〔発明の前提となる技術〕
本件出願人は、寝具内に配置されて人体を加熱する加熱部を備え、該加熱部にて、起床予定時刻の90〜150分前の加熱開始時刻から起床予定時刻までの間、36〜41℃(第2温度)で加熱すると共に、入床後又は入床後の一定時間経過後から加熱開始時刻までの間に33℃(第1温度)より高い温度では加熱しない睡眠制御装置を試作した。
本装置によれば、起床予定時刻の90〜150分前の加熱開始時刻から起床予定時刻までの間といった、起床予定時刻前のレム睡眠の時間帯において、36〜41℃の体温より高い温度で人体を加熱するので、加熱された人体は、自律神経が活性化されて血流が良い状態となり、人体全体に熱が行き渡って体温が高くなる。これは、起床に適した状態である。つまり、本装置によれば、レム睡眠の時間帯に、人体をこのような起床に適した状態にできることで、ユーザの快適な起床をサポートし、また、起床後の覚醒度を高め、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態とすることが可能となる。
なお、ここで、起床予定時刻の90〜150分前以外の期間は、33℃よりも高い温度で加熱しない構成としているのは、33℃よりも高い温度で加熱されると、就寝時の体温低下が阻害されて、睡眠効率が悪くなるためである。
ところが、本件出願人が10名の被験者に対して、上記試作の睡眠制御装置の官能評価試験を行ったところ、内2名の被験者より、使用時に「暑い」と感じ、起床予定時刻より早い時刻に覚醒したという感想を得た。このような感想を有する商品は、一部のユーザに不快な覚醒感を与える恐れがあり、商品本来の効果である、快適な覚醒を阻害する要因となり得る。
しかしながら、ユーザが暑いと感じないように加熱の出力を抑制すると、ユーザの体温上昇度合いも抑制されてしまい、起床後の覚醒度が抑制されてしまう。そのため、加熱の出力は、ユーザの快適な覚醒度を維持しつつ、暑いと感じないレベルに設定する必要がある。けれども、ユーザが暑いと感じるレベルは、個々のユーザによって異なる。また同じユーザにおいても、就寝時の敷布団や掛布団の種類、寝間着の種類、就寝する部屋の温度や湿度、就寝する部屋の壁面温度等、様々な環境因子により、暑いと感じるレベルは変化してしまう。そのため、最適な加熱レベルを一意に定めることはできない。
本件出願人は、ユーザの個体差・様々な環境因子に関わらず、暑いと感じない状態で快適な起床状態を得ることが可能となるように鋭意検討を行った結果、暑いと感じる条件が床内の湿度に強い相関があることを見出し、以下の睡眠制御装置を発明するに至った。
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施の一形態である睡眠制御装置1について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の睡眠制御装置1の概略斜視図である。図1に示すように、睡眠制御装置1は、本体部10およびこれに接続されたコントローラ部3を備え、本体部10に加熱部2と湿度センサ4が含まれている。
本体部10は、例えば、敷布団20の上方、かつ人体の下方に設置される。本実施の形態では、本体部10は、布や樹脂等のシート状の基材11を有し、該基材11に加熱部2としてのニクロム線(電熱線)が埋設されている。本体部10は、人体の肩口から足までの範囲に対応した矩形状をなし、加熱部2も、人体の肩口から足までの範囲を加熱するよう配設されている。本体部10は、単独で寝具に相当する。したがって、加熱部2は、寝具の一部を構成するものと言える。
人体に熱を加える手法として、エアコン等のように気温そのものを上昇させる手法もある。しかしながら、睡眠中の気温上昇に対して、ユーザは不快と感じてしまい、睡眠途中での覚醒に繋がり、睡眠の質を低下させてしまうことになる。これは、空気の熱容量が小さく、人体全体でなく体表面の一部のみを暖めるのみであり、人体が起床に適した状態となっていないにも関わらず、体表面を暖められ、不快感により覚醒させられるためである。そのため、エアコン等を加熱手段として使用することは不適切である。
これに対し、本実施の形態では、少なくとも空気より熱容量の大きい、加熱部2あるいは加熱部2および本体部10が人体に接触して加熱を行っているので、人体全体が温められて人体が起床に適した状態となり、快適な覚醒をサポートすることができる。
なお、人体に加熱部2あるいは加熱部2および本体部10を接触させるとは、人体と加熱部2又は本体部10とを直接接触させることだけではなく、人体と加熱部2又は本体部10との間に衣類やシーツ類等が介在する場合も含まれる。また、加熱部2又は本体部10が敷布団内に埋め込まれて設置され人体との間に中綿等が介在する場合も含まれる。つまり接触とは模式的に物質が介在する場合を含む。具体的には、衣類やシーツ類等の厚みを合計して1cm以下の空気以外の物質が介在する状況であれば、本発明の効果は発生するが、望ましくは5mm厚以下とするのが良い。
湿度センサ4は、湿度を検出するものであり、入床したユーザの人体周囲の湿度を検出する。人体周囲の湿度を検出するにあたり、望ましくは、湿度センサ4の後述する検知領域14(図8参照)をユーザの人体に接触させることである。
