JP2016216636A - 導電性組成物、及び導電性構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性と所期の硬度とを有すると共に、比較的低温でコーティング膜や薄膜等の形成が可能な導電性組成物、及び導電性構造体を提供する。
【解決手段】導電性組成物は、対象物に塗膜を形成可能な低粘度の導電性組成物であって、少なくとも1つの架橋性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物と、導電性フィラーとを含有する。
【選択図】図2
【解決手段】導電性組成物は、対象物に塗膜を形成可能な低粘度の導電性組成物であって、少なくとも1つの架橋性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物と、導電性フィラーとを含有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、導電性組成物、及び導電性構造体に関する。特に、本発明は、屈曲性と所定の硬度とを両立できる低粘度の導電性組成物、及び導電性構造体に関する。
従来、銀微粒子と、銀レジネートと、バインダ樹脂と、溶剤とを含有する導電性組成物であって、銀微粒子に対する銀レジネートの割合が0.2〜1.6wt%である導電性組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の導電性組成物によれば、低い温度で熱処理した場合でも低い抵抗率の導電膜を得ることができる。
しかし、特許文献1に記載されている導電性組成物は、印刷やインクジェット等への適用は困難であるだけでなく、当該導電性組成物から得られる薄膜の屈曲性、及び硬度について認識されていない。また、特許文献1に記載されている導電性組成物は、薄膜の形成には高温での熱処理を要する。
したがって、本発明の目的は、柔軟性と所期の硬度とを有すると共に、比較的低温でコーティング膜や薄膜等の形成が可能な導電性組成物、及び導電性構造体を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、対象物に塗膜を形成可能な低粘度の導電性組成物であって、少なくとも1つの架橋性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物と、導電性フィラーとを含有する導電性組成物が提供される。
また、上記導電性組成物において、有機ケイ素化合物が、ポリスチレン換算において100以上1000以下の数平均分子量を有することもできる。
また、上記導電性組成物において、有機ケイ素化合物が、反応性が互いに異なる複数の官能基を有するシラン化合物モノマーであるか、若しくはシラン化合物オリゴマーであってよい。
また、上記導電性組成物において、導電性フィラーが、銀を含んで構成されてもよい。
また、上記導電性組成物において、23℃における粘度が10000mPa・s以下であってもよい。
また、本発明は上記目的を達成するため、上記のいずれか1つに記載の導電性組成物を硬化して得られる導電性構造体が提供される。
また、上記導電性構造体が、短冊状を呈し、50μmの厚さを有する導電性構造体を直径12mmの金属棒に巻付け、導電性構造体の両端に250gの重りを吊り下げた後、金属棒を前後に100回、回転させた場合に導電性構造体に破損が生じない屈曲耐性を有することもできる。
また、上記導電性構造体が、JIS規格における鉛筆硬度がB以上の硬さを有することもできる。
本発明に係る導電性組成物、及び導電性構造体によれば、柔軟性と所期の硬度とを有すると共に、比較的低温でコーティング膜や薄膜等の形成が可能な導電性組成物、及び導電性構造体を提供できる。
[導電性組成物の概要]
本実施の形態に係る導電性組成物は、電気導電性を要する部材に用いられる。例えば、この導電性組成物を硬化して得られる導電性構造体は、プリント基板やフレキシブル基板等の配線として用いることができる。本実施の形態に係る導電性組成物は、対象物に塗布して硬化させることで薄膜や所定形状のパターンを形成可能な低粘度の導電性組成物であるので、例えば、インクジェット、スプレー、印刷等の手法を用いて導電性組成物を対象物に塗布した後に、この導電性組成物を室温で硬化させることで薄膜状の導電性構造体を形成できる。更に、本実施の形態に係る導電性構造体は、屈曲させても実質的に破損しない屈曲性と、外部からの衝撃に対して実質的に傷が生じない硬度とを兼ね備える。したがって、例えば、有機ELディスプレイや電子ペーパー等の折り曲げが想定される電子デバイスの配線に本実施の形態に係る導電性組成物を適用することができる。
本実施の形態に係る導電性組成物は、電気導電性を要する部材に用いられる。例えば、この導電性組成物を硬化して得られる導電性構造体は、プリント基板やフレキシブル基板等の配線として用いることができる。本実施の形態に係る導電性組成物は、対象物に塗布して硬化させることで薄膜や所定形状のパターンを形成可能な低粘度の導電性組成物であるので、例えば、インクジェット、スプレー、印刷等の手法を用いて導電性組成物を対象物に塗布した後に、この導電性組成物を室温で硬化させることで薄膜状の導電性構造体を形成できる。更に、本実施の形態に係る導電性構造体は、屈曲させても実質的に破損しない屈曲性と、外部からの衝撃に対して実質的に傷が生じない硬度とを兼ね備える。したがって、例えば、有機ELディスプレイや電子ペーパー等の折り曲げが想定される電子デバイスの配線に本実施の形態に係る導電性組成物を適用することができる。
[導電性組成物の詳細]
本実施の形態に係る導電性組成物は、対象物に塗膜を形成可能な低粘度の導電性組成物であって、主鎖骨格が少なくとも1つの架橋性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物と、導電性フィラーとを含有する。
本実施の形態に係る導電性組成物は、対象物に塗膜を形成可能な低粘度の導電性組成物であって、主鎖骨格が少なくとも1つの架橋性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物と、導電性フィラーとを含有する。
(有機ケイ素化合物)
本実施の形態に係る有機ケイ素化合物として、反応性が互いに異なる複数の官能基を有するシラン化合物のモノマー、若しくはシラン化合物のオリゴマーが挙げられる。ここで、シラン化合物のオリゴマーは、同種若しくは異種のシラン化合物のモノマーが付加反応することで得られる化合物である。シラン化合物のオリゴマーとしては、反応性が互いに異なる複数の官能基を有するオリゴマー、又は実質的に反応性が互いに異ならない官能基を有するオリゴマーが挙げられる。シラン化合物のオリゴマーを用いる場合、導電性組成物の調製時に、同種若しくは異種のシラン化合物のモノマーをそれぞれ別々に他の原料に混合させるか、又は、同種若しくは異種のシラン化合物のモノマーを予め常温下又は加熱下で反応させて得られるオリゴマーを導電性組成物の調製時に添加することが好ましい。シラン化合物は、有機材料と化学結合する官能基(例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等)と無機材料と化学結合する官能基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)とを有する。
本実施の形態に係る有機ケイ素化合物として、反応性が互いに異なる複数の官能基を有するシラン化合物のモノマー、若しくはシラン化合物のオリゴマーが挙げられる。ここで、シラン化合物のオリゴマーは、同種若しくは異種のシラン化合物のモノマーが付加反応することで得られる化合物である。シラン化合物のオリゴマーとしては、反応性が互いに異なる複数の官能基を有するオリゴマー、又は実質的に反応性が互いに異ならない官能基を有するオリゴマーが挙げられる。シラン化合物のオリゴマーを用いる場合、導電性組成物の調製時に、同種若しくは異種のシラン化合物のモノマーをそれぞれ別々に他の原料に混合させるか、又は、同種若しくは異種のシラン化合物のモノマーを予め常温下又は加熱下で反応させて得られるオリゴマーを導電性組成物の調製時に添加することが好ましい。シラン化合物は、有機材料と化学結合する官能基(例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等)と無機材料と化学結合する官能基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)とを有する。
具体的に、シラン化合物としては、一般式ASiB3で表される化合物が挙げられる。ここで、Aはビニル基、エポキシ基等の有機材料と化学結合する官能基であり、Bはアルコキシ基、ハロゲン等の加水分解性の基で無機材料と化学結合する官能基である。また、シラン化合物のモノマーとしては、Aが、アミノ基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、若しくはイソシアネート基であることが好ましい。
例えば、シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等を用いることができる。
