JP2016218237A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂の添加による粘度上昇を抑制して造粒性を乱すことなくシャープな粒度分布が得られ、定着性、耐久性に優れたトナーを製造する方法を提供すること。【解決手段】結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、スチレン、およびマクロモノマーを含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させて該重合性単量体組成物の粒子を形成する工程、及び該重合性単量体組成物の該粒子に含有される該スチレンと該マクロモノマーとを共重合させて該結着樹脂を形成し、トナー粒子を得る工程、を有し、該マクロモノマーは、アルキル(メタ)アクリレートから誘導されるマクロモノマーであり、示差走査熱量計(DSC)測定における該マクロモノマーの融点(Tm)が、50℃以上90℃以下であり、該重合性単量体組成物は、該マクロモノマーを3質量%以上40質量%以下含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法の如き画像形成方法における静電荷潜像を顕像化するためのトナーの製造方法に関する。
電子写真法(装置)に用いられるトナーは、湿式法によるトナー製造が主流となってきており、湿式トナーとして懸濁重合法、乳化重合法、溶解懸濁法等の製造方法が提案されている。
その中でも、懸濁重合法は機能分離型のコアシェル構造を得意としており、高い耐久性と現像性との両立が可能となっている。
加えて低温定着性の改良のために、コアへの結晶性樹脂の導入が提案されている(特許文献1)。しかしながら、結晶性の樹脂は一般的に弾性が低く脆いという欠点があり、トナーに導入した場合、コアシェル構造を得意とする懸濁重合法であっても耐久性が低下するという課題があった。
低温定着性と耐久性を両立するための方策として、結晶性樹脂と非晶性樹脂のハイブリット樹脂が提案されている(特許文献2)。これにより、低温定着性と耐久性を両立したトナーが得られるようになった。
特開2007−71993号公報 特開2010−139659号公報
しかしながら、特許文献2に記載の上記ハイブリット樹脂は結晶部分と非晶性部分の特性を併せ持つために各々の分子量をある程度必要となってくる。本発明者らの検討の結果、懸濁重合法においては、このようなある程度の分子量をもった樹脂を添加すると重合性単量体組成物の粘度上昇に伴った造粒性の悪化という問題が発生することがわかった。
また、近年、トナーの性能として、更なる低温定着が求められている。低温定着性を伸ばすためには、上述した結晶性材料を多量にトナーへ導入することが必要であり、生産性という面で大きな課題となっている。
本発明は、造粒性を維持しつつ、定着性、耐久性に優れたトナーを製造する方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、以下の方法によれば前記課題に対し性能を満足するトナーが得られることがわかり本発明に至った。
即ち、本発明は、結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
スチレン、およびマクロモノマーを含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させて該重合性単量体組成物の粒子を形成する工程、及び
該重合性単量体組成物の該粒子に含有される該スチレンと該マクロモノマーとを共重合させて該結着樹脂を形成し、トナー粒子を得る工程、
を有し、
該マクロモノマーは、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートから誘導されるマクロモノマーであり、
示差走査熱量計(DSC)測定における該マクロモノマーの融点(Tm)が、50℃以上90℃以下であり、
該重合性単量体組成物は、該マクロモノマーを3質量%以上40質量%以下含有することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明により、造粒性を維持しつつ、定着性、耐久性に優れたトナーを製造することができる。
以下に、本発明に好ましい様態を具体的に説明する。
本発明のトナーの製造方法(以下、単に、本発明の製造方法ともいう)は、結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であり、以下2つの工程を有する。
1つは、スチレン、およびマクロモノマーを含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させて該重合性単量体組成物の粒子を形成する工程である。2つ目は、該重合性単量体組成物の該粒子に含有される該スチレンと該マクロモノマーとを共重合させて該結着樹脂を形成し、トナー粒子を得る工程である。
そして、マクロモノマーは、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートから誘導されるマクロモノマーであり、示差走査熱量計(DSC)測定における該マクロモノマーの融点(Tm)が、50℃以上90℃以下である。さらに、重合性単量体組成物は、該マクロモノマーを3質量%以上40質量%以下含有する。
本発明の発現メカニズムについて本発明者らは以下のように考えている。
本発明は、トナーを構成する重合性単量体組成物中に、スチレン、およびマクロモノマーを含有する。造粒時の段階では上記スチレン及びマクロモノマーは独立して存在しており、重合性単量体組成物の粘度上昇となる樹脂分としてはマクロモノマーと、必要に応じてシェル樹脂である極性樹脂及び荷電制御樹脂のみである。そのため、マクロモノマーを比較的多く含有させても重合性単量体組成物の粘度上昇は抑制され、造粒性を乱すことなくシャープな粒度分布が得られると推測している。