検知領域14を人体に接触させるとは、人体と検知領域14とを直接接触させることだけではなく、人体と検知領域14との間に衣類やシーツ類等が介在する場合も含まれる。本実施の形態においては、湿度センサ4は、加熱部2と共に本体部10に設けられており、このような構成では、人体と検知領域14との間に基材11が介在する場合も含まれる。さらに、本体部10が敷布団内に埋め込まれて設置され人体との間に中綿等が介在する場合も含まれる。つまり接触とは模式的に物質が介在する場合を含む。具体的には、衣類やシーツ類等の厚みを合計して1cm以下の空気以外の物質が介在する状況であれば、本発明の効果は発生するが、望ましくは5mm厚以下とするのが良い。
ユーザが暑さを感じて発汗すると、ユーザの人体周囲の湿度が上がり、湿度センサ4の検出値が上がる。睡眠制御装置1は、湿度センサ4を備えることで、発汗の状態からユーザが暑いと感じていることを認識し、発汗量が抑制されるように加熱部2の出力を制御することが可能となる。詳細については後述するが、湿度センサ4の検知領域14の背面側および外周部には、水蒸気を通過させない気密領域15(図8参照)が設けられている。
表1は、起床時における、発汗の有無と、暑さに関する官能評価の相関を表している。評価期間19日の内、起床時に「暑い」と感じ、かつ発汗していた日は10日あった。起床時に「暑い」と感じず、かつ発汗していない日は8日あった。起床時に「暑い」と感じなかったが、発汗していた日は1日あった。起床時に「暑い」と感じたが、発汗していなかった日は1日も無かった。
この表は、「暑さ」と発汗の相関を示しており、この表から、「暑い」と感じなかったが発汗していた1日を考慮しても、「発汗量」を検出し、発汗量が抑制されるように加熱部2を制御することで、ユーザが「暑い」と感じることを防止できることがわかる。なお、「暑い」と感じなかったが発汗していたこの1日は、評価期間19日の内、最も気温が低いことが気象庁の発表より明らかとなっており、寝室の外壁が外気により冷やされ、熱放射により体内の気温上昇が抑制する方向に働いたため、発汗があったにも関わらず暑いと感じなかったと推測される。
コントローラ部3は、睡眠制御装置1における操作指示全般を受け付けるものである。図2は、睡眠制御装置1の各部の構成を示すブロック図である。コントローラ部3は、CPUからなる制御回路(制御部)5、該制御回路5からの情報に基づいて加熱部2を駆動する駆動回路6、実時間を計測するクロック7、ユーザが起床予定時刻等を入力するための入力器8、および設定条件等を表示する表示器9を備える。
制御回路5は、加熱部2を制御するもので、具体的には加熱部2の出力や作動時間を制御する。制御回路5は、起床予定時刻等の設定条件を記憶するために、図示しないメモリを備えている。該メモリと、入力器8および表示器9等にて、起床予定時刻の設定を受け付ける設定部が構成される。
制御回路5は、加熱部2の出力・作動時間を制御して、設定された起床予定時刻より90〜150分前の所定時刻までは、就寝時の所定期間を除いて33℃(第1温度)よりも高い温度での加熱は行わず、所定時刻から36〜41℃(第2温度)で、起床支援のための加熱を行う。本実施の形態では、制御回路5は、起床支援のための加熱時の温度(デフォルト)を40℃に設定している。
さらに、制御回路5は、湿度センサ4にて検出された湿度に基づいて、加熱部2の出力を調整する。具体的には、制御回路5は、検出された湿度から、ユーザが発汗している状態にあるかを少なくとも判断し、あると判断した場合に、起床支援のための加熱によるユーザの発汗を緩和するように、換言すると、ユーザの発汗量が抑制されるように、加熱部2の出力を制御する。
図3は、睡眠制御装置1の動作を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートは、加熱部2が、起床支援のための加熱以外は、実施しない場合を例示している。
図3に示すように、就寝する前にユーザが睡眠制御装置1の電源をオンする。これにより、睡眠制御装置1が動作を開始する。
ユーザが入力器8を用いて起床予定時刻を入力すると、制御回路5が入力された起床予定時刻を設定する(S(ステップ)1)。次に、制御回路5は、クロック7を通じて現在時刻の確認を行うと同時に、湿度センサ4にて検出された発汗量(発汗量に依存する湿度)を確認する(S2)。続いて、制御回路5は、S2で確認した現在時刻が起床予定時刻の120分前であるかを判定する(S3)。ここで、Yesの場合はS4へ移行し、Noの場合はS2に戻る。制御回路5は、起床予定時刻の120分前であると判定するまで(S3でYesとなるまで)、S2〜S3を繰り返す。
S4では、制御回路5は、S2で確認した発汗量が、加熱部2の出力下降条件を上回っているかを判定する。ここで、YesであればS5に移行して、加熱部2の加熱開始時の設定出力をデフォルトより下げた後、S6へ移行する。一方、S4でNoの場合は、S5を経由することなくS6へ移行する。
S6では、制御回路5は、S2で確認した発汗量が、加熱部2の出力上昇条件を下回っているかを判定する。ここで、YesであればS7に移行して、加熱部2の加熱開始時の設定出力をデフォルから上げた後、S8へ移行する。一方、S6でNoの場合は、S7を経由することなくS8へ移行する。
S8では、制御回路5は、S4、S6の判定に基づいて、必要に応じてデフォルトから調整した設定出力で加熱部2に加熱を開始させる。具体的には、調整した設定出力を駆動回路6に伝達し、駆動回路6が調整された設定出力で加熱部2を駆動し、加熱部2が加熱を開始する。
加熱を開始すると、制御回路5は、前術したS2の処理と同様に、クロック7を通じて現在時刻の確認を行うと同時に、湿度センサ4にて検出された発汗量を確認する(S9)。次に、制御回路5は、S9で確認した発汗量が、加熱部2の出力下降条件を上回っているかを判定する(S10)。ここで、YesであればS11に移行して、加熱部2の加熱実行中の設定出力を下げた後、S12へ移行する。一方、S10でNoの場合は、S11を経由することなくS12へ移行する。
