JP2016199626A - スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、スタッドレスタイヤの氷上性能を向上させるために中空ポリマーを配合する手法があるが、耐摩耗性が低下するという問題点がある。またカーボンブラック用の分散剤を配合する手法もあるが、伸びが低下してしまい、耐摩耗性が低下してしまうという問題があった。【解決手段】平均ガラス転移温度が−50℃以下のジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを10〜80質量部、熱膨張性マイクロカプセルを0.5〜20質量部、および特定の構造を有するスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して1〜30質量%配合してなるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物によって上記課題を解決した。【選択図】なし

Description

本発明は、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤに関するものであり、詳しくは、氷上性能および耐摩耗性を共に向上させ得るスタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤに関するものである。
従来、スタッドレスタイヤの氷上性能(氷上での制動性)を向上させるために多くの手段が提案されている。例えば、ゴムに硬質異物や中空ポリマーを配合し、これによりゴム表面にミクロな凹凸を形成することによって氷の表面に発生する水膜を除去し、氷上摩擦を向上させる手法が知られている(例えば特許文献1参照)。
しかし、中空ポリマーを配合するとトレッドゴム中に空洞が形成され、耐摩耗性が低下するという問題点がある。
一方、氷上性能の向上には、ゴム中に配合しているフィラーの分散性を向上させ、ゴムの柔軟性を高めることも有効である。しかし、従来知られているカーボンブラック用の分散剤を使用した場合、カーボンブラックの分散性は高められるものの、擬似架橋点が増えてしまうことで伸びが低下してしまい、耐摩耗性が低下してしまうという問題があった。
このように、氷上性能および耐摩耗性を共に向上させることは当業界では困難な事項とされてきた。
なお、下記特許文献2には、特定の構造を有するスルフィド化合物を含有するゴム・カーボンブラック用カップリング剤が提案されている。しかし特許文献1には、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、カーボンブラックおよび熱膨張性マイクロカプセルを特定量で配合し、さらに該スルフィド化合物を配合して、氷上性能および耐摩耗性を共に向上させ得るゴム組成物を得ようとする技術思想は何ら開示または示唆されていない。
特開平11−35736号公報 特開2013−23610号公報
したがって本発明の目的は、氷上性能および耐摩耗性を共に向上させ得るスタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、カーボンブラック、熱膨張性マイクロカプセルおよび特定のスルフィド化合物を特定量で配合することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.平均ガラス転移温度が−50℃以下のジエン系ゴム100質量部に対し、
カーボンブラックを10〜80質量部、
熱膨張性マイクロカプセルを0.5〜20質量部、および
下記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して1〜30質量%配合してなるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
Figure 2016199626
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
2.前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする前記1に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
3.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに窒素吸着比表面積(NSA)が100〜300m/gのシリカを3〜70質量部配合してなることを特徴とする前記1または2に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
4.前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用したスタッドレスタイヤ。
本発明によれば、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、カーボンブラック、熱膨張性マイクロカプセルおよび特定のスルフィド化合物を特定量で配合したので、氷上性能および耐摩耗性を共に向上させ得るスタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのうち、氷上性能がより良好となる理由から、NR、BR、SBRを用いるのが好ましく、NRおよびBRを併用するのがより好ましい。
また本発明で使用されるジエン系ゴムは、平均ガラス転移温度(平均Tg)が−50℃以下であることが必要である。平均Tgが−50℃を超えると、氷上性能が悪化する。平均Tgは、ガラス転移温度の平均値であり、各ジエン系ゴムのガラス転移温度と各ジエン系ゴムの配合割合から平均値として算出することができる。
(カーボンブラック)
本発明で使用されるカーボンブラックは、本発明の効果が向上するという観点から、窒素吸着比表面積(NSA)が30〜130m/gであるのが好ましく、60〜100m/gであるのがさらに好ましい。なお、窒素吸着比表面積(NSA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
(熱膨張性マイクロカプセル)
本発明で使用される熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成された殻材中に、熱膨張性物質を内包した構成からなる。熱膨張性マイクロカプセルの殻材はニトリル系重合体により形成することができる。
またマイクロカプセルの殻材中に内包する熱膨張性物質は、熱によって気化または膨張する特性をもち、例えば、イソアルカン、ノルマルアルカン等の炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類が例示される。イソアルカンとしては、イソブタン、イソペンタン、2−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン等を挙げることができ、ノルマルアルカンとしては、n−ブタン、n−プロパン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等を挙げることができる。これらの炭化水素は、それぞれ単独で使用しても複数を組み合わせて使用してもよい。熱膨張性物質の好ましい形態としては、常温で液体の炭化水素に、常温で気体の炭化水素を溶解させたものがよい。このような炭化水素の混合物を使用することにより、未加硫タイヤの加硫成形温度域(150℃〜190℃)において、低温領域から高温領域にかけて十分な膨張力を得ることができる。
