JP2016201123A - 動的ネットワークバイオマーカーの検出装置、検出方法及び検出プログラム - Google Patents
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Description
ら、クラスター内の生体分子の間の相関の増大、クラスター内の生体分子の標準偏差の増大、及びクラスター内の生体分子と他の生体分子との間の相関の低減が最も著しいクラスターを、前記バイオマーカーの候補として先取する候補選択ステップと、前記候補選択ステップで選出したバイオマーカーの候補が前記バイオマーカーであるか否かを、有意性検定によって判定する判定ステップとを実行することを特徴とする。
先ず、本発明の基となる理論根拠について説明する。通常、疾病の進行プロセスに係るシステム(以下、システム(1)という)を次の式(1)で表すことができる。
発現量、代謝物発現量等の情報とすることができる。詳細には、遺伝子、タンパク質等の分子に係る濃度、個数等の情報である。Pは、システム(1)の状態遷移を駆動する緩やかに変化するパラメータであり、例えば、SBP,CNV等の遺伝的要因、メチル化、アセチル化等の非遺伝的要因等の情報とすることができる。f=(f1、... 、fn)はZ(k)の非線形関数である。
2. Pcをシステムが分岐する閾値とすれば、P=Pcの時、ヤコビ行列∂f(Z;Pc)/∂Z|Z=Z*の1つの実数固有値又は1対の複素共役の固有値の絶対値が1になる、
3. P≠Pcの時、一般的に、システム(1)の固有値の絶対値が1ではない。
PCC(zi ,zj)→±1;
SD(zi)→∞;
SD(zj)→∞.
(II) ziは支配グループに属するノードであるが、zjは支配グループに属するノ
ードではない場合、
PCC(zi ,zj)→0;
SD(zi)→∞;
SD(zj)→境界値.
(III) ziとzjは支配グループに属するノードではない場合
PCC(zi ,zj)→α、α∈(-1,1)\{0};
SD(zi)→境界値;
SD(zj)→境界値.
ステム(1)がいくら複雑であっても、駆動要素が不明であっても、警告信号となる支配グループだけを検出すれば、システム(1)の数理モデルを直接扱うことなく、疾病前状態であることを特定することができる。疾病前状態であることを特定することにより、疾病に対する事前対策及び早期治療を実現することが可能となる。
上述したように、DNBは、特異な特性(I)〜(III)を有する支配グループであって、複数のノードからなるサブネットワークとして、システム(1)が疾病前状態になるときに、ネットワーク(1)に現れるものである。ネットワーク(1)において、各ノード(z1,... ,zn)を、遺伝子、タンパク質、代謝物等の生体分子について測定の対象となる因子項目とすれば、DNBは、上記特異な特性(I)〜(III)を満たした一部の生体分子に係る因子項目からなるグループ(サブネットワーク)である。
・条件(II):当該グループ内の生体分子と他の生体分子との間のピアソン相関係数OPCCの絶対値の平均値が著しく低減する。
・条件(III):当該グループ内の生体分子の標準偏差SDの平均値が著しく増加する。
他のノードに比べて、著しい特異な特性を示すグループ(z1〜z3)が現れる。当該グループ内のノードz1〜z3は、図2のfに示すように、相互間のピアソン相関係数が著しく増大し、他のノードz4〜z6との間のピアソン相関係数が著しく低下している。また、当該グループ内のノードz1〜z3の標準偏差は大きくなっている。その理由は、当該グループ内のノードz1〜z3は、図2のhに示すように、異なる時刻(t=1、t=2、t=3)における濃度の変化が激しいからである。
上述したように、DNBは、疾病前状態を示す警告信号として、疾病の早期診断に使用することができる。当該警告信号の強度を測るものとして、上述したDNB内のノード間のピアソン相関係数PCCの絶対値の平均値、DNB内のノードと他のノードとの間のピアソン相関係数OPCCの絶対値の平均値、及びDNBの標準偏差SDを用いることができる。さらに、DNBの特性を総合的に反映することができる総合指数Iを導入することができる。本発明において、一例として、次の式(2)で表す総合指数Iを導入する。
