JP2016203594A - 複合シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち本発明の課題は、ポリオレフィン系不織布の少なくとも片面に、ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマー樹脂を含有する樹脂組成物からなる未延伸層を有する積層体を、少なくとも一方向に延伸してなる複合シートであって、前記延伸工程において、少なくとも一方向において冷延伸工程を含むことを特徴とする複合シートにより解決される。
<ポリオレフィン系樹脂>
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン等のオレフィン炭化水素を単量体成分として含む重合体である。具体的には、エチレン単独重合体、エチレン・α―オレフィン共重合体、エチレンとその他の共重合可能なモノマーとの共重合体などのエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、プロピレンとその他の共重合可能なモノマーとの共重合体などのプロピレン系樹脂などが挙げられる。
共重合成分であるα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチルペンテン−1などが一般的にあげられる。
またその他の共重合可能なモノマーの具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル、共役ジエンや非共役ジエンなどの不飽和化合物などが挙げられる。
プロピレン系樹脂がコポリマーである場合、共重合体中のプロピレン含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
本発明で用いるポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマーは、オレフィン系及びスチレン系の重合体あるいは共重合体であって、常温付近でゴム状弾性を示すものであれば良い。ポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン−ブタジエンランダムコポリマー等のスチレン−オレフィンランダムコポリマーや、スチレン−水添イソプレンブロックコポリマー等のスチレン−オレフィンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー等のスチレン−オレフイン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー等が挙げられる。中でも、スチレン−水添イソプレン−スチレンブロックコポリマーや、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマーが好適に用いられる。
本発明の積層体を形成する樹脂組成物中における、ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマーの含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、ポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマー10〜80質量部であることが好ましく、30〜70質量部であることがより好ましく、40〜65質量部であることがさらに好ましい。ポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマーの含有量が上記範囲であれば、複合シートの延伸性と透気性をバランスよく得ることができる。
本発明で用いられる不織布は、延伸性と得られる透気性のバランスが良く、延伸時に破断しにくく、汎用性を有する点から、ポリオレフィン系不織布を用いることが重要である。
エチレン系樹脂の具体例としては、エチレン単独重合体、エチレンと他のα−オレフィンを10モル%以下含有するエチレン系共重合体が挙げられ、プロピレン系樹脂の具体例としては、プロピレン単独重合体、又はプロピレンとエチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。
共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。またこれらポリオレフィン系樹脂は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、延伸性、透気性の観点から、プロピレン系樹脂を含む不織布を用いることが好ましく、プロピレン系樹脂として、特に、プロピレンとエチレン含有量が5モル%以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体を含む不織布が好ましい。
本発明の複合シートは、ポリオレフィン系不織布の少なくとも片面に、上記樹脂組成物からなる実質的に未延伸の層を有する積層体を、少なくとも1方向に延伸することで得られる。
まず、原料を混合し、樹脂組成物を押出方法にて製造する。原料の混合方法は、一軸または二軸押出機、バンバリーミキサー、ミル、ニーダーブレンダーなど、各種公知の方法を採用することができ、これらの方法を用いて、あらかじめ各成分を溶融混合し、ペレット状に加工したものを押出成形に用いてもよいし、溶融混合し直接押出成形を行ってもよい。押出方法としては、Tダイ押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形、スカイフ法等の各種成形方法を採用し得るが、中でも、本発明の複合シートに要求される物性や用途の観点からは、Tダイ押出成形が好ましい。