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えばスェーデン国エクスパンセル社製の商品名「EXPANCEL 091DU−80」または「EXPANCEL 092DU−120」等、或いは松本油脂製薬社製の商品名「マツモトマイクロスフェアー F−85D」または「マツモトマイクロスフェアー F−100D」等を使用することができる。
(スルフィド化合物)
本発明で使用される(C)スルフィド化合物は、前記特許文献1に開示されている。具体的には、下記式(I)で表される。
Figure 2016199626
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
本発明で使用されるスルフィド化合物は、スルフィド部の両末端に、芳香族縮合複素環がアルキレン基を介して結合した左右対称の構造(ビス体構造)を有している。
当該化合物としては、例えば、
ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルトリスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブチルテトラスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルトリスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ペンチルテトラスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルトリスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ヘキシルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−メチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−n−プロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(1−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)プロピルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズオキサゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(4-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(5-メチルベンズオキサゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6-メチルベンズオキサゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルジスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルトリスルフィド、
2,2’−ビス(ベンズチアゾリル−2)エチルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(ベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
4,4’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ブチルジスルフィド、
5,5’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ペンチルジスルフィド、
6,6’−ビス(ベンズチアゾリル−2)ヘキシルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(4−メチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(5−エチルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(6−n−プロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルジスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルトリスルフィド、
3,3’−ビス(7−イソプロピルベンズチアゾリル−2)プロピルテトラスルフィド
等が挙げられる。なお、これらのスルフィド化合物は、1種または2種以上を組み合わせてもよい。
前記スルフィド化合物は、1,2−ジアミノベンゼン系化合物、2−アミノチオフェノール系化合物または2−アミノフェノール系化合物のいずれかと、チオジカルボン酸系化合物を、4N希塩酸中で反応させることによって、容易に合成することができ、特許文献1にその製造方法が詳細に開示されている。
前記スルフィド化合物において、分子内の芳香族縮合複素環がカーボンブラック表面と相互作用するとともに、分子内のスルフィド結合がゴム混練り時に切断され、生じたラジカルによってゴムとの相互作用がさらに高まる。とくに、前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2である場合に該効果が高まり、好ましい。
(シリカ)
本発明では、本発明の効果をさらに向上させるために、必要に応じてシリカを配合することができる。シリカは、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。なおシリカの窒素吸着比表面積(NSA)は100〜300m/gであるのが好ましく、120〜200m/gであるのがさらに好ましい。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを10〜80質量部、熱膨張性マイクロカプセルを0.5〜20質量部、および前記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して1〜30質量%配合してなることを特徴とする。
カーボンブラックの配合量が10質量部未満であると、氷上性能が悪化する。逆に80質量部を超えても、氷上性能が悪化する。
熱膨張性マイクロカプセルの配合量が0.5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて効果を奏することができない。逆に20質量部を超えると耐摩耗性が悪化する。
スルフィド化合物の配合量が1質量%未満であると、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に30質量%を超えると氷上性能および耐摩耗性が共に悪化する。
さらに好ましい前記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、30〜60質量部である。
さらに好ましい前記熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜10質量部である。
さらに好ましい前記スルフィド化合物の配合量は、カーボンブラックに対し、3〜20質量%である。
また、シリカを配合する場合は、ジエン系ゴム100質量部に対し、3〜70質量部配合するのが好ましく、20〜50質量部配合するのがさらに好ましい。
