JP2016216977A - 鋼製床板 - Google Patents

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留実子 西山
Rumiko Nishiyama
留実子 西山
岡田 忠義
Tadayoshi Okada
忠義 岡田
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Abstract

【課題】安全通路、作業床、歩廊、階段その他の床板又は建築用材としても好適に使用される鋼製床板、特に平面部に等ピッチでスリット(長孔)を有する鋼製床板を提供する。【解決手段】上面に同形同大で等ピッチのスリット1bを形成した鋼製床板の各部分の寸法仕様に関し、上面開口率をP、スリットの縦幅をa、同スリットの横幅をd、隣接するスリット間の横桟1cの縦幅をbとする場合に、下記の式(イ)〜(ハ)の条件を満たす構成とする。P≧0.426・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(イ)(a/d)≦ 0.145・・・・・・・・・・・・・・(ロ)(a/d)<0.077×(a/b)+0.017・・・(ハ)【選択図】図2

Description

この発明は、安全通路、作業床、歩廊、階段その他の床板又は建築用材としても好適に使用される鋼製床板、特に平面部に等ピッチでスリット(長孔)を有する鋼製床板の技術分野に属する。
鋼製床板は、図1に使用例を示した通り、板厚1.6〜2.0mm程度の高耐食性メッキ鋼板の加工品であり、左右の幅寸B(図2参照)が200〜250mm程度で、両縁部にせいが40〜60mm程度の高さで内向きコ字形状の脚部1aを備え(図1、図6B)、上面(平面部)にスリットの縦幅a(図2)が15mm〜20mm程度、左右方向の長さ(幅寸)が150〜210mmのスリット1b(長孔、図1参照)が、中間に幅20mm程度の横桟1c(図1)を残して多数列状に形成されている。このような鋼製床板1は、主に工場や倉庫の軽便な床材、ビル屋上の通路板として、図1に例示した如く梁2上に載せ架けた床材として、或いは壁板、柵板その他に好適に使用されていることは既に種々公知に属する。
特開平8−21025号公報
上記特許文献1に開示された床板構造は、鋼製床板の使用に際し、同床板の幅方向及び長手方向へ簡単な接続作業で設置が行えるように、断面が内向きにコ字形状の脚部に、断面L字形の継ぎ手部材受け部を設けた構成に特徴を有する。
鋼製床板1は、図1に例示した如く規則的並びでスリット1cを設けているので、これを床材として使用する場合には、人力で運搬可能な重量(例えば1本当たり6.5kg)と長さ(例えば1.5m程度)に製作されており、設置施工も簡単なため、床に限らず壁板や柵板、通路板など各方面に広く採用されている。
一方、この鋼製床板の外観をすっきり見せるために、鋼製床板の上面開口率(スリットの開口率)の設計検討などは、行われていなかった。
このため、鋼製床板の敷設トータル面積あたりの設置枚数の減少による作業者負荷の低減が求められており、従来品の幅寸法Bよりも更に幅広でありながら、重量は従来品と同等以下である鋼製床板が要求されている。
又、鋼製床板の幅寸法Bを幅広にする場合、この拡大比率に応じてスリットの縦幅aも幅広にすることが意匠的美観(外観のすっきりさ)を保持する上でも、当然の考え方となるが、この鋼製床板で構築された床や通路上を歩行する人にとっては、スリットを通じて下方を見通せるため、鋼製床板の設置高さが高くなるほど、見下ろした際に恐怖を感じさせる頻度が高くなる。
よって、本発明の課題は、鋼製床板の幅寸法Bを従来品よりも大きく、かつ、上面開口率Pを従来品よりも大きく構成して意匠的美観(外観のすっきりさ)を向上させる条件を維持しつつ、従来品よりも軽量化された鋼製床板を提供することにある。
また、上記の課題に加えて、通路上を歩行する人にとって、見下ろした際に恐怖感を抱かせない鋼製床板を提供することにある。