S12では、制御回路5は、S9で確認した発汗量が、加熱部2の出力上昇条件を下回っているかを判定する。ここで、YesであればS13に移行して、加熱部2の加熱実行中の設定出力を上げた後、S14へ移行する。一方、12でNoの場合は、S13を経由することなくS14へ移行する。
S14では、制御回路5は、S9で確認した現在時刻がS1で設定された起床予定時刻であるか判定する。ここで、Yesの場合はS15へ移行し、Noの場合はS9に戻る。制御回路5は、起床予定時刻であると判定するまで(S14でYesとなるまで)、S9〜S14を繰り返して、S10、S12の判定に基づいて、必要に応じて加熱部2の加熱実行中の設定出力を調整する。具体的には、調整した出力を駆動回路6に伝達し、駆動回路6が調整された出力で加熱部2を駆動する。
S15では、制御回路5は、加熱部2に加熱を停止させる。具体的には、駆動回路6に加熱停止を伝達し、駆動回路6が加熱部2の駆動を停止する。その後、起床したユーザが、睡眠制御装置1の電源をオフし、これにて、睡眠制御装置1の動作が終了する。
なお、S15において、制御回路5は、必ずしも、起床予定時刻丁度に加熱を停止させる必要はなく、例えば起床予定時刻±30秒〜1分程度のずれがあってもよい。さらに、制御回路5は、ユーザが起床時刻に目覚めたものの再度眠ってしまう、いわゆる二度寝を防止するために、起床時刻から十分な時間が経過するまで、加温を継続するようにしてもよい。二度寝防止のために起床時刻後も継続する加熱時間は、例えば10分〜2時間に設定される。
図4は、睡眠制御装置1を用いて就寝した場合における、湿度の時間変化を示す曲線であり、(a)は湿度センサ4による検出結果に基づいて加熱部2による加熱の出力制御を行った場合であり、(b)は湿度センサ4による検出結果に基づいた加熱部2による加熱の出力制御を行わなかった場合である。なお、曲線において、しばしばみられる不連続は、ユーザの寝返りにより生じたものである。
(b)では、加熱開始後、皮膚から発せられる水蒸気により湿度が100%に到達している。この状態では、水蒸気が結露して汗となり、殆どのユーザは暑いと感じていると考えられる。実際に、ユーザは、湿度が100%に到達している期間中に睡眠深度が浅くなると起床してしまったりする。そして、このような起床は、覚醒して目覚めたものの、汗による不快さを感じる。
これに対し(a)では、加熱開始後、ユーザの皮膚から発せられる水蒸気により湿度が上昇しているが、湿度が一定値に到達した時点(この例では湿度が95%に達した時点)で加熱の出力を下げている。そのため、皮膚から発せられる水蒸気量が抑制され、湿度が100%に達することなく経過している。ユーザの感じる暑さも緩和していると考えられる。そして、起床時刻に達して覚醒するが、湿度が100%に達していないために水蒸気の結露による発汗がなく、快適に起床することができている。また、湿度が100%に到達しない程度に、覚醒に必要な加熱を行っているので、睡眠制御装置1の効果である、ユーザが快適に起床するのをサポートし、また起床後の覚醒度を高め、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態とする効果も維持することが可能となっている。
図3のフローチャートのS4、S11における、発汗量が加熱部2の出力降下条件を上回っているかどうかの判定方法は、種々考えられる。
1)例えば、加熱開始後、湿度センサ4としての湿度センサの値が一定値(例えば95%)を超えると、発汗度合いが一定量を超えたことを検知した(すなわち、発汗量が加熱部2の出力降下条件を上回っている)と判断し、加熱部2の出力を下げる。
2)あるいは、加熱開始後、湿度センサ4としての湿度センサの予測値が一定値(例えば98%)を超えると、発汗度合いの予測定常値が一定量を超えたことを検知した(すなわち、発汗量が加熱部2の出力降下条件を上回っている)と判断し、加熱部2の出力を下げる。
図5は、加熱中における湿度の時間変化を示しており、湿度センサの予測値を算出する例を説明するための図である。任意の時刻t1、t2、t3(t1、t2、t3は等間隔)における湿度h1、h2、h3を用いて、次に示す式(1)により予測値h∞算出する。
h∞=(h1h3−h2 2)/(h1+h3−2h2) …(1)
式(1)は、湿度の時間変化が指数関数に従うと仮定し、hn−h∞が等比数列になることから算出することができる。湿度の時間変化がしたがう関数は、漸近線を有する関数であれば他の関数でも良く、例えば正接関数や、双曲線関数にしたがうと仮定してもよい。また、任意の時刻t1、t2、t3の時間間隔は、短すぎると測定時のノイズを拾うため、正確な予測値を算出することが困難となる。逆に長過ぎると、予測値算出前に湿度が100%に到達してしまい、結露による発汗を生じ、望ましくない。したがって、測定間隔は、最適範囲が存在し、例えば30秒から10分の間が望ましく、例えば1〜2分とするのが良い。
加熱部2の出力下降条件としては、式(1)により算出される予測値h∞を、現在時刻tから過去にさかのぼって3点分の湿度データh1、h2、h3を用いて随時計算し、求まるh∞が一定値(例えば98%)を上回る時間が一定時間以上(例えば1分以上)継続すると、出力を下降するアルゴリズムとすれば、湿度の測定誤差による誤動作を防止することができる。なお、前述の通り、ユーザが寝返りを打つたびに湿度曲線は不連続となるため、湿度曲線に不連続が生じるたびに、湿度の予測値を再計算する必要がある。