次いで重合反応工程において、スチレンとマクロモノマーが共重合することでスチレンにマクロモノマーがグラフトした結晶―非晶のハイブリット樹脂が生成される。このハイブリット樹脂により、耐久性と低温定着に優れたトナーが得られる。
マクロモノマーは、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートから誘導される。マクロモノマーは、融点(Tm)が50℃以上90℃以下のアルキルアクリレートマクロモノマーまたはアルキルメタクリレートマクロモノマーである。50℃より低い場合は、保存性に劣り十分な耐久性が得られない。90℃より高い場合は、重合性単量体組成物への溶解性が悪く造粒性が乱れるほか、トナー粒子中での偏在が起こり、耐久性や定着性が劣る。
マクロモノマーは重合性単量体組成物中に3質量%以上40質量%以下の割合で含有する。3質量%より少ない場合は、マクロモノマーの含有量が少なすぎ低温定着性が得られ難い。逆に40質量%より多いと樹脂添加による粘度上昇の影響が出てくるため造粒性が悪化する。好ましい添加量としては5質量%以上35質量%以下である。
マクロモノマーの1分子当たりの重合性官能基数は0.7個以上1.5個以下であることが好ましい。0.7個以上であると、未変性の樹脂の存在が少なくなりスチレン系樹脂とのハイブリット率が向上し、耐熱性および耐久性が良好となる。1.5個以下であると、マクロモノマーの両末端に重合性官能基を持つ割合が多すぎず、定着グロスが良好となる。また低温定着性も良好となる。
マクロモノマーとスチレンのハイブリット樹脂はトナー中では結晶性を維持していることが好ましい。結晶性を維持しているかの判断はDCSにおけるマクロモノマーに由来する吸熱ピークの有無で判断する。トナーのDSC測定におけるマクロモノマーの由来の吸熱ピークはワックスなどの他の成分と重なることもあり、その場合はショルダーとして存在する場合がある。トナーのDSC測定においてマクロモノマーに由来する吸熱ピークまたはショルダーがあれば、それは結晶性樹脂であるマクロモノマーが完全にはバインダー樹脂と相溶していないことを示唆している。その結果、マクロモノマーが結晶化し、耐久性、耐熱性が良好となる。
マクロモノマーの重量平均分子量(Mw)は3000以上25000以下が好ましい。
重量平均分子量(Mw)が3000以上であると、機械的な耐ストレス性の低下がないため耐久性が良好となる。また、耐熱性も良好となる。25000以下であると、樹脂による重合性単量体組成物の粘度上昇が抑えられ、良好な造粒性が維持できる。
マクロモノマーを構成するアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートはアルキル部分の炭素数が12以上30以下であることが好ましい。アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートを、以下、アルキル(メタ)アクリレートとも称する。
アルキル部分の炭素数が12以上30以下のアルキル(メタ)アクリレートとは、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、トリコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、ペンタコシル(メタ)アクリレート、ヘキサコシル(メタ)アクリレート、ヘプタコシル(メタ)アクリレート、オクタコシル(メタ)アクリレート、ノナコシル(メタ)アクリレート、トリアコンチル(メタ)アクリレートである。これらの単量体は併用して用いることでマクロモノマーの融点を調整し易くなる。炭素数が12以上のアルキル部分のアルキル(メタ)アクリレートを用いると耐熱性、耐久性が良好となる。炭素数が30以下のアルキル部分のアルキル(メタ)アクリレートを用いると造粒性が良好となる。
本発明の目的を損なわない範囲で、上記単量体以外のものを反応させても良い。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類等が挙げられる。
上記単量体を用いて重合したアクリル樹脂の末端に重合性官能基をもたせる方法としては次のような方法が挙げられる。例えば、VA−086(和光純薬)などの末端にヒドロキシ基を有する重合開始剤を用いて上記単量体をラジカル重合し、開始剤由来の末端ヒドロキシ基を有したアクリル樹脂をスチレンと重合反応可能な重合性官能基で変性する方法が挙げられる。
変性方法としては、酸クロイドを用いたショッテン・バウマン反応や、イソシアネートを用いたウレタン反応などによる変性が挙げられる。具体的な試薬としては、アクリロイルクロリド、メタクリロイルクロリド、p−スチレンスルホン酸クロリド、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート、2−メアクリロイルオキシエチルイソシアナートなどが挙げられる。
また、他の方法としては、特開2002−363203号公報のような高温連続重合によりマクロモノマーを得る方法が挙げられる。
重合性単量体組成物には、スチレン以外の重合性単量体を併用しても良い。好適に用いられる重合性単量体としては、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類等、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル、4,4’−ジビニルビフェニル、等が挙げられる。
重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
懸濁重合法のように水系媒体を用いる重合法の場合には、上記混合液に極性樹脂を添加することが好ましい。極性樹脂を添加することにより、ワックスの内包化の促進を図ることができる。
水系媒体に懸濁した着色剤分散液中に極性樹脂が存在する場合、水に対する親和性の違いから、極性樹脂が水系媒体と着色剤分散液との界面付近に移行しやすいため、トナー粒子の表面に極性樹脂が偏在することになる。その結果、トナー粒子はコア−シェル構造を有する。
