JP2016199449A - 不定形耐火組成物、及び不定形耐火物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐浸透性及び耐溶損性を両立することができ、特にロータリーキルン炉等の廃棄物焼却炉に好適に用いられる、不定形耐火組成物、及び不定形耐火物を提供。
【解決手段】化学組成で、アルミナ78質量%以上83質量%以下、シリカ3質量%以上7質量%以下、クロミア8質量%以上12質量%以下、及びジルコニア2質量%以上4質量%以下を含有する不定形耐火組成物であって、前記アルミナとしては、アルミナ含有量が99質量%以上のアルミナ粒子を含む不定形耐火組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、不定形耐火組成物、及び不定形耐火物に関する。
従来、ロータリーキルン炉等の廃棄物焼却炉の内壁には、容易に流し込み施工を行うことが可能であり、耐火物コストを節減できる等の理由から、不定形耐火物の内張りが行われている。
前記ロータリーキルン炉内で多量の廃プラスチックや塗料滓等の焼却物を焼却すると、炉内温度が一時的に1,500℃〜1,600℃に達することがあり、前記焼却物は溶融して、高温の溶融物となる。この状態で、前記ロータリーキルン炉内に施工されている不定形耐火物と前記溶融物が接触すると、前記不定形耐火物が大きく浸透及び溶損してしまい、不定形耐火物の寿命が短くなるという問題がある。
そこで、前記不定形耐火物の寿命を延ばす方法として、例えば、不定形耐火物中のクロミアの含有率を上げる(特許文献1参照)、不定形耐火物中のアルミナの割合を増やしシリカの割合を下げる(特許文献2参照)等により前記不定形耐火物全体の化学組成成分の共融点を上げる方法などが提案されている。
しかしながら、これらの提案の技術では、いずれも、不定形耐火物中のアルミナ、シリカ、クロミア、及びジルコニアの化学組成が適正化されておらず、耐浸透性を有し、かつ耐溶損性に優れるものではなかった。
特開2010−280540号公報 特開平6−122547号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、耐浸透性及び耐溶損性を両立することができ、特にロータリーキルン炉等の廃棄物焼却炉に好適に用いられる、不定形耐火組成物、及び不定形耐火物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 化学組成で、アルミナ78質量%以上83質量%以下、シリカ3質量%以上7質量%以下、クロミア8質量%以上12質量%以下、及びジルコニア2質量%以上4質量%以下を含有する不定形耐火組成物であって、前記アルミナとしては、アルミナ含有量が99質量%以上のアルミナ粒子を含むことを特徴とする不定形耐火組成物である。
<2> 前記ジルコニアの原料が、ジルコンである前記<1>に記載の不定形耐火組成物である。
<3> 前記アルミナ及び前記シリカの原料が、電融ムライトである前記<1>から<2>のいずれかに記載の不定形耐火組成物。
<4> 前記電融ムライトの添加量が、1質量%以上29質量%以下である前記<3>に記載の不定形耐火組成物である。
<5> 前記クロミアが、粉末の状態で添加される前記<1>から<4>のいずれかに記載の不定形耐火組成物である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の不定形耐火組成物を、混練し、成形後、焼成してなることを特徴とする不定形耐火物である。
<7> 廃棄物焼却炉用である前記<6>に記載の不定形耐火物である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、耐浸透性及び耐溶損性を両立することができ、特にロータリーキルン炉等の廃棄物焼却炉に好適に用いられる、不定形耐火組成物、及び不定形耐火物を提供することができる。
(不定形耐火組成物)
本発明の不定形耐火組成物は、化学組成として、アルミナ、シリカ、クロミア、及びジルコニアを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、不定形耐火組成物とは、前記成分の混合物であって、粒子の平均粒径が1mm以下の形態を有する。
<アルミナ(Al2O3)>
前記アルミナは、化学組成として、前記不定形耐火組成物に78質量%以上83質量%以下含有されており、78質量%以上81質量%以下含有されていることが好ましい。前記含有量が78質量%未満であると、耐溶損性が劣る可能性があり、83質量%を超えると、他の成分の含有量を少なくせざるを得なくなる結果、耐浸透性及び耐溶損性が劣る可能性がある。