また、図3のフローチャートのS6、S12における、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っているかどうかの判断方法も、種々考えられる。
3)例えば、加熱開始後、湿度センサ4としての湿度センサの値が一定値(例えば80%)を下回ると、発汗度合いが一定量を下回ったことを検知した(すなわち、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っている)と判断し、加熱部2の出力を上げる。
4)あるいは、加熱開始後、湿度センサ4としての湿度センサの予測値が一定値(例えば80%)を下回ると、発汗度合いの予測定常値が一定量を下回ったことを検知した(すなわち、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っている)と判断し、加熱部2の出力を上げる。
なお、図3のフローチャートにおけるS6,S7およびS12,S13の、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っている場合に、加熱部2の出力を上げる処理は、S4,S5およびS10,S11の、発汗量が加熱部2の出力降下条件を上回っている場合に、加熱部2の出力を下げる処理とは異なり、必ず必要というものではない。
しかしながら、発汗量が加熱部2の出力上昇条件を下回っている場合に、加熱部2の出力を上げる処理を行うことで、起床支援のための加熱において、ユーザが暑いと感じない範囲で加熱部2の出力を上げることができ、ユーザを快適に起床させる観点でより効果的である。つまり、これにより、睡眠制御装置1の効果である、ユーザが快適に起床するのをサポートし、また起床後の覚醒度を高め、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態とする効果を最大限に高めることができるという効果を奏する。
また、制御回路5は、発汗度合い、またはその予測定常値が、加熱開始前から前述の出力下降条件に到達していることを検知すると、加熱部2の開始を中止する構成であってもよい。これは、ユーザの体調や、寝間着・布団・寝具・環境により、加熱前からユーザが暑いと感じ、発汗している場合に、加熱を行ってさらに発汗を促進すると、ユーザに不快感を与えるためである。なお、この状況下においては、ユーザは既に暑いと感じているのであるから、本発明の睡眠制御装置1が与えようとする起床時の覚醒感を既に得ている状況であり、加熱を中止したとしても、起床に支障を来すことはない。
図6は、睡眠制御装置1における加熱部2の加熱温度と人体の体温の変化を示す図である。図6に示すように、正常な概日リズムを持つユーザであれば、就寝すると、体温は就寝前の体温から下がりはじめ、数時間かけて起床前までに低下し、起床前に再び上昇に転じる(二点鎖線)。これに対し、正常な概日リズムを持たないユーザは、起床前の体温上昇が生じない(一点鎖線)。このような状態では、朝起きるのが苦痛となり、日中の活動量が低下することとなる。
睡眠制御装置1では、起床予定時刻の120分前から加熱部2による加熱を開始するため、加熱部2の昇温と共に体温が高くなり、正常な概日リズムを持たないユーザであっても、起床予定時刻の体温は、一点鎖線の例よりも高い、二点鎖線の例と同等かそれ以上となる。これにより、すっきり目覚めることができるようになり、即ち起床後の覚醒度が高くなる。
また、正常な概日リズムを持ったユーザであれば、起床予定時刻の体温は、二転鎖線の例よりも高い実線の例のようになり、より一層すっきり目覚めることができ、起床後の覚醒度がより一層高くなる。
なお、加熱部2の動作途中に加熱部2の温度が低下しているのは、湿度センサ4が発汗を検知し、制御回路5が加熱部2の出力を下げたためである。この出力を下げた状態であっても、出力がゼロでないため、加熱が無い状態(比較例)と比べて、体温の高い状態が維持されており、起床後の覚醒度が失われることはない。
図7は、睡眠制御装置1の効果を検証した結果を示す図である。ここでは、EIA法(酵素免疫抗体法)を用いて、起床後の覚醒度の指標となる唾液中コルチゾール濃度の測定を行った。睡眠後期において、人は起床に向けた準備の1つとして、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの分泌量を増やすという現象が見られる。コルチゾールは、糖を分解してエネルギー生産を促す作用がある。
図7に示すように、睡眠制御装置1を用いた場合、睡眠制御装置1を用いない場合に比べて起床時の唾液中コルチゾール濃度が高くなる。起床時の唾液中コルチゾール濃度が高いということは、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態であり、つまり、図7から、睡眠制御装置1を用いることで、起床後の覚醒度を高めて、快適な起床状態を得ていることがわかる。
ところで、本実施の形態では、レム・ノンレム睡眠の周期が約90分であることを前提として、加熱部2は起床予定時刻の120分前から加熱を開始している。120分の内訳は、レム・ノンレム睡眠周期の約90分に、レム睡眠の継続時間の30分を加算した時間である。しかしながら、加熱開始の時刻は、起床予定時刻の120分前に限定されるものではない。
