JP2016216546A - 熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シート - Google Patents
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Abstract
Description
このものは、熱成形性には優れているが、その熱成形性の向上は独立気泡率60%以上のスチレン系樹脂発泡層を積層した効果によるものであり、連続気泡構造のポリスチレン系樹脂発泡シートそのものの熱成形性を向上させたものではない。また、このような発泡積層シートは、連続気泡構造の発泡シートと、独立気泡構造の発泡シートを貼り合せる方法や、両者を共押出して積層する方法により製造されたものであることから、製造方法が複雑であった。
<1>厚み0.5〜3mm、見掛け全体密度0.05〜0.3g/cm3、連続気泡率70%以上の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シートにおいて、
該発泡シートは、カルシウム無機塩からなる気泡膜開孔剤を2〜7重量%含むと共に、炭素数3〜6の飽和炭化水素化合物を1〜3重量%含み、
該発泡シートの見掛け全体密度に対する表面から厚み方向に200μmまでの表層部の見掛け密度の比が1.5〜3.0であり、
該発泡シートを145℃で27秒間加熱し、23℃まで冷却した際の発泡シートの二次発泡倍率が1.4倍以上であることを特徴とする熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シート。
<2>前記発泡シートを構成する基材樹脂が汎用ポリスチレン(GPPS)であり、該汎用ポリスチレン(GPPS)の200℃における溶融張力が200mN以下であることを特徴とする前記1に記載の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シート。
<3>前記気泡膜開孔剤が平均粒子径1〜6μmの炭酸カルシウムであることを特徴とする前記1又は2に記載の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シート。
<4>前記発泡シートの厚み方向の平均気泡径が30〜200μmであることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シート。
<5>前記1〜4のいずれかに記載の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形してなるポリスチレン系樹脂発泡成形体。
本発明の発泡シートの厚みは0.5〜3mmであり、下限について好ましくは0.7mm、より好ましくは1mm、上限について好ましくは2.5mmである。厚みが小さすぎると、所望の強度や吸水量を有する成形体を得ることできなくなるおそれがある。厚みが大きすぎると、発泡シート製造時において引取機や巻取機のロールで曲げられた際にしわが入り外観不良となるおそれがある。
また、本発明の発泡シートにおいては、見掛け全体密度ρaに対する表面から厚み方向に200μmまでの表層部の見掛け密度の比が特定範囲内であることが重要であり、この点については後述する。
エアピクノメーターを使用して測定試料の真の体積Vx(cm3)を求め、測定試料の外寸から見掛けの体積Va(cm3)を求め、式(1)により連続気泡率(%)を計算する。尚、真の体積Vxとは、測定試料中の樹脂の体積と独立気泡部分の体積との和である。
連続気泡率(%)={(Va−Vx)/(Va−W/ρ)}×100 (1)
Wは測定試料の重量(g)、ρは発泡体を構成する基材の密度(g/cm3)である。
測定試料は、縦40mm、横25mmのシート状サンプルを複数枚切り出し、切り出したサンプルの合計厚みが約25mmとなるものを測定試料とする。
なお、上記測定において加熱条件を145℃、27秒としたのは、発泡シートの加熱炉を使用した成形体の連続生産における熱成形時の挙動をオーブンにて再現する上で好適な条件であるためである。
これらの中では、硫酸カルシウムや炭酸カルシウムなどのカルシウムオキソ酸塩が好ましく、入手の容易さ価格等から炭酸カルシウムがより好ましい。
同様な観点から、表層密度ρsは、0.10〜0.45g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.40g/cm3である。