本実施の形態に係る有機ケイ素化合物が有する架橋性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有する基であって、架橋性ケイ素基の水酸基又は加水分解性基が他の架橋性ケイ素基の水酸基又は加水分解性基との間でシロキサン結合を形成することで架橋し得る基である。シロキサン結合を形成した状態は、例えば、下記の一般式(1)で表される。なお、本実施の形態において、有機ケイ素化合物は、得られる導電性組成物の粘度を所定の範囲内に制御することを目的として、一のシラン化合物に他のシラン化合物を付加させた化合物を用いることもできる。
一般式(1)において、R1は、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数3以上20以下のシクロアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、炭素数7以上20以下のアラルキル基、又はR1 3SiO−(R1は前記と同じ)で示されるトリオルガノシロキシ基を示す。R1が2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。Xは水酸基、又は加水分解性基を示す。Xが2個以上存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。ここで、0≦a≦3、0≦b≦2、及び0≦n≦19(ただし、a、b、及びnは整数)を満たす。ただし、a+(bの和)≧1を満足するものとする。また、一般式(1)を構成するn個の下記一般式(2)の部分のそれぞれにおいて、bは同一でなくてもよい。
有機ケイ素化合物が有する加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1個以上3個以下の範囲で結合でき、a+(bの和)は1以上5以下の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性ケイ素基中に2個以上結合する場合は、それらは互い同一でも異なっていてもよい。また、架橋性ケイ素基を構成するケイ素原子は、有機ケイ素化合物がモノマー若しくはオリゴマーである限り、1個でも2個以上でもよい。
架橋性ケイ素基としては、下記一般式(3)で表される架橋性ケイ素基が、入手の容易性の観点から好ましい。
一般式(3)において、R1、X、aは一般式(1)と同じである。ここで、R1としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、若しくはR1 3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。
また、Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、公知の加水分解性基が挙げられる。具体的に加水分解性基としては、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。一例として、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からは、アルコキシ基を用いることが好ましい。アルコキシ基においては炭素数が少ない基の方が反応性は高くなるので、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基の順のように炭素数が多くなる順で反応性が低下する。したがって、本実施の形態に係る導電性組成物の使用目的、及び/又は使用用途に応じて適切な加水分解性基を選択する。
更に、一般式(3)で示される架橋性ケイ素基において、導電性組成物の硬化性を向上させる観点からは、aは2以上であることが好ましく、aが3であることがより好ましい。
架橋性ケイ素基の具体的な構造としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、−Si(OR)3、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基、−SiR1(OR)2等が挙げられる。ここでRはメチル基やエチル基のようなアルキル基である。また、架橋性ケイ素基は1種のみ用いることも2種以上併用することもできる。架橋性ケイ素基は、主鎖若しくは側鎖のいずれかに存在するか、又は主鎖及び側鎖の双方に存在する。そして、架橋性ケイ素基を構成するケイ素原子は1個以上である。
架橋性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物は、直鎖状であるか、又は分岐を有することができる。本実施の形態に係る有機ケイ素化合物の数平均分子量は、導電性組成物の粘度を塗布やスプレー等に適した粘度にすることを目的として、ゲル浸透クロマトグラフィー
(Gel Permeation Chromatography:GPC)におけるポリスチレン換算において100以上1000以下程度、好ましくは200以上500に調整される。
(Gel Permeation Chromatography:GPC)におけるポリスチレン換算において100以上1000以下程度、好ましくは200以上500に調整される。
有機ケイ素化合物中に含有される架橋性ケイ素基の数は特に制限はないが、屈曲耐性に優れると共に所期の鉛筆硬度を有する導電性組成物を得ることを目的として、有機ケイ素化合物1分子中に平均して少なくとも1個、好ましくは1.1以上5個以下存在することが好ましい。導電性組成物の硬化性を確保することを目的として、有機ケイ素化合物中に含まれる架橋性ケイ素基の数は、平均して1個以上であることが好ましい。
なお、架橋性ケイ素基は、有機ケイ素化合物鎖の主鎖の末端、若しくは側鎖の末端のいずれに存在していてもよい。また、架橋性ケイ素基は、有機ケイ素化合物鎖の主鎖の末端及び側鎖の末端の双方に存在していてもよい。
(導電性フィラー)
導電性フィラーとしては、炭素粒子、又は銀、銅、ニッケル、金、スズ、亜鉛、白金、パラジウム、鉄、タングステン、モルブデン、はんだ等の金属粒子若しくは合金粒子、又はこれらの粒子表面を金属等の導電性コーティングで覆って調製した粒子等の導電性粒子を用いることができる。また、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、若しくはベンゾグアナミン樹脂から構成される非導電性粒子であるポリマー粒子、又はガラスビーズ、シリカ、黒鉛、若しくはセラミックから構成される無機粒子の表面に金属等の導電性コーティングを施して得られる導電性粒子を用いることもできる。本実施の形態においては、銀を含んで構成した導電性フィラーを用いることが好ましい。
導電性フィラーとしては、炭素粒子、又は銀、銅、ニッケル、金、スズ、亜鉛、白金、パラジウム、鉄、タングステン、モルブデン、はんだ等の金属粒子若しくは合金粒子、又はこれらの粒子表面を金属等の導電性コーティングで覆って調製した粒子等の導電性粒子を用いることができる。また、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、若しくはベンゾグアナミン樹脂から構成される非導電性粒子であるポリマー粒子、又はガラスビーズ、シリカ、黒鉛、若しくはセラミックから構成される無機粒子の表面に金属等の導電性コーティングを施して得られる導電性粒子を用いることもできる。本実施の形態においては、銀を含んで構成した導電性フィラーを用いることが好ましい。
導電性フィラーの形状としては、種々の形状(例えば、球形状、楕円、円筒形、フレーク、平板、又は粒塊等)を採用できる。導電性フィラーは、やや粗いか、又はぎざぎざの表面を有することもできる。導電性フィラーの粒子形状、大きさ、及び/又は硬度を組み合わせて本実施形態に係る導電性組成物で用いることができる。また、形成される導電性構造体の導電性をより向上させることを目的として、導電性フィラーの粒子形状、大きさ、及び/又は硬度が互いに異なる複数の導電性フィラーを組み合わせることもできる。なお、組み合わせる導電性フィラーは2種類に限られず、3種類以上であってもよい。本実施の形態においては、銀製であってフレーク状の導電性フィラーを用いること、若しくは銀製であってフレーク状の導電性フィラーを他の導電性フィラーと併用することが好ましい。
ここで、本実施の形態においてフレーク状とは、扁平状、薄片状、若しくは鱗片状等の形状を含み、球状や塊状等の立体形状の銀粉を一方向に押し潰した形状を含む。また、粒状とは、フレーク状を有さない全ての導電性フィラーの形状を意味する。例えば、粒状としては、ブドウの房状に粉体が凝集した形状、球状、略球状、塊状、樹枝状、またこれらの形状を有する銀粉の混合物等が挙げられる。
なお、導電性フィラーの大きさは、製造する導電性構造体の大きさ以下であること、又は導電性構造体の内部における導電性フィラーの配置により、導電性構造体の内部に導電性フィラーが収まる形状及び大きさであることが好ましい(一例として、導電性構造体が薄膜状であり、導電性フィラーがフレーク状の場合、導電性フィラーのサイズが薄膜の膜厚に対応するサイズ以下であることが好ましい。)。