熱接着法の製造条件は、ロール温度は通常70〜200℃、好ましくは100〜180℃の温度範囲、ロール圧力0.1〜6.0MPa、好ましくは0.4〜2.0MPaの範囲である。上記範囲とすることにより、延伸時にも十分実用に供する接着強度を満足しうる複合シートを得ることができる。
なお、積層体の層構成については、具体的には、樹脂組成物層/不織布の2層構成、不織布/樹脂組成物層/不織布、あるいは、樹脂組成物層/不織布/樹脂組成物層の3層構成などが挙げられる。また必要に応じて、本発明の積層体に積層可能なその他の層をさらに積層した構成とすることもできる。
延伸方法としては、ロール、テンター、チューブラー、オートグラフ等の各種方法を採用し得るが、本発明のフィルムの延伸方法としては、ロールによる縦延伸工程と、テンターによる横延伸工程を組み合わせた、逐次二軸延伸を採用することが好適である。
なお、本発明の複合シートの製造方法は、少なくとも一方向において、冷延伸工程を含むことが重要である。これにより、本発明の複合シートは、優れた透気性、機械的強度を有するものとなる。冷延伸工程とは、0℃〜60℃付近で延伸を行う工程のことであり、冷延伸工程は、好ましくは縦延伸工程における1段目として行うことが好ましい。また、縦延伸工程において、冷延伸工程を行った後、2段目として熱延伸工程の2段階の延伸工程を行うことが好ましい。縦延伸工程を2段階で行うことにより、得られる複合シートは、高度な透気性を備えたものとなる。また外観にも優れたものとなる。
縦延伸1段目の冷延伸工程は、延伸温度は0℃以上60℃以下、好ましくは10℃以上40℃以下とし、延伸倍率は1.1〜3倍、好ましくは1.2〜2倍とすることが好ましい。
縦延伸2段目の熱延伸工程は、延伸温度は70℃以上200℃以下、好ましくは90℃以上170℃以下とし、延伸倍率は1.2〜5倍、好ましくは1.2〜3倍とすることが好ましい。
横延伸工程については、延伸温度は90〜200℃、好ましくは100〜150℃とし、延伸倍率は、1.5〜4倍、好ましくは2〜3倍とすることが好ましい。
なお、上述の各延伸工程に加えて、更に延伸工程を追加することもできる。
なお、樹脂組成物層の厚みは、30〜400μmであることが好ましく、40〜300μmがより好ましく、50〜200μmがさらに好ましい。樹脂組成物層の厚みが上記範囲であれば、強度に優れ、かつ良好な透気度を発現するため、好ましい。
JIS P8117に準拠し、王研式透気度試験機EGO1型(旭精工製)にて測定した。
島津製万能型試験機AGS−Xを用い、針の直径1.0mm、押し込み速度300mm/minの条件で測定し、膜が破れる時の最大荷重を突刺強度(針貫通強度)とした。
JIS K7128−1トラウザー法に準拠し、幅50mm、150mmの試験片を用い、引張速度200mm/min.にてインテスコ社製引張試験機IM−20により測定した。
10cm角に切ったサンプルの表裏面を、5cm角の黒色発泡クロロプレンゴム(イノアックコーポレーション社製、製品番号C−4205)で10往復こすり、目視評価を行った。
評価基準 ○:粉落ちが生じていなかった。 ×:粉落ちが生じた。
(ポリオレフィン系樹脂)
PO1:日本ポリプロ社製 商品名「ノバテックPP FY6HA」
MFR=2.4g/10分、融点=158℃
PO2:プライムポリマー社製 商品名「ハイゼックス 3300F」
密度=0.950g/cm3、MFR=1.1g/10分、融点=132℃
PO3:日本ポリエチレン社製 商品名「ノバテックC6 SF240」
密度=0.920g/cm3、MFR=2.0g/10分、融点=126℃
(ポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマー)
EL1:クラレ社製 商品名「セプトン1001」スチレン−水添イソプレンブロックコポリマー(SEP)、MFR=0.1g/10分、スチレン含量=35%
EL2:クラレ社製 商品名「セプトン8006」スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、MFR=0g/10分、スチレン含量=33%
(充填剤)
BS:硫酸バリウム、平均粒径=1.1μm
(不織布)
不織布1:新江州社製 PPスパンボンド、厚み平均140μm、目付20g/m2
不織布2:ユニチカ社製 「エルベス S023WDO」芯:ポリエステル、鞘:ポリエチレン、厚み平均160μm、目付20g/m2
PO1を100質量部、EL1を43質量部の割合で配合し、設定温度190℃〜210℃に設定した同方向二軸押出機(東芝機械株式会社製、口径=25mmφ、L/D=40)に投入して溶融混練し、ダイ温度210℃、ダイ幅300mm、リップギャップ1mmとなるTダイから押出し、キャスト温度100℃の設定でキャスティングし、幅=280mm、平均厚み=300μmの樹脂組成物層を得た。
次に、得られた樹脂組成物層と不織布1を、得加熱弾性ニップロールを利用して、ロール温度155℃、ロール圧力0.4MPa、ロール速度30cm/分で熱間圧着して積層体を得た。