上記の課題を達成する手段として、請求項1に記載した発明に係る鋼製床板1は、上面に同形同大で等ピッチのスリット1bを形成した鋼製床板の各部分の寸法仕様に関し、上面開口率をP、スリットの縦幅をa、同スリットの横幅をd、隣接するスリット間の横桟1cの縦幅をbとする場合に、下記の式(イ)〜(ハ)の条件を満たす構成としたことを特徴とする。
P≧0.426・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(イ)
(a/d)≦ 0.145・・・・・・・・・・・・・・(ロ)
(a/d)<0.077×(a/b)+0.017・・・(ハ)
請求項2に記載した発明に係る鋼製床板1は、上面に同形同大で等ピッチのスリット1bを形成した鋼製床板の各部分の寸法仕様に関し、上面開口率をP、スリットの縦幅をa、同スリットの横幅をd、隣接するスリット間の横桟1cの縦幅をbとする場合に、下記の式(イ)(ロ)及び(ニ)の条件を満たす構成としたことを特徴とする。
P≧0.426・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(イ)
(a/d)≦ 0.145・・・・・・・・・・・・・・(ロ)
(a/d)<0.077×(a/b)+0.001・・・(ニ)
請求項3に記載した発明に係る鋼製床板1は、請求項1又は2に記載した発明に係る鋼製床板1であって、左右の幅寸法Bが300mm以上、板厚tが1.4mm以下とする構成としたことを特徴とする。
本発明が奏する効果を、各発明の構成要件である上記の式イ〜ハ及びニに基づいて説明すると、以下のとおりである。
「上記(イ)式のP≧0.426についての説明」
上記(イ)式で上面開口率Pについて規定したP≧0.426の式が特定する意味は、従来の鋼製床板の上面開口率Pの上限が0.411であることを前提に、本発明ではその数値よりも大きい開口率Pの構成を実現するとの考えによるものであり、鋼製床板の上面開口率Pが大きくなるほどに意匠的美観(外観のすっきりさ)が増すからである。
したがって、上記(イ)式は、鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)を向上させる効果の目安である。
「上記(ロ)式の(a/d)≦0.145についての説明」
上記(ロ)式は、鋼製床板のスリット1b(図3参照)の縦幅aと、左右方向の横幅dとの比を規定したもので、(a/d)が0.145よりも大きいと、スリットの縦幅aが大きくなりすぎて、施工時に使用するドライバー等の工具の握りの外径寸法(太さ)よりも大きくなり、ドライバー等の工具を誤って落とした場合、鋼製床板のスリットを通り抜けて落下する危険性がある。
そのため、ドライバー等の工具の握りの外径寸法(太さ)よりは小さくして、その落下を防ぐ寸法を考慮した条件である。更に、スリットの縦幅aが大きくなりすぎると、歩行者が下方を見下ろした場合に恐怖感を覚えるので、その限界を考慮した条件である。
「上記(ハ)式の(a/d)<0.077×(a/b)+0.017についての説明」
上記(ハ)式でスリットの縦幅aと、隣接するスリット間の横桟1c(図3参照)の縦幅b(図2参照)との比(a/b)、及びスリット1b(図1参照)の縦幅aと、同スリットの左右方向の横幅dとの比a/dとに関して規定した(ハ)式の意味は、鋼製床板の(a/d)と(a/b)との比であるb/dが横桟1cの幅と長さとの比を表すことから、この比が小さくなるほど(つまり(ハ)式の右辺が大きくなるほど)横桟1cがスリット形状と比較して細長くなり、鋼製床板1の意匠的美観(外観のすっきりさ)が増すことがわかる。因みに、(ハ)式の条件外であると、図3Bに示す従来例No.1〜No.3に例示したように、スリット形状と比較して横桟1cは同程度の縦幅となっており、従来の鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)はこの程度であると認識できる。
一方、上記のように特定した条件を満たす範囲では、図3Aに示す本発明の実施例のNo.2、9、10に例示したように、スリット形状と比較して横桟1cはかなり細長くなっており、鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)が増していることがわかる。