また、導電性フィラーとして銀を用いる場合、この導電性フィラーは公知の方法により製造できる。例えば、フレーク状の銀粉を導電性フィラーとして用いる場合、球状銀粉、及び/又は塊状銀粉等の銀粉をジェットミル、ロールミル若しくはボールミル等の装置を用いて機械的に粉砕等することで製造できる。また、粒状の銀粉を導電性フィラーとして用いる場合、電解法、粉砕法、熱処理法、アトマイズ法、又は還元法等により製造できる。
また、導電性フィラーは、導電性構造体の体積抵抗率を所定の抵抗率に制御することを目的として、有機ケイ素化合物1質量部に対し、1質量部以上10質量部以下、好ましくは3質量部以上7質量部以下、より好ましくは4質量部以上5質量部以下混合される。
(シリカ)
本実施の形態に係る導電性組成物は、有機ケイ素化合物、及び導電性フィラーに加え、導電性組成物の導電性の安定性を向上させるシリカを更に含有できる。
本実施の形態に係る導電性組成物は、有機ケイ素化合物、及び導電性フィラーに加え、導電性組成物の導電性の安定性を向上させるシリカを更に含有できる。
具体的に、導電性組成物は、所定の表面処理剤により疎水化処理された疎水性シリカ、及び親水性シリカからなる群から選択される1種以上のシリカを更に含有してもよい。シリカは、導電性構造体を薄膜状に形成することや微小サイズの形状に形成することを考慮した場合、シリカ微粉末が好ましい。この場合、シリカ微粉末は、7nm以上16nm以下の平均粒径を有することが好ましく、7nm以上14nm以下の平均粒径を有することがより好ましい。
親水性シリカとしては、様々な親水性シリカを用いることができる。親水性シリカとしては、表面にシラノール基(Si−OH基)を有するヒュームドシリカが好ましい。親水性シリカを用いることにより、導電性組成物の粘度を上昇させずにフロー性を確保しながらブリードを防止できる。フロー性を有する導電性組成物は、フロー性を要求される用途、例えば、基板へスクリーン印刷方式で塗布し、50μm程度の薄膜でパターン形成する用途等に用いられる。
疎水性シリカとしては、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、(メタ)アクリルシラン、オクチルシラン(例えば、トリメトキシオクチルシラン等)、及びアミノシランからなる群から選択される1種以上の表面処理剤により疎水化処理された疎水性シリカが用いられる。導電性組成物に所定の表面処理剤で疎水化処理を施した疎水性シリカを添加することで、導電性組成物の吐出性、及び/又は導電性組成物により形成された形状を保持しながらブリードを防止できる。形状保持性を有する導電性組成物は、形状保持性を要求される用途、例えば、基板へスクリーン印刷方式で塗布し、所定のパターンを形成する場合において、100μm以上の膜厚が要求される場合等に適している。
表面処理剤によるシリカ表面の疎水化処理方法には様々な方法を選択できる。例えば、未処理のシリカに所定の表面処理剤を噴霧する方法、又は未処理のシリカと気化させた表面処理剤とを混合して加熱処理する方法等が挙げられる。なお、この疎水化処理は窒素雰囲気下の乾式で実行することが好ましい。
導電性組成物における親水性シリカ、及び/又は疎水性シリカの導電性組成物に対する配合割合に特に制限はない。例えば、有機ケイ素化合物1質量部に対して3質量部以上20質量部以下添加することが好ましく、5質量部以上10質量部以下添加することがより好ましい。なお、導電性組成物には、1種類のシリカのみ添加することも、2種以上のシリカを添加することもできる。
(アミン化合物)
本実施の形態に係る導電性組成物は、一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物や、水と反応して当該アミン化合物を生成する化合物を更に含むことができる。この場合、導電性組成物の対象物に対する接着性を向上させることができる。アミン化合物の製造方法は特に限定されず、公知の製法を採用できる。
本実施の形態に係る導電性組成物は、一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物や、水と反応して当該アミン化合物を生成する化合物を更に含むことができる。この場合、導電性組成物の対象物に対する接着性を向上させることができる。アミン化合物の製造方法は特に限定されず、公知の製法を採用できる。
一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物としては、例えば、一般式(4)で示される化合物が挙げられる。
一般式(4)において、0≦n≦2(ただし、nは整数)を満たし、nは0又は1が好ましい。また、R2及びR3は、互いに同一、若しくは異なる官能基であってよい。例えば、R2及びR3はそれぞれ、炭素数が1個以上4個以下の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基等が好ましく、特にアルキル基が好ましい。R4は炭素数が1個以上10個以下の炭化水素基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、アルキレンアリーレン基等が好ましく、特にアルキレン基が好ましい。Zは、水素原子、又は炭素数が1個以上4個以下のアミノアルキル基である。
一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物としては、一例として、下記式(5)〜(12)で示される化合物や、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類等を挙げることができる。これらの中では、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が、導電性組成物の接着性を向上させる観点から特に好ましい。
水と反応して一般式(4)で示されるアミン化合物を生成する化合物としては、具体的には、原料入手の容易性、貯蔵安定性の良好性、水との反応性等の観点から、一分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物のケチミン化合物、エナミン化合物、及び/又はアルジミン化合物等が挙げられる。ケチミン化合物、エナミン化合物及びアルジミン化合物はそれぞれ、一分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有する一般式(4)で示されるアミン化合物とカルボニル化合物との脱水反応により製造できる。
このようなカルボニル化合物としては、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−アミルアルデヒド、イソヘキシルアルデヒド、ジエチルアセトアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等のアルデヒド類;シクロペンタノン、トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、トリメチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類;アセトフェノン、ベンゾフェノン、プロピオフェノン等の芳香族ケトン;アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸メチルエチル、ジベンゾイルメタン等の下記一般式(13)で示されるβ−ジカルボニル化合物等が挙げられる。これらのうち、メチルイソブチルケトン、ジプロピルケトン、フェニルアセトアルデヒド、及び/又は活性メチレン基を有するβ−ジカルボニル化合物がより好ましい。
一般式(13)において、R5及びR6は、互いに同一、若しくは異なる官能基であってよい。例えば、R5及びR6はそれぞれ、炭素数が1個以上16個以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ヘキサデシル基等)、炭素数が6個以上12個以下のアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、ヘキシル基、ナフチル基等)、又は炭素数が1個以上4個以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロキシ基、プトキシ基等)である。
上述した水と反応することにより一般式(4)で示されるアミン化合物を生成する化合物としては特に限定されない。例えば、本実施の形態においては、一般式(4)で示されるアミン化合物を生成する化合物として、モノマー純度が50%以上95%以下、好ましくは70%以上95%以下、更に好ましくは80%以上95%以下で、かつ、アミノ基封鎖率が90%以上、好ましくは95%以上の化合物を用いることが好ましい。なお、かかる化合物は、公知の製法により製造できる。