また、シェルに用いる極性樹脂に、溶融温度の高いものを選択すれば、低温定着を目的として結着樹脂をより低温で溶融するような設計とした場合でも、トナーの保存中におけるブロッキングの発生を抑制することができる。
極性樹脂としては、ポリエステル系樹脂或いはカルボキシル含有スチレン系樹脂が好ましい。極性樹脂としてポリエステル系樹脂或いはカルボキシル含有スチレン系樹脂を用いることで、当該樹脂がトナー粒子の表面に偏在してシェルを形成した際に、当該樹脂自身のもつ潤滑性が期待できる。
ポリエステル系樹脂としては、下記に挙げる酸成分単量体とアルコール成分単量体とを縮重合した樹脂を用いることができる。酸成分単量体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、及び、トリメリット酸が挙げられる。
アルコール成分単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンのアルキレングリコール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリスリトールが挙げられる。
カルボキシル基含有スチレン系樹脂としては、スチレン系のアクリル酸共重合体、スチレン系のメタクリル酸共重合体、スチレン系のマレイン酸共重合体等が好ましく、特にスチレン−アクリル−アクリル酸系共重合体が帯電量を制御し易く好ましい。また、カルボキシル基含有スチレン系樹脂は1級または2級の水酸基を有する単量体を含有していることがより好ましい。具体的な重合体組成物としては、スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等を挙げることができる。1級または2級の水酸基を有する単量体を含有した樹脂は極性が大きく、長期放置安定性がより良好となる。
極性樹脂は結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下を含有されることが好ましく、より好ましくは2.0質量部以上10.0質量部以下を含有されることである。
本発明に用いられるワックスとしては、公知のワックス成分を用いることができる。具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムに代表される石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスに代表される天然ワックス及びそれらの誘導体が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、もしくは併用して用いることができる。
これらの中でも、ポリオレフィン、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス、若しくは、石油系ワックスを使用した場合に、現像性や転写性が向上する傾向があり好ましい。なお、これらのワックス成分には、トナーの帯電性に影響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていても良い。また、これらのワックス成分は、結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下使用するのが好ましい。
ワックスの融点は30℃以上120℃以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは60℃以上100℃以下の範囲であることが好ましい。
本発明に用いられる着色剤としては、以下の有機顔料、有機染料、及び、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、及び、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び、66。
マゼンタ系着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及び、ペリレン化合物。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、及び、C.I.ピグメントバイオレット19。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及び、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185、191、及び、194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、及びシアン系着色剤を用いて黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明に用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及び、トナー粒子中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下用いることが好ましい。
懸濁重合法を用いてトナー粒子を得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、そのため、重合阻害のない物質による疎水化処理を施した着色剤を用いることが好ましい。特に、染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので、使用の際に注意を要する。染料を疎水化処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめて着色重合体を得る方法が挙げられ、この得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。