したがって、上記(ハ)式は、鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)を向上させる条件となる。
[上記(ニ)式の(a/d)<0.077×(a/b)+0.001の意義についての 説明]
上記(ニ)式で、スリットの縦幅aと、隣接するスリット間の横桟1cの縦幅bとの比、及びスリットの縦幅aと、スリット1bの左右方向長さdとの比を規定した(a/d)<0.077×(a/b)+0.001の式が特定する意味は、上記(ハ)式のより好ましい条件である。
つまり、鋼製床板の(a/d)と(a/b)との比であるb/dが横桟1cの幅bとスリット1bの横幅dとの比を表すことから、この比が小さくなるほど(つまり(ニ)式の右辺が大きくなるほど)横桟1cがスッキリ形状と比較して細長くなり、鋼製床板1の意匠的美観(外観のすっきりさ)が増すことは上記の段落[0013]に説明したとおりである。なお、上記(ニ)式で特定される条件を満たす範囲では、図3Aに示す本発明の実施例No.2、5、7を例示したように、スリット形状と隣接するスリット間の横桟1cの縦幅bのバランスがよく、鋼製床板1の意匠的美観(概観のすっきりさ)が更に増すことがわかる。
したがって、上記(ニ)式は、鋼製床板1の意匠的美観(外観のすっきりさ)を向上させる条件となる。
また、上記の式(イ)(ロ)(ハ)の条件を満たす構成とした鋼製床板の重量は、従来の鋼製床板の重量よりも軽量化できる構成である。
さらに、上記の式(イ)(ロ)(ニ)の条件を満たす構成とした鋼製床板の重量は、従の鋼製床板の重量より軽量化できる構成である。
加えて、幅寸Bを300mm以上で特定する意味は、鋼製床板の設置枚数を従来より低減できる構成であり、板厚tを1.4mm以下で特定する意味は、鋼製床板の重量を従来より低減できる構成である。
鋼製床板の使用例の一部分を示した斜視図である。 鋼製床板の寸法仕様を例示した平面図である。 A群は図4の表中に示す本発明の実施例No.2、No.5、No.7、No.9、No.10それぞれの平面図の一部を示し、B群は同じ図4に示す表中の鋼製床板の従来例No.1〜No.3の平面図の一部を示している。 従来例の鋼製床板No.1〜No.3及び本発明の実施例である鋼製床板No.1〜No.10の各寸法及び計算の結果を示した表である。 図4に示す肩部変位量δを算出した鋼製床板のFEM解析の条件を説明した図で、A図は解析条件の概略説明図、B図はA図中に点線で表示した部分を対称条件を用いて全体の1/4部分をモデル化した解析モデル図、C図は肩部変位量δの算出位置の説明図である。 A図は鋼製床板の各部寸法を示した平面図、B図はA図中に指示したb−b線矢視断面図、C図は同c−c線矢視断面図、D図はd−d線矢視断面図を示す。 鋼製床板のスリットの縦横比a/dを縦軸とし、同スリットの縦幅と横桟の縦幅の比a/bを横軸として、図4に示した従来例No.1〜No.3及び本発明の実施例No.1〜No.10について解析結果を示した図表である。 鋼製床板の図5Cに示す中央部断面の肩部変位量δを縦軸とし、上面開口率Pを横軸とした解析結果を示す図表である。 鋼製床板の上面開口率Pの算出方法を説明した平面図である。 鋼製床板の中央部断面の肩部変位量δと上面開口率Pとの比を縦軸とし、比較例No.1との重量比率W/W0を横軸として解析結果を示した図表である。
請求項1に記載した発明に係る鋼製床板1は、上面に同形同大で等ピッチのスリット1bを形成した鋼製床板の各部分の寸法仕様に関し、上面開口率をP、スリットの縦幅をa、同スリットの横幅をd、隣接するスリット間の横桟1cの縦幅をbとする場合に、下記の式(イ)〜(ハ)の条件を満たす構成としたことを特徴とする。
P≧0.426・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(イ)
(a/d)≦ 0.145・・・・・・・・・・・・・・(ロ)
(a/d)<0.077×(a/b)+0.017・・・(ハ)
請求項2に記載した発明に係る鋼製床板1は、上面に同形同大で等ピッチのスリット1bを形成した鋼製床板の各部分の寸法仕様に関し、上面開口率をP、スリットの縦幅をa、同スリットの横幅をd、隣接するスリット間の横桟1cの縦幅をbとする場合に、下記の式(イ)(ロ)及び(ニ)の条件を満たす構成としたことを特徴とする。