一般式(4)で示されるアミン化合物、及び一般式(4)で示されるアミン化合物を生成する化合物の配合割合に特に制限はない。本実施の形態では、有機ケイ素化合物100質量部に対してこれらのアミン化合物を1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。なお、一般式(4)で示されるアミン化合物、及び一般式(4)で示されるアミン化合物は、導電性組成物に1種類のみ添加することも、2種以上添加することもできる。
(その他の添加材)
本実施の形態に係る導電性組成物は、導電性組成物の粘度及び/又は物性を調整することを目的として、硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着付与剤、安定剤、着色剤、物性調整剤、揺変剤、脱水剤(保存安定性改良剤)、粘着付与剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、ラジカル重合開始剤等の物質や、トルエンやアルコール等の各種溶剤を配合することもできる。
本実施の形態に係る導電性組成物は、導電性組成物の粘度及び/又は物性を調整することを目的として、硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着付与剤、安定剤、着色剤、物性調整剤、揺変剤、脱水剤(保存安定性改良剤)、粘着付与剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、ラジカル重合開始剤等の物質や、トルエンやアルコール等の各種溶剤を配合することもできる。
硬化触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の有機錫化合物;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、又はこれらとカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;r−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤等のシラノール複合触媒等が挙げられる。これらの触媒は、1種類のみ添加することも、2種以上添加することもできる。
充填剤としては、フュームシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、及びカーボンブラック等の補強性充填剤;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂や塩化ビニリデン樹脂の有機ミクロバルーン、PVC粉末、PMMA粉末等の樹脂粉末等の充填剤;石綿、ガラス繊維、及びフィラメント等の繊維状充填剤等が挙げられる。
充填剤を導電性組成物に添加する場合、充填剤の添加量は、有機ケイ素化合物100質量部に対して1質量部以上250質量部以下、好ましくは10質量部以上200質量部以下である。充填剤は1種類のみ添加することも、2種類以上添加することもできる。
充填剤は、例えば、酸化カルシウム等の脱水剤と均一に混合した後、気密性素材で構成された袋に封入し、所定の時間放置することにより予め脱水乾燥できる。脱水乾燥した充填剤を導電性組成物に添加することにより、一例として導電性組成物を一液型組成物とする場合、貯蔵安定性を向上できる。
また、導電性組成物に充填剤を添加することで導電性組成物から構成される導電性構造体の強度をより向上させる場合、主としてヒュームシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、及びカーボンブラック、表面処理を施した微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、並びに活性亜鉛華等から選択される充填剤を用いることが好ましい。この場合、架橋性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物100質量部に対し、1質量部以上200質量部以下の範囲で充填剤を添加することが好ましい。
また、破断伸びが大きな導電性構造体を製造する場合、主として酸化チタン、重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛、及びシラスバルーン等から選択される充填剤を、架橋性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物100質量部に対して5質量部以上200質量部以下の範囲で添加することが好ましい。なお、一般的に炭酸カルシウムは、比表面積の値が大きいほど硬化物の破断強度、破断伸び、接着性の改善効果が向上する。充填剤として炭酸カルシウムを用いる場合、表面処理を施した微細炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウム等の粒径が大きな炭酸カルシウムとを併用することが好ましい。表面処理を施した微細炭酸カルシウムの粒径は0.5μm以下が好ましく、表面処理は脂肪酸や脂肪酸塩で実行することが好ましい。また、粒径が大きな炭酸カルシウムは1μm以上の粒径を有することが好ましく、表面処理されていないものを用いることもできる。
また、導電性組成物の作業性(キレ等)向上や硬化物表面を艶消し状にすることを目的として、有機バルーン、及び/又は無機バルーンを導電性組成物に添加することができる。これらの充填剤には表面処理を施すこともできる。充填剤は、1種類のみ添加することも、2種以上添加することもできる。1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用することもできる。なお、作業性(キレ等)を向上させる場合、バルーンの粒径は0.1mm以下が好ましい。一方、硬化物表面を艶消し状にする場合、バルーンの粒径は5μm以上300μm以下が好ましい。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油;プロセスオイル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類を用いることができる。
また、可塑剤として、高分子可塑剤を用いることもできる。高分子可塑剤を導電性組成物に添加することで、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を添加した場合に比べて、導電性組成物の初期の物性を長期にわたり維持できる。高分子可塑剤としては、ビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールとから得られるポリエステル系可塑剤;分子量が500以上、更には分子量が1000以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール若しくはこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基等に置換した誘導体等のポリエーテル類;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン等が挙げられる。
これらの高分子可塑剤のうちで、導電性組成物と相溶する化合物を用いることが好ましい。この観点からは、高分子可塑剤としてポリエーテル類やビニル系重合体が好ましい。また、ポリエーテル類を可塑剤として用いる場合、導電性組成物の表面硬化性、及び深部硬化性が改善され、貯蔵後の硬化遅延も起こらないことから好ましく、中でもポリプロピレングリコールがより好ましい。また、相溶性、及び耐候性、耐熱性の観点からはビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でもアクリル系重合体、及び/又はメタクリル系重合体が好ましく、ポリアクリル酸アルキルエステル等のアクリル系重合体が更に好ましい。この重合体の合成法は、分子量分布が狭く、低粘度化できるリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法が更に好ましい。また、アクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、高圧で連続塊状重合させる、いわゆるSGOプロセスによって製造される重合体を用いることもできる。
高分子可塑剤の数平均分子量は、好ましくは500以上15000以下であるが、より好ましくは800以上10000以下であり、更に好ましくは1000以上8000以下、特に好ましくは1000以上5000以下である。高分子可塑剤の数平均分子量として最も好ましくは、1000以上3000以下である。熱等による可塑剤の経時的な流出を抑制することで所期の物性を長期にわたり維持することを目的として、高分子可塑剤の数平均分子量は所定の分子量以上にすることが好ましい。また、高分子可塑剤を用いる場合に、高粘度になることに起因する作業性の低下を抑制することを目的として、高分子可塑剤の数平均分子量は所定の分子量以下にすることが好ましい。なお、高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、分布は狭いことが好ましく、1.80未満が好ましい。当該分子量分布は1.70以下がより好ましく、1.60以下がなお好ましく、1.50以下が更に好ましく、1.40以下が特に好ましく、1.30以下が最も好ましい。ここで、数平均分子量はビニル系重合体の場合はGPC法で、ポリエーテル系重合体の場合は末端基分析法で測定できる。また、分子量分布(Mw/Mn)は、GPC法(ポリスチレン換算)で測定できる。