また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の疎水化処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(ポリオルガノシロキサン)で処理を行っても良い。
また、必要に応じて荷電制御剤を用いても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に摩擦帯電スピードが速く、かつ、一定の摩擦帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を懸濁重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤としてはトナーを負荷電性に制御するものと正荷電性に制御するものがある。トナーを負荷電性に制御するものとしては、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、オキシカルボン酸及びジカルボン酸系の金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、及び、荷電制御樹脂などが挙げられる。
トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、及び、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;荷電制御樹脂などが挙げられる。
これら荷電制御剤は、単独で或いは2種類以上組み合わせて添加しても良い。
これら荷電制御剤の中でも、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムであるものが好ましい。
荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
荷電制御樹脂は、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体を用いることが好ましい。スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体としては、特にスルホン酸基含有アクリルアミド系モノマー又はスルホン酸基含有メタクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは5質量%以上含有することである。荷電制御樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が35℃以上90℃以下、ピーク分子量(Mp)が10,000以上30,000以下、重量平均分子量(Mn)が25,000以上50,000以下である。これを用いた場合、トナー粒子に求められる熱特性に影響を及ぼすことなく、好ましい摩擦帯電特性を付与することができる。更に、荷電制御樹脂がスルホン酸基を含有している為、着色剤の分散液中の荷電制御樹脂自身の分散性、及び、着色剤の分散性が向上し、着色力、透明性、及び、摩擦帯電特性をより向上させることができる。
重合性単量体を重合させるために、重合開始剤を用いてもよい。本発明に用いることができる重合開始剤としては、有機過酸化物系開始剤やアゾ系重合開始剤が挙げられる。
有機過酸化物系開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、及び、tert−ブチル−パーオキシピバレートなどが挙げられる。
アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、及び、アゾビスメチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(イソ酪酸メチル)などが挙げられる。
また、重合開始剤として、酸化性物質と還元性物質とを組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては、過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、及び、アンモニウム塩)の無機過酸化物、及び、4価のセリウム塩の酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、及び、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、及び、エチルアミンの如き炭素数1〜6程度のアミン)、ヒドロキシルアミンの如きアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、及び、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6)、アスコルビン酸又はその塩、及び低級アルデヒド(炭素数1〜6)が挙げられる。
重合開始剤は、10時間半減期温度を参考に選択され、単独又は混合して利用される。前記重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5質量部以上20.0質量部以下が添加される。
重合度を制御するため公知の連鎖移動剤、及び、重合禁止剤を更に添加することも可能である。
重合性単量体を重合させる場合に各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、及び、トリメチロールプロパンとりメタクリレートの如き多官能性化合物が挙げられる。
水系媒体を調製する時に使用する分散安定剤としては、公知の無機化合物の分散安定剤、及び、有機化合物の分散安定剤を用いることができる。無機化合物の分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、及び、アルミナが挙げられる。一方、有機化合物の分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、及び、デンプンが挙げられる。これら分散安定剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.2質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