P≧0.426・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(イ)
(a/d)≦ 0.145・・・・・・・・・・・・・・(ロ)
(a/d)<0.077×(a/b)+0.001・・・(ニ)
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した発明に係る鋼製床板1であって、上面の幅寸法Bが300mm以上、板厚tが1.4mm以下とする構成としたことを特徴とする。
以下に、本発明の実施例を説明する。
図1及び図5Aに、同形同大で等ピッチのスリット1bを横桟1cと交互の配置に形成し、両サイドには内向きにコ字形を為す縦桟(肩部)1aを形成した鋼製床板1の実施例を示す。
この鋼製床板1の各部の寸法例を図2と図6に示した。即ち、スリット1bの縦幅をa、隣接するスリット間の横桟1cの縦幅b、縦桟1aの横幅をc(図2参照)、スリットの横長をd(図2参照)、縦桟1aのせい(高さ)をH(図6B参照)、鋼板の板厚t、幅寸法をB(図2参照)、長さをL(図5)として、この鋼製床板1に図5Aの態様で鉛直荷重F(981N)を載荷した際に生じる鋼製床板1の中央部断面の肩部変位量δをFEM解析により求めた値を図4に表として示した。
FEM解析の解析条件を図5に示したとおり、長さLが1400mm、脚部(縦桟)1aの底面幅e(図6C)が25mm、同せいの高さHが40mm(図6B)、その他の諸元は図4の表に示した通りの条件で設定した鋼製床板を、図5Aのように長手方向の両端を支持し、同鋼製床板の中央部に鉛直荷重F=981Nを載荷すると想定している。
同形状は、長さ方向、幅方向ともに対称な形状であるため、図5Bに示すように、想定形状の1/4の部分を対称境界条件を用いてシエル要素でモデル化しており、鉛直荷重F=981Nの1/4の鉛直荷重245.25Nとしている。
この解析モデルにおいて、ヤング係数を205000N/mm2、ポアソン比を0.3として、弾性解析を行った。
なお、従来例の幅寸は200mm又は250mm、板厚1.6mmとなっている。一方、本発明の実施例の幅寸は300mm、板厚は1.4mmとなっている。
図7に、鋼製床板のスリットの縦横幅比を縦軸とし、同スリットの縦幅と横桟の縦幅の比を横軸とした座標上に計算結果を示した。図7に記載した○印は、本発明に係る鋼製床板の実施例を示し、同○印に付記した数字は図4の表に記載した本発明の実施例の番号である。同じ図7に記載した×印は、比較例を示し、同×印に付記した数字は図4の表に記載した比較例の番号を示している。
図7の図表によれば、本発明の実施品である鋼製床板である○印9と○印10を結んだ直線(破線)は、a/d=0.077×(a/b)+0.017と表され、(a/d)>0.077×(a/b)+0.017を満たす領域(条件)の場合は、×印1〜×印3のようなスリット形状(図3Bの比較例No.1〜No.3を参照)となり、横桟1cがスリット形状と比較してあまり細長くない(スリットの縦幅と横桟の縦幅が同程度である)ことから、鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)が改善されていないと判断される。
一方、a/d≦0.077×(a/b)+0.017の式を満たす領域の場合は、図7中の○印2、○印9及び○印10に示すスリット形状(図3Aの実施例No.2、No.9、No.10)の場合は、横桟1cがスリット形状と比較して細長くなっており、鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)が改善されていることを理解されるであろう。
更に、図7において、本発明の実施品である○印5と○印7を結んだ直線は、a/d=0.077×(a/b)+0.001の式で表され、a/d≦0.077×(a/b)+0.001の式を満たす領域の場合は、図7中の○印2、○印5、○印7に示すスリット形状(図3Aの実施例No.2、No.5、No.7)の場合は、横桟1cがスリット1bの形状と比較して細長くなっており、鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)が更に改善されることを理解されるであろう。
