JP2016198380A - 血管治療装置 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 制御手段4は、バルーンカテーテル6が血管に挿入されたら、予熱判定工程S1においてバルーン7内の潅流液を所定時間Δt予熱するようになっており、その間の温度上昇が所定範囲ΔTを外れた場合にはバルーン7に異常ありと判定し、その時点で血管治療を中止する。他方、制御手段4は、上記所定時間Δtで所定範囲ΔTの温度上昇がある場合にはバルーン7に異常なしと判定し、その後、加熱工程S2においてレーザ光の出力を大きくしてバルーンカテーテル6内の潅流液を所定の目標温度まで加熱して血管治療が実施される。【効果】 血管治療開始時点でバルーン7の異常を判定できるので、安全な血管治療装置を提供することができる。【選択図】 図3

Description

本発明は血管治療装置に関し、より詳しくは、血管の狭窄病変部位にバルーンを挿入し、該バルーンを膨張させながら加熱させることにより、上記狭窄病変部位の血管細胞や繊維組織に熱作用を与えることで治療効果を得る血管治療装置に関する。
従来、血管における狭窄病変部位を治療する血管治療装置が提案されている(例えば特許文献1)。この特許文献1による治療技術においては、先ず血管の狭窄病変部位にバルーンを挿入し、その状態においてバルーン内に溶液を還流させてバルーンを加圧・膨張させる。この持続的な還流による加圧下で、バルーン内の発熱素子にレーザ光を照射してバルーン内の還流溶液を加熱する。それにより、バルーンを膨張させるとともに加熱することができ、血管組織に熱作用を与えながら拡張治療を行うようになっている。
特開平8−98857号公報
ところで、特許文献1の従来の装置においては、注入管T2と排出管T3によりバルーンに還流溶液を供給・排出しているが、カテーテルの製造不良等の要因によって、バルーン内に生じる対流が小さい場合がある。特に、感温センサ311付近での対流が生じていない(小さい)場合においては、次のような問題が生じる。すなわち、特許文献1においては、感温センサ311の検出結果に基づいて、集中制御部500がバルーン加熱エネルギ発生部400の出力を加減することで、バルーン内を設定した温度に保持するようになっている(段落0018、0029参照)。そのため、上述したように、バルーン内の対流が小さい状態が生じると、実際には十分な温度上昇があるにも拘わらず、出力を上げるように制御されるため過熱状態となる可能性の問題があった。ちなみに、感温センサ311、バルーン加熱エネルギ発生部400、及びレーザ光の伝送路となる光ファイバの異常も上述のような過熱状態が発生する原因となっている。
上述した事情に鑑み、本発明は、血管に挿入されて拡縮可能なバルーンと、流体通路を介して上記バルーン内に拡張液を潅流させる給液手段と、上記バルーン内に設けられた発熱体と、レーザ光を発振するとともに導光手段を介して上記バルーン内の発熱体にレーザ光を照射するレーザ発振器と、上記バルーン内の温度を検出する温度センサと、上記温度センサが検出した温度を基にして上記レーザ発振器が発振するレーザ光の出力を制御する制御手段とを備え、上記給液手段により上記バルーン内に拡張液を潅流させてバルーンを膨脹させるとともに上記レーザ発振器が所定の出力で発振したレーザ光を発熱体に照射して加熱させることにより、バルーン内の拡張液を目標温度に加熱するように構成した血管治療装置において、
上記制御手段は、上記バルーン内の拡張液を上記目標温度に加熱する前に、上記目標温度に加熱する際の出力よりも小さな出力でレーザ発振器が発振したレーザ光を発熱体に照射して加熱するとともに、当該小さな出力でのレーザ光の照射による上記拡張液の温度変化に基づき、上記目標温度に拡張液を加熱することの適否を判定するようにしたものである。
上述した構成によれば、血管治療開始時点においてバルーン等の異常を判定できるので、安全な血管治療装置を提供することができる。
本発明の一実施例を示す構成図。 図1に示すバルーンカテーテルの要部の断面図。 図1に示す血管治療装置の制御手段による拡張液の温度制御を示す図。
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1において、1は患者の血管を治療するための血管治療装置であり、この血管治療装置1は病院等におけるコンセントの電源から給電されて作動するようになっている。