さらに、上記積層体を、ロール延伸機にて、縦方向に、延伸温度20℃、延伸倍率1.2倍で延伸した後、さらに延伸温度150℃、延伸倍率1.8倍で延伸し、次いで、この縦延伸複合シートの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で、横方向に延伸温度150℃、延伸倍率2倍で延伸を行い、厚み平均210μmの複合シートを得た。各種物性評価の結果を表1に示す。
実施例1のポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマーをEL2に変更し、ロール延伸機での縦延伸工程において、20℃での冷延伸倍率を1.3倍、150℃での熱延伸倍率を1.5倍としたこと以外は、実施例1と同様に成形し、厚み平均250μmの複合シートを得た。各種物性評価の結果を表1に示す。
実施例1のポリオレフィン系樹脂をPO2に変更し、熱間圧着工程のロール温度を135℃、ロール速度を50cm/分に変更し、ロール延伸機での縦延伸工程において、冷延伸倍率を20℃で1.3倍、熱延伸倍率を120℃で1.2倍に変更し、テンターでの横延伸工程において、延伸温度を110℃に変更した以外は、実施例1と同様に成形し、厚み平均260μmの複合シートを得た。各種物性評価の結果を表1に示す。
実施例1で作成した樹脂組成物を不織布と積層させずに延伸し、単層シートを作製した。各種物性評価の結果を表1に示す。
実施例1のロール延伸機での縦延伸工程において、150℃の熱延伸工程のみで延伸を行い、厚み190μmの複合シートを作製したが、透気性効果が発現しなかった。
実施例1の不織布を不織布2に変更し、縦延伸条件は実施例2と同様とし、複合シートを製造しようとしたが、ロール延伸機での縦延伸工程において、150℃での熱延伸工程で不織布が破断してしまったため、以降の評価は行っていない。結果を表1に示す。
PO2を100質量部、PO3を233質量部、充填剤1を500質量部の割合で配合し、これに加えて、硬化ひまし油(KFトレーディング社製、商品名「H−COP」)を20質量部、酸化防止剤(BASF社製、商品名「イルガフォス168」)を1.3質量部、熱安定剤(BASF社製、商品名「イルガノックス1010」)0.7質量部を添加し、同方向二軸押出機(東芝機械株式会社製、口径=40mmφ、L/D=32)に投入し、設定温度240℃で溶融混練してストランドダイより押出した後、ストランドを水中で冷却固化し、カッターによりストランドをカットし、ペレット状に加工した樹脂組成物を作製した。
得られたペレット状の樹脂組成物を240℃の溶融状態で単層で押出し、シート状の樹脂組成物を作製した後、ロール温度130℃、ロール圧力0.4MPa、ロール速度50cm/分にてポリプロピレン製スパンボンド不織布と熱間圧着し未延伸複合シートを得た。上記未延伸複合シートをロール延伸機にて縦方向に20℃で1.3倍、120℃で1.5倍の条件で延伸を行ったが、20℃の冷延伸工程においてシートの破れが生じ、粉落ちが観察されたため、以降の評価は行っていない。結果を表1に示す。
Claims (8)
- ポリオレフィン系不織布の少なくとも片面に、ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマー樹脂を含有する樹脂組成物からなる未延伸層を有する積層体を、少なくとも一方向に延伸してなる複合シートであって、前記延伸工程において、少なくとも一方向において冷延伸工程を含むことを特徴とする複合シート。
- 透気度が20〜1000秒/100ccであることを特徴とする請求項1に記載の複合シート。
- 突刺強度が350gf以上、引裂強度がMD、TD両方向に0.7N/50mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合シート。
- 前記樹脂組成物が、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、ポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマー樹脂を10〜80質量部含有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複合シート。
- 前記樹脂組成物が、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む海部と、ポリオレフィン・ポリスチレン系エラストマーを主成分として含む島部からなり、前記島部の粒径が0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の複合シート。
- 前記ポリオレフィン系不織布がプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の複合シート。
- 前記ポリオレフィン系不織布がスパンボンド不織布であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複合シート。
- 請求項1から7のいずれかに記載の複合シートの製造方法であって、次の1)〜3)の工程を含むことを特徴とする複合シートの製造方法。
1)樹脂組成物からなる層とポリオレフィン系不織布とを積層する工程
2)積層体を、縦方向に、延伸温度0〜60℃、延伸倍率1.1〜3.0倍で延伸し、次いで縦方向に、延伸温度70〜200℃、延伸倍率1.2〜5.0倍で延伸する工程
3)積層体を、横方向に、延伸温度90〜200℃、延伸倍率1.5〜4.0倍で延伸する工程
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