また、a/d≦0.145を満たす領域(条件)を本発明の必須不可欠の構成要件としているが、これはa/d値が大きいほど、鋼製床板のスリットが大きく見えて、見た目の開放感を感得させる効果がある。一方で、a/d値が0.145よりも大きくなった場合、スリットの縦幅aが大きくなりすぎて、施工時のドライバー等の工具の握りの外径寸法(太さ)よりも広幅になって、工具を不用意に落とした場合に、鋼製床板のスリットを通り抜けてしまい、事故の原因となる危険性がある。そのためドライバー等の工具類の落下事故を防ぐべく、ドライバー等の工具の握り部の外径寸法よりは幅狭のスリット幅を考慮した上限を設定したものである。更に、スリットの幅が大きくなりすぎると、歩行者が下を見下ろした場合に恐怖感を覚えるので、その限界を考慮して上限を設定したものである。
例えばスリットの縦幅a=35mmは、施工時にドライバー等の工具の握りの外径寸法(太さ)よりは小さく設定し、同工具類の落下を防ぐ条件にしている。また、スリットの縦幅aが35mmより広いと、歩行者が下を見下ろした場合に恐怖感を覚えるので、その限界を考慮して、本発明例のスリットの横幅dの最小値である240mm(図4の表を参照)の場合に、スリットの縦幅dを35mm以下に設定するため、a/d≦0.145を本発明の技術的範囲としている。
次に、図8は、上記した鋼製床板の中央部に鉛直荷重981Nを載荷したときの長手方向中央部の肩部変位量δ(図5Cを参照)を縦軸とし、上面開口率Pを横軸とした計算結果を示している。図8中に記載した○印は、本発明に係る鋼製床板の実施例の番号である。同じく図8に記載した×印は比較例を示し、同×印に付記した数字は図4の表に記載した比較例の番号である。
なお、図9に示したように、鋼製床板の上面開口率Pの算出は、1モジュールにおける開口の面積(Aw)/1モジュールの水平投影面積積(Aa)と定義して算定する。1モジュールにおける開口の面積(Aw)は、上記図9に記載した各符号を用いると、(d−a)×a+(a×0.5)2×πとして求める。1モジュールの水平投影面積(Aa)は、B×(a+b)と定義する。
図8によれば、本発明の実施例の鋼製床板を示す○印1の上面開口率Pは0.426である。一方、従来の鋼製床板を示す×印1の上面開口率Pは0.411である。
本発明は、上面開口率Pをできるだけ大きく構成することで、鋼製床板の外観がスッキリとして、鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)を向上させるものである。
したがって、上記の式(イ):P≧0.426を、本発明の必須事項とした。
図8には、図5Aに示す載荷状態に生じる鋼製床板の長手方向中央部の肩部変位量δの制限値をδ<4.67mmと示している。
これは鋼製床板で構築された場合、その床上歩行時における鋼製床板の撓み量(本願における肩部変位量δに相当する量)が制限値を超えると、通行人に恐怖感を感じさせることを意味する。例えば鋼構造設計基準(2002年第3版)の「第10章 たわみ」によれば、通行人に恐怖感を感じさせないためには、鋼製床板のスパンLの1/300以下に保つことが適当とされている。その故に、床板へ乗った人や物の重量に起因する撓み量の設計基準の検討が行われる。
このことは鋼製床板で床の意匠的美観(外観のすっきり感)の向上、及び鋼製床板の軽量化を目的として、上面開口率Pをできるだけ大きく設計すると、歩行時の床板の撓み量が問題になることを意味する。よって、歩行時の床板の撓み量を制限することを目的に、上面開口率Pをできるだけ小さく設計、施工すると、鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)を損なうという問題が生ずることになり、単純に上面開口率Pの条件のみを検討する、安易な解決策を採用することは適切でない。