これら分散安定剤の中で、無機化合物の分散安定剤を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、より細かい粒径の分散安定剤を得るために、水系媒体中で該無機化合物を生成させても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで得られる。
トナー粒子には、トナーへの各種特性を付与するために外添剤を外添してもよい。トナーの流動性を向上させるための外添剤としては、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、及び、それらの複酸化物微粉体の如き無機微粉体が挙げられる。無機微粉体の中でもシリカ微粉体及び酸化チタン微粉体が好ましい。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカが挙げられる。無機微粉体としては、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-の少ない乾式シリカの方が好ましい。また、乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他の如き金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体であっても良い。
無機微粉体は、その表面を処理剤によって疎水化処理することによって、トナーの摩擦帯電量の調整、環境安定性の向上、及び、高温高湿下での流動性の向上を達成することができるので、疎水化処理された無機微粉体を用いることが好ましい。トナーに外添された無機微粉体が吸湿すると、トナーの摩擦帯電量、及び、流動性が低下し、現像性や転写性の低下が生じ易くなる。
無機微粉体を疎水化処理するための処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、及び、有機チタン化合物が挙げられる。その中でも、シリコーンオイルが好ましい。これらの処理剤は単独で用いても或いは併用しても良い。
無機微粉体の総添加量は、トナー粒子100質量部に対して1.0質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量部以上2.5質量部以下である。外添剤は、トナーの耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
以下、本発明に係る各種物性の測定方法について説明する。
<重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<分子量の測定方法>
マクロモノマーの重量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で、ポリエステルAをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<重合性官能基数の測定方法>
マクロモノマーの重合性官能基数は上記のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた個数平均分子量(Mn)と核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)よりもとめた分子量(M_NMR)を用いて求めた。
核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]の測定条件は、
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値より、重合性官能基1つあたりに対する構成する単量体の構成比が求まる。単量体の構成比と分子量から、重合性官能基に基づいた、NMR分子量(M_NMR)が算出できる。
さらに、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)より求めた数平均分子量(Mn)と上記NMRより求めたNMR分子量(M_NMR)より、下記式によりマクロモノマー1分子あたりの重合性官能基数を算出することができる。
重合性官能基数=GPC数平均分子量(Mn)/NMR分子量(M_NMR)
<融点の測定方法>
マクロモノマーの融点(Tm)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、マクロモノマー3mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のマクロモノマーのDSC測定における融点(Tm)とする。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。なお、実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<マクロモノマー1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、単量体としてベヘニルアクリレート100.00質量部、重合開始剤にVA−086(和光純薬)5.8部を加えて、窒素雰囲気下で60℃で5時間反応させ樹脂(1)を得た。
次いで、撹拌機、温度計、及び、窒素導入管を備えた反応容器に得られた樹脂(1)と、脱水クロロホルム100.00質量部を添加して完全に溶解させた後、トリエチルアミン2.00質量部を加え、氷冷させながら、アクリロイルクロリド2.80質量部を徐々に加えた。その後、室温(25℃)で一昼夜撹拌した。
メタノール300.0質量部で再沈殿させた後、濾過、乾燥させてマクロモノマー1を得た。得られたマクロモノマー1の物性を表2に示す。