また、高分子可塑剤は、架橋性ケイ素基を有することは必須ではないが、架橋性ケイ素基を有していてもよい。架橋性ケイ素基を有する場合、反応性可塑剤として作用し、硬化物からの可塑剤の移行を抑制できる。架橋性ケイ素基を有する場合、高分子可塑剤1分子あたり平均して1個以下、更には0.8個以下の架橋性ケイ素基を有することが好ましい。
可塑剤は、導電性組成物に1種類のみ添加することも、2種類以上添加することもできる。また、低分子可塑剤と高分子可塑剤とを併用してもよい。なお、これら可塑剤は、導電性組成物の製造時に導電性組成物を構成する他の原料と共に混合してもよい。可塑剤の添加量は、有機ケイ素化合物の100質量部に対して5質量部以上150質量部以下、好ましくは10質量部以上120質量部以下、更に好ましくは20質量部以上100質量部以下である。可塑剤の添加量は、可塑剤としての効果を発現させることを目的として、有機ケイ素化合物100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、また、導電性組成物から形成される導電性構造体の機械的強度を所定の強度以上にすることを目的として、有機ケイ素化合物100質量部に対して150質量部以下であることが好ましい。
接着付与剤としては、シランカップリング剤等を用いることができる。安定剤としてヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物等を用いることができる。着色剤としては、チタンホワイト、カーボンブラック、又はベンガラ等を用いることができる。
粘着付与剤としては、石油樹脂系、ロジン・ロジンエステル系、アクリル樹脂系、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂やそのフェノール樹脂共重合体、フェノール・フェノールノボラック樹脂系等が挙げられる。粘着付与剤は、導電性組成物の被着体へのぬれ性を向上させることや、はく離強度を高めることができる。
また、本実施の形態に係る導電性組成物の目的が達成される範囲で、作業性の改善、及び/又は導電性組成物の粘度を低下させることを目的として、溶剤、及び/又は希釈剤を配合してもよい。溶剤の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。希釈剤の例としてはノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。
本実施の形態に係る導電性組成物は、必要に応じて1液型とすることもできるし、2液型とすることもできるが、特に1液型として好適に用いることができる。また、本実施の形態に係る導電性組成物は、大気中の湿気により常温で硬化するので、常温湿気硬化型導電性組成物として用いることができる。なお、本実施の形態に係る導電性組成物は、必要に応じて、適宜、加熱により硬化を促進させることもできる。
また、本実施の形態に係る導電性組成物は、低粘度の液状の組成物であるので、塗布やインクジェット等によるスプレー等の作業性に優れている。本実施の形態に係る導電性組成物は、23℃における粘度が10000mPa・s以下の範囲にあることが好ましい。
本実施の形態に係る導電性組成物は、無溶剤でも溶剤系と同様の性能とすることができる。無溶剤とした場合や希釈剤を用いない場合、塗布又は印刷時に揮発成分がないので、粘度が変わらずにすみ、安定性や再現性に優れ、製品にばらつきが発生しないといった効果がある。また、無溶剤とした場合、硬化物の収縮が少なく、大面積でも応力が実質的に発生しないといった効果を奏する。
本実施の形態に係る導電性組成物は、対象物としての基材に塗布又は印刷して硬化させることにより導電性構造体になる。本実施の形態に係る導電性構造体は、高い導電性を有するだけでなく、屈曲性に優れると共に、外部からの衝撃に対して損傷しにくい鉛筆硬度を兼ね備える。そして、導電性構造体は、例えば、半導体素子チップ部品、ディスクリート部品等の電子部品を搭載するプリント基板の配線、及び/又は電子部品に用いられる導電膜として用いることができる。また、本実施の形態に係る導電性組成物は、有機系及び/又は無機系の基材上に、メッシュスクリーン版、ステンシル版、グラビア、オフセット、フレキソ、インクジェット、スプレー、ローラーコーター、ディスペンサー、ディッピング等の手法を用いて、塗布、印刷、若しくは吹き付けることができる。
[導電性構造体の製造]
本実施の形態に係る導電性構造体は、上記において説明した導電性組成物を用いて製造される。まず、本実施の形態に係る低粘度の液状の導電性組成物を準備する(組成物準備工程)。すなわち、所定量の有機ケイ素化合物、所定量の導電性フィラー、及び/又はその他の所定量の添加剤を秤量し、減圧下、常温で混合することで低粘度である液状の導電性組成物を準備する。
本実施の形態に係る導電性構造体は、上記において説明した導電性組成物を用いて製造される。まず、本実施の形態に係る低粘度の液状の導電性組成物を準備する(組成物準備工程)。すなわち、所定量の有機ケイ素化合物、所定量の導電性フィラー、及び/又はその他の所定量の添加剤を秤量し、減圧下、常温で混合することで低粘度である液状の導電性組成物を準備する。
次に、準備した導電性組成物を対象物の予め定められた領域に塗布する(塗布工程)。なお、対象物の表面には、インクジェット、スプレー、印刷等の手法を用いて導電性組成物を塗布する。そして、対象物に塗布した導電性組成物を、常温で硬化させる(硬化工程)。硬化工程においては、硬化速度を促進させることを目的として、導電性組成物を加熱することもできる。これにより、所望の形状を有する本実施の形態に係る導電性構造体が形成される。なお、導電性構造体の形状は、薄膜状、又は薄膜よりも厚い平板状(シート状)等にすることができ、塗布工程において予め定められたマスクパターンを形成することにより、所望のパターンの導電性構造体を対象物上に形成することができる。
一例として、本実施の形態に係る導電性構造体は、ウェアラブルコンピュータやウェアラブルで屈曲性を有する腕時計、及び/又は電子ペーパーや有機ELディスプレイ等の屈曲性が要求される電子デバイスを構成する屈曲性を有する基板の配線に応用できる。
また、本実施の形態に係る導電性構造体は、RFIDタグやICカード等近距離通信非接触デバイスや、スマートフォンのアンテナ形成等の配線形成や、導電性塗料、導電性コーティング剤として応用することができる。
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る導電性組成物は、シラン化合物のモノマー若しくはシラン化合物のオリゴマーに導電性フィラーを混合させているので、塗布やスプレー用途に適した低粘度の導電性組成物を提供できる。したがって、本実施の形態に係る導電性組成物によれば、対象物に導電性組成物を塗布等した後に硬化させることで、高い導電性を有する薄膜や高い導電性を有する配線パターンを容易に形成することができる。更に、本実施の形態に係る導電性組成物を硬化させて得られる導電性構造体は、屈曲耐性に優れ、かつ、所期の鉛筆硬度を有するので、折り曲げが想定される配線等の用途に適している。
本実施の形態に係る導電性組成物は、シラン化合物のモノマー若しくはシラン化合物のオリゴマーに導電性フィラーを混合させているので、塗布やスプレー用途に適した低粘度の導電性組成物を提供できる。したがって、本実施の形態に係る導電性組成物によれば、対象物に導電性組成物を塗布等した後に硬化させることで、高い導電性を有する薄膜や高い導電性を有する配線パターンを容易に形成することができる。更に、本実施の形態に係る導電性組成物を硬化させて得られる導電性構造体は、屈曲耐性に優れ、かつ、所期の鉛筆硬度を有するので、折り曲げが想定される配線等の用途に適している。
[実施例]
以下、本実施の形態に係る導電性組成物、及び導電性構造体について、実施例を用いて説明する。
以下、本実施の形態に係る導電性組成物、及び導電性構造体について、実施例を用いて説明する。
(合成例1:シラン化合物1)
まず、2種類のシラン化合物を互いに反応させることで、有機ケイ素化合物としてのシラン化合物1を合成した。具体的に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学工業(株)製)1モルと、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM603、信越化学工業(株)製)1モルとを秤量した。そして、1モルの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、1モルのN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとを混合し、80℃で3日間加熱することでマイケル付加反応を進行させた。これにより、有機ケイ素化合物としてのシラン化合物1を得た。シラン化合物1の分子量は458.7g/molである。なお、シラン化合物1は単量体である。