レム・ノンレム睡眠の周期には個人差があり、様々な人に対応することを想定すると、レム・ノンレム睡眠の対応周期として60〜120分の幅を設けておくことが好ましい。レム・ノンレム睡眠の対応周期を60〜120分とするには、加熱部2で加熱を開始させる時刻として、起床予定時刻の90〜150分前という範囲を設けておけばよい。この範囲内で、それぞれの人の個人差を考慮して、加熱開始時刻を設定すれば良い。
ここで、加熱部2において、起床予定時刻の90〜150分前よりも前の早い時間から加熱を開始すると、快適な睡眠が得られる適正な温度にまで体温が低下せず、中途覚醒が増加するなど睡眠効率が悪くなって、睡眠に支障を来すことになる。また、加熱部2において、起床予定時刻の90〜150分前よりも遅い時間から加熱を開始すると、加熱部2で加熱している時間中にレム睡眠が発現しない場合が起こり得る。
なお、本実施の形態では、加熱部2は、起床支援のための加熱時、40℃で加熱しているが、加熱温度がこれに限定さるものではなく、人の平均体温、および低温火傷しないようにすることを考慮すると、36〜41℃の範囲で加熱すれば良い。
また、本実施の形態では、本体部10を人体の肩口から足までの範囲に対応した形状として、その全域に加熱部2を破折して肩口から足まで加熱する構成としているが、これに限定されるものではない。加熱部2が肩口から臀部までの上半身に及んでいれば良く、足には及んでいなくても良い。また、本体部10が頭部周辺に及んでいて加熱部2にて頭部まで加熱する構成であってもよい。但し、頭部への加熱は不快に感じることがあり、その場合、中途覚醒等を引き起こし易く、睡眠の質を低下させることとなる。
さらに、本実施の形態では、加熱部2を埋設した本体部10を人体の下方の位置となるように設置しているが、これに限定されるものではない。加熱部2が人体に接触して加熱を行っていれば、本体部10を人体の下方の位置に限定する必要はなく、例えば、人体の上方の位置に配置しても良い。その場合に、掛布団の一部となるように本体部10を配置しても良いし、掛布団の上方の位置、つまり人体および加熱手段の間に掛布団が挟まれるように、本体部10を配置しても良い。人体と本体部10との間に掛布団等が挟まれている場合も、加熱部2は、掛布団等を介して人体に接触して加熱していることになる。
但し、人体の上方の位置への配置は、加熱部2と敷布団との間に人体が位置するため、熱対流の原則から放熱しにくくなる。そのため、人体周辺の温度上昇に繋がり、不快に感じる可能性がある。また、人体と加熱部2との間に掛布団等が挟まれるように、本体部10を配置することは、人体に熱が伝わりにくくなるため、本発明の効果が十分に得られなくなる可能性がある。さらに、本実施の形態では、本体部10を敷布団20の上方の位置となるように設置しているが、それに限定されない。例えば、本体部10を敷布団20の内部に設けても良く、あるいは、本体部10の基材11に代えて、加熱部2を敷布団20の中に埋設した構成であってもよい。
また、本実施の形態では、加熱部2としてニクロム線を用いた電熱線にて熱を発生させているが、これに限定されるものではなく、例えば遠赤外線を用いて加熱しても良い。
また、本実施の形態では、実施しないが、制御回路5が、加熱部2を制御して、動作開始直後(睡眠制御装置1の電源がオンされた直後、入床時)の例えば5分間といった短い時間だけ、33℃以上で一時的に加熱する構成として、ユーザに寝具からの冷えを感じさせないようにしてもよい。但し、このような加熱も、できれば、就寝前に予め寝具を、冷えを感じない程度に暖めておくといった観点で行い、睡眠中を通じて加熱を行わない方が中途覚醒を増加させないため、好ましい。
また、本実施の形態では、起床した後に使用者が電源オフして睡眠制御装置1の動作を終了させているが、これに限定されるものではなく、起床後に自動的に電源オフとなっても良い。また、自動で電源がオフとなるタイミングが、起床した直後に限るものではなく、例えば起床後の1時間後であってもよい。
次に、図8〜図11を用いて、湿度センサ4の設置について説明する。図8は、矩形形状の湿度センサおよびその周囲を説明する図であり、(a)は湿度センサの斜視図、(b)は検知領域を上に向けた湿度センサとその周囲を上から見た状態、(b)は、(a)のA−A線矢視断面の模式図である。
(a)に示すように、湿度センサ4は、平たい矩形形状をなし、一方の平らな面4aに、検知対象の空気を取り込む孔12が複数形成されている。この孔12が形成されている領域が、湿度センサ4の検知領域14となる。湿度センサ4は、入床したユーザに検知領域14が向くように配設されている。湿度センサ4から引き出されたリード線13は、図1のコントローラ部3に接続されている。
このような湿度センサ4としては、例えば、Aosong Guangzhou Electronics 社製温湿度センサー(型番:AM2321)を用いることができる。これは、電子式の湿度センサであり、感湿体として多孔質のセラミックス又は吸湿性の高分子膜を含み、これらの抵抗又は容量が湿度と共に変化する性質を用いて測定する。電子式の湿度センサには、市販品で小型のものがあり、人体の下に配置される本体部10に設置されても、敷布団20内に埋没するため、ユーザにとって不快とならない。
そして、湿度センサ4における検知領域14の外周部には、(b)(c)に示すように気密領域15が設けられている。本実施形態では、検知領域14が存在する面4aを除いて湿度センサ4の周囲全体に、気密領域15となる気密材料が配設され、湿度センサ4は、面4aを露出させた状態で気密材料に埋設されている。