発泡シートの表面から200μmの部分をスライスして試験片とし、試験片の重量を測定する。試験片の重量を試験片の体積(幅×長さ×厚み)で割算し、単位換算して表層密度を求める。
発泡シートの押出方向に対する垂直断面において、発泡シートの厚さ方向に一方の表面から他方の表面まで線分lを引き、線分lと交わる全ての気泡の数nを数え、線分lの長さtを該気泡数nで割算した値を発泡シートの厚み方向の平均気泡径とする。
なお、引取り速度が200m/分に達しても紐状物が切れない場合には、引取り速度を200m/分の一定速度にして得られる溶融張力(mN)の値を採用する。詳しくは、回転速度が200m/分に到達してから溶融張力のデータの取り込みを開始し、30秒後にデータの取り込みを終了する。この30秒の間に得られたテンション荷重曲線から得られたテンション最大値(Tmax)とテンション最小値(Tmin)の平均値(Tave)を本発明方法における溶融張力とする。ここで、上記Tmaxとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたピーク(山)値の合計値を検出された個数で除した値であり、上記Tminとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたディップ(谷)値の合計値を検出された個数で除した値である。
表3に示すポリスチレン系樹脂と、表3に示す気泡膜開孔剤としての炭酸カルシウムとを表3に示す配合となるようにして内径115mmの第一押出機と内径150mmの第二押出機が連結されたタンデム押出機の第一押出機に供給し、溶融混練した後、発泡剤として表3に示す量のイソブタンまたは混合ブタン(イソブタン65%、ノルマルブタン35%)を圧入して、さらに混錬し、発泡性樹脂溶融物とした。なお、実施例4においては、炭酸カルシウムを80重量%含み低密度ポリエチレンを基材樹脂とする炭酸カルシウムマスターバッチの形で押出機に供給した。また、比較例1においては、炭酸カルシウムのほかに、他の例と気泡径を合わせるために気泡調整剤としてタルクを用いた。
続いて、発泡性樹脂溶融物を第二押出機にて冷却し、樹脂温度を表3に示す温度に調整した後、口径180mm厚み0.45mmの円環状のスリットより吐出量300kg/hrで円筒状に押出して発泡させ、この円筒状の発泡体を口径670mmの冷却筒に沿わせて引き取り、冷却筒後部に取り付けた2枚のカッターで円筒状発泡体を切開して上下2枚の発泡シートを得た。なお、表1に示す表層密度となるようにスリットから出た直後の円筒状発泡体の内および外に表3に示す風量で25℃のエアーを吹き付けて発泡体表面を冷却した。
(飽和炭化水素の含有量)
発泡シートの飽和炭化水素の含有量は、次のようにして測定した。発泡シートの熱成形性評価を行う直前に、発泡シートから切り出したサンプルをトルエンの入った蓋付きの試料ビンの中に入れ、内部標準としてシクロペンタンを加え、蓋を閉めた後十分に攪拌して発泡シート中の飽和炭化水素をトルエンに溶解させ、ガスクロマトグラフ分析を行なった。ガスクロマトグラフ分析により得られたガスクロマトグラムのピーク面積から下記(2)式を用いて試料中における飽和炭化水素の濃度を計算して、発泡シート中の飽和炭化水素の含有量を求めた。
xi=(Fi×Ai×Ws×100)÷(As×Wsm)……(2)
xi:試料中における各飽和炭化水素の重量%濃度
Fi:補正係数
As:標準物質のピーク面積
Ai:各飽和炭化水素のピーク面積
Ws:標準物質の重量
Wsm:試料重量
なお、測定装置として(株)島津製作所製GC−14Bを用い、ガスクロマトグラフ分析の測定条件は以下のとおりとした。
カラム:
製造者:信和化工株式会社
担体:Chromosorb W、メッシュ60〜80、AW−DMCS処理品
液相:Silicone DC550(液相量20%)
カラム寸法:カラム長さ4.1m、カラム内径3.2mm
カラム素材:ガラス
充填カラム空焼条件:220℃、40時間
カラム温度:40℃
注入口温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
キャリヤーガス速度:3.5ml/min
検出器:FID
JIS K7222:2005に基づき測定した(n=5)。
発泡シートの表面から200μmの部分を幅5mm×長さ20mmの大きさに切り出すことにより、試験片を作製した。試験片の重量を測定し、試験片の重量を試験片の体積(幅×長さ×厚み)で割算し、単位換算して表層密度を求めた。この測定を発泡シートの無作為に選択した5箇所に対して行い、それらの測定値の算術平均値(n=5)を発泡シートの表層密度とした。