図3は、実施の形態におけるDNBの検出方法の一例を示すフローチャートである。本発明の検出方法においては、先ず、生体に関する測定により測定データを得ることが必要である。DNAチップなどのハイスループット技術を利用すれば、1つの生体サンプルから2万個以上の遺伝子を測定することができる。統計的に分析するために、本発明において、測定対象から複数(6個以上)の生体サンプルを異なる時間点で採取し、採取した生体サンプルを測定して得られた測定データを集計して統計データを取得する。本発明におけるDNBの検出方法は、主に、図3に示すように、ハイスループットデータの取得処理(s1)と、差次的生体分子の選出処理(s2)と、クラスター化処理(s3)と、DNBの候補の選出処理(s4)と、有意性分析によるDNBの判定処理(s5)とを含む。次に、これらの各処理について詳細に説明する。
スサンプルとし、参照用サンプルをコントロールサンプルとし、各サンプルから、それぞれのハイスループット生理学的データ、即ち、生体分子の発現量の測定データ(例えば、マイクロアレイデータ)を取得する処理である。参照用サンプルとは、検査の対象となる患者から事前に採取したサンプル、採取時に最初に採取したサンプル等のサンプルであり、測定装置の校正等の目的を有するコントロールサンプルとして用いられる。コントロールサンプルは、必ずしも必要ではないが、誤差要因を排除し、測定の信頼性を向上させるために有用である。
きいクラスターをDNBの候補として選出する(s47)。
診断スケジュールとしては、一定な間隔を開けて、複数回診断を行い、毎回の診断で数個のサンプルを取ることが望ましい。図7は、実施の形態におけるDNBを用いた疾病の早期診断の診断スケジュールの一例を示す図である。図7に示すように、複数の段階(段階1、段階2、…、段階T)で、サンプルを採取する。各段階で採取するサンプルの数は、データの精度を確保するために、通常、1つの段階において、6個以上のサンプルを採取することが望ましい。2つの連続した段階の間の間隔は、疾病の状況によって、数日、数週間、数カ月、又は数年と長く設定することができるが、各段階では、短い期間において異なる時間点でサンプルを採取することが望ましい。例えば、6個のサンプルを1日のうちの6つの時間点で採取する。各時間点の間の間隔は、状況に応じて、例えば、数分間、数時間とすることができる。
ように、DNBは、正常状態から疾病状態へ遷移する疾病前状態に現れるものであるが、DNBとして検出された生体分子、即ち遺伝子、タンパク質又は代謝物自身が、必ずしも疾病を悪化させる要因となる病的遺伝子、タンパク質又は代謝物とは限らない。ただし、DNBメンバーの一部が疾病と関連していることが判明している。
以上詳述したDNBの検出方法は、コンピュータを用いた検出装置として本発明を具現化することができる。図11は、本発明に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。図11に示す検出装置1は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータに接続されるクライアントコンピュータ、その他各種コンピュータを用いて実現される。検出装置1は、制御部10、記録部11、記憶部12、入力部13、出力部14、取得部15等の各種機構を備えている。
、本発明に係る検出プログラム11a等の各種プログラム及びデータが記録されている。
に係る各種手順を実行し、本発明の検出装置1として機能する。なお、便宜上、記録部11及び記憶部12として分けているが、両者とも各種情報の記録という同様の機能を有するものであり、装置の仕様、運用形態等に応じていずれの機構に記録させるかは、適宜決定することが可能である。
それぞれ用いられる。
本発明のDNBによる疾病の早期診断方法の診断精度を検証するために、肺障害が引き起こされたマウスの実験データを用いて、本発明の診断方法で診断を行い、その診断結果を実際の病状進行状況と比較して、本発明の診断方法の有効性を検証した。次に、当該検証例を詳細に説明する。実験データは、複数の実験用CD-1雄マウスをケースグループ
と、コントロールグループとに分けて、ケースグループを通常の空気環境に、コントロールグループを有毒ガスであるホスゲンが含まれている空気環境に置き、そして、両グループのマウスの健康状況を観察し、ホスゲンの吸入による急性肺損傷の分子レベルのメカニズムを調べるという実験から得られたものである。当該実験データを用いて、本発明の診断方法を用いて、ホスゲン曝露されているケースグループのマウスの健康状況を診断した。通常、マウスは一定量のホスゲンを吸入すると、ホスゲン誘発性肺障害を発症する。