<マクロモノマー2の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、単量体としてベヘニルアクリレート50.00質量部、ステアリルアクリレート42.5質量部、開始剤にVA−086(和光純薬)5.40質量部を加えて、窒素雰囲気下で100℃で5時間反応させ樹脂(2)を得た。
次いで、撹拌機、温度計、及び、窒素導入管を備えた反応容器に得られた樹脂(2)と、テトラヒドロフラン100.00質量部を添加して40℃に昇温させて完全に溶解させた後、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート2.40質量部を徐々に加えた。その後、40℃で5時間撹拌した。その後、1hPaでTHFを除去して、反応容器からバットに移し、冷却後粗砕してマクロモノマー2を得た。得られたマクロモノマー2の物性を表2に示す。
<マクロモノマー3の製造>
表1で示しめす材料に変更すること以外はマクロモノマー2の製造と同様にしてマクロモノマー3を得た。得られたマクロモノマー3の物性を表2に示す。
<マクロモノマー4および6乃至18の製造>
表1に示すような原料に変更すること以外はマクロモノマー1の製造方法と同様にしてマクロモノマー4および6乃至18を得た。得られたマクロモノマー4および6乃至18の物性を表2に示す。
<マクロモノマー5の製造>
熱交換用のジャケット付の撹拌式連続反応槽に、ベヘニルアクリレート100.00質量部、重合開始剤としてジーt−ブチルパーオキサイド 0.1質量部を一定の速度で供給し、撹拌しながら反応温度を温度250℃に維持した。反応槽の内容積の80%が反応原料で満たされた後は、反応槽の出口を開いて、反応原料混合物の供給量に応じて反応液を取り出し、常に反応槽の内容積の80%が反応原料で満たされた状態で反応を続けた。反応槽中における反応原料混合物の滞留時間は15分であった。反応槽から取り出された反応原料混合物は、温度250℃に加熱されたジャケットを有し、真空度30kPaとした薄膜蒸発器に導入され、未反応モノマーと副生成物を含む揮発成分とマクロモノマー5に分離した。揮発成分は凝縮器を通じて回収し、その80%を反応原料混合物と共に反応槽に還流供給した。このようにして得られたマクロモノマー5の物性を表2に示す。
Figure 2016218237
Figure 2016218237
<トナー1の製造>
温度60℃に加温したイオン交換水600.0質量部に、リン酸三カルシウム9.0質量部を添加し、TKホモミクサー(特殊機化工業製)を用いて、撹拌速度15,000rpmにて撹拌し、水系媒体を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式撹拌装置にて撹拌速度100rpmで撹拌しながら、混合して溶解液を調製した。
・スチレン 56.5質量部
・n−ブチルアクリレート 19.0質量部
・マクロモノマー1 24.5質量部
次に上記溶解液に、
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE−88、オリエント化学社製) 0.7質量部
・炭化水素ワックス(Tm=78℃) 9.0質量部
・負荷電性制御樹脂1 1.0質量部
(スチレン/アクリル酸2−エチルヘキシル/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、酸価14.5mgKOH/g、Tg=83℃、Mw=33,000)
・極性樹脂 5.0質量部
(スチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体、酸価10mgKOH/g、Tg=80℃、Mw=15,000)
を加え、その後、混合液を温度65℃に加温した後にTKホモクキサーにて、撹拌速度10,000rpmにて撹拌し、溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。なお、重合性単量体組成物の量は、スチレン、n−ブチルアクリレート、マクロモノマー1、シアン着色剤、負荷電制御剤、炭化水素ワックス、負荷電性制御樹脂1、極性樹脂を合計した122.2質量部である。
続いて、上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤として
・パーブチルPV(10時間半減期温度54.6℃(日本油脂製)) 6.0質量部
を加え、温度70℃にてTKホモミクサーを用いて、撹拌速度12,000rpmで10分間撹拌し、造粒した。
プロペラ式撹拌装置に移して撹拌速度200rpmで撹拌しつつ、温度85℃で5時間、重合性単量体組成物中の重合性単量体であるスチレン、マクロモノマー1及びn−ブチルアクリレートを重合反応させ、トナー粒子を含むスラリーを製造した。重合反応終了後、該スラリーを冷却した。冷却されたスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100質量部に対して、外添剤として、シリカ微粉体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で撹拌速度3000rpmで15分間混合して、トナー1を得た。トナー1の物性を表3に示す。
<トナー2乃至24の製造>
表3に示すように変更すること以外はトナー1と同様の製造方法でトナー2乃至24を得た。トナー2乃至24の物性を表3に示す。
Figure 2016218237
〔造粒性〕
「コールター・カウンター Multisizer 3」の重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)比(D4/D1)の値を造粒性の指標として評価した。本発明では、C以上が本発明の効果が得られているレベルとする。
(評価基準)
A:D4/D1が1.15未満
B:D4/D1が1.15以上1.25未満