血管治療装置1は、給液手段2、レーザ発振器3、制御手段4等が設けられた箱型の本体部5と、この本体部5の給液手段2及びレーザ発振器3と接続されたバルーンカテーテル6とを備えている。この血管治療装置1を用いて、患者の血管の狭窄病変部位に対して治療を施すことができるようになっている。つまり、血管治療装置1により患者に治療を施す際には、先ずバルーンカテーテル6の先端部6Aを患者の太股から血管内に差し込んでから所要量だけバルーンカテーテル6を送り込むことで先端部6Aのバルーン7を血管の狭窄病変部位内に位置させる。次に、その状態においてバルーン7内に給液手段2により拡張液としての造影剤8を流通させてバルーン7を膨張させるとともに(図2参照)、レーザ光によってバルーン7内の金属コイル9を加熱することで造影剤8を加熱することにより、血管の狭窄病変部位をバルーン7によって拡張して熱変性させるようになっている。
図1ないし図2に示すように、バルーンカテーテル6は、軸芯に位置して可撓性を有するガイドシャフト11と、このガイドシャフト11の先端部に設けられて拡縮可能なバルーン7と、造影剤8をバルーン7内へ供給するためにガイドシャフト11に沿って配置された給液チューブ12と、バルーン7内から造影剤8を排出させるためにガイドシャフト11に沿って配置された排液チューブ13と、給液チューブ12の先端内に配置された発熱体としての金属コイル9と、給液チューブ12内に配置されてレーザ発振器3から発振されたレーザ光を金属コイル9まで導光する光ファイバー14と、バルーン7内の金属コイル9および造影剤8の温度を検出して制御手段4に入力する温度センサとしての熱電対15とを備えている。このバルーンカテーテル6の構成は、従来公知のものと同じである。
図1に示すように、給液手段2は、本体部5に配置された給液シリンジ21および排液シリンジ22とからなり、両シリンジ21,22の作動は制御手段4によって制御されるようになっている。給液シリンジ21は、本体部5内に貯溜された造影剤8を上記給液チューブ12を介してバルーン7内に供給するようになっている。他方、排液シリンジ22は排液チューブ13を介してバルーン7内の造影剤8を本体部5内へ吸引して戻すようになっている。つまり、制御手段4によって給液シリンジ21および排液シリンジ22が作動されると、給液チューブ12を介してバルーン7内に造影剤8が流通するようになっており、そのようにバルーン7内に造影剤8を持続的に潅流させることで、収縮状態であったバルーン7が造影剤8の液圧によって膨張するようになっている。
上記本体部5には、上記各チューブ12、13内の液圧を計測する圧力計23A,23Bが配置されており、各圧力計23A、23Bによって計測された各チューブ12、13内の造影剤8の圧力は常時制御手段4に入力されるようになっている。制御手段4は、上記両シリンジ21,22を作動させた際における、上記バルーン7内の圧力を次の算出式で求めるようになっている。
バルーン7内の圧力={(給液チューブ12内の圧力+排液チューブ13内の圧力)/2}×補正係数
なお、バルーン7内の圧力を一定に維持するために、患者への血管治療手術中においては給液手段2(給液シリンジ21、排液シリンジ22)からバルーン7への造影剤8の流入速度、排出速度は一定であることが好ましい。
次にレーザ発振器3の作動も制御手段4によって制御されるようになっており、本実施例のレーザ発振器3の仕様は次のとおりである。
発振動作:連続波、発振波長:900〜980nm、発生素子:レーザダイオード、発振方式:電流、
なお、レーザ発振器3の仕様はこれに限るものではなく、適宜変更可能である。
制御手段4によってレーザ発振器3が作動されるとレーザ発振器3からレーザ光が発振され、そのレーザ光は光ファイバー14によって導光されてからバルーン7内の金属コイル9(発熱体)の内面に照射される。このようにレーザ光が金属コイル9に照射されることで、金属コイル9が加熱される。そして、バルーン7内に造影剤8を持続的に潅流させてバルーン7を拡張させている状態において、光ファイバー14を介して金属コイル9にレーザ光を照射することにより金属コイル9を介して造影剤8が加熱されるので、バルーン7を所要の温度に加熱するようになっている。