湿度センサ4における検知領域14の背面側および外周部に気密領域15を設けるのは、ユーザの発汗にて上昇している湿度が、外気による影響を受けて実際より低く検出されることを防止するためである。湿度が実際より低く検出されると、湿度からユーザが発汗している状態にあることを精度良く検出することができない。
本件出願人は、検知領域14の背面および外周部に気密領域15を設けていない状態で、就寝時の環境因子を変化させて、湿度センサ4にて人体の発汗を適正に検知できるかどうかを調査した。その結果、冬場など湿度の低い環境下では、湿度が低めに検出され、ユーザが暑いと感じる状態を適正に検知できないことがあった。これは、人体の発汗により床内に発生した水蒸気が、度の低い環境下では、敷布団や掛布団を通して床外へ発散されてしまい、発汗しているにも関わらず湿度が低めに検出されてしまうためと推測される。
湿度センサ4は、上述したように、検知領域14がユーザに向くように配設されている。そのため、湿度センサ4における検知領域14が存在する側、つまりユーザの人体と対峙する側からの水蒸気の発散の問題はない。しかしながら、湿度センサ4の背面側は、敷布団20(あるいは掛布団)と接触しており、水蒸気の発散を阻止することはできない。
そこで、上記構成のように、検知領域14の背面および外周部に気密領域15を設けて、背面側への水蒸気の発散を阻止する構成とした。これにより、冬場など湿度の低い環境下であったとしても、湿度センサ4の周囲には、ユーザの発汗により生じた水蒸気が保持されることとなり、湿度センサ4にて検出される湿度に基づいて、ユーザが発汗している状態を適正に検出することが可能となる。
なお、図8の例では、検知領域14が存在する面4aを除いて湿度センサ4を気密材料に埋設したが、湿度センサ4のケーシングが背面側の気密領域として機能する場合には、検知領域14の外周部に気密材料からなる気密領域を形成すればよい。
気密材料としては、水蒸気を実質遮断するものであればよく、気密シートや防湿シート等の原料である、ポリエチレンやナイロン等を用いることができる。また、天然ゴム等を用いてもよい。また、気密性の低い一般的な樹脂シートの表面にアルミを圧着したアルミ圧着シート様の気密領域15としてもよい。
次に、気密領域15の好適な大きさについて説明する。図9は、気密領域15の大きさと湿度センサ4で検出される湿度との相関を調べた結果を示す図である。湿度センサ4の検知領域14の外縁(図8の(b)の一点鎖線)と気密領域15の外縁との距離の最小値と湿度センサ4で検知された相対湿度値との関係を示している。図9において、縦軸は湿度センサ4で検知された相対湿度値を、横軸は湿度センサ4の検知領域14の外縁と気密領域15の外縁との距離の最小値をそれぞれ表している。
保湿剤としては、家庭用スポンジを湿らせ、絞った後、10分程度放置したものを使用した。測定は、相対湿度21%の実験環境にて行った。気密領域15としては、大きさの異なる気密材料シートを複数準備した。湿度センサ4を気密材料シートの上に配置し、保湿剤を湿度センサ4の検知領域14に接するように配置して、相対湿度を測定した。
図9に示すように、検知領域14の外縁と気密領域15の外縁との距離(以下、距離Xと称する)の最小値が短いときは、相対湿度の測定値は低く、距離Xの増加と共に該測定値は高くなり、距離Xが10mm以上になると相対湿度の測定値はほぼ一定値を示す傾向を示した。
この結果を考察する。距離Xが短いときは、保湿剤からの水蒸気が実験環境に漏れ出るため、実験環境の湿度の影響を受けやすくなり、本来の保湿剤付近における相対湿度より低めの値が検出されてしまう。実際の睡眠制御装置における状況に置き換えると、人体から発生した水蒸気が、敷布団(あるいは掛蒲団)を通して外気へ漏洩するようになり、本来の人体付近の湿度より低めの値が検知されてしまう状況となる。
一方、距離Xが長くなると、実験環境の影響を受けにくくなり、本来の保湿剤付近における相対湿度に近くなり、ほぼ一定値を示すようになると考えられる。実際の睡眠制御装置における状況に置き換えると、人体付近の水蒸気を正しく検知できるようになる。したがって、距離Xはある程度以上長いことが望ましく、図9よりX≧10mmであることが望ましいことが判る。
検知領域14の外縁と気密領域15の外縁との距離が一定でない場合は、最小値が上記条件を満たしていればよい。例えば、図8の(b)に示すように、検知領域14の外縁と気密領域15の外縁の縦方向距離がaで、横方向距離がb(>a)のときは、値の小さい方であるaが、上記条件を満たしていればよく、即ちa≧10mmであればよい。
また、図8においては、矩形形状の湿度センサ4を例示した。矩形形状の湿度センサ4では、検知領域14は矩形形状の1つの面4aに設けられる。このような形状の場合、検知領域14が検知領域に相当する。しかしながら、湿度センサには、円筒形状や半球形状、球形状などもある。円筒形状や半球形状、球形状の湿度センサでは、検知領域14は、円筒面、半球の球面、球の球面等となる。
図10は、非矩形形状の湿度センサ21,22における実効的な検知領域を示す図である。(a)は、円筒形上の湿度センサ21の実効的な検知領域14’を示し、(b)は、球形上の湿度センサ22の実効的な検知領域14’を示す。(a)(b)に示すように、円筒形状の湿度センサ21や球形形状の湿度センサ22では、円筒面あるいは球面の検知領域14と接すると共に人体に平行な面23に投影した平面形状を実効的な検知領域14’と見做し、該検知領域14’の外縁と気密領域15の外縁との距離Xが上記条件を満たしていればよい。