り、サンプル採取対象は、診断対象となるケースグループ及び参照対象となるコントロールグループのマウスの肺組織であり、サンプリングポイントは、実験開始後の0、0.5、1、4、8、12、24、48、72時間が経過した時間点であり、DNBの検出に用いた遺伝子の数は22690個である。
スクリーニングを用いることにより、各サンプリングポイントに対して、それぞれ、B=[0、29、72、195、269、163、173、188、176]の遺伝子を選出した。
指数OPCCdは第2の時間段階から低減し、同じ第5の時間段階 (即ち、8時間経過
)で極小値を示している。
のリンク)が表示されており、「〇」で表示しているノードはDNBの候補に属する遺伝子であり、「□」で表示しているノードはDNBの候補のノード付近の他の遺伝子であり、ノードとノードとの間のラインは両ノードの相関性を示している。また、「〇」の色の濃さが遺伝子の標準偏差SDの大きさを示し、両ノードを接続ラインの濃さが両ノードの相関係数PCCの絶対値の大きさを示している。全てのマップはCytoscape (http://www.cytoscape.org/)を用いて構成されたものである。
病状態へ遷移した後(24h、48h、72h)、DNBのメンバーは、再び他の遺伝子と同じ振る舞いをするようになっている。
上述した第1の検証例において、動物実験のデータを用いて、本発明のDNBによる疾病の早期診断方法の有効性を検証した。本検証例では、B細胞リンパ腫の臨床データを用いて、さらに、本発明のDNBによる疾病の早期診断方法の診断精度を検証する。
系列変化の例を示すグラフである。図17Cは、第2の検証例において、検出されたDNBの候補のクラスターのメンバーと他の遺伝子との間のピアソン相関係数の絶対値の平均値OPCCdの時系列変化の例を示すグラフである。図17Dは、第2の検証例において、検出されたDNBの候補の総合指数Iの時系列変化の例を示すグラフである。
10 制御部
11 記録部
12 記憶部
13 入力部
14 出力部
15 取得部
11a 検出プログラム
Claims (11)
- 生体に関する測定により得られた複数の因子項目についての測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出装置であって、
前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化の相関関係に基づいて複数の因子項目を複数のクラスターに分類する分類手段と、
分類した各クラスターから、前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化及び各因子項目間の測定データの時系列変化の相関関係に基づいて予め設定された選出条件に該当するクラスターを選出する選出手段と、
選出したクラスターに含まれる因子項目をバイオマーカーの候補として検出する検出手段と
を備えることを特徴とする検出装置。 - 請求項1に記載の検出装置であって、
前記選出手段は、
クラスター内の各因子項目間の測定データの相関を示す値の平均値を第1指数として算出する手段と、
クラスター内の因子項目の測定データと当該クラスター外の因子項目の測定データとの間の相関を示す値の平均値を第2指数として算出する手段と、
クラスター内の各因子項目について測定データの標準偏差の平均値を第3指数として算出する手段と
を含み、
複数のクラスターのうちから、第1指数、第2指数及び第3指数に基づいて、バイオマーカーとすべき因子項目を含むクラスターを選出する
ことを特徴とする検出装置。 - 請求項2に記載の検出装置であって、
前記選出手段は、前記第1指数と、前記第2指数と、前記第3指数の逆数との積に基づく総合指数が最大であるクラスターを選択する
ことを特徴とする検出装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の検出装置であって、
前記各因子項目のそれぞれの測定データが、有意性をもって経時的に変化しているか否かを検定する差次検定手段を更に備え、
前記分類手段は、経時的変化に有意性があると検定された因子項目について分類する
ことを特徴とする検出装置。 - 請求項4に記載の検出装置であって、