温度センサとしての熱伝対15が検出したバルーン7内の造影剤8の温度は制御手段4に入力されるようになっており、また、両圧力センサ23A,23Bが検出した造影剤8の液圧も制御手段4に入力されるようになっている。制御手段4は、熱伝対15によって検出されたバルーン7内の造影剤8の温度および両圧力センサ23A,23Bの検出圧力から求めたバルーン7内の圧力を基にして、レーザ発振器3、給液手段2の両シリンジ21,22の作動を制御するようになっている。なお、上述した血管治療装置1の構成は従来公知のものと同様である。
しかして、本実施例は、血管治療装置1を用いて患者に血管治療を施す際に、治療開始時点においてバルーン7の異常を判定できるようにしたことが特徴である。また、バルーン7内の造影剤8を目標温度に加熱する際に制御手段4によって的確に制御するようになっている。以下、血管治療装置1を用いた実際の血管治療の処理工程を説明する。
図3に示すように、本実施例においては、膨張させた状態のバルーン7を加熱するに当たって大きく分けて4つの工程を経てバルーン7の温度制御を行うようになっている。つまり、先ず、造影剤8により拡張させたバルーン7内を予熱してバルーン7の異常を判定し(予熱判定工程S1)、次に、バルーン7に異常がない場合には、その内部の造影剤8を基準となる温度の上昇勾配TS1に倣って制御開始温度となるまで加熱し(加熱工程S2)、その後、目標温度に達したバルーン7内の造影剤8を目標温度の上下所定範囲内の温度に所要時間維持し(温度維持工程S3)、最後にバルーン7内の造影剤8を冷却するようになっている(冷却工程S4)。
本実施例においては、このような4工程(S1〜S4)によりバルーン7内の造影剤8の温度制御を行うので、治療開始前の段階において、各工程S1〜S4において必要な各種の温度に関して、予め制御手段4に記憶させている。
より具体的には、予熱判定工程S1において造影剤8の予熱を開始する温度を予熱開始温度としてあり、また、加熱工程S2において造影剤8の加熱を開始する加熱開始温度(つまり予熱停止温度)を例えば40℃としてあり、その温度が制御手段4に予め記憶されている。また、加熱工程S2において、造影剤8を加熱する際の基準となる温度の上昇勾配TS1(温度上昇と経過時間との関係を示す勾配)、及び造影剤8を目標温度に近づける制御開始温度(例えば55℃)、さらに加熱工程S2と温度維持工程S3における加熱の目標となる目標温度(例えば65℃)が制御手段4に予め記憶されている。さらに、温度維持工程S3において所定範囲内に造影剤8の温度を維持するために、上記目標温度よりも少し高い制限上限温度(例えば67℃)、および上記目標温度よりも少し低い制限下限温度(例えば63℃)が予め制御手段4に記憶されている。このような各工程S1〜S4におけるバルーン7内の造影剤8の温度制御のために必要な各種の温度が予め制御手段4に記憶されている。なお、本実施例の血管治療装置1を用いた治療においては、予熱判定工程S1〜冷却工程S4までに要する合計の所要時間は、患者の肉体的な負担を考慮して最大でも約90秒程度を想定している。
以下、血管治療装置1により実際に患者に治療を施す場合の処理工程を説明する。
先ず、上記バルーンカテーテル6を患者の血管に挿入して、所要量だけ血管内に送り込むことにより、バルーンカテーテル6の先端に位置するバルーン7を血管の狭窄病変部位内に位置させる。
次に制御手段4が給液手段2の両シリンジ21、22を作動させて、給液チューブ12と排液チューブ13を介してバルーン7内に造影剤8を注入し、かつ排液して、バルーン7内に造影剤8を持続的に潅流させることでバルーン7を膨張させる(図1、図2参照)。これにより、血管の狭窄病変部位が拡張されたバルーン7によって内部から加圧される。この時のバルーン7を加圧する圧力は3.5atm=355kPa程度に設定される。
このように、バルーン7内に造影剤8を持続的に潅流させてバルーン7を膨張させた状態において、この後、制御手段4によるレーザ発振器3と給液手段4を用いた予熱判定工程S1〜冷却工程S4によるバルーン7内の造影剤8の加熱と温度制御が以下のように行われる。
図3に示すように、先ず、予熱判定工程S1においては、患者に対する手術開始と共に制御手段4はレーザ発振器3を所定電流AOで作動させてレーザ光を発振させるので、該レーザ光が光ファイバー14に導光されて金属コイル9に照射される。これにより、予熱判定工程S1が開始される。本実施例においては、この予熱判定工程S1において、バルーン7に異常があるか否かを判定するようになっており、バルーン7に異常がある場合にはその時点で治療を停止し、他方、異常がない場合には、その後、加熱工程S2に移行するようになっている。