図11は、円筒形状の湿度センサ及びその周囲を説明する図であり、(a)は湿度センサの斜視図、(b)は検知領域を上に向けた湿度センサとその周囲を上から見た状態、(b)は、(a)のB−B線矢視断面の模式図である。
図12は、半球形状の湿度センサおよびその周囲を説明する図であり、(a)は湿度センサの斜視図、(b)は検知領域を上に向けた湿度センサとその周囲を上から見た状態、(b)は、(a)のC−C線矢視断面の模式図である。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図13は、本実施の形態の睡眠制御装置に搭載された湿度センサ4およびその周囲を示す図であり、(a)は湿度センサの斜視図、(b)は検知領域を上に向けた湿度センサとその周囲を上から見た状態、(b)は、(a)のD−D線矢視断面の模式図である。本実施の形態の睡眠制御装置は、湿度センサ4の周囲の仕様が実施の形態1の睡眠制御装置1と異なる。
(a)(b)に示すように、本実施の形態では、検知領域14が存在する面4aを除いて湿度センサ4の周囲全体に緩衝材16が配設され、緩衝材16の背面側に気密領域15が設けられている。
緩衝材16を用いることで、湿度センサ4や気密材料の部分が人体に与える異物感を軽減もしくは無くすることができ、睡眠時のさらなる安眠感を与えることができる。
しかしながら、緩衝材16には空孔質のものが多く、水蒸気が通過することにより湿度センサの検出値(測定値)に影響を与える可能性がある。そのため、緩衝材16を用いる場合には、検知領域14の外周部に設けられる気密領域15として、緩衝材16を用いない構成よりも大きな(より面積の大きな)ものが必要となる。
図14は、気密領域15の大きさと湿度センサ4で検出される湿度との相関を緩衝材16の深さを変えて調べた結果を示す図である。湿度センサ4の検知領域14の外縁(図13の(a)の一点鎖線)と気密領域15の外縁との距離の最小値と湿度センサ4で検知された相対湿度値との関係を示している。図14において、縦軸は湿度センサ4で検知された相対湿度値を、横軸は湿度センサ4の検知領域14の外縁と気密領域15の外縁との距離の最小値をそれぞれ表している。
実験環境および実験手法は、図9のデータ取得時とほぼ同じである。湿度センサ4を埋め込む緩衝材16として、厚みの異なるポリウレタンのシートを複数準備した。厚みの異なる緩衝材16(3mm、5mm、8mm)に湿度センサ4を埋め込み、その状態で気密材料シートの上に配置し、保湿剤を湿度センサ4の検知領域14に接するように配置して、相対湿度を測定した。
図14に示すように、検知領域14の外縁と気密領域15の外縁との距離Xの最小値が短いときは、相対湿度の測定値は低く、距離Xの増加と共に該測定値は高くなり、距離Xが一定値以上になると相対湿度の測定値はほぼ飽和する傾向を示した。この相対湿度が飽和する前記距離は、検知領域14の存在する面から気密領域15までの距離(緩衝材16の厚みに相当)dが厚い程増加する傾向が見られ、この飽和するのに必要な距離Xは、ほぼ式(2)で記述できることが実験的に判明した。
X ≧ 10+(d/1.72)2 …(2)
検知領域14の外縁と気密領域15の外縁の距離が一定でない場合は、実施の形態1の場合と同様に、前記距離Xの最小値が上記条件を満たしていればよい。例えば、図13の(b)に示すように、検知領域14の外縁と気密領域15の外縁の縦方向距離がaで、横方向距離がb(>a)のときは、値の小さい方であるaが、上記条件を満たしていればよい。また、円筒形状や球形形状等の非矩形形状の湿度センサの場合についても、実施の形態1と同様に、実効的な検知領域14’を用いればよい。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について、図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図15は、本実施の形態の睡眠制御装置に搭載された湿度センサ4およびその周囲を示す図であり、(a)は湿度センサの斜視図、(b)は検知領域を上に向けた湿度センサとその周囲を上から見た状態、(b)は、(a)のE−E線矢視断面の模式図である。本実施の形態の睡眠制御装置は、湿度センサ4の周囲の仕様が実施の形態1、2の睡眠制御装置1と異なる。
(a)(b)に示すように、本実施の形態では、検知領域14が存在する面4aを除いて湿度センサ4の周囲全体に緩衝材16が配設され、該緩衝材16における検知領域14が存在する面4aと同一平面をなす面16aを除いて、緩衝材16全体が気密材料で覆われて気密領域15となっている。換言すると、湿度センサ4は、検知領域14が存在する面4aを露出させた状態で、緩衝材16に埋設され、緩衝材16もまた、気密材料にて面16aを除いて覆われている。
このような構成とすることで、実施の形態2と同様、湿度センサ4や気密材料部分が人体に与える異物感を軽減もしくは無くし、睡眠時のさらなる安眠感を与えることができる。加えて、緩衝材16には空孔質のものが多く、水蒸気が通過することにより湿度センサ4の検出値(測定値)に影響を与えるという問題があるが、緩衝材16の外側全面に気密領域15が配置されるため、このような問題も解決することができる。
この構成における、検知領域14の外縁と気密領域15の外縁との距離Xは、X≧10mmを満たせばよい。
以上、実施形態1〜3について具体的に説明を行ったが、本発明はそれらに限定されるものではない。