前記アルミナの化学組成としての含有量は、例えば、前記不定形耐火物を粉砕後、均一なペレット状に成型し、蛍光X線分析装置により測定することができる。
前記アルミナの原料としては、平均粒径5mm以下のアルミナ粒子を用いることができ、例えば、アルミナ99質量%以上のアルミナ骨材を前記平均粒径の範囲に粉砕したアルミナ粒子が使用できる。この場合の前記アルミナ粒子は、組成中のアルミナ含有量に対して前記アルミナ粒子による比率が50%以上であることが好ましい。その他のアルミナ原料としては、電融ムライトを使用することが好ましい。
<<アルミナ骨材>>
前記アルミナ骨材とは、アルミナ(Al2O3)を99質量%以上含む骨材をいう。前記アルミナ骨材を材料に用いる利点としては、骨材による化学反応時の発熱の抑制、及び収縮の抑制をすることができ、ひび割れなどを制御することができる利点がある。
前記アルミナ骨材としては、破砕して製造されたものを含まない表面が比較的滑らかな粒子状の骨材であって、例えば、Al2O3;99質量%以上とその他工業的に含まれる不可避的な不純物からなる高純度のアルミナ骨材などが挙げられる。
前記アルミナ骨材の製造方法としては、特に制限されないが、前記含有量となるように調合された原料をアーク電気炉などで溶解し出湯時に高速のエアー等で細粒化する方法(以下、「溶融法」と称することがある)や調整された原料を噴霧粒子化し、焼結する方法、などが具体的な製造方法として挙げられる。これらの中でも、前記溶融法は、製造コストの面で有利であるため好ましい。また、前記溶融法で得られたアルミナ骨材は、焼結クリンカーまたは電融クリンカーの塊から破砕により得られたアルミナ骨材より、耐熱性に優れるため好ましい。これは、前記溶融法で得られたアルミナ骨材粒子が、粒子表面に凹凸がほとんどなく、球形に近い滑らかな表面を有するのに対して、上記の破砕により得られたアルミナ骨材は、表面に破砕により生成した凹凸が多くあるため、反応性が高くなっているために耐熱性が低下するためと考えられる。
また、前記溶融法と同等の利点をもつものとして造粒法で作られたアルミナ骨材もある。前記造粒法とは、前記含有量となるように調整された粉末原料を混合して、顆粒を成形し、焼成して骨材を作る方法をいう。ただし、前記造粒法が原料の調整後に骨材となるのに顆粒の成形と焼成の二段階の工程を要するのに対し、前記溶融法は原料の調整後に一つの工程で骨材となるため、コストの面では前記溶融法が望ましい。
前記製造方法として前記溶融法を採用する場合、調整済みの原料を溶解する溶融炉の形式としては、特に制限されないが、バーナー、電気抵抗、アーク、コークス等の加熱形式によるものが挙げられる。特に、アーク形式では、比較的容易に高温が得られ、溶融物の均質性も高く、しかも炉の設備が簡単で操作性に優れるなどの利点があるため好ましい。
前記アルミナ骨材の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1mm以上1.0mm以下が好ましい。前記平均粒径の測定方法は、例えば、サンプルをスケール等を用いて目視にて測定する方法などが挙げられる。
前記アルミナ骨材は、原料として、前記不定形耐火組成物全体に対して60質量%以上70質量%以下で添加することが好ましい。
<<電融ムライト>>
前記電融ムライトとは、アルミナ(Al2O3)と、シリカ(SiO2)とを含有する材料である。前記アルミナと前記シリカとの含有割合は、アルミナ72質量%と、シリカ28質量%とからなるものである。
前記電融ムライトに含まれる前記シリカは、共融点を低くしてしまうが、外来成分の混入を防ぐことができる。
前記電融ムライトは、原料として、前記不定形耐火組成物に、1質量%以上29質量%以下添加することが好ましい。
<シリカ(SiO2)>
前記シリカは、化学組成として、前記不定形耐火組成物に3質量%以上7質量%以下含有されており、5質量%以上7質量%以下含有されていることが好ましい。前記含有量が3質量%未満であると、耐浸透性が劣る可能性があり、7質量%を超えると、他の成分の含有量を少なくせざるを得なくなる結果、耐溶損性が劣る可能性がある。
前記シリカの化学組成としての含有量は、前記アルミナの化学組成としての含有量と同様の方法により測定することができる。