より詳細には、予熱判定工程S1において次のようにしてバルーン7に異常があるか否かを判定するようにしている。すなわち、制御手段4は、予熱判定工程S1に要する所定時間Δt(例えば5秒〜15秒)の間、後述する加熱工程S2での出力に対して1/4程度のレーザ発振器3の出力でレーザ光を金属コイル9に照射させる。次に、制御手段4は、温度センサとしての熱電対15による検出温度を基にして、上記所定時間Δtの間に所定範囲ΔT(例えば5〜10℃の範囲)の温度上昇があったか否かを確認する。そして、制御手段4は、所定範囲ΔT内の温度上昇があったことを確認するとバルーン7(バルーンカテーテル6)に異常がないと判定し、その後、継続して加熱工程S2に移行してバルーン7を目標温度65℃に加熱して血管治療を実施するようになっている。
これに対して、予熱判定工程S1において、上記所定時間Δtにおける温度上昇が上記所定範囲ΔT(例えば5〜10℃の範囲)以下、又は以上であった場合(温度上昇が高すぎる場合、低すぎる場合)には、制御手段4はバルーン7(バルーンカテーテル6)に異常があると判定し、速やかにレーザ発振器3の作動を停止させるとともに警報を発して治療を中止する。このようにバルーン7に異常ありと判定されて治療を中止した場合には、加熱されて拡張された血管の状態が維持されるように、バルーン7を約10秒程度、膨張させた状態に維持することで冷却するようにしている(図3参照)。
なお、本実施例においては、容量が異なるバルーン7の品種に応じて上記予熱判定工程S1における所定時間Δt及び上記上昇温度の所定範囲ΔTを予め設定して制御手段4に保存するようにしている。 本実施例においては、上述したようにして予熱判定工程S1においてバルーン7の異常を判定するようになっている。
上記予熱判定工程S1に要する時間は長くとも15秒を想定しており、予熱判定工程S1においてバルーン7に異常なしと判定されると、そのまま加熱を継続して所定の加熱開始温度に達した時点で制御手段4は、レーザ発振器3に印加する電流を上記AOからA1に上昇させて造影剤8の加熱を開始する。本実施例においては、予熱判定工程S1においてレーザ発振器3に印可する電流AOは、加熱工程S2においてレーザ発振器3に印可する電流A1の1/4に設定されている。なお、予熱判定工程S1においてバルーン7に異常なしと判定されたら、直ちにレーザ発振器3に印可する電流を上記AOからA1に上昇させるようにしてもよい。また、前述したように、加熱開始温度は40℃(患者の体温よりも少し高い温度)に設定されている。
そして、加熱工程S2に移行すると、制御手段4は、造影剤8の加熱を開始してから後に所定時間(△t)が経過する毎に、熱伝対15を介してバルーン7内の温度を確認し、その所定時間(△t)が経過する毎の温度の変化を微分する。これにより、実際に加熱が進行中のバルーン7内の造影剤8の温度の上昇勾配(△T/△t)を求める。
このようにして、制御手段4は、加熱中の造影剤8の温度の上昇勾配TSXを求めることでバルーン7内の昇温状態を把握する。そして、この後、制御手段4は、上述のようにして求めた温度の上昇勾配TSXと予め記憶した基準となる温度の上昇勾配TS1と比較する。そして、実際に加熱中の温度の上昇勾配TSXが所定範囲(例えば50%)以上であるときには、制御手段4は、即座にレーザ発振器3に印加している電流を低下させて、レーザ光の出力を低下させる。
他方、加熱中の造影剤8の温度の上昇勾配TSXと基準となる温度の上昇勾配TS1とを比較して、加熱中の造影剤8の温度の上昇勾配TSXが所定範囲(例えば50%)未満であるときには、制御手段4は、即座にレーザ発振器3に印加している電流を上昇させて、レーザ光の出力を上昇させる。ここで、バルーン7を昇温させる場合と比べてバルーン7の温度低下には時間がかかるので、連続して所定範囲(50%)未満であればレーザ光の出力を上げるようにしても良い。