まず、2種類のシラン化合物を互いに反応させることで、有機ケイ素化合物としてのシラン化合物1を合成した。具体的に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学工業(株)製)1モルと、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM603、信越化学工業(株)製)1モルとを秤量した。そして、1モルの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、1モルのN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとを混合し、80℃で3日間加熱することでマイケル付加反応を進行させた。これにより、有機ケイ素化合物としてのシラン化合物1を得た。シラン化合物1の分子量は458.7g/molである。なお、シラン化合物1は単量体である。
(合成例2:シラン化合物2)
また、2種類のシラン化合物を互いに反応させることで、有機ケイ素化合物としてのシラン化合物2を合成した。具体的に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM503、信越化学工業(株)製)1モルと、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM603、信越化学工業(株)製)1モルとを秤量した。そして、1モルの3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランと、1モルのN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとを混合し、80℃で3日間加熱することでマイケル付加反応を進行させた。これにより、有機ケイ素化合物としてのシラン化合物2を得た。シラン化合物2の分子量は470.7g/molである。なお、シラン化合物2は単量体である。
また、2種類のシラン化合物を互いに反応させることで、有機ケイ素化合物としてのシラン化合物2を合成した。具体的に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM503、信越化学工業(株)製)1モルと、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM603、信越化学工業(株)製)1モルとを秤量した。そして、1モルの3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランと、1モルのN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとを混合し、80℃で3日間加熱することでマイケル付加反応を進行させた。これにより、有機ケイ素化合物としてのシラン化合物2を得た。シラン化合物2の分子量は470.7g/molである。なお、シラン化合物2は単量体である。
(実施例1)
実施例1に係る導電性組成物は、以下のようにして製造した。まず、有機ケイ素化合物として100質量部のシラン化合物1と、導電性フィラーとして500質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−B、福田金属箔粉工業株式会社製)と、硬化触媒として1質量部の錫触媒(ネオスタン U−830、日東化成株式会社製)とをそれぞれ秤量した。そして、秤量した各原料を減圧下、常温で混合することにより、実施例1に係る導電性組成物を製造した。なお、減圧下の圧力は、20mPa程度である。
実施例1に係る導電性組成物は、以下のようにして製造した。まず、有機ケイ素化合物として100質量部のシラン化合物1と、導電性フィラーとして500質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−B、福田金属箔粉工業株式会社製)と、硬化触媒として1質量部の錫触媒(ネオスタン U−830、日東化成株式会社製)とをそれぞれ秤量した。そして、秤量した各原料を減圧下、常温で混合することにより、実施例1に係る導電性組成物を製造した。なお、減圧下の圧力は、20mPa程度である。
続いて、実施例1に係る導電性組成物を、ソーダガラス基板上にグラビアオフセット印刷した。具体的に、まず、ソーダライムガラス製の平板状の基板の表面に、幅50μm、深さ10μmの直線を50μmのピッチで多数ストライプ状に形成した凹版を準備した。また、最表面に、JISタイプAデュロメーター硬さが40°のシリコーンゴム層を形成したシリコーンブランケットロールを準備した。そして、実施例1に係る導電性組成物を、凹版及び転写体としてのシリコーンブランケットロールを用いた凹版オフセット印刷法により、被印刷物としてのソーダガラス基板上に印刷した。次に、実施例1に係る導電性組成物による印刷パターンが形成されたソーダガラス基板を乾燥させた。そして、このソーダガラス基板を乾燥炉において焼成した。焼成条件は、120℃、60分間保持するという条件である。これにより、実施例1に係る導電性構造体としての配線パターンをソーダガラス基板上に形成した。そして、ソーダガラス基板上の導電性構造体を観察し、印刷性を評価した。
また、実施例1に係る導電性組成物を、マスキングテープを両端部に貼ったガラス基板上に厚さ100μmとなるようにスキージを用いて塗布した。そして、ガラス基板上に塗布された導電性組成物を23℃、50%RHの条件で30分間養生した後、乾燥炉において焼成した。焼成条件は、120℃、60分間保持するという条件である。これにより、ガラス基板上に実施例1に係る導電性構造体が得られた。この導電性構造体を目視により観察することで、硬化被膜の割れの有無を評価した。更に、この導電性構造体の体積抵抗率を、三菱化学株式会社製ロレスター(MCP−T360)を用い、4端針法により測定した。また、実施例1に係る導電性構造体の鉛筆硬度を、JIS K 5600−5−4に準拠して評価した。
図1は、導電性構造体の屈曲耐性の評価方法を示す。具体的に図1(a)は、評価の様子を側面から示し、図1(b)は、評価の様子の上面から示す。
実施例1に係る導電性構造体の屈曲耐性を以下のようにして評価した。まず、実施例1に係る導電性組成物1を短冊状のPETフィルム上に塗布し、23℃、50%RHの条件で30分間養生した後、乾燥炉において焼成することで短冊状の導電性構造体1の塗膜を得た。焼成条件は、120℃、60分間保持するという条件である。なお、塗膜の厚さは50μmである。そして、短冊状の導電性構造体1の塗膜を有するPETフィルムを直径が12mmの金属棒10に巻き付けた。続いて、PETフィルムの両端に250gの重り15を吊り下げた。この状態で金属棒10を前後に規定回数、回転させた。規定回数は100回である。回転させた後、導電性構造体1の塗膜の割れの有無を目視により観察し、屈曲耐性を評価した。
[実施例2]
実施例2に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例2においては、有機ケイ素化合物として、合成例2で合成した100質量部のシラン化合物2を用いた。
実施例2に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例2においては、有機ケイ素化合物として、合成例2で合成した100質量部のシラン化合物2を用いた。
[実施例3]
実施例3に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物及び導電性フィラーの構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例3においては、有機ケイ素化合物として2種類のシラン化合物を用いた。具体的に、実施例3においては、合成例1で合成した70質量部のシラン化合物1と、30質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。また、導電性フィラーとして、300質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−B、福田金属箔粉工業株式会社製)と、100質量部の銀還元粉(シルコートAgC−G、福田金属箔粉工業株式会社製)と、100質量部の銀還元粉(シルコートAgC−156I、福田金属箔粉工業株式会社製)とを用いた。なお、KBM3066の分子量は、326.5g/molである。また、シルコートAgC−Gは、シルコートAgC−156Iよりも小さな粒径を有する銀還元粉である。