前記シリカの原料としては、シリカを単体で用いてもよいが、前記電融ムライト、及び後述するジルコンを用いることが好ましい。前記電融ムライトを用いた場合は、耐浸透性と耐溶損性を両立させることができる。また、前記ジルコンを用いた場合は、高温時に前記ジルコンに含有されるシリカが溶け出した際に、アルミナと共にムライトを形成するので、前記電融ムライトを用いなくても、前記電融ムライトを用いた場合に近い耐浸透性及び耐溶損性を得ることができる。
<クロミア(Cr2O3)>
前記クロミアは、化学組成として、前記不定形耐火組成物に8質量%以上12質量%以下含有されている。前記クロミアの含有量が8質量%よりも少ないと、耐溶損性が低下する可能性があり、13質量%を超えると、施工性が悪化する可能性がある。
前記クロミアの化学組成としての含有量は、前記アルミナの化学組成としての含有量と同様の方法により測定することができる。
前記クロミアの原料としては、クロミアを単体で添加することが好ましく、粉末の状態で添加することがより好ましい。前記クロミアを粉体の状態で添加することにより、不定形耐火物の施工性が向上するという利点がある。なお、前記クロミアを前記粉末以外の例えばクロミア含有骨材などを用いて含有させると、耐衝撃性及び耐浸透性に劣り、可動式の炉において使用に耐えない虞がある。
前記クロミアの平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1mm以下が好ましく、1.0μm以上0.1mm以下がより好ましい。前記平均粒径の測定方法は、例えば、粒度分析装置を用いて測定することができる。
<ジルコニア(ZrO2)>
前記ジルコニアは、化学組成として、前記不定形耐火組成物に2質量%以上4質量%以下含有されている。
前記ジルコニアの含有量が2質量%よりも少ないと、耐溶損性が劣る可能性があり、4質量%を超えると、前記ジルコニアの代わりに他の成分の含有量を少なくせざるを得なくなる結果、耐浸透性及び耐溶損性が劣る可能性がある。
前記ジルコニアの化学組成としての含有量は、前記アルミナの化学組成としての含有量と同様の方法により測定することができる。
前記ジルコニアの原料としては、ジルコン、及びバデライトの少なくともいずれかを用いることが好ましく、耐溶損性の点から、ジルコンがより好ましい。
前記ジルコン(ZrO2・SiO2)とは、火成岩(特に花崗岩)中に微小な結晶として広く産するジルコン鉱石を示している。
前記バデライトとは、前記ジルコニアの含有率が約95質量%以上96質量%以下程度含まれているバデライト鉱石のことを示している。
前記ジルコンとしては、前記不定形耐火組成物の原料として、3質量%以上5質量%以下含有されるのが好ましい。前記バデライトとしては、前記不定形耐火組成物の原料として、2質量%以上4質量%以下含有されるのが好ましい。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結合剤、分散剤などが挙げられる。
<<<結合剤>>>
前記結合剤としては、例えば、アルミナセメント、マグネシアセメント、ポルトランドセメント、水硬性アルミナ、オキシカルボン酸アルミニウム、リン酸塩、ケイ酸塩、シリカゾル、フェノール樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記結合剤の添加量は、不定形耐火組成物100質量%に対して、1質量%〜15質量%が好ましい。
<<<分散剤>>>
前記分散剤は、不定形耐火物を施工時の流動性を付与する効果を有している。前記分散剤としては、例えば、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、クエン酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、酒石酸ソーダ、カルボキシル基含有ポリエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリカルボン酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、リグニンスルホン酸ソーダなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記不定形耐火組成物には、更に必要に応じて、硬化調整剤、乳酸アルミニウム、有機繊維、金属、ガラス等を添加してもよい。
(不定形耐火物)
本発明の不定形耐火物は、前記不定形耐火組成物を構成する原料を混練し、成形後、焼成して得られる。また、前記不定形耐火物を廃棄物焼却炉の内部に形成する際には、例えば、前記不定形耐火組成物を構成する各原料を混練し、前記廃棄物焼却炉内に流し込んで成形後、焼成することで形成される。なお、前記不定形耐火物を構成する各原料は、加水して混練してもよい。