このようにして加熱工程S2に移行した後に制御手段4は上述した温度制御を行なうことにより、加熱中の造影剤8の温度の上昇勾配TSXを上記基準となる温度の上昇勾配TS1に近づけるようになっている。そして、加熱が進行中の造影剤8の温度が予め設定した制御開始温度(55℃)に到達すると、その時点X1において制御手段4はレーザ発振器3に印加する電流をA2に低下させる。ここでの電流値A2は先の電流値A1よりも小さな電流値である。
我々は、バルーン内溶液の潅流流量を一定とした場合、レーザ照射開始直後のバルーン温度の立ち上がり時における温度勾配△T/△tがレーザの照射パワーに比例することを確認し、上述の制御方法に至った。治療時においては、バルーン周囲を取り巻く病変の組成や、患者の体温、バルーンの拡張状態などがそのつど異なるため、このレーザ照射直後の温度勾配△T/△tは患者ごとに異なる。どのような温度勾配をもって加熱すれば目標到達温度に到達するかをあらかじめ検討しておくことで、この制御方法により効率的に所望の温度まで制御することができる。
上述のようにして、制御開始温度(55℃)に到達した時点X1の後に造影剤8の温度が予め定めた目標温度(65℃)に到達したら、制御手段4は、レーザ発振器3に印加する電流値をそのまま10〜15秒維持する。造影剤8の温度が目標温度(65℃)に到達した時点X2が加熱工程S2の終了時点となる。つまり、温度維持工程S3の開始時点となる。以上のように、制御手段4は、加熱工程S2において造影剤8の温度に関してフィードフォワード制御を行う。
次に、温度維持工程S3に移行すると、制御手段4は、レーザ発振器3に印加する電流値をそのまま10〜15秒間、維持する。これにより、血管の狭窄病変部位が目標温度の65℃に加熱されたバルーン7によって加熱されて該バルーン7の外径と同程度に拡張されることになる。
ところで、温度維持工程S3においてはバルーン7内の造影剤8の温度を目標温度65℃に維持しようとする訳であるが、患者の体温その他の条件が関与するために、温度維持工程S3においてバルーン7内の造影剤8の温度を正確に目標温度65℃に維持することは難しい。そこで、本実施例においては、制御上限温度(67℃)〜制御下限温度(63℃)の範囲内にバルーン7内の造影剤8の温度が収まるように、制御手段4は温度維持工程S3においてレーザ発振器3へ印加する電流を制御するようになっている。つまり、本実施例においては、目標温度(65℃)の前後に、制御上限温度(67℃)と制御下限温度(63℃)が設けられている。そして、バルーン7内の造影剤8の温度が制御上限温度(67℃)を超えると、制御手段4はレーザ発振器3の作動電流値を上記A2よりも低いA3まで低下させてレーザ光の出力を低下させる。他方、バルーン7内の造影剤8の温度が制御下限温度(63℃)を下回ると、制御手段4はレーザ発振器3の作動電流をA2よりも大きなA4に上昇させて、レーザ光の出力を上昇させる。このように、制御手段4は、温度維持工程S3においては、バルーン7内の造影剤8の温度をフィードバック制御するようになっている。本実施例においては、温度維持工程S3に要する時間は10秒〜15秒を想定している。
なお、温度維持工程S3において、バルーン7内の温度が上記制御上限温度(67℃)よりも高い安定上限温度(70℃)に達した場合には、バルーン7の熱によって血管を損傷する虞があるので、制御手段4はレーザ発振器3の作動を直ちに停止させて治療を強制終了する。他方、温度維持工程S3において、バルーン7内の温度が上記制御下限温度(63℃)よりも低い安定下限温度(60℃)を下回った場合には、制御手段4は警告(アラーム)で表示するようになっている。その際、警告を表示すると同時に、制御手段4によりレーザ発振器3の作動電流を上記A4よりも大きいA5に上昇させてもよい。
以上のようにして、温度維持工程S3におけるバルーン7の温度制御が行われ、次に温度維持工程S3(最大15秒)が経過すると、制御手段4はレーザ発振器3の作動を停止させて、レーザ光の金属コイル9への照射を停止させる。この時点X3が温度維持工程S3の終了時点であり、かつ冷却工程S4の開始時点となる。この冷却工程S4においては、加熱されて拡張された血管の状態が維持されるようにバルーン7を膨張させた状態のままで冷却を行う。
レーザ発振器3の作動停止によりレーザ光の金属コイル9への照射が停止するが、その後も引き続き給液手段2の両シリンジ21,22によりバルーン7内へ造影剤8を持続的に潅流させる。それにより、バルーン7内の高温の造影剤8がバルーン7内から排液される一方、低温の造影剤8がバルーン7内に供給される。これにより、バルーン7内が低温の造影剤8に置換されることでバルーン7の温度は急激に低下するようになっている。このようにして冷却工程S4におけるバルーン7内の温度制御が行われる。この冷却工程S4に要する時間は、患者の状態に応じて30秒〜1分間に設定されている。