従って、本発明による鋼製床板が、図5に示す載荷状態で生ずる鋼製床板の長手方向中央部の肩部変位量δをL/300以下とする制限値を満たしているかを確認している。そのため本発明のより好ましい実施条件としては、肩部変位量δの制限値を満たすとしても良いが、これに特に限定されない。
次に、図10は、鋼製床板のスパン中央部の肩部変位量δ(図5参照)と、上面開口率Pとの比を縦軸にとり、比較例No.1との重量比率W/W0を横軸にとった計算結果を示している。
図10に記載した○印は、本発明に係る鋼製床板の実施例を示し、同○印に付記した数字は図4の表に記載した本発明の実施例の番号である。同じ図10に記載した×印は比較例を示し、同×印に付記した数字は図4の表に記載した比較例の番号である。図10では、×印1が従来の鋼製床板の例として比較対象とし、符号W0は×印1の重量を示している。
なお×印2は×印1よりも単位重量が重い。また、×印3は、幅寸Bが本発明の実施品に比べて極端に狭い。そのため、従来の鋼製床板に比して軽量化できているかを比較するためには、×印1が適当と判断され、軽量化の指標として、重量比率W/W0を採用している。
図10によれば、本発明に係る鋼製床板である○印の全てが、重量比率W/W0の値が1未満となっている。これは従来の鋼製床板に比べて、軽量化出来ていることを意味している。
従って、上記の式イ、ロ、ハで特定した条件、又は上記の式イ、ロ、ニで特定した条件をそれぞれ満たす鋼製床板は、横桟1cがスリット形状と比較して細長くなっており、鋼製床板の意匠的美観(外観のすっきりさ)が従来品より改善され、かつ、鋼製床板の重量が従来の鋼製床板重量よりも軽量な構成になっている。
なお、図4の表によって、鋼製床板の幅寸法Bを従来品よりも大きく、かつ、上面開口率Pを従来品よりも大きく構成して意匠的美観(外観のすっきりさ)を保持しつつ、従来品よりも軽量化された鋼製床板を提供するために、幅寸Bは300mm以上〜350mmまで、板厚tは1.4mm以下〜1.2mmまでが望ましいことが明らかである。
なお、本発明に係る鋼製床板の適用範囲は、鋼製床板の幅寸Bは150mm〜350mm、長さLが1000mm〜4000mmの範囲が実施可能であり、人力で運搬可能な重量と大きさと考えられる。
以上に本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明の技術的思想は上記の限りではない。いわゆる当業者が必要に応じて行う設計変更や応用変形の範囲にまで及ぶものであることを念のために申し添える。
1 鋼製床板
1b スリット
P 開口率
d スリットの横幅
1c 横桟
a スリットの縦幅
b 横桟の縦幅

Claims (3)

  1. 上面に同形同大で等ピッチのスリットを形成した鋼製床板の各部分の寸法仕様に関し、上面の開口率をP、スリットの縦幅をa、同スリットの横長さをd、隣接するスリット間の横桟の縦幅をbとする場合に、下記の式(イ)〜(ハ)の条件を満たす構成としたことを特徴とする、鋼製床板。
    P≧0.426・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(イ)
    (a/d)≦ 0.145・・・・・・・・・・・・・・(ロ)
    (a/d)<0.077×(a/b)+0.017・・・(ハ)
  2. 上面に同形同大で等ピッチのスリットを形成した鋼製床板の各部分の寸法仕様に関し、上面の開口率をP、スリットの縦幅をa、同スリットの横長さをd、隣接するスリット間の横桟の縦幅をbとする場合に、下記の式(イ)(ロ)及び(ニ)の条件を満たす構成としたことを特徴とする、鋼製床板。
    P≧0.426・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(イ)
    (a/d)≦ 0.145・・・・・・・・・・・・・・(ロ)
    (a/d)<0.077×(a/b)+0.001・・・(ニ)
  3. 請求項1又は2に記載した鋼製床板において、同鋼製床板の上面の幅寸Bが300mm以上、板厚tが1.4mm以下を満たす構成としたことを特徴とする鋼製床板。
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