に対して抵抗となる。また、透磁力が高いのでより多くの磁力線を銅線に貫通させることができ、起電力を高めることができるが、一方起電によって発生した磁力線も強くなり、大きな抵抗となる。そこで、永久磁石からの貫通磁力線を多く集め、コイルが発生する反発磁力線は少ないものがあればより高効率になる。本発明では、銅線の束の内部中央付近にコアを配置する事ができ、磁力線を貫通させるには最適な位置である。一方、起電時の銅線は図3に示したように、右ねじの法則により銅線一本一本が右ねじの磁力を生むが、銅線の束として束全体の外側に右ねじの磁力が生じ、束の内部は個々の銅線の磁力が相殺されてほぼ0となり、また、コアが銅線の束の内部にあるため、外側の反発磁力の増大化の影響を少なくすることができる。
図6により、亀甲巻コイルのコイル間の結線に関して説明する。図5にて説明したとおり、RとR’は180度位相がずれている。そのため、図6の上図のように、RとR’は、同時に同一方向に起電力が向くように出口側と入口側が反対になるように結線する。また、RとS・Tとは、それぞれ60度、120度位相がずれている。これをこのまま出力すると、出力電力が片寄ってしまうので、120度ずつずれるように結線する。そのためには、図6の下図のように、SとS’はS’が出口(便宜上電流が、コイルの上を左から右に向かうものとして)になるように結線する事により、Rとの位相のずれが+60度から−120度に変わる。TとT’は、Rと同様の結線により、+120度の位相のずれとなる。その結果、図6の下図のとおり、シンプルな結線となる。
なお、図6では銅線は1周半しかしていないが、実際はもっと多い。
図7は、同軸線状に磁力線が向く形状の発電機(アキシャル型とも呼ばれる)の制作例である。
コイルの銅線巻幅4mm、厚さ4mm、AB中心間隔22mmのコイル48個を、半径160mmの円周状に配置する。R・S・T各相48個となり、コイルの個数は合計144個である。磁石は48個配置する。コイルを挟み込むように配置すれば96個である。磁石間隔は、円周上7.5度間隔である。実際のコイルの形状は、内周側はやや細く、外周側は幅広くなる。コイルの起電部分の長さは20mmである。この部分を長くし、磁石を大型化すればより大きな起電力が得られるが、コイルの外周と内周の差が大きくなる。コイルの配置に必要なコイルエンドの空間は内周に確保せざるを得ないため、この巻幅のコイルを大型化すると、外周が大きくなり、外周部分に無駄な空間が大きくなる。本制作例では、コイルの実効部分40mm(20×2)に対してコイルエンドが60mm〜80mmとなり、実に3分の2近くがコイルエンドである。いわゆる銅損が大きいことになる。
試作機の部品仕様は以下の通りである。
(1)エナメル線 A φ0.5mm 購入先 電線館
B φ0.5mm 製造元 多摩川電線
(製造元が違うためやや径が異なる。Aで53巻は、Bで58巻になる。)
(2)永久磁石 L20×W8×H12ネオジム磁石 製造元 マグファイン
(3)磁石間距離 16mm(コイルと磁石間距離4mm+4mm)
(4)コイル厚 8mm(コイルR4mm+R’4mm)
(5)電流計 MT−4B 製造元 マザーツール
(6)オシロスコープ DSO201 製造元 中国製
(7)回転数 60rpm程度
技術的に困難だったためコアは組み込んでいない。永久磁石の磁力は、一般的には、幅よりも高さに依存すると考え、幅より高さが大きいサイズを採用した。量産機並みの精度がなく、コイル配置のバラツキ、磁石間距離のバラツキもあり、完成度は低い。エナメル線の径、巻数、各種サイズなど、想定回転数に応じた最適設計も必要となる。
図8は、この設計により制作したコイル1個の写真である。円形に配列するため、上を少し細くしている。
図9は、放射線状に磁力線が向く形状の発電機(ラジアル型とも呼ばれる)の制作例である。
ラジアル型は大型化すると銅損を下げる効果があることから、アキシャル型との比較を容易にするため、コイルの起電部分を4倍の80mmに、コイル数を4分の1の36巻とした。磁石数は同じ96個。4個ずつ縦に並べる。磁石間隔は、30度(1周12列)である。
試作機の部品仕様は実施例1と同じである。ただし、既製品の鉄パイプのサイズが合わず、内側パイプφ30を48mm、外側パイプφ110を130mmとなった。コイルサイズを変えないため、コイル間隔がやや広がった。専用の製造器具がないと製造は困難を極め、精度のバラツキが激しい。専用の製造設備があれば、φ100mm程度で製造でき、また、長さに制限がないので銅損を抑えたまま大出力化が可能と思われる。
図10は、右側がこの設計により制作したコイル36個を環状に配置したものと、左側が永久磁石をコイルの両側から挟むべく二重パイプの外側と内側に配置したものの写真である。中央の棒は取付前の回転軸である。コイルはエポキシ樹脂で固めて全体が変形しないようにしている。この写真では磁石は、外側内側ともに右奥の3列左手前の3列にだけ配置している。
一般的にアキシャル型は大型化すると中心付近に無駄な空間が生じるため、回転軸の周辺付近にラジアル型発電機を配し、辺縁部にアキシャル型発電機を配置する複合型も考えられる。実際にはこの場合、発電機の回転子(通常磁石側)と固定子(通常コイル側)の構造設計には検討すべき点が多い。
分散巻コイルの技術には亀甲巻以外にも波巻などもある。波巻コイルも電動機用分散巻コイルとして実用化されている技術である。図11は、波巻コイルの例示である。
亀甲巻コイルの場合には、上記のように3相交流にした場合、1つのコイルの銅線の束の左端の銅線と右端の銅線の位相は60度近くずれているため、永久磁石との周回位置により起電力が逆向きになって相殺してしまう位置がある。そのため、コイルの幅を小さくして位相のずれを小さくし、位相の数を多くする方法が考えられる。銅線1本分の幅の波巻コイルを多相化すれば、これを極力回避することができる。例えば位相を5度ずつずらした波巻コイルであれば36相交流となる。起電力の相殺ロスの少ない発電機を構成する事ができるが、このような36相交流電流のままでは実用的ではないので、直流にするか結線方法に工夫を要する。
図12にて、波巻コイルを多相化して円周上に配置する事例を示す。放射状でも同心円状でも同様であるが、1本の銅線が何度も周回してコイルを形成する。図11では銅線は3周しかしていないが、実際はもっと多く成形できる。ただし、巻き方としては横には広げる必要はない。波巻は、専用の製造器具を要するなど、製造に困難さがある。
日本国土内においては、北欧、米国のように1年中強風の吹く地域はほとんどなく、また、風向が頻繁に変化する事が多いため、国内の風力発電の普及は遅れている。小型風力発電機の性能向上により、自然エネルギーの普及が期待できる。
なし

Claims (4)

  1. コイル1個の巻線の左右の中心幅と配置する永久磁石の中心距離の間隔が同一になる発電装置
  2. 請求項1の配置に際して、永久磁石1個に対して、亀甲巻形状にしたコイル3個を各々120度異なる位相に跨いで配置して接続し、1個目のコイルの右辺と4個目のコイルの左辺が二層構造になる三相交流発電装置。
  3. 請求項3の配置に際して、二層構造の境界内部に鉄製コアを配置する発電装置。
  4. 請求項1の配置に際して、各永久磁石の配置幅と波幅が同じ波巻形状のコイルを、4相以上に多相化して配置する多相交流発電装置。
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