本発明のゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、スタッドレスタイヤの、トレッド、とくにキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例1、実施例1〜5および比較例1〜7
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却させた。ついで、同バンバリーミキサーに該ゴム、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で170℃、10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
硬度:JIS K6253に準拠して20℃および100℃にて測定した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
氷上性能:上記加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は−1.5℃、荷重5.5kg/cm、ドラム回転速度は25km/hである。結果は標準例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど氷上性能に優れることを示す。
耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、室温で測定した。結果は、比較例1を100として指数で示した。この値が大きいほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
なお、熱膨張性マイクロカプセルを配合すると湿潤状態の路面における制動性(ウェット性能)が低下することが知られている。そこで、本実施例および比較例では下記に示す方法によりウェット性能について確認を行った。
ウェット性能:JIS K6394に準拠して、岩本製作所社製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、伸長変形歪率=10±2%、振動数=20Hz、温度0℃の条件下でtanδ(0℃)を測定し、この値をもってウェット性能を評価した。結果は、標準例1を100として指数で示した。指数が大きいほど、ウェット性能が良好であることを示す。
結果を表1に併せて示す。
Figure 2016199626
*1:NR(Tg=−65℃)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220。Tg=−105℃)
*3:SBR(日本ゼオン(株)製Nipol NS120。Tg=−35℃)
*4:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製N339)
*5:スルフィド化合物2EBZ(四国化成工業(株)製2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド)
*6:シリカ(ローディア社製ZEOSIL 1165MP)
*7:シランカップリング剤(エボニックジャパン(株)製Si69)
*8:熱膨張性マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアー F−100D)
*9:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*10:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*11:老化防止剤6C(FLEXSYS製SANTOFLEX6PPD)
*12:オイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*13:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄、硫黄含有量=95.24質量%)
*14:加硫促進剤(CBS)(Flexsys社製SANTOCURE CBS)
*15:加硫促進剤(DPG)(住友化学(株)製ソクシノールDG)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜5で調製されたゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、カーボンブラック、熱膨張性マイクロカプセルおよび特定のスルフィド化合物を特定量で配合したので、標準例1のゴム組成物に比べ、氷上性能および耐摩耗性を共に向上させ得ることが分かる。
これに対し、比較例1は、スルフィド化合物を配合せず、Tgの高いSBRを配合した例であり、氷上性能および耐摩耗性が共に悪化した。
比較例2は、スルフィド化合物を配合せず、シリカの配合量を増加させた例であり、氷上性能および耐摩耗性が共に悪化した。
比較例3は、スルフィド化合物を配合せず、熱膨張性マイクロカプセルの配合量を増加させた例であり、耐摩耗性が悪化した。
比較例4は、スルフィド化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、氷上性能および耐摩耗性を共に改善することができなかった。
比較例5は、ジエン系ゴムの平均Tgが本発明で規定する上限を超えているので、氷上性能および耐摩耗性が共に悪化した。
比較例6は、熱膨張性マイクロカプセルの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、耐摩耗性が悪化した。
比較例7は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度上昇と共に氷上性能が悪化した。

Claims (4)

  1. 平均ガラス転移温度が−50℃以下のジエン系ゴム100質量部に対し、
    カーボンブラックを10〜80質量部、
    熱膨張性マイクロカプセルを0.5〜20質量部、および
    下記式(I)で表されるスルフィド化合物を前記カーボンブラックに対して1〜30質量%配合してなるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2016199626
    (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。Aは、O、S、NH、またはNRを表わす。Rは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数3〜6の環状のアルキル基もしくはアルケニル基を表わす。nは1〜6の整数を表し、xは1〜4の整数を表す。)
  2. 前記式(I)で表されるスルフィド化合物において、xが2であることを特徴とする請求項1に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに窒素吸着比表面積(NSA)が100〜300m/gのシリカを3〜70質量部配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに使用したスタッドレスタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN119931164A (zh) * 2025-02-19 2025-05-06 山东宝力科技有限公司 一种耐腐蚀低滚阻的轮胎胶料及其制备方法

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