C:D4/D1が1.25以上1.35未満
D:D4/D1が1.35以上
<画像評価>
画像評価は、市販のカラーレーザープリンタ〔 HP Color LaserJet 3525dn]を一部改造して評価を行った。改造は一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改良した。また、定着器を任意の温度に変更できるように改造した。
このカラーレーザープリンタに搭載されていたブラックトナー用のプロセスカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、プロセスカートリッジに各トナー(300g)を導入し、トナーを詰め替えたプロセスカートリッジをカラーレーザープリンタに装着し、以下の画像評価を行った。具体的な画像評価項目は下記の通りである。
〔低温定着性〕
転写材にベタ画像(トナーの載り量:0.9mg/cm2)の画像を定着温度を変えてで評価した。なお、定着温度は定着ローラー表面を非接触の温度計を用いて測定した値である。転写材は、LETTERサイズの普通紙(XEROX4200、XEROX社製、75g/m2)を用いた。
(評価基準)
A:100℃でオフセットせず
B:100℃でオフセット発生
C:110℃でオフセット発生
D:120℃でオフセット発生
〔高温定着性〕
転写材にベタ画像(トナーの載り量:0.9mg/cm2)の画像を定着温度を変えて(190乃至210℃)で評価した。なお、定着温度は定着ローラー表面を非接触の温度計を用いて測定した値である。転写材は、普通紙(LETTERサイズのXEROX4200用紙、XEROX社製、75g/m2)を用いた。
(評価基準)
A:210℃でオフセットせず
B:210℃でオフセット発生
C:200℃でオフセット発生
D:190℃でオフセット発生
〔耐熱性〕
各トナー5gを50ccポリカップに取り、温度55℃/湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べて評価した。
(評価基準)
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
C:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない
D:完全に凝集
〔グロス〕
定着温度170℃でベタ画像(トナーの載り量:0.6mg/cm2)をPG−3D(日本電色工業製)を用いてグロス値の測定を行った。転写材としては、LETTERサイズの普通紙(XEROX4200用紙、XEROX社製、75g/m2)を用いた。
(評価基準)
A:グロス値が30以上
B:グロス値が25以上30未満
C:グロス値が15以上25未満
D:グロス値が15未満
〔現像スジ〕
常温常湿環境下(温度23℃/湿度60%RH)、及び、高温高湿環境下(温度33℃/湿度85%RH)において、横線で1%の印字率の画像を25000枚プリントアウト試験終了後、LETTERサイズのXEROX4200用紙(XEROX社製、75g/m2)にハーフトーン(トナーの載り量:0.6mg/cm2)の画像をプリントアウトし、現像スジの評価をした。
(評価基準)
A:未発生
B:現像スジが1カ所以上3カ所以下発生
C:現像スジが4カ所以上6カ所以下発生
D:現像スジが7カ所以上発生、あるいは、幅0.5mm以上発生
〔実施例1乃至20〕
実施例1乃至20では、トナーとしてトナー1乃至20をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表4に示す。
〔比較例1乃至4〕
比較例1乃至4では、トナーとしてトナー21乃至24をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表4に示す。
Figure 2016218237

Claims (5)

  1. 結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    スチレン、およびマクロモノマーを含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させて該重合性単量体組成物の粒子を形成する工程、及び
    該重合性単量体組成物の該粒子に含有される該スチレンと該マクロモノマーとを共重合させて該結着樹脂を形成し、トナー粒子を得る工程、
    を有し、
    該マクロモノマーは、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートから誘導されるマクロモノマーであり、
    示差走査熱量計(DSC)測定における該マクロモノマーの融点(Tm)が、50℃以上90℃以下であり、
    該重合性単量体組成物は、該マクロモノマーを3質量%以上40質量%以下含有することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 該トナーは、DSCの測定において該マクロモノマーに由来する吸熱ピークまたはショルダーを有する特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 該マクロモノマーの1分子当たりの重合性官能基数が0.7個以上1.5個以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 該マクロモノマーの重量平均分子量(Mw)が、3000以上25000以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  5. 該アルキルアクリレートまたは該アルキルメタクリレートのアルキル部分の炭素数が、12以上30以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
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