実施例3に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物及び導電性フィラーの構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例3においては、有機ケイ素化合物として2種類のシラン化合物を用いた。具体的に、実施例3においては、合成例1で合成した70質量部のシラン化合物1と、30質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。また、導電性フィラーとして、300質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−B、福田金属箔粉工業株式会社製)と、100質量部の銀還元粉(シルコートAgC−G、福田金属箔粉工業株式会社製)と、100質量部の銀還元粉(シルコートAgC−156I、福田金属箔粉工業株式会社製)とを用いた。なお、KBM3066の分子量は、326.5g/molである。また、シルコートAgC−Gは、シルコートAgC−156Iよりも小さな粒径を有する銀還元粉である。
[実施例4]
実施例4に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例4においては、合成例1で合成した70質量部のシラン化合物1と、30質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。
実施例4に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例4においては、合成例1で合成した70質量部のシラン化合物1と、30質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。
[実施例5]
実施例5に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物及び導電性フィラーの構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例5においては、合成例1で合成した70質量部のシラン化合物1と、30質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。また、導電性フィラーとして、500質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−224、福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。なお、シルコートAgC−224は、シルコートAgC−Bよりも小さなサイズを有するフレーク状銀である。
実施例5に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物及び導電性フィラーの構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例5においては、合成例1で合成した70質量部のシラン化合物1と、30質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。また、導電性フィラーとして、500質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−224、福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。なお、シルコートAgC−224は、シルコートAgC−Bよりも小さなサイズを有するフレーク状銀である。
[実施例6]
実施例6に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物及び導電性フィラーの構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例6においては、合成例2で合成した70質量部のシラン化合物2と、30質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。また、導電性フィラーとして、500質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−224、福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。
実施例6に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物及び導電性フィラーの構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例6においては、合成例2で合成した70質量部のシラン化合物2と、30質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。また、導電性フィラーとして、500質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−224、福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。
[実施例7]
実施例7に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例7においては、合成例1で合成した70質量部のシラン化合物1と、30質量部のN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM603、信越化学工業(株)製)とを用いた。なお、KBM603の分子量は222.4g/molである。
実施例7に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例7においては、合成例1で合成した70質量部のシラン化合物1と、30質量部のN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM603、信越化学工業(株)製)とを用いた。なお、KBM603の分子量は222.4g/molである。
[実施例8]
実施例8に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例8においては、合成例1で合成した30質量部のシラン化合物1と、70質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。
実施例8に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは有機ケイ素化合物の構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。実施例8においては、合成例1で合成した30質量部のシラン化合物1と、70質量部の1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(KBM3066、信越化学工業(株)製)とを用いた。
比較例に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、実施例1とは構成成分が異なる点を除き、同様の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
[比較例1]
比較例1に係る導電性組成物、及び導電性構造体においては、ポリマーである100質量部の変性シリコーン樹脂(サイリルMA440、(株)カネカ製)と、300質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−B、福田金属箔粉工業株式会社製)と、100質量部の銀還元粉(シルコートAgC−G、福田金属箔粉工業株式会社製)と、100質量部の銀還元粉(シルコートAgC−156I、福田金属箔粉工業株式会社製)と、希釈剤として25質量部のパラフィン系希釈剤(カクタスノルマルパラフィン N−11、ジャパンエナジー(株)製)と、25質量部のパラフィン系希釈剤(G−71S、アクア化学(株)製)と、アミノシランカップリング剤として6質量部の3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBM−903、信越化学工業(株)製)と、硬化触媒として1質量部の錫触媒(ネオスタン U−830、日東化成株式会社製)とを用いた。
比較例1に係る導電性組成物、及び導電性構造体においては、ポリマーである100質量部の変性シリコーン樹脂(サイリルMA440、(株)カネカ製)と、300質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−B、福田金属箔粉工業株式会社製)と、100質量部の銀還元粉(シルコートAgC−G、福田金属箔粉工業株式会社製)と、100質量部の銀還元粉(シルコートAgC−156I、福田金属箔粉工業株式会社製)と、希釈剤として25質量部のパラフィン系希釈剤(カクタスノルマルパラフィン N−11、ジャパンエナジー(株)製)と、25質量部のパラフィン系希釈剤(G−71S、アクア化学(株)製)と、アミノシランカップリング剤として6質量部の3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBM−903、信越化学工業(株)製)と、硬化触媒として1質量部の錫触媒(ネオスタン U−830、日東化成株式会社製)とを用いた。