具体的には、施工には前記不定形耐火組成物に、水を添加して混練して、型枠を用いて流し込み施工する。流し込みの際には振動を付与して充填を図ることが好ましい。施工後は養生・乾燥を行う。前記施工は炉に直接流し込み施工する他、別場所で型枠に流し込み施工して得たプレモールド品を用いたプレモールド法により内張りしてもよい。
なお、本発明の不定形耐火物は、前記廃棄物焼却炉の中でも、特に、ロータリーキルン炉に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、電融ムライト、ジルコン、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(実施例2)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、電融ムライト、バデライト、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(実施例3)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、バデライト、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(実施例4)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、ジルコン、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(比較例1)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、焼結ムライト、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(比較例2)
表1に示す化学組成の原料のうち、80質量%アルミナ骨材、焼結ムライト、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(比較例3)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、焼結ムライト、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(比較例4)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、焼結ムライト、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(比較例5)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、焼結ムライト、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(比較例6)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(比較例7)
表1に示す化学組成の原料のうち、99質量%アルミナ骨材、電融ムライト、シリカ、クロミア、及びその他の原料(結合剤、分散剤)を、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(比較例8)
表1に示す化学組成の原料のうち、電融アルミナ、合成ジルコニア、及びクロミアを、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
(比較例9)
表1に示す化学組成の原料のうち、電融アルミナ、合成ジルコニア、及びクロミアを、ミキサー(株式会社ヨータイ製)を用いて混合し、表2に示す化学組成の不定形耐火組成物を得た。
Figure 2016199449
<不定形耐火組成物の化学組成の測定方法>
実施例1〜4、及び比較例1〜9の不定形耐火組成物の化学組成の測定方法としては、蛍光X線分析装置Supermini200(株式会社リガク製)により行った。
Figure 2016199449
(回転侵食試験)
実施例1〜4、及び比較例1〜9の各不定形耐火組成物と、水を混練し、28mm×230mm、厚み50mmの成形体として成形後、24時間養生し、110℃の乾燥機で24時間乾燥して不定形耐火物を作製した。作製した前記不定形耐火物を張り合わせ、ミニロータリーキルン炉を作製した。前記ミニロータリーキルン炉内に下記の表3に示す組成の、廃棄物の燃え殻を1時間おきにスコップ1杯(およそ100g〜200g)入れ、1,600℃で20時間、実際に回転させて試験を行った。以下のようにして、前記不定形耐火物の溶損した厚みと浸透した厚みを評価した。結果を表4に示した。