例えば、湿度センサ4のケーシングの背面側が気密領域15として機能する場合は、検知領域14の形状を刳り貫いた気密材料シートを、湿度センサ4における検知領域14の周囲に貼り付ける構成としてもよい。但し、薄く柔らかいシートの場合、シートが寄れないように、その外周部を基材11に固定することが好ましい。
また、気密材料シートが薄く柔らかい場合、シートの上に湿度センサ4を配設すると、ユーザの重みで湿度センサ4が敷布団20に埋没する際に気密材料シートも巻き込まれて一部が敷布団20に埋没することとなる。そのような場合は、一部が埋没した状態での検知領域14の外縁からの距離が上記Xに相当する。
また、基材11における湿度センサ4が取り付けられる部分に気密材料を塗布するなどして、気密領域15を設けてもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る睡眠制御装置1は、寝具の一部を構成して人体を加熱する加熱部2と、湿度を検出する湿度センサ4と、起床予定時刻の設定を受け付ける設定部(制御回路5、入力器8、表示器9)と、前記加熱部2を制御する制御部(制御回路5)と、を備え、前記制御回路5は、前記加熱部2を制御して、前記設定部に設定された前記起床予定時刻より90〜150分前の所定時刻までは、入床からの所定期間を除いて睡眠時の体温低下を阻害する第1温度以上での加熱を行わず、前記所定時刻からは、前記第1温度よりも高い第2温度で加熱を行い、かつ、前記制御回路5は、前記湿度センサ4にて検出された湿度に基づいて、前記加熱部2の出力を調整し、さらに、前記湿度センサ4は、実効的な検知領域14,14’が前記人体に向くように配置され、かつ、前記検知領域14,14’の背面側および前記検知領域14,14’の外周部に水蒸気を通過させない気密領域15が設けられている。
上記構成によれば、起床予定時刻より90〜150分前の所定時刻までは、入床からの所定期間を除いて睡眠時の体温低下を阻害する第1温度以上での加熱を行わず、所定時刻からは、第1温度よりも高い第2温度で加熱を行う。人体は、睡眠時に体温が低下した状態で、起床予定時刻前のレム睡眠の時間帯において、第1温度よりも高い第2温度で加熱されることで、起床に適した状態で目覚めることとなる。人体をこのような起床に適した状態で快適に目覚めさせることで、起床後の覚醒度を高め、起床後に活動するためのエネルギーをより多く利用できる状態とすることが可能となる。
また、第2温度での加熱の際に、暑さを感じると、起床予定時刻よりも前に目覚めたり、発汗による不快さを感じて起床時の快適さが低下するが、上記構成によれば、湿度センサ4が搭載され、加熱部2の出力が湿度センサ4で検出された湿度に基づいて調整される。したがって、暑さを感じることによる、起床予定時刻前の目覚めや、発汗による起床時の不快さの問題を解決できる。
ところで、ユーザの発汗による水蒸気が、湿度センサ4の周囲に留まらず発散していくと、検出される湿度は実際より低くなる。湿度が実際より低く検出されると、湿度からユーザが発汗している状態にあることを精度良く検出することができない。
そこで、上記構成において、さらに、湿度センサ4は、実効的な検知領域14,14’が前記人体に向くように配置され、かつ、前記検知領域14,14’の背面側および前記検知領域14,14’の外周部に水蒸気を通過させない気密領域15が設けられている。これにより、冬場など湿度の低い環境下であったとしても、湿度センサ4の周囲には、ユーザの発汗により生じた水蒸気が保持される。したがって、様々な環境因子によらず、湿度センサ4にて検出される湿度に基づいて、ユーザが発汗している状態を適正に検出することが可能となる。
本発明の態様2に係る睡眠制御装置1は、さらに、前記検知領域14の外縁から前記気密領域15の外縁までの距離が10mm以上である構成とすることができる。
このような構成とすることで、ユーザの発汗により生じた水蒸気がほぼ確実に保持されることとなり、湿度センサ4にて検出される湿度に基づいて、ユーザが発汗している状態をより適正に検出することが可能となる。
本発明の態様3に係る睡眠制御装置1は、さらに、前記制御回路5は、前記所定時刻からの加熱時、前記湿度から前記人体が発汗している状態にあると判断すると、前記加熱部2の出力を下げる構成とすることができる。
上記構成によれば、起床予定時刻前の所定時刻からの加熱時に、暑さを感じることによる、起床予定時刻前の目覚めや、発汗による起床時の不快さの問題を解決する、本発明を容易に実現できる。
本発明の態様4に係る睡眠制御装置1は、さらに、前記制御回路5は、前記所定時刻からの加熱時、前記湿度から前記人体が発汗していない状態にあると判断すると、前記加熱部2の出力を上げる構成とすることができる。
上記構成によれば、第2温度を、暑さを感じない程度にまで上げることができるので、第2温度で加熱して人体を暖めることにより快適に起床させる観点で、より効果的である。
本発明の態様5に係る睡眠制御装置1は、さらに、前記制御回路5は、前記所定時刻よりも前に、前記湿度から前記人体が発汗していない状態にあると判断すると、前記加熱部2を制御して、前記所定時刻からの加熱を中止する構成とすることができる。
体調や、寝間着・布団・寝具・環境により、所定時刻からの加熱の開始前から暑いと感じ、発汗している場合、加熱を行ってさらに発汗を促進すると、不快感を与える。上記構成においては、このような場合に、加熱が中止されるので、このような不快感を与える事態を確実に回避できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。