[比較例2]
比較例2に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、比較例1とは導電性フィラーの構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。比較例2においては、500質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−B、福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。
比較例2に係る導電性組成物、及び導電性構造体は、比較例1とは導電性フィラーの構成が異なる点を除き、同一の成分を採用し、同一の工程で製造すると共に、同様に評価した。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。比較例2においては、500質量部のフレーク状銀(シルコートAgC−B、福田金属箔粉工業株式会社製)を用いた。
実施例1乃至実施例8、比較例1及び比較例2に係る導電性組成物の原料組成、並びに導電性構造体の各試験結果について表1に示す。
(印刷性)
印刷性はグラビアオフセット印刷により確認した。表1にその結果を示す。表1においては、導電性構造体をグラビアオフセット印刷で形成した場合に、均一なパターンが形成された場合を「○」、かすれや欠損が生じた場合を「×」で示す。表1を参照すると分かるように、実施例1〜8に係る導電性構造体においてはいずれも、均一な印刷パターンが形成されていることが確認された。一方、比較例1及び比較例2に係る導電性構造体においてはいずれも、かすれや欠損が生じ、均一な印刷パターンが形成されなかった。
印刷性はグラビアオフセット印刷により確認した。表1にその結果を示す。表1においては、導電性構造体をグラビアオフセット印刷で形成した場合に、均一なパターンが形成された場合を「○」、かすれや欠損が生じた場合を「×」で示す。表1を参照すると分かるように、実施例1〜8に係る導電性構造体においてはいずれも、均一な印刷パターンが形成されていることが確認された。一方、比較例1及び比較例2に係る導電性構造体においてはいずれも、かすれや欠損が生じ、均一な印刷パターンが形成されなかった。
(硬化被膜の割れ)
硬化被膜の割れについて、表1においては、割れやひびの発生が認められなかった場合を「○」、割れやひびの発生が認められた場合を「×」で示す。表1を参照すると分かるように、実施例1〜8及び比較例1〜2のいずれにおいても、硬化被膜に割れやひびは発生していないことが確認された。
硬化被膜の割れについて、表1においては、割れやひびの発生が認められなかった場合を「○」、割れやひびの発生が認められた場合を「×」で示す。表1を参照すると分かるように、実施例1〜8及び比較例1〜2のいずれにおいても、硬化被膜に割れやひびは発生していないことが確認された。
(体積抵抗率)
体積抵抗率について、表1においては、特に良好な導電性を示す場合を「◎」、良好な導電性を示す場合を「○」、導電性が良好ではないか若しくは導電性がない場合を「×」と示す。
体積抵抗率について、表1においては、特に良好な導電性を示す場合を「◎」、良好な導電性を示す場合を「○」、導電性が良好ではないか若しくは導電性がない場合を「×」と示す。
体積抵抗率は、実施例1に係る導電性構造体が2.82×10−4(Ω・cm)、実施例2に係る導電性構造体が8.77×10−4(Ω・cm)、実施例3に係る導電性構造体が1.40×10−4(Ω・cm)、実施例4に係る導電性構造体が9.84×10−4(Ω・cm)、実施例5に係る導電性構造体が8.50×10−5(Ω・cm)、実施例6に係る導電性構造体が8.60×10−5(Ω・cm)、実施例7に係る導電性構造体が2.99×10−4(Ω・cm)、実施例8に係る導電性構造体が1.99×10−4(Ω・cm)であり、いずれも良好な導電性を有することが示された。特に、実施例1、実施例3、実施例5〜実施例8に係る導電性構造体が特に良好な導電性を示した。一方、比較例1に係る導電性構造体は1.50×10−3(Ω・cm)の導電性を示したものの、比較例2に係る構造体は導電性を示さなかった。
(屈曲耐性)
屈曲耐性について、表1においては、構造体に割れやひびが確認されなかった場合を「○」、割れやひびが確認された場合を「×」と示す。表1を参照すると分かるように、実施例1〜8及び比較例1〜2のいずれにおいても、構造体に割れやひびが発生していないことが確認された。すなわち、実施例1〜8及び比較例1〜2のいずれも屈曲耐性に優れることが示された。
屈曲耐性について、表1においては、構造体に割れやひびが確認されなかった場合を「○」、割れやひびが確認された場合を「×」と示す。表1を参照すると分かるように、実施例1〜8及び比較例1〜2のいずれにおいても、構造体に割れやひびが発生していないことが確認された。すなわち、実施例1〜8及び比較例1〜2のいずれも屈曲耐性に優れることが示された。
(鉛筆硬度)
図2は、実施例1に係る導電性構造体の鉛筆硬度試験の結果を示す。また、図3は、比較例1に係る導電性構造体の鉛筆硬度試験の結果を示す。なお、他の実施例及び比較例については、同様の試験結果が得られたので、図は省略する。
図2は、実施例1に係る導電性構造体の鉛筆硬度試験の結果を示す。また、図3は、比較例1に係る導電性構造体の鉛筆硬度試験の結果を示す。なお、他の実施例及び比較例については、同様の試験結果が得られたので、図は省略する。
鉛筆硬度について、表1においては、良好な硬度を有する場合を「○」、良好な硬度を有さない場合を「×」と示す。表1を参照すると分かるように、実施例1〜6に係る導電性構造体は「4H」の鉛筆硬度を示し、実施例7に係る導電性構造体は「F」の鉛筆硬度を示し、実施例8に係る導電性構造体は「B」の鉛筆硬度を示した。すなわち、実施例に係る導電性構造体はいずれも、所期の硬度を有することが示された。具体的に、実施例1に係る導電性構造体の例を図2に示す。図2(a)に示すように、鉛筆硬度試験実施前の導電性構造体の表面は平滑面である。そして、図2(b)に示すように、鉛筆硬度を4Hにして試験を実行した場合、実施例1に係る導電性構造体の表面20には傷がつかないことが示された。一方、図2(c)に示すように、鉛筆硬度を「5H」にした場合、実施例1に係る導電性構造体の表面にわずかな傷25がつくことが示された。
一方、比較例1及び比較例2に係る構造体はいずれも「6B以下」の鉛筆硬度を示し、所期の硬度を有さないことが示された。具体的に、比較例1に係る導電性構造体の鉛筆硬度試験の結果を図3に示す。図3(a)に示すように、鉛筆硬度試験実施前の比較例1に係る導電性構造体の表面は平滑面である。しかし、図3(b)に示すように、鉛筆硬度試験をした結果、鉛筆硬度が「6B」の場合であっても全体に傷30がつき、比較例1に係る導電性構造体は所期の鉛筆硬度を備えていないことが示された。
したがって、実施例1〜8に係る導電性構造体はいずれも、良好な印刷性と優れた導電性とを備えるだけでなく、導電性構造体に実質的に破損が生じない高い屈曲耐性と所期の鉛筆硬度とを兼ね備えることが示された。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 導電性構造体
10 金属棒
15 重り
20 表面
25、30 傷
10 金属棒
15 重り
20 表面
25、30 傷
Claims (8)
- 対象物に塗膜を形成可能な低粘度の導電性組成物であって、
少なくとも1つの架橋性ケイ素基を有する有機ケイ素化合物と、
導電性フィラーと
を含有する導電性組成物。 - 前記有機ケイ素化合物が、ポリスチレン換算において100以上1000以下の数平均分子量を有する請求項1に記載の導電性組成物。
- 前記有機ケイ素化合物が、反応性が互いに異なる複数の官能基を有するシラン化合物モノマーであるか、若しくはシラン化合物オリゴマーである請求項1又は2に記載の導電性組成物。
- 前記導電性フィラーが、銀を含んで構成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性組成物。
- 23℃における粘度が10000mPa・s以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性組成物を硬化して得られる導電性構造体。
- 短冊状を呈し、50μmの厚さを有する前記導電性構造体を直径12mmの金属棒に巻付け、前記導電性構造体の両端に250gの重りを吊り下げた後、前記金属棒を前後に100回、回転させた場合に前記導電性構造体に破損が生じない屈曲耐性を有する請求項6に記載の導電性構造体。
- JIS規格における鉛筆硬度がB以上の硬さを有する請求項6又は7に記載の導電性構造体。
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-
2015
- 2015-05-22 JP JP2015104220A patent/JP2016216636A/ja active Pending
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