Figure 2016199449
<溶損及び浸透の測定方法>
実施例1〜4、及び比較例1〜9の不定形耐火組成物からなる不定形耐火物の溶損の測定方法は、前記不定形耐火物を3箇所で切断し、それぞれの切断面の厚みが50mmからどれだけ減っているかをスケールにより目視で計り、平均値を求めた。
実施例1〜4、及び比較例1〜9の不定形耐火組成物からなる不定形耐火物の浸透の測定方法は、前記不定形耐火物の切断面に水をかけ、溶融面から水が弾かれず、染み込むようになる部分までの距離をスケールで測定して求めた。
Figure 2016199449
表4に示すとおり、施工後の実施例1〜4の不定形耐火組成物からなる不定形耐火物は、いずれも溶損が3.1mmから3.2mm、浸透が9.6mmから13.1mmの範囲内であった。電融ムライトを用いない実施例3が実施例1〜2、及び4よりも、やや浸透に弱いが、実用時に問題はなく電融ムライトを用いた場合に近い耐浸透効果を得ることができる結果であったと共に、いずれも十分溶損に強いという結果であった。即ち、実施例1〜4の不定形耐火組成物からなる不定形耐火物は、いずれも耐浸透性及び優れた耐溶損性を得られていることがわかった。
一方、表4に示すとおり、施工後の比較例1〜9の不定形耐火組成物からなる不定形耐火物は、いずれも溶損が4.0mmから36.0mm、浸透が0.1mmから15.8mmに分散しており、いずれも実施例1〜4に比べて溶損に弱いという結果であった。また、比較例6に示すように、共融点の高いアルミナを増やしても十分な耐溶損性を得ることができず、かえって浸透に弱くなってしまった。また、クロミアの含有量を変化させても、耐溶損性について問題はなかったが、施工性に問題があった。いずれの比較例も、耐溶損性及び耐浸透性の両方に優れたものではなかった。
(実炉試験)
実施例1〜4、及び比較例2の不定形耐火組成物と、水を混練し、ロータリーキルン炉の出口8mの内壁に、厚み280mmの成形体として分割して成形した後に焼成(10時間かけて200℃まで昇温し、12時間保温したのち、18時間かけて300℃まで昇温し、これを10時間保温後、更に10時間かけて600℃まで昇温して、8時間保温した)し、前記ロータリーキルン炉の内壁に不定形耐火物を形成した施工をした。前記ロータリーキルン炉内に下記の表5に示す組成の廃棄物を平均して毎時16.4トンのペースで投入し、キルン出口付近の雰囲気温度を900℃から1,200℃程度で管理しながら、98.6日間実際に操業させながら試験を行った。不定形耐火物の一部をボーリング採取後、上記と同様にして、ロータリーキルン炉の入口から13mの距離の場所の溶損した厚みと浸透した厚みを評価した。結果を表7に示した。
Figure 2016199449
Figure 2016199449
表6に示すように、施工後の比較例2の不定形耐火組成物からなる不定形耐火物に比べ、施工後の実施例1〜4の不定形耐火組成物からなる不定形耐火物のほうが、明らかに耐溶損性が高いことがわかる。

Claims (7)

  1. 化学組成で、アルミナ78質量%以上83質量%以下、シリカ3質量%以上7質量%以下、クロミア8質量%以上12質量%以下、及びジルコニア2質量%以上4質量%以下を含有する不定形耐火組成物であって、
    前記アルミナとしては、アルミナ含有量が99質量%以上のアルミナ粒子を含むことを特徴とする不定形耐火組成物。
  2. 前記ジルコニアの原料が、ジルコンである請求項1に記載の不定形耐火組成物。
  3. 前記アルミナ及び前記シリカの原料が、電融ムライトである請求項1から2のいずれかに記載の不定形耐火組成物。
  4. 前記電融ムライトの添加量が、1質量%以上29質量%以下である請求項3に記載の不定形耐火組成物。
  5. 前記クロミアが、粉末の状態で添加される請求項1から4のいずれかに記載の不定形耐火組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の不定形耐火組成物を、混練し、成形後、焼成してなることを特徴とする不定形耐火物。
  7. 廃棄物焼却炉用である請求項6に記載の不定形耐火物。
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