冷却工程S4が終了したら、制御手段4は給液手段2の両シリンジ21,22の作動を制御してバルーン7、および両チューブ12、13から造影剤8を排出させて本体部5内に回収する。これにより、バルーン7が膨張状態から治療開始前の縮小状態に復帰するので、その後、バルーンカテーテル6が患者から抜き取られる。
上述した本実施例の血管治療装置1によれば、治療開始時点の予熱判定工程S1においてバルーン7(バルーンカテーテル6)及びその他の原因による異常を判定することができ、バルーンカテーテル6に異常があると判定した場合には直ちに血管治療を停止することができる。本実施例では、予熱判定工程S1におけるレーザ光の出力を加熱工程S2の出力に対して1/4程度に小さくしているため、バルーン7が破裂させるリスクを可及的に低減しながらバルーンカテーテル6の不良を検出することができる。そのため、より安全な血管治療装置1を提供することができる。
また、血管治療装置1を用いて患者に血管治療を施す際に、加熱工程S2においては加熱中の造影剤8の温度の上昇勾配TSXを制御手段4が求めて、その温度の上昇勾配TSXと基準となる温度の上昇勾配TS1とのずれに応じてレーザ発振器3の出力を制御するフィードフォワード制御を行うようになっている。そして、その後、温度維持工程S3においては、制御手段4は、バルーン7内の造影剤8の温度が目標温度の上下所定範囲内の温度に収まるように、レーザ発振器の出力をフィードバック制御するようになっている。そのため、本実施例の血管治療装置1によれば、患者の血管をバルーン7によって過熱することを防止して、血管の損傷を防止することができる。そのため、バルーン7による血管の短時間の加熱により該血管を拡張させて熱変性させることができる。
なお、上記実施例においては、上記所定時間Δtが経過する間の温度上昇を検出するようにしているが次のような制御を行っても良い。つまり、上記所定時間Δtが経過していなくても、上記所定範囲ΔT以上の温度上昇があった時点で、予熱判定工程S1から加熱工程S2に移行して良いと判定するようにしても良い。また、上記加熱工程S2において、上述したフィードフォワード制御ではなく、例えば15Wに出力を固定してレーザ光を照射するコンスタントヒートを行うようにしても良い。
1‥血管治療装置 2‥給液手段
3‥レーザ発振器 4‥制御手段
6‥バルーンカテーテル 7‥バルーン
8‥造影剤(拡張液) 9‥金属コイル
15‥熱伝対(温度センサ)

Claims (2)

  1. 血管に挿入されて拡縮可能なバルーンと、流体通路を介して上記バルーン内に拡張液を潅流させる給液手段と、上記バルーン内に設けられた発熱体と、レーザ光を発振するとともに導光手段を介して上記バルーン内の発熱体にレーザ光を照射するレーザ発振器と、上記バルーン内の温度を検出する温度センサと、上記温度センサが検出した温度を基にして上記レーザ発振器が発振するレーザ光の出力を制御する制御手段とを備え、
    上記給液手段により上記バルーン内に拡張液を潅流させてバルーンを膨脹させるとともに上記レーザ発振器が所定の出力で発振したレーザ光を発熱体に照射して加熱させることにより、バルーン内の拡張液を目標温度に加熱するように構成した血管治療装置において、
    上記制御手段は、上記バルーン内の拡張液を上記目標温度に加熱する前に、上記目標温度に加熱する際の出力よりも小さな出力でレーザ発振器が発振したレーザ光を発熱体に照射して加熱するとともに、当該小さな出力でのレーザ光の照射による上記拡張液の温度変化に基づき、上記目標温度に拡張液を加熱することの適否を判定することを特徴とする血管治療装置。
  2. 上記制御手段は、所定時間の間だけ上記小さな出力でレーザ光を発熱体に照射して加熱するようになっており、制御手段は、上記所定時間経過時の温度に基づき上記判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の血管治療装置。
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