前記差次検定手段は、各因子項目の測定データ、並びに因子項目及び時系列毎に予め設定されている参照データとの比較結果に基づいて、有意性に係る検定を行う
ことを特徴とする検出装置。 - 請求項5に記載の検出装置であって、
各因子項目について、対応する参照データの標準偏差の平均値を示す参照標準偏差、及び因子項目間の相関を示す値の平均値を示す参照相関値を算出する手段を更に備え、
前記検出手段は、前記第1指数が前記参照標準偏差に比べて有意性をもって増大し、前記第2指数が前記参照相関値に比べて有意性をもって減少し、かつ、前記第3指数が前記参照標準偏差に比べて有意性をもって増大した場合に、当該クラスターに含まれる項目をバイオマーカーの候補として検出する
ことを特徴とする検出装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の検出装置であって、
前記検出手段は、
クラスターに含まれる複数の因子項目の有意性を、測定データの統計値に基づいて検定する手段を含み、
有意性がある場合に、クラスターに含まれる項目をバイオマーカーの候補として検出する
ことを特徴とする検出装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の検出装置であって、
前記複数の因子項目のいずれかは、遺伝子に関する測定項目、タンパク質に関する測定項目、代謝物に関する測定項目、又は生体から得られる画像に関する測定項目である
ことを特徴とする検出装置。 - 生体に関する測定により得られた複数の因子項目についての測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出装置を用いた検出方法であって、
前記検出装置は、
前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化の相関関係に基づいて複数の因子項目を複数のクラスターに分類する分類ステップと、
分類した各クラスターから、前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化及び各因子項目間の測定データの時系列変化の相関関係に基づいて予め設定された選出条件に該当するクラスターを選出する選出ステップと、
選出したクラスターに含まれる因子項目をバイオマーカーの候補として検出する検出ステップと
を実行することを特徴とする検出方法。 - 生体に関する測定により得られた複数の因子項目についての測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する検出方法であって、
異なる時間点で採取した複数の生体サンプルのそれぞれから測定したハイスループットデータの中から、差次的生体分子を算出する分子スクリーニングステップと、
相関の高い生体分子同士を1つのクラスターとするように、前記分子スクリーニングステップで選出した前記差次的生体分子を複数のクラスターに分類するクラスター化ステップと、
前記クラスター化ステップで得られた複数のクラスターの中から、クラスター内の生体分子の間の相関の増大、クラスター内の生体分子の標準偏差の増大、及びクラスター内の生体分子と他の生体分子との間の相関の低減が最も著しいクラスターを、前記バイオマーカーの候補として先取する候補選択ステップと、
前記候補選択ステップで選出したバイオマーカーの候補が前記バイオマーカーであるか否かを、有意性検定によって判定する判定ステップと
を実行することを特徴とする検出方法。 - コンピュータに、生体に関する測定により得られた複数の因子項目についての測定データに基づいて、測定対象である生体の症状の指標となるバイオマーカーの候補を検出する処理を実行させる検出プログラムであって、
コンピュータに、
前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化の相関関係に基づいて複数の因子項目を複数のクラスターに分類する分類ステップと、
分類した各クラスターから、前記各因子項目のそれぞれの測定データの時系列変化及び各因子項目間の測定データの時系列変化の相関関係に基づいて予め設定された選出条件に該当するクラスターを選出する選出ステップと、
選出したクラスターに含まれる因子項目をバイオマーカーの候補として検出する検出ステップと
を実行させることを特徴とする検出プログラム。
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