発泡シートを幅方向に10等分し、それらの幅方向中央位置において、押出方向に垂直方向の断面を顕微鏡で撮影した。各々の断面写真についてシートの厚さ方向に一方の表面から他方の表面まで線分lを引き、線分lと交わる全ての気泡の数nを数えた。このようにして得られたnと線分lの長さtとから各断面写真について気泡径(t/n)を計算し、10箇所の(t/n)の算術平均値を発泡シートの厚み方向の平均気泡径とした。
発泡シートの無作為に選択した5箇所から、縦、横のそれぞれの辺が、発泡シートの押出方向(MD)、幅方向(TD)と一致するようにして一辺260mmの正方形の測定用サンプルを切り出した(5片)。各サンプルについて、その中央部150mm×150mmの領域から無作為に選択した5点の厚みを測定し、その算術平均値を加熱前の発泡シートの厚みとした。
次に、中央部に縦200mm、横200mmの正方形状の貫通孔が設けられた木製枠材を2枚用いて、各サンプルの四辺を両側から挟み込んで固定した。木製枠にて固定された発泡シートサンプルを、145℃に温度調節された空気循環式オーブン(タバイエスペック株式会社製 品番PERFECT OVEN PH−200)内に入れて27秒間加熱した後、オーブンから23℃の環境下に取り出し、放置して冷却した。
そして、冷却後の発泡シートサンプルについて、前記加熱前の厚みの測定と同じ箇所の厚みを測定して加熱後(二次発泡後)の発泡シート厚みを求め、(加熱後の発泡シート厚み)/(加熱前の発泡シート厚み)を計算することにより、各試験片における二次発泡倍率を求めた。この測定を各サンプルに対して行い、それらの算術平均値を発泡シートの二次発泡倍率とした。
深さの異なる下記の3種類のカップ成形用金型を用いてマッチドモールド真空成形(下ヒーター温度:320℃、上ヒーター温度:340℃、加熱時間10秒)により発泡シートを熱成形し、次の基準により発泡シートの熱成形性を評価した。なお、成形装置として浅野研究所製FKS−0631−10成形機を用いた。
金型1:開口部直径120mm、底部直径80mm、深さ35mmのカップ形
金型2:開口部直径120mm、底部直径90mm、深さ26mmのカップ形状
金型3:開口部直径120mm、底部直径100mm、深さ17mmのカップ形状
(評価基準)
○:金型1〜3の全てにおいて良好な成形体が得られた。
△:金型2及び3においては良好な成形体が得られたが、金型1においては伸びムラが発生し良好な成形体が得られなかった。
×:金型3においては良好な成形体が得られたが、金型1及び2においては伸びムラが発生し良好な成形体が得られなかった。
Claims (5)
- 厚み0.5〜3mm、見掛け全体密度0.05〜0.3g/cm3、連続気泡率70%以上の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シートにおいて、
該発泡シートは、カルシウム無機塩からなる気泡膜開孔剤を2〜7重量%含むと共に、炭素数3〜6の飽和炭化水素化合物を1〜3重量%含み、
該発泡シートの見掛け全体密度に対する表面から厚み方向に200μmまでの表層部の見掛け密度の比が1.5〜3.0であり、
該発泡シートを145℃で27秒間加熱し、23℃まで冷却した際の発泡シートの二次発泡倍率が1.4倍以上であることを特徴とする熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シート。
- 前記発泡シートを構成する基材樹脂が汎用ポリスチレン(GPPS)であり、該汎用ポリスチレン(GPPS)の200℃における溶融張力が200mN以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シート。
- 前記気泡膜開孔剤が平均粒子径1〜6μmの炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シート。
- 前記発泡シートの厚み方向の平均気泡径が30〜200μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱成形用ポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形してなるポリスチレン系樹脂発泡成形体。
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